JP4363570B2 - 袋及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種用途のために使用される袋及びその製造方法に関し、特に、袋体の上部開口を封口するための粘着剤層を備えた封口片を設けた構成において、該粘着剤層を被覆するための離型テープを不要としたものに関する。
従来より、商品包装袋等の袋体は、表裏シート部により上部開口状の物品収納室を形成し、裏シート部の開口縁から上方に延設された封口片を表シート部の開口縁近傍部の外側に重なるように折返自在に構成しており、折返した封口片を表シート部の開口縁近傍部の外側に添設した受片に対して粘着せしめるための粘着剤層を設けている。
このような袋体は、製袋された状態で封口片を開放しており、上部開口部を開口せしめた状態で袋体として提供されるため、粘着剤層を離型テープにより被覆されている。そこで、袋体の提供を受けた者が商品を包装するに際し、商品を上部開口部から物品収納室に挿入した後、離型テープを剥離することにより粘着剤層を露出せしめ、封口片を折返すと共に粘着剤層を受片に粘着せしめ、これにより袋体の封口を行っている。
然しながら、離型テープは、粘着剤層を被覆し保護するためのものであるから、剥離の後は廃棄される運命にあり、大量の袋体を消費するときには大量の離型テープがゴミとなり、廃棄物処理による環境問題を提起する。
そこで、本発明者は、離型テープを不要とした袋体を先に提案したところである。
特開2004−67123号公報
従来の離型テープを設けた袋体は、袋体の提供時に封口片が開放されているため、粘着剤層を被覆するめに離型テープが必須のものとされている。
また、本発明者が先に提案した特開2004−67123号公報の技術は、袋体の提供時に封口片が開放されていることを前提としており、従来の離型テープに代えて封口片用舌片を設け、該封口片用舌片により粘着剤層を被覆せしめるように構成している。
この点に関して、本発明者は、離型テープは勿論、離型テープの代替物も不要にできることを課題として鋭意研究した結果、袋体が提供される当初から、封口片を折返状態に保持し、粘着剤層を袋体それ自体の一部分により被覆させることが有利であることを知見した。
そこで、前記課題を解決するため本発明の袋が手段として構成したところは、表裏シート部により上部開口部と底部を備えた物品収納室を形成し、上部開口部を越えて延びる封口片を裏シート部から延設すると共に表シート部の開口縁近傍部の外側に重なるように折返自在に構成し、物品収納室に物品を収納した状態で、表シート部の開口縁近傍部の外側に添設した受片に対して封口片に設けた粘着剤層を粘着することにより物品収納室の上部開口部を封口せしめる袋体において、前記表シート部は、少なくとも開口縁部から底部の上方に至る部分が網目を有するネット素材により形成され、前記封口片は、上部開口部からそれぞれ距離を相違する部位に第一折曲自在部と第二折曲自在部を備えており、封口片を第一折曲自在部を介して折返したとき粘着剤層が受片から下方又は上方に外れた位置に設けられた表シート部の仮受部に対面し、封口片を第二折曲自在部を介して折返したとき粘着剤層が受片に対面するように構成され、前記表シート部の仮受部は、封口片の粘着剤層を剥離自在に粘着せしめる剥離容易部を形成しており、袋体は、物品収納室に物品を収納していない状態で、封口片が第一折曲部を介して折返され、粘着剤層を前記仮受部の剥離容易部に粘着されており、前記網目を有する開口縁部が前記封口片により被われて成る点にある。
前記袋を提供するため本発明の製造方法が第一の手段として構成したところは、帯状の表裏シートを相互に重ね合わせ、裏シートに対して表シートの一側縁を連結し他側の開口縁を開放せしめており、表シートの開口縁から突出する合成樹脂フィルム製の封口片素材を裏シートに連設すると共に、該封口片素材の突出端近傍部に粘着剤層を設け、更に、合成樹脂フィルム製の受片素材を表シートの開口縁近傍部に固着すると共に、該受片素材の一側部又は他側部にネット材から成る仮受部を形成することにより帯状の一次構成体を構成し、該一次構成体を帯長手方向に移送する工程と、前記一次構成体における封口片素材を表シートの開口縁近傍部に向けて折返すことにより該開口縁を被い、折返された封口片素材の粘着剤層を表シートの仮受部に粘着することにより帯状の二次構成体を形成する工程と、前記二次構成体を帯幅方向の分断線Cに沿って溶着し、封口片素材の折返部の相互並びに封口片素材の折返端部と表シート及び受片素材の相互を溶着せずに表裏シートの相互を溶着すると共に、該分断線Cに沿って二次構成体を分断することにより袋体を得る工程とから成る点にある。
また、本発明の製造方法が第二の手段として構成したところは、帯状の表裏シートを相互に重ね合わせ、裏シートに対して表シートの一側縁を連結し他側の開口縁を開放せしめており、表シートの開口縁から突出する合成樹脂フィルム製の封口片素材を裏シートに連設すると共に、該封口片素材の突出端近傍部に粘着剤層を設け、更に、合成樹脂フィルム製の受片素材を表シートの開口縁近傍部に固着すると共に、該受片素材の一側部又は他側部にネット材から成る仮受部を形成することにより帯状の一次構成体を構成し、該一次構成体を帯長手方向に移送する工程と、前記一次構成体の帯幅方向の分断線Cに沿って表裏シートを相互に溶着する工程と、前記溶着の後、前記一次構成体における封口片素材を表シートの開口縁近傍部に向けて折返すことにより該開口縁を被い、折返された封口片素材の粘着剤層を表シートの仮受部に粘着することにより帯状の二次構成体を形成する工程と、前記二次構成体を前記分断線Cに沿って分断することにより袋体を得る工程とから成る点にある。
請求項1に記載の本発明によれば、袋体は、提供される当初から、封口片を折返状態に保持し、粘着剤層を袋体それ自体の一部分を構成する表シート部の仮受部により被覆されているので、従来のような離型テープは不要であり、このため、従来のような廃棄ゴミ処理の問題を生じることはない。しかも、本発明者が先に提案した特開2004−67123号公報に記載されたような離型テープの代替物としての封口片用舌片を設ける必要もないので、低コストで提供することができ、しかも、製造が簡単である。
特に、本発明によれば、表シート部の少なくとも開口縁部から底部の上方に至る部分をネット素材により形成した袋体において、物品収納室に物品を収納していない状態では、粘着剤層を仮受部の剥離容易部に粘着した封口片が第一折曲部を介して折返されているので、網目を有する伸縮性のあるネット素材の開口縁部が外部に露出されず、該開口縁部を封口片により被われて保護されるという効果がある
そして、折返状態とされた封口片の粘着剤が粘着された仮受部は、剥離容易部を構成しているので、袋体の提供を受けた者は、商品を包装するに先立ち、粘着剤を剥離容易部を介して簡単に剥離することにより封口片を開放することができ、商品等を開放された上部開口部から物品収納室に収納した後、再度、封口片を折返し、粘着剤層を表シート部の受片に対して強固に粘着せしめることにより、袋体を好適に封口せしめることができる。
この際、本発明によれば、剥離容易部が網目を形成したネット材により形成されているので、粘着剤層の剥離容易な仮粘着状態を好適に達成することができ、しかも、封口片を開放し、物品収納室に商品を収納した後、封口片を再度折返して粘着剤層を受片に粘着せしめた封口状態で、ネット素材から成る仮受部が封口片により覆われることなく露出されるように構成しておけば、該ネット材を介して通気性を良好とした袋体を提供することができる。
また、請求項2に記載の本発明によれば、封口片素材を折返した二次構成体を分断線Cに位置して溶着し分断するだけで、本発明に係る袋体を得ることができるので、袋体の量産に適している。この際、封口片素材の折返部の相互並びに封口片素材の折返端部と表シート及び受片素材の相互は溶着されず、表裏シートの相互だけが溶着されるので、これにより得られた袋体は、粘着剤層を仮受部から剥離するに際し、封口片を折返状態から自由に開放することができ、本発明の所期目的を好適に達成することができる。
また、請求項3に記載の本発明によれば、封口片素材を折返す前の一次構成体を分断線Cで溶着することにより表裏ネットシート部を相互に溶着しているので、その後、封口片素材を折返した二次構成体を分断線Cで分断するだけで袋体を得ることができ、これにより得られた袋体は、折返状態の封口片を何ら溶着されていないので、粘着剤層を仮受部から剥離するに際し、封口片を折返状態から自由に開放することができ、本発明の所期目的を好適に達成することができる。
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
(袋体の第1実施形態)
図1ないし図3は、本発明に係る袋体の第1実施形態を示している。図1は、袋体の製袋後の状態を示し、ユーザに提供されるときの状態を示しており、これが請求項1に記載された袋体の形態である。図2は、ユーザが袋体に商品等を収納するために封口片を開放した状態を示している。図3は、ユーザが袋体に商品等を収納した後、封口片を折返すことにより封口した状態を示している。
(第1実施形態の構成)
図1において、袋体1は、オクラや枝豆その他の生鮮果菜類を収納するために適する通気性に優れた袋が例示されている。このため、袋体1は、網目を形成する伸縮性のある合成樹脂製のネット素材から成るネット状の表シート部2とネット状の裏シート部3により上部開口部4を有する物品収納室5を形成している。
表裏シート部2、3は、図1(B)に示すように、1枚のネット素材を半折することにより袋体1の底部6を形成しても良いが、図1(C)に示すように2枚のネット素材を相互に溶着6aすることにより袋体1の底部6を形成しても良く、更には、図1(D)に示すように、底部6にガゼット6bを形成しても良い(以下の実施形態においても同様である)。表裏シート部2、3の両側縁は溶着7、7されることによりサイドシール部を形成しており、これにより物品収納室5の両側部と底部の三方が閉塞されている。
裏シート部3は、袋体1の全幅にわたり上部開口部4を越えて延びる合成樹脂フィルム製の封口片8を延設している。該封口片8は、基部8aを裏シート部3の外側に重合されると共に袋体1の幅方向に向けて封口片溶着線9、9により溶着されており、延出部8bを表シート部2の開口縁近傍部の外側に重なるように折返され、先端8cの近傍内側に粘着剤層10を設けている。
表シート部2は、上部開口部4に臨む開口縁部2aの外側に、袋体1の全幅にわたる合成樹脂フィルム製の受片11を添設しており、該受片11は開口縁部2aに対して袋体1の幅方向に向けて受片溶着線12、12により溶着されている。
更に、表シート部2は、受片11から下方又は上方(図例の場合は下方)に外れた位置に仮受部13を形成している。図示実施形態において、仮受部13は、表シート部2を構成するネット材それ自体により構成され、これにより剥離容易部14を形成している。
封口片8の延出部8bは、上部開口部4からそれぞれ距離を相違する部位に第一折曲自在部U1と第二折曲自在部U2を備えており、図1に示すように、第一折曲部U1を介して折返され、先端8cの粘着剤層10を仮受部13に対面せしめ粘着している。従って、この状態でネット素材により形成された開口縁部2aは封口片8により被われている
(第1実施形態の使用方法)
前記構成の袋体1を提供されたユーザは、封口片8を図2に示すように開放することにより、物品収納室5に商品等を収納することができる。ユーザに提供された袋体1は、前述のように、折返された封口片8の粘着剤層10がネット状の仮受部13により構成された剥離容易部14に粘着せしめられているので、ユーザは、先端8cを摘んで引き離すことにより、粘着剤層10を仮受部13から容易に剥離し、封口片8を図2に示すように開放することができる。しかも、粘着剤層10は、剥離容易部14に弱着状態で粘着されていた状態から剥離されたものであり、特に、剥離容易部14をネット材により形成しているときは、粘着剤層10は、ネット材の格子状の線条だけに粘着し、それ以外の部分は何ら粘着されない状態とされていたものであるから、剥離容易部14から剥離した後の粘着力を十分を保持している。
そこで、商品等を収納した後、開放された封口片8を第二折曲自在部U2を介して折返すと、図3に示すように、粘着剤層10は、受片11に対面すると共に粘着される。この際、受片11は、合成樹脂フィルムにより形成されているので、粘着剤層10は受片11に対し強着状態で強固に粘着され、袋体1の所期の封口を行わしめる。尚、袋体1に包装された商品等を購入した消費者は、封口片8の先端8cを摘んで強く引き離すことにより粘着剤層10を受片11から剥離し、商品等を袋体1から取出すことができる。この際、強着状態から剥離された粘着剤層10は粘着力を劣化せしめられるが、袋体1は包装の役割を終えているので、粘着剤層10の粘着力は最早必要でない。
(製造方法の第1例)
図4及び図5は、第1実施形態として説明した前記袋体の製造方法の第1例を示している。
図4(A)に示すように、ネット素材から成る帯状の表裏シート2S、3Sが相互に重ね合わせられた状態で帯長手方向に移送される。この際、図示省略しているが、裏シート3Sに対して表シート2Sの一側縁が1枚のシートを半折することにより又は2枚のシートを溶着することにより連結されており、他側縁の開口縁は開放せしめられている。
裏シートS3の側縁の近傍部の外側には、帯状の合成樹脂フィルムから成る封口片素材8Sが移送方向に延びる溶着線9S、9Sを介して溶着され連設されており、該封口片素材8Sを表シート2Sの開口縁から突出せしめている。封口片素材8Sは、裏シートS3から突出する延長部8bの内側面を溶着阻止剤15のコーティング等により被覆され、延長端8cの近傍内側面に帯長手方向に連続的に延びる粘着剤層10Sを設けている。この際、溶着阻止剤15は、図4(B)に例示するように延長部8bの内側面の全面に設けても良いが、図4(C)に例示するように粘着剤層10Sが設けられた部位を除く全面に設けても良く、更には、後述する分断線Cに沿う溶着線7Sの部分だけに設けても良い。
また、表シートS2の開口縁の近傍外側面には、テープ状の合成樹脂フィルムから成る受片素材11Sが移送方向に延びる溶着線12S、12Sを介して溶着され添設されている。この際、表シートS2は、受片素材11Sの一側部又は他側部に仮受部13Sを形成する。この仮受部13Sは、表シートS2を形成するネット素材それ自体により構成されている。
図示実施形態の場合、表裏シートS2、S3を構成するネット素材は、相互に同質の樹脂、例えばポリエチレン等の特定樹脂R1により形成されており、従って、加熱溶融することにより表裏シートS2、S3を相互に溶着可能となるように構成されている。これに対して、封口片素材8Sは、前記特定樹脂R1(例えばポリエチレン)から成る内層8iと、該特定樹脂とは異質の樹脂R2(例えばポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンその他)から成る外層8hをラミネートした2層フィルムから構成され、内層8iを裏シートS3に対して溶着線9S、9Sにより溶着されている。即ち、封口片素材8Sの内層8iと裏シートS3は、同一又は同系の特定樹脂R1により形成されているので、加熱溶融により相互に強固に溶着する。そして、延長部8bにおける内層8iに前記溶着阻止剤15をコーティングしている。或いは、図示省略しているが、封口片素材8Sを前記特定樹脂R1(例えばポリエチレン)の単層フィルムから構成し、加熱溶融により裏シートS3に対して強固に溶着せしめるが、前述と同様に、延長部8bにおける内側面に前記溶着阻止剤15をコーティングしている。
受片素材11Sは、封口片素材8Sと同様に、特定樹脂R1(例えばポリエチレン)から成る内層11iと、該特定樹脂とは異質の樹脂R2(例えばポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンその他)から成る外層11hをラミネートした2層フィルムから構成されており、内層11iを表シートS2に対して溶着線12S、12Sにより溶着されている。即ち、受片素材11Sの内層11iと表シートS2は、同一又は同系の特定樹脂R1により形成されているので、加熱溶融により相互に強固に溶着する。或いは、図示省略しているが、受片素材11Sを前記特定樹脂R1(例えばポリエチレン)の単層フィルムから構成し、加熱溶融により表シートS2に対して強固に溶着せしめている。
以上のように、表裏シート2S、3Sと、粘着剤層10Sを備えた封口片素材8Sと、受片素材11Sとが結合されることにより帯状の一次構成体K1が構成され、図4に示すように帯長手方向に移送される。
前記一次構成体K1は、次いで、図5に示すように、封口片素材8Sを表シート2Sの開口縁近傍部に向けて折返され、折返された封口片素材8Sの粘着剤層10Sを表シート2Sの仮受部13Sに粘着することにより帯状の二次構成体K2が形成される。
その後、二次構成体K2は、間欠移送され、図5(A)に示すように、帯幅方向の分断線Cに沿って溶着線7Sを介して溶着されると共に分断され、これにより図1に示したような袋体1が得られる。分断線Cに沿う溶着・分断は、溶断刃により溶着と分断を同時に行う溶断方法に基づいても良いが、押圧加熱手段で溶着した後にカッター手段で切断する方法に基づいても良い。
前記分断線Cに沿う溶着線7Sを形成するに際して、図5(B)(C)に示すように、封口片素材8Sは、延長部8bの折返部においては内層8i(特定樹脂R1どうし)を重合され、折返端部においては内層8i(特定樹脂R1)を表シート2S(特定樹脂R1)に重合され、その状態で加熱押圧されるが、それぞれの間に溶着阻止剤15を介装しているので、相互に溶着されることはない。また、折返された封口片素材8Sの内層8i(特定樹脂R1)は受片素材11Sの外層11(異質樹脂R2)に重合されるので、強固に溶着されることはない(即ち溶着されても剥離容易である)が、更に、前記溶着阻止剤15が介装されているので、相互に溶着されることはない。従って、分断線Cに沿う溶着線7Sを形成したとき、表裏シート素材2S、3Sだけが溶着され、図1に示したようなサイドシール部を構成する溶着7、7を形成する。
このようにして得られた袋体1は、前記溶着線7Sが形成されているにもかかわらず、溶着阻止剤15による溶着阻止により、封口片8を折返状態から容易に開放することができ、上述した袋体1の目的を達成することができる。
(製造方法の第2例)
図6は、第1実施形態として説明した前記袋体の製造方法の第2例を示している。
表裏シート2S、3Sと、粘着剤層10Sを備えた封口片素材8Sと、受片素材11Sとが結合されることにより帯状の一次構成体K1が構成され、帯長手方向に移送される点については、図4に示した第1例の製造方法と同様である。
そこで、図6(A)に示すように、該一次構成体K1を間欠移送することにより、帯幅方向の分断線Cに沿って表裏シート2S、3Sを相互に溶着することにより溶着線7Sを形成する。この際、封口片素材8Sは開放されているので、溶着線7Sにより表裏シート2S、3Sだけが相互に溶着される。従って、第1例について説明したような溶着阻止剤15を封口片素材8Sの延長部8bにコーティングする必要はない。
溶着線7Sを形成した後、前記一次構成体K1における封口片素材8Sを表シート2Sの開口縁近傍部に向けて折返し、折返された封口片素材8Sの粘着剤層10Sを表シートS2の仮受部13Sに粘着することにより、図6(C)に示すような帯状の二次構成体K2が形成される。
その後、前記二次構成体K2を前記分断線Cに沿って分断することにより袋体1が得られる。分断方法は、カッター等の切断手段により行うことが好ましく、非加熱による裁断手段が採用される。
このようにして得られた袋体1は、封口片8が折返状態で溶着手段による加熱溶着を受けていないので、折返状態から容易に開放することができ、上述した袋体1の目的を達成することができる。
(袋体の第2実施形態)
図7は、本発明に係る袋体の第2実施形態を示している。図7(A)は、袋体の製袋後の状態を示し、ユーザに提供されるときの状態を示しており、これが請求項1に記載された袋体の形態である。図7(B)は、ユーザが袋体に商品等を収納するために封口片を開放した状態を示している。図7(C)は、ユーザが袋体に商品等を収納した後、封口片を折返すことにより封口した状態を示している。
第2実施形態において、表シート部3は、ネット素材から形成されている。これに対して、裏シート部3は、合成樹脂フィルムから形成され、該フィルムを延長することにより封口片8を連設しており、封口片8を表シート部3に向けて第一折曲部U1を介して折返している。
ネット状の表シート部3の開口縁近傍部には合成樹脂フィルム製の受片11が受片溶着線12、12を介して溶着されており、該受片11の下方に仮受部13を形成し、該仮受部13はネット素材それ自体により剥離容易部14を構成し、折返された封口片8の粘着剤層10を剥離自在となるように弱着状態で粘着している。
その他の構成及び使用方法は上述した第1実施形態と同様であるから、上述の説明を援用する。
(袋体の第3実施形態)
図8は、本発明に係る袋体の第3実施形態を示している。図8(A)は、袋体の製袋後の状態を示し、ユーザに提供されるときの状態を示しており、これが請求項1に記載された袋体の形態である。図8(B)は、ユーザが袋体に商品等を収納するために封口片を開放した状態を示している。図8(C)は、ユーザが袋体に商品等を収納した後、封口片を折返すことにより封口した状態を示している。
第3実施形態において、表シート部3のうち、開口縁部2aから底部6の上方に至る部分は、ネット素材から形成されている。これに対して、裏シート部3は、合成樹脂フィルムから形成され、該フィルムを上方に延長することにより封口片8を連設しており、封口片8を表シート部3に向けて第一折曲部U1を介して折返しており、更に、該フィルムを下方において折曲することにより底部6を形成し、該底部6から延長された延長部16を表シート部3のネット素材の下端部に溶着している。
ネット状の表シート部3の開口縁近傍部には合成樹脂フィルム製の受片11が受片溶着線12、12を介して溶着されており、該受片11の下方に仮受部13を形成し、該仮受部13はネット素材それ自体により剥離容易部14を構成し、折返された封口片8の粘着剤層10を剥離自在となるように弱着状態で粘着している。
その他の構成及び使用方法は上述した第1実施形態と同様であるから、上述の説明を援用する。
(袋体の第4実施形態)
図9は、本発明に係る袋体の第4実施形態を示している。図9(A)は、袋体の製袋後の状態を示し、ユーザに提供されるときの状態を示しており、これが請求項1に記載された袋体の形態である。図9(B)は、ユーザが袋体に商品等を収納するために封口片を開放した状態を示している。図9(C)は、ユーザが袋体に商品等を収納した後、封口片を折返すことにより封口した状態を示している。
第4実施形態の構成は、基本的に第1実施形態と同様であるが、仮受部13が受片11の上方に形成されている。従って、第1実施形態の場合は、図2に示すように、上部開口部4から第一折曲部U1までの距離L1と、第二折曲部U2までの距離L2が、L2>L1とされているのに対して、第4実施形態においては、図9(B)に示すように、反対にL1>L2となるように構成されている。
そこで、封口片8は、表シート部3に向けて第一折曲部U1を介して折返され、粘着剤層10を仮受部13に剥離自在となるように弱着状態で粘着している。
袋体1の提供を受けたユーザは、図9(B)に示すように、粘着剤層10を仮受部13から剥離することにより封口片8を開放した状態で物品収納室5に商品等を収納した後、図9(C)に示すように、第二折曲部U2を介して封口片8を折返すと、粘着剤層10が受片11に対面すると共に粘着される。
その他の構成及び使用方法は上述した第1実施形態と同様であるから、上述の説明を援用する。
(袋体のその他の実施形態)
本発明は、図示実施形態に限定されないことが勿論であり、種々の設計変更が可能である。例えば、袋体1のサイドシール部を構成する溶着7、7は、表裏シート2、3を挟んで受片11及び封口片9をサンドイッチ状に溶着するように太幅の溶着線7a(図2(A)参照)を形成しても良い。
本発明の袋体1は、商品包装袋として使用することに適しており、図10(A)は、ユーザに提供される状態における袋体1を示し、図10(B)は、ユーザが封口片8を開放し、商品を収納した後に封口片8により上部開口部を封口した状態における袋体1を示しているが、更に、商品包装袋の他、図10(C)に示すように、袋体1を例えば家庭の流し台で使用される生ゴミ収納用の水切り袋としても好適に使用することができる。この場合、封口片8は、開放したまま粘着剤層10をシンクの壁面等に粘着することにより吊下状に保持することが可能であり、特に、表裏シート2、3の一方又は両方をネット素材により形成しているので、水切りを良好とする。
本発明に係る袋体の第1実施形態であり、製袋後の袋体であってユーザに提供されるときの状態を示しており、(A)は正面図、(B)は中央縦断面図、(C)は底部の設計変更例を示す断面図、(D)は底部の別の設計変更例を示す断面図である。 本発明に係る袋体の第1実施形態であり、袋体の提供を受けたユーザが商品等を収納するために封口片を開放した状態を示しており、(A)は正面図、(B)は中央縦断面図である。 本発明に係る袋体の第1実施形態であり、ユーザが袋体に商品等を収納した後、封口片を折返すことにより封口した状態を示しており、(A)は正面図、(B)は中央縦断面図である。 本発明に係る袋体製造方法の第1例を示しており、(A)は一次構成体を示す斜視図、(B)及び(C)は何れも封口片素材の部分を含む断面拡大図である。 本発明に係る袋体製造方法の第1例を示しており、(A)は二次構成体を示す斜視図、(B)は溶着線を形成する前の状態を示す断面拡大図、(C)は溶着線を形成した後の状態を示す断面拡大図、(D)は粘着剤層が剥離容易であることを説明する断面拡大図である。 本発明に係る袋体製造方法の第2例を示しており、(A)は一次構成体を示す斜視図、(B)は一次構成体を溶着線の部分で示す断面拡大図、(C)は二次構成体を示す斜視図、(D)は二次構成体を分断線の部分で示す断面拡大図である。 本発明に係る袋体の第2実施形態を示しており、(A)は製袋後の袋体であってユーザに提供されるときの状態を示す断面図、(B)は袋体の提供を受けたユーザが商品等を収納するために封口片を開放した状態を示す断面図、(C)はユーザが袋体に商品等を収納した後、封口片を折返すことにより封口した状態を示す断面図である。 本発明に係る袋体の第3実施形態を示しており、(A)は製袋後の袋体であってユーザに提供されるときの状態を示す断面図、(B)は袋体の提供を受けたユーザが商品等を収納するために封口片を開放した状態を示す断面図、(C)はユーザが袋体に商品等を収納した後、封口片を折返すことにより封口した状態を示す断面図である。 本発明に係る袋体の第4実施形態を示しており、(A)は製袋後の袋体であってユーザに提供されるときの状態を示す断面図、(B)は袋体の提供を受けたユーザが商品等を収納するために封口片を開放した状態を示す断面図、(C)はユーザが袋体に商品等を収納した後、封口片を折返すことにより封口した状態を示す断面図である。 本発明に係る袋体の用途例を示しており、(A)及び(B)は袋体を商品包装袋として使用した例を示す斜視図、(C)は袋体を水切りゴミ袋として使用した例を示す斜視図である。
符号の説明
1 袋体
2 表シート部
3 裏シート部
4 上部開口部
5 物品収納室
7 溶着(サイドシール部)
8 封口片
9 封口片溶着線
10 粘着剤層
11 受片
12 受片溶着線
13 仮受部
14 剥離容易部
U1 第一折曲部
U2 第二折曲部
2S 表シート
3S 裏シート
7S 溶着線
8S 封口片素材
10S 粘着剤層
11S 受片素材
13S 仮受部
15 溶着阻止剤

Claims (3)

  1. 表裏シート部(2)(3)により上部開口部(4)と底部(6)を備えた物品収納室(5)を形成し、上部開口部(4)を越えて延びる封口片(8)を裏シート部(3)から延設すると共に表シート部(2)の開口縁近傍部の外側に重なるように折返自在に構成し、物品収納室(5)に物品を収納した状態で、表シート部(2)の開口縁近傍部の外側に添設した受片(11)に対して封口片(8)に設けた粘着剤層(10)を粘着することにより物品収納室(5)の上部開口部(4)を封口せしめる袋体において、
    前記表シート部(2)は、少なくとも開口縁部(2a)から底部(6)の上方に至る部分が網目を有するネット素材により形成され
    前記封口片(8)は、上部開口部(4)からそれぞれ距離を相違する部位に第一折曲自在部(U1)と第二折曲自在部(U2)を備えており、封口片(8)を第一折曲自在部(U1)を介して折返したときは粘着剤層(10)が受片(11)から下方又は上方に外れた位置に設けられた表シート部の仮受部(13)に対面し、封口片(8)を第二折曲自在部(U2)を介して折返したときは粘着剤層(10)が受片(11)に対面するように構成され、
    前記表シート部(2)の仮受部(13)は、封口片(8)の粘着剤層(10)を剥離自在に粘着せしめる剥離容易部(14)を形成しており、
    袋体(1)は、物品収納室(5)に物品を収納していない状態で、封口片(8)が第一折曲部(U1)を介して折返され、粘着剤層(10)を前記仮受部(13)の剥離容易部(14)に粘着されており、前記網目を有する開口縁部(2a)が前記封口片(8)により被われて成ることを特徴とする袋。
  2. 帯状の表裏シート(2S)(3S)を相互に重ね合わせ、裏シートに対して表シートの一側縁を連結し他側の開口縁を開放せしめており、表シートの開口縁から突出する合成樹脂フィルム製の封口片素材(8S)を裏シートに連設すると共に、該封口片素材の突出端近傍部に粘着剤層(10S)を設け、更に、合成樹脂フィルム製の受片素材(11S)を表シートの開口縁近傍部に固着すると共に、該受片素材の一側部又は他側部にネット材から成る仮受部(13S)を形成することにより帯状の一次構成体(K1)を構成し、該一次構成体を帯長手方向に移送する工程と、
    前記一次構成体(K1)における封口片素材(8S)を表シート(2S)の開口縁近傍部に向けて折返すことにより該開口縁を被い、折返された封口片素材(8S)の粘着剤層(10S)を表シート(2S)の仮受部(13S)に粘着することにより帯状の二次構成体(K2)を形成する工程と、
    前記二次構成体(K2)を帯幅方向の分断線Cに沿って溶着し、封口片素材(8S)の折返部(8b)の相互並びに封口片素材(8S)の折返端部(8c)と表シート(2S)及び受片素材(11S)の相互を溶着せずに表裏シート(2S)(3S)の相互を溶着すると共に、該分断線Cに沿って二次構成体(K2)を分断することにより袋体(1)を得る工程とから成ることを特徴とする袋の製造方法。
  3. 帯状の表裏シート(2S)(3S)を相互に重ね合わせ、裏シートに対して表シートの一側縁を連結し他側の開口縁を開放せしめており、表シートの開口縁から突出する合成樹脂フィルム製の封口片素材(8S)を裏シートに連設すると共に、該封口片素材の突出端近傍部に粘着剤層(10S)を設け、更に、合成樹脂フィルム製の受片素材(11S)を表シートの開口縁近傍部に固着すると共に、該受片素材の一側部又は他側部にネット材から成る仮受部(13S)を形成することにより帯状の一次構成体(K1)を構成し、該一次構成体を帯長手方向に移送する工程と、
    前記一次構成体(K1)の帯幅方向の分断線Cに沿って表裏シート(2S)(3S)を相互に溶着する工程と、
    前記溶着の後、前記一次構成体(K1)における封口片素材(8S)を表シート(2S)の開口縁近傍部に向けて折返すことにより該開口縁を被い、折返された封口片素材(8S)の粘着剤層(10S)を表シート(2S)の仮受部(13S)に粘着することにより帯状の二次構成体(K2)を形成する工程と、
    前記二次構成体(K2)を前記分断線Cに沿って分断することにより袋体(1)を得る工程とから成ることを特徴とする袋の製造方法。
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