JP4362583B2 - ウニの這い上がりを防止する方法及びその方法に用いる器具 - Google Patents

ウニの這い上がりを防止する方法及びその方法に用いる器具 Download PDF

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Description

本発明は、ウニの這い上がりを防止する方法及びその方法に用いる器具に関する。詳しくは、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部や外壁に対して、ウニが這い上がることを防止する容易にして確実な方法及びその方法のために用いる簡単な器具に関する。
ウニ(海胆:sea urchin)は、球形ないし半球形をしたイガグリのような海生動物の総称であり、ナマコやヒトデ等と同様に棘皮動物に分類されている。ウニの硬い殻の表面には多数の棘と共に先端に吸盤を有する多数の管足が突き出ていて、ウニはこの多数の管足と棘を駆使して移動することが知られている。また、ウニは、海藻類を好んで食し、「アリストテレスの提灯」と俗称される口部の咀嚼器官で海藻その他の食物を噛み砕く。
ウニが高密度に生息し、その摂食によって葉状の海藻が生育せずに、磯焼け状態になっている岩礁域は全国各地の沿岸に広く分布している。このような磯焼け地帯では、ウニの侵入を防止し、食害を受けない場を作ることができれば、海藻が着生して海藻を食べるウニやアワビの生産が増加するだけでなく、藻場の形成により多種多様な魚介類の産卵場、幼稚魚の保護育成場、隠れ場、餌料場等として沿岸の漁業資源や多様な生物の保護育成に役立てることができる。このため、従来から、ウニの侵入を防止する技術の開発が試みられてきた。しかし、ウニは、数百本以上もある管足を用いて、細い棒にも容易に這い上がることができるほどの高い移動能力を有するので、その侵入防止は非常に困難である。
これまでに開発されたウニの侵入防止技術には、以下の方法がある。
(1)コンクリートブロック等を積み上げて水深を浅くし、波動を強くする方法
(2)プラスチック製人工海藻を、囲むように海底に設置したり、コンクリートブロック に巻き付けたりする方法
(3)網地を棒状に丸めてチェーンで海底に止める方法(特開平10−4808号)
(4)ウニの侵入し難い砂地に埋没しない高さのコンクリートブロック等の基質を設置す る方法
(5)中層に係留した延縄式ロープに海藻を育成する方法
(6)空気を封入した逆U字溝ブロックを海底に張り巡らす方法(特開昭62−1668 2号)
上記(1)は、波動流がある程度の強さになると、ウニの摂餌活動が制限されることを利用する方法であるが、凪のときにもウニの摂餌活動を制限するためには水深をかなり浅くしなければならず、建設コストが非常にかかるという欠点がある。
上記(2)は、波によって動く海藻等の物体に叩かれることを嫌うウニの性質を利用する方法であり、上記(1)よりも弱い波でも機能するが、人工海藻がウニの被食や波浪による擦れ等によって劣化することに加えて、藻体を揺らすほどの波がなければ効果が生じ難い。
また、上記(3)は、波によって棒状の網が揺動することによってウニの侵入が防止されるが、上記(2)と同様の問題があるほか、海底との間にできる隙間からウニが侵入してしまったり、強い波で施設が破損してしまうことがある。
上記(4)は、岩盤の上に薄く砂が堆積する領域でなければコンクリートブロック等の基質が埋没してしまうため、適地が限定されるほか、漂砂の影響で透明度が悪くて漁場には適さないことが多く、また、周辺域からウニの幼生が加入してやがて食害されて磯焼け状態になることも少なくない。
上記(5)は、波によって揺れるロープまではなかなかウニが這い上がって来ないことから有効な方法であるが、大型海藻にはロープ上では大きく成長しない種のものが多く、また、激浪によって施設が破損、流失したり、長期にわたって利用できないという問題がある。
さらに、上記(6)は、ウニが空気層へ這い上がって来ない性質を利用した方法であるが、空気が海水に溶けて減少してしまったり、空気層が波によって動揺して流出してしまうために送気手段が必要となり、また、施設が大がかりになってコストがかかり過ぎるという問題がある。
特開昭62−166826号公報 特開平10−4808号公報 特開平10−108585号公報 特開2000−175591号公報 水産工学(Fisheries Engineering) Vol.36,No.1の71〜72頁の報文「ウニの逃避防止用エアポケットフェンスの効果について」(1999年) 平成12年度日本水産学会学術講演会講演要旨集「波によって"動く"海藻着生基質の効果に関する予備実験」(川俣茂) 平成14年度日本水産学会学術講演会講演要旨集「基質の性状によるキタムラサキウニの侵入防止効果(川俣茂・古旛淳一)
上記の状況に鑑み、本発明者は、波が全くない状態であっても長期間にわたって機能すると共に安価なウニの侵入防止方法と侵入防止装置の開発を志向し、特にウニの這い上がりを防止する方法や装置について研究を続けた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、海藻着生基質等のウニの侵入を防止すべき施設の脚部や海藻保護育成場等のウニの侵入を防止すべき施設の外壁に対して、ウニが這い上がることを防止する容易にして確実な方法及びその方法に用いる簡単な器具を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための本発明のうち、特許請求の範囲の請求項1に記載する発明は、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、その周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて、細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる輪状の器具を配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止する方法である。
本発明のうち、同請求項2に記載する発明は、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、その周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて、細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる複数個の帯状の器具を、ウニがくぐり抜けることができない程度の間隔を空けて輪状に配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止する方法である。
また、同請求項3に記載する発明は、請求項1又は2に記載のウニの這い上がりを防止する方法において、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材から放射状に伸ばした複数のアームによって当該輪状又は帯状の器具を支持・固定して用いる方法である。
さらに、同請求項4に記載する発明は、請求項1から3のいずれかに記載のウニの這い上がりを防止する方法において、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材と輪状又は帯状の器具との間隔を「ウニの殻径寸法の2分の1以上」に維持する方法である。
また、同請求項5に記載する発明は、細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる輪状の器具であって、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材の周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて当該器具を配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止するために用いる器具である。
また、同請求項6に記載する発明は、細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる帯状の器具であって、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて複数個の当該器具を輪状に配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止するために用いる器具である。
ウニの侵入を防止すべき施設の脚部又は外壁を這い上がってきたウニは、回転自在の珠を数珠のように連結してなる輪状又は帯状の器具にたどりついて、珠にぶら下がることはできるが、その外端からは管足が当該脚部又は外壁へ届かず、しかも、珠が回転自在になっているので、珠に管足をかけると回転してしまい、ウニは珠を乗り越えることができない。したがって、ウニは、当該施設の脚部又は外壁をこれ以上這い上がることができず、当該施設へのウニの侵入が防止される。
本発明によってウニの侵入が防止される結果、全国各地の沿岸に見られる磯焼け状態を解消することができる。また、ウニの食害を受けない藻場を形成することができるので、海藻を常食とするウニやアワビの生産を増加することができる。さらに、海藻繁殖の場が形成されることによって、沿岸の漁業資源や多様な海生生物の保護育成に貢献できる。
本発明に係るウニの這い上がりを防止するために用いる器具は、細くて硬い丸棒を軸にしてこれに複数個の小さな珠を数珠のように回転自在に連結して作った輪状又は帯状の器具であって、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、その周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて、当該脚部又は外壁からそれぞれ放射状に伸ばした複数のアームで支持・固定して取り付けることが好ましい。
本発明の器具をウニの侵入を防止すべき施設の脚部又は外壁に対してアームを用いて取り付ける場合、アームとして複数本の細い棒材又は板材(好ましくは、太さ4〜10mm程度のもの)を当該脚部又は外壁から放射状に伸ばしてその先端に本発明の器具を固定するとよい。この場合、当該脚部又は外壁と本発明の器具とは、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空ける必要がある。この場合、仮に、当該脚部又は外壁と本発明の器具との間隔(すなわち、横方向の間隔)をウニがくぐり抜けることができる程度に広くしても、その間隔を放射状に伸ばした複数本のアームによって縦方向に細かく仕切って区画を形成し、どの区画についてもウニがくぐり抜けることができない大きさにすれば、結果としてウニがくぐり抜けることができない間隔を空けたことになる。また、このようにすると、同時に本発明の器具の外端にウニがたどりついて管足を伸ばしてもウニの侵入を防止すべき施設の脚部又は外壁に届かない程度の間隔を空けることが容易となる。本発明において「ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて」という意味には、複数のアームによって上記の状態に区画することを含む。なお、上記のほか、ウニがくぐり抜けることができないようにする方法として、当該脚部又は外壁と本発明の器具との間隔に複数本のアームを骨として傘のようにキャンバス等の布地を被せて、隙間をなくしてもよいことは勿論である。
本発明に係るウニの這い上がり防止器具は、数珠のように連結した回転自在の珠にぶら下がったウニが管足を伸ばしてもウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材の縁部にウニの管足が届かないように当該器具を十分な間隔を空けて取り付けると共に、ウニが管足を伸ばしても届き難いようにアームを水平方向又は下向き方向に取り付けることが望ましい。
本発明に係るウニの這い上がり防止器具において、珠の軸となる丸棒は、できるだけ細いものであって、しかも、複数の珠の連結重量と回転に耐えることができ、かつ、波又はウニの力で変形しない程度の硬い材質であることが必要である。そのため、直径1〜4mm程度のステンレス鋼線やアルミ製の針金等を用いることが好ましい。
本発明に係るウニの這い上がり防止器具に用いる珠は、回転軸としての丸棒を通すための孔があけられた回転体で、その外形は円筒形でも球形でも鼓形でもビーズ状でもよい。これらの珠は、丸棒を軸として回転自在となるように、すなわち、ウニがぶら下がったときに働く微小な力によっても丸棒を軸としてすばやく回転するように取り付ける。珠の軸受の隙間と両隣の珠の隙間はできるだけ小さくする方がよい。
また、上記の珠の材質は、特に限定はないが、微小な力がかかっても軸の回りをすばやく回転すること、波による軸との磨耗が少ないこと等を考慮して選定する。硬質塩化ビニール樹脂か又はガラス材で作った珠を用いるのが好ましい。また、珠の大きさは、大きいほど弱い力でも回転が起こりやすくなるが、あまり大きくすると、波力によって壊れやすくなると共に隣り合う珠どうしの摩擦抵抗が大きくなることを考慮して適当な大きさに留める。通常は直径6〜20mm程度、長さは2〜10mm程度とするのが適当である。
海藻着生基質や海藻保護育成場等のウニの侵入を防止すべき施設の脚部又は外壁には、例えば、円盤状ないし鍔状に形成してウニの侵入をくい止めるための防護材を取り付けてあることが多い。上記のとおり、ウニはその移動能力がきわめて大きいので、このような防護材を設けた程度ではウニの侵入を防止できないが、防護材を設けてある施設の脚部又は外壁では、その防護材を利用すると複数本のアームが取り付け容易となる等、本発明に係る器具の取り付けに役立てることができる。
以下、試験例をもって本発明をさらに説明する。
試験例1
(1)試験方法
海水約60Lを入れた60×40×40cmの水槽内に、図1の(イ)に示す試験装置と同(ハ)に示す対照装置を設置して、殻径寸法36〜56mmのキタムラサキウニ10個を収容し、水温19〜20℃の条件下で以下の比較試験をおこなった。また、供試したウニの移動能力を確認するために、図1の(ロ)に示すように、3φ×200mmのステンレス製の1本の丸棒7を水槽内に設置した。試験装置、対照装置、丸棒7には、ウニを誘導させるために褐藻アラメの葉片Yをそれぞれ瞬間接着剤で貼り付けた。
図1について詳しく説明すると、1は、22φ×300mmの塩ビ製の管からなる円柱である。円柱1には、その底部から100mmの位置に防護材として塩ビ製の円盤2(厚さ2mm×50φ)を嵌めてある。また、試験装置には、円柱1の底部から32mmの位置に、複数個のプラスチック製ビーズ4・4・・・(直径6.1×長さ8.5mm:孔径3.3φ)を2φのアルミ製の針金5を軸として数珠のように連結してなる86φの輪状の器具3を、円柱1の底部から82mmの位置に円盤2から放射状に伸ばした3本のアーム6・6・6(2φのアルミ製の針金)によって取り付けてある。一方、対照装置には、試験装置と同じ位置に同じ寸法の2φのアルミ製の針金の輪5を同じ方法で取り付けてある。
(2)試験結果
丸棒7には、約30分後にウニが登り始め、上部の先端まで回転しながら這い上がり、這い上がった後約2時間で貼り付けてある褐藻アラメの葉片Yを食べ尽くした。
試験装置の円柱1と対照装置の円柱1には、それぞれ約15分後にウニが登り始め、円盤2より下の部分の褐藻アラメの葉片Yを摂食した。円柱1に登ったウニは、それぞれ円盤2と輪状の器具3(対照装置ではアルミ製の針金の輪5)と3本のアーム6・6・6の隙間から体の一部を出して、通り抜けられる場所を探すように円盤2の裏面を周回した。 試験装置の円盤2を乗り越えたウニは、5日間の試験期間中、全くみられなかった。
対照装置でも、円柱1に取り付いたウニは、最初、試験装置の場合と同様に円柱1と輪状の器具3とアーム6・6・6との隙間を通り抜けようとして動き回ったが、約15分後には管足を伸ばしてアルミ製の針金5の輪を乗り越えた。この結果、対照装置の円柱1の上部に貼り付けた褐藻アラメの葉片Yは約9時間半で全て食べ尽くされた。
(3)所見
上記の試験結果から、本発明に係る「細くて硬い丸棒を軸にして複数の珠を数珠のように回転自在に連結してなる輪状の器具」は、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部又は外壁に取り付けると、ウニの這い上がり防止にきわめて有用であることが確認された。また、本発明に係る「ウニの這い上がりを防止する方法」は、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部又は外壁に用いると、ウニの侵入防止にきわめて有用であることが確認された。
次いで、本発明によるウニの這い上がり防止機構について、図2〜図3に基づいて説明する。図2〜図3は、いずれも試験例1と同じ装置であって、本発明に係るウニの這い上がり防止方法の説明図である。すなわち、図2〜図3において、1はウニの侵入を防止すべき施設の脚部としての円柱、2は防護材としての円盤、3はビーズ4とアルミ製の針金5で構成された輪状の器具、6は円盤2と輪状の器具3を支持する支柱、Gは水底をそれぞれ示す。なお、各図中の輪状の器具3は、説明の都合上、ビーズ4の一部を省略して描いてある。また、各図中のアーム6は、複数本用いているが、説明の都合上、1本だけを描いてある。
図2のU1は中型のウニ、図3のU2は小型のウニ、図4のU3は大型のウニをそれぞれ示す。また、図3において、aはウニの殻に生えている管足、bはその棘を示す。
図2において、中型のウニU1は、円盤2と輪状の器具3とアーム6の隙間から体の一部を上方に出して、通り抜けられる場所を探すように円盤2の下面を周回する。このときウニU1は、器具3に取り付けてあるビーズ状の珠4に管足aを付着させるが、珠4に体重を預けようとすると珠4が回転するためにぶら下がることができず、器具3を這い上がることができない。
図3において、小型のウニU2は、ビーズ4の下面に管足aを付着させて反対向きになってぶら下がっているが、ビーズ4が回転してしまい、起き上がることができない。したがって、ウニU2は輪状の器具3を這い上がることができない。
大型であって、円柱1と輪状の器具3の間隔に対して十分に大きいウニU3の場合(すなわち、円柱1と輪状の器具3との間隔がウニの大きさに比べて小さ過ぎる場合)、ウニは、管足aを円柱1、円盤2、アーム6のどれかに付着させて体を支えながら器具3の外端から体の一部を出し、その状態で上部の管足aを伸ばしてアーム6、円盤2又は円柱1の上部のどれかに付着させて、器具3を乗り越えることがある。
そこで、図4のように、大型のウニU3であっても、器具3の外端から這い上がることができないように、円柱1と輪状の器具3の間隔をウニの管足が届かない程度の間隔を空ける必要がある。好ましくは、ウニの殻径寸法の2分の1以上の間隔を空けるとよい。例えば、一般に収穫の多いキタムラサキウニの場合、最大の殻径は9cmほどであるから、通常は、円柱1と本発明の器具3との間隔は5cm程度に設定すればよいことになる。
上記は、本発明に係る輪状の器具をウニの侵入を防止すべき施設の脚部に取り付ける方法について説明したが、輪状の器具をウニの侵入を防止すべき施設の外壁に取り付ける場合も上記と同様にすればよい。また、帯状の器具についても、上記と同様にして用いればよいが、詳しくは、以下の実施例でさらに説明する。
<帯状の器具の取り付け例>
図5は、本発明に係る帯状の器具の取り付け状態の一例を示す平面図であり、図6は、その斜視図である。図5・図6は、2個の帯状の器具31・32を間隔sを空けて輪状に取り付けた状態を示す。
図5・図6において、1は、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部としての円柱(22φ:塩化ビニール製)であり、31と32は、それぞれステンレス鋼製の針金5(φ2)を軸として複数個の硬質塩化ビニール製の珠4・4・・(直径4mm×長さ5mmの円筒状)を回転自在に連結してなる帯状の器具である。61と62は、それぞれ、帯状の器具31と32を支持・固定する長さ55mmのステンレス鋼製のアーム(φ2)で図示のように屈曲した形状にしてある。アーム61・62は、各5本ずつまとめて、円筒を半分割した形状の板材81と82に図示のように扇状に広げて取り付ける。また、各アーム61・62の先端には帯状の器具31・32を取り付けてあり、板材81と82は円柱1にやや下向きに固定してある。
図5・図6に示すように、帯状の器具31と32は、間隔sを空けて輪状を形成するように取り付けるが、この間隔sは、ウニがくぐり抜けることができない程度の隙間にする必要がある。本実施例ではs=20mm以内が好ましい。勿論、間隔sを空けないで帯状の器具31と32を連ねて完全な輪状を形成して使用しても何ら差し支えない。
以上、詳細に説明するとおり、本発明は、簡単な方法と器具を用いることによって、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部又は外壁に対してウニが這い上がることを確実に防止できる。したがって、本発明に係る方法と器具を用いることによって、全国各地の沿岸に見られる磯焼け状態を解消することができる。また、ウニの食害を受けない藻場を形成することができるので海藻を餌とするウニやアワビの生産を増加することができる。さらに、海藻繁殖の場が形成されることによって沿岸の漁業資源や多様な海生生物の保護育成に貢献できる。このように本発明は、産業上の利用可能性がきわめて大きい技術である。
試験例1で用いる試験装置と対照装置の説明図 中型のウニの侵入を防止する機構の説明図 小型のウニの侵入を防止する機構の説明図 大型のウニの侵入を防止するために必要となる脚部と輪状の器具との間隔の説明図 帯状の器具の取り付け状態説明用の平面図 帯状の器具の取り付け状態説明用の斜視図
符号の説明
1 ウニの侵入を防止すべき施設の脚部としての円柱
2 円柱1に取り付ける保護材としての円盤
3 本発明に係る輪状の器具
31 本発明に係る帯状の器具
32 本発明に係る帯状の器具
4 器具3を構成する珠
5 細い丸棒
6.器具3を取り付けるためのアーム
61.器具31を取り付けるためのアーム
62.器具32を取り付けるためのアーム
7.試験例で用いる丸棒
81 アーム61を支持する板材
82 アーム62を支持する板材
Y.褐藻アラメの葉片
U1.中型のウニ
U2.小型のウニ
U3.大型のウニ
a.ウニの管足
b.ウニの棘
G.水底面

Claims (6)

  1. ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、その周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて、細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる輪状の器具を配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止する方法。
  2. ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、その周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて、細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる複数個の帯状の器具を、ウニがくぐり抜けることができない程度の間隔を空けて輪状に配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止する方法。
  3. 請求項1又は2の記載のウニの這い上がりを防止する方法において、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材から放射状に伸ばした複数本のアームによって当該輪状又は帯状の器具を支持・固定して用いる方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のウニの這い上がりを防止する方法において、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材と輪状又は帯状の器具との間隔を「ウニの殻径寸法の2分の1以上」に維持する方法。
  5. 細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる輪状の器具であって、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材の周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて当該器具を配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止するために用いる器具。
  6. 細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる帯状の器具であって、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて複数個の当該器具を輪状に配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止するために用いる器具。
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