JP4362643B2 - デザイン可変障子 - Google Patents
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Description
障子は半透明の和紙が貼られることが多く、直射日光を適度に遮る一方で、部屋に差し込んだ光を拡散して部屋全体を均等に明るくしたり、障子紙の高い反射率により、夜間等における部屋内の照明効果を高めるといった機能を有している。
また、日射を遮蔽し吸収するため、冷房時には日射による熱流入を抑え、暖房時には夜間の放射冷却を防ぐことになり、省エネルギーにも貢献するものである。サッシ内側の内障子として用いれば、窓の近くにおけるコールド・ドラフトを抑えることもできる。
さらに、吸湿性があるため、室内の温度変化をおさえる効果もあり、障子は湿度の高い日本の気候に適合した建具であるといえる。
この組み上げには、かなりの精度が要求されるため、障子の製造には高度で専門的な木工技術が必要とされるものであるが、縦桟と横桟の配置に変化をもたせることにより、図6に示すようなデザインの障子が、従来提供されてきた。
すなわち、障子のデザインを変更したい場合には、障子そのものを新しく取り替える必要があり、リフォーム等においてコストがアップするという問題があった。
また、特許文献1によっても、居住者が横桟や縦桟の配置を自由に変えて障子のデザインを変更することはできず、上記問題を解決することはできない。
したがって、障子のデザインを変更するにあたっても、障子そのものを新しく取り替える必要がなく、リフォーム等において費用をおさえることが可能となる。
上記骨組みに和紙等の障子紙を貼り付けて、障子を形成するものとするが、貼り変えが可能で、光を適度に透過させる等の障子紙としての特徴を発揮し得るものであれば、他の材料を用いてもよい。
本発明においては、上記固定手段によって固定された横桟、縦桟を、障子のデザイン変更を行う際には、居住者自身が容易に、縦枠、横枠から外して別の位置に付け変える、或いはスライドさせて位置を変えることができるように構成するものである。
嵌合溝等の上記固定手段の位置は、設計者があらかじめ数パターンの障子デザインを用意しておき、それを網羅するような位置に設ける。用意されるデザインパターンは、図6のような従来のデザイン例に限るものではなく、設計者が自由にデザインできる。
また、障子のデザインを変更する場合には、新たに縦桟、横桟を追加することとしてもよく、逆に縦桟、横桟のうち不要なものは取り外してしまってもよい。
縦桟、横桟は、本発明に係る障子を最初に提供する際に、居住者にあらかじめ余分に渡しておくこととしてもよいし、それのみを部品として販売することとしてもよい。
障子の大きさや材質は、特に限定するものではないが、障子を規格化して各部材を共通化すれば、コストダウンが可能となる。また、木材の他リサイクル可能な材質のものを使用すると一層好ましい。
また図中、(1)(1’)は縦枠、(2)(2’)は横枠、(3)は横桟、(4)は縦桟、(5)は嵌合溝、(7)は障子紙である。
縦枠(1)の内側側面(図1、A)には、図2(a)に示すごとく、横桟端部と同一断面形状の嵌合溝(5)が設けられ、下方の横枠(2)上面(図1、B)にも、図3に示すごとく、縦桟端部と同一断面形状の嵌合溝(5)が設けられている。上方の横枠(2’)下面にも同様に、嵌合溝(5)が設けられている。各嵌合溝(5)は、図1の(※)で示す位置に、それぞれ設けられている。
図1においては、障子1枚に対して、横桟7本、縦桟3本が、それぞれ互いに直角となるように上記嵌合溝(5)に嵌め込まれて、骨組みを構成している。
すなわち、横桟(3)の部材寸法は、左右の縦枠(1)(1’)間の内法寸法よりも大きく、左右の縦枠(1)(1’)間の内法寸法に縦枠嵌合溝(5)深さ寸法を加えた寸法よりも小さくなるように形成されており、横桟(3)を、左右いずれかの縦枠の嵌合溝(5)内に押し込むことで、横桟(3)の嵌め外しが自在に行えるようになっている。
また、縦桟(4)の部材寸法は、上下の横枠(2)(2’)間の内法寸法に下方横枠(2)の嵌合溝(5)深さ寸法を加えた寸法よりも大きく、上下の横枠(2)(2’)間の内法寸法に上方横枠(2’)の嵌合溝(5)深さ寸法を加えた寸法よりも小さく形成されており(上方横枠嵌合溝深さ寸法>下方横枠嵌合溝深さ寸法)、縦桟(4)を、上方横枠(2’)の嵌合溝(5)内に押し込むことで、縦桟(4)の嵌め外しが自在に行えるようになっている。
横桟(3)については、図1のイの位置に横桟(3)を嵌め変え、さらに障子1枚に付き横桟(3)を1本追加して計8本とすることによって、図5に示すように横桟(3)の配置変更を行う。
また、縦桟(4)については、中央の縦桟以外を図1のロの位置に嵌め変え、さらに障子1枚に付き縦桟(4)を2本追加して計5本とすることによって、図5に示すように縦桟(4)の配置変更を行う。
このようにして、骨組みの構成を変更した上で、障子紙(7)を貼り付ければ、図5に示すごとく、新たなデザインの障子が完成する。
しかも、配置変更は、横桟(3)や縦桟(4)を、嵌合溝(5)が配設された好みの位置に嵌め変えるという簡単な作業であるため、居住者は気軽に障子のデザイン変更を行うことができる。
また図中、(1)は縦枠、(2)は横枠、(3)は横桟、(4)は縦桟、(5)は嵌合溝、(6)は連通溝、(10)はクリップ、(11)は縦桟締着材、(12)は横桟受け材である。
本実施例においては、縦枠(1)の内側側面(図1、A)に、図2(b)に示すごとく、嵌合溝(5)及び、嵌合溝(5)と同一の深さで嵌合溝(5)を連通させる連通溝(6)が設けられている。連通溝(6)は、縦枠(1)(1’)に設けられる最上部の嵌合溝から最下部の嵌合溝にかけて、連続して設けられている。
上下の横枠(2)(2’)には、実施例1と同様、図3に示すような嵌合溝(5)が設けられている。縦枠(1)(1’)、横枠(2)(2’)の各嵌合溝(5)は、図1の(※)矢印に示す位置にそれぞれ配置されている。
すなわち、左右の縦枠(1)(1’)には、図2に示すように、連通溝(6)が設けられているため、横桟(3)部材の両端を連通溝(6)内において上下にスライドさせて所望の位置の嵌合溝(5)に嵌め込むことで、横桟(3)を縦枠(1)(1’)から一旦取り外すことなく、横桟(3)の配置を変更することができる。そして、障子1枚に付き1本の横枠(3)を追加することで、図5に示すように、横桟(3)の配置変更を行った障子骨組みを構成することができる。
なお、本実施例では、縦枠(1)(1’)に連通溝(6)を設けているが、横枠(2)(2’)に連通溝(6)を設けてもよく、縦枠(1)(1’)、横枠(2)(2’)ともに連通溝(6)を設けることとしてもよい。
クリップ(10)は、縦桟(4)の左右両側から縦桟締着部材(11)で縦桟(4)を挟み込むもので、縦桟(4)の任意の位置に取り付けでき、取り外しも自在となっている。また、クリップ(10)には、横桟受け部材(12)が設けられており、横桟(3)を載置すると同時に上下から挟み込むことができるようになっている。
このようなクリップ(10)を、図5に示すごとく構成された骨組みの横桟(3)と縦桟(4)との各交差部に取り付けし、その後障子紙(7)を貼り付けすることで、デザイン変更された障子が完成する。
なお、クリップ(10)は、横桟(3)のたわみが最大となる障子中央の縦桟にのみ取り付ける等、縦桟(4)の一部のみに取り付けることとしてもよい。
さらに、クリップ(10)は、縦桟(4)の左右両側から縦桟(4)を挟み込むことによって、縦桟(4)の任意の位置に取り付けることができ、取り外しも自在となっているため、横桟(3)や縦桟(4)の配置変更による障子のデザイン変更に応じて、その都度、最適な場所に取り付けることが可能となる。
また、横桟(3)を上下から挟み込んで固定しているため、縦桟(4)にしっかりと締着させることができ、横桟(3)のぐらつきを防止することも可能となる。
2 横枠
3 横桟
4 縦桟
5 嵌合溝
6 連通溝
10 クリップ
11 縦桟締着材
12 横桟受け材
Claims (3)
- 左右一対の縦枠と上下一対の横枠により構成される枠内に縦桟及び横桟を互いに直交し、かつ前後に重ねて設けた障子であって、
縦枠及び横枠には、それぞれ横桟及び縦桟の端部と同一の断面形状を有する嵌合溝が配設され、
横桟及び縦桟は、それぞれ縦枠及び横枠に配設された前記嵌合溝から選択した任意の位置に、嵌め外し自在に取り付けられ、
横桟及び/又は縦桟の端部を障子から取り外すことなく上下左右にスライド可能とすべく、縦枠及び/又は横枠に配設された前記嵌合溝を連通させる一直線状の連通溝が設けられ、該嵌合溝が、該連通溝の片側に沿って、該連通溝からそれぞれ突出するようにして配設されていることを特徴とする障子。 - 横桟と縦桟の交差部に、横桟のたわみ防止手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の障子。
- 前記たわみ防止手段が、縦桟の任意の高さに締着可能であって、横桟を載置可能な受け材を有するクリップであることを特徴とする請求項2に記載の障子。
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