JP4365983B2 - スピニングリールのベール反転装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベール反転装置、特に、内部に空間を有するリールボディと空間を塞ぐためにリールボディに着脱自在に装着される蓋部材とを有するリール本体の前部に回転自在に装着されたロータに設けられ、ロータに糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺動自在に装着されたベールアームを、ロータの糸巻取方向の回転に連動して糸開放姿勢から糸巻取姿勢に戻すスピニングリールのベール反転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般、スピニングリールは、リール本体と、リール本体に回転自在に支持されたロータと、外周に釣り糸が巻かれるスプールとを有している。ロータは、回転軸を挟むように対向して配置された第1及び第2アーム部と、両アーム部の先端に揺動自在に装着されたベールアームとを有している。
【0003】
ベールアームは、釣り糸を巻き取る際に釣り糸をスプール外周に導く糸巻取姿勢と、スプールから釣り糸を繰り出す際に邪魔にならないように糸巻取姿勢から倒された糸開放姿勢とをとり得る。ベールアームを糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに維持するとともに、糸開放姿勢から糸巻取姿勢に戻すために、ロータにはベール反転装置が設けられている。
【0004】
ベール反転装置は、ベールアームの揺動に連動してロータ内に糸巻取姿勢に対応する第1位置と糸開放姿勢に対応する第2位置とに移動自在に設けられ移動機構と、移動機構に接触可能にリール本体に設けられた切換部材とを有している。移動機構は、第2位置にあるとき、ロータの後部から一部が突出し、突出端がロータの糸巻取方向の回転の時に切換部材に接触可能に配置されている。
【0005】
切換部材は、ロータの後部を塞ぐようにリール本体の前部に形成されたフランジ部にロータに向けて突出して一体形成されている。
このような構成のスピニングリールでは、糸巻取姿勢にベールアームが配置された状態でロータを糸巻取方向に回転させると、移動機構の突出端が切換部材に衝突する。そして、移動機構が第2位置から第1位置に復帰し、ベールアームが糸開放姿勢から糸巻取姿勢に戻る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、ベールアームの反転復帰時に移動機構の突出端が常に切換部材に衝突する。このため、切換部材が傷つくおそれがある。切換部材が傷つくと、リールの軽量化のためにリール本体がマグネシウム合金製の場合には、耐蝕用の被膜が剥離して剥離部分からリール本体の腐食が進行するおそれがある。
【0007】
そこで、切換部材をリール本体と別部材にして、リール本体にビスなどを用いて固定することが考えられる。しかし、このような構成では、切換部材を固定するためのビスなどの固定部材が別に必要になる。
本発明の課題は、ベール反転装置において、切換部材を固定のための別の部材を用いずに簡単にリール本体に固定できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールのベール反転装置は、内部に空間を有するリールボディと空間を塞ぐためにリールボディに着脱自在に装着される蓋部材とを有するリール本体の前部に回転自在に装着されたロータに設けられ、ロータに糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺動自在に装着されたベールアームを、ロータの糸巻取方向の回転に連動して糸開放姿勢から糸巻取姿勢に戻す装置であって、移動機構と、切換部材とを備えている。移動機構は、ベールアームに連動して糸巻取姿勢に対応する第1位置と糸開放姿勢に対応する第2位置とに移動自在にロータに設けられ、第2位置にあるとき、第1位置よりリール本体に接近する。切換部材は、リール本体の前部でリールボディと蓋部材とに挟み込まれて固定され、ロータが糸巻取方向に回転したとき、第2位置にある移動機構に接触して移動機構を第1位置に向けて移動させる。
【0009】
このベール反転装置では、ベールアームが糸開放姿勢にあり、移動機構が第2位置にあるときには、移動機構の一部がロータから突出して切換部材に接触可能な状態である。この状態で、ロータが糸巻取方向に回転すると、切換部材に移動機構の突出端が接触して移動機構が第2位置から第1位置に戻り、ベールアームが糸巻取位置に復帰する。ここでは、移動機構の突出部が切換部材に接触しても、切換部材はリール本体と別に設けられているので、リール本体が腐食しやすい材質であってもリール本体が傷つきにくくなり、腐食しにくくなる。また、切換部材は、リール本体のリールボディと蓋部材とに挟まれて固定されているので、固定のための別の部材を用いずに簡単にリール本体に切換部材を固定できる。
【0010】
発明2に係るスピニングリールのベール反転装置は、発明1に記載の装置において、リール本体はマグネシウム合金製であり、切換部材は合成樹脂製である。この場合には、切換部材がリール本体と別部材であるので、マグネシウム合金製のリール本体であってもリール本体が腐食しにくくなる。また、切換部材が合成樹脂製であるので、切換部材をリール本体に直接装着してもリール本体に電解腐食が生じない。
【0011】
発明3に係るスピニングリールのベール反転装置は、発明1又は2に記載の装置において、移動機構は、ベールアームの揺動中心に近接し、かつベールアームが糸開放姿勢にあるとき他端と揺動中心とを結ぶ線分より糸巻取姿勢側にある位置で一端がベールアームに回動自在に係止され、ベールアームの揺動に連動して他端が前後移動する移動部材を有する。この場合には、ベールアームが糸開放指定に揺動すると、移動部材の他端が後方に移動して切換部材に接触する位置に突出する。そして、ロータが糸巻取方向に回転すると、突出した移動部材の他端が取替部材に接触して移動部材を前方に押圧しベールアームを糸巻取姿勢に戻す。ここでは、移動機構の構成が簡素になり、ベール反転装置の製造コストを削減できる。
【0012】
発明4に係るスピニングリールのベール反転装置は、発明3に記載の装置において、移動機構は、ベールアームに移動部材と異なる位置に一端が回動自在に係止され、ベールアームを前記糸巻取姿勢と前記糸開放姿勢とに振り分けて付勢するトグルばね機構を有する。この場合には、トグルばね機構によりベールアームを両姿勢に保持できる。
【0013】
発明5に係るスピニングリールのベール反転装置は、発明3又は4に記載の装置において、切換部材は、ロータの糸巻取回転方向下流側が上流側よりリール本体の前面からロータ側に突出した傾斜面を有する。この場合には、ベールアームが糸開放姿勢にある状態でロータが糸巻取方向に回転すると、移動機構の突出した一部が傾斜面に当たって徐々に後退(前方に移動)してベールアームを糸巻取姿勢に戻す。
【0014】
発明6に係るスピニングリールのベール反転装置は、発明1又は2に記載の装置において、移動機構は、ベールアームの揺動中心に近接した位置に一端が回動自在に装着され、途中がロータに揺動自在に係止されたトグルばね機構と、トグルばね機構の他端に係止されかつロータの回転軸に平行な軸回りに揺動自在にロータの後面に装着された戻しレバーとを有し、戻しレバーの先端が切換部材に接触する。この場合には、ベールアームが糸開放姿勢に揺動すると、戻しレバーが切換部材に接触する位置に揺動する。そして、ロータが糸巻取方向に回転すると、戻しレバーが切換部材に接触して元の位置に揺動し、他の揺動によりトグルばね機構も揺動してベールアームを糸巻取姿勢に戻す。ここでは、戻しレバーがロータの回転軸と平行な軸回りに揺動するだけであるので、移動機構をロータにコンパクトに収納できる。
【0015】
発明7に係るスピニングリールのベール反転装置は、発明6に記載の装置において、切換部材は、ロータの糸巻取回転方向下流側が上流側より径方向外方に突出した傾斜面を有する。この場合には、ベールアームが糸開放姿勢にある状態でロータが糸巻取方向に回転すると、戻しレバーの先端が傾斜面に当たって引っ込む方向に揺動し、トグルばね機構を介してベールアームを糸巻取姿勢に戻す。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
図1において、本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。
【0017】
リール本体2は、内部に空間を有するリールボディ2aと、リールボディ2aの空間を塞ぐためにリールボディ2aに着脱自在に装着される蓋部材2bとを有している。
リールボディ2aは、たとえばマグネシウム合金製であり、上部に前後に延びるT字形の竿取付脚2cが一体形成されている。図2に示すように、リールボディ2aの空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。リールボディ2a及び蓋部材2bの前端には、円形のフランジ部2dと、フランジ部2dより小径で先端が開口する円筒部2eと形成されている。円筒部2eの断面は、図5に示すように、円の一部が切り欠かれたD字状に形成されている。
【0018】
蓋部材2bは、たとえばマグネシウム合金製の部材であり、3カ所でリールボディ2aにビス止めされている。フランジ部2dにおいて、リールボディ2aと蓋部材2bとの分割部分には、図5及び図6に示すように、後述する切換部材52が着脱自在に装着されている。
ロータ駆動機構5は、図2に示すように、ハンドル1が回転不能に装着されたハンドル軸10と、ハンドル軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部12aはロータ3の中心部を貫通しており、ナット13によりロータ3と固定されている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受14a,14bを介してリール本体2に回転自在に支持されている。
【0019】
オシレーティング機構6は、スプール4の中心部にドラグ機構71を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。
〔ロータの構成〕
ロータ3は、図2に示すように、ロータ本体16と、ロータ本体16の先端に糸開放姿勢と糸巻取姿勢とに揺動自在に装着されたベールアーム17と、ベールアーム17を糸巻取姿勢に戻すためにロータ本体16に装着されたベール反転機構18とを有している。
【0020】
ロータ本体16は、リールボディ2aにスプール軸15回りに回転自在に装着された円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1及び第2ロータアーム31,32とを有している。円筒部30と両ロータアーム31,32とは、たとえばマグネシウム合金製であり一体成形されている。
円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス部33aが形成されている。ボス部33aの中心部には貫通孔が形成されており、この貫通孔をピニオンギアの前部12a及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前部にロータ3の固定用のナット13が配置されている。
【0021】
第1及び第2ロータアーム31,32は、図2〜図4に示すように、円筒部30の後部外周面にそれぞれ配置された第1及び第2接続部31a,32aと、第1及び第2接続部31a,32aからそれぞれ外方に凸に湾曲しつつ前方に延びる第1及び第2アーム部31b,32bと、両接続部31a,31bと両アーム部31b,32bとの両外方部分をそれぞれ覆う第1及び第2カバー部材31c.32cとを有している。第1及び第2接続部31a,32aは、円筒部30と周方向に滑らかにそれぞれ連続して形成されている。
【0022】
第1及び第2アーム部31b,32bは、第1及び第2接続部31a,32aと滑らかに連続して形成され円筒部30と間隔をあけて前方に延びている。第1及び第2アーム部31b,32bは、先端部から円筒部30との接続部分に向けて滑らかに湾曲している。両接続部31a,31bと両アーム部31b,32bとの両外方部分には、開口31d,32dがそれぞれ形成されており、第1及び第2カバー部材31c,32cは、開口31d,32dをそれぞれ外周側から塞いでいる。この第1カバー部材31cと第1接続部31a及び第1アーム部31bとの間には、収納空間48が形成されている。
【0023】
第1アーム部31bの先端の外周側には、第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1アーム部31bには、図4に示すように、ベール反転機構18を装着するための長孔36及び装着孔37と、第1ベール支持部材40を装着するためのねじ孔付きのボス部38とが形成されている。
第2アーム部32bの先端内周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。
【0024】
第1ベール支持部材40は、第1アーム31bの先端にねじ込まれた取付ピン39により第1ロータアーム31に取り付けられる。この取付ピン39は引っかかりが少ない六角孔付きボルトからなり、その頭部に釣り糸が引っかかりにくくなっている。
第1ベール支持部材40の先端には、図3に示すように、釣り糸をスプール4に案内するためのラインローラ41と、ラインローラ41を挟んで第1ベール支持部材40に固定された固定軸カバー47とが装着されている。ラインローラ41は、第1ベール支持部材40の先端に回転自在に装着されている。固定軸カバー47は、先端がとがった変形円錐形状である。固定軸カバー47の先端部と第2ベール支持部材42との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。これらの第1及び第2ベール支持部材40,42、ラインローラ41、ベール43及び固定軸カバー47により釣り糸をスプール4に案内するベールアーム17が構成される。ベールアーム17は、図3(a)に示す糸案内姿勢と、図3(b)に示す糸案内姿勢から反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
【0025】
〔ベール反転機構の構成〕
ベール反転機構18は、収納空間48内に配置されている。ベール反転機構18は、ベールアーム17を糸開放姿勢から糸案内姿勢にロータ3の回転に連動して復帰させるとともに、両姿勢でその状態を保持する。
ベール反転機構18は、図3〜図6に示すように、収納空間48内で第1アーム部31bに揺動自在に装着されたトグルばね機構50と、収納空間48内に移動自在に装着された移動部材51と、移動部材51に接触可能にフランジ部2dに着脱自在に装着された切換部材52とを有している。
【0026】
トグルばね機構50は、図3に示すように、ベールアーム17が糸巻取姿勢となる第1位置と糸開放姿勢となる第2位置とを取り得るように第1ロータアーム31内に配置され、ベールアーム17を糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに保持するための機構である。トグルばね機構50は、一端が第1ベール支持部材40に係止され、他端が第1アーム部31bに沿って延びるロッド55と、ロッド55が進退自在に装着されるとともに第1アーム部31bに中間部が揺動自在に取り付けられたガイド部材56と、ロッド55を進出側に付勢するコイルばね57とを有している。
【0027】
ロッド55は、図4に示すように、その先端部55aが外周側に折り曲げられ、第1ベール支持部材40に形成された係合穴40aに係止されている。またロッド55の外周面には、ばね係止用の突起部55bが形成されている。
ガイド部材56は前端が開口する有底角筒状の部材であり、装着孔37に係合するように突出する揺動軸56aを軸方向の中間部に有している。揺動軸56aは、ロータ3の径方向に沿って配置されており、ガイド部材56は、揺動軸56aを中心に第1ロータアーム31に揺動自在に取り付けられている。
【0028】
トグルばね機構50は、揺動軸56aの軸芯と第1ベール支持部材40の揺動軸芯とを結ぶ線分に対して、糸巻取姿勢と糸開放姿勢とでロッド55の第1ベール支持部材40に対する係止位置が異なる方向に位置するように配置されている。これにより、トグルばね機構50は、ベールアーム17を両姿勢に振り分けて付勢して両姿勢で保持できる。
【0029】
移動部材51は、たとえば、ステンレス合金などの金属製の線材の両端を90度異なる方向に折り曲げて形成された部材である。移動部材51は、図3(a)に示す離反位置と図3(b)に示す接触位置とに、第1アーム部31bに略前後移動自在に装着されている。移動部材51は、図3〜図6に示すように、その先端部51aが外周側に折り曲げられ、第1ベール支持部材40に形成された係合穴40bに係止されている。中間部51bは、ロッド55より径方向内側で第1アーム部31bに沿って延びている。後端部51cは、中間部51bから内周側に折り曲げられ、さらにロータ3の中心に向けて折り曲げられている。後端部51cは、長孔36を貫通して円筒部2eの基端部に装着された制動部材65の前端面に対向する位置まで内方に延びている。長孔36の幅は、移動部材51の直径とほぼ同じ寸法である。このため、移動部材51の後端部51cは、ベールアーム17の揺動に連動して長孔36に沿って前後に移動する。
【0030】
移動部材51は、接触位置(図3(b))にあるときの後端部51cの軸芯と第1ベール支持部材40の揺動軸芯とを結ぶ線分から同じ方向に離反位置と接触位置とで第1ベール支持部材40への係止位置が存在するように配置されている。これにより、移動部材51の後端部51cが切換部材52により押圧されたとき、第1ベール支持部材40を糸巻取姿勢側に復帰させることができる。
【0031】
制動部材65は、ベールアーム17が糸開放姿勢にあるとき、ロータ3の回転を制動するために設けられている。制動部材65は、断面がD字状の円筒部2eの基端外周面にフランジ部2dに接触して装着されている。制動部材65は、断面が矩形の、たとえばスチレン‐ブタジエン‐ゴム(SBR)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐ゴム、ブタジエン‐ゴム、イソプレン‐ゴム、クロロプレン‐ゴム、シリコーン‐ゴム、ウレタン‐ゴム等の合成ゴムからなる弾性体製のリング状の部材である。
【0032】
切換部材52は、たとえばナイロン66やポリアセタールなどの合成樹脂製の部材であり、図5及び図6に示すように、リールボディ2aと蓋部材2bとの分割部分でフランジ部2dに着脱自在に装着されている。リールボディ2aと蓋部材2bとの分割部分には、矩形の切り欠き53が形成されている。切換部材52は、傾斜面60aを有するカム部60と、カム部60と一体形成されたくびれ部61と、鍔部62とを有している。傾斜面60aは、図6に矢印で示すロータ3の糸巻取回転方向の下流側が上流側によりロータ3に向けて前方に突出する傾斜面である。くびれ部61は、切り欠き53にはめ込まれる大きさを有しており、フランジ部2dの肉厚と略同じ寸法の隙間をカム部60と鍔部62との間に形成している。鍔部62は、くびれ部61より大きな断面を有しており、フランジ部2dの裏面に接触する。
【0033】
このように構成された切換部材52は、リールボディ2aに蓋部材2bを装着するとき、たとえばリールボディ2a側の切り欠き53にくびれ部61をはめ込み、蓋部材2bをリールボディ2aにビス止めするだけで、リール本体2に固定できる。このため、固定のための別の部材を用いずに簡単にリール本体2に切換部材52を固定できる。また、リール本体2が腐食しやすいマグネシウム合金製であっても、移動部材51が接触する切換部材52はリール本体2と別部材であるので、ベールアーム17が反転するときにリール本体2が傷つくことがない。このため、傷による腐食の進行を防止できる。さらに、リール本体2に装着される切換部材52は、誘電体である合成樹脂製であるため、切換部材52をリール本体2に接触させてもリール本体2が電解腐食しない。
【0034】
このような構成のトグルばね機構50は、図3(a)に示すような第1位置と、図3(b)に示すような第2位置とをとることが可能である。第1位置は、ベールアーム17の糸巻取姿勢に対応し、第2位置はベールアーム17の糸開放姿勢に対応している。また、移動部材51は、図3(a)に示す離反位置と、図3(b)に示す接触位置とに後端部51cが長孔36に案内されて前後移動することができる。この離反位置が糸巻取姿勢に対応し、接触位置が糸巻取姿勢に対応する。接触位置では、移動部材51の後端部51c制動部材65の前端面を僅かに圧縮するように接触する。また、接触位置でロータ3が糸巻取方向に回転すると、移動部材51の後端部51cは切換部材52の傾斜面60aに接触し、移動部材51は離反姿勢に向けて前方に押圧される。
【0035】
ロータ3の円筒部30の内部には、図2に示すように、ロータ3の逆転を禁止・解除するための逆転防止機構70が配置されている。逆転防止機構70をローラ型のワンウェイクラッチを有しており、ワンウェイクラッチを作用状態と非作用状態とに切り換えることにより、ロータ3の逆転を禁止・解除する。
スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構71を介して装着されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻かれる糸巻き胴部4aと、糸巻き胴部4aの後部に一体で形成されたスカート部4bと、糸巻き胴部4aの前端に一体で形成されたフランジ部4cとを有している。
【0036】
〔リールの操作及び動作〕
キャスティング時には逆転防止機構70によりロータ3を逆転禁止状態にしてベールアーム17を糸開放姿勢に反転させる。ベールアーム17を糸開放姿勢に反転させると、第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は後方側に倒れ、ベール反転機構18は、図3(b)に示すような第2位置に配置される。ベールアーム17が糸開放姿勢に倒れた状態では、スプール4からの釣り糸を容易に繰り出すことが可能である。
【0037】
この糸巻取姿勢から糸開放姿勢への揺動において、トグルばね機構50では、第1ベール支持部材40の回転によってロッド55が図3(a)において徐々に退入しつつ反時計方向に揺動し、図3(b)に示す第2位置にいたる。このとき、死点を超えるまでは退入する。死点を超えると、ロッド55がコイルばね57の付勢力により進出してベールアーム17を糸開放姿勢側に切り換えるとともにその姿勢で保持する。
【0038】
ベールアーム17が糸開放姿勢に揺動すると、この揺動に伴って移動部材51は離反位置から接触位置に移動し、移動部材51の後端部51cは、制動部材65に弾性的に接触する。この結果、ロータ3が制動されその回転位相を保持する。しかし制動部材65と弾性的に接触して摩擦により制動されているだけであるので、ロータ3を手で回転させたりハンドル1により回転させれば簡単に回転位相を調整できる。すなわち、ロータ3が摩擦力により制動され回転位相が維持されるので、ベールアーム17を糸開放姿勢にしたときにロータ3が回転することはない。したがって、キャスティング時やサミング時にロータ3の不意の回転による不具合を解消できる。しかも、ロータ3は摩擦により制動されているだけであるので、ロータ3に力を加えれば簡単に回して回転位相を調整することができる。
【0039】
この状態で釣り竿を握る手の人差し指で釣り糸を引っかけながら釣り竿をキャスティングする。すると釣り糸は仕掛けの重さにより勢いよく放出される。
キャスティング後に、ベールアーム17を糸開放姿勢に維持したままの状態でハンドル1をたとえば左手で糸巻取方向に回転させると、ロータ駆動機構5によりロータ3が糸巻取方向に回転する。ロータ3が糸巻取方向に回転すると、ベールアーム17がベール反転機構18により糸巻取姿勢に復帰する。
【0040】
具体的には、図5及び図6において、移動部材51がロータ3とともに時計方向に回転する。すると、移動部材51の後端部51cがリール本体2側に固定された切換部材52の傾斜面60aに当接する。これにより、移動部材51が前方に押圧され、図6に二点鎖線で示す離反位置に切り換えられ、第1ベール支持部材40を糸巻取姿勢に揺動させる。これに伴ってトグルばね機構50のガイド部材56が図3(b)に示す第2位置から図3(a)に示す第1位置に向けて揺動する。そして、死点を超えると、コイルばね57の付勢力よりロッド55が進出し、ベールアーム17を糸巻取姿勢に切り換えるとともにその姿勢で保持する。ベールアーム17が糸巻取姿勢に復帰すると、第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は、図1及び図2に示すように、それぞれ前方側に起立している。ベールアーム17が糸巻取姿勢に戻ると、ベールアーム17により釣り糸がスプール4に案内されてスプール4の外周に巻き付けられる。
【0041】
〔実施形態2〕
前記実施形態1では、回転方向で前方への突出量が異なる傾斜面で切換部材を構成したが、回転方向で径方向への突出量が異なる傾斜面で切換部材を構成してもよい。
ベール反転機構18は、図7〜図9に示すように、収納空間48内で第1アーム部31b及び第1カバー部材31cに揺動自在に装着された第1トグルばね機構150と、第1接続部31aの後面に揺動自在に装着された戻しレバー151と、戻しレバー151を保持する第2トグルばね機構152と、リールボディ2aの前部のフランジ部2dに形成された切換部材153とを有している。
【0042】
第1トグルばね機構150は、ベールアーム17が糸巻取姿勢となる第1位置と糸開放姿勢となる第2位置とを取り得るように第1ロータアーム31内に配置され、ベールアーム17を糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに保持するための機構である。第1トグルばね機構150は、一端が第1ベール支持部材40に係止され、他端が第1アーム部31bに沿って延びる第1ロッド155と、第1ロッド155が進退自在に装着されるとともに第1アーム部31bに中間部が揺動自在に取り付けられた第1ガイド部材156と、第1ロッド155を進出側に付勢する第1コイルばね157と、第1ロッド155を少なくとも揺動途中で揺動方向に係止可能に第1ガイド部材156に移動不能に装着された係止部材158とを有している。
【0043】
第1ロッド155は、図5に示すように、その先端部155aが外周側に折り曲げられ、第1ベール支持部材40に形成された係合穴40aに係止されている。また第1ロッド155の外周面には、ばね係止用の突起部155bが形成されている。
第1ガイド部材156は前端が開口する有底角筒状の部材であり、装着孔37a,装着穴37bに係合する両外方に突出する揺動軸156a,156bを軸方向の中間部に有している。揺動軸156a,156bは、ロータ3の径方向に沿って配置されており、第1ガイド部材156は、揺動軸156a,156bを中心に第1ロータアーム31に揺動自在に取り付けられている。第1ガイド部材156の後端部(図5右端部)には、戻しレバー151が係合する係止突起156cが後方に突出して形成されている。
【0044】
係止部材158は、第1ガイド部材156の外側面(図5の上面)に移動不能に固定された板状の部材である。係止部材の前端部は、第1ガイド部材156の前端部より前方に延びている。この延びた先端に係止溝159が形成されている。係止溝159は、第1ロッド155の折り曲げられた先端部155aを第1ガイド部材156の揺動方向に係止する溝であり、第1ロッド155の進退方向に沿って形成されている。この係止溝159の長さは、第1トグルばね機構150の死点位置近傍で第1ロッド155を係止可能な長さであり、ボス部38との干渉等を考慮して決定される。具体的には、ベールアーム17の揺動時の第1ロッド155の死点位置から最大移動位置までの長さに対して死点位置から10%から50%の長さである。特に、ベールアーム17を戻しやすくするために死点位置を糸開放姿勢側に偏倚させた場合には、糸開放姿勢側の第1位置にあるとき、第1ロッド155が係止部材158に係止されるような長さが好ましい。
【0045】
ここで、死点位置とは、第1ベール支持部材40の揺動中心と、第1トグルばね機構150の揺動中心(第1ガイド部材156の揺動中心)と、第1ロッド155と第1ベール支持部材40との係止位置とが一直線上に並んだ位置をいう。このとき、第1ロッド155は、第1ガイド部材156に最も退入し、第1コイルばね157は、最も収縮する。
【0046】
係止部材158の後端部には、第1ガイド部材156の両側面に沿って延びる1対の取付片158a,158bが形成されている。また、中間部に揺動軸156bにはめ込まれる嵌合穴158cが形成されている。この取付片158a,158b及び嵌合穴158cによって係止部材158は、第1ガイド部材156に移動不能に固定されている。
【0047】
このような構成の第1トグルばね機構150は、図8(a)に示すような第1位置と、図8(b)に示すような第2位置とをとることが可能である。第1位置は、ベールアーム17の糸巻取姿勢に対応し、第2位置はベールアーム17の糸開放姿勢に対応している。
戻しレバー151は、図5に示すように、第1接続部31aの後面に形成されたボス部35aにロータ回転平面と平行な面内で揺動自在に取り付けられている。戻しレバー151は、第1トグルばね機構150の第1ガイド部材156の係止突起156cを係止する係止用切欠き151aと、第2トグルばね機構152の係止用の孔151bと、ロータ回転軸心側に突出可能な突出部151cとを有している。係止用切欠き151aと第1ガイド部材156の係止突起156cとの間には隙間が形成されている。このように隙間が形成されているので、第1ガイド部材156と戻しレバー151との位置が切り換えられた際に両者による衝突音が発生する。これにより、ベールアーム17の姿勢が切り換えられたことを操作者に確実に報知することができる。
【0048】
戻しレバー151の突出部151cに接触可能に、断面が矩形のリング状の弾性部材からなる制動部材65が円筒部2eに装着されている。制動部材65は、ベールアーム17が糸開放姿勢にあるとき、ロータ3の回転を制動するために設けられている。突出部151cの先端部は、戻しレバー151の揺動中心を中心とする半径Rの円弧状に形成されている。このように突出部151cを円弧状に形成することで、制動時にロータ3を回転させたときに、がたつきにより戻しレバー151が多少揺動しても、突出部151cが制動部材65に対して常に同じ量だけ外周側から食い込むので接触状態が変化しにくい。このため、ロータ3を手で回しても制動力が変動しにくくなり安定した制動力が得られる。
【0049】
第2トグルばね機構152は、戻しレバー151を第1位置と第2位置とに保持するための機構であり、戻しレバー151を介して第1トグルばね機構150を第1位置と第2位置とに保持している。第2トグルばね機構152は、戻しレバー151に係止された第2ガイド部材161と、第2ガイド部材161に一端が収納され他端がロータ3に揺動自在に取り付けられた第2ロッド162と、第2ガイド部材161を戻しレバー151側に付勢する第2コイルばね163とを有している。なお、第2ガイド部材161及び第2コイルばね163は、ロータ回転平面と平行な面内で移動する。
【0050】
このような戻しレバー151及び第2トグルばね機構152の構成では、第2ガイド部材161及び第2コイルばね163によって、戻しレバー151は図9に二点鎖線で示す第1位置と実線で示す第2位置とをとり得る。第1位置は第1トグルばね機構150の第1位置及びベールアーム17の糸巻取姿勢に対応し、第2位置は第1トグルばね機構150の第2位置及びベールアーム17の糸開放姿勢に対応している。
【0051】
切換部材153は、合成樹脂製の部材であり、図9に示すように、実施形態1と同様な形態でリールボディ2aと蓋部材2bとの分割部分に挟持されている。切換部材153は、制動部材65の外周側に配置され、制動部材65をほぼ円環状に配置可能である。切換部材153は、ロータ3の糸巻取回転方向下流側が上流側より径方向外方に突出した傾斜面153aを有する。この切換部材153は、戻しレバー151がロータ3とともに回転してきた際に、戻しレバー151の突出部151cに当接可能である。
【0052】
〔リールの操作及び動作〕
キャスティング時には逆転防止機構70によりロータ3を逆転禁止状態にしてベールアーム17を糸開放姿勢に反転させる。ベールアーム17を糸開放姿勢に反転させると、第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は後方側に倒れ、図8(b)に示すような第2位置に配置される。ベールアーム17が糸開放姿勢に倒れた状態では、スプール4からの釣り糸を容易に繰り出すことが可能である。
【0053】
この糸巻取姿勢から糸開放姿勢への揺動において、第1トグルばね機構150では、第1ベール支持部材40の回転によって第1ロッド155が図8(a)において徐々に退入しつつ反時計方向に揺動し、図8(b)に示す第2位置にいたる。このとき、死点を超えるまでは退入し死点を超えると進出する。そして退入工程において、係止部材158に第1ロッド155が係止されるまでは、第1ロッド155から第1コイルばね157を介して力が第1ガイド部材156に間接的に伝達され、これに伴って第1ガイド部材156は押圧されて揺動中心Aを中心に反時計方向に揺動する。死点付近で第1ロッド155が係止部材158に係止されると、第1ロッド155から係止部材158を介して第1ガイド部材156に力が直接伝達される。死点を超えると、第1ロッド155が第1コイルばね157の付勢力により進出してベールアーム17を糸開放姿勢側に切り換えるとともにその姿勢で保持する。
【0054】
ここでは、係止部材158が、第1ガイド部材156に移動不能に設けられているとともに第1ロッド155を揺動方向に係止するので、係止部材158を介して第1ロッド155が第1ガイド部材156を押圧するとき、第1ロッド155から第1ガイド部材156に力が効率よく伝達される。このため、揺動時の剛性感が向上し揺動フィーリングが向上する。
【0055】
第1ガイド部材156が第2位置に揺動すると、この揺動に伴って戻しレバー151が、図9において時計方向に揺動し、実線で示す第2位置となる。戻しレバー151は、この状態において第2トグルばね機構152によって保持されている。
この第2位置に戻しレバー151が揺動すると、図9に示すように、戻しレバー151の突出部151cがロータ回転軸心側に突出し制動部材65に弾性的に接触する。この結果、ロータ3が制動されその回転位相を保持する。しかし制動部材65と弾性的に接触して摩擦により制動されているだけであるので、ロータ3を手で回転させたりハンドル1により回転させれば簡単に回転位相を調整できる。すなわち、ロータ3が摩擦力により制動され回転位相が維持されるので、ベールアーム17を糸開放姿勢にしたときにロータ3が回転することはない。したがって、キャスティング時やサミング時にロータ3の不意の回転による不具合を解消できる。しかも、ロータ3は摩擦により制動されているだけであるので、ロータ3に力を加えれば簡単に回して回転位相を調整することができる。
【0056】
この状態で釣り竿を握る手の人差し指で釣り糸を引っかけながら釣り竿をキャスティングする。すると釣り糸は仕掛けの重さにより勢いよく放出される。
キャスティング後に、ベールアーム17を糸開放姿勢に維持したままの状態でハンドル1をたとえば左手で糸巻取方向に回転させると、ロータ駆動機構5によりロータ3が糸巻取方向に回転する。ロータ3が糸巻取方向に回転すると、ベールアーム17がベール反転機構18により糸巻取姿勢に復帰する。
【0057】
具体的には、図9において、戻しレバー151がロータ3とともに反時計方向に回転する。すると、戻しレバー151の突出部151cがリール本体2側に固定された切換部材153に衝突する。これにより、戻しレバー151は蹴り上げられて二点鎖線で示す第1位置に切り換えられる。これに伴って第1トグルばね機構150の第1ガイド部材156が図8(b)に示す第2位置から図8(a)に示す第1位置に揺動する。この揺動途中では、係止部材158に第1ロッド155が係止されているので、第1ガイド部材156から第1ロッド155に力が効率よく伝達される。そして、死点を超えると、第1コイルばね157の付勢力より第1ロッド155が進出し、ベールアーム17を糸巻取姿勢に切り換えるとともにその姿勢で保持する。
【0058】
このとき、第1トグルばね機構150の第2位置では、第1ロッド155は死点より僅かに糸開放姿勢側に位置しているので、戻しレバー151から少しの力を与えるだけで第1位置側に移行する。また、戻しレバー151はロータ回転平面内で回転するので、ロータ3の回転力がそのまま効率良く戻しレバー151に伝えられる。したがって、ハンドル操作時には小さい力でベールを糸開放姿勢から糸巻取姿勢側に切り換えることが可能となる。しかも、糸開放姿勢からの揺動開始時に第1ロッド155が係止部材158に係止されているので、力が効率よく伝達され、第1トグルばね機構150での遊びが少なくなり、ベール反転動作が剛性感があるカッチリした動作になる。
【0059】
ベールアーム17が糸巻取姿勢に復帰すると、第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は、図1及び図2に示すように、それぞれ前方側に起立している。この状態では、第1トグルばね機構150では、第1ガイド部材156は図8(a)に示すように第1コイルばね157によって時計方向に揺動し、第1ロッド155は進出した状態となっている。このとき、力が効率よく第1ガイド部材156から第1ロッド155に伝達されるため、死点位置を従来より糸巻取姿勢側に偏倚させてもベールアーム17を瞬時に糸巻取姿勢に戻すことができる。したがって、糸巻取姿勢の時の第1トグルばね機構150の付勢力を増加させることができ、糸巻取姿勢の時にベールアーム17を保持する力を高く維持できる。
【0060】
また、この糸巻取姿勢では、戻しレバー151は図9に二点鎖線で示す第1位置に位置しており、この状態が第2トグルばね機構152によって保持されている。なおこの状態では、戻しレバー151の突出部151cはロータ外周側に退避しており、ロータ3が回転しても突出部151cが切換部材153に当接することはない。
【0061】
ベールアーム17が糸巻取姿勢に戻ると、ベールアーム17により釣り糸がスプール4に案内されてスプール4の外周に巻き付けられる。
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、切換部材を合成樹脂製にしたが、金属製や木製であってもよい。
【0062】
(b)前記実施形態では、リールボディ2aに竿取付脚が一体形成されているが、蓋部材に竿取付脚が一体形成されていてもよい。
(c)前記実施形態では、フランジ部2dの分割部分に形成された切り欠きにより切換部材を挟んで固定したが、切換部材の固定方法は切り欠きに限定されない。たとえば、分割部分に突起を設け、突起によって切換部材を挟持してもよい。
【0063】
(d)前記実施形態では、ベール反転機構18を第1ロータアーム31側に装着したが、第2ロータアーム32側に装着してもよい。
(e)前記実施形態1では、移動部材51の後端部51cを制動部材65の前端面に接触させていたが、後端部51cを制動部材65の外周面に接触させるようにしてもよい。この場合、移動部材51の接触位置が変動しても制動力を一定に維持しやすい。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、移動機構の突出部が切換部材に接触しても、切換部材はリール本体と別に設けられているので、リール本体が腐食しやすい材質であってもリール本体が傷つきにくくなり、腐食しにくくなる。また、切換部材は、リール本体のリールボディと蓋部材とに挟まれて固定されているので、固定のための別の部材を用いずに簡単にリール本体に切換部材を固定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの右側面図。
【図2】その左側面断面図。
【図3】第1ロータアームの平面図。
【図4】第1ロータアームの断面拡大図。
【図5】ベール反転機構を示すリールボディの正面図。
【図6】ベール反転機構を示すリールボディの底面部分図。
【図7】実施形態2の図4に相当する図。
【図8】実施形態2の図3に相当する図。
【図9】実施形態2の図5に相当する図。
【符号の説明】
2 リール本体
2a リールボディ
2b 蓋部材
3 ロータ
17 ベールアーム
18 ベール反転機構
50 トグルばね機構
51 移動部材
52,153 切換部材
53 切換部材
60a 傾斜面
150 第1トグルばね機構
153 戻しレバー
153a 傾斜面
Claims (7)
- 内部に空間を有するリールボディと前記空間を塞ぐために前記リールボディに着脱自在に装着される蓋部材とを有するリール本体の前部に回転自在に装着されたロータに設けられ、前記ロータに糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺動自在に装着されたベールアームを、前記ロータの糸巻取方向の回転に連動して前記糸開放姿勢から前記糸巻取姿勢に戻すスピニングリールのベール反転装置であって、
前記ベールアームに連動して糸巻取姿勢に対応する第1位置と前記糸開放姿勢に対応する第2位置とに移動自在に前記ロータに設けられ、前記第2位置にあるとき、前記第1位置より前記リール本体に接近する移動機構と、
前記リール本体の前部で前記リールボディと前記蓋部材とに挟み込まれて固定され、前記ロータが糸巻取方向に回転したとき、前記第2位置にある前記移動機構に接触して前記移動機構を前記第1位置に向けて移動させる切換部材と、
を備えたスピニングリールのベール反転装置。 - 前記リール本体はマグネシウム合金製であり、
前記切換部材は合成樹脂製である、請求項1に記載のスピニングリールのベール反転装置。 - 前記移動機構は、前記ベールアームの揺動中心に近接し、かつ前記ベールアームが前記糸開放姿勢にあるとき他端と前記揺動中心とを結ぶ線分より前記糸巻取姿勢側にある位置で一端が前記ベールアームに回動自在に係止され、前記ベールアームの揺動に連動して前記他端が前後移動する移動部材を有する、請求項1又は2に記載のスピニングリールのベール反転装置。
- 前記移動機構は、前記ベールアームに前記移動部材と異なる位置に一端が回動自在に係止され、前記ベールアームを前記糸巻取姿勢と前記糸開放姿勢とに振り分けて付勢するトグルばね機構を有する、請求項3に記載のスピニングリールのベール反転装置。
- 前記切換部材は、前記ロータの糸巻取回転方向下流側が上流側より前記リール本体の前面から前記ロータ側に突出した傾斜面を有する、請求項3又は4に記載のスピニングリールのベール反転装置。
- 前記移動機構は、
前記ベールアームの揺動中心に近接した位置に一端が回動自在に装着され、途中が前記ロータに揺動自在に係止されたトグルばね機構と、
前記トグルばね機構の他端に係止されかつ前記ロータの回転軸に平行な軸回りに揺動自在に前記ロータの後面に装着された戻しレバーとを有し、
前記戻しレバーの先端が前記切換部材に接触する、請求項1又は2に記載のスピニングリールのベール反転装置。 - 前記切換部材は、前記ロータの糸巻取回転方向下流側が上流側より径方向外方に突出した傾斜面を有する、請求項6に記載のスピニングリールのベール反転装置。
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