JP4365668B2 - 固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置 - Google Patents

固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4365668B2
JP4365668B2 JP2003398009A JP2003398009A JP4365668B2 JP 4365668 B2 JP4365668 B2 JP 4365668B2 JP 2003398009 A JP2003398009 A JP 2003398009A JP 2003398009 A JP2003398009 A JP 2003398009A JP 4365668 B2 JP4365668 B2 JP 4365668B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
solid electrolyte
gas
sensor
gas sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003398009A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005156465A (ja
Inventor
政則 小西
健二 東山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2003398009A priority Critical patent/JP4365668B2/ja
Publication of JP2005156465A publication Critical patent/JP2005156465A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4365668B2 publication Critical patent/JP4365668B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置に関する。より詳しくは、限界電流式の固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置に関する。
近年、ガス濃度の測定方法として、イオン伝導性を持つ固体電解質を活用するものが開発され実用化されている。固体電解質を用いたガス濃度の測定方法として、限界電流式と起電力式が知られている。
特開2000−193637号公報に、従来例1のセンサー構造体が開示されている。従来例1のセンサー構造体は、炭化水素センサーである限界電流式の固体電解質型ガスセンサーを有する。図16は、従来例1のセンサー構造体のセンサー部751の断面図である。炭化水素センサーであるセンサー部751は、固体電解質基板711、セラミックス基板712(ヒータ基板)、補助基板713を有する。
固体電解質基板711は、Ba、Ce、Gdの酸化物で形成され、プロトン伝導性を有する。固体電解質基板711は、カソード電極膜722とアノード電極膜721とを有する。セラミックス基板712及び補助基板713は、部分安定化ジルコニア製セラミックスで形成される。固体電解質基板711のアノード電極膜721側に、セラミックス基板712が無機系接着剤723で接合されている。ガス拡散律速孔725は、無機系接着剤723の一部に形成された開孔である。726は、アノード電極室である。セラミックス基板712(ヒータ基板)は、アノード電極膜721と対向しない面側に発熱体714を有する。発熱体714は、白金ペーストを印刷及び焼成したものである。セラミックス基板712の発熱体714を有する面側に、補助基板713が無機系の接着剤724で接合されている。
従来例1の炭化水素センサーは、固体電解質基板711、セラミックス基板712及び補助基板713ともほぼ同じ熱膨張係数を有する材料を用い、加熱時に各基板間の熱ストレスが発生しないように考慮されている。セラミックス基板712の発熱体714面に補助基板713を接合して、昇温時にセラミックス基板712が破損しないように配慮されている。
図17は、従来例1のセンサー構造体の分解斜視図である。図17において、753はセラミックス製円柱(センサー取り付け部材)、752はセラミックス製円柱753に連通する平坦部、754はリード線、761は金属製のケース、762は金属製のカン、763は通気孔、755は金属製のフタ、765は外部リード線である。
センサー部751は、平坦部752に無機系接着剤で接合されている。セラミックス製円柱753の内部に、センサー出力用及びヒータ用のリード線754が通され、リード線754は、金属製のフタ755の後方から引き出される外部リード線765に、それぞれ電気的に接続されている。セラミックス製円柱753は、金属製のフタ755にリード線754を介して取り付けられている。セラミックス製円柱753は、金属製のケース761に収納され、金属製のフタ755と金属製のケース761とをネジ部で止めることにより、固定される。金属製のケース761には他端部が封止された金属製カン762が接合されている。金属製カン762は、センサー部751と対応する位置に、ガスを通すための通気孔763を有する。
次に、従来例1のセンサー構造体の動作を説明する。アノード電極膜721及びカソード電極膜722には定電圧が印加される。固体電解質基板711は、発熱体714によって加熱され、活性化されている。雰囲気内の炭化水素ガスは、通気孔763及びガス拡散律速孔725を通り、アノード電極室726に拡散移動する。雰囲気中の炭化水素ガス分圧に対応した炭化水素ガスが、拡散によりアノード電極室726に供給される。アノード電極室726内に導入された炭化水素ガスは、アノード電極膜721の表面で解離し、プロトン(Hを意味する。)を生成する。プロトンが固体電解質基板711中をカソード電極膜722側に移動し、カソード電極膜722で水素分子になり放出される。両電極膜間には、固体電解質基板711を流れる単位時間当たりのプロトン量に比例した電流が流れる。この電流の量は、雰囲気中の炭化水素ガス分圧に比例するので、炭化水素ガスの濃度を測定できる。
特開2001−21533号公報に、従来例2の固体電解質型ガスセンサーが開示されている。図18は、従来例2の固体電解質型ガスセンサーのガスセンサー素子の断面図である。従来例2のガスセンサー素子は、起電力式である。図18において、811はアルカリ金属イオン導電体からなる固体電解質、812はアルカリ金属炭酸塩からなる検知極、813はアルカリ金属複合酸化物からなる基準極、822は検知極812と基準極813にそれぞれ設けた集電電極、824は集電電極822に取り付けたリード線、814は検知極812と基準極813との外側にそれぞれ配置したパネル型ヒータ、821はパネル型ヒータ814の加熱部を構成する発熱体、823はヒータリード線である。
固体電解質811を、両面からパネル型ヒータ814で加熱し、動作させる。検知極812と基準極813との間に起電力が発生し、集電電極822から取り出した起電力によってガス濃度を測定することができる。固体電解質811を両面から加熱するので、固体電解質811の両面がほぼ同一の温度に加熱され、ガス濃度の測定精度を向上させることができる。
特開2000−193637号公報(第2−6頁、図1、図4) 特開2001−21533号公報(第2―4頁、図1)
従来例1の炭化水素センサーにおいて、固体電解質基板711中をアノード電極膜721からカソード電極膜722側に移動するプロトンの量は、固体電解質基板711の導電率に依存する。図19に、固体電解質型ガスセンサーの固体電解質基板として使われることが多い、安定化ジルコニアの導電率のアレニウスプロットを示す。図19において、横軸は安定化ジルコニアの絶対温度T(K)の逆数を1000倍した値、縦軸は導電率(S/cm)である。安定化ジルコニアの導電率は、温度が高いほど大きい。即ち、温度が高いほどプロトンの伝導量は大きくなり、電流が流れやすくなる。他の固体電解質も、同様の特徴を有する。従って、固体電解質をガスセンサーに用い、精度の高いガス濃度の測定値を得るためには、固体電解質の温度の時空間分布を±5℃以内程度に制御する必要がある。
従来例1の炭化水素ガスセンサーは、固体電解質基板711の片面にのみ発熱体714が配置されているので、実際にセンサー部751を制作して動作させると、固体電解質基板711の両面で40℃〜50℃の温度差が生じた。このため、計測した電流値が真の値からずれたり、一定の濃度のガス流中で連続して計測した電流値が経時変化したりした。実際、センサー部751全体を石英ガラス管を用いた管状炉中に挿入し、固体電解質基板711の両面の温度を同じにし、同様の測定を行った場合、電流値の測定値はばらつかなかった。
従来例2の固体電解質型ガスセンサーにおいて、固体電解質811として10mm×10mm×0.5mm(厚み)のバリウム・セリウム・ジルコニウム・インジウム系酸化物のイオン伝導体を使用し、固体電解質811の各点における温度を測定した。固体電解質811の対向する両面の同一位置間ではほぼ同じ温度であったが、同一面内では、中央部が最も高温を示し、周辺にゆくに従って温度が低くなる結果が得られた。固体電解質基811の角から1.5mmの場所での温度を350℃に制御した時、中央部は380℃となり、30℃もの温度差が生じた。
例えば、安定化ジルコニアの温度が400℃の時の導電率は2×10−4(S/cm)、430℃の時の導電率は3.7×10−4(S/cm)である(図19参照)。従って、従来例2の固体電解質型ガスセンサーでは、固体電解質811の中心部と端部で導電率が1.85倍も変化し、プロトン又は酸化物イオンは固体電解質811の主に中央部にしか流れていなかった。例えば、10mm×10mmサイズの固体電解質基板を用いても、ガスセンサーとして機能するのは、中央部だけになり、ガス濃度の測定感度が低下する可能性があった。固体電解質基板の昇温速度を10℃/分程度以上にすると、固体電解質基板内の温度差によって、固体電解質基板が破壊する危険性があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、固体電解質基板を用いた限界電流型のガスセンサーにおいて、固体電解質基板内部の両面間の温度差を小さくし、ガス濃度の測定精度及び測定感度が高い固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、固体電解質基板を用いた限界電流型のガスセンサーにおいて、固体電解質基板内部の両面間及び同一面内の温度差を小さくし、ガス濃度の測定精度及び測定感度が高い固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置を提供することを目的とする。
請求項に記載の発明は、両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、前記固体電解質基板の第1の面に直接又は前記電極膜の外周に配置された他の部材を介して少なくとも一部が接合し、ガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部形成基板と、前記固体電解質基板の第2の面に直接又は前記電極膜の外周に配置された他の部材を介して少なくとも一部が接合し、ガス流通孔を形成するガス流通部形成基板と、を有し、前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板がセラミックス基板又は多孔質基板であり、前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板の前記固体電解質基板と対向しない側のそれぞれの面に密接して連通した第3の良熱伝導性基板を配置し、面状のヒータ基板を前記第3の良熱伝導性基板の外側の前記第1の面又は前記第2の面と平行な面に密接して配置することを特徴とする固体電解質型ガスセンサーである。
ガス拡散律速孔は、セラミックス基板と固体電解質基板との間に設けた隙間、セラミックス基板自体に設けた開孔部又は多孔質基板の孔でも良く、ガス濃度を測定する検出ガスを拡散しやすく、それより大きい分子サイズのものは拡散しにくいサイズを有する。ガス流通孔は、セラミックス基板と固体電解質基板との間に設けた隙間、セラミックス基板自体に設けた開孔部又は多孔質基板の孔でも良い。
本発明によれば、ヒータ基板を固体電解質基板の片側に配置して、固体電解質基板を両側から比較的均一温度に加熱し、固体電解質基板内の温度の不均一を小さくできる。「連通した良熱伝導性基板」は、例えば、U字型に曲げた基板である。
請求項に記載の発明は、両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、前記固体電解質基板の第1の面に直接又は前記電極膜の外周に配置された他の部材を介して少なくとも一部が接合し、ガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部形成基板と、前記固体電解質基板の第2の面に直接又は前記電極膜の外周に配置された他の部材を介して少なくとも一部が接合し、ガス流通孔を形成するガス流通部形成基板と、前記ガス拡散律速部形成基板の前記固体電解質基板と対向しない側の面に密接して配設された第1の良熱伝導性基板と、前記ガス流通部形成基板の前記固体電解質基板と対向しない側の面に密接して配設された第2の良熱伝導性基板と、前記第1の良熱伝導性基板の前記ガス拡散律速部形成基板と対向しない側の面と、前記第2の良熱伝導性基板の前記ガス流通部形成基板と対向しない側の面と、にそれぞれ密接して連通する第3の良熱伝導性基板と、前記第3の良熱伝導性基板の外側の前記第1の面又は前記第2の面と平行な面に密接して配置された面状のヒータ基板と、を有し、前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板がセラミックス基板又は多孔質基板であり、前記第1の良熱伝導性基板、第2の良熱伝導性基板及び第3の良熱伝導性基板の熱伝導率が前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板の熱伝導率より大きいことを特徴とする固体電解質型ガスセンサーである。
ガス拡散律速孔は、セラミックス基板と固体電解質基板との間に設けた隙間、セラミックス基板自体に設けた開孔部又は多孔質基板の孔でも良く、ガス濃度を測定する検出ガスを拡散しやすく、それより大きい分子サイズのものは拡散しにくいサイズを有する。ガス流通孔は、セラミックス基板と固体電解質基板との間に設けた隙間、セラミックス基板自体に設けた開孔部又は多孔質基板の孔でも良い。
本発明によれば、ヒータ基板を固体電解質基板の片側に配置して、固体電解質基板を両側から比較的均一温度に加熱し、固体電解質基板内の温度の不均一を小さくできる。
請求項に記載の発明は、前記第3の良熱伝導性基板の前記第1の面及び前記第2の面と平行なそれぞれの面及び前記ヒータ基板の大きさ、又は前記第3の良熱伝導性基板の前記第1の面及び前記第2の面と平行なそれぞれの面、前記ヒータ基板、第1の良熱伝導性基板及び第2の良熱伝導性基板及びの大きさが、前記固体電解質基板、前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板よりも大きいことを特徴とする請求項又はに記載の固体電解質型ガスセンサーである。これにより、固体電解質基板の同一面内の中央部と周辺部の温度差を小さくできる。
請求項に記載の発明は、前記固体電解質基板が、バリウム・セリウム・ジルコニウム・インジウム系酸化物から形成されることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
本発明によれば、還元性雰囲気中で水素ガス濃度を検出できる、選択性の大きい固体電解質型ガスセンサーを実現できる。
請求項に記載の発明は、バリウム・セリウム・ジルコニウム・インジウム系酸化物でプロトンと酸化物イオン伝導体のセラミックス材料よりなる固体電解質基板の一方の面にアノード電極を、他方の面にカソード電極をそれぞれ形成し、ガス拡散律速孔が形成された或いは形成するように、前記アノード電極を覆うように多孔質基板或いはセラミックス基板が接合されており、ガス流通孔が形成された或いは形成するように、他方のカソード電極を覆うように多孔質基板或いはセラミックス基板が接合されており、該両多孔質基板或いはセラミックス基板の外側面に前記多孔質基板或いはセラミックス基板より大きいサイズの良熱伝導性基板が配設され、前記良熱伝導性基板の両外側面に前記良熱伝導性基板と同一サイズかより大きいサイズの面状ヒータが配設されたことを特徴とする固体電解質型水素ガスセンサーである。
本発明は、固体電解質基板内部の両面間及び同一面内の温度差を小さくし、ガス濃度の測定精度及び測定感度が高い固体電解質型ガスセンサーを実現する。
本発明のバリウム・セリウム・ジルコニウム・インジウム系酸化物のイオン伝導体よりなるペロブスカイト構造のセラミックス材料は、プロトン伝導性がほとんどであり、酸素イオン伝導性が小さい材料なので、本材料を用い、且つガス拡散律速孔の孔径と長さを最適化することにより選択性の大きい水素ガスセンサーを実現できる。特に還元性雰囲気中で、固体電解質材料を用いた水素ガスセンサーは従来実現されていないが、本発明の材料を用いれば還元性雰囲気中での水素ガスが測定できる。
請求項に記載の発明は、前記ヒータ基板の表面に、その表面温度が中心部より周辺部の方が高くなるように発熱体を配置したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
本発明によれば、固体電解質基板の同一面内での中央部と周辺部の温度差をさらに少なくすることが可能である。従って、固体電解質基板の電気伝導率の大きい部分を広くすることができ、検出感度の高い固体電解質型ガスセンサーが実現可能である。
請求項に記載の発明は、前記第1及び第2の良熱伝導性基板がそれぞれ第1の基板と第2の基板とから構成され、前記第1の基板は中央部に貫通孔を有し、前記第2の基板は前記貫通孔に嵌め込まれ、前記第1の基板の熱伝導率が前記第2の基板の熱伝導率より大きいことを特徴とする請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
本発明によれば、固体電解質基板の同一面内での中央部と周辺部の温度差をさらに少なくすることが可能である。従って、固体電解質基板の電気伝導率の大きい部分を広くすることができ、検出感度の高い固体電解質型ガスセンサーが実現可能である。
請求項に記載の発明は、前記ガス拡散律速孔及び前記ガス流通孔に連通する開孔部を有する保温材で全体を覆うことを特徴とする請求項1〜3及びのいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
本発明によれば、固体電解質基板の両面の温度差、同一面内での中央部と周辺部の温度差をさらに少なくすることが可能である。従って、固体電解質基板の電気伝導率の大きい部分を広くすることができ、検出感度の高い固体電解質型ガスセンサーが実現可能である。
請求項に記載の発明は、前記ガス流通孔の断面積が前記ガス拡散律速孔より大きいことを特徴とする請求項1〜3及びのいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。ガス拡散律速孔の断面積よりガス流通孔の断面積が大きいので、固体電解質型ガスセンサーは、ガス拡散律速孔におけるガスの拡散速度のみに基づいた(ガス流通孔におけるガス(例えば分子に戻った水素)の拡散速度の影響を受けない)電流値を測定できる。
請求項10に記載の発明は前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板が同一の材料から形成され、前記材料の熱膨張係数が前記固体電解質基板の熱膨張係数の±20%以内であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
本発明によれば、固体電解質基板を両面から等しく加熱できる。ガス拡散律速部形成基板及びガス流通部形成基板の熱膨張係数が等しく、固体電解質基板の熱膨張係数と近似する故に、温度変化に起因して破損しにくい固体電解質型ガスセンサーを実現できる。従来例の固体電解質型ガスセンサーより、急速な加熱又は冷却が可能な信頼性の高い固体電解質型ガスセンサーを実現できる。従来例2の固体電解質型ガスセンサーは起電力式のガスセンサーである。その構成において、固体電解質基板の両面に形成している材料が固体電解質基板の両面を均等に加熱するための目的で着けられた材料ではなく、目的とするガス濃度を測定するための材料である。従来例2は、本発明の構成と根本的に異なる発想に基づくものである。
請求項11に記載の発明は、前記ヒータ基板が良熱伝導性材料から形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーである。これにより、固体電解質基板の同一面内の中央部と周辺部の温度差を小さくできる。
請求項12に記載の発明は、前記第1及び第2の良熱伝導性基板の熱伝導率が20W/m・K以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の固体電解質型ガスセンサーである。これにより、固体電解質基板の同一面内の中央部と周辺部の温度差を小さくできる。
請求項13に記載の発明は、前記第1及び第2の良熱伝導性基板がアルミナ或いはアルミナを主成分とするセラミックス、ベリリアセラミックス、窒化アルミニウムセラミックス、炭化珪素セラミックス、アルミニウム、銅又は高品質グラファイト・シートから形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の固体電解質型ガスセンサーである。
請求項14に記載の発明は、請求項1から請求項1のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーと、前記固体電解質型ガスセンサーを保持し、セラミックス材料から形成され円筒形状の形状を有するセンサー取り付け部材と、前記固体電解質型ガスセンサー全体を覆う金属製の防爆部材と、前記センサー取り付け部材一端に取り付けられ、円筒形状を有するステンレス鋼製の金属ベース部材と、前記金属ベース部材の他端にキャップで取り付けられ、電極ピンを有する気密端子板と、を有し、前記固体電解質型ガスセンサーに接続されたリード線が、前記センサー取り付け部材及び前記金属ベース部材の内部空洞を通って前記電極ピンの一端に接続され、前記電極ピンの他端には外部リード線が接続され、前記金属ベース部材の外周部とガス濃度検出装置の取り付け面、前記金属ベース部材と前記気密端子板部、及び前記気密端子板と前記電極ピンの挿入部が、それぞれ気密状態で接続されている構造を特徴とする固体電解質型ガスセンサー構造体である。本発明の固体電解質を用いたガスセンサー構造体は、センサー部と外部リード線部が気密状態で遮断できる構造なので、特定容器内、パイプライン内等の外界と隔離された雰囲気中のガス濃度が測定でき、加えて、可燃性ガス、爆発性ガス或いは有毒性ガス等或いは前記ガス中の別なガスの濃度測定できるガスセンサーを実現できる。
請求項1に記載の発明は、前記固体電解質型ガスセンサーが、センサー取り付け部材に間隔を保持して取り付けられることを特徴とする請求項14に記載の固体電解質型ガスセンサー構造体である。固体電解質型ガスセンサーからセンサー取り付け部材に熱が伝わりにくい構造である故に、固体電解質基板の両面の温度差、同一面内での中央部と周辺部の温度差が少ない、高精度で低消費電力の固体電解質型ガスセンサー構造体を実現できる。
請求項16に記載の発明は、請求項1から請求項1いずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーと、前記固体電解質基板を加熱し、所定の温度に制御する温度制御部と、前記一対の電極膜の間に所定の電圧を印加する電圧制御部と、前記一対の電極膜の間に流れる電流を検出する電流検出部と、少なくとも前記電流検出部が検出した電流からガス濃度を算出するガス濃度算出部と、を有することを特徴とする、ガス濃度測定装置である。本発明は、高精度のガス濃度測定装置を実現する。
本発明によれば、固体電解質基板内部の両面間の温度差が小さく、ガス濃度の測定精度及び測定感度が高い、限界電流型の固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びそれを用いたガス濃度測定装置を実現できるという効果を奏する。
本発明によれば、固体電解質基板内部の両面間及び同一面内の温度差が小さく、ガス濃度の測定精度及び測定感度が高い、限界電流型の固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びそれを用いたガス濃度測定装置を実現できるという効果を奏する。
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
以下の全ての実施の形態において、固体電解質基板及び2枚のセラミックス基板から構成される構造体をセンサー部と言う。センサー部の外側に良熱伝導性基板及び/又はヒータ基板を配置した構造体をセンサーブロックと言う。センサーブロックを保温材で覆った構造体をセンサーモジュールと言う。
《実施の形態1》
図1〜図4を用いて、本発明の実施の形態1のセンサー部及びセンサーブロックを説明する。図1、図2、図3はそれぞれ、本発明の実施の形態1のセンサー部の断面図、斜視図、分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1のセンサーブロックの断面図である。図面を簡潔にするために、カソード電極膜111、アノード電極膜112、発熱体172a及び172bに電気的に接続されたリード線の記載等を省略してある。実施の形態1のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。
始めに、実施の形態1のセンサー部101について説明する。実施の形態1のセンサー部101は、固体電解質基板110、アノード電極膜112、カソード電極膜111、接着剤116、接着剤117、セラミックス基板113a、セラミックス基板113bを有する。
固体電解質基板110の一方の面にアノード電極膜112が形成され、その外周部(ガス拡散律速孔114を除く。)に塗布された無機系の接着剤116で、セラミックス基板113bが接合されている。固体電解質基板110の他方の面にカソード電極膜111が形成され、その外周部(ガス流通孔115を除く。)に塗布された無機系の接着剤117で、セラミックス基板113aが接合されている。セラミックス基板113aと113bとは、同一の材料又は同一の熱膨張係数、サイズ及び厚みを有する。固体電解質基板110とセラミックス基板113a及び113bとの間には隙間が形成されている。固体電解質基板110とセラミックス基板113aとの間の間隔(実施の形態1においては、100μmである。)は、固体電解質基板110とセラミックス基板113bとの間の間隔(実施の形態1においては、20μmである。)より大きい。
118は、カソード電極膜111に電気的に接続された電極端子部である(図2及び図3参照)。電極端子部118は、固体電解質基板110の1つの角に配置される。119は、アノード電極膜112に電気的に接続された電極端子部である。電極端子部119は、固体電解質基板110の電極端子部118と反対側の角に配置される。電極端子部118及び電極端子部119には、図示しないリード線がそれぞれ接続される。セラミックス基板113a及びセラミックス基板113bは、切り欠き部を有し、リード線がセラミックス基板113a又は113bに当たらない構造となっている。
接着剤116は、セラミックス基板113bの縁に沿ったCの字状の形状に形成される。ガス拡散律速孔114は、接着剤116の開孔部及びセラミックス基板113bと固体電解質基板110との間に形成された隙間である。ガス拡散律速孔114は、ガス濃度を測定する検出ガス(実施の形態1では水素ガス)を拡散しやすく、それより大きい分子サイズのものは拡散しにくいサイズ(断面積及び奥行き)を有する。
接着剤117は、セラミックス基板113aの縁に沿ったCの字状の形状に形成される。ガス流通孔115は、接着剤117の開孔部及びセラミックス基板113aと固体電解質基板110との間に形成された隙間である。ガス流通孔115の断面積は、ガス拡散律速孔114の断面積の2倍以上である。ガス流通孔115の長さ(奥行き)は、ガス拡散律速孔114の長さ(奥行き)より短い。この構成により、ガス流通孔115から、カソード電極膜111で生成されたガスが滞りなく排出される。
次に、実施の形態1のセンサーブロック103を説明する(図4参照)。センサーブロック103は、センサー部101のセラミックス基板113b(アノード電極膜112側)の外側にヒータ基板171bを配置し、セラミックス基板113a(カソード電極膜111側)の外側にヒータ基板171aを配置したものである。面状のヒータ基板171a及び171bは、セラミックス基板113a及び113bと接合しておらず、密接しているだけである。ヒータ基板171a及び171bのサイズは同一で、センサー部101のサイズより大きい。ヒータ基板171aは、その外側の表面に発熱体172aを有する。ヒータ基板171bは、その外側の表面に発熱体172bを有する。発熱体172a及び発熱体172bは面状ヒータである。発熱体172a及び172bの外周で規定される矩形は、センサー部101より大きいサイズを有する。
次に、実施の形態1のセンサーブロック103を構成する各部の材料及び特性を説明する。
固体電解質基板110のサイズは10mm×10mm×0.4mm(厚み)であり、バリウム・ジルコニウム・セリウム・インジウム系酸化物より成るペロブスカイト型焼結体から形成される。バリウム・ジルコニウム・セリウム・インジウム系酸化物より成るペロブスカイト型焼結体は、プロトンのみを伝導する材料である。固体電解質基板110の両面に、白金微粉末を含む白金ペーストを厚膜印刷法で印刷し、150℃の温度下で10分乾燥後、白金ペーストに最適な焼成温度、時間で焼成しアノード電極膜112及びカソード電極膜111を形成した。
セラミックス基板113a及び113bのサイズは10mm×10mm×0.5mm(厚み)であり、フォルステライト材料から形成される。フォルステライト材料の熱膨張係数は、バリウム・ジルコニウム・セリウム・インジウム系酸化物より成るペロブスカイト型焼結体の熱膨張係数に対して±10%以内である。
接着剤116及び117として、無機系ガラスペーストを使用した。セラミックス基板113bの上面に、無機系ガラスペーストにガス拡散律速孔114の厚み制御用スペーサー材を混合したペーストを、図3に示した形状(接着剤116)に印刷した。セラミックス基板113bを、固体電解質基板110のアノード電極膜112側に位置合わせし圧接した。更に、その状態で150℃で10分乾燥後、無機系ガラスペーストに最適な焼成温度、時間で焼成し固体電解質基板110にセラミックス基板113bを接合すると共に、ガス拡散律速孔114を形成した。固体電解質基板110のカソード電極膜111側に、セラミックス基板113aを、セラミックス基板113bの接合方法と同様の方法で接合し、ガス流通孔115を形成した。
ヒータ基板171a及び171bのサイズは12mm×12mm×0.5mm(厚み)である。ヒータ基板171a及び171bとして、電熱用マイカ基板を使用した。電熱用マイカ基板の片面に、厚み0.05mmの鉄−クロム系金属箔(日本金属工業(株)製 No.4L)をジグザグ状に化学的エッチング法で形成し、発熱体172a(又は172b)とした。ヒータ基板171a及び171bを、センサー部101の上面及び下面に密接させセンサーブロック103を作成した。
実施の形態1のセンサーモジュール及びセンサー構造体を説明する。実施の形態1のセンサーモジュールは、図13(実施の形態8のセンサーモジュール107の断面図)におけるセンサーブロック104をセンサーブロック103に置き換えた構成を有する。実施の形態1のセンサーモジュールは、センサーブロック103を保温材411〜417で覆った構造を有する。実施の形態1のセンサー構造体は、図14及び15(実施の形態8のセンサー構造体108の断面図)におけるセンサーモジュール107を実施の形態1のセンサーモジュールに置き換えた構成を有する。センサーモジュール及びセンサー構造体の構造(保温材411〜417、センサー取り付け部材513及び金属ベース部材621を含む。)については、実施の形態8で詳細に説明する。
実施の形態1のセンサーモジュールをセンサー取り付け部材513及び金属ベース部材621に取り付け(図15)、固体電解質基板110上の各点での温度を測定した。固体電解質基板110の角から1.5mmの場所に温度制御用熱電対を、セラミックス基板113aのカソード電極膜111側の中央部及びセラミックス基板113bのアノード電極膜112側の中央部に温度測定用熱電対を、アロンセラミックス(無機系の接着剤)で接合した。セラミックス基板113a及び113bに取り付けた温度測定用熱電対が検出する温度は、固体電解質基板110の両面の中央部(電極が形成されている故に、熱電対を取り付けることが出来ない。)の温度とほぼ同じであると考えられる。
固体電解質基板110の角部の温度(温度制御用熱電対の検出温度)を350℃に制御し、温度測定を行った。その結果、セラミックス基板113a及び113bの電極膜側の中央部の温度差は5℃以内だった。固体電解質基板の片面にのみヒータ基板を配置した従来例1のセンサー部において固体電解質基板の両面の温度差が40℃〜50℃程度であったのと比較して、大幅に改善できた。
また、固体電解質基板110の同一面内の中央部と端部との温度差(固体電解質基板110に対向するセラミックス基板の面の中央部に取り付けた温度測定用熱電対の検出温度と、固体電解質基板110の端部に取り付けた温度制御用熱電対の検出温度(制御温度)との差)は、25℃程度だった。従来例2の固体電解質型ガスセンサーにおいて固体電解質基板の同一面内の中央部と端部との温度差は30℃程度であったのと比較して、改善できた。
実施の形態1のセンサーブロック103では、センサー部101の両側に固体電解質基板110よりも大きいサイズを有するヒータ基板171a及び171bを密接させた。ヒータ基板171aとヒータ基板171bとを、固体電解質基板110と同程度の熱膨張係数を有する同一の材料で形成した。このようにセンサーブロック103を構成したので、固体電解質基板110を両面から等しく加熱することができ、温度の空間分布を、従来に比べてより均一にすることができた。
従来は、固体電解質基板内での温度が均一ではないため、ガス濃度の測定開始時の昇温速度又は測定終了時の降温速度を10℃/分程度より大きくすると、固体電解質基板が破壊する可能性があった。実施の形態1のセンサーブロック103を用いることにより、昇温/降温速度を20℃/分又はそれ以上とすることができ、迅速にガス濃度測定を行えるガス濃度測定装置を実現できる。
セラミックス基板113a及び113bの熱膨張係数を固体電解質基板のそれに対して±10%以内とし、ヒータ基板171a及び171bとセンサー部101とを接合しない(密接させる)ので、接着剤116及び117の焼成時又はセンサー部101の昇温/降温時に固体電解質基板110が破壊しない。
実施の形態1の固体電解質基板110は、バリウム・セリウム・ジルコニウム・インジウム系酸化物のイオン伝導体よりなるペロブスカイト構造のセラミックス材料から形成した。この材料は、プロトン伝導性が高く酸素イオン伝導性が小さい。従って、実施の形態1のセンサー部101は、水素ガス選択性の大きい水素ガスセンサーのセンサー部として有用である。実施の形態1のセンサー部101は、天然ガス中の水素濃度の測定時のように、還元性雰囲気中で使用可能な、固体電解質材料を用いた水素ガスセンサーのセンサー部として有用である。
実施の形態1のセンサー部101では、ガス流通孔115の断面積をガス拡散律速孔114の断面積より大きくしたので、ガス流通孔115から、分子サイズに関係なくガスを排出でき、選択性を有する高感度のガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。
なお、セラミックス基板113a及び113bに代え、多孔質体で形成した多孔質基板を使用し、多孔質体の孔を通じてガスを通す構成としても良い。この場合には、ガス拡散律速孔114、ガス流通孔115は不要であり、簡素な構成のセンサー部を実現できる。
《実施の形態2》
図5を用いて、本発明の実施の形態2のセンサー部を説明する。本発明の実施の形態2のセンサー部の断面図である。実施の形態2のセンサー部102は、固体電解質基板110、アノード電極膜112、カソード電極膜111、接着剤154、接着剤155、セラミックス基板153a、セラミックス基板153bを有する。実施の形態2のセンサー部102は、実施の形態1のセンサー部101の接着剤116、接着剤117、セラミックス基板113a、セラミックス基板113bを、接着剤154、接着剤155、セラミックス基板153a、セラミックス基板153bに置き換えたものであり、共通の部分については同一の符号を使用し、説明を省略する。
接着剤154、接着剤155、セラミックス基板153a、セラミックス基板153bは、それぞれ接着剤116、接着剤117、セラミックス基板113a、セラミックス基板113bと同一の材料からそれぞれ形成される。
セラミックス基板153aは、セラミックス基板113aと同一の外形を有し、中央部に円形のガス流通孔157を有する。セラミックス基板153bは、セラミックス基板113bと同一の外形を有し、中央部に円形のガス拡散律速孔156を有する。ガス流通孔157の断面積は、ガス拡散律速孔156の断面積より大きい。ガス拡散律速孔156は、ガス濃度を測定するガス(実施の形態2では水素ガス)を拡散しやすく、それより大きい分子サイズの分子は拡散しにくいサイズ(断面積)を有する。
接着剤154は、セラミックス基板153aの縁に沿った環状の形状(周囲が閉じている。)に形成される。接着剤155は、セラミックス基板153bの縁に沿った環状の形状(周囲が閉じている。)に形成される。
実施の形態2のセンサー部102を用いて、実施の形態1と同様の温度測定を行った結果、実施の形態1と同様に、固体電解質基板110内の温度の空間分布が従来に比べ均一であることが確認できた。実施の形態2のセンサー部102は、実施の形態1のセンサー部101と同様の効果を奏する。
《実施の形態3》
図6及び図7を用いて、本発明の実施の形態3のセンサーブロックを説明する。図6及び図7は、本発明の実施の形態3のセンサーブロックの断面図及び分解斜視図である。実施の形態3のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。実施の形態3のセンサーブロック104は、発熱体172aを有するヒータ基板171a、良熱伝導性基板201a、センサー部101(実施の形態1のセンサー部)、良熱伝導性基板201b及び発熱体172bを有するヒータ基板171bを有する。実施の形態1のセンサーブロック103(図4)と異なる点は、センサー部101とヒータ基板171aとの間に良熱伝導性基板201aを配置し、センサー部101とヒータ基板171bとの間に良熱伝導性基板201bを配置した点である。その他の構成は、実施の形態1のセンサーブロック103と同じであるので、共通の部分については同一の符号を使用し、説明を省略する。
良熱伝導性基板201a及び201bのサイズは12mm×12mm×0.5mmであり、窒化アルミニウムの焼結体から形成される。窒化アルミニウムの焼結体は、良熱伝導体であり、熱伝導率は170W/m・Kである。熱伝導性基板201a及び201bサイズは、ヒータ基板171a及び171bと同じであり、センサー部101のサイズ(10mm×10mm)より大きい。良熱伝導性基板201aは、ヒータ基板171a及びセラミックス基板113aとは接合されておらず、密接している。熱伝導性基板201bは、ヒータ基板171b及びセラミックス基板113bとは接合されておらず、密接している。
実施の形態3のセンサーブロック104について、実施の形態1と同様、固体電解質基板110の角部の温度を350℃に制御し、温度測定を行った。その結果、セラミックス基板113a及び113bの電極膜側の中央部の温度差は2℃以内だった。固体電解質基板の片面にのみヒータ基板を配置した従来例1のセンサー部において固体電解質基板の両面の温度差が40℃〜50℃程度であったのと比較して、大幅に改善できた。
また、固体電解質基板110の同一面内の中央部と端部との温度差(固体電解質基板110に対向するセラミックス基板の面の中央部に取り付けた温度測定用熱電対の検出温度と、固体電解質基板110の端部に取り付けた温度制御用熱電対の検出温度(制御温度)との差)は、15℃±3℃程度だった。従来例2の固体電解質型ガスセンサーにおいて固体電解質基板の同一面内の中央部と端部との温度差が30℃程度であったのと比較して、半分まで改善できた。
実施の形態3のセンサーブロック104では、センサー部101の両側に固体電解質基板110よりも大きいサイズを有する良熱伝導性基板201a及び201bとヒータ基板171a及び171bとを密接させた。ヒータ基板171aとヒータ基板171bとを、固体電解質基板110と同程度の熱膨張係数を有する同一の材料で形成した。このようにセンサーブロック103を構成したので、固体電解質基板110を両面から等しく加熱することができ、温度の空間分布を、従来に比べてより均一にすることができた。ヒータ基板から、良熱伝導性基板を介してセンサー部の表面全体を加熱することができた。
良熱伝導性基板201a及び201bの熱伝導率は、セラミックス基板113a及び113b(実施の形態3ではフォルステライト基板であり、熱伝導率は4W/m・K)の熱伝導率より大きいほどヒータ基板171a及び171bからの熱をセンサー部101へ効率よく伝導できる。現実的には、良熱伝導性基板の熱伝導率は20W/m・K以上であれば良い。良熱伝導性基板201a及び201bとして、アルミナセラミックス基板(熱伝導率:23W/m・K)を用いた場合にも十分な効果を奏することが確認されている。この他、アルミナ或いはアルミナを主成分とするセラミックス、ベリリア、窒化アルミニウム、炭化珪素などのセラミックス材料や、アルミニウム、銅、銀などの金属材料及び高品質グラファイト・シートなどの材料から良熱伝導性基板201a及び201bを形成しても良い。
セラミックス基板113a及び113bの熱膨張係数を固体電解質基板110のそれに対して±10%以内とし、ヒータ基板171a及び171b、良熱伝導性基板201a及び201bとセンサー部101とを互いに接合しない(密接させる)ので、接着剤116及び117の焼成時又はセンサー部101の昇温/降温時に固体電解質基板110が破壊しない。
実施の形態3のセンサーブロック104は、実施の形態1のセンサーブロック101よりも、固体電解質基板110内の温度分布を均一にできるので、精度が高いガスセンサー及びガス濃度検出装置を実現できる。
図6においては、ヒータ基板171a、171b及び良熱伝導性基板201a、201bの大きさが、固体電解質基板110、セラミック基板113a、113bよりも大きかった。この構成に代えて、良熱伝導性基板201a、201bの大きさを固体電解質基板110、セラミック基板113a、113bよりも大きくし、ヒータ基板171a、171bの大きさを固体電解質基板110、セラミック基板113a、113bと同一にしても良い。但し、図6の構成の方が、固体電解質基板110の同一面内の中央部と端部との温度差を小さくするために好ましい。
ヒータ基板171a、171bの大きさが良熱伝導性基板201a、201bより大きくても良い。
《実施の形態4》
図8を用いて、本発明の実施の形態4のセンサーブロックを説明する。図8は、本発明の実施の形態4のセンサーブロックの断面図である。実施の形態4のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。実施の形態4のセンサーブロック105は、上下連通した良熱伝導性基板251、センサー部101(実施の形態1のセンサー部)、発熱体172bを有するヒータ基板171bを有する。実施の形態1のセンサーブロック103(図4)と異なる点は、センサー部101とヒータ基板171bとの間に上下連通した良熱伝導性基板251を配置し、ヒータ基板171aを取り除いた点である。その他の構成は、実施の形態1のセンサーブロック103と同じであるので、共通の部分については同一の符号を使用し、説明を省略する。
良熱伝導性基板251は、U字型の形状をしており、センサー部101の上面及び下面に密接して配設される。良熱伝導性基板251の外側(実施の形態4では、アノード電極膜112側)に、発熱体172bを有するヒータ基板171bが密接して取り付けられている。良熱伝導性基板251は、厚み0.5mmの金属アルミニウム基板(熱伝導率:236W/m・K)から形成される。
良熱伝導性基板251のアノード電極膜112及びカソード電極膜111と平行なそれぞれの面及びヒータ基板171bの大きさは、固体電解質基板110、セラミックス基板113a及び113bよりも大きい。
実施の形態4のセンサーブロック105について、実施の形態1と同様、固体電解質基板110の角部の温度を350℃に制御し、温度測定を行った。その結果、セラミックス基板113a及び113bの電極膜側の中央部の温度差は約30℃以内だった。固体電解質基板の片面にのみヒータ基板を配置した従来例1のセンサー部において固体電解質基板の両面の温度差が40℃〜50℃程度であったのと比較して、大幅に改善できた。即ち、ヒータ基板が固体電解質基板110に対して1つの面にしか取り付けられていないものの、ヒータ基板171bからの熱を良熱伝導性基板251を介して、固体電解質基板110のもう一つの面に伝えることができた。固体電解質基板110同一面内の中央部と端部の温度差は、従来に比べ、若干改善された。
実施の形態4のセンサーブロック105は、簡素な構成で、固体電解質基板110内の温度分布をある程度小さくできる。センサーブロック105は、高精度なガスセンサー及びガス濃度測定装置には使用できないが、検出ガスの有無の判定など、厳しい測定精度が要求されないガスセンサー及びガス濃度測定装置を簡易な構成で実現できる。
図8において、ヒータ基板171bを取り外し、ヒータ基板171aを設けても良い。良熱伝導性基板251は、センサー部101とヒータ基板171aとの間に配置される。
《実施の形態5》
図9を用いて、本発明の実施の形態5のセンサーブロックを説明する。図9は、本発明の実施の形態5のセンサーブロックの断面図である。実施の形態5のセンサーブロックは、公知の限界電流検出方式を用いてガス(水素)を検出する。実施の形態5のセンサーブロック106は、上下連通した良熱伝導性基板264、良熱伝導性基板201a、センサー部101(実施の形態1のセンサー部)、良熱伝導性基板201b、発熱体172bを有するヒータ基板171bを有する。
実施の形態3のセンサーブロック104(図6)と異なる点は、良熱伝導性基板201bとヒータ基板171bとの間に上下連通した良熱伝導性基板264を配置し、ヒータ基板171aを取り除いた点である。その他の構成は、実施の形態3のセンサーブロック104と同じであるので、共通の部分については同一の符号を使用し、説明を省略する。
良熱伝導性基板264は、U字型の形状をしており、良熱伝導性基板201a及び201bの外側に密接して配設される。良熱伝導性基板264の外側(実施の形態5では、アノード電極膜112側)に、発熱体172bを有するヒータ基板171bが密接して取り付けられている。良熱伝導性基板264は、厚み0.5mmの金属アルミニウム基板(熱伝導率:236W/m・K)から形成される。
良熱伝導性基板264のアノード電極膜112及びカソード電極膜111と平行なそれぞれの面、ヒータ基板171b、良熱伝導性基板201a及び201bの大きさは、固体電解質基板110、セラミックス基板113a及び113bよりも大きい。
実施の形態5のセンサーブロック106について、実施の形態1と同様、固体電解質基板110の角部の温度を350℃に制御し、温度測定を行った。その結果、セラミックス基板113a及び113bの電極膜側の中央部の温度差は約30℃以内(実施の形態4と同程度)だった。固体電解質基板の片面にのみヒータ基板を配置した従来例1のセンサー部において固体電解質基板の両面の温度差が40℃〜50℃程度であったのと比較して、改善できた。即ち、ヒータ基板が固体電解質基板110に対して1つの面にしか取り付けられていないものの、ヒータ基板171bからの熱を良熱伝導性基板264を介して、固体電解質基板110のもう一つの面に伝えることができた。
また、固体電解質基板110の同一面内の中央部と端部との温度差(固体電解質基板110に対向するセラミックス基板の面の中央部に取り付けた温度測定用熱電対の検出温度と、固体電解質基板110の端部に取り付けた温度制御用熱電対の検出温度(制御温度)との差)は、25℃程度だった。従来例2の固体電解質型ガスセンサーにおいて固体電解質基板の同一面内の中央部と端部との温度差が30℃程度であったのと比較して、改善できた。
実施の形態5のセンサーブロック106は、簡素な構成で、固体電解質基板110内の温度分布をある程度小さくできる。実施の形態5のセンサーブロック106は、簡素な構成で、固体電解質基板110内の温度分布をある程度小さくできる。センサーブロック106は、高精度なガスセンサー及びガス濃度測定装置には使用できないが、検出ガスの有無の判定など、厳しい測定精度が要求されないガスセンサー及びガス濃度測定装置を簡易な構成で実現できる。
図9において、ヒータ基板171bを取り外し、ヒータ基板171aを設けても良い。良熱伝導性基板264は、良熱伝導性基板201aとヒータ基板171aとの間に配置される。
《実施の形態6》
図10を用いて、本発明の実施の形態6の発熱体を説明する。図10は、本発明の実施の形態6の発熱体の斜視図である。発熱体301は、鉄−クロム系薄板材料(実施の形態6では、厚み0.05mmの、日本金属工業(株)製 金属箔No.4Lである。)から渦巻き状形成される。渦巻きの間隔は、内側ほど広い(間隔303、304、305の順に広くなる)。発熱体の両端にそれぞれ、リード線接続用の幅広の端子部306及び端子部307が設けられている。この発熱体301をヒータ基板の表面に取り付けることにより、ヒータ基板自体において、その表面温度が中心部より周辺部の方が高くなる。端子部306及び端子部307は、発熱体301に対して90度の角度で曲げられ、ヒータ基板の開孔部(図示しない)に挿入される。発熱体301をヒータ基板に密着させ、端子部306−端子部307間に電力を供給すると、固体電解質基板110の周辺部と中央部の温度差がより少ないセンサーブロックが実現できる。
実施の形態3のセンサーブロック104(図6)の発熱体172a及び172bを発熱体301に代えたセンサーブロックを作成し、実施の形態1と同様、固体電解質基板110の角部の温度を350℃に制御し、温度測定を行った。その結果、セラミックス基板113a及び113bの電極膜側の中央部の温度差は2℃以内だった(実施の形態3と同程度)。固体電解質基板の片面にのみヒータ基板を配置した従来例1のセンサー部において固体電解質基板の両面の温度差が40℃〜50℃程度であったのと比較して、大幅に改善できた。
また、固体電解質基板110の同一面内の中央部と端部との温度差(固体電解質基板110に対向するセラミックス基板の面の中央部に取り付けた温度測定用熱電対の検出温度と、固体電解質基板110の端部に取り付けた温度制御用熱電対の検出温度(制御温度)との差)は、5℃〜10℃程度だった。従来例2の固体電解質型ガスセンサーにおいて固体電解質基板の同一面内の中央部と端部との温度差が30℃程度であったのと比較して、大幅に改善できた。
実施の形態6の発熱体301を用いたセンサーブロックでは、固体電解質基板に形成した電極膜のほぼ全域の温度のバラツキを5℃以内とすること可能である。固体電解質基板110の加熱温度の低温化が可能である。従って、プロトンの伝導面積が広く、検出感度が高く、測定値の長期安定性が確保できるガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。
《実施の形態7》
図11を用いて、本発明の実施の形態7の良熱伝導性基板を説明する。図11は、本発明の実施の形態7の良熱伝導性基板の斜視図である。良熱伝導性基板350は、良熱伝導性基板351及び352から構成される。良熱伝導性基板351のサイズは12mm×12mm×0.5mmであり、窒化アルミニウムから形成される。良熱伝導性基板351は、中央に5mm×5mmの開孔部を有する。良熱伝導性基板352は、純度96%のアルミナから形成され、良熱伝導性基板351の開孔部とほぼ同じサイズを有する。良熱伝導性基板351の方が良熱伝導性基板352より熱伝導率が大きい。
実施の形態3のセンサーブロック104(図6)の良熱伝導性基板201a及び201bに代え、良熱伝導性基板350を使用したセンサーブロックを作成し、実施の形態1と同様、固体電解質基板110の角部の温度を350℃に制御し、温度測定を行った。その結果、セラミックス基板113a及び113bの電極膜側の中央部の温度差は2℃〜3℃以内だった(実施の形態3より若干大きい)。固体電解質基板の片面にのみヒータ基板を配置した従来例1のセンサー部において固体電解質基板の両面の温度差が40℃〜50℃程度であったのと比較して、大幅に改善できた。
また、固体電解質基板110の同一面内の中央部と端部との温度差(固体電解質基板110に対向するセラミックス基板の面の中央部に取り付けた温度測定用熱電対の検出温度と、固体電解質基板110の端部に取り付けた温度制御用熱電対の検出温度(制御温度)との差)は、ややばらつくものの10℃程度だった。従来例2の固体電解質型ガスセンサーにおいて固体電解質基板の同一面内の中央部と端部との温度差が30℃程度であったのと比較して、改善できた。
実施の形態7の良熱伝導性基板350を用いたセンサーブロックでは、固体電解質基板に形成した電極膜のほぼ全域の温度のバラツキを従来に比べて小さくすること可能である。固体電解質基板の加熱温度の低温化が可能である。従って、プロトンの伝導面積が広く、検出感度が高く、測定値の長期安定性が確保できるガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。
《実施の形態8》
図12〜図15を用いて、本発明の実施の形態8のガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置(水素ガス濃度測定装置である。)を説明する。
図12は、本発明の実施の形態8のガス濃度測定装置の構成を示すブロック図である。ガス濃度測定装置109は、センサー構造体108、温度制御部121、電圧制御部122、電流検出部123及びガス濃度算出部124を有する。センサー構造体108は、センサーモジュール107を有する。
図13は、本発明の実施の形態8のセンサーモジュールの断面図である。センサーモジュール107は、センサーブロック104(実施の形態3のセンサーブロック。図6参照)を保温材411〜417で覆った構成を有する。保温材411〜417は、マイカ材から形成される。センサーブロック104のガス拡散律速孔114及びガス流通孔115側には、ガス出入り口421が形成されている。
センサーモジュール107は、センサー構造体108のセンサー取り付け部材513に取り付けられる。図14は、本発明の実施の形態8のセンサーモジュール取り付け部材の断面図である。センサー取り付け部材513は、マシーナブルセラミックス(コーニング社製マコール)で形成される。センサー取り付け部材513は、その先端部に複数のネジ穴514を有する。
センサーモジュール107の周辺部には、ネジ穴514と同数の開孔部が設けられている。センサーモジュール107は、その開孔部に挿入されたセンサーモジュール支持体519によって、センサー取り付け部材513に固定される。具体的には、始めにセンサーモジュール支持体519が、センサー取り付け部材513のネジ穴514にネジ520で固定された後、センサーモジュール107がセンサーモジュール支持体519に嵌め込まれる。最後に、耐熱性バネ515をセンサーモジュール支持体519の先端(ネジ520と反対側の端)に嵌め、耐熱性バネ515を圧縮した状態でE−リング516をセンサーモジュール支持体519の先端の溝に挿入する。このようにして、センサーモジュール107をセンサー取り付け部材513に固定した。センサーモジュール支持体519のネジ520の上部には、他の部分より太く、センサーモジュール107の周辺部の開孔部より径が大きな間隔形成部512が形成されているので、センサーモジュール107とセンサー取り付け部材513との間が所定の間隔に保たれる。この構成により、センサーモジュール107から発生する熱が、センサー取り付け部材513に伝わりにくくなる。
517は、センサーモジュール107及びセンサーモジュール支持体519全体を覆う防爆キャップである。防爆キャップ517は、微細な金属粉末を焼結した多孔質材料(SUSの微粉末)から形成される。防爆キャップ517は、測定ガス流速の変動による測定値の変動を緩和する機能、センサー部を保護する機能及び防爆機能を有する。測定ガスは防爆キャップ517を透過する。
518は、複数の貫通孔を有するセラミックス製の耐熱性絶縁管である。それぞれの貫通孔に、センサーモジュール107から導出されるヒータ基板171a及び171b、固体電解質基板110の温度制御用熱電対(図示しない)、固体電解質基板110のアノード電極膜112及びカソード電極膜111に接続されたリード線がそれぞれ挿入される。耐熱性絶縁管518は、各リード線を保護しリード線間を絶縁する。これらのリード線をまとめて、「リード線692」と表記する。
図15は、本発明の実施の形態8のガスセンサー構造体全体の断面図である。621は、センサー取り付け部材513を取り付ける金属ベース部材である。金属ベース部材621はキャップ622に嵌め込まれる。キャップ622は、リード線保護キャップ624に嵌め込まれる。センサー構造体108全体は、測定部外壁652の貫通孔にネジ止めされる。
センサーモジュールに接続されたリード線692は、耐熱性絶縁管518に挿入され、更に絶縁性チューブ654に挿入され、、電極ピン651に接続される。ケーブル694中の外部リード線693と電極ピン651とは、重ねスリーブ圧接部655において圧着接続される。
金属ベース部材621と測定部外壁652との間にはOリング671が挿入される。気密端子板623に電極ピン651がOリング673を介して取り付けられる。気密端子板623は、金属ベース部材621の先端にOリング672を介して取り付けられる。センサー構造体108の測定部外壁652の内側のガスと外側の空気とが接する部分においては、Oリング671、672及び673が締め付けられるように構成されている。従って、センサー構造体108内部と外部との気密性が保たれる。従って、センサー構造体108は、可燃性ガス(例えば、プロパンガス又は天然ガス)、爆発性ガス(例えば、水素ガス)又は有毒性ガス(例えば、一酸化炭素ガス)のガス濃度測定装置のセンサー構造体として有効である。なお、Oリング671を取り除き、金属ベース部材621をテーパーネジで測定部外壁652へ取り付け、接続部分にテフロン(登録商標)製のガスシールテープを巻き付けガスシールする構成としても良い。
図12に戻って説明する。温度制御部121は固体電解質基板110に取り付けた温度制御用熱電対の出力信号を入力し、発熱体172a及び172bへ流れる電流を調整し、固体電解質基板110の温度を所定値(例えば、350℃)に制御する。電圧制御部122は、アノード電極膜112とカソード電極膜111との間に所定の電圧を印加する。電流検出部123は、アノード電極膜112とカソード電極膜111との間に流れる電流を検出する。ガス濃度算出部は、電流検出部123が検出した電流に基づき、測定ガスのガス濃度を算出する。
ガス濃度測定装置は、ガス濃度の値をディスプレイ上に表示しても良く、又はガス濃度が所定の閾値を超えたならば、警告ランプを点灯し、警告ブザーを鳴らしても良い。又、ガス濃度測定装置は、有線又は無線通信により、ホスト機器(例えばコンピュータ)にガス濃度の情報及び/又はガス濃度が所定の閾値を超えたという情報を送っても良い。
なお、センサーブロック104に代え実施の形態1〜実施の形態7で説明したセンサーブロックを使用しても良い。
なお、セラミックス基板113a、113b、153a及び153bとしてフォルステライト基板を用いたが、耐熱性を有し且つ熱膨張係数が固体電解質基板のそれに対して±20%以内の材料であれば良い。ヒータ基板171a、171bにマイカ板を用いたが、耐熱性があり電気的絶縁性を有する材料であれば良い。
本発明の実施の形態の固体電解質型ガスセンサーは、水素ガスセンサーであった。本発明は、これに限らず固体電解質材料又はガス拡散律速孔のサイズを調整することにより、固体電解質で検知できるその他のガス(例えば、酸素ガス、炭化水素ガス)、又は湿度等のセンサーにも適用できる。例えば酸素ガスセンサーの場合、実施の形態におけるアノード電極膜112はカソード電極膜、カソード電極膜111はアノード電極膜として機能する。
本発明によれば、固体電解質基板の両面を均一に加熱制御できるので、ガス濃度を安定して連続測定できる、固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。本発明の、固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置は、連続したガス流量中のガス濃度の連続測定に有用である。
固体電解質基板を、バリウム・ジルコニウム・セリウム・インジウム系酸化物イオン伝導性のペロブスカイト型セラミックスで形成した場合、還元性ガス中の水素濃度を連続して測定できる、水素ガスセンサー及び水素ガス濃度測定装置を実現できる。このような水素ガスセンサーは、天然ガスを一定燃焼カロリーで燃焼させる必要がある発電システムにおいて、天然ガス中の水素ガス濃度の測定値を用い、総燃焼カロリーを算出し、天然ガスの供給バルブを自動制御するためのガスセンサーとして有用である。燃料電池用ガス中の水素ガス濃度の連続計測にも有効な手段となる。
本発明によれば、固体電解質基板の中央部と周辺部の温度差を小さく制御できる。即ちアノード電極及びカソード電極の大部分がプロトン伝導に寄与できる。従って、感度が高く、ガス濃度検出範囲が広く、固体電解質基板の加熱温度が比較的低い、固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置を実現できる。
本発明の固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置は、例えば高精度なガス濃度測定を行う必要があるシステムの固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置として有用である。
本発明の実施の形態1のセンサー部の断面図 本発明の実施の形態1のセンサー部の斜視図 本発明の実施の形態1のセンサー部の分解斜視図 本発明の実施の形態1のセンサーブロックの断面図 本発明の実施の形態2のセンサー部の断面図 本発明の実施の形態3のセンサーブロックの断面図 本発明の実施の形態3のセンサーブロックの分解斜視図 本発明の実施の形態4のセンサーブロックの断面図 本発明の実施の形態5のセンサーブロックの断面図 本発明の実施の形態6の発熱体の斜視図 本発明の実施の形態7の良熱伝導性基板の斜視図 本発明の実施の形態8のガス濃度測定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態8のセンサーモジュールの断面図 本発明の実施の形態8のセンサーモジュール取り付け部材の断面図 本発明の実施の形態8のセンサー構造体全体の断面図 従来例1の炭化水素センサーのセンサー構造体のセンサー部の断面図 従来例1のセンサー構造体の分解斜視図 従来例2の固体電解質型ガスセンサーのガスセンサー素子の断面図 安定化ジルコニアの導電率のアレニウスプロット
符号の説明
101、102 センサー部
103、104、105、106 センサーブロック
107 センサーモジュール
108 センサー構造体
109 ガス濃度測定装置
110 固体電解質基板
111 カソード電極膜
112 アノード電極膜
113a、113b、153a、153b セラミックス基板
114、156 ガス拡散律速孔
115、157 ガス流通孔
116、117、154、155 接着剤
118、119 電極端子部
121 温度制御部
122 電圧制御部
123 電流検出部
124 ガス濃度算出部
171a、171b ヒータ基板
172a、172b、301 発熱体
201a、201b、350、351、352 良熱伝導性基板
251、264 上下連通した良熱伝導性基板
303、304、305 間隔
306、307 端子
411、412、413、414、415、416、417 保温材
421 ガス出入り口
512 間隔形成部
513 センサー取り付け部材
514 ネジ穴
515 耐熱性バネ
516 E−リング
517 防爆キャップ
518 耐熱性絶縁管
519 センサーモジュール支持体
520 ネジ
621 金属ベース部材
622 キャップ
623 気密端子板
624 リード線保護キャップ
651 電極ピン
652 測定部外壁
654 絶縁性チューブ
655 重ねスリーブ圧接部
671、672、673 Oリング
692 リード線
693 外部リード線
694 ケーブル
711 固体電解質基板
712 セラミックス基板
713 補助基板
714 発熱体
721 アノード電極膜
722 カソード電極膜
723、724 無機系接着剤
725 ガス拡散律速孔
726 アノード電極室
751 センサー部
752 平坦部
753 セラミックス製円柱
754 リード線
755 金属製のフタ
761 金属製のケース
762 金属製のカン
763 通気孔
765 外部リード線
811 固体電解質
812 検知極
813 基準極
814 パネル型ヒータ
821 発熱体
822 集電電極
823 ヒータリード線
824 リード線

Claims (16)

  1. 両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、
    前記固体電解質基板の第1の面に直接又は前記電極膜の外周に配置された他の部材を介して少なくとも一部が接合し、ガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部形成基板と、
    前記固体電解質基板の第2の面に直接又は前記電極膜の外周に配置された他の部材を介して少なくとも一部が接合し、ガス流通孔を形成するガス流通部形成基板と、を有し、
    前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板がセラミックス基板又は多孔質基板であり、
    前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板の前記固体電解質基板と対向しない側のそれぞれの面に密接して連通した第3の良熱伝導性基板を配置し、面状のヒータ基板を前記第3の良熱伝導性基板の外側の前記第1の面又は前記第2の面と平行な面に密接して配置することを特徴とする固体電解質型ガスセンサー。
  2. 両面に一対の電極膜を形成した固体電解質基板と、
    前記固体電解質基板の第1の面に直接又は前記電極膜の外周に配置された他の部材を介して少なくとも一部が接合し、ガス拡散律速孔を形成するガス拡散律速部形成基板と、
    前記固体電解質基板の第2の面に直接又は前記電極膜の外周に配置された他の部材を介して少なくとも一部が接合し、ガス流通孔を形成するガス流通部形成基板と、
    前記ガス拡散律速部形成基板の前記固体電解質基板と対向しない側の面に密接して配設された第1の良熱伝導性基板と、
    前記ガス流通部形成基板の前記固体電解質基板と対向しない側の面に密接して配設された第2の良熱伝導性基板と、
    前記第1の良熱伝導性基板の前記ガス拡散律速部形成基板と対向しない側の面と、前記第2の良熱伝導性基板の前記ガス流通部形成基板と対向しない側の面と、にそれぞれ密接して連通する第3の良熱伝導性基板と、
    前記第3の良熱伝導性基板の外側の前記第1の面又は前記第2の面と平行な面に密接して配置された面状のヒータ基板と、
    を有し、
    前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板がセラミックス基板又は多孔質基板であり、
    前記第1の良熱伝導性基板、第2の良熱伝導性基板及び第3の良熱伝導性基板の熱伝導率が前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板の熱伝導率より大きいことを特徴とする固体電解質型ガスセンサー。
  3. 前記第3の良熱伝導性基板の前記第1の面及び前記第2の面と平行なそれぞれの面及び前記ヒータ基板の大きさ、又は前記第3の良熱伝導性基板の前記第1の面及び前記第2の面と平行なそれぞれの面、前記ヒータ基板、第1の良熱伝導性基板及び第2の良熱伝導性基板及びの大きさが、前記固体電解質基板、前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板よりも大きいことを特徴とする請求項又はに記載の固体電解質型ガスセンサー。
  4. 前記固体電解質基板が、バリウム・セリウム・ジルコニウム・インジウム系酸化物から形成されることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  5. バリウム・セリウム・ジルコニウム・インジウム系酸化物でプロトンと酸化物イオン伝導体のセラミックス材料よりなる固体電解質基板の一方の面にアノード電極を、他方の面にカソード電極をそれぞれ形成し、
    ガス拡散律速孔が形成された或いは形成するように、前記アノード電極を覆うように多孔質基板或いはセラミックス基板が接合されており、
    ガス流通孔が形成された或いは形成するように、他方のカソード電極を覆うように多孔質基板或いはセラミックス基板が接合されており、
    該両多孔質基板或いはセラミックス基板の外側面に前記多孔質基板或いはセラミックス基板より大きいサイズの良熱伝導性基板が配設され、
    前記良熱伝導性基板の両外側面に前記良熱伝導性基板と同一サイズかより大きいサイズの面上ヒータが配設されたことを特徴とする固体電解質型水素ガスセンサー。
  6. 前記ヒータ基板の表面に、その表面温度が中心部より周辺部の方が高くなるように発熱体を配置したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  7. 前記第1及び第2の良熱伝導性基板がそれぞれ第1の基板と第2の基板とから構成され、前記第1の基板は中央部に貫通孔を有し、前記第2の基板は前記貫通孔に嵌め込まれ、前記第1の基板の熱伝導率が前記第2の基板の熱伝導率より大きいことを特徴とする請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  8. 前記ガス拡散律速孔及び前記ガス流通孔に連通する開孔部を有する保温材で全体を覆うことを特徴とする請求項1〜3及びのいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  9. 前記ガス流通孔の断面積が前記ガス拡散律速孔より大きいことを特徴とする請求項1〜3及びのいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  10. 前記ガス拡散律速部形成基板及び前記ガス流通部形成基板が同一の材料から形成され、前記材料の熱膨張係数が前記固体電解質基板の熱膨張係数の±20%以内であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  11. 前記ヒータ基板が良熱伝導性材料から形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  12. 前記第1及び第2の良熱伝導性基板の熱伝導率が20W/m・K以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  13. 前記第1及び第2の良熱伝導性基板がアルミナ或いはアルミナを主成分とするセラミックス、ベリリアセラミックス、窒化アルミニウムセラミックス、炭化珪素セラミックス、アルミニウム、銅又は高品質グラファイト・シートから形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の固体電解質型ガスセンサー。
  14. 請求項1から請求項1のいずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーと、
    前記固体電解質型ガスセンサーを保持し、セラミックス材料から形成され円筒形状の形状を有するセンサー取り付け部材と、
    前記固体電解質型ガスセンサー全体を覆う金属製の防爆部材と、
    前記センサー取り付け部材一端に取り付けられ、円筒形状を有するステンレス鋼製の金属ベース部材と、
    前記金属ベース部材の他端にキャップで取り付けられ、電極ピンを有する気密端子板と、
    を有し、
    前記固体電解質型ガスセンサーに接続されたリード線が、前記センサー取り付け部材及び前記金属ベース部材の内部空洞を通って前記電極ピンの一端に接続され、
    前記電極ピンの他端には外部リード線が接続され、
    前記金属ベース部材の外周部とガス濃度検出装置の取り付け面、前記金属ベース部材と前記気密端子板部、及び前記気密端子板と前記電極ピンの挿入部が、それぞれ気密状態で接続されている構造を特徴とする固体電解質型ガスセンサー構造体。
  15. 前記固体電解質型ガスセンサーが、センサー取り付け部材に間隔を保持して取り付けられることを特徴とする請求項14に記載の固体電解質型ガスセンサー構造体。
  16. 請求項1から請求項1いずれかの請求項に記載の固体電解質型ガスセンサーと、
    前記固体電解質基板を加熱し、所定の温度に制御する温度制御部と、
    前記一対の電極膜の間に所定の電圧を印加する電圧制御部と、
    前記一対の電極膜の間に流れる電流を検出する電流検出部と、
    少なくとも前記電流検出部が検出した電流からガス濃度を算出するガス濃度算出部と、
    を有することを特徴とする、ガス濃度測定装置。
JP2003398009A 2003-11-27 2003-11-27 固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置 Expired - Fee Related JP4365668B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003398009A JP4365668B2 (ja) 2003-11-27 2003-11-27 固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003398009A JP4365668B2 (ja) 2003-11-27 2003-11-27 固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005156465A JP2005156465A (ja) 2005-06-16
JP4365668B2 true JP4365668B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=34722997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003398009A Expired - Fee Related JP4365668B2 (ja) 2003-11-27 2003-11-27 固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4365668B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014207480A1 (de) * 2014-04-17 2015-10-22 Robert Bosch Gmbh Vorrichtung zum Erfassen eines Parameters eines Gases, Verfahren zum Betreiben einer derartigen Vorrichtung und Messsystem zum Bestimmen eines Parameters eines Gases
US10132934B2 (en) * 2014-09-17 2018-11-20 Stmicroelectronics S.R.L. Integrated detection device, in particular detector of particles such as particulates or alpha particles

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005156465A (ja) 2005-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0672861B2 (ja) NOxセンサ
KR100474223B1 (ko) 공연비 검출 장치
JP2012211863A (ja) ガスセンサ
US4897174A (en) Gas sensing apparatus
US4880519A (en) Gas sensor element
JPH0542624B2 (ja)
US4863584A (en) Apparatus for sensing air-fuel ratio
JP4365668B2 (ja) 固体電解質型ガスセンサー、固体電解質型ガスセンサー構造体及びガス濃度測定装置
JP3966805B2 (ja) 空燃比検出装置
EP0343533A2 (en) Gas sensing element
JP4203986B2 (ja) ガスセンサー構成体
JPS60128348A (ja) 電気化学的装置
JP4364608B2 (ja) 固体電解質型ガスセンサー及びガス濃度測定装置
EP0057393B1 (en) Probe for measuring partial pressure of oxygen
US11852606B2 (en) Gas sensor for suppressing an increase in the temperature of a grommet while suppressing an increase in the size cost of gas sensor parts
JPS6363936A (ja) 工業用ガス濃度測定装置
JP3565520B2 (ja) 酸素濃度センサ
JPS6358152A (ja) 工業用酸素濃度測定装置
JP3529567B2 (ja) ガスセンサ
JPS62190461A (ja) 空燃比センサの活性化検出装置
JPS62502774A (ja) 自己加熱されたセンサ−パツケ−ジ
JPS6363935A (ja) 工業用ガス濃度測定装置
JPS6363961A (ja) 工業用ガス濃度測定装置
SU381011A1 (ru) Газоанализатор
JP3067258B2 (ja) 酸素センサ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050527

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061117

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20061117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090728

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090821

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees