JP4366588B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に係り、詳しくは、触媒コンバータ上流に設けた排ガスセンサからの出力情報に基づき内燃機関の燃焼空燃比を制御して触媒コンバータの排気浄化性能を向上させる技術に関する。
白金(Pt)等の貴金属を利用した排気浄化用の三元触媒コンバータは、少なからず酸素(O2)等の酸化剤を吸蔵或いは吸着(以下、単に吸蔵)する酸化剤ストレージ機能を有しており、排気空燃比がリーン空燃比(酸化雰囲気)であるときにO2を吸蔵してNOxの発生を抑え、一方排気空燃比がリッチ空燃比(還元雰囲気)であるときには、上記吸蔵したO2を放出(供給)してHC、COの酸化促進を図り、これによりNOxの還元反応とHC、COの酸化反応とを広い空燃比範囲で実現して排気浄化性能を向上させることが可能である。
また、最近では酸化剤ストレージ機能とともにHC等の還元剤を吸蔵する還元剤ストレージ機能をも併せ有した触媒コンバータの開発も進んでおり、当該触媒コンバータでは、排気空燃比がリッチ空燃比であるときに還元剤を吸蔵してHC等の発生を抑え、一方排気空燃比がリーン空燃比であるときには、上記吸蔵したHC等を放出(供給)してNOxの酸化促進を図り、これにより排気浄化性能をさらに向上させることが可能である。
このようなことから、例えば内燃機関の燃焼室内の空燃比(燃焼空燃比)を所定中心空燃比(例えば、ストイキ)を挟み一定期間毎にリーン空燃比とリッチ空燃比とに切り換えることで排気空燃比をリーン空燃比とリッチ空燃比とに変調(パータベーション)させ、酸化剤や還元剤の吸蔵と放出を繰り返すことで触媒コンバータの排気浄化性能向上を図った車両が開発されている(特許文献1等参照)。
ところで、かかる空燃比変調を行う場合、例えば、吸入空気量センサや燃料噴射弁等のばらつき、燃料付着による筒内への燃料供給量誤差、燃料量演算誤差等に起因して、リッチ側片振幅やリーン側片振幅或いはリッチ側期間やリーン側期間が変化し、実際の燃焼空燃比が空燃比変動を生じて所定中心空燃比に対し全体としてリッチ空燃比側或いはリーン空燃比側に偏る場合がある。
このように燃焼空燃比が空燃比変動を起こして偏る場合、排気空燃比も偏ることになるので、排気空燃比を検出し、燃焼空燃比を排気空燃比に応じて補正することが考えられる。
しかしながら、広範囲に亘り空燃比を検出可能な空燃比センサは、コストが高く、また応答性の点でも短期間に急速に変調される空燃比を精度よく検出することは困難である場合が多いという問題がある。
このようなことから、上記空燃比変調制御において、例えば一般的なO2−F/B制御と同様に、リッチ/リーン判定のみ可能な安価な排ガスセンサ(O2センサ等)を用い、排気空燃比と相関のある当該排ガスセンサにより検出されるリッチ/リーン出力期間比に基づいて燃焼空燃比を補正することが考えられる。
一方、内燃機関と排気系に設置された排ガスセンサとの間には一定の排気系容積が存在しているため、当該排気系容積の存在により排ガスセンサのリッチ/リーン判定では一般的に輸送遅れ等による応答遅れ、即ち検出遅れを生じており、当該検出遅れは内燃機関の運転状態(排気流量等)に応じて変動する傾向にある。そして、このように運転状態に応じて当該検出遅れが変動することになると、同一排気空燃比状態であってもリッチ/リーン出力期間比が変動してしまい、正確な空燃比制御を実現できないという問題がある。
これより、空燃比制御に排ガスセンサの応答遅れを加味した技術が公知である(特許文献2等参照)。
特開平10−159629号公報 特許第2668027号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の技術は、排ガスセンサの応答遅れに基づいて変調特性(ゲイン)を変更するようなものであるため、排ガスセンサにより検出されるリッチ/リーン出力期間比に基づいて燃焼空燃比を補正する空燃比制御にあっては、リッチ/リーン出力期間比の適正化を十分に図れず、変調サイクル間の平均的排気空燃比を所定空燃比(例えば、ストイキ)に調整し難いという問題がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、空燃比変調時において排ガスセンサの検出遅れに変動が生じた場合であっても、当該検出遅れの変動による影響を排除して変調サイクル間の平均的排気空燃比を所定空燃比にでき、触媒コンバータにおける排気浄化性能の最適化を図った内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の内燃機関の排気浄化装置では、内燃機関の排気通路に設けられた触媒コンバータと、前記触媒コンバータに流入する排気の空燃比を検出しリッチ/リーン判定を行う排気空燃比判定手段と、内燃機関の燃焼空燃比を所定中心空燃比を挟みリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに周期的に変調させ、前記排気の空燃比をリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに変調させる空燃比変調手段とを備え、前記空燃比変調手段は、前記排気空燃比判定手段によりリーン判定されたリーン判定期間に基づき変調サイクル間の平均的排気空燃比が所定空燃比となるよう燃焼空燃比を調整する燃焼空燃比調整手段と、燃焼空燃比のリッチ変調開始時期を検出するリッチ変調開始時期検出手段と、前記排気空燃比判定手段による排気空燃比のリッチ判定時期を検出するリッチ判定時期検出手段と、該リッチ変調開始時期から該リッチ判定時期までの前記排気空燃比判定手段のリッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出するリッチ空燃比側検出遅れ検出手段と、該リッチ空燃比側検出遅れ検出手段により検出されるリッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値に応じて目標リーン判定期間を求める目標リーン判定期間算出手段とを有し、前記燃焼空燃比調整手段は、前記目標リーン判定期間となるようにリーン変調期間を調整して、前記変調サイクル間の平均的排気空燃比を前記所定空燃比とすることを特徴とする。
また、請求項2の内燃機関の排気浄化装置では、内燃機関の排気通路に設けられた触媒コンバータと、前記触媒コンバータに流入する排気の空燃比を検出しリッチ/リーン判定を行う排気空燃比判定手段と、内燃機関の燃焼空燃比を所定中心空燃比を挟みリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに周期的に変調させ、前記排気の空燃比をリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに変調させる空燃比変調手段とを備え、前記空燃比変調手段は、前記排気空燃比判定手段によりリッチ判定されたリッチ判定期間に基づき変調サイクル間の平均的排気空燃比が所定空燃比となるよう燃焼空燃比を調整する燃焼空燃比調整手段と、燃焼空燃比のリーン変調開始時期を検出するリーン変調開始時期検出手段と、前記排気空燃比判定手段による排気空燃比のリーン判定時期を検出するリーン判定時期検出手段と、該リーン変調開始時期から該リーン判定時期までの前記排気空燃比判定手段のリーン空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出するリーン空燃比側検出遅れ検出手段と、該リーン空燃比側検出遅れ検出手段により検出されるリーン空燃比側検出遅れまたはその相関値に応じて目標リッチ判定期間を求める目標リッチ判定期間算出手段とを有し、前記燃焼空燃比調整手段は、前記目標リッチ判定期間となるようにリッチ変調期間を調整して、前記変調サイクル間の平均的排気空燃比を前記所定空燃比とすることを特徴とする。
また、請求項3の内燃機関の排気浄化装置では、内燃機関の排気通路に設けられた触媒コンバータと、前記触媒コンバータに流入する排気の空燃比を検出しリッチ/リーン判定を行う排気空燃比判定手段と、内燃機関の燃焼空燃比を所定中心空燃比を挟みリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに周期的に変調させ、前記排気の空燃比をリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに変調させる空燃比変調手段とを備え、前記空燃比変調手段は、前記排気空燃比判定手段によりリーン判定されたリーン判定期間及びリッチ判定されたリッチ判定期間に基づき変調サイクル間の平均的排気空燃比が所定空燃比となるよう燃焼空燃比を調整する燃焼空燃比調整手段と、燃焼空燃比のリッチ変調開始時期を検出するリッチ変調開始時期検出手段及びリーン変調開始時期を検出するリーン変調開始時期検出手段と、前記排気空燃比判定手段による排気空燃比のリッチ判定時期を検出するリッチ判定時期検出手段及びリーン判定時期を検出するリーン判定時期検出手段と、該リッチ変調開始時期から該リッチ判定時期までの前記排気空燃比判定手段のリッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出するリッチ空燃比側検出遅れ検出手段及び該リーン変調開始時期から該リーン判定時期までの前記排気空燃比判定手段のリーン空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出するリーン空燃比側検出遅れ検出手段と、該リッチ空燃比側検出遅れ検出手段により検出されるリッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値と該リーン空燃比側検出遅れ検出手段により検出されるリーン空燃比側検出遅れまたはその相関値との関係に応じて目標リーン判定期間を求める目標リーン判定期間算出手段及び目標リッチ判定期間を求める目標リッチ判定期間算出手段とを有し、前記燃焼空燃比調整手段は、前記目標リーン判定期間となるようにリーン変調期間を調整するとともに、前記目標リッチ判定期間となるようにリッチ変調期間を調整して、前記変調サイクル間の平均的排気空燃比を前記所定空燃比とすることを特徴とする。
また、請求項4の内燃機関の排気浄化装置では、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記触媒コンバータに流入する排気の流量を検出する排気流量検出手段をさらに有し、前記リッチ空燃比側検出遅れの相関値が前記リッチ変調開始時期から前記リッチ判定時期までの間に前記排気流量検出手段により検出される排気流量情報であり、前記リーン空燃比側検出遅れの相関値が前記リーン変調開始時期から前記リーン判定時期までの間に前記排気流量検出手段により検出される排気流量情報であることを特徴とする。
請求項1の内燃機関の排気浄化装置によれば、空燃比変調手段において、リッチ変調開始時期からリッチ判定時期までの排気空燃比判定手段のリッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出し、当該リッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値に応じて目標リーン判定期間を求め、該目標リーン判定期間となるようにリーン変調期間を調整して、変調サイクル間の平均的排気空燃比を所定空燃比とするので、排気空燃比判定手段のリッチ空燃比側検出遅れが内燃機関の運転状態(排気流量等)に応じて変動し、同一排気空燃比状態に拘わらず排気空燃比判定手段におけるリッチ/リーン判定期間比が変動するような場合であっても、当該検出遅れの変動による影響を排除してリーン判定期間を排気空燃比との相関の高いものとすることができ、燃焼空燃比を当該リーン判定期間に応じた適正なものとして排気中に供給される酸化剤と還元剤とをバランスさせ、NOx、HC、CO等の触媒への流入速度に対する吸着速度比を十分な値に維持することができる。これにより、変調サイクル間の平均的排気空燃比を所定空燃比(例えば、ストイキ)に近づけることができ、触媒コンバータの排気浄化性能の最適化を図ることができる。
請求項2の内燃機関の排気浄化装置によれば、空燃比変調手段において、リーン変調開始時期からリーン判定時期までの排気空燃比判定手段のリーン空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出し、当該リーン空燃比側検出遅れまたはその相関値に応じて目標リッチ判定期間を求め、該目標リッチ判定期間となるようにリッチ変調期間を調整して、変調サイクル間の平均的排気空燃比を所定空燃比とするので、排気空燃比判定手段のリーン空燃比側検出遅れが内燃機関の運転状態(排気流量等)に応じて変動し、同一排気空燃比状態に拘わらず排気空燃比判定手段におけるリッチ/リーン判定期間比が変動するような場合であっても、当該検出遅れの変動による影響を排除してリッチ判定期間を排気空燃比との相関の高いものとすることができ、燃焼空燃比を当該リッチ判定期間に応じた適正なものとして排気中に供給される酸化剤と還元剤とをバランスさせ、NOx、HC、CO等の触媒への流入速度に対する吸着速度比を十分な値に維持することができる。これにより、変調サイクル間の平均的排気空燃比を所定空燃比(例えば、ストイキ)に近づけることができ、触媒コンバータの排気浄化性能の最適化を図ることができる。
請求項3の内燃機関の排気浄化装置によれば、空燃比変調手段において、リッチ変調開始時期からリッチ判定時期までの排気空燃比判定手段のリッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出するとともにリーン変調開始時期からリーン判定時期までの排気空燃比判定手段のリーン空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出し、当該リッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値と当該リーン空燃比側検出遅れまたはその相関値との関係に応じて目標リーン判定期間及び目標リッチ判定期間を求め、この目標リーン判定期間となるようにリーン変調期間を調整するとともに、目標リッチ判定期間となるようにリッチ変調期間を調整して、変調サイクル間の平均的排気空燃比を前記所定空燃比とするので、排気空燃比判定手段のリーン空燃比側検出遅れが内燃機関の運転状態(排気流量等)に応じて変動し、同一排気空燃比状態に拘わらず排気空燃比判定手段におけるリッチ/リーン判定期間比が変動するような場合であっても、当該検出遅れの変動による影響を排除してリーン判定期間及びリッチ判定期間を排気空燃比との相関の高いものとすることができ、燃焼空燃比を当該リーン判定期間及び当該リッチ判定期間に応じた適正なものとして排気中に供給される酸化剤と還元剤とをバランスさせ、NOx、HC、CO等の触媒への流入速度に対する吸着速度比を十分な値に維持することができる。これにより、変調サイクル間の平均的排気空燃比を所定空燃比(例えば、ストイキ)に近づけることができ、触媒コンバータの排気浄化性能の最適化を図ることができる。
請求項4の内燃機関の排気浄化装置によれば、リッチ空燃比側検出遅れの相関値がリッチ変調開始時期からリッチ判定時期までの間に排気流量検出手段により検出される排気流量情報であり、リーン空燃比側検出遅れの相関値がリーン変調開始時期からリーン判定時期までの間に排気流量検出手段により検出される排気流量情報であるので、輸送遅れを代表する排気流量情報を用いることで排気空燃比判定手段の検出遅れの精度を高めることが可能である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1を参照すると、車両に搭載された本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成図が示されており、以下、当該排気浄化装置の構成を説明する。
同図に示すように、内燃機関であるエンジン本体(以下、単にエンジンという)1としては、吸気管噴射型(Multi Point Injection:MPI)ガソリンエンジンが採用される。
エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4が取り付けられており、点火プラグ4には高電圧を出力する点火コイル8が接続されている。
シリンダヘッド2には、各気筒毎に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと連通するようにして吸気マニホールド10の一端がそれぞれ接続されている。吸気マニホールド10には、電磁式の燃料噴射弁6が取り付けられており、燃料噴射弁6には、燃料パイプ7を介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(図示せず)が接続されている。
吸気マニホールド10の燃料噴射弁6よりも上流側には、吸入空気量を調節する電磁式のスロットル弁14が設けられており、併せてスロットル弁14の弁開度θthを検出するスロットルポジションセンサ(TPS)16が設けられている。さらに、スロットル弁14の上流には、吸入空気量を計測するエアフローセンサ18が介装されている。エアフローセンサ18としては、カルマン渦式エアフローセンサが使用される。
また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に排気ポートが形成されており、各排気ポートと連通するようにして排気マニホールド12の一端がそれぞれ接続されている。
なお、当該MPIエンジンは公知のものであるため、その構成の詳細については説明を省略する。
排気マニホールド12の他端には排気管20が接続されており、当該排気管20には、排気浄化触媒装置として三元触媒(触媒コンバータ)30が介装されている。
この三元触媒30は、担体に活性貴金属として銅(Cu),コバルト(Co),銀(Ag),白金(Pt),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd)のいずれかを有している。セリウム(Ce)、ジルコニア(Zr)等の酸素吸蔵材を含む場合の他、当該酸素吸蔵材を含まない場合においても、活性貴金属は、酸素吸蔵機能(O2ストレージ機能、酸化剤ストレージ機能)を有している。故に、三元触媒30は、排気空燃比(排気A/F)がリーン空燃比(リーンA/F)である酸化雰囲気中において酸素(O2)を吸蔵すると、排気A/Fがリッチ空燃比(リッチA/F)となり還元雰囲気となるまでそのO2をストレージO2として保持し、当該ストレージO2の放出(供給)により、還元雰囲気状態においてもHC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)を酸化除去可能である。即ち、当該三元触媒30は、酸化雰囲気でHC、COを浄化できるのは勿論のことNOxの発生をもある程度抑え、還元雰囲気中においてNOxの浄化のみならず吸蔵されたO2によりHC、COをもある程度浄化可能である。
また、排気管20の三元触媒30よりも直上流には、排気A/FがリッチA/FであるかリーンA/Fであるかを検出しリーン/リッチ判定を行うO2センサ(排気空燃比判定手段)22が配設されている。
ECU(電子コントロールユニット)40は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えており、当該ECU40により、エンジン1を含めた排気浄化装置の総合的な制御が行われる。
ECU40の入力側には、上述したTPS16、エアフローセンサ18、O2センサ22の他、エンジン1のクランク角を検出するクランク角センサ42等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。なお、クランク角センサ42からの情報に基づきエンジン回転速度Neが算出される。
一方、ECU40の出力側には、上述の燃料噴射弁6、点火コイル8、スロットル弁14等の各種出力デバイスが接続されており、これら各種出力デバイスには各種センサ類からの検出情報に基づき演算された燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期等がそれぞれ出力される。詳しくは、各種センサ類からの検出情報に基づき空燃比が適正な目標空燃比(目標A/F)に設定され、当該目標A/Fに応じた量の燃料が適正なタイミングで燃料噴射弁6から噴射され、またスロットル弁14が適正な開度に調整され、点火プラグ4により適正なタイミングで火花点火が実施される。
より詳しくは、当該排気浄化装置では、三元触媒30が上記O2ストレージ機能を有していることから、三元触媒30の能力を十分発揮するために、通常運転時には、ECU40によって空燃比を中心A/F(所定中心空燃比、例えば、ストイキ)を境にリッチA/FとリーンA/Fとの間で周期的に強制的に交互に振る強制変調制御を行うようにしている。つまり、燃焼室内の空燃比(燃焼A/F)を所定の振幅(所定のリッチ側片振幅Dr及び所定のリーン側片振幅Dl)をもって所定のリッチA/F及び所定のリーンA/F間で周期的に変調制御し、排気A/FをリッチA/FとリーンA/F間において強制的に変調させるようにしている(空燃比変調手段)。
なお、ここでは、中心A/Fを例えばストイキとしたが、中心A/Fについてはその他運転条件(エンジン回転速度Ne、体積効率、排気流量、吸入空気流量、排気温度、触媒温度、始動後経過時間、冷却水温度、作動油温度、空燃比変動量等)に応じて変更するようにしてもよい。
これにより、排気A/FがリーンA/Fである酸化雰囲気中ではHC、COが良好に浄化されるとともに三元触媒30のO2ストレージ機能によりO2が吸蔵されてNOxの発生がある程度抑えられ、排気A/FがリッチA/Fである還元雰囲気中ではNOxが良好に浄化されるとともに吸蔵されたストレージO2によってHC、COがある程度継続的に浄化され続け、三元触媒30の排気浄化性能の向上が図られる。
ところで、エアフローセンサ18や燃料噴射弁6等のばらつき、燃料付着による筒内への燃料供給量誤差、燃料量演算誤差等に起因して空燃比変動を生じ、実際の燃焼A/Fひいては排気A/Fが中心A/Fに対し全体としてリッチA/F側或いはリーンA/F側に偏る場合があり、このような場合、三元触媒30の排気浄化性能の向上を十分に図れないおそれがある。
そこで、本発明に係る排気浄化装置では、上記空燃比変調制御において、先ずこのような空燃比変動による燃焼A/FのリッチA/F側或いはリーンA/F側への偏りを解消すべくO2センサ22により検出されるリッチ出力期間(リッチ判定期間)、リーン出力期間(リーン判定期間)或いはこれらの比であるリッチ/リーン出力期間比(リッチ/リーン判定期間比)に基づいて燃焼A/Fを補正するようにし、変調サイクル間の平均排気A/Fを中心A/F(所定空燃比、例えば、ストイキ)に近づけるようにしている。
しかしながら、上述したように、エンジン1からO2センサ22までの間には一定の排気系容積が存在し、これによりO2センサ22のリッチ/リーン判定には輸送遅れ等の応答遅れ、即ち検出遅れを生じており、当該検出遅れはエンジン1の運転状態(排気流量等)に応じて変動する傾向にある。そして、このような場合、同一排気A/F状態であってもリッチ/リーン出力期間比が変動することになり、やはり燃焼A/Fひいては排気A/FのリッチA/F側或いはリーンA/F側への偏りが発生し、正確な空燃比制御を実現できないおそれがある。
そこで、本発明に係る排気浄化装置では、上記空燃比変調制御においてこのようなO2センサ22の検出遅れの変動による燃焼A/FのリッチA/F側或いはリーンA/F側への偏りをも解消するように図っており、以下、本発明に係る空燃比変調制御について説明する。
先ず第1実施例を説明する。
図2を参照すると、本発明の第1実施例に係る空燃比変調制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、また、図3乃至図5を参照すると、本発明に係る空燃比変調制御の制御内容を説明する図が横軸を排気系距離、縦軸を時間軸として3パターン図示されており、以下、図3乃至図5を参照しながらフローチャートに沿い説明する。なお、図3乃至図5中において、一点鎖線矢印は燃焼A/Fに関するリッチ変調期間或いはリーン変調期間を示し、二点鎖線矢印はO2センサ22によって検出されるリッチ出力期間或いはリーン出力期間を示している。また、図5は、例えばO2センサ22のリッチ/リーン判定に応じて逆位相で燃焼A/Fのリーン変調及びリッチ変調を行い、且つ、O2センサ22の検出遅れの変動のない理想的な変調パターン例を示している。
先ず、ステップS10では、現在リッチA/F側への変調(リッチA/F変調)開始時期からO2センサ22のリッチ判定時期までの間(図3乃至図5の実線矢印A期間)であるか否かを判別する。即ち、ECU40の指令に基づきリッチA/F変調が開始され(リッチ変調開始時期検出手段)、当該リッチA/F変調によりエンジン1でリッチ燃焼した排ガスがO2センサ22に到達するまでの検出遅れ期間内であるか否かを判別する(リッチ判定時期検出手段)。判別結果が真(Yes)で、現在リッチA/F変調開始時期からO2センサ22のリッチ判定時期までの間であると判定された場合には、ステップS12に進む。一方、判別結果が偽(No)で、現在リッチA/F変調開始時期からO2センサ22のリッチ判定時期までの間でないと判定された場合には、ステップS20に進む。
ステップS20では、現在リーンA/F側への変調(リーンA/F変調)開始時期からO2センサ22のリーン判定時期までの間(図3乃至図5の実線矢印B期間)であるか否かを判別する。即ち、ECU40の指令に基づきリーンA/F変調が開始され(リーン変調開始時期検出手段)、当該リーンA/F変調によりエンジン1でリーン燃焼した排ガスがO2センサ22に到達するまでの検出遅れ期間内であるか否かを判別する(リーン判定時期検出手段)。判別結果が真(Yes)で、現在リーンA/F変調開始時期からO2センサ22のリーン判定時期までの間であると判定された場合には、ステップS22に進む。一方、判別結果が偽(No)の場合には当該ルーチンを抜ける。
ステップS12では、制御目標となる目標リーン/リッチ出力期間比に基づき次式(1)より基本目標リーン出力期間を設定する。
基本目標リーン出力期間
=目標リーン/リッチ出力期間比×前回リッチ出力期間 …(1)
ここに、目標リーン/リッチ出力期間比は、リーンA/F変調時に排気中に供給される酸化剤とリッチA/F変調時に排気中に供給される還元剤とが化学量論的にバランスする理想的なリーン/リッチ出力期間比として設定された値であって、具体的には、後述するステップS18、ステップS28においてそれぞれ前回設定された目標リーン出力期間と目標リッチ出力期間との比であるが、所定値としてもよい。また、前回リッチ出力期間は、O2センサ22によって前回検出されたリッチ出力期間である。
一方、ステップS22では、同様にして次式(2)より基本目標リッチ出力期間を設定する。
基本目標リッチ出力期間
=目標リッチ/リーン出力期間比×前回リーン出力期間 …(2)
ここに、目標リッチ/リーン出力期間比は、上記同様、後述するステップS28、ステップS18においてそれぞれ前回設定された目標リッチ出力期間と目標リーン出力期間との比であるが、所定値としてもよい。また、前回リーン出力期間は、O2センサ22によって前回検出されたリーン出力期間である。
ステップS14では、O2センサ22によりリーン出力期間と判定されている間における排気流量の積算値(リーン時排気流量積算値)を更新するとともに、リーン出力期間における積算回数(リーン時積算回数)を更新する。
具体的には、例えばエアフローセンサ18からの吸入空気量情報に基づき排気流量を推定し(排気流量検出手段)、当該排気流量の推定値を積算する。なお、排気流量検出センサを設けて排気流量を直接求め、積算するようにしてもよい。
さらに、これらリーン時排気流量積算値とリーン時積算回数とに基づき次式(3)よりリーン出力期間における平均排気流量(リーン側平均排気流量、排気流量情報)を算出する。即ち、エンジン1の負荷、回転速度Ne等に応じて排気流量は変化するため、ここではリーン出力期間における実際の排気流量を応答性よく的確に把握するようにする。
リーン側平均排気流量=リーン時排気流量積算値/積算回数 …(3)
なお、エンジン1からO2センサ22までの排気系容積は一定であることから、当該リーン側平均排気流量は、当該排気系容積をリッチA/F変調開始時期からO2センサ22のリッチ判定時期までの期間における排気流量で除した値、即ちリッチA/F側検出遅れ(図3乃至図5の実線矢印A期間)と相関している。つまり、ここでは、O2センサ22のリッチA/F側検出遅れの相関値としてリーン側平均排気流量を応答性よく求めるようにしている(リッチ空燃比側検出遅れ検出手段)。
一方、ステップS24では、同様にしてO2センサ22によりリッチ出力期間と判定されている間における排気流量の積算値(リッチ時排気流量積算値)を更新するとともに、リッチ出力期間における積算回数(リッチ時積算回数)を更新する。
さらに、これらリッチ時排気流量積算値とリッチ時積算回数とに基づき次式(4)よりリッチ出力期間における平均排気流量(リッチ側平均排気流量、排気流量情報)を算出する。即ち、リッチ出力期間における実際の排気流量を応答性よく的確に把握するようにする。
リッチ側平均排気流量=リッチ時排気流量積算値/積算回数 …(4)
なお、同様にして、当該リッチ側平均排気流量は、エンジン1からO2センサ22までの排気系容積をリーンA/F変調開始時期からO2センサ22のリーン判定時期までの期間における排気流量で除した値、即ちリーンA/F側検出遅れ(図3乃至図5の実線矢印B期間)と相関している。つまり、ここでは、O2センサ22のリーンA/F側検出遅れの相関値としてリッチ側平均排気流量を応答性よく求めるようにしている(リーン空燃比側検出遅れ検出手段)。
ステップS16では、前回求めたリッチ時排気流量積算値とリッチ時積算回数とをリセットする。
一方、ステップS26では、前回求めたリーン時排気流量積算値とリーン時積算回数とをリセットする。
ステップS18では、基本目標リーン出力期間、リーン側平均排気流量及び前回求めたリッチ側平均排気流量とに基づき目標リーン出力期間を次式(5)より算出する(目標リーン判定期間算出手段)。
目標リーン出力期間
=基本目標リーン出力期間×リッチ側平均排気流量/リーン側平均排気流量 …(5)
ここに、リッチ側平均排気流量/リーン側平均排気流量は、即ちO2センサ22の検出遅れの変動を表している。
つまり、ここでは、O2センサ22の検出遅れの変動を考慮して目標リーン出力期間を設定するようにしている。例えば、リーン出力期間における排気流量、即ちリーン側平均排気流量がリッチ出力期間における排気流量、即ちリッチ側平均排気流量よりも多ければ、酸化剤が過剰となって還元剤との化学量論的なバランスが崩れないよう、目標リーン出力期間がその比分だけ短く設定される。逆にリッチ出力期間における排気流量、即ちリッチ側平均排気流量がリーン出力期間における排気流量、即ちリーン側平均排気流量よりも多ければ、酸化剤が不足してやはり還元剤との化学量論的なバランスが崩れないよう、目標リーン出力期間がその比分だけ長く設定される。
一方、ステップS28では、基本目標リッチ出力期間、リッチ側平均排気流量及び前回求めたリーン側平均排気流量とに基づき目標リッチ出力期間を次式(6)より算出する(目標リッチ判定期間算出手段)。
目標リッチ出力期間
=基本目標リッチ出力期間×リーン側平均排気流量/リッチ側平均排気流量 …(6)
ここに、リーン側平均排気流量/リッチ側平均排気流量は、上記式(5)のリッチ側平均排気流量/リーン側平均排気流量と同様にO2センサ22の検出遅れの変動を表している。
これより、例えば、リーン側平均排気流量がリッチ側平均排気流量よりも多ければ、酸化剤が過剰となって還元剤との化学量論的なバランスが崩れないよう、目標リッチ出力期間がその比分だけ長く設定される。逆にリッチ側平均排気流量がリーン側平均排気流量よりも多ければ、酸化剤が不足してやはり還元剤との化学量論的なバランスが崩れないよう、目標リッチ出力期間がその比分だけ短く設定される。
ステップS30では、このように求めた目標リーン出力期間、目標リッチ出力期間となるように燃焼A/Fを制御する(燃焼空燃比調整手段)。具体的には、目標リーン出力期間となるようにリーン変調期間を調整し、目標リッチ出力期間となるようにリッチ変調期間を調整する。
なお、ここでは燃焼A/Fを目標リーン出力期間、目標リッチ出力期間となるように制御しているが、目標リッチ/リーン出力期間比あるいはその相関値となるように制御してもよい。
また、燃焼A/Fの変調の時間的基準は、予め設定された値としてもよいし、酸化剤、還元剤がそれぞれ所定量以下となる時点としてもよく、上記図5に示したように排気A/Fのリッチ/リーン判定時としてもよい。
また、燃焼A/Fの制御については、比例制御、積分制御、微分制御の他、適応制御、スライディングモード制御等の現代制御等、如何なる制御理論を用いるようにしてもよい。
これにより、O2センサ22の検出遅れがエンジン1の運転状態(排気流量等)に応じて変動し、同一排気A/F状態に拘わらずリッチ/リーン出力期間比が変動するような場合であっても、当該検出遅れの変動による影響を排除してリーン出力期間及びリッチ出力期間を排気A/Fとの相関の高いものとすることができ、燃焼A/Fをこれらリーン出力期間及びリッチ出力期間に応じた適正なものとして排気中に供給される酸化剤と還元剤とをバランスさせ、NOx、HC、CO等の触媒への流入速度に対する吸着速度比を十分な値に維持することができる。従って、変調サイクル間の平均排気A/Fを中心A/F(所定空燃比、例えば、ストイキ)に近づけることができ、三元触媒30の排気浄化性能の最適化を図ることができる。
なお、ここではリーン側平均排気流量、リッチ側平均排気流量をO2センサ22の検出遅れの相関値として用いるようにしているが、リッチA/F変調開始時期からO2センサ22のリッチ判定時期までの期間におけるリーン側排気流量積算値、リーンA/F変調開始時期からO2センサ22のリーン判定時期までの期間におけるリッチ側排気流量積算値をそれぞれ検出遅れの相関値とすることも可能である。
また、上述したように、リーン側平均排気流量は、エンジン1からO2センサ22までの排気系容積をリッチA/F変調開始時期からO2センサ22のリッチ判定時期までの期間における排気流量で除した値(図3乃至図5の実線矢印A期間)とも相関しており、一方、リッチ側平均排気流量は、当該排気系容積をリーンA/F変調開始時期からO2センサ22のリーン判定時期までの期間における排気流量で除した値(図3乃至図5の実線矢印B期間)とも相関していることから、リーン側平均排気流量、リッチ側平均排気流量に代えてこれらの値(A期間及びB期間)を検出遅れの相関値とすることも可能である。つまり、リッチ側平均排気流量/リーン側平均排気流量、リーン側平均排気流量/リッチ側平均排気流量に代えてこれらの比(B期間/A期間、A期間/B期間)をO2センサ22の検出遅れの変動として用いるようにしてもよい。
また、エンジン1の運転条件(エンジン回転速度Ne、体積効率、排気流量、吸入空気流量、吸気管圧等のうちの1つ以上)に応じてO2センサ22の検出遅れを予めマップとして求めておき、当該マップから検出遅れを読み出すようにしてもよい。
また、ここでは、ステップS18において目標リーン出力期間を求めるとともにステップS28において目標リッチ出力期間を求め、ステップS30において当該目標リーン出力期間及び当該目標リッチ出力期間となるように燃焼A/Fを制御するようにしたが、目標リーン出力期間及び目標リッチ出力期間のいずれか一方のみを求め、燃焼A/Fを制御するようにしてもよい。つまり、図2のステップS10乃至ステップS18、ステップS20乃至ステップS28のいずれか一方の群についてのみ実行するような構成であってもよい。
次に第2実施例を説明する。
図6を参照すると、本発明の第2実施例に係る空燃比変調制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い説明する。なお、上記第1実施例の図2と同一ステップについては同一符号を付して説明を省略し、ここでは、主に第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
ステップS10の判別結果が真(Yes)で、現在リッチA/F変調開始時期からO2センサ22のリッチ判定時期までの間であると判定された場合には、ステップS12’に進む。
ステップS12’では、制御目標となる目標リーン/リッチ出力期間比に基づき次式(7)より基本目標リーン出力期間を設定する。
基本目標リーン出力期間
=目標リーン/リッチ出力期間比×基本リッチ出力期間 …(7)
ここに、目標リーン/リッチ出力期間比は、後述するステップS18’、ステップS28’において前回設定された目標リーン出力期間と目標リッチ出力期間との比であるが、所定値としてもよい。また、基本リッチ出力期間は、排気流量を予め設定したリッチ側基本排気流量としたときのリッチ出力期間である。
一方、ステップS22’では、同様にして次式(8)より基本目標リッチ出力期間を設定する。
基本目標リッチ出力期間
=目標リッチ/リーン出力期間比×基本リーン出力期間 …(8)
ここに、目標リッチ/リーン出力期間比は、上記同様、後述するステップS28’、ステップS18’において前回設定された目標リッチ出力期間と目標リーン出力期間との比であるが、所定値としてもよい。また、基本リーン出力期間は、排気流量を予め設定したリーン側基本排気流量としたときのリーン出力期間である。
つまり、第2実施例では、上記第1実施例が前回リッチ出力期間、前回リーン出力期間を用いたのに対し、これらに代えて基本リッチ出力期間、基本リーン出力期間(固定値)を用いるようにしている。
そして、ステップS14、ステップS24においてそれぞれリーン側平均排気流量、リッチ側平均排気流量を求めた後、ステップS16’において前回求めたリッチ時排気流量積算値とリッチ時積算回数とをリセットし、ステップS26’において前回求めたリーン時排気流量積算値とリーン時積算回数とをリセットする。
ステップS18’では、基本目標リーン出力期間、リーン側平均排気流量及び上記リッチ側基本排気流量とに基づき目標リーン出力期間を次式(9)より算出する(目標リーン判定期間算出手段)。
目標リーン出力期間
=基本目標リーン出力期間×リッチ側基本排気流量/リーン側平均排気流量 …(9)
ここに、リッチ側基本排気流量/リーン側平均排気流量は、やはりO2センサ22の検出遅れの変動を表している。
一方、ステップS28’では、基本目標リッチ出力期間、リッチ側平均排気流量及び上記リーン側基本排気流量とに基づき目標リッチ出力期間を次式(10)より算出する(目標リッチ判定期間算出手段)。
目標リッチ出力期間
=基本目標リッチ出力期間×リーン側基本排気流量/リッチ側平均排気流量 …(10)
ここに、リーン側基本排気流量/リッチ側平均排気流量は、やはりO2センサ22の検出遅れの変動を表している。
そして、ステップS30において、上記第1実施例の場合と同様、このように求めた目標リーン出力期間、目標リッチ出力期間となるよう燃焼A/Fを制御する(燃焼空燃比調整手段)。
これにより、上記第1実施例の場合と同様に、O2センサ22の検出遅れがエンジン1の運転状態(排気流量等)に応じて変動し、同一排気A/F状態に拘わらずリッチ/リーン出力期間比が変動するような場合であっても、検出遅れの変動による影響を排除してリーン出力期間及びリッチ出力期間を排気A/Fとの相関の高いものとすることができ、変調サイクル間の平均排気A/Fを中心A/F(所定空燃比、例えば、ストイキ)に近づけることができ、三元触媒30の排気浄化性能の最適化を図ることができる。
なお、ここでは、ステップS18’において目標リーン出力期間を求めるとともにステップS28’において目標リッチ出力期間を求め、ステップS30においてこれら目標リーン出力期間と目標リッチ出力期間となるように燃焼A/Fを制御するようにしたが、上記第1実施例の場合と同様、当該第2実施例においても、目標リーン出力期間及び目標リッチ出力期間のいずれか一方のみを求め、燃焼A/Fを制御するようにしてもよい。つまり、図6のステップS10乃至ステップS18’、ステップS20乃至ステップS28’のいずれか一方の群についてのみ実行するような構成であってもよい。
以上で本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の実施形態の説明を終えるが、実施形態は上記に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、排気空燃比判定手段としてO2センサ22を用いるようにしたが、空燃比センサ、その他リッチ/リーン判定可能なセンサ等を用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ステップS12、ステップS22において、目標リーン/リッチ出力期間比、目標リッチ/リーン出力期間比を用いるようにしているが、これに代えて目標リーン出力期間/周期の比、目標リッチ出力期間/周期の比を用いるようにしてもよい。この場合、基本目標リーン出力期間、基本目標リッチ出力期間はそれぞれ次式(1')、(2')から算出される。
基本目標リーン出力期間
=目標リーン出力期間/周期の比×前回周期 …(1')
基本目標リッチ出力期間
=目標リッチ出力期間/周期の比×前回周期 …(2')
ここに、前回周期は、前回リッチ出力期間+前回リーン出力期間、前回リーン出力期間+前回リッチ出力期間である。
また、上記実施形態では、特に限定していないが、燃焼A/Fの変調波形は方形波、三角波、鋸波、波状波等のいずれであってもよい。
また、上記実施形態では、O2ストレージ機能(酸化剤ストレージ機能)を有した三元触媒30を用いた場合を例に説明したが、HC、CO等を吸蔵し放出する還元剤ストレージ機能を有した触媒コンバータや酸化剤ストレージ機能と還元剤ストレージ機能との双方を有した触媒コンバータを用いた場合であっても本発明を適用可能であることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、エンジン1を吸気管噴射型ガソリンエンジンとしたが、筒内噴射型ガソリンエンジンであってもよい。
車両に搭載された本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成図である。 本発明の第1実施例に係る空燃比変調制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。 横軸を排気系距離、縦軸を時間軸として空燃比変調制御の一のパターンを示す図である。 横軸を排気系距離、縦軸を時間軸として空燃比変調制御の他のパターンを示す図である。 横軸を排気系距離、縦軸を時間軸として空燃比変調制御の理想的なパターンを示す図である。 本発明の第2実施例に係る空燃比変調制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン本体
6 燃料噴射弁
22 O2センサ(排気空燃比判定手段)
30 三元触媒(触媒コンバータ)
40 ECU(電子コントロールユニット)

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた触媒コンバータと、
    前記触媒コンバータに流入する排気の空燃比を検出しリッチ/リーン判定を行う排気空燃比判定手段と、
    内燃機関の燃焼空燃比を所定中心空燃比を挟みリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに周期的に変調させ、前記排気の空燃比をリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに変調させる空燃比変調手段とを備え、
    前記空燃比変調手段は、前記排気空燃比判定手段によりリーン判定されたリーン判定期間に基づき変調サイクル間の平均的排気空燃比が所定空燃比となるよう燃焼空燃比を調整する燃焼空燃比調整手段と、燃焼空燃比のリッチ変調開始時期を検出するリッチ変調開始時期検出手段と、前記排気空燃比判定手段による排気空燃比のリッチ判定時期を検出するリッチ判定時期検出手段と、該リッチ変調開始時期から該リッチ判定時期までの前記排気空燃比判定手段のリッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出するリッチ空燃比側検出遅れ検出手段と、該リッチ空燃比側検出遅れ検出手段により検出されるリッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値に応じて目標リーン判定期間を求める目標リーン判定期間算出手段とを有し、
    前記燃焼空燃比調整手段は、前記目標リーン判定期間となるようにリーン変調期間を調整して、前記変調サイクル間の平均的排気空燃比を前記所定空燃比とすることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 内燃機関の排気通路に設けられた触媒コンバータと、
    前記触媒コンバータに流入する排気の空燃比を検出しリッチ/リーン判定を行う排気空燃比判定手段と、
    内燃機関の燃焼空燃比を所定中心空燃比を挟みリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに周期的に変調させ、前記排気の空燃比をリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに変調させる空燃比変調手段とを備え、
    前記空燃比変調手段は、前記排気空燃比判定手段によりリッチ判定されたリッチ判定期間に基づき変調サイクル間の平均的排気空燃比が所定空燃比となるよう燃焼空燃比を調整する燃焼空燃比調整手段と、燃焼空燃比のリーン変調開始時期を検出するリーン変調開始時期検出手段と、前記排気空燃比判定手段による排気空燃比のリーン判定時期を検出するリーン判定時期検出手段と、該リーン変調開始時期から該リーン判定時期までの前記排気空燃比判定手段のリーン空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出するリーン空燃比側検出遅れ検出手段と、該リーン空燃比側検出遅れ検出手段により検出されるリーン空燃比側検出遅れまたはその相関値に応じて目標リッチ判定期間を求める目標リッチ判定期間算出手段とを有し、
    前記燃焼空燃比調整手段は、前記目標リッチ判定期間となるようにリッチ変調期間を調整して、前記変調サイクル間の平均的排気空燃比を前記所定空燃比とすることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 内燃機関の排気通路に設けられた触媒コンバータと、
    前記触媒コンバータに流入する排気の空燃比を検出しリッチ/リーン判定を行う排気空燃比判定手段と、
    内燃機関の燃焼空燃比を所定中心空燃比を挟みリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに周期的に変調させ、前記排気の空燃比をリッチ空燃比側とリーン空燃比側とに変調させる空燃比変調手段とを備え、
    前記空燃比変調手段は、前記排気空燃比判定手段によりリーン判定されたリーン判定期間及びリッチ判定されたリッチ判定期間に基づき変調サイクル間の平均的排気空燃比が所定空燃比となるよう燃焼空燃比を調整する燃焼空燃比調整手段と、燃焼空燃比のリッチ変調開始時期を検出するリッチ変調開始時期検出手段及びリーン変調開始時期を検出するリーン変調開始時期検出手段と、前記排気空燃比判定手段による排気空燃比のリッチ判定時期を検出するリッチ判定時期検出手段及びリーン判定時期を検出するリーン判定時期検出手段と、該リッチ変調開始時期から該リッチ判定時期までの前記排気空燃比判定手段のリッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出するリッチ空燃比側検出遅れ検出手段及び該リーン変調開始時期から該リーン判定時期までの前記排気空燃比判定手段のリーン空燃比側検出遅れまたはその相関値を検出するリーン空燃比側検出遅れ検出手段と、該リッチ空燃比側検出遅れ検出手段により検出されるリッチ空燃比側検出遅れまたはその相関値と該リーン空燃比側検出遅れ検出手段により検出されるリーン空燃比側検出遅れまたはその相関値との関係に応じて目標リーン判定期間を求める目標リーン判定期間算出手段及び目標リッチ判定期間を求める目標リッチ判定期間算出手段とを有し、
    前記燃焼空燃比調整手段は、前記目標リーン判定期間となるようにリーン変調期間を調整するとともに、前記目標リッチ判定期間となるようにリッチ変調期間を調整して、前記変調サイクル間の平均的排気空燃比を前記所定空燃比とすることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記触媒コンバータに流入する排気の流量を検出する排気流量検出手段をさらに有し、
    前記リッチ空燃比側検出遅れの相関値が前記リッチ変調開始時期から前記リッチ判定時期までの間に前記排気流量検出手段により検出される排気流量情報であり、前記リーン空燃比側検出遅れの相関値が前記リーン変調開始時期から前記リーン判定時期までの間に前記排気流量検出手段により検出される排気流量情報であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか記載の内燃機関の排気浄化装置。
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