JP4361198B2 - 書換可能な光学式記録媒体、その製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は書換可能な光学式記録媒体並びにその製造方法及び製造装置、特に、ユーザによる記録が可能な書換可能な光学式記録媒体であって、データの不正な記録再生を不可能とする光学式記録媒体並びにその製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来技術】
現在、光学式記録媒体として、ユーザによる記録が可能で、数ギガバイト(Gbyte)の記録容量を有する追記型のDVD−R(Digital Versatile Disc - Recordable)の製品化、及び書換可能なDVD−RW(DVD - Re-recordable)の開発が行われている。また、このような大容量のデジタル光学式記録媒体及び記録再生装置の著しい性能向上により、高品質でほとんど劣化のない大容量の複製を行うことが可能となっている。
【0003】
図1は、記録がなされたDVD−ROM(DVD - Read Only Memory)の、記録面半径方向の物理セクタのレイアウトを示す図である。情報データを記録する情報エリアには、情報エリアの開始点(物理セクタの開始点)から半径方向外向きにリードインエリア、データエリア、及びリードアウトエリアが順に構成されている。
【0004】
図2に示すように、リードインエリアには参照コード、再生制御データ信号を構成するコントロールデータ等、ディスクの再生のためのデータが含まれている。コントロールデータ領域は、192個のECC(Error Correction Code)ブロックから構成される。図2において、コントロールデータ領域内のECCブロックの構成が0から15の相対セクタ番号を用いて示されている。これらECCブロックの各々の内容は全て同一のコントロールデータである。すなわち、同一内容のコントロールデータが192個連続して繰り返し記録されている。また、ECCブロックは16セクタからなり、各ECCブロックには、物理フォーマット情報、ディスク製造情報、及びコンテンツプロバイダ情報等、コピープロテクションに関係する重要な情報が記録される。従って、情報データの記録時には、これらの再生に関するコントロールデータがリードインエリアのコントロールデータ領域に記録され、このディスクの再生時には、再生装置がこれらのデータを読み取り、読み取った情報に基づいて映像データ等の記録情報データの再生を実行することによってディスクの再生がなされる。
【0005】
しかしながら、かかるDVD−ROMディスクのデータを書換可能なDVD−RWディスクにRFコピー(読み取り信号(RF信号)を信号処理することなく、そのまま記録回路に入れて記録)すると、コントロールデータの違法な改変をなすことによって、当該DVD−ROMディスクと区別のつかない違法なDVD−RWディスク、すなわちDVD−ROMディスクのデッドコピーを作製することが可能になる。このように、DVD−RWディスクを用いれば容易に高品質で大容量の複製が可能であるため、映像・音声データやコンピュータプログラム等の記録情報データの不正な、又は違法なコピーを防ぐコピープロテクション技術の開発が重要な課題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、情報データの不正な記録再生を不可能とする書換可能な光学式記録媒体並びにその製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による光学式記録媒体は、ランドトラック及びデータ信号を記録するためのグルーブトラックが交互に形成された書換可能な光学式記録媒体であって、グルーブトラックは、グルーブ非形成部によって光学式記録媒体の回転方向において分断された複数のグルーブ部が形成された分断グルーブ領域と、分断グルーブ領域におけるグルーブ幅よりも小なるグルーブ幅のグルーブが連続的に形成された非分断グルーブ領域と、を有することを特徴としている。
【0008】
本発明による光学式記録媒体において、上記グルーブ幅は、グルーブトラックのトラックピッチの1/2よりも小なることを他の特徴としている。
本発明による光学式記録媒体の他の特徴として、分断グルーブ領域におけるグルーブ部の幅は、分断グルーブ領域からの読取信号レベルが最大となるように定められている。
【0009】
また、本発明による光学式記録媒体の他の特徴として、グルーブトラックの分断周波数帯域は、少なくとも光学式記録媒体に記録するデータ信号の周波数帯域の一部を含んでいる。
また、本発明による光学式記録媒体の他の特徴として、分断グルーブ領域は、再生制御データ信号を記録する制御データ記録領域である。
【0010】
本発明による光学式記録媒体の製造方法は、ランドトラック及びデータ信号を記録するためのグルーブトラックを備える書換可能な光学式記録媒体の製造方法であって、 光ビームを光ディスク原盤に照射することによりグルーブトラックを形成するステップを有し、グルーブトラックを形成するステップは、光学式記録媒体の第1領域において、複数のグルーブ部を光学式記録媒体の回転方向に断続的に形成するステップと、光学式記録媒体の第2領域において第1領域におけるグルーブ幅よりも小なるグルーブ幅のグルーブを連続的に形成するステップと、を含むことを特徴としている。
【0011】
本発明による光学式記録媒体の製造装置は、ランドトラック及びデータ信号を記録するためのグルーブトラックを備える書換可能な光学式記録媒体の製造装置であって、光ビームを光ディスク原盤に照射することによりグルーブトラックを形成する手段を有し、グルーブトラックを形成する手段は、光学式記録媒体の第1領域において、複数のグルーブ部を光学式記録媒体の回転方向に断続的に形成する手段と、光学式記録媒体の第2領域において第1領域におけるグルーブ幅よりも小なるグルーブ幅のグルーブを連続的に形成する手段と、を含むことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図3は、従来のDVD−RWディスクの記録面の構造を模式的に示す斜視図である。
図3において、光ディスク(DVD−RW)11はデータ記録層として相変化材料(例えば、GeSbTe等)からなる記録層及びこれを挟むガラス質(ZnS-SiO2)の保護層から構成されるマルチ層15を備えた情報データの書き換え可能な相変化型光ディスクであり、情報記録トラックとしてのグルーブトラック12と当該グルーブトラック12に再生光又は記録光としてのレーザビーム等の光ビーム(B)を誘導するためのガイドトラックとしてのランドトラック13が形成されている。また、記録されたデータを再生する際に光ビーム(B)を反射するための反射層16、及びこれらを透明基板(ポリカーボネート)18に接着するための接着層19を備えている。更に、光ビーム(B)の入射面側にはそれらを保護するための透明基板(ポリカーボネート)17が設けられている。ランドトラック13には、プリ情報(事前記録情報)に対応するプリピット14が形成されている。このプリピット14は、情報記録再生装置が記録再生時に用いるプリ情報、すなわち、グルーブトラック12上の位置を認識する為のアドレス、並びに同期情報を担い、光ディスク11を出荷する前に予め形成されているものである。
【0013】
更に、光ディスク11において、グルーブトラック12はディスク回転速度に対応する周波数でウォブリングされている。このウォブリングされたグルーブトラック12は、上記プリピット14と同様に、光ディスク11を出荷する前に予め形成されるものである。また、従来の光ディスク11において、グルーブトラック12は、所定のグルーブ幅及びグルーブ深さを有し、所定のトラックピッチで形成されている。
【0014】
光ディスク11に記録情報データ(プリ情報以外の本来記録するべき画像情報等の情報データをいう。以下同じ)を記録する際には、情報記録装置においてこのグルーブトラック12のウォブリング周波数を抽出することにより光ディスク11を所定の回転速度で回転制御すると共に、プリピット14を検出することにより予めプリ情報を取得し、それに基づいて記録光としての光ビーム(B)の最適出力等が設定されると共に、記録情報データを記録すべき光ディスク11上の位置を示すアドレス情報等が取得され、このアドレス情報に基づいて記録情報データが対応する記録位置に記録される。
【0015】
ここで、記録情報データの記録時には、光ビーム(B)をその中心がグルーブトラック12の中心と一致するように照射してグルーブトラック12上に記録情報データに対応する記録情報ピットを形成することにより、記録情報データを記録する。この時、光スポット(SP)の大きさは、図3に示すように、その一部がグルーブトラック12だけではなくランドトラック13にも照射されるように設定される。
【0016】
ランドトラック13に照射された光スポット(SP)の一部の反射光を用い、例えば、プッシュプル法(グルーブトラック12の接線方向、すなわち、光ディスク11の回転方向に平行な分割線により分割された光検出器を用いたプッシュプル法(以下、ラジアルプッシュプル方式という))により、プリピット14からプリ情報を検出して当該プリ情報が取得されると共にグルーブトラック12からウォブル信号を抽出してディスクの回転に同期した記録用クロック信号が取得される。
【0017】
上記光ディスク11に記録される記録情報データは、予め情報単位としてのシンクフレーム毎に分割されている。そして、26のシンクフレームにより1のレコーディングセクタが形成され、更に、16のレコーディングセクタにより1のECCブロックが形成される。なお、1のシンクフレームは、上記記録情報データを記録する際の記録フォーマットにより規定されるチャネルビット長(以下、Tという)の1488倍(1488T)の長さを有しており、更に、1のシンクフレームの先頭の32Tの長さの部分はシンクフレーム毎の同期をとるための同期情報SYとして用いられる。
【0018】
グルーブトラック12は、全てのシンクフレームに亘って一定ウォブリング周波数f0(例えば、140kHz)でウォブリングされている。そして、情報記録再生装置において、この一定のウォブリング周波数f0を抽出することで、スピンドルモータの回転制御のための信号が検出されると共に、記録用クロック信号が生成される。
【0019】
次に、図4及び図5を参照し本発明の第1の実施例について詳細に説明する。
図4は、DVD−RWディスクのリードインエリアの詳細を示している。リードインエリアには、参照コード、コントロールデータ等のデータが含まれている。また、RW物理フォーマット情報ゾーン(RW - Physical Format Information Zone)が設けられており、ディスクの記録再生制御のための重要なコントロールデータが相変化ピットにより書き込まれている。一方、上述したDVD−ROMにおけるコントロールデータ領域と同アドレスに位置するコントロールデータゾーンは、この領域へのコントロールデータの記録再生を禁止するため、そのグルーブトラックが分断形成されている。
【0020】
図5は、本発明の第1の実施例であるDVD−RWディスクのバッファーゾーン1とコントロールデータゾーンの境界領域を模式的に示す平面図である。コントロールデータゾーンは、グルーブ非形成部(以下、ミラー部と称する)25によって光ディスク11の回転方向において分断された複数のグルーブ部22Aが形成された分断グルーブトラック12Aからなる分断グルーブ領域21A(第1領域)とされており、バッファーゾーン、データエリア等、他の領域(第2領域)は、グルーブが連続的に形成された非分断グルーブトラック12Bからなる非分断グルーブ領域21Bとされている。
【0021】
より詳細には、分断グルーブトラック12A、非分断グルーブトラック12Bは、所定のトラックピッチで交互に配して形成されている。分断グルーブトラック12Aの各グルーブ部22Aは、マーク部(又はスペース部)を担う基本ピット部23、及び基本ピット部23に連続的にグルーブが形成された所定長の延長部24からなる。すなわち、マーク部(又はスペース部)を担う基本ピット部23に対して、それぞれスペース部(又はマーク部)には延長部24及びミラー部25(グルーブ非形成部)が含まれている。
【0022】
分断グルーブトラック12Aは、例えば、グルーブカッティング時のカッティング光ビームを8/16変調し、出射パワーのON−OFF制御により作製されている。すなわち、グルーブトラック12Aは、光ディスク記録再生装置によって光ディスクに記録される記録RF信号(8/16変調された後の記録信号)と同じ周波数帯域の信号によって分断された断続的な構造を有する。
【0023】
このような構造を持つ断続的なグルーブトラックに8/16変調されたコントロールデータを記録したとしても、分断グルーブトラック12Aから再生したRF信号は振幅が小さくなり読み取ることができない。これは、グルーブトラック自体の断続(ON−OFF)によって生じるRF信号の周波数帯域が記録されたRF信号と同等の周波数帯域であるために互いに干渉し合うためである。
【0024】
本実施例においては、基本ピット部23は、後述される製造装置における8/16変調信号S2のマーク(又はスペース)に対応するピット長を有している。変調方法として、例えば、8ビットのデータを16チャネルビットのデータに変換する8/16変調を用いた場合では、基本ピット部23の最小ピット長は3Tであり、最大ピット長は11Tである。ここで、Tはチャネルビット長である。また、同期パターンとして、例えば、長さが14Tのピットを用いた場合では、最大のピット長は14Tとなる。
【0025】
延長部24は、後述される延長信号S3に基づく3T×0.73の長さを有する。また、分断グルーブトラック12Aにおける各グルーブ部22Aの幅W1(本実施例においては、0.31μm)は、非分断グルーブトラック12Bのグルーブ幅W2(0.26μm)よりも大きく、トラックピッチ(0.74μm)の1/2よりは小さい。
【0026】
上記した各グルーブ幅及びグルーブ長の大きさをどのように設定すべきかについて以下に説明する。なお、本実施例においては、分断グルーブトラック12Aは、全基本ピット部23の分断グルーブトラック12Aにおけるデューティ比が略50%となるように形成されている。
図6は、プッシュプル法における光検出信号レベル(以下、単にプッシュプル信号レベルと称する)を延長部24の長さに対して示したグラフである。本実施例においては、トラッキング制御のためのプッシュプル信号レベルを向上するために、基本ピット部23に延長部24を付加してグルーブ部22Aを構成している。
【0027】
図6に示すように、プッシュプル信号レベルは、延長部24を長くするに従って増大する。しかしながら、グルーブトラックが分断されて形成された場合であっても、同一の不正なコントロールデータを繰り返し記録することによって再生RF信号のレベルが上昇し、記録データの読み出し防止が不完全になる。これを回避するには、延長部24を短くすればよいが、他方、前述のようにプッシュプル信号レベルが減少してトラッキング性能等に悪影響が生じる。このトレードオフは、延長部24の長さに加え、グルーブ部22Aのグルーブ幅を最適化することによって解決することが可能である。
【0028】
図7に示すように、プッシュプル信号レベルはグルーブ幅に応じて変化し、トラックピッチ(0.74μm)の1/2(すなわち、0.37μm)の近傍で最大値を示す。従って、グルーブ幅としては、非分断グルーブトラック12Bのグルーブ幅(0.26μm)以上でトラックピッチ(0.74μm)の1/2以下の範囲で定めればよい。また、延長部24の長さは、上記したグルーブ幅の増大によって補償される信号レベルの増分を考慮し、再生動作に支障の無い信号レベルが得られる長さとなるようにすればよい。
【0029】
図8は、グルーブ幅に対するRF信号レベル、すなわち、グルーブトラックの断続によって生じるRF信号レベルを示している。なお、この計算においては、基本ピット部は8/16変調によるデータであり、延長部24は3T×0.73の長さを有することを仮定している。
分断グルーブトラックにより生じるRF信号レベルは、トラックピッチ(0.74μm)の1/2よりも僅かに小さいグルーブ幅(約0.34μm)において最大値となる。従って、不正な再生を防止するためには、このRF信号レベルが大きくなるようにグルーブ部22Aのグルーブ幅を定めればよい。
【0030】
従って、上記したように、グルーブ部22Aのグルーブ幅、延長部24の長さ及びトラックピッチを定めることによって、プッシュプル信号レベルの低下を回避することができると共に不正な記録再生を防ぐことが可能な光ディスクを実現できる。
なお、基本ピット部23のデューティ比等は光検出信号レベル等を考慮して適宜変更することができる。
【0031】
また、上記実施例においては、グルーブ部22Aに延長部24を付加した場合を例に説明したが、必ずしも延長部24を設ける必要はない。この場合、各グルーブ部のグルーブ幅及び長さは、分断グルーブトラックにおけるグルーブ部のデューティ比に応じて、上記した第1の実施例の場合と同様にして定めることができる。
【0032】
また、上記した実施例において、分断グルーブトラック12Aは光ディスクの記録RF信号と同じ帯域の信号によって分割された場合を例に説明したが、記録RF信号の帯域の一部を含む信号によって分断してもよい。さらに、ランドトラックにはプリピットが構成されていてもよい。
次に、図を参照し本発明の第2の実施例であるDVD−RWディスクの製造装置について詳細に説明する。図9は、この光ディスク原盤の製造装置30の構成を示すブロック図である。
【0033】
DVD−RWディスクの原盤になるガラス基板41A上にはフォトレジスト41Bが塗布され、一般的なフォロリソグラフィ及びエッチング工程によってパターニングがなされる。
光ビームがコントロールデータゾーン(第1領域)にある時、記録信号生成回路31において、分断グルーブトラック12Aを形成するためのダミーのコントロールデータ信号S1が生成される。生成されたダミーデータ信号S1は、8/16変調器32において8/16変調される。延長信号生成回路40においては、この8/16変調信号S2のマーク部を常に3T×0.73延長する延長信号S3が生成される。変調信号S2と延長信号S3は加算回路42により加算され、その加算信号S4はパワー制御回路33に供給される。
【0034】
また、コントローラ34からはグルーブ部の幅を0.31μmとするグルーブ幅制御信号S6がパワー制御回路33に供給される。パワー制御回路33は加算信号S4及びパワー制御信号S6に基づきレーザ光量制御信号S8を生成し、かかる制御信号S8はAO駆動回路39を介してAO変調器38に供給される。従って、AO変調器38は、加算信号S4に基づいてアルゴンレーザ37からのレーザ光ビームを断続させ、またグルーブ幅制御信号S6に基づいて光ビームの光量を調整する。
【0035】
一方、光ビームがコントロールデータゾーン以外の照射領域(第2領域)にある時、コントローラ34からはグルーブの幅を0.26μmとする制御信号S6と光ビームを連続させるための制御信号S7とがパワー制御回路33に供給される。従って、AO変調器38は、加算信号S4に拘わらずアルゴンレーザ37からのレーザ光ビームを通過させ、またグルーブ幅制御信号S6に基づいて光ビームの光量を調整する。
【0036】
一方、ウォブル信号生成回路35は、光ビームの照射領域に拘わらずグルーブトラックにウォブルを形成するための正弦波状のウォブル信号S9を生成してFM変調器36に供給する。供給されたウォブル信号はFM変調器36においてFM変調され、所定のFM変調信号S10(例えば、中心周波数が140MHzで139〜141MHzの間で変化する信号)が生成される。
【0037】
FM変調信号S10はAO駆動回路39を介してAO変調器38に供給され、AO変調器38は当該FM変調信号に基づいてアルゴンレーザ37からのレーザ光ビームの射出方向を制御する。前述のように、AO変調器38に供給されるレーザ光ビームは制御信号S8によってパワー制御されているので、AO変調器38からのレーザ光ビームによってフォトレジスト41Bを露光することによって、ウォブルを形成しつつグルーブ幅0.31μmの分断グルーブトラック12A及びウォブルを形成しつつグルーブ幅0.26μmの非分断グルーブトラック12Bを形成するためのレジストパターンを形成することができる。レジストパターンが形成された原盤ガラス基板41をエッチングすることによって分断グルーブトラック及び非分断グルーブトラックを有する光ディスク用の原盤を作製することができる。この原盤を用いて上記した光記録媒体を製造することができる。
【0038】
上記した実施例において示した数値等は例示であり、光記録媒体の種類、用いられる光ピックアップ光源の波長及び光学系等に応じて適宜改変することができる。
【0039】
【発明の効果】
上記したことから明らかなように、本発明によれば、データの不正な記録再生を不可能とする光学式記録媒体並びにその製造方法及び製造装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録済みDVD−ROMの、記録面半径方向の物理セクタのレイアウトを示す図である。
【図2】リードインエリアの構成及びコントロールデータ領域の詳細な構成を示す図である。
【図3】DVD−RWディスクの記録面の構造を模式的に示す斜視図である。
【図4】DVD−RWディスクのリードインエリアの詳細な構成を示図である。
【図5】本発明の第1の実施例であるDVD−RWディスクのバッファーゾーン1とコントロールデータゾーンの境界領域を模式的に示す平面図である。
【図6】プッシュプル信号レベルを延長部の長さに対して示したグラフである。
【図7】プッシュプル信号レベルをグルーブ幅に対して示したグラフである。
【図8】グルーブトラックの断続によって生じるRF信号レベルをグルーブ幅に対して示したグラフである。
【図9】光ディスク原盤製造装置の構成を示すブロック図である。
【主要部分の符号の説明】
11 DVD−RW
12 グルーブトラック
12A 分断グルーブトラック
12B 非分断グルーブトラック
13 ランドトラック
14 プリピット
15 マルチ層
16 反射層
17、18 透明基板
21A 分断グルーブ領域
22A グルーブ部
23 基本ピット部
24 延長部
25 ミラー部
30 光ディスク原盤製造装置
31 記録信号生成回路
32 8/16変調器
33 パワー制御回路
34 コントローラ
35 ウォブル信号生成回路
36 FM変調器
38 AO変調器
39 AO駆動回路
40 延長信号生成回路
41 ディスク原盤
42 加算回路
Claims (7)
- ランドトラック及びデータ信号を記録するためのグルーブトラックが交互に形成されるとともに、データを記録するためのデータ領域及び制御データを記録するための制御データ領域を有する書換可能な光学式記録媒体であって、
前記データ領域は、グルーブが連続的に形成された非分断グルーブ領域を含み、
前記制御データ領域は、前記非分断グルーブ領域におけるグルーブ幅よりも大なるグルーブ幅を有し、グルーブ非形成部によって前記光学式記録媒体の回転方向において分断された複数のグルーブ部が形成された分断グルーブ領域を有し、前記複数のグルーブ部は前記光学式記録媒体に記録するデータ信号の周波数帯域の一部を含む信号に対応して形成されていることを特徴とする光学式記録媒体。 - 前記分断グルーブ領域におけるグルーブ部の幅は、前記非分断グルーブ領域におけるトラックピッチの1/2よりも小なることを特徴とする請求項1記載の光学式記録媒体。
- 前記分断グルーブ領域におけるグルーブ部の幅は、前記分断グルーブ領域からの読取信号レベルが最大となるように定められたことを特徴とする請求項1記載の光学式記録媒体。
- ランドトラック及びデータ信号を記録するためのグルーブトラックを備えるとともに、データを記録するためのデータ領域及び制御データを記録するための制御データ領域を有する書換可能な光学式記録媒体の製造方法であって、
光ビームを光ディスク原盤に照射することにより前記グルーブトラックを形成するステップを有し、
前記グルーブトラックを形成するステップは、前記データ領域においてグルーブを連続的に形成するステップと、前記制御データ領域において前記データにおけるグルーブ幅よりも大なるグルーブ幅を有し、グルーブ非形成部によって前記光学式記録媒体の回転方向において分断された複数のグルーブ部を形成するステップと、を含み、前記複数のグルーブ部は前記光学式記録媒体に記録するデータ信号の周波数帯域の一部を含む信号に対応して形成されることを特徴とする製造方法。 - 前記制御データ領域におけるグルーブ部の幅は、前記データ領域におけるトラックピッチの1/2よりも小なることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
- 前記制御データ領域におけるグルーブ部の幅は、前記制御データ領域からの読取信号レベルが最大となるように定められたことを特徴とする請求項4記載の製造方法。
- ランドトラック及びデータ信号を記録するためのグルーブトラックを備えるとともに、データを記録するためのデータ領域及び制御データを記録するための制御データ領域を有する書換可能な光学式記録媒体の製造装置であって、
光ビームを光ディスク原盤に照射することにより前記グルーブトラックを形成する手段を有し、
前記グルーブトラックを形成する手段は、前記データ領域においてグルーブを連続的に形成する手段と、前記制御データ領域において前記データにおけるグルーブ幅よりも大なるグルーブ幅を有し、グルーブ非形成部によって前記光学式記録媒体の回転方向において分断された複数のグルーブ部を形成する手段と、を含み、前記複数のグルーブ部は前記光学式記録媒体に記録するデータ信号の周波数帯域の一部を含む信号に対応して形成されていることを特徴とする製造装置。
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