JP4366922B2 - 酸素吸収性パウチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プラスチックフイルムにより構成された酸素吸収性パウチに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂に酸素吸収剤を配合した酸素吸収性樹脂層を有する多層フイルムは公知であり、このような酸素吸収剤としては鉄粉をはじめとする金属粉、金属酸化物等種々のものが提案されている。また、このような多層フイルムにおいて、酸素吸収剤等が包装袋や容器内に浸出するのを防止するとともに、多層フイルムにヒートシール性を付与するために、フイルムの内層面にヒートシール性樹脂層を設けること、及び酸素吸収性樹脂層中に配合される酸素吸収剤粒子による凹凸を吸収し、ガスバリヤー性層との接着性等を改善するために、酸素吸収性樹脂層と、その外側に設けるガスバリヤー性樹脂層との間にクッション性樹脂層を設けることが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
さらに、多層フイルムを構成する酸素吸収性樹脂層の樹脂マトリックスとして、非相溶性の結晶性プロピレン系重合体中にエチレン系重合体を不均一分布構造に存在させたブレンド物からなり、ブレンド物の相溶化剤として無水マレイン酸変性オレフィン系樹脂を存在させたものも提案されている。(特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平9−40024号公報
【特許文献2】
特開2001−96693号公報
【0004】
しかしながら、これらの酸素吸収剤を配合した酸素吸収性樹脂層を有する多層フイルムによりプラスチックパウチを構成した場合には、多層フイルムを構成する各層間の凝集力が減少してレトルト殺菌時にシール強度が低下し、パウチに必要とされる法定上のシール強度(22.6N/15mm幅以上)を達成できないという欠点がある。特に、多層フイルム中にアルミニウム等の金属箔層を含む多層フイルムの場合には、シール強度の低下とともに、酸素吸収剤による凹凸の影響を受けて、薄い金属箔にピンホールやクラックが発生し、傷の部分から酸素、水蒸気等が侵入し、パウチ内に内容物を充填した後に高温でレトルト殺菌処理を行なうことができなくなるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は酸素吸収剤を配合した酸素吸収性樹脂層と金属箔層を含む多層プラスチックパウチに特有の上記の問題点を解消して、充分な酸素吸収性を発揮して内容物の品質低下を防止するとともに、プラスチックパウチに必要なシール強度を確保し、高温でのレトルト殺菌処理が可能な酸素吸収性パウチを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、酸素吸収性パウチを構成する多層フイルムの層構成と、該多層フイルムの酸素吸収性樹脂層を構成する樹脂組成物の組成を特定のものとすることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明はつぎのような構成をとるものである。
1.内層から順に、ポリプロピレン系内面樹脂層;樹脂マトリックスがポリプロピレン系重合体、酸素吸収性樹脂層全体を基準にして5〜40重量%の直鎖状低密度ポリエチレン、同じく2〜30重量%の酸変性ポリオレフィン重合体からなり、酸素吸収剤を含有する酸素吸収性樹脂層;ポリプロピレン系緩衝樹脂層;ポリアミド樹脂層;金属箔層;ポリエステル外層樹脂層からなる多層フイルムにより構成された酸素吸収性パウチ。
2.ポリプロピレン系内面樹脂層及びポリプロピレン系緩衝樹脂層がエチレン−プロピレン共重合体により構成されたものであることを特徴とする1に記載の酸素吸収性パウチ。
3.酸素吸収性樹脂層を構成する樹脂組成物中に、酸素吸収剤として金属粉;金属低位酸化物;還元性金属化合物;から選ばれた1種又は2種以上を配合したことを特徴とする1又は2に記載の酸素吸収性パウチ。
4.酸素吸収性樹脂層を構成する樹脂組成物中の酸素吸収剤の含有量が、樹脂組成物全体を基準として5〜40重量%であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の酸素吸収性パウチ。
5.酸素吸収性樹脂層の厚みが10〜50μmであることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の酸素吸収性パウチ。
6.ポリプロピレン系緩衝樹脂層とポリアミド樹脂層、ポリアミド樹脂層と金属箔層、及び金属箔層とポリエステル外層樹脂層の間に接着剤樹脂を介在させたことを特徴とする1〜5のいずれかに記載の酸素吸収性パウチ。
7.ポリプロピレン系緩衝樹脂層;ポリアミド樹脂層;金属箔層;ポリエステル外層樹脂層からなる基材フイルムのポリプロピレン系緩衝樹脂層面とポリプロピレン系内面樹脂層となるフイルムの間に酸素吸収性樹脂層を構成する樹脂組成物を溶融押出しすることにより得られた多層フイルムをヒートシールしてパウチを製造することを特徴とする1〜6のいずれかに記載の酸素吸収性多層パウチの製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の酸素吸収性パウチを構成する多層フイルムの1例を示す模式断面図である。
この多層フイルム1は、ポリプロピレン系内面樹脂層2;酸素吸収性樹脂層3;ポリプロピレン系緩衝樹脂層4;接着剤層5;ポリアミド樹脂層6;接着剤層7;アルミニウム箔8;接着剤層9;ポリエステル外層樹脂層10を積層したものである。酸素吸収性樹脂層3中には、酸素吸収剤11が配合されている。
【0008】
本発明では、このような特定の層構成を有する多層フイルムによって酸素吸収性プラスチックパウチを形成する際に、酸素吸収性樹脂層をポリピロピレン系重合体を主材とし、特定量の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、酸変性ポリオレフィン重合体及び酸素吸収剤を含有する樹脂組成物によって構成したことを特徴とする。
主剤となるポリプロピレン重合体としては、ホモポリプロピレンの他に1乃至20重量%、特に2乃至15重量%のエチレンを含有するランダム、或いはブロック共重合体が使用することが好ましい。これらのポリプロピレンは、アイソタクティック構造のものでも、シンジオタクティック構造のものでもよい。
【0009】
酸素吸収性樹脂層中のLLDPEの配合量は、酸素吸収性樹脂層全体を基準として5〜40重量とすることが必要である。
LLDPEの配合量が5重量%より少ない場合には、配合した効果が得られず、実用上破袋するものが発生しやすくなる。一方、LLDPEの配合量が40重量%よりも多くなると、レトルト殺菌後のシール強度が低下する。
酸素吸収性樹層に配合するLLDPEとしては特に制限はないが、密度が0.88〜0.94g/cm程度のものを使用することが好ましい。
【0010】
酸変性ポリオレフィン重合体としては、エチレン等のα−オレフィンを主成分とし、アクリル酸、メタアクリル酸、エタアクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸又はこれらの無水物を1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%含有する共重合体、特にグラフト共重合体を使用することが好ましい。不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン重合体のMFRは、0.5〜30g/10min、特に5〜27g/10minの範囲のものが好ましい。酸素吸収性樹脂層中の酸変性ポリオレフィン重合体の配合量は、酸素吸収性樹脂層全体を基準として2〜30重量%とすることが好ましい。酸素吸収性樹脂層中に、酸変性ポリオレフィン重合体を2〜30重量%配合した場合には、落下衝撃強度、シール強度ともにLLDPEのみを配合したものより高くなる。
酸変性ポリオレフィン重合体の配合量が2重量%より少ない場合には、配合した効果が発揮されない。一方、配合量が30重量%を超える場合には、落下衝撃強度、シール強度が低くなる。
【0011】
酸素吸収性樹脂層3中に配合する酸素吸収剤11としては、従来この種の用途に使用されている酸素吸収剤は全て使用できるが、一般には還元性でしかも実質上水に不溶なものが好ましく、その適当な例としては、還元性を有する金属粉、例えば還元性鉄、還元性亜鉛、還元性錫粉;金属低位酸化物、例えばFeO、Fe;還元性金属化合物、例えば炭化鉄、ケイ素鉄、鉄カルボニル、水酸化第一鉄等の一種又は二種以上を組み合わせたものを主成分としたものが挙げられる。これらは必要に応じて、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第三リン酸塩、第二リン酸塩、有機酸塩、ハロゲン化物、更に活性炭、活性アルミナ、活性白土のような助剤とも組み合わせて使用することができる。これらの酸素吸収性剤の内でも、還元性鉄が特に好ましい。
【0012】
これら酸素吸収剤は、一般に平均粒径が50μm以下、特に30μm以下の粒径を有することが好ましい。酸素吸収剤は、酸素吸収性樹脂層全体を基準として5〜30重量%、特に10〜30重量%の割合で配合することが好ましい。
【0013】
酸素吸収性パウチを構成する多層フイルム1のポリプロピレン系内面樹脂層2は、パウチを製造する際に必要となるヒートシール性を付与するとともに、該層に隣接する酸素吸収性樹脂層3に配合された酸素吸収剤や酸素吸収作用促進助剤等がパウチ内部に浸出乃至脱出するのを防止する役割をも果たす。
このようなポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレンの他に1乃至20重量%、特に2乃至15重量%のエチレンを含有するランダム、或いはブロック共重合体が使用される。これらのポリプロピレンは、アイソタクティック構造のものでも、シンジオタクティック構造のものでもよい。
ポリプロピレン系内面樹脂は必要に応じてチタン白等の白色顔料等で着色されていてもよい。
【0014】
多層フイルム1のポリプロピレン系緩衝樹脂層4は、酸素吸収性樹脂層3中に配合された酸素吸収剤粒子の一部が、該樹脂層の表面近くに浮出してくることにより生ずる樹脂層表面の凹凸を緩和し、多層フイルムの外層面における平滑性を良好にすると共に、多層フイルムをヒートシールしてパウチを製造する際に、多層フイルムを構成する各層間に凝集力が作用してシール強度が低下するのを防止する。また、パウチの耐衝撃強度を向上させ、酸素吸収剤による凹凸の影響を受けて多層フイルム1中の金属箔層8にピンホールやクラックが発生するのを防止する。
【0015】
ポリプロピレン系緩衝樹脂層4を構成する樹脂としては、具体的には、ポリプロピレン単独重合体やエチレン・プロピレン共重合体等が用いられる。
また、ポリプロピレン系緩衝樹脂層4を構成する樹脂として、ポリプロピレン系内面樹脂層2を構成する樹脂と同種のものを使用した場合には、強いラミネート強度が得られるので好ましい。
【0016】
該ポリプロピレン系緩衝樹脂層4は、前記したクッション機能を十分に達成するために、その厚さが10μm以上あることが好ましく、適当な厚さとしては、酸素吸収性樹脂層3に配合される酸素吸収剤粉末の種類、粒径、配合量等により若干変動するが、好ましくは、10〜50μm、特に15μm〜30μmが好ましい。
【0017】
ポリプロピレン系緩衝樹脂層4の外層側には、接着剤層5;ポリアミド樹脂層6;接着剤層7;金属箔層8;接着剤層9;ポリエステル外層樹脂層10を順次積層する。
このように、ポリアミド樹脂層6をポリプロピレン系緩衝樹脂層4と金属箔層8の間に設けることによって、金属箔層8に対する酸素吸収剤による凹凸の影響をさらに緩和し、金属箔層8にピンホールやクラックが発生するのを防止することができる。また、金属箔層8の内側にポリアミド樹脂層6を設けることによって、パウチを開封する際の引裂きの方向性が安定するとともに、引裂き時に多層パウチの層間が剥離して糸引きが発生するのを防止することができる。
【0018】
ポリアミド樹脂層6を構成するポリアミド樹脂としては特に制限はなく、例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/6,6共重合体、ナイロン6,10、メタキシリレンアジパミド(MXD6)、ナイロン11、ナイロン12等を使用することができる。
【0019】
多層フイルム1の外層樹脂層10は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性ポリエステル樹脂により構成する。外層樹脂層を構成する好ましい樹脂としては、PET単独重合体、及びエチレンテレフタレート単位を主体とし、PETの本質を損なわない範囲で、他のポリエステル単位を含むコポリエステルが挙げられる。
このようなコポリエステル形成用の共重合成分としては、イソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、ジフエノキシエタン−4,4′−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸またはこれらのアルキルエステル誘導体などのジカルボン酸成分;プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフエノールAのエチレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのグリコール成分を挙げることができる。
使用するポリエステル樹脂は、器壁の機械的な性質の点からは、固有粘度[η]が0.5以上、特に0.6以上であることが望ましい。更にこのポリエステル樹脂には、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの添加剤を含有することも出来る。
【0020】
多層フイルムのポリプロピレン系緩衝樹脂層とポリアミド樹脂層、ポリアミド樹脂層と金属箔層、及び金属箔層とポリエステル外層樹脂層の間には、接着剤樹脂を介在させることが好ましい。
接着剤樹脂としては特に制限はなく、通常多層フイルムを構成するのに使用される接着剤樹脂はいずれも使用可能であり、例えばウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
【0021】
つぎに、本発明の酸素吸収性パウチを構成する多層フイルムの好ましい製造方法の1例について説明する。
はじめに、ポリエステル外層、金属箔層、ポリアミド樹脂層、ポリプロピレン系緩衝樹脂層を構成するフイルム間に接着剤樹脂を塗布し、ドライラミネーションにより多層基材フイルムを製造する。つぎに、得られた多層基材フイルムのポリプロピレン系緩衝樹脂層面と、ポリプロピレン系内面樹脂層となるフイルムの間に酸素吸収性樹脂層を構成する樹脂組成物を溶融押出しすることによりパウチを構成する多層フイルムを得ることができる。
【0022】
多層フイルムの各樹脂層を構成するフイルムとしては、延伸フイルム、未延伸フイルムのいずれも使用することが可能である。また、上記の製造方法以外に、通常多層フイルムを製造するのに使用される他の製造方法によって、多層フイルムを製造してもよいことは言うまでもない。
多層フイルム1を構成する各層の厚みは、目的とする酸素吸収性パウチの種類や用途に応じて適宜選択することができる。好適な態様の例としてはポリプロピレン系内面樹脂層2;酸素吸収性樹脂層3;ポリプロピレン系緩衝樹脂層4;接着剤層5;ポリアミド樹脂層6;接着剤層7;金属箔層8;接着剤層9;ポリエステル外層10の順に、各々20〜40μm;15〜50μm;20〜40μm;2〜6μm;12〜25μm;2〜6μm;6〜9μm;2〜6μm;12〜25μmの範囲である。特に、酸素吸収性樹脂層の厚みを上記範囲とすることが好ましい。また、多層フイルム1の全体としての厚みは91〜207μmとすることが好ましい。
【0023】
このようにして得られた多層フイルムをヒートシールすることによって目的とする酸素吸収性パウチを得ることができる。本発明の酸素吸収性パウチの形状やサイズには特に限定はなく、例えば三方又は四方シールの平パウチ、ピロー型パウチ、ガセットパウチ、スタンディングパウチ等、各種形状のパウチとすることができる。
本発明の酸素吸収性パウチは、パウチを構成する全包材を上記の酸素吸収性樹脂層を有する多層フイルムにより構成することができる。また、パウチの用途等に応じて酸素吸収性樹脂層を有する、又は有しない他の包材と組み合わせてパウチを構成するようにしてもよい。このような例としては、例えばスタンディングパウチの胴材を上記した酸素吸収性樹脂層を有する多層フイルムにより構成し、底材を、胴材と同量又は若干少なめの酸素吸収剤を配合した酸素吸収性樹脂層を有する複層のプラスチックフイルムにより構成したもの等が挙げられる。
【0024】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
参考例1
片面に印刷を施した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(外層樹脂層10)の印刷面にウレタン系接着剤を塗布し、厚さ7μmのアルミニウム箔(金属箔層8)をドライラミネートした。次に、このアルミ箔面に厚さ15μmのナイロン6フイルム(ポリアミド樹脂層6)を、さらにナイロン6フイルム面に厚さ30μmのポリプロピレンフイルム(ポリプロピレン系緩衝樹脂層4)を、同様にウレタン系接着剤を使用して順次ドライラミネートして、4層構成のラミネートフイルムを作製して基材フイルムとした。
【0025】
この基材フイルムと、酸化チタンで白色に着色した厚さ30μmのポリプロピレンフイルム(内面樹脂層2)を、それぞれ汎用の押出しラミネーターの巻き出し機にセットした。この際、基材フイルムは押出しラミネートの際に、PET外層面がラミネーターの冷却ロールに接するように配置した。
酸素吸収性樹脂層3を構成する樹脂組成物として、エチレン含量が12重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合樹脂80重量%、密度が0.88の直鎖状低密度ポリエチレン10重量%及び粒状鉄系酸素吸収剤10重量%からなる樹脂組成物を溶融し、基材フイルムのポリプロピレンフイルム(ポリプロピレン系緩衝樹脂層4)面と内層樹脂層2を構成する市販の白色顔料を添加したポリプロピレンフイルム面の間に押出しながらサンドイッチラミネートすることにより、外層側から、12μmPET/7μmアルミ箔/15μmナイロン6/30μmポリプロピレン/25μm酸素吸収性樹脂層/30μmポリプロピレン、という層構成を有する多層フイルムを製造した。
得られた多層フイルムを裁断、ヒートシールすることによって、高さ175mm、幅126mmの平パウチを作製した。
【0026】
実施例1
酸素吸収性樹脂層3を構成する樹脂組成物の組成を、エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂70重量%、直鎖状低密度ポリエチレン10重量%、無水マレイン酸変性ポリプロピレン重合体10重量%及び粒状鉄系酸素吸収剤10重量%に変更した以外は、参考例1と同様にして、同様の平パウチを作製した。
【0027】
(比較例1)
酸素吸収性樹脂層3を構成する樹脂組成物の組成を、エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂90重量%及び粒状鉄系酸素吸収剤10重量%に変更した以外は、参考例1と同様にして、同様の平パウチを作製した。
【0028】
(比較例2)
酸素吸収性樹脂層3を構成する樹脂組成物の組成を、エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂45重量%、直鎖状低密度ポリエチレン45重量%及び粒状鉄系酸素吸収剤10重量%に変更した以外は、参考例1と同様にして、同様の平パウチを作製した。
【0029】
(パウチの性能試験)
上記の各例で得られたパウチ内に、水200gを充填後ヒートシールして密封し、120℃/30分の条件でレトルト殺菌を行い、サンプルパウチを調製し、下記の条件でパウチ単体落下試験及びシール強度測定を行なった。結果は、表1にまとめて記載した。
(パウチ単体落下試験)
冷蔵庫内に一昼夜保管し、温度を5℃に調整したサンプルパウチ20袋を使用し、1.2mの高さから10回落下させて、破袋したパウチの割合を調べた。
(シール強度)
パウチのヒートシール部から15mm幅の短冊状試験片を切り取り、引張り試験機(テンシロン万能試験機、UCT−500)を使用して、引張り速度300mm/分にて測定した。短冊状試験片20本について測定を行ない、その平均値をシール強度とした。
【0030】
【表1】
Figure 0004366922
【0031】
上記表1によれば、参考例1及び実施例1で得られたパウチでは、単体落下試験でパウチを10回落下させた後にも、過半数以上のパウチが破袋しなかった。また、パウチのヒートシール部のシール強度も、食品衛生法の「容器包装詰加圧加熱殺菌食品の容器包装」の規格基準である22.6N/15mmを大幅に上回るものであった。
これに対して、酸素吸収性樹脂層に直鎖状低密度ポリエチレンが配合されていない比較例1のパウチでは、単体落下試験でパウチを10回落下させた後に、破袋せずに残ったパウチはわずか10%であった。また、酸素吸収性樹脂層に45重量%と多量の直鎖状低密度ポリエチレンを配合した比較例2のパウチでは、単体落下試験でパウチを10回落下させた後には過半数以上のパウチが破袋せずに残ったが、シール強度が20N/15mmと低く、食品衛生法の規格基準を満たさないものであった。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、酸素吸収剤を配合した酸素吸収性樹脂層と金属箔層を含む多層プラスチックパウチに特有の、シール強度の低下とともに、酸素吸収剤による凹凸の影響により薄い金属箔にピンホールやクラックが発生し、傷の部分から酸素、水蒸気等が侵入し、パウチ内に内容物を充填した後に高温でレトルト殺菌処理を行なうことができなくなるという問題を解消して、充分な酸素吸収性を発揮して内容物の品質低下を防止するとともに、プラスチックパウチに必要なシール強度を確保し、高温でのレトルト殺菌処理が可能な酸素吸収性パウチを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素吸収性パウチを構成する多層フイルムの1例を示す図である。
【符号の説明】
1 多層フイルム
2 ポリプロピレン系内面樹脂層
3 酸素吸収性樹脂層
4 ポリプロピレン系緩衝樹脂層
5,7,9 接着剤層
6 ポリアミド樹脂層
8 金属箔層
10 ポリエステル外層樹脂層

Claims (7)

  1. 内層から順に、ポリプロピレン系内面樹脂層;樹脂マトリックスがポリプロピレン系重合体、酸素吸収性樹脂層全体を基準にして5〜40重量%の直鎖状低密度ポリエチレン、同じく2〜30重量%の酸変性ポリオレフィン重合体からなり、酸素吸収剤を含有する酸素吸収性樹脂層;ポリプロピレン系緩衝樹脂層;ポリアミド樹脂層;金属箔層;ポリエステル外層樹脂層からなる多層フイルムにより構成された酸素吸収性パウチ。
  2. ポリプロピレン系内面樹脂層及びポリプロピレン系緩衝樹脂層がエチレン−プロピレン共重合体により構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の酸素吸収性パウチ。
  3. 酸素吸収性樹脂層を構成する樹脂組成物中に、酸素吸収剤として金属粉;金属低位酸化物;還元性金属化合物;から選ばれた1種又は2種以上を配合したことを特徴とする請求項1又は2に記載の酸素吸収性パウチ。
  4. 酸素吸収性樹脂層を構成する樹脂組成物中の酸素吸収剤の含有量が、樹脂組成物全体を基準として5〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸素吸収性パウチ。
  5. 酸素吸収性樹脂層の厚みが10〜50μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸素吸収性パウチ。
  6. ポリプロピレン系緩衝樹脂層とポリアミド樹脂層、ポリアミド樹脂層と金属箔層、及び金属箔層とポリエステル外層樹脂層の間に接着剤樹脂を介在させたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の酸素吸収性パウチ。
  7. ポリプロピレン系緩衝樹脂層;ポリアミド樹脂層;金属箔層;ポリエステル外層樹脂層からなる基材フイルムのポリプロピレン系緩衝樹脂層面とポリプロピレン系内面樹脂層となるフイルムの間に酸素吸収性樹脂層を構成する樹脂組成物を溶融押出しすることにより得られた多層フイルムをヒートシールしてパウチを製造することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の酸素吸収性多層パウチの製造方法。
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