JP4359181B2 - 磁性体内包粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、均一な磁性を有し、分散安定性に優れ、粒径分布の狭い磁性体内包粒子の製造方法に関する。
従来、磁性体含有高分子粒子の作製法として(1)作製済みの高分子粒子に鉄イオンを含
ませて磁性体を作製する方法、(2)モノマーから高分子粒子を重合する過程で作製済み
の磁性体粒子を含ませる方法(特許文献1参照)、(3)別々に作製した高分子粒子と磁
性体粒子とを複合化させる方法(特許文献2参照)が知られている。また、この他、(4
)磁性体粒子を高分子等で被覆する方法(特許文献3参照)がある。
(1)の方法は鉄イオンを高分子粒子に吸収させるため、表面に磁性体が露出し、磁性体
が酸化するという課題があった。また(2)の方法は磁性体粒子が均一に高分子粒子に取
り込まれないという課題や、粒径の制御が困難で粒径分布の広い物となるという課題があ
った。また、(3)の方法は高分子粒子が凝集するため、粒径の小さな粒子には使用でき
ないという課題がある。また、(4)の方法は、被覆が均一にできないため、浮遊性や分
散性が悪く、また、磁性体粒子表面の一部が露出する場合があった。
一方、微量免疫測定法としては、ラジオイムノアッセイ、酵素イムノアッセイ、蛍光イム
ノアッセイ等が従来から知られており、既に実用化されている。これらの方法は、それぞ
れアイソトープ、酵素、蛍光物質等を標識として付加した抗原又は抗体を用い、これと特
異的に反応する抗体又は抗原の有無を検出する方法である。このような免疫測定法に際し
て、磁性体内包粒子は、効率よくかつ簡便にB/F分離を行うために用いられている。ま
た、B/F分離以外の使用(特許文献4参照)や、磁性体内包粒子自体を標識材料とする
免疫測定法(特許文献5、特許文献6、特許文献7参照)が開示されている。
磁性体内包粒子自体を標識とする免疫測定法において、その測定精度は磁性体内包粒子の
均質性、すなわち、粒子毎の磁性体含有量の均一性に依存する。しかしながら、市販され
ている磁性体内包粒子は、磁性体含有量にバラツキがあり、従来公知の磁性体内包粒子の
製造法では、磁性体含有量の均一性を制御することは困難である。
磁性体内包粒子を免疫測定法に使用する際、抗原や抗体を結合させる工程や被検出物質
と混合する工程において、磁性体内包粒子を緩衝液等に分散した分散液として取り扱う場
合が生じる。このため、磁性体内包粒子には、分散液の状態で粒子が自然沈降しないよう
な分散安定性の高いものであることが望ましい。しかしながら、市販されている磁性体内
包粒子は、分散液の状態で、しばらく放置するとその一部が沈降する等という取り扱い性
についての問題がある。
特開平9−208788号公報 特開平6−231957号公報 特開平6−92640号公報 特開2000−88852号公報 特開平6−148189号公報 特開平7−225233号公報 特表2001−524675号公報
本発明は、上記課題に鑑み、均一な磁性を有し、分散安定性に優れ、粒径分布の狭い磁性
体内包粒子及びその製造方法、それを用いてなる免疫測定用粒子、並びに、それら磁性体
内包粒子又は免疫測定用粒子を用いる免疫測定法を提供することを目的とする。
本発明は、有機高分子物質と平均粒径1〜30nmの磁性体とからなる磁性体内包粒子で
あって、上記磁性体は、分散した状態で粒子内部に包含されており、上記有機高分子物質
を構成する炭素元素と上記磁性体を構成する金属元素との構成比率の絶対偏差が0.3以
下である磁性体内包粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の磁性体内包粒子は、有機高分子物質と平均粒径1〜30nmの磁性体とからなる
ものである。
上記有機高分子物質は、粒子のコアを形成するための親水基を有さないモノマーと、水中
で安定に分散する粒子を形成しつつ粒子のシェルを形成するための親水基を有するモノマ
ーとからなる重合体を主構成成分とするものである。
<親水基を有さないモノマー>
上記親水基を有さないモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン系モノマー
;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリロニト
リルなどの不飽和ニトリル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(
メタ)アクリレートなどのアクリル系モノマー等が挙げられる。これら親水基を有さない
モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
上記親水基を有さないモノマーとしては、好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどのアクリル系モノマーが用いられる。
上記親水基を有さないモノマーとしては、より好ましくは、重合による粒子形成と磁性体
形成とを同時進行するため、粒子重合中に高濃度に金属イオンを取り込む能力に優れたグ
リシジル基を有するアクリル系モノマーが用いられる。上記アクリル系モノマーの中でも
、特にグリシジルメタクリレート(GMA)は鉄イオン及びマグネタイトとの親和性が高
いため特に好適に使用される。
また、上記グリシジル基を有するアクリル系モノマーとスチレン系モノマーとを併用する
ことも好ましい。
上記親水基を有さないモノマーとして、グリシジル基を有するアクリル系モノマーとスチ
レン系モノマーとを併用する場合、上記有機高分子物質中のスチレン系モノマーに由来す
るモノマー単位の比率は5〜90重量%であることが好ましい。5重量%未満であると、
得られる粒子の水中での分散安定性が低くなり、重合中に自己凝集し易くなり、また、9
0重量%を超えると、磁性体の前駆体である金属イオンとの親和性が低くなり、粒子内に
形成する磁性体が少なくなる。
上記グリシジル基を有するアクリル系モノマーとスチレン系モノマーとを併用する際に、
更に、メチルメタクリレートを併用してもよい。
また用途によっては、上記親水基を有さないモノマーとして架橋性モノマーが使用され、
上記有機高分子物質が架橋されていてもよい。
上記架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニ
ルナフタレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレ
ート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及び
その異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体等が挙げられる。これら架橋性
モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
これらの架橋性モノマーのなかでも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートは鉄イ
オン及びマグネタイトとの親和性が高いため好適に使用される。
<親水基を有するモノマー>
上記親水基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸
、フマル酸、マレイン酸などの重合性不飽和結合を有するカルボン酸;重合性不飽和結合
を有するリン酸エステル;重合性不飽和結合を有するスルホン酸エステル;ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート4級塩、ジエチルアミノエチルメタクリレート4級塩などのアク
リロイル基を有するアミンの塩やビニルピリジンなどのビニル基を有する含窒素化合物の
塩のようにカチオン基を有するビニル系モノマー;2−ヒドロキシエチルメタクリレート
、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、メチロール
アクリルアミド、グリセロールメタクリレート(GLM)などの非イオン性ビニル系モノ
マー等の一般に親水性モノマーと称されているものの他、親水基を有する反応性乳化剤等
が挙げられる。これら親水基を有するモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用
しても良い。
上記親水基を有する反応性乳化剤としては、例えば、下記一般式(2)〜(9)で表され
る反応性乳化剤類が挙げられる。
上記親水基を有するモノマーのなかでも、下記一般式(1)で表されるポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレートや上記一般式(2)で表される反応性乳化剤は、水中で粒子
を安定に分散する能力が高く、磁性体の生成を妨げないので好適に使用される。
CH=CR−COO−(CH−CH−O)n−H (1)
式中、RはH又はCHを表し、nは1〜20の整数を表す。
上記一般式(2)中、nは3〜30の整数を表し、好ましくは5〜20の整数を表す。
本発明の磁性体内包粒子は磁性体含有量のバラツキが小さいことが好ましい。磁性体内包
粒子の磁性体含有量のバラツキを評価する方法としては、SEM−EDXを用いる方法、
同期発光分析を利用する方法等が挙げられる。
上記SEM−EDXは、SEM観察を行っている微小領域のEDX分析(定性分析、定量
分析、マッピング、粒子解析等)を行う装置であり、磁性体含有量のバラツキを測定する
ことができる。
上記同期発光分析を利用する測定装置としては、例えば、パーティクルアナライザー(D
P−1000、堀場製作所社製)が市販されている。パーティクルアナライザーは、アス
ピレータによりサンプリングした固体微粒子に、ヘリウムマイクロ波誘導プラズマの高い
励起エネルギーを照射して、固体微粒子1個ずつの同期発光を計測する仕組みで、固体微
粒子の幅広い用途元素の分析、及び、様々な成分の混在状態を解析することが可能である
磁性体内包粒子の磁性体含有量のバラツキは、有機高分子物質を構成する炭素元素と磁性
体を構成する金属元素の同期発光を測定し、粒子毎の炭素元素と金属元素との混在比率の
バラツキから算出したその測定データの分散状態を示す偏差値(絶対偏差)で比較評価す
ることができる。上記偏差値は、その数値が小さいほど磁性体含有量のバラツキが小さく
、即ち磁性体内包粒子の均一性が高く、大きいほど磁性体含有量のバラツキが大きい、即
ち磁性体内包粒子の均一性が低いことを示している。
本発明の磁性体内包粒子は、有機高分子物質を構成する炭素元素と磁性体を構成する金属
元素との構成比率の絶対偏差が0.3以下である。0.3を超えると、免疫測定法に利用
した場合、測定再現性や定量性が低くなり測定精度が悪化し、得られる測定データの信頼
性が低くなる。好ましくは0.27以下であり、より好ましくは0.25以下であり、更
に好ましくは0.20以下である。
上記磁性体は、磁性体内包粒子を形成する重合過程において粒子内部で金属イオンが酸化
して形成したものであるのが好ましい。
<金属イオン>
上記金属イオンは、磁性体を形成するものであれば特に限定されないが、好ましくは、鉄
イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン等であり、より好ましくは鉄イオンである。磁
性体であるマグネタイトは塩化第2鉄を酸化剤等で酸化して得られる。重合開始剤により
、上述のモノマーの重合を開始するとともに2価の鉄イオンの酸化(マグネタイト化)を
行うことにより磁性体(マグネタイト)内包粒子が調製される。
上記磁性体の平均粒径は1〜30nmである。1nm未満であると、磁性体の磁性応答特
性が減少し、即ち磁性体内包粒子の磁性応答特性が減少し、免疫測定に使用した際の測定
感度が低下する。また、30nmを超えると、粒子内での分散性が低下する。好ましくは
、2〜20nmであり、より好ましくは、2〜10nmである。
本発明の磁性体内包粒子において、上記磁性体は分散した状態で磁性体内包粒子内部に包
含されている。即ち、本発明の磁性体内包粒子においては、磁性体が粒子表面に露出する
ことなく、粒子内部に分散した状態で存在している。
本発明の磁性体内包粒子の磁性体含有量は、0.1〜50重量%の範囲で調整するのが好
ましい。0.1重量%未満であると、磁性体内包粒子の磁性応答特性が減少し、免疫測定
に使用した際の測定感度が低下する。また、50重量%を超えると、粒子の重合操作性が
低下し、粒子重合中に金属イオンを取り込み難くなる。より好ましくは0.1〜40重量
%であり、更に好ましくは1〜30重量%である。
また、本発明の磁性体内包粒子は、必要に応じて、粒子表面にカルボキシル基、水酸基、
エポキシ基、アミノ基、トリエチルアンモニウム基、ジメチルアミノ基、スルホン酸基等
の官能基を有していてもよい。これらの官能基を介して抗原や抗体と共有結合を行うこと
ができる。
上記官能基は、各々の官能基を有するモノマーを重合用モノマー混合物に予め配合するか
、又は、重合途中に添加することにより磁性体内包粒子の表面に導入することができる。
上記官能基を有するモノマーとしては、例えば、カルボキシル基を有するモノマーとして
は(メタ)アクリル酸等が挙げられ、水酸基を有するモノマーとしては2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート等が挙げられ、エポキシ基を有するモノマーとしてはグリシジ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられ、トリエチルアンモニウム基を有するモノマーとし
てはトリエチルアンモニウム(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジメチルアミノ基を有
するモノマーとしてはジメチルアミノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の磁性体内包粒子は、必要に応じて粒子表面に抗原又は抗体と共有結合可能な官能
基を有するリンカーが結合していてもよい。
<リンカー>
上記リンカーとは、磁性体内包粒子を免疫測定に使用した際、有機高分子物質からなる粒
子と抗原、抗体等の化合物との間に存在することになる化学物質である。上記リンカーは
、立体障害が起こらないような長さで、かつ、非特異的吸着が生じにくい化合物であり、
有機高分子物質からなる粒子及び抗原、抗体等の化合物と結合する前は、その分子末端に
、例えば、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、トシル基、チオール基等の抗原又は
抗体と共有結合可能な官能基を有していることが好ましい。本発明におけるリンカーとし
ては、粒子表面のグリシジル基含有モノマー由来のエポキシ基、又はエポキシ基の開環に
より生じる水酸基、アミノ基等と抗原、抗体等を適当な距離を置いて結合し得るものであ
れば特に限定されない。好ましくは、エポキシ基を複数末端に有する化合物、例えば、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグ
リシジルエーテル等が挙げられる。より好ましくは、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルが挙げられる。
このようなリンカーを磁性体内包粒子の粒子表面に導入することにより、例えば、磁性体
内包粒子に結合する抗原、抗体、試薬等の反応性を上げることが可能となり、即ち感度良
く精密な測定が可能となり、また、磁性体内包粒子の粒子表面がタンパク質に対して非吸
着性のものであっても、リンカーがタンパク質との結合性を有するので、抗原又は抗体を
磁性体内包粒子に確実に結合させることが可能となる。
本発明の磁性体内包粒子の平均粒径は、その重合条件により0.05〜1μmの範囲で調
整するのが好ましい。0.05μm未満であると、凝集しやすくなり、分散安定性が低下
し、1μmを超えると、例えば、磁性体内包粒子を懸濁液中で使用する場合は、磁性体内
包粒子が沈殿し易くなり、また、免疫クロマト法のように磁性体内包粒子を多孔性担体中
で使用する場合は、多孔性担体中で磁性体内包粒子が移動しにくくなるなど、試薬として
の取り扱い性が低下する。より好ましくは、0.06〜0.8μmであり、更に好ましく
は、0.07〜0.5μmである。
本発明の磁性体内包粒子は、水系溶媒中において上記親水基を有さないモノマー及び/又
は上記親水基を有するモノマーを重合して粒子を形成する工程と、上記粒子中に金属イオ
ンを取り込みながら上記金属イオンを酸化して磁性体を形成する工程とからなり、上記粒
子を形成する工程と上記磁性体を形成する工程とを同時に進行させる方法により製造され
る。
水系溶媒中において親水基を有さないモノマー及び/又は親水基を有するモノマーを重合
して粒子を形成する工程においては、重合開始剤が用いられる。
<重合開始剤>
上記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、水溶性の有機アゾ化合物、無機過酸化
物、有機過酸化物等が挙げられる。
上記重合開始剤の好適な例としては、過硫酸カリウム(以下「KPS」と記す;重合温度
70℃)、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩(重合温度70℃)、2,2−アゾビス[2
−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド(重合温度60℃)
、過硫酸アンモニウム(重合温度70℃)等が挙げられる。このうち過酸化物系重合開始
剤であるKPSや過硫酸アンモニウムは、重合開始とともに2価の鉄イオンの酸化に寄与
することが期待され、KPSや過硫酸アンモニウムを用いた場合は、モノマーと鉄イオン
による重合とマグネタイト生成とが同時に進行することが想定される。アゾビスアミジノ
プロパン塩酸塩及び2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]
ジハイドロクロライドは酸化力が弱く、2価の鉄イオンの緩やかな酸化反応に関与する重
合開始剤となる。なお、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩としては、商品名「V−50」
(和光純薬工業社製)が、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロ
パン]ジハイドロクロライドとしては、商品名「VA−044」(和光純薬工業社製)が
市販されている。
上記重合開始剤は、Fe2+の酸化により消費されたり、Fe3+によってラジカル活性
を失う場合があるため、粒子成長を促す目的で、粒子成長過程に後添加することが有効で
ある。この場合、新たな2次粒子は形成されず、粒子表面がポリマーで被覆される。
<pH調整剤>
本発明において、重合と同時に磁性体を作製するためには、重合系内のpHは塩基性に調
整されるのが好ましい。上記重合開始剤としてKPSや過硫酸アンモニウムを用いた系で
は、水中での分散安定性がよく粒径分布の狭い単分散粒子が得られるというメリットがあ
るが、酸化力の制御ができず重合系内が酸性になるために磁石への引き寄せられ方の弱い
粒子になるというデメリットがある。一方、上記重合開始剤として酸化力を持たない2,
2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライドを
用いた系では、重合系内のpHがほぼ中性であるというメリットがある。
重合系内のpHを弱塩基性に保つには、一般的な塩基を使用することができる。好ましく
はNHOHがpH調整剤として使用される。上記pH調整剤は、必要に応じて数回添加
することができる。
<重合方法>
本発明の磁性体内包粒子は、懸濁重合、分散重合、乳化重合、ソープフリー乳化重合等の
粒子重合法により製造できるが、最終的に得られる磁性体内包粒子のCv値は5%以下で
あることが好ましいので、粒径分布の制御に優れたソープフリー乳化重合により好適に製
造される。
以下、ソープフリー乳化重合による磁性体内包粒子の作製方法を例示するが、この方法に
限定されるものではない。
代表的な重合組成は、
親水基を有するモノマー及び親水基を有さないモノマーからなるモノマー組成物:3g
O:100g
からなる。四つ口フラスコに上記モノマー組成物及び水を秤量する。それぞれの口には攪
拌棒、還流冷却管を取り付ける。次に、系を恒温槽に入れ、攪拌しながら系内を窒素置換
する。恒温槽は、添加する重合開始剤の重合温度に調整するのが好ましく、例えば、重合
開始剤としてKPS、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩又は過硫酸アンモニウムを用いる
場合は70℃とするのが好ましく、重合開始剤として2,2−アゾビス[2−(2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライドを用いる場合は50〜60℃とす
るのが好ましい。その後、水に溶かした重合開始剤を注射筒で系内に注入する。この時点
を重合開始とし、所定時間後に注射筒を用いて磁性源となるFeCl・4HOの水溶
液を注入する。FeCl・4HOは重合開始剤の1/3〜4倍モルを水5gに溶かし
たものを使用する。即ち、重合開始剤により上述のモノマーの重合を開始するとともに2
価の鉄イオンの酸化(マグネタイト化)を行うことにより粒子を製造する。
重合は開始から2時間〜24時間行うことが好ましい。適度な酸化力を得るために、重合
途中にNHOHを加えてもよく、更に、重合による粒子の成長を促すために、重合途中
に重合開始剤を加えてもよい。この様にして磁性体を分散状態で含有する有機高分子物質
からなる粒子を得ることができる。
上記モノマー組成物には、共重合モノマーとして反応性乳化剤を添加してもよい。
<反応性乳化剤>
上記反応性乳化剤としては、例えば、下記一般式(2)〜(10)で表される反応性乳化
剤類が挙げられる。
これら反応性乳化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
作製した粒子は、残存モノマー、重合開始剤、未反応の鉄イオン等を取り除くために遠心
分離・再分散を蒸留水で繰り返し行い精製する。遠心分離を行った後、上澄みをデカンテ
ーションにより捨て、蒸留水を加え、ガラス棒により再分散を行う。精製後、得られた磁
性体内包粒子は、ガラス製バイアルに移し、ふた・パラフィルムで密閉・保存する。
本発明の磁性体内包粒子の粒子表面へのリンカーの導入は、例えば、リンカー未導入の磁
性体内包粒子をアルカリ性水溶液中に分散し、続いて、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル等のリンカーとなる化学物質を加えて、24時間程度混合することによりな
し得る。
上述のようにして得られる本発明の磁性体内包粒子は、粒度分布が狭く、かつ、磁性体含
有量のバラツキが小さいため、極めて均質である。このため、本発明の磁性体内包粒子は
分散安定性が高く取り扱い性に優れている。また、本発明の磁性体内包粒子は、平均粒径
が比較的小さいためコロイド安定性がよい。また、本発明の磁性体内包粒子は、内包する
磁性体が微小なサイズで分散して含有されているため、磁化された際にも残留磁気がなく
、それに起因する自己凝集による沈降も生じない。
本発明の磁性体内包粒子に抗原又は抗体を吸着又は結合させることにより免疫測定用粒子
を得ることができる。抗体又は抗原を磁性体内包粒子に吸着又は結合させる方法としては
、物理吸着法やカルボジイミドを用いた化学結合法等の公知の方法を使用することができ
る。本発明の磁性体内包粒子の粒子表面にエポキシ基を有するリンカーが導入されている
場合は、リンカーを介して抗原又は抗体のアミノ基やチオール基等と化学結合させて、免
疫測定用粒子を作製することができる。このような本発明の磁性体内包粒子に抗原又は抗
体が結合してなる免疫測定用粒子もまた、本発明の1つである。
本発明の磁性体内包粒子や免疫測定用粒子は免疫測定法に用いることができる。本発明の
磁性体内包粒子や免疫測定用粒子を用いる免疫測定法もまた、本発明の1つである。
本発明の免疫測定法としては、磁性体内包粒子を坦体として用いたラジオイムノアッセイ
、酵素イムノアッセイ等の公知の方法が挙げられ、サンドイッチ法や競合法により、目的
とする抗原又は抗体を測定することができる。また、上記方法の標識物質であるアイソト
ープ、酵素等の代わりに、磁性体内包粒子を標識として用いることができる。本発明の磁
性体内包粒子は磁性体を均一に分散含有する粒径分布の狭い粒子であるため、免疫測定法
において標識として用いることにより感度よく精密な測定を行うことができる。
本発明の磁性体内包粒子を標識として用いる免疫測定法の具体例としては、従来、蛍光物
質、着色粒子、金属コロイド等が標識として利用されてきた免疫測定法が挙げられる。な
かでも、近年、簡便かつ迅速に被検出物質を検出する手法としてよく利用されている免疫
クロマト法が好適である。上記免疫クロマト法は、少なくとも2種類の抗体を利用したサ
ンドイッチ法を利用している。上記サンドイッチ法においては、一方の抗体は液相中で移
動可能な状態で標識され、他方の抗体はクロマト担体に永久的に固定化されている。上記
サンドイッチ法の試薬に試料を添加するとまず標識された抗体と被検出物質とが反応し、
その後、標識抗体と被検出物質との複合体がクロマト担体中を移動し、クロマト担体に抗
体が固定化された固定化部に来るとそこで固定化された抗体に補足される。
通常、免疫クロマト法に用いられるクロマト担体は、ポアサイズが5〜20μmであり、
現在、一般的なサンドイッチ法は、標識として金属コロイドや着色粒子が用いられ、固定
化部の着色(標識物の捕捉状態)を目視観察する定性検査として用いられている。しかし
ながら、市販されている磁性体内包粒子は、クロマト担体中に滞留したり、展開させる側
のクロマト先端部位付近に不均一に残留したりする等の問題点を有し、金属コロイドや着
色粒子に比べクロマト展開性が大きく劣るため、免疫クロマト法への適性がない。
これに対して、本発明の磁性体内包粒子は、ポアサイズに比べ充分に小さな粒径であるた
め、毛細管現象でクロマト担体中を展開(移動)することができる。即ち、本発明の磁性
体内包粒子は、平均的なポアサイズ(10〜12μm)のクロマト担体に展開した場合、
上述のような不均一な滞留が認められず、クロマト展開性が非常に優れている。これは、
本発明の磁性体内包粒子は、1)粒度分布が狭く、2)磁性体含有量が均一であり、3)
残留磁気による自己凝集が生じないため、と推察される。すなわち、本発明の磁性体内包
粒子は、従来の磁性体内包粒子と異なり、免疫クロマト法への適性を有している。
本発明によれば、親水基を有さないモノマーと親水基を有するモノマーとを共重合して粒
子を形成する反応と、粒子内に金属イオンを取り込ませながら金属イオンを変性して磁性
体を形成する反応とを同時に行うことにより、均一な磁性を有し、かつ、粒径分布の狭い
磁性体内包粒子を得ることができる。本発明の磁性体内包粒子に抗原又は抗体を吸着又は
結合させることにより本発明の免疫測定用粒子を得ることができる。また、本発明の磁性
体内包粒子又は免疫測定用粒子を用いて免疫測定法を行うことにより、感度良く精密な測
定が可能になる。更に、本発明の磁性体内包粒子を標識として免疫測定法を行うことによ
り、感度よく精密な測定が可能になる。
また、本発明の磁性体内包粒子にリンカーが導入されている場合には、例えば、磁性体内
包粒子に結合する抗原、抗体、試薬等の反応性を上げることが可能となり、即ち感度良く
精密な測定が可能となり、本発明の磁性体内包粒子の粒子表面がタンパク質に対して非吸
着性のものであっても、リンカーがタンパク質との結合性を有するので、抗原又は抗体を
磁性体内包粒子に確実に結合させることが可能となる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1〜7)
200mLの四つ口フラスコに表1に示す各種モノマー及び水90gを秤量した。それぞ
れの口には攪拌シールと攪拌棒、還流冷却管、セラムラバーを取り付けた。系を70℃の
恒温槽に入れ、200rpmで攪拌しながら系内を30分間窒素置換した。その後、水に
溶かした重合開始剤であるKPS 0.06gを10gの水に溶解し注射筒で系内に注入
した。この時点を重合開始時とし、適度な酸化力を得るために、重合途中にNHOH水
溶液(NHOH 0.165gを水5gに溶解)を加えた。また、重合開始から2分後
に注射筒を用いてFeCl・4HO水溶液(FeCl・4HO 0.165gを
水5gに溶解)を注入した。重合は重合開始から20時間行った。
作製した粒子は、遠心分離・再分散を蒸留水で4回繰り返し行うことで精製した。この際
、遠心分離は20℃、13500rpmで行った。遠心分離を行った後、上澄みをデカン
テーションにより捨て、蒸留水を加え、ガラス棒により再分散を行って磁性体内包粒子を
得た。
表中の記載は以下のとおりである。
GMA:グリシジルメタクリレート
EGDM:エチレングリコールジメタクリレート
AAm:アクリルアミド
PE−90:ポリエチレングリコールメタクリレート(n=2)
PE−350:ポリエチレングリコールメタクリレート(n=8)
NE−20:
式中、XはHを表す。
SE−20:
式中、XはSONHを表す。
得られた磁性体内包粒子分散液について、目視で粒子の分散状態を観察した。また、精製
した磁性体内包粒子を水で希釈し、金属メッシュで支持したコロジオン膜上に沈着固定し
て、透過型電子顕微鏡(TEM)により、粒子の形態を観察した。
実施例1で得られた磁性体内包粒子は、一部凝集塊が認められ、時間が経つにつれて磁性
体内包粒子が沈降する分散安定性のやや低いものであったため、超音波処理により再分散
した。一方、親水基を有するモノマーとしてポリエチレングリコールメタクリレートを用
いた実施例2〜5、及び、反応性乳化剤を用いた実施例6、7は、いずれも凝集塊が認め
られず、分散安定性の高い磁性体内包粒子が得られた。特に、反応性乳化剤を用いた実施
例6、7で得られた磁性体内包粒子は、粒子サイズが小さく、分散安定性が優れているこ
とが認められた。また、実施例1〜7で得られた磁性体内包粒子は、いずれも磁性体内包
粒子内部に磁性体を分散状態で含み、粒子表面がきれいな輪郭であることが観察された。
図1に実施例2の磁性体内包粒子のTEM写真(平均粒径;磁性体内包粒子0.21μm
、磁性体5nm)を示した。また、実施例1〜7における磁性体内包粒子の磁性体の平均
粒径を表2に示した。
更に、実施例1〜7で作製した磁性体内包粒子が、磁石へ引き寄せられることを確認する
ために、1.5mLのマイクロチューブに磁性体内包粒子の分散液を少量取り、蒸留水で
適当に希釈して磁石つきマイクロチューブ立て(DYNAL社製、MPC(登録商標)−
M)にチューブを立てて、分散している磁性体内包粒子が磁石に引き寄せられることを目
視により確認した。特に、親水基を有するモノマーとしてポリエチレングリコールメタク
リレートを用いた実施例2〜5は、他の実施例1、6、7に比べ磁力が大きいことがうか
がえた。
(実施例8)
200mLの四つ口フラスコに下記に示す各種モノマー及び水を秤量した。
GMA/EGDM/AAm/HO=2.835/0.015/0.15/90(単位:
g)
それぞれの口には攪拌シールと攪拌棒、還流冷却管、セラムラバーを取り付けた。系を7
0℃の恒温槽に入れ、200rpmで攪拌しながら系内を30分間窒素置換した。その後
、水に溶かした重合開始剤であるKPS 0.06gを10gの水に溶解し注射筒で系内
に注入した。この時点を重合開始時とし、重合開始1分後に適度な酸化力を得るためNH
OH水溶液(NHOH 0.165gを水5gに溶解)を加えた。また、重合開始か
ら2分後に注射筒を用いてFeCl・4HO水溶液(FeCl・4HO 0.1
65gを水5gに溶解)を注入した。重合は重合開始から2時間行った。
作製した粒子は、遠心分離・再分散を蒸留水で4回繰り返し行うことで精製した。この際
、遠心分離は20℃、13500rpmで行った。遠心分離を行った後、上澄みをデカン
テーションにより捨て、蒸留水を加え、ガラス棒により再分散を行って磁性体内包粒子を
得た。
(実施例9)
重合開始後、下記物質の添加を以下の所定時間に変更したこと、重合時間を重合開始から
3時間としたこと以外は実施例8と同様に磁性体内包粒子を得た。
NHOH水溶液(NHOH 0.165gを水5gに溶解):重合開始30分後
KPS(KPS 0.165gを水5gに溶解):重合開始60分後
(実施例10)
重合開始後、下記物質の添加を以下の所定時間に変更したこと、GMAをさらに後添加し
たこと、重合時間を重合開始から3時間としたこと以外は実施例8と同様に磁性体内包粒
子を得た。
KPS(KPS 0.165gを水5gに溶解):重合開始60分後
FeCl・4HO水溶液(FeCl・4HO 0.165gを水5gに溶解):
重合開始60分後
GMA 0.5g:重合開始120分後(尚、重合開始前には実施例8と同様にGMA
2.835gを四つ口フラスコに添加した)
NHOH水溶液(NHOH 0.165gを水5gに溶解):重合開始120分後
(実施例11)
重合開始後、下記物質の添加を以下の所定時間に変更したこと、重合時間を重合開始から
4時間としたこと以外は実施例8と同様に磁性体内包粒子を得た。
重合開始1分後 NHOH/HO=0.165/5(g)
NHOH水溶液(NHOH 0.165gを水5gに溶解):重合開始1分後
KPS(KPS 0.165gを水5gに溶解):重合開始120分後
実施例8〜11で得られた磁性体内包粒子に対し、実施例1と同様にしてTEMによる磁
性体内包粒子の形態観察を行なった。
実施例9、10は、いずれも、実施例8よりも多くの磁性体を含み、粒径が増大している
ことが認められた。また、実施例11では、内部に実施例9、10と同程度の磁性体を含
み、粒子表面がきれいな輪郭であることが観察された。
これまでの実験より、粒子成長の速い段階でNHOHを加えることは、成長を阻害する
要因になっていることが推測された。一方、重合開始剤の後添加は、重合率がほぼ100
%になり、また、2次粒子が形成されず粒子表面がポリマーで覆われていることが観察さ
れ、有効な手段であることが確認された。実施例8〜11における磁性体内包粒子の磁性
体の平均粒径を表3に示した。
(実施例12)
実施例2で得られた磁性体内包粒子1.0gを10%アンモニア水50mLに投入し、7
0℃で20時間攪拌した。次いで、イオン交換水を用いて遠心洗浄を3回行い、50mL
のイオン交換水に分散させた。続いて、エチレングリコールジグリシジルエーテル30g
を添加混合し、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを11に調整した後、室温で24時
間攪拌した。反応後、イオン交換水を用いて遠心洗浄を3回行い、エポキシ基を有するリ
ンカーが結合した磁性体内包粒子を得た。
(実施例13)
200mLの四つ口フラスコにスチレン3.0g、グリシジルメタクリレート3.0g、
エチレングリコールジメタクリレート0.03g、ポリエチレングリコールメタクリレー
ト0.3g及び水200gを秤量した。それぞれの口には攪拌シールと攪拌棒、還流冷却
管、セラムラバーを取り付けた。系を70℃の恒温槽に入れ、200rpmで攪拌しなが
ら系内を30分間窒素置換した。その後、水に溶かした重合開始剤であるKPS 0.1
gを20gの水に溶解し注射筒で系内に注入した。この時点を重合開始時とし、2分後に
注射筒を用いてFeCl・4HO水溶液(FeCl・4HO 0.2gを水20
mLに溶解)を注入した。適度な酸化力を得るために、重合途中にNHOH 0.4g
を加えた。重合は重合開始から20時間行った。
作製した粒子は、遠心分離・再分散を蒸留水で4回繰り返し行うことで精製した。この際
、遠心分離は20℃、13500rpmで行った。遠心分離を行った後、上澄みをデカン
テーションにより捨て、蒸留水を加え、ガラス棒により再分散を行って磁性体内包粒子を
得た。
(実施例14)
スチレン2.0g、グリシジルメタクリレート4.0gに変更したこと以外は実施例13
と同様に磁性体内包粒子を作製した。
(実施例15)
スチレン4.0g、グリシジルメタクリレート1.0gに変更したこと以外は実施例13
と同様に磁性体内包粒子を作製した。
(実施例16)
実施例13で作製した磁性体内包粒子1.0gを10%アンモニア水50mLに投入し、
70℃で20時間攪拌した。次いで、イオン交換水を用いて遠心洗浄を3回行ない、50
mLのイオン交換水に分散させた。続いて、エチレングリコールジグリシジルエーテル3
0gを添加混合し、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを11に調整した後、室温で2
4時間攪拌した。反応後、イオン交換水を用いて遠心洗浄を3回行ない、エポキシ基を有
するリンカーが結合した磁性体内包粒子を得た。
(実施例17及び18)
2000mLの四つ口フラスコに表4に示す各種モノマー及び水800gを秤量した。そ
れぞれの口には攪拌シールと攪拌棒、還流冷却管、セラムラバーを取り付けた。系を70
℃の恒温槽に入れ、200rpmで攪拌しながら系内を30分間窒素置換した。その後、
水に溶かした重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.2gを10gの水に溶解し注射筒
で系内に注入した。この時点を重合開始時とし、適度な酸化力を得るために、重合途中に
NHOH水溶液(NHOH 0.5gを水10gに溶解)を加えた。また、重合開始
から2分後に注射筒を用いてFeSO・7HO水溶液(FeSO・7HO 1.
3gを水20gに溶解)を注入した。重合は重合開始から20時間行った。
作製した粒子は、遠心分離・再分散を蒸留水で4回繰り返し行うことで精製した。この際
、遠心分離は20℃、13500rpmで行った。遠心分離を行った後、上澄みをデカン
テーションにより捨て、蒸留水を加え、ガラス棒により再分散を行って磁性体内包粒子を
得た。
表中の記載は以下のとおりである。
GMA:グリシジルメタクリレート
EGDM:エチレングリコールジメタクリレート
St:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
HS−10:
式中、XはSO NH を表し、nは10を表す。
(実施例19)
実施例17で得られた磁性体内包粒子1.0gを10%アンモニア水50mLに投入し、
70℃で20時間攪拌した。次いで、イオン交換水を用いて遠心洗浄を3回行い、50m
Lのイオン交換水に分散させた。続いて、エチレングリコールジグリシジルエーテル30
gを添加混合し、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを11に調整した後、室温で24
時間攪拌した。反応後、イオン交換水を用いて遠心洗浄を3回行い、エポキシ基を有する
リンカーが結合した磁性体内包粒子を得た。
(実施例20)
実施例2で得られた磁性体内包粒子から免疫測定用粒子を作製した。
実施例2で得られた磁性体内包粒子30mgにリン酸緩衝液(100mmol/L、pH
7.5)6mLを加え、15000rpmにて20分間遠心分離を行った。得られた沈渣
に、抗HBsAgモノクローナル抗体を0.25mg/mLの濃度になるようにリン酸緩
衝液(100mmol/L、pH7.5)に溶解した溶液を1mL加え、室温にて20時
間撹拌混和した。その後、未反応の抗HBsAgモノクローナル抗体を除去するために1
5000rpmにて20分間遠心分離を行い、更に、得られた沈渣をリン酸緩衝液(10
0mmol/L、pH7.5)6mLに懸濁させ、再度15000rpmにて20分間遠
心分離を行った。その後、得られた沈渣を、牛血清アルブミンを1重量%の濃度になるよ
うにリン酸緩衝液(100mmol/L、pH7.5)に溶解した溶液6mLに懸濁させ
、室温で1時間撹拌してブロッキング処理を行い、抗HBsAgモノクローナル抗体が磁
性体内包粒子に結合された免疫測定用粒子を得た。
次に、得られた免疫測定用粒子を冷蔵保存するため、15000rpmにて20分間遠心
分離を行い、得られた沈渣を、牛血清アルブミンの濃度が1重量%になるようにリン酸緩
衝液(100mmol/L、pH7.5)に溶解し、更に、アジ化ナトリウムを0.01
重量%の濃度になるように溶解した溶液6mLに懸濁させ、すぐに冷蔵保存した。
(実施例21、22及び23)
実施例12、16及び19で得られたリンカーが結合した磁性体内包粒子から免疫測定用
粒子を作製した。
実施例12、16及び19で作製したリンカーが結合した磁性体内包粒子12mgに0.
1Mホウ酸緩衝液1mLを加え、15000rpmにて10分間遠心分離を行い、上清を
除去した。得られた沈渣に、0.1Mホウ酸バッファーを380μL、抗α−hCGモノ
クローナル抗体溶液(5.0mg/mL)を20μL加え、充分混和して、室温にて20
時間攪拌した。反応液は15000rpmにて10分間遠心分離を行い、未反応の抗α−
hCGモノクローナル抗体を除去した。なお、磁性体内包粒子への抗α−hCGモノクロ
ーナル抗体結合量は、上清の蛋白濃度測定から仕込みの55%であることを確認した。得
られた沈渣は100mMリン酸緩衝液(pH7.5)1mLに懸濁させ、再度遠心分離を
行った。その沈渣を100mMリン酸緩衝液(pH7.5)に牛血清アルブミンを5%(
w/v)の濃度になるように溶解した溶液900μLに懸濁させ、37℃で1時間攪拌し
、ブロッキング処理を行った。その後15000rpmにて20分間遠心分離を行い、沈
渣に0.1Mホウ酸バッファー1mLを添加し、超音波で分散させた。続いて、100m
Mリン酸緩衝液(pH7.5)に牛血清アルブミン及びグリセロールを各々5%(w/v
)の濃度になるように溶解し、更にアジ化ナトリウムを0.01%(w/v)の濃度にな
るように溶解した溶液1mLに懸濁させ、免疫測定用粒子を得た。
(比較例1〜3)
比較例としてエスタポール M1−030/40(メルク社製)の3ロットを用いた。
(比較例4)
比較例1の磁性体内包粒子から免疫測定用粒子を作製した。
比較例1の磁性体内包粒子12.5mgにpH9.5の水酸化カリウム水溶液1mLを加
え、15000rpmにて10分間遠心分離後、上清を除去し、分散液に添加されている
界面活性剤を除去した。続いて、得られた沈渣に、0.02Mリン酸緩衝液625μL及
び予め調整した2%濃度のカルボジイミド溶液(PBS緩衝液)0.625mLを添加し
、37℃恒温槽中で1.5時間攪拌した。反応溶液は、15000rpmにて10分間遠
心分離を行い、上清を除去後、0.02Mリン酸緩衝液1.2mLを添加し、超音波で再
分散した。前述の遠心洗浄操作を3回繰り返し、未反応のカルボジイミドを除去した。続
いて、得られた沈渣に、0.1Mホウ酸緩衝液1.2mLを添加し、抗α−hCGモノク
ローナル抗体200μg加え、37℃恒温槽中で一晩攪拌した。翌日、反応溶液に30m
Mグリシン溶液(ホウ酸緩衝液)50μLを添加し、37℃恒温槽中で30分間攪拌した
。その後、15000rpmにて10分間遠心分離を行い、未反応の抗α−hCGモノク
ローナル抗体を除去した。なお、磁性体内包粒子への抗α−hCGモノクローナル抗体結
合量は、上清の蛋白濃度測定から仕込みの63%であることを確認した。得られた沈渣は
100mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mLに懸濁させ、再度遠心分離を行った。得ら
れた沈渣は、牛血清アルブミンが1%(w/v)濃度になるように調整した100mMリ
ン酸緩衝液(pH6.5)1mLに懸濁させ、37℃恒温槽で30分間攪拌し、ブロッキ
ング処理を行った。その後、15000rpmにて10分間遠心分離を行い、その沈渣を
牛血清アルブミン及びグリセロールを各々5%(w/v)、アジ化ナトリウムを0.01
%(w/v)濃度になるように調整した100mMリン酸緩衝液(pH7.5)1mLに
分散させ、免疫測定用粒子を得た。
<評価>
(1)分散安定性の評価
実施例13〜18で得られた磁性体内包粒子及び比較例1〜3の磁性体内包粒子を用いて
、固形分1%の分散液を調製し、超音波分散後、静置して沈降粒子の発生を目視で観察し
た。比較例1〜3の磁性体内包粒子を用いた場合は分散直後に一部の沈降が認められた。
また、静置した翌日にはサンプル瓶の底面に沈降層が形成され、分散安定性が悪いことが
わかった。一方、実施例13〜18の磁性体内包粒子では、静置した翌日においても沈降
物は認められず、分散安定性が優れていることが明らかとなった。
(2)粒子形状の評価
実施例13〜18で得られた磁性体内包粒子及び比較例1〜3の磁性体内包粒子を水で希
釈し、金属メッシュで支持したコロジオン膜上に沈着固定して、透過型電子顕微鏡(TE
M)により、粒子の形態を観察した。
TEMで観察された磁性体内包粒子と磁性体の平均粒径を表5に示した。
表5より、実施例13、14、15及び16で得られた磁性体内包粒子は、いずれも均一
粒径の球形粒子で、磁性体を内包していることが観察された。一方、比較例1〜3ではい
ずれも粒径が100〜1000μmの磁性体内包粒子が混ざっていて不均一であった。ま
た、比較例1〜3ではいずれも磁性体内包粒子表面に磁性体が露出しているのが確認され
た。
更に、作製した磁性体内包粒子(実施例13、14、15及び16)が、磁石へ引き寄せ
られることを確認するために、1.5mLのマイクロチューブに磁性体内包粒子の分散液
を少量取り、蒸留水で適当に希釈して磁石つきマイクロチューブ立て(DYNAL社製、
MPC(登録商標)−M)にチューブを立てて、分散している磁性体内包粒子が磁石に引
き寄せられることを視覚により確認した。
(3)磁性体含有量のバラツキの評価
パーティクルアナライザー(DP−1000 堀場製作所社製)を用いて、実施例15〜
18及び比較例1〜3の磁性体内包粒子について、有機高分子物質を構成する炭素元素と
磁性体を構成する鉄元素の同期発光を測定し、その測定データの偏差値を算出した。結果
は表6に示した。
実施例及び比較例の磁性体内包粒子の偏差値を比較すると、実施例15〜18の磁性体内
包粒子の偏差値は小さく、磁性体含有量のバラツキが小さいことが分かる。一方、比較例
1〜3の磁性体内包粒子は、偏差値が大きく、磁性体含有量のバラツキが大きいことが明
らかとなった。
(4)クロマト展開性の評価1
(4)−1 クロマト展開性の確認
実施例21、22及び比較例4の免疫測定用粒子を固形分0.045%(w/v)になる
ように、牛血清アルブミン1%(w/v)及びトリトン−100 0.03%(w/v)
濃度になるように調整した生理食塩水に分散した。各々の分散液30μLをポアサイズ1
0〜12μmのニトロセルロースメンブレン(SRHF P70、日本ミリポア社製)に
スポットし、円形状に分散液を展開させた。展開した分散液は、いずれも直径約18mm
の円状であった。その後、乾燥させ、磁性体内包粒子の展開により着色された円形の直径
を計測した。結果は、実施例18の免疫測定用粒子を用いた場合で16mmであり、実施
例19の免疫測定用粒子を用いた場合で17mmであり、比較例4の免疫測定用粒子を用
いた場合で12mmであった。
実施例21、22においては、免疫測定用粒子の展開域が媒体の展開域の約92%であっ
たことから、クロマト担体中を展開媒体と共にスムーズに展開していることが分かった。
一方、比較例4では、上記展開域が、約70%であることから実施例21、22に比べる
と展開性に劣る。また、比較例4では、スポット中心部付近の着色が濃く不均一な展開で
あることが分かった。
(4)−2 試験片の作製
ニトロセルロースメンブレン(SRHF P70、日本ミリポア社製)を幅20cm×長
さ6cmに裁断し、その長さ方向上端より3cmの部位(反応部位)に、抗β−hCGモ
ノクローナル抗体を2.0mg/mlの濃度になるようにトリス塩酸緩衝液(10mmo
l/L、pH7.4)に溶解した溶液を幅0.7mmの直線状に塗布した。その後、37
℃で2時間乾燥した後、牛血清アルブミン(和光純薬工業社製)を1重量%の濃度になる
ようにリン酸緩衝液(100mmol/L、pH7.5)に溶解した溶液に1時間浸漬し
、ブロッキング処理を行った。更にその後、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0
.1重量%の濃度になるようにリン酸緩衝液(100mmol/L、pH7.5)に溶解
した溶液に洗浄後、シリカゲルデシケーター内で室温下にて乾燥し、抗β−hCGモノク
ローナル抗体を固定化した試験片を得た。
得られた試験片を幅5mmに裁断し、長さ方向上端に幅5mm×長さ20mmの吸水パッ
ド(AP22 日本ミリポア社製)を、下端に幅5mm×長さ15mmのコンジュゲート
パッド(グラスファイバー 日本ミリポア社製)を重ね、透明なテープで固定して試験片
とした。
(4)−3 免疫測定の実施
実施例21〜23及び比較例4の免疫測定用粒子を0.05%(w/v)の濃度になるよ
うに、牛血清アルブミン1%(w/v)、 トリトン−100 0.03%(w/v)及
びhCGが0mIU/mL、25mIU/mL、100mIU/mL、1000mIU/
mL及び5000mIU/mL濃度になるように試験液を調整した生理食塩水に分散した

次に、作製した試験片のコンジュゲートパッドにhCGが所定濃度の試験液100μLを
それぞれ滴下した。
滴下10分後、実施例21〜23の免疫測定用粒子を用いた場合は、hCGが0mIU/
mLを除いた試験片は、反応部位において免疫測定用粒子に基づく着色が認められた。ま
た、その着色度合いは、hCG濃度に依存していることが確認された。また、反応部位に
おいてhCG濃度に応じた磁性が確認され、磁性を標識とする免疫測定法に有用であるこ
とが示された。
一方、比較例4の免疫測定用粒子を用いた場合は、いずれの試験片も反応部位及び反応部
位までの部位で免疫測定用粒子に基づく着色が認められた。特に、コンジュゲートパッド
を重ねた部位付近の着色が強く、免疫測定用粒子が滞留していることが認められ、hCG
が1000mIU/mL以上では、その部位は反応部位よりも強く着色していることが認
められた。比較例4の免疫測定用粒子を用いた場合は、1)試験片に免疫測定用粒子が滞
留する、2)被検出物質濃度に応じて展開する免疫測定用粒子量が変動する、3)被検出
物質が存在しなくても(hCG:0mIU/mL)非特異的に反応部位に免疫測定用粒子
がキャプチャーされることから、磁性を標識とする免疫測定法には適用できないことが示
された。
(5)クロマト展開性の評価2
(5)−1 試験片の作製
ニトロセルロースメンブレン(SRHF、日本ミリポア社製)を幅30cm×長さ6cm
に裁断し、その長さ方向上端より3cmの部位(反応部位)に、実施例20の免疫測定用
粒子で用いたものとは異なる反応エピトープを有する抗HBsAgモノクローナル抗体を
2.0mg/mLの濃度になるようにトリス塩酸緩衝液(10mmol/L、pH7.4
)に溶解した溶液を幅0.7mmの直線状に塗布した。その後、37℃で2時間乾燥した
後、牛血清アルブミン(和光純薬社製)を1重量%の濃度になるようにリン酸緩衝液(1
00mmol/L、pH7.5)に溶解した溶液に1時間浸漬し、ブロッキング処理を行
った。更にその後、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.1重量%の濃度になる
ようにリン酸緩衝液(100mmol/L、pH7.5)に溶解した溶液にて洗浄後、シ
リカゲルデシケーター内で室温下にて乾燥し、抗HBsAgモノクローナル抗体固定化膜
を得た。
得られた抗HBsAgモノクローナル抗体固定化膜を幅5mmに裁断し、長さ方向上端に
幅5mm×長さ2cmの吸水用ろ紙(日本ミリポア社製)を重ね、透明なテープで固定し
て試験片とした。
(5)−2 免疫測定の実施
リン酸緩衝液(100mmol/L、pH7.5)に実施例20の免疫測定用粒子を0.
1重量%の濃度になるように溶解し、更に牛血清アルブミンを1重量%の濃度になるよう
に溶解し、更にアジ化ナトリウムを0.01重量%の濃度になるように溶解した溶液を作
製し、該溶液20μLを96ウェルマイクロプレート(ナルジェヌンクインターナショナ
ル社製)の各ウェルに添加した。
次に、HBs抗原標準品(50IU/mL)を所定の濃度になるようにリン酸緩衝液(1
00mmol/L、pH7.5)で希釈し、各々100μLをウェルに添加混合後、試験
片をウェル内に入れ、立位するように立てた。
30分後、試験片を取り出した所、反応部位においてHBs抗原濃度に応じた磁性が確認
され、実施例20の免疫測定用粒子は磁性を標識とする免疫測定法に有用であることが示
された。
本発明は、上述の構成よりなるので、疎水モノマーと親水性モノマーとを共重合して粒子
を形成する反応と、粒子内に金属イオンを取り込ませながら金属イオンを変性して磁性体
を形成する反応とを同時に行い、磁性体を分散状態で含有する粒子とし、この表面にリン
カーを導入することにより、均一な磁性を有し、かつ、粒径分布の狭い磁性体内包粒子を
得ることができる。
実施例2で得られた磁性体内包粒子(平均粒径;磁性体内包粒子0.21μm、磁性体5nm)のTEM写真である。

Claims (5)

  1. 水系溶媒中において親水基を有さないモノマー及び/又は親水基を有するモノマーを重合して粒子を形成する工程と、
    前記粒子中に金属イオンを取り込みながら前記金属イオンを酸化して磁性体を形成する工程とからなり、
    前記粒子を形成する工程と前記磁性体を形成する工程とを同時に進行させることを特徴とする磁性体内包粒子の製造方法。
  2. 親水基を有さないモノマーは、グリシジル基を有するアクリル系モノマー、又は、グリシジル基を有するアクリル系モノマー及びスチレン系モノマーであることを特徴とする請求項記載の磁性体内包粒子の製造方法。
  3. 粒子を形成するモノマーは、親水基を有さないモノマー及び親水基を有するモノマーからなり、親水基を有するモノマーは、下記一般式(1)で表されるポリエチレングリコール(メタ)アクリレート又は下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁性体内包粒子の製造方法。
    CH=CR−COO−(CH−CH−O)n−H (1)
    式中、RはH又はCHを表し、nは1〜20の整数を表す。
    式中、XはH又はSO NH を表し、nは3〜30の整数を表す。
  4. 粒子を形成する工程において、共重合モノマーとして反応性乳化剤を添加することを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁性体内包粒子の製造方法。
  5. 粒子を形成する工程において、重合開始剤を後添加することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の磁性体内包粒子の製造方法。
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