JP4359375B2 - 外殻先行トンネル工法における単体シールド相互の接合部構造及び接合方法 - Google Patents
外殻先行トンネル工法における単体シールド相互の接合部構造及び接合方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、超大断面トンネルを小断面のシールド工法で施工する外殻先行トンネル工法の技術分野に属し、さらに言えば、外殻を形成する単体シールド相互間の変位を接合ボルトの引張り応力だけでなく圧縮応力による抵抗でも抑制する接合部構造及び接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
超大断面トンネルの外殻を小断面のシールド工法で先行施工する方法としては、図9に例示したように、トンネルの外殻部分を小断面のシールド工法による単体シールドK…の連鎖で形成し、隣接する単体シールドK、Kを相互に一連に接合した後に内側の本体トンネルTを掘削して完成する、所謂外殻先行トンネル工法が提案されている(例えば特開平7−224587号公報記載の発明を参照。)。
【0003】
ところで、前記外殻先行トンネル工法の施工に際しては、縦方向及び横方向に隣り合う単体シールドK、K同士の間に、シールド機の推進に支障がないだけの間隔L1又はL2を確保して施工が進められる。従って、各単体シールドKを構築した後には、前記間隔部分L1、L2の土を掘削し、一連に一体的に接合する工程が実施される。
【0004】
しかるに、前記のように施工された隣接の単体シールドK、K同士は、鉛直方向と水平方向、及び軸方向に大なり小なりの施工誤差を生じる(図10を参照)。このため各接合部構造は前記の施工誤差を前提とし許容する構成でなくてはならない。
【0005】
そこで、本出願人は、先の特許出願(特願平10−317369号)において、隣接する単体シールドの鋼殻主桁同士をボルトにより直接接合し、単体シールド相互間の施工誤差が生じても、即座に対応できて合理的な単体シールド相互の接合部構造を提案している。その接合部構造は、図8に示したように、隣接する単体シールドK、Kを構成する鋼殻1、1の主桁2、2同士のエンドプレート3を、該エンドプレート3の内側に配置した球形状のワッシャー5を介してボルト6とナット7で接合する構成である。内側の球形状ワッシャー5の外周面は、隣接する単体シールドK、Kの鋼殻主桁2、2の位置ずれに相当する角度θに回転可能な球面状に形成されている。エンドプレート3にボルト孔4が形成され、そのボルト孔4のワッシャー当接部は球形状ワッシャー5の外周面を受容する凹球面状の受容部に形成されている。ボルト孔4は前記受容部を基点として鋼殻主桁2の位置ずれを許容する角度θの末広がり形状に形成されている。エンドプレート3の受容部内に受容された球形状ワッシャー5に通したボルト6と、これにねじ込んだナット7とで接合されている。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
上記図8に例示した単体シールド相互の接合部構造は、隣接する二つの単体シールドK、Kの鋼殻主桁2、2同士をボルト6により直接、且つ簡便に接合でき、単体シールドK、K相互間の施工誤差や接合部幅の変更が生じても一切測量する必要がなく、適宜に対応でき施工性に優れている。特に、接合した単体シールドK、Kが離れようとする変位(図8中の矢印F参照)に対しては、引張り応力の伝達が確実に行われ抵抗する構造である。
【0007】
しかしながら、接合した二つの単体シールドK、Kが接近する変位(図8中の矢印S参照)に対しては、圧縮力に抵抗しにくい構造であるため、この点が更に改良すべき課題として掲げられていた。
【0008】
したがって、本発明の目的は、先の特願平10−317369号の発明に係る単体シールド相互の接合部の技術を更に改良し、接合した単体シールドのあらゆる変位に対し、引張り応力だけでなく圧縮応力による抵抗をも確実に発揮させて変位を抑制し、安全性と施工性に優れた高品質の単体シールド相互の接合部構造及び接合方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る外殻先行トンネル工法における単体シールド相互の接合部構造は、
超大断面トンネルの外殻を小断面の単体シールドKの連鎖で形成する外殻先行トンネル工法において、隣接する単体シールドK、K同士の間にシールド機の推進に支障がない間隔を確保して施工した後に前記間隔部分L 1 、L 2 の土を掘削して、単体シールドKを構成する鋼殻1、1の主桁同士2、2が、厚肉で剛性が高い板状体に形成されたエンドプレート3と、内側の球形状ワッシャー5並びに前記エンドプレート3の外側に配置した外側の球形状ワッシャー8及び凹球面形状ワッシャー9を介してボルト6とナット7、10で接合して成る接合部構造である。
単体シールドKを構成する鋼殻1の主桁2は、超大断面トンネルの周方向に複数平行に設けられ、前記主桁2の角隅部における主桁2、2間に、厚肉で剛性が高い板状体に形成されたエンドプレート3が同主桁2と直角方向に溶接接合して、隣接する単体シールドK、Kのエンドプレート3、3同士が対面する配置に設けられていること、
内側の球形状ワッシャー5は、ナット当接面5aを除く外周面5bが、隣接する単体シールドK、Kの鋼殻1、1の主桁2、2の位置ずれに相当する角度θまで回転可能な球面状に形成され、前記エンドプレート3には、複数のボルト孔4が、外側方向に鋼殻1、1の主桁2、2の位置ずれを許容する角度θの末広がり形状に形成され、つづいて該ボルト孔4の内端部に前記内側の球形状ワッシャー5の外周面5bを受容する凹球面状の内側受容部4aに形成されている。
外側の球形状ワッシャー8は、ナット当接面8aを除く外周面8bが、隣接する単体シールドK、Kの鋼殻1、1の主桁2、2の位置ずれに相当する角度θまで回転可能な球面状に形成され、外側の凹球面形状ワッシャー9は、前記外側の球形状ワッシャー8との当接面9aが、外側の球形状ワッシャー8の外周面8bを受容する凹球面状の外側受容部9bに形成されている。
前記エンドプレート3の内側受容部4a内に内側の球形状ワッシャー5が設置され、且つエンドプレート3の外側面に当接された外側の凹球面形状ワッシャー9の外側受容部9b内に外側の球形状ワッシャー8が設置され、これらに通したボルト6が隣接する単体シールドK、Kのエンドプレート3、3間に配置され、該ボルト6にねじ込んだ内外のナット7、10でエンドプレート3を締め付けて接合されていることをそれぞれ特徴とする。
【0010】
請求項2に記載した発明に係る外殻先行トンネル工法における単体シールド相互の接合方法は、
超大断面トンネルの外殻を小断面の単体シールドKの連鎖で形成する外殻先行トンネル工法において、隣接する単体シールドK、K同士の間にシールド機の推進に支障がない間隔を確保して施工した後に前記間隔部分L 1 、L 2 の土を掘削して、単体シールドKを構成する鋼殻1、1の主桁2、2同士を、厚肉で剛性が高い板状体に形成されたエンドプレート3と内側の球形状ワッシャー5並びに前記エンドプレート3の外側に配置した外側の球形状ワッシャー8及び凹球面形状ワッシャー9を使用してボルト6とナット7、10により接合する方法である。
a) 単体シールドKを構成する鋼殻1の主桁2は、超大断面トンネルの周方向に複数平行に設け、前記主桁2の角隅部における主桁2、2間に、厚肉で剛性が高い板状体に形成したエンドプレート3を同主桁2と直角方向に溶接接合して、隣接する単体シールドK、Kのエンドプレート3、3同士を対面する配置に設けること、
b) 前記内側及び外側の各球形状ワッシャー5、8のナット当接面5a、8aを除く外周面5b、8bを、隣接する単体シールドK、Kの鋼殻1、1の主桁2、2の位置ずれに相当する角度θまで回転可能な球面状に形成する。
c) エンドプレート3にボルト孔4を複数形成し、該ボルト孔4は外側方向に鋼殻1、1の主桁2、2の位置ずれを許容する角度θの末広がり形状に形成すると共に、その内端部に前記内側の球形状ワッシャー5の外周面5bを回転可能に受容する凹球面形状の内側受容部4aを形成する。
d) 前記外側の凹球面形状ワッシャー9の前記外側の球形状ワッシャー8との当接面9aを、外側の球形状ワッシャー8の外周面8bを回転可能に受容する凹球面状の外側受容部9bに形成する。
e) ボルト6に予め外側のナット10と外側の球形状ワッシャー8及び外側の凹球面形状ワッシャー9を通して用意した後、該ボルト6の先端部を隣接する単体シールドK、Kの対面するエンドプレート3、3同士の対応するボルト孔4、4へ通し、同ボルト6の先端部に内側の球形状ワッシャー5を通してエンドプレート3の内側受容部4a内へ設置し、更に内側のナット7をボルト6へねじ込んで内側の球形状ワッシャー5のナット当接面5aに締め付けた後、前記外側の凹球面形状ワッシャー9の外側受容部9b内に外側の球形状ワッシャー8を設置し、前記外側のナット10を外側の球形状ワッシャー8のナット当接面8aへ締め付けて接合することをそれぞれ特徴とする。
【0011】
【発明の実施形態及び実施例】
請求項1に記載した発明に係る外殻先行トンネル工法における単体シールド相互の接合部構造の実施形態を図1〜図7に示した。
【0012】
外殻先行トンネル工法により施工して隣接する単体シールドK、K同士をボルトで接合する技術であり、単体シールドKを構成する鋼殻1の主桁2のエンドプレート3、3同士を接合する。エンドプレート3の内側に配置した球形状ワッシャー5と、外側に配置した球形状ワッシャー8と凹球面形状ワッシャー9を介して、ボルト6及び内外のナット7、10で接合する技術として好適に実施される。前記内側の球形状ワッシャー5は対引張り側の部材として、外側の球形状ワッシャー8及び凹球面形状ワッシャー9は対圧縮側の部材として機能する。
【0013】
本発明は、例えば縦×横が20m×30m程度の超大断面矩形トンネルを、小断面のシールド工法で余堀り無しに構築する外殻先行トンネル工法において好適に実施される。個々の単体シールドKは、トンネル高さが2500mmであり、その鋼殻1は4本の主桁2を平行に配置して構成され(図3参照)、その桁高が300mm、幅寸が1200mmである。
【0014】
図1は、左右に隣接する二つの単体シールドK、K(鋼殻1、1)の相互間に発生した鉛直方向の位置ずれ(ずれ角度θ)にしたがって接合した実施形態を示している。本実施形態は、接合部の間隔L2が約1000mmで、発生した位置ずれ量L3は約150mm、ずれ角度θが約8.45°の場合を示している。
【0015】
前記の対引張り側部材である内側球形状ワッシャー5は、図5に示したように、半径40mmの球体の中心部に直径40mmのボルト孔5cを貫通させると共に、平坦なナット座面5aからの厚さが34.6mmの半球形状に形成されている。すなわち、ナット当接面5aを除く外周面が球面状に形成されている。よって、この内側球形状ワッシャー5は、上記したように隣接する単体シールドK、Kの鋼殻主桁2、2の位置ずれに相当する角度θ(但し、θ≦8.45°)に対して回転可能に構成されている(図2参照)。
【0016】
エンドプレート3は、厚肉(厚さ50mm)で剛性が高い板状体に形成されている。このエンドプレート3は、縦×横の大きさが355×1200mmであり、図3に示した鋼殻1の4本の各主桁2…の角隅部における主桁2、2間に、同主桁2…と直角方向に溶接で接合され、隣接する単体シールドK、Kのエンドプレート3、3同士が対面する配置に設けられている。該エンドプレート3に、ボルト孔4が主桁2に沿ってその両側に4個所ずつ均等な配置で合計12個設けられている。各ボルト孔4のワッシャー当接部は、図4に拡大して示したように、前記内側の球形状ワッシャー5の球形外周面5bをほぼぴったり密着する状態に受容するべく、内側の球形状ワッシャー5の外径と同じ半径40mmの凹球面状の受容部4aに形成されている。
【0017】
ボルト孔4は、前記受容部4aにおける口径を77.6mmとして、前記鋼殻主桁2の位置ずれ角度θに対してボルト6の傾きを許容する末広がり形状(円錐形状)に形成されている。
【0018】
次に、対圧縮側の部材として機能する外側の球形状ワッシャー8と外側の凹球面形状ワッシャー9を説明する。
【0019】
外側球形状ワッシャー8の基本構造は前記の内側球形状ワッシャー5と変らないが、同内側の凹球面形状ワッシャー5に比べてこの外側の球形状ワッシャー8は半径が大きく、厚さが薄い皿形状に形成されている(図2参照)。図6に示したように、半径が75mmの球体に形成され、その中心部に直径40mmのボルト孔8cを貫通させると共に、平坦なナット座面8aからの厚さは32mmの薄い半球形状に形成されている。これは後述する外側の凹球面形状ワッシャー9が鋼殻主桁2、2の位置ずれ角度θに応じて回転移動するのを許容し、圧縮応力をエンドプレート3へ確実に伝達させるためである。
【0020】
外側の凹球面形状ワッシャー9は、図7に示したように、厚さ35mm、直径120mmの円形状プレートの中心部に、前記鋼殻主桁2、2の位置ずれに相当する角度θに応じてボルト6の傾きを許容する直径66mmの大きなボルト孔9cが貫通されている。そして、内側の平坦なプレート当接面9aは、図2に示したようにエンドプレート3へ当接された際に前記鋼殻主桁2、2の位置ずれ角度θに対するボルト6の傾きを許容して自由に滑動可能な構成とされている。当該凹球面形状ワッシャー9のプレート当接面9aを除く外側部は、前記外側の球形状ワッシャー8の球形外周面8bをほぼぴったり密着する状態に受容すべく、外側球形状ワッシャー8と同じ半径75mmの凹球面状の外側受容部9bに形成されている。
【0021】
次に、上記の構成に基いて、請求項2に記載した発明に係る外殻先行トンネル工法における単体シールド相互の接合方法を説明する。
【0022】
この接合方法は、上述したように隣接する二つの単体シールドK、Kの鋼殻主桁2、2同士を、各々のエンドプレート3を挟む内外の球形状ワッシャー5、8と外側凹球面形状ワッシャー9を介して、ボルト6と内外のナット7、10で接合する方法として好適に実施される(図2参照)。
【0023】
先端部にねじ部分6aを必要な長さ形成された所定長さのボルト6(外径φは40mm位)の両端に、まず外側のナット10と外側球形状ワッシャー8及び外側の凹球面形状ワッシャー9を順に通して用意する。この場合、外側のナット10をねじ込むねじ部分6a’の外径を、先端のねじ部分6aよりも少し大径に形成しておくと、ナット10の用意を素早く行えて便利である。
【0024】
次いで、ボルト6の端部を、接合するべき二つの単体シールドK、Kそれぞれのエンドプレート3、3の対応するボルト孔4、4へ通す。そして、同ボルト6の両端部に、上記の内側球形状ワッシャー5を通してエンドプレート3の内側受容部4a内に設置する。更にボルト先端部のネジ部分6aへ内側からナット7をねじ込み、同ナット7を内側球形状ワッシャー5のナット当接面5aへ強く締め付けて単体シールド相互の接合位置を決める。
【0025】
しかる後に、前記の外側の凹球面形状ワッシャー9のプレート当接面9aをエンドプレート3へ当接させ、同外側凹球面形状ワッシャー9の外側受容部9b内に外側球形状ワッシャー8を設置し、外側のナット10をねじ込み、外側球形状ワッシャー8のナット当接面8aへ強く締め付けて接合作業を完了する。
【0026】
したがって、鋼殻主桁2のエンドプレート3はその内外両面をナット7、10により強固に固定される。即ち、内側においては、内側球形状ワッシャー5に対する内側のナット7の締付け力によりボルト6がエンドプレート3へ強固に定着されている。よって、接合した二つの単体シールドK、Kの鋼殻主桁2、2の間に引張り力が作用した場合、その引張り力を確実に伝達して変位に抵抗する。
【0027】
また、エンドプレート3の外側においては、外側球形状ワッシャー8と外側の凹球面形状ワッシャー9に対して外側のナット10の締付け力によりボルト6がエンドプレート3に強固に定着されている。よって、二つの単体シールドK、Kの鋼殻主桁2、2の間に圧縮力が作用しても、その圧縮力は確実に伝達して変位に抵抗する。
【0028】
かくして、本発明によれば、接合した二つの単体シールドK、Kが接近したり離れたりする変位に対し、両者をつないだボルト6の引張り応力と圧縮応力を仲介として確実に抵抗するから、接合部の変形や損傷を防ぐ効果がある。
【0029】
また、上記した内外の球形状ワッシャー5、8がそれぞれ凹球面状の受容部4a、9b内で回転し、外側の凹球面形状ワッシャー9のプレート当接面9aがエンドプレート3上を滑動するので、鋼殻主桁2の鉛直方向や水平方向、軸方向の位置ずれ等、あらゆる態様で位置ずれした単体シールドK、Kに対して自在に適応した接合を行うことができる。
【0030】
【発明の奏する効果】
請求項1、2に記載した発明に係る単体シールド相互の接合部構造及び接合方法によれば、エンドプレートを挟む内外の球形状ワッシャーと外側の凹球面形状ワッシャーを介して、ボルト、ナットによって、隣接する単体シールドの鋼殻主桁同士を直接、且つ簡便に接合でき、しかも隣接する単体シールド間の変位に対して確実に強固に抵抗し、高品質な単体シールドの連鎖の構築に寄与する。
【0031】
接合するべき単体シールド相互間の施工誤差や接合部幅の変更に対しても、回転可能な内外の球形状ワッシャーと大径で薄い凹球面形状ワッシャーによりボルトを適正方向に配置できるので、施工現場により個別に異なる施工誤差をいちいち測量する必要がなく、施工性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接合部構造を主要部分について示した正面図である。
【図2】図1の拡大図である。
【図3】エンドプレートの裏面図である。
【図4】エンドプレートのボルト孔部分を拡大して示した断面図である。
【図5】内側球形状ワッシャーを示した断面図である。
【図6】A、Bは外側球形状ワッシャーを示した断面図と裏面図である。
【図7】A、Bは外側の凹球面形状ワッシャーを示した断面図と正面図である。
【図8】従来の主要部分を示した正面図である。
【図9】外殻先行トンネル工法の実施例を示す断面図である。
【図10】隣接する単体シールドの位置ずれの説明図である。
【符号の説明】
K 単体シールド
1 鋼殻
2 主桁
3 エンドプレート
4 ボルト孔
4a 内側受容部
5 内側球形状ワッシャー
5a ナット当接面
5b 外周面
6 ボルト
7 ナット
8 外側球形状ワッシャー
8a ナット当接面
8b 外周面
9 外側の凹球面形状ワッシャー
9a プレート当接面
9b 外側受容部
10 ナット
θ 位置ずれ角度
Claims (2)
- 超大断面トンネルの外殻を小断面の単体シールドの連鎖で形成する外殻先行トンネル工法において、隣接する単体シールド同士の間にシールド機の推進に支障がない間隔を確保して施工した後に前記間隔部分の土を掘削して、単体シールドを構成する鋼殻の主桁同士が、厚肉で剛性が高い板状体に形成されたエンドプレートと、内側の球形状ワッシャー並びに前記エンドプレートの外側に配置した外側の球形状ワッシャー及び凹球面形状ワッシャーを介してボルトとナットで接合して成る接合部構造であり、
単体シールドを構成する鋼殻の主桁は、超大断面トンネルの周方向に複数平行に設けられ、前記主桁の角隅部における主桁間に、厚肉で剛性が高い板状体に形成されたエンドプレートが同主桁と直角方向に溶接接合して、隣接する単体シールドのエンドプレート同士が対面する配置に設けられていること、
内側の球形状ワッシャーは、ナット当接面を除く外周面が、隣接する単体シールドの鋼殻の主桁の位置ずれに相当する角度まで回転可能な球面状に形成され、前記エンドプレートには、複数のボルト孔が、外側方向に鋼殻の主桁の位置ずれを許容する角度の末広がり形状に形成され、つづいて該ボルト孔の内端部に前記内側の球形状ワッシャーの外周面を受容する凹球面状の内側受容部に形成されていること、
外側の球形状ワッシャーは、ナット当接面を除く外周面が、隣接する単体シールドの鋼殻の主桁の位置ずれに相当する角度まで回転可能な球面状に形成され、外側の凹球面形状ワッシャーは、前記外側の球形状ワッシャーとの当接面が、外側の球形状ワッシャーの外周面を受容する凹球面状の外側受容部に形成されていること、
前記エンドプレートの内側受容部内に内側の球形状ワッシャーが設置され、且つエンドプレートの外側面に当接された外側の凹球面形状ワッシャーの外側受容部内に外側の球形状ワッシャーが設置され、これらに通したボルトが隣接する単体シールドのエンドプレート間に配置され、該ボルトにねじ込んだ内外のナットでエンドプレートを締め付けて接合されていることをそれぞれ特徴とする、外殻先行トンネル工法における単体シールド相互の接合部構造。 - 超大断面トンネルの外殻を小断面の単体シールドの連鎖で形成する外殻先行トンネル工法において、隣接する単体シールド同士の間にシールド機の推進に支障がない間隔を確保して施工した後に前記間隔部分の土を掘削して、単体シールドを構成する鋼殻の主桁同士を、厚肉で剛性が高い板状体に形成されたエンドプレートと内側の球形状ワッシャー並びに前記エンドプレートの外側に配置した外側の球形状ワッシャー及び凹球面形状ワッシャーを使用してボルトとナットにより接合する方法であり、
a) 単体シールドを構成する鋼殻の主桁は、超大断面トンネルの周方向に複数平行に設け、前記主桁の角隅部における主桁間に、厚肉で剛性が高い板状体に形成したエンドプレートを同主桁と直角方向に溶接接合して、隣接する単体シールドのエンドプレート同士を対面する配置に設けること、
b) 前記内側及び外側の各球形状ワッシャーのナット当接面を除く外周面を、隣接する単体シールドの鋼殻の主桁の位置ずれに相当する角度まで回転可能な球面状に形成し、
c) エンドプレートにボルト孔を複数形成し、該ボルト孔は外側方向に鋼殻の主桁の位置ずれを許容する角度の末広がり形状に形成すると共に、その内端部に前記内側の球形状ワッシャーの外周面を回転可能に受容する凹球面形状の内側受容部を形成し、
d) 前記外側の凹球面形状ワッシャーの前記外側の球形状ワッシャーとの当接面を、外側の球形状ワッシャーの外周面を回転可能に受容する凹球面状の外側受容部に形成し、
e) ボルトに予め外側のナットと外側の球形状ワッシャー及び外側の凹球面形状ワッシャーを通して用意した後、該ボルトの先端部を隣接する単体シールドの対面するエンドプレート同士の対応するボルト孔へ通し、同ボルトの先端部に内側の球形状ワッシャーを通してエンドプレートの内側受容部内へ設置し、更に内側のナットをボルトへねじ込んで内側の球形状ワッシャーのナット当接面に締め付けた後、前記外側の凹球面形状ワッシャーの外側受容部内に外側の球形状ワッシャーを設置し、前記外側のナットを外側の球形状ワッシャーのナット当接面へ締め付けて接合すること、
をそれぞれ特徴とする、外殻先行トンネル工法における単体シールド相互の接合方法。
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