JP4358976B2 - マイクロフォン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば静電容量等のインピーダンスを変化させる音波センサを備えたマイクロフォン装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
音波信号を入力してこれを電気信号に変換し出力するマイクロフォン装置の従来例として、例えば特開平11−88989号公報記載のものを挙げることができる。図5は、このマイクロフォン装置の概略構成を示す回路図である。このマイクロフォン装置は、エレクトレット型の音波センサ41を備えている。この音波センサ41は、外部から受けた音波で振動膜を振動させ、この振動による振動膜とエレクトレット層との間の容量変化に応じて端子間電圧Veを変化させるものである。この端子間電圧Veの変化は、抵抗42、43、44及びFET45で構成されたソースフォロワ回路によってインピーダンス変換され、出力端子46から出力電圧Vdが出力されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記音波センサ41を含む一般的なコンデンサマイクロフォンの容量Ceは、一定の基礎容量値Cdと外部から受けた音波によって変化する容量変化分ΔCとの和で表すことができる。
Ce=Cd+ΔC
ところが前記端子間電圧Veは、コンデンサマイクロフォンの全体の容量値Ceの変化に応じて変化するものである。そのため前記容量変化分ΔCが基礎容量値Cdに比べて微少である場合には、容量変化分ΔCの検出感度がきわめて低くなってしまうという問題があった。この問題を解決すべく前記回路の増幅度を上げると、今度は出力電圧Vdが飽和してしまい、容量変化分ΔCを正確に検出できなくなるという問題が生じる。
【0004】
この発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、微小な音波入力の変化を高感度で正確に検出することが可能なマイクロフォン装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明のマイクロフォン装置は、ボルテージフォロワ、一方の入力端子を所定の電圧に接続した演算増幅器、及び前記演算増幅器の出力端子と前記ボルテージフォロワの入力端子との間に設けられた第1のインピーダンスを含み、第1の増幅電圧を前記ボルテージフォロワから出力させる増幅回路と、入力した音波信号に応じてインピーダンスを変化させる音波センサと、前記ボルテージフォロワの入力端子にその一端が接続され他端に前記音波センサを接続した信号線と、前記演算増幅器の出力端子に接続された信号出力端子と、前記信号線に接続され前記音波センサに所定の電流を供給する電流路とを備えたことを特徴としている。
【0006】
上記マイクロフォン装置では、電流路を介して所定の電流を音波センサに供給することができる。この電流により、音波センサを流れる電流のうちインピーダンス変化に応じて変化することのない電流分を、第1のインピーダンスに流れる電流中から減殺することが可能となる。また演算増幅器の一方の入力端子を所定の電圧に接続しているので、特に演算増幅器を高速動作させている場合においても、その出力信号に含まれる高調波・ゆらぎ・演算誤差を抑制することが可能となる。
【0007】
また音波センサを容量型にするとともに第1のインピーダンスを第1のコンデンサとすれば、位相回りによる影響を抑制して、第1のコンデンサに流れる電流中から音波センサの容量変化に応じて変化することのない電流分を確実に減殺することが可能となる。
【0008】
さらに上記マイクロフォン装置における前記電流路を、第2の増幅電圧を出力する第2の演算増幅器の出力端子と前記信号線との間に設け、これに第2のインピーダンス又は第2のコンデンサを介設するようにすれば、電流源等の外部接続が不要となるし、また回路動作を安定させることが可能となる。
【0009】
そして上記マイクロフォン装置において、さらに前記信号線の少なくとも一部を電気的に遮蔽するシールド手段と、このシールド手段に前記第1の増幅電圧に基づくシールド電圧を印加するシールド電圧印加手段とを設けるようにすると、シールド手段と信号線との間の浮遊容量をコントロールして、音波センサのインピーダンス変化を高精度で検出することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、この発明のマイクロフォン装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0011】
(実施形態1)
図1は、実施形態1のマイクロフォン装置の構成を示す回路図である。このマイクロフォン装置は、第1演算増幅器1及び第2演算増幅器2を含む増幅回路を備えて構成されている。第1演算増幅器1は、その出力端子と反転入力端子とが接続され、ボルテージフォロワを構成している。ここでボルテージフォロワとは、入力インピーダンスが高い一方、出力インピーダンスが低く、入出力ゲインが理論上「1」であって、インピーダンス変換器として機能するものをいう。従って、例えばこのボルテージフォロワを演算増幅器で構成する場合には、その入出力端子間で信号増幅を行うようにするための帰還回路網は設けられないということになる。また第1演算増幅器1の非反転入力端子には、シールドされた信号線9の一端が接続されている。
【0012】
また信号線9の他端には、音波センサ8が設けられている。この音波センサ8は、図6にその縦断面図を示すように、円筒金属外壁34の一端側に振動膜31を備えるとともに、前記円筒金属外壁34に絶縁物33で支持された背極32が、前記振動膜31との間に所定の間隙を置いて対置するように設けられている。そしてこの背極32の反振動膜側端部に検出電極35が形成され、また円筒金属外壁34の反振動膜側端部に負電極36が形成されている。そして受けた音波に応じて前記振動膜31が振動することにより、振動膜31と背極32との間の相対位置を変化させ、これによって負電極36と検出電極35との間の静電容量Csを変化させるものである。そこで前記信号線9を音波センサ8の検出電極35に接続し、また負電極36を接地するようにしている。
【0013】
第2演算増幅器2は、非反転入力端子が接地される一方、反転入力端子には第1抵抗(抵抗値R1)5及び第2抵抗(抵抗値R2)6の一端がそれぞれ接続されている。第1抵抗5の他端は第1交流電圧発生器(発生交流電圧Vin、角周波数ω)4に接続され、第2抵抗6の他端は前記第1演算増幅器1の反転入力端子に接続されている。第2演算増幅器2の出力端子は、第1コンデンサ(第1のインピーダンス、容量値Cf)7を介して第1演算増幅器1の非反転入力端子(ボルテージフォロワの入力端子)に接続されている。また前記信号線9には、第2コンデンサ(容量値Cc)12を介して第2交流電圧発生器(発生交流電圧Vc、角周波数ω)15が接続されるとともに、第3抵抗(抵抗値Rc)14を介して第3交流電圧発生器(発生交流電圧Vr、角周波数ω)16が接続されている。そして第2演算増幅器2の出力端子が信号出力端子13に接続されている。
【0014】
次に、上記のように構成されたマイクロフォン装置の動作について説明する。音波センサ8の全静電容量Csは、基礎容量値をCd、受けた音波に応じて変化する容量変化分をΔCとすると、
Cs=Cd+ΔC ―――(1)
で表すことができる。そこで第1交流電圧発生器4から角周波数ωの交流入力電圧Vinを与える。各演算増幅器1、2の入力端子間がイマジナリ・ショート状態にあることから、第2演算増幅器2の反転入力端子電圧V1=0である。これにより第1演算増幅器1の反転入力端子電圧V2は、
V2=−(R2/R1)・Vin ―――(2)
=Vp
となる。つまりボルテージフォロワの出力電圧(第1の増幅電圧)V2は、入力電圧Vinに反転比例した電圧になるということである。
【0015】
音波センサ8を流れる電流値Isは、
Is=jωCs・Vp
=jωCs・V2 ―――(3)
で表される。また第2コンデンサ12を流れる電流Icは、
Ic=jωCc・(Vc−V2) ―――(4)
であり、第3抵抗14を流れる電流Irは、
Ir=(Vr−V2)/Rc ―――(5)
である。そして第1コンデンサ7を流れる電流Ifは、
If=Is−Ic−Ir+Ip ―――(6)
と表される。Ipは、第1演算増幅器1の非反転入力端子に流れ込む電流値である。さらに音波センサ8に流れる電流Isは、容量Csのうち基礎容量値Cdに相当する部分に流れる電流Idと、容量変化分ΔCに相当する部分に流れる電流ΔIとに分解できる。
Is=Id+ΔI ―――(7)
従って電流Ifは、
If=Id+ΔI−Ic−Ir+Ip ―――(8)
と書くことができる。一方、信号出力端子電圧Voutは、
Vout=If/jωCf+V2 ―――(9)
で表される。
【0016】
第1演算増幅器1の入力インピーダンスは既知である。これをRiとすると、電流Ipは、
Ip=V2/Ri
=−(R2/R1)・Vin/Ri ―――(10)
となる。そこで上記マイクロフォン装置では、
−(R2/R1)・Vin/Ri=(Vr−V2)/Rc ―――(11)
となるように第3交流電圧発生器16の電圧Vr及び第3抵抗14の抵抗値Rcを選択している。この際、式(11)を成立させるためには電圧Vrのみを調整するようにしてもよいし、抵抗値Rcのみを調整するようにしてもよいが、電圧Vr及び抵抗値Rcの双方を調整するようにしてもよい。するとIp=Irとなるので、式(8)は、
If=Id+ΔI−Ic ―――(12)
と表される。
【0017】
また音波センサ8の基礎容量値Cdは既知である。そこで上記マイクロフォン装置では、
jωCd・V2=jωCc・(Vc−V2) ―――(13)
となるように第2交流電圧発生器15の電圧Vc及び第2コンデンサ12の容量値Ccを選択している。この際、式(13)を成立させるためには電圧Vcのみを調整するようにしてもよいし、容量Ccのみを調整するようにしてもよいが、電圧Vc及び容量Ccの双方を調整するようにしてもよい。するとId=Icとなるので、式(12)は、
If=ΔI ―――(14)
と表されることになる。つまり、第2交流電圧発生器15と信号線9との間で第2コンデンサ12が介設された電路17が、音波センサ8に所定の電流Icを供給する電流路として機能している。また、第2交流電圧発生器15と第2コンデンサ12の介設された前記電路17とによって、音波センサ8に所定の電流Idを供給する電流源が構成されている。そしてΔIは、
ΔI=jωΔC・V2 ―――(15)
であるから、式(2)、式(14)及び式(15)を式(9)に代入して、
Vout=−(1+ΔC/Cf)・Vin・R2/R1 ―――(16)
が得られる。従ってこのVoutを検出することにより、音波入力による音波センサ8の容量変化分ΔCを知得することができる。
【0018】
上記マイクロフォン装置では、第1コンデンサ7を流れる電流Ifに応じた値の電圧Voutが得られる。そして第1コンデンサ7に流れる電流Ifは式(14)に示すとおり電流ΔIに等しいから、基礎容量値Cdの大きさに依存しない電圧Voutを得ることができる。従って基礎容量値Cdに比べて容量変化分ΔCがきわめて微少である場合にも、容量変化分ΔCを高感度で検出することができる。また第1コンデンサ7の容量Cfを小さくして検出感度をより高くしても、電流Ifには電流Idの分を含まないので、基礎容量値Cdの大きさにかかわらず電圧Voutが容易に飽和するのを回避することができる。そのため、微少な音波入力の変化であってもこれを高感度で検出することができる。
【0019】
また上記では、第1演算増幅器1については反転入力端子と出力端子とを短絡してゲイン=1のボルテージフォロワとして機能させ、必要なゲインは第2演算増幅器2でかせぐようにしている。そして電圧増幅を行う第2演算増幅器2は、その非反転入力端子を接地している。このようにすると非反転入力端子の電圧が安定するので、特に演算増幅器を高速動作させている場合に、出力信号に含まれる高調波を抑制することができる。これにより第2演算増幅器2の出力電圧に含まれる高調波成分が大幅に低減され、演算精度を顕著に向上させることができる。従って一段と高精度なΔCの検出をすることができる。つまり、音波信号の高精度な検出及び出力が可能になるということである。もっとも第2演算増幅器2の非反転入力端子は電圧が安定していればよいので、接地以外に所定の安定電圧(例えば一定電圧)を非反転入力端子に印加してもよい。
【0020】
さらに図2は、信号線9に対する交流電圧発生器の接続態様が変更された上記実施形態1の変形例を示している。ここでは、第2コンデンサ12及び第3抵抗14に流れる電流Ic、Irの角周波数ωの2倍の角周波数ω’を有する電流を、信号線9に供給できるようにしている。すなわち信号線9に、さらに第3コンデンサ24を介して第4交流電圧発生器(角周波数ω’=2ω)26が接続されるとともに、第6抵抗25を介して第5交流電圧発生器(角周波数ω’=2ω)27が接続されているということである。こうすることにより、信号出力端子13から出力される検出信号に含まれることがある第2高調波を効果的にうち消すことがことができ、高調波によるノイズを確実に抑制することができる。
【0021】
(実施形態2)
図3は、実施形態2のマイクロフォン装置の構成を示す回路図である。この装置が実施形態1のものと異なるのは、ボルテージフォロワ又はバッファ(シールド電圧印加手段)3を介して第1演算増幅器1の反転入力端子電圧をシールド線(シールド手段)10に印加している点である。シールド線10は、信号線9を電気的に遮蔽するものである。第1演算増幅器1の両入力端子はイマジナリ・ショートしているので、このようにすると非反転入力端子電圧に等しいシールド電圧をシールド線10に印加することができる。これによって信号線9の電圧とシールド線10の電圧とが等しくなり、両者間に浮遊容量が発生するのを回避することができる。
【0022】
またここでは、シールド電圧印加手段としてボルテージフォロワ3を用い、これによって回路構成の簡素化を図っている。しかしながら回路規模にこだわらない場合には、シールド電圧印加手段として第1演算増幅器1の反転入力端子電圧を位相・振幅補償できるような回路を用いてもよい。このような回路を用いると入力電圧周波数ωがきわめて高いような場合にも、信号線9とシールド線10との間を確実に同電位にして浮遊容量の発生を防止することができる。さらにシールド電圧印加手段として位相振幅補償回路を用いるような場合には、これをシールド線10と交流電圧発生器4との間に接続し、第1交流電圧発生器4の電圧Vinを位相振幅補償してシールド線10に印加するようにしてもよい。ボルテージフォロワの出力電圧V2は前記電圧Vinに基づいて形成されているので、このようにしてもボルテージフォロワの出力電圧に基づくシールド電圧をシールド線10に印加することができるからである。
【0023】
(実施形態3)
図4は、実施形態3のマイクロフォン装置の構成を示す回路図である。この装置が実施形態1のものと異なるのは、第3演算増幅器(第2の演算増幅器)20と、この第3演算増幅器20の反転入力端子に一端が接続された第4抵抗(抵抗値R4)21と、反転入力端子と出力端子との間に接続された第5抵抗(抵抗値R5)22とで構成された反転増幅器を設けている点である。そして第4抵抗21の他端を第1交流電圧発生器4に接続するとともに、第3演算増幅器20の出力端子に第2コンデンサ12を接続して電流Icを音波センサ8に供給するようにしている。ここでは第3演算増幅器20の出力端子と信号線9との間で第2コンデンサ(第2のインピーダンス)12が介設された電路18が、音波センサ8に所定の電流Icを供給する電流路として機能している。また前記構成の反転増幅器と、第1交流電圧発生器4と、第2コンデンサ12とによって、音波センサ8に所定の電流を供給する電流源が構成されている。第3演算増幅器20の出力端子からは、−(R5/R4)・Vinで表される電圧(第2の増幅電圧)Voが出力される。そしてこの検出回路では、各抵抗値を例えばR4=R1、R5=R2・(1+Cd/Cc)となるように選択している。すると実施形態1と同様に、電流Idのほぼ全量を第2コンデンサ12を流れる電流Icで賄うことができる。
【0024】
この実施形態3のマイクロフォン装置では、音波センサ8に供給する電流Icを、第3演算増幅器20から取り出すようにしている。従って交流電圧発生器15、16の外部接続等は不要となり、全体をコンパクトな回路に一体化してチップ化等を容易に図ることができる。またこの実施形態3においても、第2コンデンサ12と並列に抵抗素子を設け、この抵抗素子に流れる電流によって第1演算増幅器1の非反転入力端子に流れ込む電流Ip分を賄うようにしてもよい。さらに実施形態2のように、ボルテージフォロワ又はバッファ(シールド電圧印加手段)3を介して第1演算増幅器1の反転入力端子電圧をシールド線(信号線9を電気的に遮蔽するシールド手段)10に印加し、信号線9の電圧とシールド線10の電圧とを等しくして、両者間に浮遊容量が発生するのを回避するようにしてもよい。
【0025】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。上記では音波センサ8として容量型のセンサを用いたが、これは背極32又は振動膜31にエレクトレット層を形成したエレクトレット型のセンサであってもよい。また音波センサ8として誘導型のセンサを用いてもよいし、抵抗型のセンサを用いてもよい。第1のインピーダンスも上記のような容量素子7に限らず、抵抗素子又は誘導性素子を用いることができる。また上記実施形態でIcを供給するインピーダンスとして容量素子(第2コンデンサ12)を用いたのは、音波センサ8として容量型のセンサを用いたためであり、こうすることでIdに等しいIcを音波センサ8に確実に供給できるからである。従って音波センサ8として誘導型のセンサを用いる場合には、Icを供給するインピーダンスも誘導性素子とするのが望ましく、音波センサ8として抵抗型のセンサを用いる場合には、前記インピーダンスを抵抗素子とするのが望ましい。
【0026】
さらに電流Ifを流す第1のインピーダンスとして容量素子(第1コンデンサ7)を用いたのも、音波センサ8として容量型のセンサを用いたためであり、こうすることでIfとId(又はIs)との間における位相回りによる影響を抑制し、If中からIdを確実に減殺することができるからである。従って音波センサ8として誘導型のセンサを用いる場合には、第1のインピーダンスも誘導性素子とするのが望ましく、音波センサ8として抵抗型のセンサを用いる場合には、前記第1のインピーダンスも抵抗素子とするのが望ましい。
【0027】
さらに電流Idのうち少なくともその一部を電流Icで賄うようにすれば、検出電圧Voutに対するIdの寄与分を減少できるので、本発明の効果を得ることができる。もっとも容量変化分ΔCを高感度で検出するためには、上記のように電流Idのほぼ全量を電流Icで賄ってIf=ΔIとなるようするのが好ましい。
【0028】
また信号出力端子電圧Voutから電圧V2を差し引いて出力する差動回路を演算増幅器等で構成し、この差動回路を上記検出回路に含めるようにしてもよい。このようにすると差分回路の出力からはΔCに比例した信号を得ることができ、以後の信号処理回路を簡素化することができる。
【0029】
さらに実施形態1及び実施形態2では電流Icと電流Irとをそれぞれ別の交流電圧発生器15、16から取り出すようにしたが、両電流Ic、Irを単一の交流電圧発生器から取り出すようにしてもよい。
【0030】
【実施例】
図4に示す回路において、R1=R2=1kΩ、R4=1kΩ、R5=10kΩ、Cc=2pFとした。音波センサ8として、図6に示すような基礎容量値Cd=20pFの容量型のセンサを使用し、容量Csを17pF〜23pFまで変化させるような音波入力を与えた。音波センサ8に電流Icを供給しない場合を比較値とし、Cf=5pFの場合及びCf=1pFの場合のそれぞれについて信号出力端子電圧Voutを測定した。
【0031】
図5(a)はCf=5pFとした場合の結果を示し、同図(b)はCf=1pFとした場合の結果を示している。Cf=5pFとした場合は、本発明実施例及び比較例の双方で容量Csの変化に応じたVoutが検出されている。ただし電圧Voutの変化幅は約0.15V程度であるので、容量Csの微少な変化を正確に捉えるのは容易ではないと言える。一方、Cf=1pFの場合、比較例では信号出力端子電圧Voutが電源電圧に接近して飽和し、容量Csの検出がきわめて困難となっている。本発明実施例では、この場合にも容量Csの変化を検出でき、しかもこのときの電圧Voutの変化幅は約0.65Vである。従って微小な容量Csの変化を高感度で正確に検出できることが明らかである。
【0032】
【発明の効果】
本発明のマイクロフォン装置では、音波センサのインピーダンス変化に応じて変化することのない電流分を、第1のインピーダンスに流れる電流中から減殺することができる。従って音波センサに生じた微小なインピーダンス量の変化を高感度で正確に検出することが可能となる。また、特に演算増幅器を高速動作させている場合においても検出信号に含まれる高調波を抑制することができるので、微少な音波入力によるインピーダンス変化を高精度で検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1のマイクロフォン装置の構成を示す回路図である。
【図2】上記実施形態1のマイクロフォン装置の変形例を示す回路図である。
【図3】実施形態2のマイクロフォン装置の構成を示す回路図である。
【図4】実施形態3のマイクロフォン装置の構成を示す回路図である。
【図5】実施例における信号出力端子電圧と容量変化との関係を、比較例と比較して示すグラフである。
【図6】この発明のマイクロフォン装置に用いた音波センサの一例を示す縦断面図である。
【図7】従来例のマイクロフォン装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 第1演算増幅器
2 第2演算増幅器
7 第1コンデンサ
8 音波センサ
9 信号線
10 シールド線
12 第2コンデンサ
13 信号出力端子
15 第2交流電圧発生器
Claims (5)
- ボルテージフォロワ、一方の入力端子を所定の電圧に接続した演算増幅器、及び前記演算増幅器の出力端子と前記ボルテージフォロワの入力端子との間に設けられた第1のインピーダンスを含み、第1の増幅電圧を前記ボルテージフォロワから出力させる増幅回路と、入力した音波信号に応じてインピーダンスを変化させる音波センサと、前記ボルテージフォロワの入力端子にその一端が接続され他端に前記音波センサを接続した信号線と、前記演算増幅器の出力端子に接続された信号出力端子と、前記信号線に接続され前記音波センサに所定の電流を供給する電流路とを備えたことを特徴とするマイクロフォン装置。
- 前記電流路は、第2の増幅電圧を出力する第2の演算増幅器の出力端子と前記信号線との間に設けられ、第2のインピーダンスを介設していることを特徴とする請求項1のマイクロフォン装置。
- ボルテージフォロワ、一方の入力端子を所定の電圧に接続した演算増幅器、及び前記演算増幅器の出力端子と前記ボルテージフォロワの入力端子との間に設けられた第1のコンデンサを含み、第1の増幅電圧を前記ボルテージフォロワから出力させる増幅回路と、入力した音波信号に応じて静電容量を変化させる音波センサと、前記ボルテージフォロワの入力端子にその一端が接続され他端に前記音波センサを接続した信号線と、前記演算増幅器の出力端子に接続された信号出力端子と、前記信号線に接続され前記音波センサに所定の電流を供給する電流路とを備えたことを特徴とするマイクロフォン装置。
- 前記電流路は、第2の増幅電圧を出力する第2の演算増幅器の出力端子と前記信号線との間に設けられ、第2のコンデンサを介設していることを特徴とする請求項3のマイクロフォン装置。
- さらに前記信号線の少なくとも一部を電気的に遮蔽するシールド手段と、このシールド手段に前記第1の増幅電圧に基づくシールド電圧を印加するシールド電圧印加手段とを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかのマイクロフォン装置。
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JP2002044788A (ja) | 2002-02-08 |
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