JP4365791B2 - 非水電解質電池用接着剤、およびこれを用いた非水電解質電池 - Google Patents

非水電解質電池用接着剤、およびこれを用いた非水電解質電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質用接着剤およびこれを用いた電池に関し、特に改善された接着強度を有するリチウム電池のような非水電解質を構成する部材を接着するための接着剤、およびこれを用いた非水電解質電池に関する。
従来、ディジタルカメラや、PDAのような小型携帯型電子機器が広く用いられるようになり、そのための電源として大容量のリチウム電池が採用されるようになってきた。これらの電子機器は、容積を最小限にかつ重量を軽くすることが常に求められてきており、電池においても同様に小型、軽量かつ大容量の電池の実現が求められている。
このような電池として、近年フィルム状のリチウム非水電解質電池が実用化されている。この電池の構造を、その一部欠截図である図1、および、リチウム非水電解質電池の発電要素であるセル本体の断面図である図2に示す。図1および図2に見られるように、この電池10は、負極集電体21、接着剤層22、負極活物質層23、電解液とゲル化剤などからなる電解質層24、セパレータ25、電解質層26、正極活物質層27、接着剤層28、および正極集電体層29からなるセル本体12を気密性の高い外装材11で被覆されている。そして、前記セル本体12に接続される電極は、前記集電体21、29からタブ状の端子13、14として外部に導出される。
この電池内部に収容されている電解質層を形成している炭酸塩系溶媒を含有している電解液が、外部に漏出すると、電池が機能しなくなるばかりでなく、材料によっては引火等のおそれがあり、好ましくない。そのためには電池の過酷な使用形態を考慮に入れ、外装材11相互および外装材11とタブ状端子13、14について高い接着力が求められている。
従来この外装材としては、機械的強度を備えた外側面に配置されるポリアミドフィルム層と気密性に優れたポリプロピレンもしくはポリエチレンフィルムのような材料を内側層として中間層のアルミニウム箔に接着・積層して形成されている。また、集電体から導出されるタブ電極と外装材との間は、ヒートシール接着によって気密に封止されるが、外装材の内面はポリプロピレンもしくはポリエチレンフィルムのようなオレフィン系フィルムであり、タブ端子も同質のポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系フィルムを予めタブ電極にヒートシールしたフィルム付きタブ電極などを作成し、外装材とヒートシール接着されている。
このように、リチウム非水電解質電池においては、高分子フィルムと金属箔を接着して用いる積層構造体が多用されており、これらは過酷な使用条件においても気密を保持することが求められているが、これまでの接着技術では、十分な接着強度を有する接着技術が実現できていなかったため、特に非水電解質電池のような用途においては漏液の危険性が存在していた。
さらに、リチウム系非水電解質電池においては、LiPFのようなリチウム塩を電解質とする有機溶媒の電解液が広く用いられている。ところで、このLiPFのようなフッ素含有電解質は、電解液に水が混入すると、化学的に分解し、HFを発生する。このHFは、極めて腐食性の強い物質であり、リチウム電池を構成する接着剤を浸食して、外装材剥離の原因となり、電解液漏出のおそれがあった。
本発明は、従来のリチウム非水電解質電池等に用いられる接着剤における問題点を解決するためになされたもので、接着剤によって接合された電池部材の接着強度を向上させることによって、漏液防止性能や電池寿命が改善された非水電解質電池を実現することを目的としている。
第1の本発明は、発電要素から導出されるタブ端子と外装材とが、キトサンもしくはその誘導体を含有する接着剤によって接着されていることを特徴とする非水電解質電池である。
本発明によれば、疎水性の高いポリプロピレンやポリエチレンなどの高分子フィルムや、極性の高いアルミニウム箔のような金属箔などの電池を構成する部材を高い強度で接着することができ、かつ、これを用いた非水電解質電池においては、有機溶剤の漏液性能が改善され、実用性の高い電池を得ることができる。
本発明は前述したように、電池を構成する部材の接着に、キトサンもしくはその誘導体を用いた点に特徴を有している。
[接着剤]
この接着剤32の主成分であるキトサンは、カニ、エビ、昆虫などの甲殻あるいはキノコなどから得られる天然由来の高分子物質であるチキン、すなわちβ−ポリ−N−アセチル−D−グルコサミンを脱アセチル化して得られる物質であり、2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコースを構成単位とするアミノ基を含む多糖類であり、各種の酸と塩を形成し、水に溶解するとカチオン性を示す材料である。このように高い反応性を有する化合物であるところから、親水性材料表面および疎水性材料表面のいずれの面とも接着が可能である。
本発明において用いるキトサンもしくはその誘導体は、この2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコースのみからなる高分子物質であってもよいし、これと他のグルコースとが重合している共重合体であっても差し支えない。また、この重合体を構成するグルコサミンの官能基の一部に他の置換基を導入した誘導体であってもよい。具体的には、下記化学式で表されるものを用いることができる。
Figure 0004365791
このようなキトサンは、工業的に生産されていて、種々のグレードのものが供給されており、市場で入手可能である。
本発明においては、キトサンおよびその誘導体としては、脱アセチル化度80%以上のものが適している。脱アセチル化度が、前記範囲を下回った場合、水に溶解して水溶液とする点で、水に溶解しにくくなり、本発明には不適切である。
また、重量平均分子量は、1000以上〜200万以下が好ましく、1万〜100万の範囲であることがより好ましい。分子量が、この範囲を下回った場合、接着層の皮膜形成の点で本発明で用いるには不適切であり、一方、分子量が、この範囲を上回った場合、水溶液とした溶液の粘度が高くなりすぎるため、作業性などの取り扱い上の点で本発明で用いるには不適切である。
前記キトサンの誘導体としては、キトサン、キトサンのピロリドンカルボン酸塩、ヒドロキシプロピルキトサン、グリセリル化キトサン、カチオン化キトサン、キトサン乳酸塩、キトサンアジピン酸塩などが好ましく、接着剤の仕様としては、これらキトサンの誘導体に、さらに分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する有機化合物を含有することが好ましい。
本発明においては、キトサンもしくはその誘導体を含有する接着剤を用いて非水電解質電池を構成する部材の接合を行うが、この接着剤としては、キトサンもしくはその誘導体を水に溶解した水溶液として用いることができる。その濃度は、0.1〜20質量%の範囲が好ましい。キトサン類の濃度が、0.1質量%を下回ると、接着強度が上がらず、実用的ではない。一方キトサン類の濃度が上記範囲を上回った場合、粘度が上昇して取り扱いが困難になる。
また、この接着剤として、キトサン類以外に、分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する有機化合物、レオロジー特性改善剤(チキソトロピー性改善剤)、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を併用することができる。
[非水電解質電池]
本発明を適用するのに適した非水電解質電池は、図1および図2に示すように、以下の構造を有するものである。すなわち、金属箔と、高分子フィルムとを接着剤で接合したシート体を用いて成形した外装材11の内部に、正極及び負極が、セパレータ25を介して重ね合わせられ、もしくは捲回後扁平化されてなる長方形状の電極体ユニット12が収納された構造であって、セパレータ25には電解質が含浸されている。この電極体ユニット12には、正極側表面に正極集電板29、負極側表面には負極集電板21が配設されており、正極集電板のリード端子及び負極集電板のリード端子が外装体11の上縁部から外部に突出して外部へ導出するタブ端子13、14を形成している。これらのタブ端子13,14の表面には、オレフィン系フィルム15a,15bが貼着されており、前記外装材11を用いてヒートシールによって封止する際に、このタブ端子13,14表面に外装材11が気密に接着するようになっている。このオレフィン系フィルムとしては、マレイン化ポリプロピレンのような変成ポリオレフィンが適している。
本発明のキトサンもしくはその誘導体を用いて接着する本発明の適用対象としては、外装材11を構成する金属箔と高分子フィルムの接合、外部導出用のタブ端子13,14と外装材11との接合、電極集電体21,29と活物質23,27の接合などが挙げられる。
(外装材)
非水有機溶媒を用いるリチウム非水電解質電池において、外装材としては金属箔と高分子フィルムとを接着した積層構造体を用いている。これは、電池内外の有機溶媒を含む気体の流通を阻止し、かつ、機械的強度を改善するためにこれらの材料を複合して用いているものである。この積層構造体において用いる接着剤としては、有機溶剤によって浸食されない接着剤とすることが必要であり、また、金属箔表面のような親水性表面と、高分子フィルムのような疎水性表面とを接合できる機能を有することが必要となり、前述したように、キトサンもしくはその誘導体が適している。
本実施の形態の積層構造体は、図3に示すように、高分子フィルム31、キトサンもしくはその誘導体を主要成分とする接着剤32、金属箔33、キトサンもしくはその誘導体を主要成分とする接着剤34、および高分子フィルム35からなっているものである。
本発明で用いる金属箔は、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス等の金属あるいはこれらの合金の箔であり、その厚さは、特に制限されるものではないが、電池に用いる場合であれば、10〜100μmの範囲が好ましい。その表面は、圧延加工した加工面そのままであってもよいし、粗面化してもよい。サンドブラスト等により粗面化することによって、接着力の向上を期待することができる。
本発明において用いる高分子フィルムとしては、機械的強度、気密性、電気絶縁性、耐熱性などを考慮して決めることが好ましい。これらの特性を備えた材料として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン等の材料が適している。前記外装材に適した積層構造体としては、ナイロンのようなポリアミドフィルム、金属箔、およびポリオレフィンフィルムからなる積層構造体が適している。
このような積層構造体の表面は、高分子材料そのものの表面であってもよいが、酸化処理などにより親水性化しておくとさらに接着強度が向上して好ましい。また、マレイン化して変性することによってさらに接着性を向上させることもできる。このフィルムの厚さは、何ら制限されるものではないが、この構造体を電池に採用するにあたっては、10〜100μmの範囲が好ましい。
このような構造を有する積層構造体は、前記したように電池用外装材のみならず、耐湿性、機械的強度、耐熱性、防臭性、酸素透過防止性、等の特性を利用して、食品包装用外装材、医薬品外装材、等に利用することができる。
この積層構造体は次のようにして作製することができる。
すなわち、まず第1の高分子フィルム表面に、キトサン類、および場合によってその他の添加剤を水に溶解して、水溶液とした接着剤を塗布・乾燥し、その表面に金属箔を貼着する。次いで、同様にキトサン類からなる接着剤を前記金属箔表面に塗布乾燥し、その表面に第2の高分子フィルムを貼着する。こうして形成した積層体を過熱加圧することによって、強固な接着を行うことができる。
(正極)
本実施の形態の正極は、正極集電体の表面に正極活物質を、接着剤を用いて結合したものである。本実施の形態においてこの接着剤としてはキトサンもしくはその誘導体と分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する有機化合物を含有する接着剤が、その耐溶剤性の特徴から、適している。
本実施の形態の正極材料としては、特に制限を受けることなく、非水電解質電池として一般に公知の正極材料を用いることができる。具体的には例えば、正極活物質としてのリチウム含有塩(LiCoO,LiNiO,LiMnO,LiFeO等)と導電剤としてのカーボン粉末(黒鉛粉末,コークス粉末等)と結着剤とを混合し、アルミニウムのような正極集電体表面に塗布、乾燥して形成したものを用いることができる。
(負極)
本実施の形態の正極は、負極集電体の表面に負極活物質を、接着剤を用いて結合したものである。本実施の形態においてこの接着剤としてはキトサンもしくはその誘導体と分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する有機化合物を含有する接着剤が、その耐溶剤性の特徴から、適している。
本実施の形態の負極材料としては、前述の正極と同様、特に制限を受けることなく、非水電解質電池として一般に公知の負極材料を用いることができる。例えば、負極板としては、負極活物質としての黒鉛粉末を結着剤と混合し、銅のような負極集電体表面に塗布、乾燥して形成したものを用いることができる。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極が直接接触して電池内でショートすることを防止するものであって、非水電解質電池において公知の材料を用いることができる。具体的には、ポリオレフィンなどの多孔質高分子フィルムあるいは紙などからなっている。この多孔質高分子フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのフィルムが電解液によって影響を受けないため、好ましい。このセパレータは、正極や負極よりも若干大きいサイズに形成され、その端部は、正極や負極の端部よりも外に伸びており、両極が接触しないようになっている。
このセパレータには、正極と負極との間でイオン伝導が十分になされるように、多孔質膜における正極や負極に挟まれている箇所には電解質が充填されている。
(電解質)
本実施の形態の非水電解質としては、非水溶媒と非水電解質物質とを含有しゲル状となっているものが用いられている。
非水電解液の溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの有機溶媒、或はこれらとジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタンなどの低沸点溶媒との混合溶媒が挙げられ、非水電解液の溶質である電解質としては、LiPF、LiClO、LiCFSOが挙げられる。
(タブ端子部)
前述の通り、タブ端子は、正負極集電体から導出される端子であり、外装材の封止接合界面から外部に導出される構造となっている。このタブ端子13,14は、アルミニウム、ニッケルなどの金属箔からなるものであって、これは、外装材をヒートシールしても、タブ端子と外装材との間で、気密性のある接着が生じないため、タブ端子13,14表面には、予め高分子フィルム15a,15bを接着しておくことが好ましい。このタブ端子と、高分子フィルム15a,15bとの接着は前記本実施の形態のキトサン類を用いた接着剤によっておこなうことが、漏液を防止する上で効果的であり好ましい。
本実施の形態の非水電解質電池は、上記した構造を有するものであり、この構造において接着剤によって接合を行う場合に、接着剤としてキトサンもしくはその誘導体と分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する有機化合物を含有する接着剤を用いることが、耐漏液性を向上させ、電池寿命を向上させる上で好ましい。
(非水電解質電池の製造方法)
この非水電解質電池は、以下のようにして製造することができる。
(1)電極体ユニットの作製
導電性金属箔を所定形状に切断することによって正極集電板及び負極集電板を作製する。正極は、正極活物質、導電剤、結着剤を混合し、正極集電板の表面に塗布することによって作製する。負極は、負極活物質と結着剤と混合し、負極集電板の表面に塗布することによって作製する。この正負極において活物質と集電体との結合にキトサンもしくはその誘導体と分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する有機化合物を含有する接着剤を用いることが好ましい。セパレータは、ポリオレフィン系多孔質フィルムを所定形状に切断することによって作製する。これらの正極、セパレータ、負極をそれぞれ複数枚重ね合わせて電極体ユニットを作成する。
また、長尺の正極、セパレータ、負極、及び第2のセパレータをコイル状に捲回し、これを偏平に圧縮して電極体ユニットとすることもできる。
(2)電解液の含浸
非水溶媒、非水電解質、及び場合によってゲル化剤を添加配合し、電解液を調整する。この電解液に前記電極体ユニットを浸漬することによって、電解液の含浸を行うことができる。尚、電解液の粘度が高い場合には、十分量の電解液が電極体ユニットに含浸されるのに長時間を要する。このような場合には、減圧できる容器中に電極体ユニットを配置し、減圧した後、容器中に電解液を注入することによって、効率的に含浸を行うことができる。
(3)外装材
その後、電解液を含浸した電極体ユニットを被包するように第1の高分子フィルム、金属箔、第2の高分子フィルムを有する積層体を配置し、表面に高分子フィルムで電極体ユニットから導出されるタブ状リード端子を挟持した状態で積層体フィルムをシールする。このシールは、積層体フィルムの相対する面が高分子フィルムであれば、加熱して接着させるヒートシールによって行うことができる。一方、相対する面が金属箔であれば、接着剤を用いてシールを行うことができる。
なお、上記(2)の含浸工程は、セパレータを正極,負極と重ね合わせる前に行ってもよいし、多孔質膜を正極板,負極板と重ね合わせて電極体ユニットを形成した後で行ってもよい。
以上の製造方法によって、非水電解質電池を作製することができる。
以下本発明を実施例及び比較例によって説明する。
(実施例1)
本発明の接着剤の効果を確かめるために、ニッケル箔の表面にキトサン類を主要成分とする接着剤(ワールドロック(登録商標)X−SC01:固形分5.0%)を、あらかじめ塗布、乾燥し、その表面にマレイン化ポリプロピレンフィルムをヒートシールによって接着し、50×5mmの剥離試験片を作成した。
(比較例1)
接着剤として、ワールドロック(登録商標)X−SC02、固形分1.0%を用いたこと以外は、前記実施例と同様にして剥離試験片を作成した。
(剥離試験)
前記実施例1および比較例で作成した剥離試験片について、ニッケル箔と、ポリプロピレンフィルムに力を印加し、引張速度100mm/minの速度で剥離強度を測定した。
その結果、比較例の剥離試験片の剥離強度は、720g/5mmであった。一方、本実施例の剥離試験片は、930g/5mmで、接着部の剥離は見られず、フィルムの破断が生じた。
(フッ酸浸漬試験)
前記実施例および比較例の剥離試験片を、1.0%フッ酸水溶液中に30分間浸漬し、前記剥離試験を行った。
その結果、実施例1の剥離試験片では、10個の剥離試験片の全てで、剥離が認められず、一方、比較例の剥離試験片では、10個の剥離試験片の内、剥離しなかったサンプルは、6個にとどまった。
(実施例2)
以下の仕様で電池容量150mAhの非水電解質電池を作製した。
正極集電板にはアルミニウム箔、負極集電板には銅箔を用いた。これらの集電板から、正極は、アルミニウム箔のタブ端子、負極は、ニッケル箔のタブ端子を接続した。また、このアルミニウム箔及びニッケル箔のタブ端子の表面には、キトサンを含有する接着剤を用いて、マレイン化ポリプロピレンフィルムを接着した。
正極は、正極活物質としてのLiCoO粉末、導電剤としてのカーボン粉末(ケッチェンブラック)、結着剤としてのPVdF粉末を、重量比90:3:2:5の割合で混合し、その混合物をスラリー化して正極集電板の表面に塗布し、これを真空熱処理することによって作製した。正極の面積は52cmとし、その厚さは80μmとした。
負極は、負極活物質としての黒鉛粉末と結着剤としてのフッ素樹脂とを重量比95:5の割合で混合し、その混合物をスラリー化して負極集電板の表面に塗布し、これを真空熱処理することによって作製した。負極板の面積は58cm、その厚さは65μmとした。
セパレータには、ポリプロピレンからなる多孔質フィルムを用いた。
そして、正極,セパレータ,負極を重ね合わせて、電極体ユニットを作製した。
非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DEC)の容量比5:5混合溶媒にLiPFが1mol/L溶解されているものを用いた。
そして、前記電極体ユニットを挟み込むように、アルミニウム箔にキトサンの5質量%水溶液を用いて、ポリアミドフィルム、およびポリプロピレンフィルムを積層被覆したアルミラミネートフィルムを折りたたんで、3辺(上縁部及び両側縁部)をヒートシールして外装体を形成すると共に、上記の含浸溶液を3ml注入した。なお、上縁部をシールするときには、リード端子及びリード端子を挟んだ状態でシールを行った。
(比較例2)
接着剤として、変性SEBS系接着剤(ワールドロック(登録商標)X−P004)を用いたこと以外には前記実施例1と同様にして非水電解質電池を作成した。
(漏液試験)
上記実施例2および比較例2の電池、それぞれ10個を、温度40℃、湿度90%の恒温恒湿槽内で、3.8Vの負荷を印加して放電試験を行った。その結果、実施例2の電池は、10個のサンプルの電池の全てで、7日間においても異常は認められなかった。一方、比較例2の電池においては、10個のサンプルの内の3個について、漏液が認められた。
(変形例)
以上においては、本発明の接着剤を非水電解質電池に適用することを主として説明した。これは、本発明の接着剤が特に非水電解質に対する耐性が優れていることによるが、本発明の接着剤は通常の接着剤と比較しても十分な接着能力を有しており、従って、非水電解質電池以外の例えば燃料電池などの接着剤としても適用することができる。
非水電解質電池の一部欠截図。 非水電解質電池の発電要素(電極体ユニット)を示す断面図。 本発明の電池で用いる積層体の断面図。
符号の説明
10…非水電解質電池
11…外装材
12…発電要素(電極体ユニット)
13、14…タブ状端子
21…負極集電体
22…接着剤層
23…負極活物質層
24…電解液を含む電解質層
25…セパレータ
26…電解質層
27…正極活物質層
28…接着剤層
29…正極集電体層
31…第1の高分子フィルム
32…接着剤
33…金属箔
34…接着剤
35…高分子フィルム

Claims (1)

  1. 発電要素から導出されるタブ端子と外装材とが、キトサンもしくはその誘導体を含有する接着剤によって接着されていることを特徴とする非水電解質電池。
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