JP4362315B2 - 分析方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分析試料から射出される光の強さを利用して成分分析を行う分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、水溶液中の微量成分、特に多環式芳香族化合物や金属イオンを分析する方法として、吸光分析法、蛍光分析法あるいは発光分析法などの化学分析が採用されている。このような化学分析の分析対象物質を水溶液中から抽出する方法の一つとして、均一液液抽出法が知られている。これは、均一溶液の状態から、ある種の相分離現象を利用して目的溶質(抽質)を抽出分離する方法である。この方法の特徴は、水に不溶な有機相を用いてあらかじめ機械的な振り混ぜを行う通常の溶媒抽出法と比べ、水相の溶質と有機相との接触頻度が高く、しかも溶質が2相間界面を通過する際の障害がないので抽出速度が著しく大きくなるという点にある。この均一液液抽出法を用いれば、多環式芳香族化合物や金属イオン錯体(金属イオンを配位子と反応させて錯体としたもの)などを濃縮することが可能となり高感度な分析ができる。
【0003】
均一液液抽出法を用いた例としては、例えば、水−酢酸−クロロホルムの3成分からなる均一溶液系における金属イオン錯体の抽出操作が挙げられる。この場合、上記均一溶液に水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより微小体積のクロロホルム相を分離させる。この際、クロロホルム相には金属イオン錯体が抽出され、金属イオン錯体がクロロホルム相に濃縮されることになる(非特許文献1)。また、均一液液抽出法を用いた他の例として、過フッ化オクタンカルボン酸(HPFOA)−有機溶媒−水の3成分からなる均一溶液系における多環式芳香族化合物または金属イオン錯体の抽出操作が挙げられる。この場合には、HPFOAの酸解離を利用する。すなわち、HPFOA相は、溶解している状態ではH+ とPFOA- とに解離して存在しており、酸(H+ )を添加することにより以下の化1における平衡状態が右に偏り、HPFOAという化学種になる。HPFOAは疎水性が強く会合・凝集する。さらに、HPFOAは水よりも密度が大きいので、会合・凝集したHPFOAは沈降することとなる。この際、沈降するHPFOAに多環式芳香族化合物や金属イオン錯体などが抽出され、HPFOA相に多環式芳香族化合物や金属イオン錯体などが濃縮されることになる。なお、実際には、初めに存在した有機溶媒および水も、このHPFOA相に共存する。このときの濃縮倍率は、初めの均一溶液系の溶液体積とHFPOA相の体積との比、すなわち、以下の式(1)で表すことができる。
(濃縮倍率)=(初めの溶液体積)/HPFOA相の体積 ……(1)
このような式(2)で表される濃縮倍率は、例えば2×105 倍にもなることが報告されている(非特許文献2ないし7参照。)。この濃縮倍率は、上記したHPFOA相を用いない方法(クロロホルム相に濃縮する方法)に比べ、遙かに高い倍率である。
【0004】
【化1】
【0005】
一方、生体関連物質などの分析を行う場合には、マイクロプレートという多数のウェル(窪み)を有する、例えばポリスチレン製の容器に液体試料と試薬とを投入して反応させ、これをマイクロプレートリーダーという装置で分光(吸光、蛍光または化学発光)分析する方法が一般的に用いられる。この装置によれば、多検体を同時に、かつ短時間で分析することができる。例えば、96個のウェルを有するマイクロプレートを使用した場合には、最大96試料の分析を数秒間で行うことが可能である。ウェルは一つ一つ独立しており、反応容器と比色セルとを兼ね備えている。ウェルの容量は、例えば0.3mlである。マイクロプレートを用いた分析方法の特徴としては、多検体の同時測定が可能であるほか貴重な試料や高価な試薬の使用量を少量化できる点が挙げられる。ウェル底面の形状としては、平坦である平底型(例えば特許文献1ないし3参照)、V字形状に窪んでいるV字型(例えば特許文献4参照)、または曲線状に窪んでいる丸底型などがある。また、マイクロプレートの測定をおこなうマイクロプレートリーダーは、一般的な機器分析装置、例えば、原子吸光分析装置やICP発光分析装置などに比べ安価であることや、小型であるため省スペース化が可能であることなどの利点を有している。
【0006】
【非特許文献1】
五十嵐淑郎著,「ぶんせき」,1994年,第43巻,p.1183−1188
【非特許文献2】
五十嵐淑郎他,「Mikrochim.Acta」, 1992年,第106巻, p.37−44
【非特許文献3】
五十嵐淑郎他,「ケミストリー レターズ(CHEMISTRY LETTERS )」1994年
【非特許文献4】
五十嵐淑郎他,「ジェイ・コロイダル アンド インターフェイス サイエンス(J.CCLLOIDAL AND INTERFACE SCIENCE )」, 1995年,第173巻,p.251−253
【非特許文献5】
五十嵐淑郎他,「タランタ(Talanta )」,1996年,第43巻,p.233−237
【非特許文献6】
五十嵐淑郎他,「ぶんせき」,1997年,第9巻,p.709
【非特許文献7】
五十嵐淑郎他,「アメリカン ラボラトリ ニューズ(American Laboratory News」,第34巻,p.15,p.29−30
【特許文献1】
特開平9−68532号公報
【特許文献2】
特開平10−19895号公報
【特許文献3】
特表2000−513819号公報
【特許文献4】
特開平8−201387号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マイクロプレートを用いた分光分析では、液体試料に光が当たっている距離(光路長)に依存して検出感度が変化するので、容器内の試料の厚み高さによっては十分な検出感度が得られないなどの問題があった。この問題を解決する方法として、上記した均一液液抽出法を用いて液体試料の濃縮操作を施すことにより検出感度向上を図るという方法が考えられる。
【0008】
図11(A),(B)は、一般的なマイクロプレートを使用し、均一液液抽出法により液体試料中の微量成分の分析を行う方法を説明するものである。具体的には、図11(A),(B)はいずれも一般的なマイクロプレートの部分断面図であり、保持体111およびそれに形成された1つのウェル112を拡大して示したものである。ここでは、まず、図11(A)に示したように、深さH1,内径Φ1を有するウェル112を、相分離前の液体試料15によって高さL2まで満たした状態とする。こののち、フッ素系界面活性剤や酸などの添加物を添加して濃縮操作を施すことにより、図11(B)に示したように、ほとんど検出対象物を含まない抽剤相15Aと比較的高い濃度で検出対象物を含む抽質相15Bとに相分離した状態とする。次いで、光束径ΦPを有する測定光束70を鉛直方向から抽質相15Bに照射し、それに応じて抽質相15Bから射出される光を検出することにより分光分析を行う。しかし、このような方法は簡便ではあるものの、当初の液体試料15の体積が限られるので抽質相15Bの厚みL2Bが薄くなりがちである。このため、測定光束70が抽質相15Bを通過する際の光路長が不足し、十分な検出感度が得られない場合が多い。そこで、ウェル112の深さH1を大きく延伸することで高さL2を大きくし、相分離後の抽質相15Bの厚みL2Bを稼ぐ方法も考えられるが、分析装置の構成上、マイクロプレートの設置スペースは限られており、十分な検出感度を得られる程度まで深さH1を大きくすることは困難である。一方、内径Φ1を拡大することでウェル112の容量を増大しようとした場合には、内径Φ1が測定光束70の光束径ΦPよりも大きくなってしまい、不感領域Sが生じてしまう。このため、ごく一部の抽質相15Bのみを測定することとなり、効率的に光路長を稼ぐことが難しく、多くの抽質相15Bが検出感度に寄与せず無駄となる。さらに、極端に内径Φ1を大きくしてしまうと、多検体同時測定というマイクロプレート本来の特徴を失いかねない。このように、単にマイクロプレートのウェル112内において均一液液抽出法による濃縮操作を行っただけでは十分な検出感度が得られない。
【0009】
そこで、一旦、ウェル112と比べて十分に大きな容器に試料溶液115を入れ、所定の添加物を加え濃縮操作を行ったのち、抽質相15Bのみを取り出してウェル112に移し替えて分光分析を行う方法も考えられる。これによれば、ウェル112を十分に抽質相15Bで満たした状態で測定光束70を照射することができ、十分な光路長を稼ぐことができる。しかし、この方法では2段階の操作が必要であり煩雑となるうえ、大きな容器内に得られた抽質相15Bを完全にウェル112へ移し替えることは事実上困難であるので、測定精度に欠ける。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、微量成分であっても高い検出感度を容易に得ることのできる分析方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の分析方法は、
第1の領域と、使用時において鉛直方向に沿って第1の領域に隣接し、第1の領域の水平方向断面よりも小さな水平方向断面を有する第2の領域とを含む収容部分を備えた分析試料容器を用意する第1のステップと、収容部分に、検出対象成分を含むと共に相分離現象を呈する液体試料を収容する第2のステップと、少なくとも第2の領域の液体試料に対して、鉛直方向から測定光束を照射し、それに応じて第2の領域の液体試料から射出される光を検出する第3のステップとを含むようにしたものである。ここで、第2ステップは、第2の領域を第1の領域の鉛直方向上側に配置し、検出対象成分を浮上させることにより、第2の領域の液体試料の中に検出対象成分を抽出するステップを含む。
【0016】
本発明の分析方法では、上記のステップにより、第2の領域の水平方向断面が第1の領域の水平方向断面と同等である分析試料容器を用いる場合よりも、鉛直方向における液体試料の厚みが大きくなるので、より大きな光度が検出される。ここでは、液体試料が相対的に比重の小さな相に抽出される検出対象成分を含むものであり、かつ第2の領域が第1の領域の鉛直方向上側に位置するので、検出対象成分を照射する測定光束の光路長をより長くすることができ、より高感度な検出が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係る分析試料容器10の構成を表す部分断面斜視図である。分析試料容器10は、いわゆるマイクロプレートと呼ばれるものであり、分析試料を保持する保持体11を有している。保持体11には、検出対象成分を含有すると共に、例えば比重差により相分離現象を呈する液体試料15(後出)を収容する収容部分としての複数のウェル12が設けられており、複数の液体試料15を同時に分析できるように構成されている。ウェル12の内面は、第1内壁面N1、傾斜面N2、第2内壁面N3および底面N4によって構成されている。なお、後述する変形例と区別するため、以下、分析試料容器10A、保持体11Aおよびウェル12Aと記す。
【0019】
図2は、ウェル12Aの断面構成を拡大して示したものである。図2に示したように、ウェル12Aは、第1領域13Aと、これに隣接する第2領域14Aとを有し、これら第1領域13Aおよび第2領域14Aの配列方向に沿って深さH1を有している。第1領域14Aは、第1内壁面N1を含む内径Φ1の円柱部分と、傾斜面N2を含む領域部分とを有している。この領域部分は、第1および第2領域13A,14Aの配列方向に沿って第2領域14Aへ向かうに従い、配列方向と直交する断面が漸次縮小するようになっている。一方の第2領域14Aは、第2内壁面N3と底面N4とを含む領域であり、配列方向に沿った軸を回転中心とする、内径Φ2,深さH2の円柱形状の空間で占められている。第2領域14Aにおける第1および第2領域13A,14Aの配列方向と直交する断面は、第1領域13Aにおける配列方向と直交する断面よりも小さくなっている。すなわち、第2内壁面N3の内径Φ2は、第1内壁面N1の内径Φ1よりも小さくなっている。具体的には、内径Φ2は1mm以上4mm以下であることが望ましい。内径Φ1は内径Φ2よりも大きく、例えば、4mmより大きく、かつ、以上30mm以下であることが望ましい。また、第2領域14Aの深さH2は、例えば1mm以上10mm以下である。さらに、傾斜面N2が配列方向に直交する面に対してなす傾斜角度θは、例えば30°である。
【0020】
図3は、図1に示した分析試料容器10Aを用いた本発明の一実施の形態に係る分析装置の構成を表すものである。この分析装置は、分析試料容器10Aと、少なくとも第2領域14Aの液体試料15を鉛直方向から照射するレーザー光などの測定光束70を発する光源21を含む照射部20と、測定光束70に応じて第2領域14Aの液体試料15から射出される光を検出する検出部30とを備えたものである。検出部30は、分析試料容器10Aを挟んで光源21とは反対側に設けられている。さらに、この分析装置は、検出部30で検出した結果を処理し、かつ表示する処理部40と、操作を制御する制御部50とを備えている。また、照射部20、分析試料容器10および検出部30は、外来光が入らないように遮光板により囲まれた測光室60の内部に設けられている。
【0021】
光源21は、例えば複数の波長のレーザー光などを選択的に照射することができるものである。光源21は1つでもよいが、分析試料容器10のウェル12Aに合わせて複数設けるようにしてもよい。その場合、光源21は、全てのウェル12Aに対応するように設けるようにしてもよいし、あるいは列毎に対応するように設け、同一の列のウェル12Aに対して同時に測定光束70を照射しつつ、光源21あるいは分析試料容器10を移動させるようにして全てのウェル12Aに測定光束70を照射するようにしてもよい。光源21には例えば制御部50が接続されており、制御部50からの指示により波長が選択される。光源21から射出された測定光束70は、プリズム22で適宜調整されたのち、レンズ23で集光されて分析試料容器10に照射されるようになっている。なお、例えば、特定の金属イオンの分析のみを目的とする場合には、その測定に用いる特定波長の測定光束70のみを照射する光源21を用いるようにしてもよい。
【0022】
検出部30は、測定光束70に応じて第2領域14Aの液体試料15から射出される光の変化として、第2領域14Aの液体試料15の吸収スペクトルを検出するようにしてもよいし、発光スペクトル、蛍光スペクトルあるいはリン光スペクトルを検出するようにしてもよい。検出部30は、例えば、第2領域14Aの液体試料15を透過した光、あるいは第2領域14Aの液体試料15で発生した光を集光する対物レンズ31と、この対物レンズ31で集められた光をフィルタ32を介して受光する受光器33とを有している。受光器33は、例えばフォトダイオードにより構成されており、例えば光源21が複数設けられている場合には、それに対応して複数設けられている。受光器33は、複数の波長を検出するものであってもよいし、特定の金属イオンの分析のみを目的とする場合には、その測定に用いる特定波長のみを検出するものでもよい。なお、図3では、検出部30を分析試料容器10Aを挟んで光源21と対向する位置に配置するようにしたが、蛍光あるいは発光を検出する場合には、それらを測定可能な他の位置に配置するようにしてもよい。また、吸収を検出する場合においても、図示しない反射板などを用い、検出部30を他の位置に配置するようにしてもよい。
【0023】
処理部40は、検出部30からの出力信号を増幅し、波長整形あるいはパルス信号への変換などを行う変換部41と、変換部41から出力された検出結果を表示するディスプレイあるいはプリンタなどの表示部42とを有している、さらに、所定の波長における標準試料の吸光光度、蛍光光度あるいは発光光度を記憶しておき、その波長における分析試料の光度と比較して、分析試料に含まれる特定の金属イオンの濃度を算出する算出部43を有していてもよい。
【0024】
次に、図4および図5を参照して、図3に示した分析装置を用いた本発明の一実施の形態に係る分析方法について説明する。図4は、分析試料容器10Aを使用し、均一液液抽出法により水溶液中の微量成分の分析を行う方法を説明するための断面図であり、図2に対応するものである。また、図5は、各ステップを表す流れ図である。
【0025】
まず、ウェル12Aを有する保持体11Aを用意する(ステップS101)。次に、検出対象成分を含む所定の成分からなる試料溶液をウェル12Aに投入する(ステップS102)。さらに、ウェル12Aの試料溶液に図示しないフッ素系界面活性剤や酸などの添加物を添加する(ステップS103)。さらに、保持体11Aを軽く揺らして混合することにより、検出対象成分を含むと共に比重差による相分離現象を呈する液体試料15が調製される。この結果、図4(A)に示したように、第2領域14Aの全てと第1領域13Aの一部とが液体試料15によって占められた状態となる。このときの液体試料15における底面N4からの液面高さをL1とする。
【0026】
添加物を添加したのち、例えば1時間ほど振動を加えないように放置することにより、図4(B)に示したように、厚みL1Aを有する抽剤相15Aと厚みL1Bを有する抽質相15Bとに相分離することができる。ここでは、検出対象成分を沈降させることにより、第1領域13Aの鉛直方向下側に配置された第2領域14Aの抽質相15Bの中に検出対象成分を抽出する。すなわち、液体試料15に存在した検出対象成分を、抽剤相15Aよりも比重の大きな抽質相15Bに濃縮する。この場合、厚みL1Bは、第2領域14Aの深さH2と同等であることが望ましい。厚みL1Bが深さH2よりも小さい(L1B<H2である)場合には十分な検出感度が得られない可能性があり、逆に、厚みL1Bが深さH2よりも大きい(L1B>H2である)場合には厚みL1Bを稼ぐために効率よく抽質相15Bを用いることができず、一部が無駄になってしまうからである。また、撥水性の高い材料を傾斜面N2に被覆しておくことにより、沈降速度を向上させることができる。さらなる沈降速度の向上のためには、傾斜面N2の傾斜角度θをより大きくすることが効果的である。一方、抽剤相15Aは、厚みL1Aをなし、主に第1領域13Aを占めることとなる。
【0027】
液体試料15の相分離を行ったのち、鉛直方向から光束径ΦPを有する測定光束70を抽質相15Bに照射し、さらに抽質相15Bからの光の強度変化を検出することにより分光分析を行う(ステップS104)。この場合、光束径ΦPが第2領域14Aの内径Φ2に等しいことが望ましい。すなわち、第2領域14Aが測定光束70の通過する領域に対応していれば不感領域Sが生じないので、検出感度に寄与しない無駄な抽質相15Bを無くすことができるからである。
【0028】
ステップS104において、例えば吸光光度分析を行うのであれば、入射光強度I0 に対する透過光強度Iを測定することにより、吸光度K
K=log(I0 /I) ……(2)
を算出することができる。吸光度Kは、抽質相15Bに含まれる検出対象成分におけるモル吸光係数εおよび濃度c、ならびに光路長dを用いて、
K=εdc ……(3)
と表すこともできるので、モル吸光係数εが既知であれば透過光強度Iを測定することにより濃度cが求められる。
【0029】
ステップS104の測定に要する時間は数秒程度であり、ステップS102からステップS104までに要する時間は数分から30分程度と極めて短時間である。分光分析が終わったのち、分析試料容器10を、例えば塩酸および蒸留水で洗浄したのち(ステップS105)、再度、ステップS101に戻ることにより、新たな液体試料15の分析が順次可能となる。
【0030】
ここで、従来例と対比して、本実施の形態における分析方法の作用について以下に説明する。ここでは、図4(A),(B)と図11(A),(B)とを参照し、分光分析で得られる吸光度の比較を行う。図11(A),(B)は、既に述べたように、従来の分析試料容器としてのマイクロプレートを使用し、均一液液抽出法を用いた水溶液中の微量成分の分析方法を説明するものである。
【0031】
ウェル112を有する従来の分析試料容器を用いた場合の相分離後における吸光度K2は、上記の式(3)により、
K2=ε・(L2A)・(c2A)+ε・(L2B)・(c2B) ……(4)
となる。但し、
c2A:ウェル112内の抽剤相15Aにおける検出対象成分の濃度(相分離後)
c2B:ウェル112内の抽質相15Bにおける検出対象成分の濃度(相分離後)
である。この場合、c2A<<c2Bであるので、式(4)は
K2≒ε・(L2B)・(c2B) ……(5)
と表すことができる。一方、本実施の形態の分析試料容器10Aを用いた場合の相分離後における吸光度K1は、同様に、
K1=ε・(L1A)・(c1A)+ε・(L1B)・(c1B) ……(6)
となる。但し、
c1A:ウェル12A内の抽剤相15Aにおける検出対象成分の濃度(相分離後)
c1B:ウェル12A内の抽質相15Bにおける検出対象成分の濃度(相分離後)
である。この場合、c1A<<c1Bであるので、式(6)は
K1≒ε・(L1B)・(c1B) ……(7)
と表すことができる。ここで式(5)と式(7)とを比較すると、図4(B)および図11(B)から明らかなように厚みL1Bは厚みL2Bよりも大きい(L2B<L1B)ので、濃度c1Bが濃度c2Bと同等以上(c2B≦c1B)であれば吸光度K1は吸光度K2よりも大きくなる(K2<K1)。すなわち、検出対象成分の濃度cを同等として比較した場合、ウェル12Aを有する分析試料容器10Aを用いることにより、より多くの検出対象成分を含む抽質相15Bが第2領域14Aを占めることによってその厚みが増すので、より高い感度で光を検出することができるのである。
【0032】
このように、本実施の形態によれば、検出対象成分を含有すると共に比重差による相分離現象を呈する液体試料15を収容するウェル12Aを備え、このウェル12Aが、第1領域13Aと、鉛直方向に沿って第1領域13Aに隣接し、第1領域13Aの水平方向断面よりも小さな水平方向断面を有する第2領域14Aとを含むようにした。このため、第2領域14Aの水平方向断面が第1領域13Aの水平方向断面と同等である場合よりも、液体試料15における鉛直方向の厚みを大きくすることができる。よって、分光分析を行うにあたり、測定光束70によって照射される検出対象成分の鉛直方向の長さ(光路長)を大きくすることができ、高感度な検出が可能となる。したがって、分析試料に含まれる検出対象成分が微量であったとしても、高精度かつ高感度な分光分析を容易に行うことができる。
【0033】
特に、液体試料15が、相対的に比重の大きな抽質相15Bに抽出される検出対象成分を含むものであり、かつ第2領域14Aが第1領域13Aの鉛直方向下側に位置するようにしたので、検出対象成分を照射する測定光束70の光路長、すなわち、厚みL2Bをより大きくすることができ、より高感度な検出が可能となる。
【0034】
また、特に、第2領域14Aの内径Φ2が、測定光束70の光束径ΦPに相当する大きさを有するようにしたので、検出感度に寄与しない無駄な検出対象成分の発生を防ぎ、液体試料15の少量化を図ることができる。高価な液体試料や大量に入手することが困難な液体試料を分析する場合に特に有益である。
【0035】
<変形例>
保持体およびウェルの形状は、保持体11Aおよびウェル12Aとして示した形状に限定されるものではなく、以下に示す各変形例のような形状であってもよい。以下、図6〜図10を参照して、本実施の形態の各変形例について説明する。
【0036】
図6は、第1の変形例(変形例1)としての保持体11Bおよびウェル12Bの断面構成を表し、液体試料15が、着脱可能な保持部材11B2によってウェル12Bに保持されるようにしたものである。すなわち、保持体11Aは一体物であったが、本変形例では貫通部材11B1と保持部材11B2とによって保持体11Bを構成するようにした。液体試料15を入れる際には、例えば、貫通部材11B1の突起部11Tと保持部材11B2の凹部11Uとを嵌合し、互いに固定することによりウェル12Bを形成する。この場合、保持部材11B2の一部の面は底面N4を構成する。こうすることにより、測定後の洗浄作業を容易に行うことができる。なお、貫通部材11B1と保持部材11B2とを固定する方法は、これに限定されるものではない。
【0037】
図7は、第2の変形例(変形例2)としての保持体11Cおよびウェル12Cの断面構成を表す。このように、第2領域14の傾斜面N2を曲面で構成するようにしてもよい。
【0038】
上記実施の形態では、第2領域14Aを第1領域13Aの鉛直方向下側に配置し、検出対象成分を沈降させることにより、第2領域14Aを占める抽質相15Bの中に検出対象成分を抽出するようにした。これに対し、図8(A)に示した第3の変形例(変形例3)では、これとは逆に、第2領域14Dを第1領域13Dの鉛直方向上側に配置し、検出対象成分を浮上させることにより、第2領域14Dの液体試料(図示せず)の中に検出対象成分を抽出するようにした。その場合には、保持体11Dは本体部分11D1と蓋11D2とからなる。相分離を行う際には、まず、本体部分11D1の開口部を上向きにして試料溶液および添加物を投入し、蓋11D2を本体部分11D1に嵌合させることにより試料溶液を密封する。こののち、天地を逆さまにして、第2領域14Dが第1領域13Dよりも上に位置するようにすることで、比重の小さな抽質相を浮上させ、その抽質相の中に検出対象成分を抽出するようにする。
【0039】
本変形例(変形例3)は、例えば、ビタミンB12の水性2相抽出(岩浪他,「ビタミンB12の水性2相抽出−高速液体クロマトグラフィー」,2PA−134,日本化学会第83回春季大会講演予稿集,2003年)に適用可能である。具体的には、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)水溶液と、ビタミンB12とをウェル12Dに投入し、さらに添加物として硫酸ナトリウム(NaSO4 )を加える。こののち、蓋11D2を本体部分11D1に嵌合させることにより液体試料を密封して逆さまにし、2相に分離させる。すると、ビタミンB12が抽出される上相が第2領域14Dに浮上するので、第2領域14Dに鉛直方向から測定光束70を照射することにより高感度な定性および定量分析ができる。
【0040】
また、試料溶液を2相ではなく、3相以上に分離するようにしてもよい。その際、検出対象成分が抽出される抽質相が最も大きな比重を有する場合には、ウェル12A〜12Cを備えた保持体11A〜11Cを使用することができる。逆に、抽質相が最も小さな比重を有する場合には、ウェル12Dを備えた保持体11Dを使用することができる。さらに、抽質相が中間的な比重を有する場合には、例えば、図8(B)に示したような第4の変形例(変形例4)としてのウェル12Eを備えた保持体11Eを使用することができる。ウェル12Eは、上部領域13E1と下部領域13E2とによって鉛直方向に沿って挟まれた第2領域14Eを有している。ウェル12Eでは、液体試料15の成分、混合比または検出対象成分に応じて、この第2領域14Eに抽質相が位置するように液体試料15の容量、第2領域14Eの鉛直方向長さH2、あるいは、下部領域13E2の高さH3等を調整すればよい。
【0041】
さらに、図9および図10に示した第5の変形例(変形例5)としての保持体11Fおよびウェル12Fを用いることも可能である。ウェル12Fは、第2領域14Fの容積は変えずに第1領域13Fの容積をウェル12Aの約12倍としたものである。これにより、当初の液体試料15の濃度c1が非常に低い場合であっても、十分な検出感度が得られる程度の検出対象成分を含む抽質相によって第2領域14Fを占めることができる。
【0042】
すなわち、図11に示す従来の分析試料容器においては、
c2:ウェル112内の液体試料15における検出対象成分の濃度(相分離前)
V2:ウェル112内の液体試料15の体積(相分離前)
V2B:ウェル112内の抽質相15Bの体積(相分離後)
とした場合、c2B=c2・V2/(V2B)であるので、上記の式(5)は、
K2≒ε・(L2B)・c2・V2/(V2B) ……(8)
と書き換えることができる。一方、本発明の変形例5においては、
c1:ウェル12F内の液体試料15における検出対象成分の濃度(相分離前)
V1:ウェル12F内の液体試料15の体積(相分離前)
V1B:ウェル12F内の抽質相15Bの体積(相分離後)
とした場合、c1B=c1・V1/(V1B)であるので、上記の式(7)は、
K1≒ε・(L1B)・c1・V1/(V1B) ……(9)
と書き換えることができる。ここで、式(8)および式(9)から明らかなように、同等の濃度の液体試料15を使用(c2=c1)したうえで、体積V2よりも体積V1を十分に大きくする(V2<<V1)ことにより、吸光度K1が吸光度K2よりも十分に大きくなる(K2<<K1)。
【0043】
【実施例】
次に、上記実施の形態における具体的な実施例について説明する。
【0044】
(実施例1)
実施例1は、図2に示した断面構造をなすウェル12Aを有する分析試料容器10Aを備えた分析装置を用いて、上記実施の形態において説明した分析方法に基づき分析を行ったものである。
【0045】
まず、図1に示した96個のウェル12Aを有するポリスチレン製の保持体11Aを用意した(ステップS101;図5参照)。ウェル12Aのサイズは、第1領域13Aの内径Φ1が7.15mm、第1内壁面N1の高さが8.6mm、傾斜面N2の傾斜角度θが30°、第2領域14Aの内径Φ2が3.0mm、さらに第2領域14Aの第2内壁面N3の高さが5.0mmである。このようなサイズの各ウェル12Aに、鉄(II)−フェナントロリン錯体水溶液300μlと、アセトン10μlと、0.1mol/lのPFOA−水溶液50μlとからなる均一溶液を投入した(ステップS102;図5参照)。次いで、各ウェル12Aに、添加物として2.0mol/lの硝酸水溶液を10μl添加し、軽く揺らして混合して液体試料を調製した。こののち、そのまま5分間ほど振動を加えないように放置して相分離を行い、Fe(II)を沈降させた(ステップS103;図5参照)。相分離を行ったのち、ウェル12Aに鉛直方向から測定光束70を照射して、吸光光度分析により液体試料中のFe(II)を検出した(ステップS104;図5参照)。
【0046】
(実施例2)
次に、実施例2として、図10に示した断面構造をなすウェル12Fを有する分析試料容器10Fを備えた分析装置を用いて、上記実施の形態において説明した分析方法に基づき分析を行った。
【0047】
具体的には、まず、図9に示した8個のウェル12Fを有するポリスチレン製の保持体11Fを用意した。ウェル12Fのサイズは、第1領域13Fの内径Φ1Fが25.2mm、第1内壁面N1の高さが6.6mm、傾斜面N2の傾斜角度θが30°、第2領域14Fの内径Φ2が3.0mm、さらに第2領域14Fの第2内壁面N3の高さが5.0mmである。このような各ウェル12Fに、鉄(II)−フェナントロリン錯体水溶液2000μlと、アセトン70μlと、0.1mol/lのPFOA−水溶液330μlとからなる均一溶液を投入した。次いで、各ウェル12Fに、添加物として2.0mol/lの硝酸水溶液を70μl添加し、軽く揺らして混合して液体試料を調製した。こののち、そのまま1時間ほど振動を加えないように放置して相分離を行い、Fe(II)を沈降させた相分離を行ったのち、ウェル12Fに鉛直方向から測定光束70を照射して、吸光光度分析により液体試料中のFe(II)を検出した。
【0048】
これら実施例1および実施例2の結果を、これらの本実施例に対する比較例と併せて表1に示す。なお、比較例は、図11に示した断面構造をなすウェル112を有する従来の分析試料容器を備えた分析装置を用いて吸光光度分析を行ったものである。ウェル112は、内径が7mmであり深さが11mmである円柱形状をなすものである。手順は、実施例1および実施例2と同様である。表1の検出限界の数値は、実施例1および比較例はそれぞれ96個のデータの平均値であり、実施例2は8個のデータの平均値である。
【0049】
【表1】
【0050】
表1に示したように、実施例1または実施例2によれば、比較例に比べて低濃度の液体試料中のFe(II)を検出できることがわかった。特に、より大きな第1領域13Fを備えたウェル12Fを用いることにより、より低濃度の液体試料中のFe(II)を検出できることがわかった。すなわち、本発明の分析試料容器10を用いるようにすれば、水溶液中の微量成分を高い検出感度で、かつ容易に検出可能となることがわかった。
【0051】
以上、実施の形態、変形例および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施の形態および変形例に限定されず、種々変形可能である。例えば、本実施の形態では、分析試料容器が収容部分を複数有するようにしたが、単一の収容部分を有するようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施の形態、変形例および実施例では、保持体およびウェルの形状および分析装置の構成について、具体的に例を挙げて説明したが、他の形状および構成を有するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施の形態、変形例および実施例では、液体試料として、比重差による相分離現象を呈するものを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、検出対象成分を含有する液体試料であれば、他の外力(磁力等)による相分離現象を示す液体試料を用いるようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明による分析試料容器および分析装置によれば、検出対象成分を含有する液体試料を収容する収容部分を備え、この収容部分が、第1の領域と、この第1の領域に隣接する第2の領域とを有し、第2の領域における第1および第2の領域の配列方向と直交する断面が第1の領域における配列方向と直交する断面よりも小さくなるようにした。このため、第2の領域における第1および第2の領域の配列方向と直交する断面が第1の領域における配列方向と直交する断面と同等である場合よりも、液体試料における配列方向の厚みを大きくすることができる。よって、分光分析を行うにあたり、配列方向に沿って測定光束を照射すれば、測定光束によって照射される検出対象成分の配列方向の長さ(光路長)を長くすることができ、高感度な検出が可能となる。したがって、分析試料に含まれる検出対象成分が微量であったとしても、高精度かつ高感度な分光分析を容易に行うことができる。特に、液体試料が比重差による相分離現象を呈するものであれば、配列方向が鉛直方向と一致する場合において、第2の領域に凝集した検出対象成分が測定光束によって照射される光路長を長くすることができ、高感度な検出が可能となる。
【0055】
また、本発明による分析方法によれば、第1の領域と、使用時において鉛直方向に沿って第1の領域に隣接し、第1の領域の水平方向断面よりも小さな水平方向断面を有する第2の領域とを含む収容部分を備えた分析試料容器を用意する第1のステップと、収容部分に、検出対象成分を含むと共に比重差による相分離現象を呈する液体試料を収容する第2のステップと、少なくとも第2の領域の液体試料に対して、鉛直方向から測定光束を照射し、それに応じて第2の領域の液体試料から射出される光を検出する第3のステップとを含むようにしたので、第2の領域の水平方向断面が、第1の領域の水平方向断面と同等である場合よりも、液体試料における鉛直方向の厚みを大きくすることができる。よって、分光分析を行うにあたり、測定光束によって照射される検出対象成分の鉛直方向の長さ(光路長)を長くすることができ、高感度な検出が可能となる。したがって、分析試料に含まれる検出対象成分が微量であったとしても、高精度かつ高感度な分光分析を容易に行うことができる。
【0056】
特に、液体試料が相対的に比重の大きな相に抽出される検出対象成分を含むものであり、かつ第2の領域が第1の領域の鉛直方向下側に位置する場合、あるいは、液体試料が相対的に比重の小さな相に抽出される検出対象成分を含むものであり、かつ第2の領域が第1の領域の鉛直方向上側に位置する場合には、検出対象成分を照射する測定光束の光路長をより長くすることができ、より高感度な検出が可能となる。
【0057】
また、特に、液体試料を、着脱可能な保持部材によって収容部分によって保持するようにした場合には、洗浄操作が簡便になり、容易に分析を繰り返し行うことができる。
【0058】
また、特に、収容部分を複数形成するようにした場合には、多数の液体試料の検体を同時に分析可能となる。
【0059】
また、特に、液体試料が比重差による相分離現象を呈するものであれば、配列方向が垂直方向と一致する場合において、第1の領域が、垂直方向に沿って第2の領域へ向かうに従い、水平方向断面が漸次縮小する領域を含むようにすることにより、相分離現象の進行が促進されてより短時間で相分離を行うことができ、分析時間の短縮が可能となる。
【0060】
また、特に、第2の領域における配列方向と直交する断面が、測定光束における配列方向と直交する断面に相当する大きさを有するようにした場合には、検出感度に寄与しない無駄な検出対象成分の発生を防ぎ、液体試料の少量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る分析試料容器の構成を表す部分断面斜視図である。
【図2】 図1に示した分析試料容器のウェルの構成を表す断面図である。
【図3】図1に示した分析試料容器を用いた本発明の一実施の形態に係る分析装置を表す構成図である。
【図4】図3に示した分析装置を用いた本発明の一実施の形態に係る分析方法を表す説明図である。
【図5】図4に示した分析方法を表す流れ図である。
【図6】図1に示した分析試料容器における第1の変形例(変形例1)としてのウェルの構成を表す断面図である。
【図7】図1に示した分析試料容器における第2の変形例(変形例2)としてのウェルの構成を表す断面図である。
【図8】図1に示した分析試料容器における第3の変形例(変形例3)としてのウェルの構成を表す断面図である。
【図9】図1に示した分析試料容器における第4の変形例(変形例4)としてのウェルを有する分析試料容器の全体構成を表す部分断面斜視図である。
【図10】図9に示した第4の変形例(変形例4)としてのウェルの構成を表す断面図である。
【図11】均一液液抽出法を用いた従来例としての分析方法を表す説明図である。
【符号の説明】
N1…第1内壁面、N2…傾斜面、N3…第2内壁面、N4…底面、10…分析試料容器、11…保持体、12…ウェル、13…第1領域、14…第2領域、15…試料溶液、16A…抽剤、16B…抽質、20…照射部、21…光源、22…プリズム、23…レンズ、30…検出部、31…対物レンズ、32…フィルタ、33…受光器、40…処理部、41…変換部、42…表示部、43…算出部、50…制御部、60…測光室、70…測定光束。
Claims (3)
- 第1の領域と、使用時において鉛直方向に沿って前記第1の領域に隣接し、前記第1の領域の水平方向断面よりも小さな水平方向断面を有する第2の領域とを含む収容部分を備えた分析試料容器を用意する第1のステップと、
前記収容部分に、検出対象成分を含むと共に相分離現象を呈する液体試料を収容する第2のステップと、
少なくとも前記第2の領域の液体試料に対して、鉛直方向から測定光束を照射し、それに応じて前記第2の領域の液体試料から射出される光を検出する第3のステップと
を含み、
前記第2ステップは、
前記第2の領域を前記第1の領域の鉛直方向上側に配置し、前記検出対象成分を浮上させることにより、前記第2の領域の液体試料の中に前記検出対象成分を抽出するステップを含む
ことを特徴とする分析方法。 - 前記第2のステップは、
前記検出対象成分を含む水溶液に所定の添加物を添加することにより前記液体試料を調製し、前記比重差による相分離現象を利用して前記液体試料の相分離を行うステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の分析方法。 - 前記第3ステップにおいて、
前記分析試料容器を挟んで前記光源とは反対側において前記第2の領域の液体試料から射出される光を検出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分析方法。
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