JP4361663B2 - 強化繊維束の開繊方法及びプリプレグ製造方法 - Google Patents

強化繊維束の開繊方法及びプリプレグ製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続長の強化繊維束を毛羽が発生することなく開繊できる開繊方法と、開繊された強化繊維束を使用して平滑性の高いプリプレグを製造する方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維などの強化繊維とエポキシ樹脂などのマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、軽量で成形性に富み、耐食性、耐久性や、その他の機械的特性にも優れているために、釣り竿やゴルフシャフトなどの汎用的な用途から一般的な産業用途、更には航空機などの用途といった幅広い分野にわたって用いられている。この繊維強化プラスチックの成形体を成形する方法としては、幾つかの方法が実際に採用されている。そのなかでも特に炭素繊維を強化繊維とする場合には、プリプレグと呼ばれる予め強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させた中間材料を用いる方法が最も広く採用されている。
【0003】
ゴルフシャフトや釣り竿のような管状の成形体では、軸方向の剛性と径方向のつぶし強度とが重要な特性として要求される場合が多い。このような管状成形体の長手方向の剛性を高めるためには、長手方向に沿って炭素繊維を配列させることが有効である。例えばゴルフシャフトにあっては、通常、炭素繊維の目付が125g/m2 以下のプリプレグを、シャフトの軸に対して20°〜90゜の範囲で傾きをもたせたアングルプライ層にして使用するようになってきている。このとき、プリプレグの平滑性が悪いと成形後の製品表面に凹凸が発生し、強度が低下する要因となる。また釣り竿にあっては、周巻き方向の補強層として炭素繊維の目付が60g/m2 以下である薄いプリプレグが使用されるようになっているが、この場合も、プリプレグの平滑性が悪いと釣り竿の外観に顕著に反映され、外観不良や強度低下を起こす要因となる。
【0004】
このように、特にゴルフシャフトや釣り竿などの軽量化が求められる用途に用いられるプリプレグでは、プリプレグの厚みを薄く且つ均一にすることが求められている。また、プリプレグの製造におけるコストダウンも重要な課題であり、そのためには、太い強化繊維束を開繊し拡幅して幅広で薄い扁平なシート状にすることが有効であり、これまでにも繊維束の開繊方法が多数提案されている。
【0005】
例えば、特開昭56−43435号公報に開示されている繊維束の開繊方法では、軸方向に振動している円柱体の周方向に繊維束を接触させながら連続走行させて開繊している。また、特開平2−36236号公報に開示されている繊維束の開繊方法では、偏心ロールや揺動バーを用いて周期的に張力を変動させながら繊維束を走行させ、その走行する繊維束を、周面が当接している平行な少なくとも2本のロールの間に通過させると共に、前記ロールの少なくとも1本のロールを軸方向に振動させることにより開繊している。
【0006】
しかしながら、上述した軸方向に振動するロールにより開繊する方法では、その振動ロールを通過した後、再び繊維束が収束しやすい。そのため、例えば、特開平10−404号公報に開示されている繊維束の開繊方法では、軸方向に振動するロールの直後に振動しないロールを配し、繊維束が振動ロールを通過して開繊された直後に、振動しないロールの周面に、前記振動ロールよりも長い接触長さで同繊維束を押し当てて開繊状態を維持させている。
【0007】
また、例えば特開平10−292238号公報に開示されている炭素繊維束の開繊方法では、直径が20〜50mmの軸方向に振動する振動ロールと、直径が50〜120mmの振動しない無振動ロールとを交互に2〜10組、各ロール間の繊維束の走行距離が10〜100mmとなるように配した開繊装置を用いて開繊している。
【0008】
特開平1−282362号公報に開示されている開繊方法は、超音波で軸方向に振動させている複数の丸棒を同一平面内に平行に配し、繊維束を前記丸棒の上部に接触させた状態で順次走行させている。更にこの走行する繊維束にガス流を吹き付ければ開繊効果が高まるとしている。
【0009】
また、振動するロールを使用しない開繊方法が、例えば特開昭52−151362号公報及び特開平10−121344号公報に開示されている。特開昭52−151362号公報に開示されている開繊方法は、複数の繊維束を互いに密着させてシート状に並べた状態で適度な張力をかけながら走行させ、その走行する繊維束に水などの流体を高圧で吹き付けることにより、近接する繊維束のフィラメント同士を交錯させながら開繊している。
【0010】
特開平10−121344号公報に開示されている開繊方法では、先ず、繊維束の走行方向と直交する方向に配された複数の突起の間に繊維束を割り込ませる。更に前記突起を繊維束と略同一の速度で走行させると共に、各突起間の間隙、即ち、繊維束の走行方向と直交する方向の距離を徐々に広げていき、繊維束を開繊している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の開繊方法では、強化繊維束の内部で繊維同士が交絡していたり、特に繊維束自体に撚りがある場合には、依然として開繊が不十分であった。そのため、開繊して引き揃えた繊維束を樹脂フィルムと合わせてプリプレグに成形したときに、特に繊維目付の低い、いわゆる薄物のプリプレグでは目開きが目立ってしまったり、あるいは目開きとまではいかなくても、目付の分布が悪く不均一であるために、プリプレグ表面の平滑度が低くなるという問題が生じていた。この表面平滑度の低いプリプレグを釣り竿やゴルフシャフトなどの管状成形体に使用した場合に、管状成形体の外観の平滑性が悪くなり、また、強度等の所望の物性を得にくいものであった。
【0012】
ただし、特開平2−36236号公報に開示されている開繊方法、すなわち、繊維束が軸方向に振動するロールと振動しないロールとの間を通過する際に、同繊維束の張力を周期的に変動させている開繊方法では、他の方法に比べて開繊が均一であった。しかし、この開繊方法では繊維束の張力を周期的に変動させるために、偏心ロールや揺動バーを走行する強化繊維束に押さえつける必要がある。これら張力変動のためのロールやバーを繊維束に押さえ付けることにより、前記ロールやバーに繊維束がこすられて、強化繊維束が損傷してしまい毛羽が発生するといった問題があった。
【0013】
本発明は上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、強化繊維束を毛羽の発生がなく均一に開繊させる方法と、目開きがなく表面平滑度が高いプリプレグを製造する方法とを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本件請求項1に係る発明は、連続して走行する強化繊維束に張力変動手段によって周期的な張力変動を付与しながら開繊する強化繊維束の開繊方法であって、前記周期的な張力変動の付与として、張力変動手段が、前記強化繊維束に対して間欠的に張力を付与し、前記張力変動手段における、前記強化繊維束に対して張力を付与するときの前記強化繊維束との接触部分の速度Vrと、前記強化繊維束の走行速度Vとの割合の絶対値|Vr/V|が0.6〜1.4であることを特徴としている。なお、0.6〜1.4とは0.6以上1.4以下を意味し、以下、同様の記載について、それらの上限及び下限の値を含むものとする。
【0015】
上述したように、従来の技術では前記張力変動手段として偏心ロールや揺動バーを使用し、それらロールやバーによって走行する強化繊維束を押さえ付けて張力を変動させていた。そのため、強化繊維束は前記ロールやバーと接触してこすられ、毛羽が発生していた。しかしながら、本発明では張力変動手段における強化繊維束に対して張力を付与するときの強化繊維束との接触部分の速度Vrと、強化繊維束の走行速度Vとの割合の絶対値|Vr/V|が0.6〜1.4である関係が成り立つように、それぞれの速度を設定することにより、強化繊維束と前記張力変動手段の接触部分とのこすれを最小限に抑えることができ、しかも、強化繊維束には効率良く張力の変動のみを付与することができる。そのため、強化繊維束には毛羽の発生も低減される。前記接触部分の速度Vrと、強化繊維束の走行速度Vとの割合の絶対値|Vr/V|は0.90〜1.0の範囲であることがより望ましい。
【0016】
更に、前記張力変動手段における前記強化繊維束との接触部分は、その表面が#180〜#600の梨地処理、クロムメッキ、及びバフ研磨が施されていることが好ましい。
【0017】
本件請求項2に係る発明によれば、前記張力変動手段はフリーロールを備え、同フリーロールを前記強化繊維束に対して間欠的に押さえつけることによって張力変動を付与することを特徴とする。
【0018】
上記フリーロールとは、例えば、ロール本体が固定軸に対してベアリング等を介して回転自在に取りつけられたものが挙げられるが、ロール本体が自由に回転できるものであれば形状については特に特定されるものではない。このフリーロールを走行する強化繊維束に対して周期的に押さえつけて前記強化繊維束の張力を変動させる際に、前記フリーロールは前記強化繊維束の走行速度と略同一の速度で回転するため、前記フリーロールにより前記強化繊維束がこすられることがない。
【0019】
更に本件請求項3に係る発明によれば、前記フリーロールを前記強化繊維束と共に走行させることを特徴とする。このように、フリーロールを強化繊維束に対して押さえつける際に、同フリーロールをある一定の速度で強化繊維束と共に走行させることにより、強化繊維束に対するダメージをより低減することができるため、好ましい。
【0020】
また、本発明では前記張力変動手段により強化繊維束に対して周期的な張力変動を付与しているが、この張力変動の周期は一定周期であってもよく、或いは、変則的な周期であってもよい。
更に、本件請求項4に係る発明では、前記張力変動の周期を0.5〜20回/sとすることを特徴としており、このような周期の際には開繊の効果がより向上する。更には、前記周期は3〜10回/sであることが好ましい。
【0021】
本件発明では、張力を1000フィラメントあたり0〜70gの範囲で変動させることができる。このように、1000フィラメント当たりの張力が70g以下である場合には、強化繊維束に対するダメージが少なくなるため好ましい。更には1000フィラメント当たりの張力を40g以下にすることが好ましいが、この張力の変動範囲については特に制限はない。
【0022】
本件発明では、前記強化繊維束の走行方向と交差する方向に設置された軸方向に振動する振動バーに前記繊維束を接触させて開繊することができる
【0023】
上記張力変動手段によって強化繊維束の張力を変動させながら、強化繊維束の走行方向と交差する方向に設置された軸方向に振動する振動バーに強化繊維束を接触させると、張力が小さいときに強化繊維束は緩んだ状態になるため、前記振動バーによってより効率的に強化繊維束が開繊される。
【0024】
なお、前記振動バーは前記張力変動手段の後流側に配することが好ましい。また、同振動バーは周方向に回転不能に固定されていてもよく、或いは自由回転可能なものであってもよい。また、前記振動バーは走行する強化繊維束の張力が低張力下、好ましくは上述したように1000フィラメントあたり0〜70gの範囲で変動する張力下で振動させて使用するため、 この振動バーの外径はφ12〜40mmの範囲内とすることが好ましい。より好ましくは前記振動バーの外径はφ20〜38mmである。
【0025】
また、前記振動バーの振動数は10〜50Hz、振幅は0.2〜10mmに設定することが好ましく、更には、前記振動数を25Hz〜35Hz、前記振幅を0.6〜4mmに設定することがより好ましい。
【0026】
本件発明では、前記強化繊維束を前記振動バーに接触させたのち、前記強化繊維束の走行方向と交差する方向に設置された無振動バーに接触させることができる
【0027】
このように、前記振動バーの後流側に更に前記無振動バーを配することにより、前記強化繊維束は振動バーによって開繊、扁平化された直後に、前記無振動バーによって押さえ付けられるため、強化繊維束は再び集束されることがなくその拡幅巾を維持して良好な開繊状態を保持できる。
【0028】
なお、かかる前記無振動バーによる開繊状態の維持をより効果的にするためには、前記無振動バーの外径を前記振動バーの外径とほぼ等しいか、或いはそれ以上の寸法に設定することが必要であり、前記無振動バーの外径はφ12〜45mmの範囲内であるのが好ましく、更にはφ20〜42mmであることがより好ましい。
【0029】
また本件発明では、前記強化繊維束は前記振動バーに対する接触角度θが25〜90°の範囲で同振動バーに巻回させることができる。より好ましくは、前記接触角度は30〜85°である。なお、前記振動バーの後流側に無振動バーを配する場合には、前記振動バーへの繊維束の前記接触角度は、前記振動バーと無振動バーとの設置位置、即ち両者の水平方向の間隔及び高さによって調整することができる。
【0030】
また前記振動バーと無振動バーとの間の繊維束が各バーに接触していない距離は、開繊、扁平化された繊維束の形態を保持するためにできるだけ短くすることが必要であり、前記距離は15mmより長く30mmより短いことが好ましい。前記距離が15mm以下である場合には、設備の設計上、各バーを取り付けることが不可能であり、また、前記距離が30mm以上であると、開繊した繊維束が張力によって再び集束して開繊巾が狭まってしまう。
【0031】
更に、前記振動バーと無振動バーとの2本を1組としたユニットを複数組配することにより、開繊効果がより高まる。前記ユニットを2〜4組配することにより、より一層の開繊効果を発揮するため、好ましい。
また、前記振動バー及び前記無振動バーの表面は、#180〜#600の梨地処理、クロムメッキ、及びバフ研磨が施されていることが好ましい。
【0032】
更に、上述した振動バーによる開繊に加えて、繊維束の進行方向と直交する方向の空気の流動層を併用することにより、繊維束をより一層均一に開繊させることができるため、好ましい。この空気の流動層は繊維束に対して一定の方向で形成することが好ましく、特に吸引によって流動層を発生させることが、均一な開繊のためには好ましい。
【0033】
なお、この空気の流動層による開繊は上述した開繊方法の工程においていずれの段階で行ってもよいが、前記張力変動手段と前記振動バーとの中間で空気の流動層を発生させることが好ましい。空気の流動層が前記張力変動手段と前記振動バーとの中間に位置している場合には、強化繊維束を開繊させると同時に、繊維束をほぐすことにより強化繊維束自体の交絡や撚りの低減を図ることができる。
【0034】
本件発明では、プリプレグの製造方法において、上述した本件請求項1〜4のいずれかに係わる発明の強化繊維束の開繊方法により強化繊維束をシート状に開繊した後、樹脂を含浸させることができる
【0035】
このように、プリプレグを製造するにあたり、上述した本件発明による開繊方法によって十分に薄く且つ均一に開繊された強化繊維束を使用することにより、得られたプリプレグも目開きがなく表面平滑度が高いものとなる。
【0036】
本件発明では、前記強化繊維束に樹脂を付与した後、ニップロールで加圧することを特徴とする。更に、本件発明では、前記ニップロールで加圧する際に前記樹脂を加熱することができる。また、本件発明では、前記ニップロールとして金属製ロールを採用することができる
【0037】
このように、強化繊維束に樹脂を付与した後、上下とも金属製の1組以上の加熱されたニップロールを通過させて加圧することにより、前記樹脂を強化繊維束に含浸させることにより、プリプレグの目付斑をより均一にすることができ、また表面の平滑性も更に向上する。
【0038】
前記ニップロールは、プリプレグの表面の平滑化を図るため10〜100kg/cmの線圧をかけられる構造になっていることが必要である。特に低目付プリプレグにおいては、前記線圧を20〜50kg/cmとすることにより、効果的にプリプレグ表面の平滑性を向上させることができる。
また、前記ニップロールの径は特に限定されるものではないが、φ50〜400mmであることが好ましい。より好ましくは、φ100〜300mmである。
また、前記ニップロールにより加圧する際に同時に樹脂を加熱する場合、その温度も特に限定されるものではないが、低目付プリプレグを製造するにあたっては50〜90℃とすることが好ましい。
【0039】
更に、上記プリプレグの製造工程において、開繊された強化繊維束に樹脂を付与した後、プリプレグを所要の曲率を有するロールに巻回させながら加熱することにより、プリプレグの平滑性を更に向上させる効果がある。この所要の曲率を有するロールは、例えば特公平4−24209号公報に開示されているように、曲率半径が小さければ小さいほど強化繊維束を押し広げる効果が大きくなる。但し、強化繊維束に樹脂を供給するに際して、前記樹脂を剥離紙に塗付したシートを採用する場合には、前記ロールの曲率半径をあまりに小さくしすぎると、前記ロールの曲面の材質にもよるが、前記離型紙を損傷することになる。そのため、前記ロールには適当な材質を選択する必要がある。また、曲率半径は0.4〜30mmに設定し、好ましくは2〜18mm、更に好ましくは2〜16mmに設定される。
【0040】
本発明において用いられる強化繊維束としてはポリアクリロニトリル系やピッチ系の炭素繊維を使用することができる。特にフィラメント数が3000〜12000本の炭素繊維束に適用する場合には、通常の従来法では得ることのできなかった十分に薄く且つ均一で高品質なプリプレグを低コストで製造することができる。
【0041】
また本発明のプリプレグに用いられるマトリックス樹脂組成物としては、特に限定されるものではなく、通常はエポキシ樹脂が用いられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などを使用することができる。これらのエポキシ樹脂は液状のものから固体状のものまで使用できる。また単独または2種類以上をブレンドして使用することもできる。
【0042】
通常、エポキシ樹脂には硬化剤を加えて使用される。 この硬化剤としてはアミン系、 酸無水物系、フェノール系、 メルカプタン系、イミダゾール系、BF3 系の硬化剤が挙げられる。アミン系硬化剤としては、芳香族アミン、 脂肪族アミン、第2,3アミン、ジシアンジアミド、ポリアミノアミド系等が挙げられる。またプリプレグの保存安定性を高めるために、マイクロカプセル化した潜在性硬化剤も好適に使用できる。
【0043】
これらの硬化剤には活性を高めるために適当な硬化促進剤を組み合わせることができる。また、これらのエポキシ樹脂と硬化剤あるいは一部を予備反応させたものを使用することもでき、この方法は粘度調節に有効な場合がある。さらにエポキシ樹脂の粘度調整やプリプレグの取扱い性制御のために、熱可塑性樹脂を配合する場合がある。熱可塑性樹脂の好ましい例として、ポリビニルフォルマール、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらの樹脂を2種類以上混合して用いることもできる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の強化繊維束の開繊方法及びプリプレグの製造方法を実施するための好適なプリプレグ製造装置を概略的に示す図である。
【0045】
強化繊維束ボビンのクリール1から複数の強化繊維束Fを連続して定速度で引き出し、更に複数のテンションバー2により前記繊維束Fの張力を所定の値に調整し、同繊維束Fをシート状に並べて水平方向に走行させる。前記繊維束Fはコーム3aを通過した後、自由回転可能な水平バー4aを介して張力変動手段5へと導かれる。
【0046】
前記張力変動手段5は、図2に示すように、二枚の円盤5aの中心が回転軸5bにより連結されており、更に、二枚の前記円盤5aの間には、その周縁の互いに90°変位した位置に、4本のフリーロール5cが自由回転可能に取り付けられている。なお前記フリーロール5cの表面は、#180〜#600の梨地処理、クロムメッキ、及びバフ研磨が施されていることが好ましい。
【0047】
前記張力変動手段5は前記回転軸5bを中心に、前記繊維束の走行方向と同一方向に回転する。この前記張力変動手段5の回転軸5bを中心とする一回転の間に、走行する前記繊維束Fに対して4本の前記フリーロール5cが順次押しつけられ、前記繊維束Fの張力が周期的に変動する。
【0048】
本発明にあっては、前記強化繊維束Fとの接触部分であるの前記フリーロール5cの速度Vrと、前記強化繊維束Fの走行速度Vとの割合の絶対値|Vr /V|が0.6〜1.4となるように、前記張力変動手段5の前記回転軸5bの回転数や前記フリーロール5cの前記回転軸5bからの距離などを調整している。
【0049】
更には、張力変動の周期は0.5〜20回/s、好ましくは3〜10回/sに設定され、また、張力は1000フィラメント当たり0〜70gの範囲で変動するように設定されている。なお、この周期及び張力は、上記実施例にあっては、前記回転軸5bの回転数及び前記フリーロール5cの前記回転軸5bからの距離によって適宜調節できる。
【0050】
また、本実施例にあっては、自由回転可能な前記フリーロール5cを採用しているため、同ロール5cが走行する前記繊維束Fに押し付けられる際の前記ロール5cと繊維束Fとの間の摩擦力が小さい。更には、前記フリーロール5cも前記回転軸5bを中心にして円周方向に移動し、即ち、同ロール5cは前記繊維束Fと同一方向に走行するため、繊維束Fの前記ロール5cへのこすれも少ない。そのため、繊維束Fの毛羽の発生を更に抑制することができる。
【0051】
この張力変動手段5により張力変動が付与された前記繊維束Fは、自由回転可能な水平バー4aを介して再度、コーム3bを通過し、開繊手段6へと導かれる。同開繊手段6は、振動しない自由回転可能な無振動バー6aと、軸方向に振動する自由回転可能な振動バー6bとが、交互にジグザグ状に4組配されている。
【0052】
前記振動バー6bの外径はφ12〜40mmの範囲に形成されており、より好ましくはφ20〜38mmである。前記無振動バー6aは前記振動バー6bの外径とほぼ等しいか、或いはそれ以上の寸法に設定することが必要であり、前記無振動バーの外径はφ12〜45mmの範囲内に設定され、より好ましくはφ20〜42mmの範囲内に設定される。
【0053】
各振動バー6bは振動発生装置6cに連結されており、一定の振幅及び振動数で軸方向に振動している。前記振動バー6bの振動数は10〜50Hz、振幅は0.2〜10mmに設定することが好ましく、更には、前記振動数を25Hz〜35Hz、前記振幅を0.6〜4mmに設定することがより好ましい。
【0054】
更に、前記無振動バー6a及び前記振動バー6bは、前記強化繊維束が前記振動バーに対して接触角度θが25〜90°、好ましくは30〜85°で巻回されるように、上下及び左右の距離が設定されている。
【0055】
前記繊維束Fは、上記張力変動手段5により張力を周期的に変動させながら、前記開繊手段6へと送られる。この開繊手段6では前記振動バー6bにより繊維束Fの走行方向とは直交する方向、即ち繊維束Fの径方向にこすられ、特に、張力が低い部分では繊維束は十分に開繊されて偏平になる。この振動バー6bに開繊された直後に前記繊維束Fは無振動バー6aに押しつけられて開繊状態が維持され、拡幅された形態が安定化される。本実施例ではこの開繊と拡幅形態の安定化と4段階で行われるため、繊維束の長手方向及び径方向にわたって極めて薄く且つ均一な開繊がなされる。
【0056】
なお、前記振動バー6bにより開繊された繊維束が再び集束する前に前記無振動バー6aに押し付けられて開繊状態を維持できるよう、前記振動バー6b及び無振動バー6aの距離を15mmより長く30mmより短く設定することが好ましい。
【0057】
更に、開繊された繊維束Fは樹脂供給部7へと送られる。この樹脂供給部7では、剥離紙の片面にマトリックス樹脂が塗布された樹脂フィルムRのロール7aが繊維束Fの走行路の上下に配されており、更に、前記繊維束Fの走行路に沿ってプレニップロール7bが配されている。前記ロール7aから引き出された前記樹脂フィルムRは、その樹脂の塗布面を前記繊維束Fに向けてプレニップロール7bによって前記繊維束Fの上下面に供給される。
【0058】
更に上下面に樹脂フィルムRが供給された前記繊維束Fは、樹脂含浸部8へと送られる。この樹脂含浸部8は、ケーシング8aの内部に上下一対の金属製のニップロール8bが設置されている。
【0059】
前記ニップロール8bのロール径は特に限定されるものではないが、本実施例では上方のロール径を小さく下方のロール径を大きくしており、それらのロール径はφ50〜400mm、より好ましくはφ100〜300mmの範囲内としている。同ニップロール8bは、樹脂フィルムRが付与された繊維束Fに対して10〜100kg/cm、好ましくは20〜50kg/cmの線圧をかけられるように調整されている。更に、前記ニップロール8bは50〜90℃の温度に設定されている。
【0060】
樹脂フィルムRが付与された繊維束Fを50〜70℃の雰囲気温度下で、前記ニップロール8bを通過させて加圧することにより、前記樹脂が強化繊維束の内部に均一に含浸され、表面が平滑で且つ目付斑のない均一なプリプレグPが得られる。
【0061】
得られたプリプレグPは巻き取りロール9に巻き取られる。
なお、プリプレグを更に均一な目付けとし且つ平滑化を高めるために、所要の曲率を有するロールを前記樹脂供給部7と樹脂含浸部8との間に配することものできる。
【0062】
以下、本発明について具体的な実施例と比較例とを挙げて説明する。
なお、以下の実施例及び比較例における凹凸係数Rzとは、以下のようにして求めた値である。すなわち、得られた100mm幅のプリプレグにおいて、図3に示すように、左端縁から100〜140mmまでの範囲Aと、右端縁から100〜140mmの範囲Bと、中心(両端から500mmの位置)から左右へ20mmの範囲Cの計3つの範囲にわたって、プリプレグの幅方向(強化繊維束の引揃え方向に対して直交する方向)に40mm、3次元表面粗さを測定した。この測定には、kosaka Laboratory Ltd.製の型番SE−30Kの3次元表面粗さ測定器を使用し、検出器には触針の先端半径2μm のものを使用した。検出速度は0.5mm/secに設定した。
【0063】
この測定により、例えば図4に示すような40mm幅(基準長さL=40mm)で検出した断面曲線αのグラフが得られる。先ず、前記断面曲線αから凹凸の平均値を求めて平均線β(図4には一点鎖線で示す)を引く。この平均線βに平行で、かつ断面曲線αを横切らない任意の直線γ(図4には二点鎖線で示す)を引く。前記直線γから厚み方向に測定した山部の最大高さH1から5番目の高さH5までを求め、その平均値を計算した。また、前記直線γから谷部の最深高さh1から5番目の高さh5までを求めてその平均値を計算した。これらの平均値の差をμmで表したものを凹凸係数Rzとしており、次式
Figure 0004361663
により算出される。
【0064】
<実施例1>
張力変動手段を備えたプリプレグ製造装置を用いて、1m幅あたり100本の強化繊維束を平行に引き揃えて走行させた。なお、強化繊維束には三菱レイヨン株式会社製の炭素繊維(HR40 12M)を使用した。更に、前記張力変動手段の強化繊維束への接触部分の速度Vrと強化繊維束の走行速度Vの割合の絶対値|Vr /V|=1.0となるように調整した。また、前記張力変動手段を通過した直後で張力計により張力を測定したところ、その測定値は1000フィラメント当たり0〜40gの範囲で変動していた。張力変動手段を通過した後の強化繊維束の開繊状態を観察したところ、毛羽の発生は見られず均一に開繊されており、また、強化繊維束1本当たりの開繊幅も10mmと薄く広幅に開繊されており、良好な開繊状態が得られた。
【0065】
<実施例2>
張力変動手段の強化繊維束への接触部分の速度Vrと強化繊維束の走行速度Vの割合の絶対値が|Vr /V|=0.8になるように設定した以外は、実施例1と同様な方法で、強化繊維束の開繊を行った。張力変動手段を通過した直後の張力測定値は1000フィラメント当たり0〜60gであった。張力変動手段を通過した後の強化繊維束の開繊状態は、毛羽の発生も見られず、1の繊維束当たりの開繊幅は10mmで、均一で良好な開繊状態が得られた。
【0066】
<実施例3>
図1に示すプリプレグ製造装置を使用して強化繊維束の開繊及びプリプレグの製造を行った。
前記張力変動手段5は、円盤5aの直径を200mmとし、回転軸5bから80mmの位置に、直径16mmの表面が#400の梨地処理及びクロムメッキが施されたフリーロール5cを4本、互いに90°ずつ変位させて、前記回転軸5bを中心とする直径160mmの円周上に等間隔に設置した。前記張力変動手段5の前記回転軸5bの回転数を50回/ 分、張力変動を3回/sとして強化繊維束の進行方向に回転させた。また、開繊手段6としては、無振動バー6aと直径20mmの振動バー6bとをそれぞれ3本ずつ交互にジグザグ状に配した。このとき、前記振動バー6bに対する強化繊維束の接触角度θが150°となるよう強化繊維束を巻きつけ、且つ、各バー6a,6b間のバーに接触していない強化繊維束の距離が20mmとなるようにそれらバー6a,6bを配置した。振動バー6bを振幅が0.8mm、周波数が30Hzで振動させた。このときのフリーロール5cの速度Vr と強化繊維束の走行速度Vとの比の絶対値は|Vr /V|=1.0であった。また、前記張力変動手段5を通過した直後の前記強化繊維束の張力を張力計により測定したところ、1000フィラメント当たり0〜40gの範囲で変動していた。
【0067】
強化繊維束としては、一方向に引き揃えた三菱レイヨン株式会社製の炭素繊維「HR40 3M」を200本使用した。
また、マトリックス樹脂としては、油化シェルエポキシ株式会社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート828」(エポキシ当量:184〜194、常温で液状) 45重量部、油化シェルエポキシ株式会社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート1002」(エポキシ当量:600〜700、常温で固体状) 35重量部、大日本インキ化学工業株式会社製のフェノールノボラック型エポキシ樹脂「エピクロンN775」(軟化点70〜80℃) 30重量部を予め溶解させて均一な混合樹脂を製造した後、油化シェルエポキシ株式会社製のジシアンジアミド「エピキュアDICY7(分子量:84)6重量部と、保土谷化学工業株式会社製「DCMU−99」(分子量:233) 4重量部とを混錬してプリプレグ用の一液硬化型エポキシ樹脂組成物を調製したものを用いた。また、このエポキシ樹脂組成物はロールコーターを用いて離型紙上に塗布して樹脂フィルムを作製して、前記炭素繊維に付与された。
【0068】
前記樹脂フィルムを付与した後、温度を60℃、線圧を20kg/cmに設定したニップロール8b間を2m/sで走行させて、炭素繊維目付が30g/m2 、RCが33%のプリプレグを製造した。
【0069】
得られたプリプレグはその表面に目開きがなく、毛羽の付着もない良好なものであった。更に、得られたプリプレグの表面粗さを上述した評価方法により測定したところ、各箇所での凹凸係数Rzは、範囲AでRz(A) =6.0、範囲BでRz(B) =5.5、範囲CでRz(C) =6.0と、いずれの範囲においてもその数値は小さく、表面の凹凸が少ない平滑面となっていた。
【0070】
<比較例1>
張力変動手段の強化繊維束との接触部分の速度Vrと強化繊維束の走行速度Vの割合の絶対値が|Vr /V|=0.2になるように設定した以外は実施例1と同様の方法で、実施例1と同一の強化繊維束を開繊した。張力変動手段を通過した直後の張力を測定したところ、1000フィラメント当たり0〜200gの範囲で変動していた。張力変動手段を通過した後の強化繊維束の開繊状態は、毛羽の発生が認められ、所々に毛羽の発生による不均一な開繊部分が見られた。
【0071】
<比較例2>
張力変動手段の強化繊維束との接触部分の速度Vrと強化繊維束の走行速度Vの割合の絶対値が|Vr /V|=1.6になるように設定した以外は実施例1と同様の方法で、実施例1と同一の強化繊維束を開繊した。張力変動手段を通過した直後の張力を測定したところ、1000フィラメント当たり0〜100gの範囲で変動していた。張力変動手段を通過した後の強化繊維束の開繊状態は、毛羽の発生が見られ、所々に毛羽の発生による不均一な開繊部分が見られた。
【0072】
<比較例3>
図1に示すプリプレグ製造装置において、張力変動手段5のフリーロール5cを強制駆動ロールに付け替え、|Vr /V|=0.3に調整した以外は実施例3と同様に、プリプレグを製造した。
その結果プリプレグの表面には毛羽が見られ、細かいスプリットが見られた。更に、得られたプリプレグの表面粗さを上述した評価方法により測定したところ、各箇所での凹凸係数Rzは、範囲AでRz(A) =25、範囲BでRz(B) =25、範囲CでRz(C) =24と、いずれの範囲においてもその数値は極めて大きく、表面は凹凸が大きく不均一な粗い面となっていた。
【0073】
<比較例4>
図1に示すプリプレグ製造装置において、張力変動手段5による周期的な張力変動を0.1回/sとした以外は実施例1と同様に、プリプレグを製造した。 その結果、プリプレグ表面には目開きが発生した。また、このプリプレグの表面の粗さを上述した評価方法により測定したところ、各箇所での凹凸係数Rzは、範囲AでRz(A) =21、範囲BでRz(B) =22、範囲CでRz(C) =23と、いずれの範囲においてもその数値は極めて大きく、表面は凹凸が大きく不均一な粗い面となっていた。
【0074】
<比較例5>
図1に示すプリプレグ製造装置において、張力変動手段5の4本のフリーロール5cを、回転軸5bを中心にして直径50mmの円周上に等間隔に設置した以外は実施例1と同様に、プリプレグを製造した。
その結果、プリプレグの製造時に強化繊維束の最大張力が400gと大きくなり、開繊が不十分でプリプレグの表面にスプリットも現れていた。また、得られたプリプレグの表面粗さを上述した評価方法により測定したところ、各箇所での凹凸係数Rzは、範囲AでRz(A) =35、範囲BでRz(B) =28、範囲CでRz(C) =33であり、いずれの範囲においてもその数値は極めて大きく、表面は凹凸が大きく極めて粗い面となっていた。
【0075】
以上、説明したように、本発明の強化繊維束の開繊方法によると、強化繊維束自体が交絡されていたり、或いは撚りが残っている場合でも、毛羽が殆ど発生することなく、均一に開繊させることができる。更に、本発明のプリプレグの製造方法によれば、薄くて均一な厚みをもつ表面が極めて平滑なプリプレグを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の強化繊維束の開繊方法及びプリプレグの製造方法を実施するための好適なプリプレグ製造装置を概略的に示す図である。
【図2】張力変動手段の斜視図である。
【図3】プリプレグの表面粗さの測定範囲を説明する図である。
【図4】表面粗さの測定結果の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 強化繊維束ボビンのクリール1
2 テンションバー
3a,3b コーム
4a,4b 水平バー
5 張力変動手段
5a 円盤
5b 回転軸
5c フリーロール
6 張力変動手段
6a 無振動バー
6b 振動バー
6c 振動発生装置
7 樹脂供給部
7a 樹脂フィルムのロール
7b プレニップロール
8 樹脂含浸部
8a ケーシング
8b ニップロール
9 巻き取りロール
F 強化繊維束
R 樹脂フィルム
P プリプレグ

Claims (4)

  1. 連続して走行する強化繊維束に張力変動手段によって周期的な張力変動を付与しながら開繊する強化繊維束の開繊方法であって、
    前記周期的な張力変動の付与として、張力変動手段が、前記強化繊維束に対して間欠的に張力を付与し、
    前記張力変動手段における、前記強化繊維束に対して張力を付与するときの前記強化繊維束との接触部分の速度Vrと、前記強化繊維束の走行速度Vとの割合の絶対値|Vr/V|が0.6〜1.4であることを特徴とする強化繊維束の開繊方法。
  2. 前記張力変動手段はフリーロールを備え、同フリーロールを前記強化繊維束に対して間欠的に押さえつけることによって張力変動を付与することを特徴とする請求項1記載の強化繊維束の開繊方法。
  3. 請求項1または2に記載の強化繊維束の開繊方法により強化繊維束をシート状に開繊した後、樹脂を含浸させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  4. 前記強化繊維束に樹脂を付与した後、ニップロールで加圧することを特徴とする請求項記載のプリプレグの製造方法。
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