JP4359888B2 - 磁粉液調製用液状分散剤 - Google Patents

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Description

本発明は、湿式磁粉探傷試験方法に用いられる磁粉液の調製に適した磁粉液調製用液状分散剤に関するものである。
周知のとおり、鉄鋼材製造工場においては角ビレットや丸ビレットなどの鋼材を被検査物として、また、自動車製造工場においてはナックルアームやシャフトなどの鋼材部品を被検査物として、その表面欠陥部の探傷に、JIS G 0565−1992「鉄鋼材の磁粉探傷試験方法及び磁粉模様の分類」に規格化されている「湿式磁粉探傷試験方法」が汎用されている。
前記湿式磁粉探傷試験方法は、通常、水1l当り蛍光磁粉又は非蛍光磁粉0.2〜2.0gを分散させた磁粉液を被検査物表面に接触させることによって実施されているが、当該磁粉液の調製に当っては、界面活性剤が配合された磁粉液調製用分散剤が必ず使用されている。
現在、市販されている磁粉液調製用液状分散剤の代表的処方は、水70〜98重量%にHLBが8〜14の範囲内にあるポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル型ノニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエステル型ノニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアミン型ノニオン系界面活性剤及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型ノニオン系界面活性剤から選ばれる1又は2以上のノニオン系界面活性剤2〜30重量%を溶解又は分散させたものを基本処方とし、被検査物(鋼材)に対する防錆効果を付与する目的で亜硝酸ナトリウムやトリエタノールアミンなどの市販防錆剤が適量配合されており、また、通常、被検査物表面に磁粉液を付着させるに当っては、磁粉液をタンク中で撹拌しながらポンプにて所定の散布場所に運んで被検査物表面に散布し、散布された磁粉液を当該タンクに回収し、回収された磁粉液を再びタンクよりポンプにて当該散布場所に運んで散布するという循環を繰返す態様が採られているので、使用中の磁粉は泡立ち易い状態にあり、泡立ちを起すと探傷に支障が生じると共にタンクより泡が溢れてしまうため、磁粉液に対する消泡効果を付与する目的でシリコン消泡剤KS530(商品名・信越化学株式会社製)やシリコン消泡剤KM−75(商品名・信越化学株式会社製)などの市販シリコーン消泡剤が適量配合されている。
なお、前記防錆剤及び/又は消泡剤が配合された処方では、その配合量に見合う量の水が減量されている。
また、磁粉液調製用液状分散剤の改良処方も種々提案されており、後出特許文献1には、水、ノニオン系界面活性剤、シリコーン消泡剤、防錆剤及びセッケン(高級脂肪酸)からなる処方が、また、後出特許文献2には、水、ノニオン系界面活性剤、シリコーン消泡剤、セッケン及びアルコールからなる処方が、それぞれ開示されている。
なお、後出特許文献1に開示されている処方は、シリコーン消泡剤による消泡効果に加えてより一層強力な消泡効果を得る目的でセッケンが配合されているものであり、磁粉液の液温度が常温(20〜30℃)である場合にはシリコーン消泡剤の単独配合によって実用上充分な消泡効果が得られるのに対して液温が40℃を越えるとシリコーン消泡剤単独では消泡効果が得られなくなるが、セッケンを併用配合することによって液温が40〜50℃であっても実用上充分な消泡効果が得られる。また、後出特許文献2に開示されている処方は、セッケンなどの高級脂肪酸はクラフト点が高いため、セッケンを配合した磁粉液調製用液状分散剤はその粘度が高くなり易く、特に、保存時に粘度上昇が起き易いので、保存時の粘度上昇を抑制する目的でアルコールが配合されているものであり、アルコールを配合しない処方の場合には製造時から3ヶ月後にはプリン状物となってしまうが、アルコールを配合した処方の場合には製造時から12ヶ月後においても液状を保っている。
前記の市販磁粉液調製用液状分散剤や後出特許文献1及び2に開示されている磁粉液調製用液状分散剤は、いずれも、例えば、水1l当り蛍光磁粉0.2〜2.0gを分散させた磁粉液を調製する場合には、水1l当りの磁粉液調製用液状分散剤濃度が1〜3%となるように添加して使用されている。これは、水1l当りに0.2〜2.0gの蛍光磁粉を充分に分散させることができる分散性を得、かつ、当該磁粉液を被検査物表面に接触させたときに該表面を均一に濡すことができる濡れ性を得るためには、少なくとも、水1l当りの磁粉液調製用液状分散剤濃度が1%以上であることを必要とし、一方、水1l当りの磁粉液調製用液状分散剤濃度を3%以上としても分散性並びに濡れ性の顕著な向上が認められないからである。
特公平2−52987号公報: 特公平4−26057号公報:
先ず、本発明が解決しようとする第1の技術的課題は、次のとおりである。
すなわち、磁粉液調製用液状分散剤を用いて磁粉液を調製するに当り、通常採られている態様は、先ず、所定量の液状分散剤と所定量の蛍光磁粉とをよく混和して液状の混和物とし、次いで、この混和物を所定量の水に投入し、撹拌して所要の磁粉液を得るという態様であり、当該態様が採られているのは、液状分散剤を蛍光磁粉の一粒、一粒に付着させることによって該分散剤の性能を充分に発揮させることができるからである。
ところが、磁粉液調製用液状分散剤の粘度が高い場合には、所定量の液状分散剤と所定量の蛍光磁粉とを混和する際に団子状となってしまうため、液状分散剤を蛍光磁粉の一粒、一粒に付着させることが困難となり、作業性も著しく悪くなるのである。
磁粉液調製用液状分散剤の初期粘度は処方中に配合される高級脂肪酸の量に比例して高くなり、配合量を増加して行くと、やがてゲル化又は固化する。また、水にゲル化又は固化しない程度の量の高級脂肪酸を配合した場合にも、ノニオン系界面活性剤や防錆剤を配合すると溶解力が低下して粘度が上昇し、ゲル化又は固化を引き起してしまう。
もっとも、処方中に高級脂肪酸が配合されている場合にも、ノニオン系界面活性剤の配合量を少なくすれば初期粘度を低くすることができる(特許文献1及び2においては、ノニオン系界面活性剤2〜6%とされている)。
しかしながら、磁粉液を調製するとき、ノニオン系界面活性剤の配合量(濃度)少ない(低い)磁粉液調製用液状分散剤を用いる場合には、ノニオン系界面活性剤の配合量(濃度)が多い(高い)磁粉液調製用液状分散剤を用いる場合と比較してその使用量が多くなり、後述する「製品の嵩と重量の問題」が発生することになる。
そこで、本発明は、特許文献1及び2に開示されている処方中にセッケン(高級脂肪酸)が配合された磁粉液調製用液状分散剤の初期粘度(製造時点における粘度)を、ノニオン系界面活性剤の配合量を減じることなく可及的に低下させ、ゲル化又は固化を引き起こすことがない磁粉液調製用液状分散剤を提供することを、第1の技術的課題とするものである。
次に、本発明が解決しようとする第2の技術的課題は、次のとおりである。
すなわち、前記の市販磁粉液調製用液状分散剤や特許文献1及び2に開示されている磁粉液調製用液状分散剤に用いられているHLBが8〜14の範囲内にある前記各ノニオン系界面活性剤は液状物であって、水に溶解又は分散させることが非常に厄介なものである。詳言すれば、HLB8〜14のノニオン系界面活性剤(液状物)の一定量を一定量の水に溶解又は分散させて希釈しようとするとき、当該活性剤の一定量(例えば2g)に一定量(例えば98cc)の水を一時に注入した場合には、いくら撹拌してもゲル状となり、いつまでも粘度が下らず、一方、当該活性剤の一定量(例えば2g)に一定量(例えば98cc)の水を少量(例えば10cc)ずつ撹拌しながら添加して行った場合には、初めは粘度が上昇して乳白色分散液状又はゼリー状となるが、ある時点を通過すると粘度が下って半透明分散液又は透明溶液となる。なお、当該活性剤のHLBの数字が低いと乳白色分散液状になり、HLBの数字が高いとゼリー状になる。従って、湿式磁粉探傷試験方法の実施現場において、水にHLB8〜14のノニオン系界面活性剤を溶解又は分散させて磁粉液調製用液状分散剤を調製することは殆んど不可能であり、磁粉液調製用液状分散剤のメーカー側においてあらかじめ透明溶液又は半透明分散液を調製し、18l缶(石油缶)に充填(風袋込み重量:約20kg)した形態でユーザーに納品されているが、保管や輸送に当って、その嵩と重量が問題となっている(因みに、ユーザーである鉄鋼材製造工場や自動車製造工場への納品は一回当り18l缶を50〜60ヶの単位で行われているのが現状である)。
そこで、本発明は、特許文献1及び2に開示されている処方中にセッケン(高級脂肪酸)が配合された磁粉液調製用液状分散剤に配合されノニオン系界面活性剤の配合量(濃度)を可及的に多く(高く)して、換言すれば、処方中の水の配合量を可及的に少なくして、従来品に比べて製品の嵩と重量が小さい磁粉液調製用液状分散剤を提供することを、第2の技術的課題とするものである。
本発明者は、前記各技術的課題を達成すべく、処方中に高級脂肪酸が配合された磁粉液調製用液状分散剤の初期粘度を低下させ、ゲル化又は固化の発生を抑制することができる添加物を求めて数多くの物質について試行錯誤的な試製・実験を繰返した結果、ターシャリーブチル安息香酸塩を配合する場合には、処方中の高級脂肪酸に起因する初期粘度を低下させ、ゲル化又は固化の発生を抑制できるという刮目すべき新知見を得、また、ターシャリーブチル安息香酸塩自体が被検査物(鋼材)に対する優れた防錆効果を有しているので、亜硝酸ナトリウムやトリエタノールアミンなどの市販防錆剤の配合が省略でき、省略できた配合量に見合う量だけノニオン系界面活性剤を多く配合することにより、当該課題を達成したのである。
前記各技術的課題は、次のとおりの本発明によって解決できる。
すなわち、本発明は、HLB8〜14の範囲内にあるノニオン系界面活性剤、シリコーン消泡剤、高級脂肪酸、アルコール及び水からなる磁粉液調製用液状分散剤にターシャリーブチル安息香酸塩を配合してなり、粘度が15cP〜65cPの範囲内にあることを特徴とする磁粉液調製用液状分散剤(発明1)である。
また、本発明は、前記発明1において、ターシャリーブチル安息香酸塩がナトリウム塩又はカリウム塩である磁粉液調製用液状分散剤(発明2)である。
また、本発明は、前記発明1又は発明2において、HLB8〜14の範囲内にあるノニオン系界面活性剤の配合割合が少なくとも8重量%であり、水の配合割合が45〜65重量%であり、ターシャリーブチル安息香酸塩の配合割合が10〜25重量%である磁粉液調製用液状分散剤(発明3)である。
本発明の構成をより詳しく述べれば次のとおりである。
先ず、本発明に用いるHLB8〜14の範囲内にあるノニオン系界面活性剤、シリコーン消泡剤、高級脂肪酸及びアルコールとしては、いずれも、前記の市販磁粉液調製用液状分散剤並びに特許文献1及び2に開示されている磁粉液調製用液状分散剤に使用されているものを用いればよい。
なお、HLBの範囲内にあるノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB10.5)が好ましく、シリコーン消泡剤としてはシリコン消泡剤KS530、シリコン消泡剤KS531及びシリコン消泡剤KS537(いずれも、商品名・信越化学株式会社製)が好ましく、高級脂肪酸としては、セッケン(例えば、NSソープ・商品名・花王株式会社製・牛脂肪酸ナトリウム)、パルミチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウムが好ましく、アルコールとしては、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、エタノールが好ましい。水は水道水を用いればよい。
本発明に用いるターシャリーブチル安息香酸塩はそのナトリウム塩及びカリウム塩のいずれであってもよい。
次に、本発明に用いる前記諸材料の配合割合は、HLB8〜14の範囲内にあるノニオン系界面活性剤を少なくとも8重量%を配合すると共に水の配合割合を45〜65重量%とする必要があり、これは使用時における使用量を少なくし、かつ、製品の嵩と重量を小さくするためである。なお、当該ノニオン系界面活性剤の配合割合の上限はターシャリーブチル安息香酸塩の配合割合によって左右されるが通常は約25重量%である。
シリコーン消泡剤の配合割合は3〜6重量%が好ましく、3重量%未満では、所要の消泡効果が得られ難く、高級脂肪酸を併用しているから6重量%を越えて配合する必要はない。
高級脂肪酸の配合割合は5〜15重量%が好ましく、5重量%未満では、磁粉液の液温が約40℃以上の場合に消泡効果が得られ難く、15重量%を越えて配合しても消泡効果の向上は認められない。
アルコールの配合割合は約5重量%程度とすれば、保存時における粘度上昇を充分に抑制することができる。
ターシャリーブチル安息香酸の配合割合は10〜25重量%が好ましく、10重量%未満では、初期粘度を低下させゲル化又は固化の発生を抑制する効果が得られ難く、25重量%を越えて配合しても当該効果の向上は認められない。
次に、本発明に係る磁粉液調製用液状分散剤の構造は、きわめて容易であり、前記各材料を前記各配合割合の範囲内における所要量をそれぞれ秤取し、シリコーン消泡剤以外の各材料をタンクに投入し、液温を約60℃に加温した状態で撹拌した後、液温約25℃まで冷却し、次いで、タンクにシリコーン消泡剤を投入して再び撹拌すれば、乳白色を呈する液状の目的物が得られる。
このようにして得られた目的物の振動式粘度計を用いて測定した初期粘度は15cP〜65cPの範囲内にあり、前記した磁粉液調製の態様における所定量の液状分散剤と所定量の蛍光磁粉とを混和して液状の混和物とする作業を容易かつ効率よく行なうことができる。また、製造時から12ヶ月を経過した時点においても粘度は殆んど上昇せずに液状を保っていてゲル化や固化は発生しない。
本発明によれば、処方中に高級脂肪酸が配合されているにもかかわらず初期粘度が低く、保存中にほとんど粘度上昇しないのでゲル化や固化が発生せず、しかも、処方中のノニオン系界面活性剤の配合量が多くて水の配合量が少ない磁粉液調製用液状分散剤が提供できる。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB10.5)1000g、NSソープ(商品名・花王株式会社製・牛脂肪酸ナトリウム)500g、プロピレングリコール500g、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウム2500g及び水道水5000gをステンレス製タンクに投入し、該タンクを加熱してタンク内の液温を60℃に加温した状態で電動ミキサーを用いて充分撹拌した後、加熱を停止し、液温25℃まで冷却し、次いで、シリコン消泡剤KS530(商品名・信越化学株式会社製)500gを当該タンクに投入して充分撹拌して乳白色を呈する磁粉液調製用液状分散剤約10000g(本発明品A)を得た。ここに得られた本発明品Aの粘度を振動式粘度計(VISCOMATE VM1−A・商品名・山一電気工業株式会社製)を用いて測定したところ18.2cPであった。なお、本発明品Aは製造時から12ヶ月を経過した時点においても液状を保っており、ゲル化や固化は発生しなかった。
本発明品A50mlにスーパーマグナ蛍光磁粉LY−1500(商品名・マークテック株式会社製)10gを加え、よく撹拌して分散させた後、当該分散液を水道水10lに加え撹拌することによって磁粉液Aを調製した。
性能比較試験:比較のため、スーパーマグナ磁粉分散剤(商品名・マークテック株式会社製・液状物)200mlにスーパーマグナ蛍光磁粉LY−1500(同上)10gを加え、よく撹拌して分散させた後、当該分散液を水道水10lに加え撹拌することによって比較用磁粉液を調製した。
ここに調製した磁粉液Aにおける蛍光磁粉の分散状態と比較用磁粉液における蛍光磁粉の分散状態は同等であり、24時間放置後の再分散性も同等であった。
次に、ここに調製した磁粉液Aと比較用磁粉液とを用いて、次のとおりの湿式磁粉探傷試験方法を実施した。
前出JIS規格のA型標準試験片(円形・Al−15/100)を貼り付けた鋼製角形ビレットを用い、これを軸通電法によって磁化し、磁粉液Aと比較用磁粉液とを、それぞれ、前記した散布・回収・散布の循環を繰返す態様により、当該試験片表面に散布した後、暗所において紫外線灯を照射して目視にて観察する。
その結果、両磁粉液は同等の明瞭な欠陥指示模様が観察できることを確認できた。また、鋼製角形ビレットに錆の発生は認められず、両磁粉液は同等の防錆効果を有していることが確認できた。なお、磁粉液Aの液温を約40℃に加温した状態にて循環させたが泡立ちは起こらなかった。
以下に、本発明の実施例と比較例を挙げる。
実施例1:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(HLB10.6)1000g、パルミチン酸カリウム500g、エタノール600g、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウム1000g及び水道水6500gをステンレス製タンクに投入し、該タンクを加熱してタンク内の液温を60℃に加熱した状態で電動ミキサーを用いて充分撹拌した後、加熱を停止し、液温25℃まで冷却し、次いで、シリコン消泡剤KS531(商品名・信越化学株式会社製)400gを当該タンクに投入して充分撹拌して乳白色を呈する磁粉液調製用液状分散剤約10000g(本発明品B)を得た。ここに得た本発明品Bの粘度を振動式粘度計(VISCOMATE VM1−A・商品名・山一電気工業株式会社製)を用いて測定したところ40.2cPであった。なお、本発明品Bは製造時から12ヶ月を経過した時点においても液状を保っており、ゲル化や固化は発生しなかった。
本発明品B50mlにスーパーマグナ蛍光磁粉LY−1500(商品名・マークテック株式会社製)10gを加え、よく撹拌して分散させた後、当該分散液を水道水10lに加え撹拌することによって磁粉液Bを調製した。
実施例2:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(HLB10.6)800g、ミリスチン酸ナトリウム1500g、プロピレングリコール600g、ターシャリーブチル安息香酸カリウム1500g及び水道水5100gをステンレス製タンクに投入し、該タンクを加熱してタンク内の液温を60℃に加熱した状態で電動ミキサーを用いて充分撹拌した後、加熱を停止し、液温25℃まで冷却し、次いで、シリコン消泡剤KS537(商品名・信越化学株式会社製)500gを当該タンクに投入して充分撹拌して乳白色を呈する磁粉液調製用液状分散剤約10000g(本発明品C)を得た。ここに得た本発明品Cの粘度を振動式粘度計(VISCOMATE VM1−A・商品名・山一電気工業株式会社製)を用いて測定したところ62.8cPであった。なお、本発明品Cは製造時から12ヶ月を経過した時点においても液状を保っており、ゲル化や固化は発生しなかった。
本発明品C50mlにスーパーマグナ蛍光磁粉LY−1500(商品名・マークテック株式会社製)10gを加え、よく撹拌して分散させた後、当該分散液を水道水10lに加え撹拌することによって磁粉液Cを調製した。
実施例3:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB10.5)1000g、ミリスチン酸ナトリウム1500g、プロピレングリコール500g、ターシャリーブチル安息香酸カリウム2000g及び水道水4500gをステンレス製タンクに投入し、該タンクを加熱してタンク内の液温を60℃に加熱した状態で電動ミキサーを用いて充分撹拌した後、加熱を停止し、液温25℃まで冷却し、次いで、シリコン消泡剤KS537(商品名・信越化学株式会社製)500gを当該タンクに投入して充分撹拌して乳白色を呈する磁粉液調製用液状分散剤約10000g(本発明品D)を得た。ここに得た本発明品Dの粘度を振動式粘度計(VISCOMATE VM1−A・商品名・山一電気工業株式会社製)を用いて測定したところ28.7cPであった。なお、本発明品Dは製造時から12ヶ月を経過した時点においても液状を保っており、ゲル化や固化は発生しなかった。
本発明品D50mlにスーパーマグナ磁粉分散剤(商品名・マークテック株式会社製)10gを加え、よく撹拌して分散させた後、当該分散液を水道水10lに加え撹拌することによって磁粉液Dを調製した。
実施例4:ポリオキシエチレンイソデシルエーテル(HLB10.5)2000g、NSソープ(商品名・花王株式会社製・牛脂肪酸ナトリウム)500g、エタノール500g、ターシャリーブチル安息香酸カリウム1000g及び水道水5500gをステンレス製タンクに投入し、該タンクを加熱してタンク内の液温を60℃に加熱した状態で電動ミキサーを用いて充分撹拌した後、加熱を停止し、液温25℃まで冷却し、次いで、シリコン消泡剤KS530(商品名・信越化学株式会社製)500gを当該タンクに投入して充分撹拌して乳白色を呈する磁粉液調製用液状分散剤約10000g(本発明品E)を得た。ここに得た本発明品Eの粘度を振動式粘度計(VISCOMATE
VM1−A・商品名・山一電気工業株式会社製)を用いて測定したところ41.0cPであった。なお、本発明品Eは製造時から12ヶ月を経過した時点においても液状を保っており、ゲル化や固化は発生しなかった。
本発明品E50mlにスーパーマグナ磁粉分散剤(商品名・マークテック株式会社製)10gを加え、よく撹拌して分散させた後、当該分散液を水道水10lに加え撹拌することによって磁粉液Eを調製した。
性能比較試験:前出「発明を実施するための最良の形態」の欄で調製した比較用磁粉液における蛍光磁粉の分散状態と実施例1〜実施例4でそれぞれ調製した磁粉液B、磁粉液C、磁粉液D及び磁粉液Eにおける各蛍光磁粉液の分散状態は同等であり、24時間放置後の再分散性も同等であった。
また、磁粉液B、磁粉液C、磁粉液D及び磁粉液Eを用いて、前出「発明を実施するための形態」の欄で行った湿式磁粉探傷試験方法を実施した結果、各磁粉液B〜Eは、前記比較用磁粉液を用いて当該試験方法を実施した場合と同等の明瞭な欠陥指示模様が観察できることを確認でき、また、鋼製角形ビレットに錆の発生は認められず、各磁粉液液B〜Eは前記比較用磁粉液と同等の防錆効果を有していることが確認できた。なお、磁粉液B〜Eを、それぞれ液温を約40℃に加温した状態にて循環させたが泡立ちは起こらなかった。
比較例1:前出「発明を実施するための最良の形態」の欄で本発明品Aを得た条件の内、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウムを配合しないで水道水を7500gとした以外は、本発明品Aを得た条件と同じ条件とした場合に得られたものは乳白色を呈するゲル状物であり、振動式粘度計(VISCOMATE VM1−A・商品名・山一電気工業株式会社製)による粘度測定は不可能であった。
比較例2:前出「発明を実施するための最良の形態」の欄で本発明品Aを得た条件の内、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウムの代りに亜硝酸ナトリウム2500gを用いた以外は、本発明品Aを得た条件と同じ条件とした場合に得られたものは白色を呈する固体であり、粘度測定は不可能であった。
比較例3:前出「発明を実施するための最良の形態」の欄で本発明品Aを得た条件の内、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウムの代りにトリエタノールアミン2500gを用いた以外は、本発明品Aを得た条件と同じ条件とした場合に得られたものは白色を呈する固体であり、粘度測定は不可能であった。
比較例4:実施例1で本発明品Bを得た条件の内、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウムを配合しないで水道水を7500gとした以外は、本発明品Bを得た条件と同じ条件とした場合に得られたものは乳白色を呈するゲル状物であり、振動式粘度計(VISCOMATE VM1−A・商品名・山一電気工業株式会社製)による粘度測定は不可能であった。
比較例5:実施例1で本発明品Bを得た条件の内、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウムの代りに亜硝酸ナトリウム1000gを用いた以外は、本発明品Bを得た条件と同じ条件とした場合に得られたものは白色を呈する固体であり、粘度測定は不可能であった。
比較例6:実施例1で本発明品Bを得た条件の内、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウムの代りにトリエタノールアミン1000gを用いた以外は、本発明品Bを得た条件と同じ条件とした場合に得られたものは白色を呈する固体であり、粘度測定は不可能であった。
比較例7:実施例2で本発明品Cを得た条件の内、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウムを配合しないで水道水を6500gとした以外は、本発明品Cを得た条件と同じ条件とした場合に得られたものは白色を呈するクリーム状物であり、振動式粘度計(VISCOMATE VM1−A・商品名・山一電気工業株式会社製)による粘度測定は不可能であった。
比較例8:実施例2で本発明品Cを得た条件の内、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウムの代りに亜硝酸ナトリウム1500gを用いた以外は、本発明品Cを得た条件と同じ条件とした場合に得られたものは白色を呈する固体であり、粘度測定は不可能であった。
比較例9:実施例2で本発明品Cを得た条件の内、ターシャリーブチル安息香酸ナトリウムの代りにトリエタノールアミン1500gを用いた以外は、本発明品Cを得た条件と同じ条件とした場合に得られたものは白色を呈するゲル状物であり、振動式粘度計(VISCOMATE VM1−A・商品名・山一電気工業株式会社製)による粘度測定は不可能であった。
本発明に係る磁粉液調製用液状分散剤は、初期粘度が低く、保存中にほとんど粘度上昇しないのでゲル化や固化が発生せず、また、処方中の有効成分の配合量が多く媒体である水の配合量は少ないので、磁粉液調製時には比較的少量を使用すればよいから、従来の磁粉液調製用液状分散剤に較べて嵩と重量が小さく、輸送や保管に有利である。

Claims (3)

  1. HLB8〜14の範囲内にあるノニオン系界面活性剤、シリコーン消泡剤、高級脂肪酸、アルコール及び水からなる磁粉液調製用液状分散剤にターシャリーブチル安息香酸塩を配合してなり、かつ、粘度が15cP〜65cPの範囲内にあることを特徴とする磁粉液調製用液状分散剤。
  2. ターシャリーブチル安息香酸塩がナトリウム塩又はカリウム塩である請求項1記載の磁粉液調製用液状分散剤。
  3. HLB8〜14の範囲内にあるノニオン系界面活性剤の配合割合が少なくとも8重量%であり、水の配合割合が45〜65重量%であり、ターシャリーブチル安息香酸塩の配合割合が10〜25重量%である請求項1又は請求項2記載の磁粉液調製用液状分散剤。
















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