以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るセグメント搬入装置が設けられたシールドトンネルの発進立坑近傍の側断面図、図2は、シールドトンネルの側断面図、図3は、シールドトンネルの平断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るセグメント搬入装置は、地上におけるシールドトンネルTの発進立坑(以下「立坑」という)Hの近傍に配置された橋形クレーン1を有している。立坑Hにおける地上入口には、セグメントおよび小幅セグメントを搭載して搬送する移載台車2が配置されている。移載台車2は、通常のセグメントの幅よりも狭くされており、移載台車2の通常のセグメントを搭載した際、セグメントは、その両側は移載台車2の側方から少しはみ出すようにして搭載される。図1〜図5では、セグメントとして小幅セグメントNを搬入する状態を描いている。
地上における立坑Hの近傍位置には、地上セグメントストックエリアGEが形成されており、地上セグメントストックエリアGEには、図示はしないが、多数のセグメントがストックされている。地上セグメントストックエリアGEにストックされたセグメントSは、橋形クレーン1に吊持されて、立坑Hの地上入口に配置された移載台車2に載置される。
また、立坑Hには、その高さ方向に沿って、移載台車2および移載台車2に搭載されたセグメントを地上からシールドトンネルT内に搬入するリフト3が設けられている。移載台車2は自走式であり、橋形クレーン1によってセグメントを載置された後、移載台車2は自走してリフト3に進入する。リフト3は、セグメントを搭載した移載台車2を地上からシールドトンネルT内に搬入する。
さらに、シールドトンネルTにおける立坑Hの近傍位置には、図2にも示すように、入口側仮受リフタ4が設けられている。入口側仮受リフタ4は、一対のベース部材を有しており、これらのベース部材の上に、それぞれ昇降アームが設けられている。これらのベース部材および昇降アームは、それぞれ一対設けられている。昇降アーム同士の離間幅は、それぞれベース部材同士の離間幅とほぼ同一とされている。
昇降アームが上昇した状態では、昇降アームの高さ位置が移載台車2におけるセグメント載置高さよりも高い高さ位置となる。また昇降アームが下降した状態では、昇降アームの高さ位置は、移載台車2におけるセグメント載置高さよりも低い高さ位置となる。
一対のベース部材の離間幅は、移載台車2の幅よりも広く設定されている。このため、一対のベース部材の間に移載台車2が進入可能とされている。また、昇降アームの離間幅は、通常のセグメントの幅よりも狭く設定されている。このため、昇降アーム上に、通常のセグメントを直接載置可能とされている。
したがって、昇降アームが下降した状態では、セグメントを搭載した移載台車2が、セグメントをぶつけることなく、入口側仮受リフタ4に進入することができる。また、移載台車2が進入した後、昇降アームを上昇させることにより、セグメントが移載台車2から昇降アームに移載される。
また、シールドトンネルT内における立坑Hの近傍位置には、トンネル内セグメントストックエリアTEが形成されており、トンネル内セグメントストックエリアTEには、ストックラック5が設けられている。
ストックラック5は、図3に示すように、シールドトンネルTの掘削方向に沿って敷設されたストックエリアレール6に沿って形成されている。地上のヤードが狭いなどの理由から、シールドトンネル内にセグメントを仮置きする場合があるが、小断面トンネルでは、セグメントを横置きする(トンネルの掘削方向に対してセグメントの長尺側を直交する方向に載置する)ことが困難となる場合がある。この点、本実施形態のストックラックは、シールドトンネルの掘削方向の沿って形成されており、セグメントを縦置きできるので、小断面のトンネルであっても、セグメントを仮置きするスペースを容易に確保することができる。
ストックエリアレール6の側方には、資材搬送の本線レールRが延在している。ストックエリアレール6は、Y形の切り替えポイントPで本線レールRと合流している。切り替えポイントPは、本線レールRとストックエリアレール6との切り替えを可能としている。また、本実施形態では切り替えポイントPを設けているが、切り替えポイントに代えて、いわゆるトラバーサを用いることもできる。
ストックラック5は、ストックエリアレール6の両側に沿った2本の支持レールを有しており、2本の支持レール間の幅は、通常のセグメントの幅よりも広く設定されている。したがって、通常のセグメントは、2本の支持レール上に載置して、トンネル内セグメントストックエリアTEにストックすることができる。ストックラック5における坑口側端部は、入口側仮受リフタ4の近傍位置に配置されている。支持レールの高さ位置は、入口側仮受リフタ4の昇降アームが上昇した際の昇降アームの高さ位置とほぼ同じ高さ位置となる。
また、ストックラック5の切羽側端部の近傍位置には、第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8が設けられている。第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8は、互いに同一の構成を有しており、その構成を第一仮受リフタ7で説明する。
第一仮受リフタ7は、図4に示すように、ストックエリアレール6の両側に設けられた一対のベース部材11を備えている。ベース部材11の上には、第一昇降アーム12が設けられ、第一昇降アーム12の上には、第二昇降アーム13が設けられている。したがって、ベース部材11のほか、第一昇降アーム12および第二昇降アーム13も、ストックエリアレール6を介してそれぞれ一対設けられている。
ベース部材11と第一昇降アーム12との間には、油圧式の第一伸縮ロッド14が設けられている。第一伸縮ロッド14が伸長することにより、第一昇降アーム12が上昇し、第一伸縮ロッド14が収縮することにより、第一昇降アーム12が下降する。第一昇降アーム12および第二昇降アーム13が上昇しているとき、第二昇降アーム13の高さ位置は、ストックラック5の支持レールの高さ位置とほぼ同じ高さ位置となる。
また、第一昇降アーム12と第二昇降アーム13との間には、やはり油圧式の第二伸縮ロッド15が設けられている。この第二伸縮ロッド15が伸長することにより、第二昇降アーム13が第一昇降アーム12に対して相対的に上昇し、第二伸縮ロッド15が収縮することにより、第二昇降アーム13が第一昇降アーム12に対して下降する。一対の第二昇降アーム13の離間距離は、通常のセグメントの幅よりも大きくされている。このため、一対の第二昇降アーム13上に、通常の幅のセグメントを直接載置可能とされている。
このように、入口側仮受リフタ4が、昇降アームを1組有する、いわば1段式のリフタであるのに対して、第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8は、昇降アームを2組有する、いわば2段式のリフタである。リフタとしては、入口側仮受リフタ4のように、1段式のものの方が構造的に簡素であるため、コスト面等を考慮すると、可能であれば、1段式のものを用いるのが好ましい。ただし、本実施形態のように、小断面のシールドトンネルにおける坑内では、断面が小さいことから、小型のリフタを用いる必要が生じる。そこで、第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8としては、ジャッキストロークが短くて済む2段式のリフタを用いている。このように、2段式のリフタは、小断面のトンネルにおけるリフタとして用いて好適である。
さらに、入口側仮受リフタ4と第一仮受リフタ7との間には、図2に示すように、ストックエリアレール6を走行可能なストック台車9が配置されている。ストック台車9には、昇降セグメント支持部材が設けられている。昇降セグメント支持部材は、昇降可能なセグメント支持部を備えており、セグメント支持部材が上昇すると、ストックラック5の支持レールの高さ位置よりも高い位置に到達する。
ストックラック5上に載置されたセグメントは、ストック台車9がこのセグメントの真下に入り込み、昇降セグメント支持部材を上昇させることにより、ストック台車9における昇降セグメント支持部材によって支持可能である。また、ストック台車9は、昇降セグメント支持部材を上昇させ、セグメントを支持した状態でストックエリアレール6を走行可能である。このストック台車9は、ストックラック5で支持したセグメントを第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8のうち、セグメントが搭載されていないものまで搬送する。その後、昇降セグメント支持部材を下降させることにより、セグメントを第一仮受リフタ7または第二仮受リフタ8に移載する。
さらに、本線レールRには、図5に示すセグメント搭載台車21〜24が配置されている。セグメント搭載台車21は、通常のセグメントを搭載可能であり、その幅は、通常のセグメントの幅よりも狭い幅とされている。セグメント搭載台車21〜24には、セグメントが搭載され、機関車25によって立坑H付近から図示しない切羽まで搬送される。
他方、本実施形態に係るセグメント搬送装置が用いられるシールドトンネルでは、図示しない急カーブとなる領域がある。この急カーブ領域では、通常のセグメントを用いると、カーブのRを保持しながらシールド掘進機による掘進を続けるのが困難となる。
そこで、急カーブとなる領域では、通常のセグメントよりも幅の狭い小幅セグメントNが用いられる。本実施形態に係るセグメント搬送装置では、通常のセグメントのほか、通常のセグメントよりも幅の狭い小幅セグメントNを搬送する。小幅セグメントを搬送する際には、図6に示すセグメント搭載用パレット(以下「パレット」という)30を用いる。パレット30は、たとえばアルミニウムによって製造されている。
図6に示すように、パレット30は、前ロッド31と後ロッド32とを有するベース部材を備えている。これらの前ロッド31および後ロッド32の幅は、いずれも通常のセグメントの幅とほぼ同一とされており、セグメント支持部材の離間幅よりも大きな幅に設定されている。
前ロッド31と後ロッド32とは、接続ロッド33,34によって接続されており、前ロッド31および後ロッド32には、それぞれセグメント支持部35,36が設けられている。前セグメント支持部35は、後方が下がる傾斜を有して設けられており、後セグメント支持部36は、前方が下げる傾斜を有して設けられている。これらの前セグメント支持部35と後セグメント支持部36との間に掛け渡される形で、小幅セグメントNが載置される(図5参照)。
接続ロッド33,34の側方からは、スイッチングロッド37,38が突出して設けられている。左スイッチングロッド37の左端部は、前ロッド31および後ロッド32の左端部を繋いだ直線上に位置している。また、右スイッチングロッド38の右端部は、前ロッド31および後ロッド32の右端部を繋いだ直線上に位置している。これらのスイッチングロッド37,38は、仮受リフタ4,7,8、ストックラック5、ストック台車9、および移載台車2にそれぞれ設けられた図示しないリミットスイッチの位置に対応して配置されている。これらのリミットスイッチをスイッチングロッド37,38がたたくことにより、仮受リフタ4,7,8、ストックラック5、ストック台車9、または移載台車2にパレット30が搭載されたことを検出することができるようにされている。
以上の構成を有する本実施形態に係るセグメント搬入装置の動作手順について説明する。本実施形態に係るセグメント搬入装置では、通常のセグメントおよび通常より幅の狭い小幅セグメントが搬入される。小幅セグメントNは、橋形クレーン1によって立坑から搬入される前に、図6に示すパレット30に搭載され、このパレット30に搭載された状態で立坑から搬入される。小幅セグメントNがパレット30に搭載された後は、通常のセグメントと小幅セグメントNとでは、同様の手順によってシールドトンネル内への搬入が行われる。この搬入手順について、図7ないし図10を参照して説明する。
図7は、本実施形態に係るセグメント搬入装置によるセグメントの搬入手順を示すフローチャート、図8は、セグメントの搬入手順を示す工程図、図9は、図7に続くセグメントの搬入手順を示すフローチャート、図10は、図8に続く工程を示す工程図である。
図7および図8に示すように、セグメントを搬入するにあたり、地上セグメントストックエリアGEでは、セグメントSを複数、たとえば3個を1組として移載台車2に搭載する(S1)。セグメントSを移載台車2に搭載する際には、セグメントSを橋形クレーン1で吊持し、そのまま移載台車2上に載置することによって搭載する。
移載台車2にセグメントを搭載したら、地上に設けられた操作盤を操作することにより、移載台車2の自動搬送が開始される(S2)。自動搬送が開始されると、まず、立坑Hに設けられたリフト3に移載台車2が進入し、格納される(S3)。移載台車2が進入するまでの間、地上では、移載台車2の走行を周知させるために、メロディーが流れる。
また、リフト3には、図示しない光電センサが設けられており、移載台車2がリフト3における所定の前後左右位置からはみ出したことを検出している。この光電センサによって移載台車2がはみ出したことを検出すると、自動搬送が停止し、その後は、移載台車2の位置を修正した後、手動運転によって後の工程が継続される。
それから、把持ブレーキを開放し、その後、リフト3に格納された移載台車2は、リフト3によってシールドトンネルTの入口まで下降搬送される(S4)。リフト3が下降している間、リフト3の下降を周知させるためのメロディーが流れるとともに、別途設けられたパトライトが点灯回転する。
移載台車2がシールドトンネルTまで下降搬送されたら、把持ブレーキが作動し、リフト3におけるゲートが開放する。その後、移載台車2が自動運転によって入口側仮受リフタ4の位置まで移動する(S5)。入口側仮受リフタ4は、移載台車2が到着する前は、昇降アームを下降させた状態で移載台車2を待ち受けている。このときの昇降アームの高さ位置は、移載台車2に搭載されたセグメントSの高さ位置よりも低くなっている。
移載台車2が入口側仮受リフタ4の位置に到達したら、移載台車2から入口側仮受リフタ4にセグメントSが移載される(S6)。移載台車2から入口側仮受リフタ4にセグメントSを移載する際には、移載台車2は、入口側仮受リフタ4のほぼ中央位置に停止し、この状態で、入口側仮受リフタ4の昇降アームを上昇させる。
昇降アームを上昇させると、昇降アームの高さ位置が上昇し、移載台車2に搭載されたセグメントの高さ位置よりも高くなる。ここで、昇降アーム同士の離間幅は、セグメントの幅よりも狭くされているので、昇降アームの上昇に伴い、セグメントSは、昇降アーム上に搭載された状態で持ち上げられる。昇降アームが上昇動作を行っている間、パトライトが点灯回転し、セグメントSの持ち上げ動作を行っていることを周囲に周知している。やがて、昇降アームの上昇が完了すると、昇降アーム上にセグメントSが載置された状態となる。こうして、移載台車2から入口側仮受リフタ4への移載が完了する。
入口側仮受リフタ4への移載が完了したら、移載台車2は、入口側仮受リフタ4の位置から移動し、立坑Hにおけるリフト3に再び格納され、ゲートが閉じる。それから、リフト3によって上昇させられることにより(S7)、地上セグメントストックエリアGEに戻る。リフト3が上昇している間は、メロディーが流れるとともに、パトライトが点灯回転する。こうして、次のセグメントSの下降搬入作業に備える。
また、入口側仮受リフタ4には、移載台車2が移動した後、ストック台車9が進入する。ストック台車9が入口側仮受リフタ4に進入する際には、ストック台車9の昇降セグメント支持部材9Aは下降した状態にある。ストック台車9が入口側仮受リフタ4に進入したら、ストック台車9は、入口側仮受リフタ4からストック台車9にセグメントSを移載させる(S8)。この間、やはりメロディーが流れるとともに、パトライトが点灯回転する。
セグメントSを移載させるにあたり、ストック台車9における昇降セグメント支持部材9Aを上昇させる。昇降セグメント支持部材9Aを上昇させると、昇降セグメント支持部材9Aは、入口側仮受リフタ4における昇降アームを上昇させた際の昇降アームの高さ位置よりも高い位置に到達する。このため、昇降セグメント支持部材9Aを上昇させることにより、入口側仮受リフタ4における昇降アーム上に載置されたセグメントSは、ストック台車9における昇降セグメント支持部材9Aに移載される。
ストック台車9上にセグメントSが移載されたら、そのままストック台車9を走行させる(S9)。こうして、ストック台車9をトンネル内セグメントストックエリアTEに移動させる。ストック台車9は、トンネル内セグメントストックエリアTEにおいて、移動させたセグメントSをストックラック5上に移載する(S10)。
ストック台車9からストックラック5上にセグメントSを移載する際には、ストックラック5のうち、切羽に近い側の開いている場所にストック台車9を移動させる。この場所で、ストック台車9における昇降セグメント支持部材9Aを下降させる。
昇降セグメント支持部材9Aを最も下方に下降させた状態では、昇降セグメント支持部材9Aは、ストックラック5の支持レールの高さよりも低くなる。また、2本の支持レール間の幅は、セグメントSの幅よりも狭くされている。このため、昇降セグメント支持部材9Aを下降させることにより、セグメントSは、支持レール上に載置された状態となる。このようにして、セグメントをストックラック5の支持レール上に載置することにより、セグメントSはストックラック5にストックされる。
このように、ストックラック5に対してセグメントSをストックする作業を順次行う。こうして、ストックラック5には、複数組のセグメントSがストックされた状態とする。また、セグメントSをストックしている間、ストックラック5とセグメントSとの間には、図示しないセグメント保持部材が介在されている。セグメントSは、ストックラック5に載置された状態では、曲面がストックラック5に接触しており、安定感が低い状態となる。ここで、セグメント保持部材が設けられていることにより、セグメントを安定した状態で支持しておくことができる。セグメント保持部材としては、適宜のものを用いることができるが、たとえばセグメントSとストックラックとの間にかませる楔などを用いることができる。また、セグメントSの曲面の曲率に合わせた溝が形成された台座などを用いることもできる。
ここまで、セグメントSが通常のセグメントである場合の搬入手順について説明したが、次に、搬入対象となるセグメントが通常のセグメントよりも幅の狭い小幅セグメントNである場合について説明する。搬入対象となるセグメントが小幅セグメントNである場合には、ステップS1に移載台車2にセグメントを搭載する前に小幅セグメントNをパレット30(図6)に載置しておく。小幅セグメントNをパレット30に載置する際には、橋形クレーン1で小幅セグメントNを吊持し、パレット30上に降ろして載置するようにする。また、小幅セグメントNは幅が狭いことから、パレット30上には、たとえば小幅セグメントNを2列にして載置する。
この小幅セグメントNが載置されたパレット30を橋形クレーン1で吊持し、小幅セグメントNが載置されたパレット30を介して、小幅セグメントNを移載台車2に搭載する。その後の小幅セグメントNの搬入工程は、通常のセグメントの搬入工程と同様となる。
パレット30に載置された小幅セグメントNを移載台車2に搭載したら、移載台車2をリフト3に移動させ、その後、リフト3をシールドトンネルTの入口まで下降移動させる。シールドトンネルTの入口に下降移動させられた移載台車2は、その後、入口側仮受リフタ4まで自走し、入口側仮受リフタ4の位置で停止する。入口側仮受リフタ4は、昇降アームを上昇させることにより、昇降アーム上にパレット30に載置された小幅セグメントNを搭載する。このとき、昇降アームには、パレット30における前後ロッド31,32が接触しており、昇降アームは、前後ロッド31,32を介してパレット30および小幅セグメントNを支持している。
こうして、パレット30に載置された小幅セグメントNを入口側仮受リフタ4に支持させたら、ストック台車9を入口側仮受リフタ4の位置まで移動させる。それから、ストック台車9における昇降セグメント支持部材9Aを上昇させ、パレット30を介して小幅セグメントNを昇降セグメント支持部材9A上に搭載する。ここで、パレット30の幅は、通常のセグメントの幅とほぼ同じに設定されている。このため、昇降セグメント支持部材9Aによって、小幅セグメントNを載置したパレット30を支持することができる。
その後、ストックラック5の支持レールにおける最も切羽側の位置までストック台車9を走行させる。それから、ストック台車9における昇降セグメント支持部材9Aを下降させて、ストックラック5の支持レール上にパレット30に載置された小幅セグメントNをストックする。このようにして、小幅セグメントNは、パレット30を介してストックラック5にストックされる。このように、搬入対象となるセグメントが小幅セグメントNである場合でも、パレット30を用いることにより、通常のセグメントと同様にしてシールドトンネル内に搬入することができる。
続いて、ストックラック5にストックされたセグメントSを切羽近傍まで搬送する手順について説明する。ストックラック5にストックされたセグメントSを切羽付近に搬送するにあたり、ストックラック5にストックされたセグメントSを、ストックラック5から仮受リフタ7,8に移載する。
ストックラック5から仮受リフタ7,8にセグメントSを移載するにあたり、まず、ストックラック5における最も切羽側にストックされているセグメントSの組を第一仮受リフタ7に移載する。このため、ストック台車9は、昇降セグメント支持部材9Aを下降させた状態で、ストックラック5の最も切羽側にストックされたセグメントSの下方に移動させる。
それから、ストック台車9における昇降セグメント支持部材9Aを上昇させ、昇降セグメント支持部材9Aによって一組のセグメントSの組を支持する。この状態で、一組のセグメントSを第一仮受リフタ7の位置まで搬送する。ストック台車9が第一仮受リフタ7の位置に到達したら、昇降セグメント支持部材9Aを下降させる。昇降セグメント支持部材9Aを最も低い位置まで下降させると、昇降セグメント支持部材9Aに搭載されたセグメントSの高さ位置は、仮受リフタ7,8の第二昇降アーム13における上昇時の高さ位置よりも低い位置となる。したがって、第一仮受リフタ7の第二昇降アーム13を上昇させておき、昇降セグメント支持部材9Aを下降させることにより、第一仮受リフタ7に一組のセグメントSを搭載することができる。こうして、ストックラック5にストックされていたセグメントSを第一仮受リフタ7に移載することができる。
一組のセグメントSを第一仮受リフタ7に移載したら、ストック台車9は、ストックラック5における次に切羽に近い位置にストックされた一組のセグメントSの位置まで移動する。それから、ストック台車9は、昇降セグメント支持部材9Aを上昇させて、一組のセグメントを搭載する。以後、同様にして、ストック台車9は、第二仮受リフタ8の位置まで移動し、昇降セグメント支持部材9Aを下降させる。その際、第二仮受リフタ8の第二昇降アーム13を上昇させておくことにより、ストックラック5にストックされていた一組のセグメントSを第二仮受リフタ8に移載することができる。
仮受リフタ7,8にそれぞれ一組のセグメントSを移載させた状態で、セグメント搭載台車21〜24に対して、それぞれセグメントの移載作業が行われる。
ストックラック5にストックされたセグメントSは、図5に示すセグメント搭載台車21〜24に搭載されて、切羽近傍まで搬送される。セグメント搭載台車21〜24は、機関車25によって切羽近傍まで搬送される。セグメントSを切羽近傍まで搬送する際には、まず、切羽側から戻ってきたセグメント搭載台車21〜24が、切り替えポイントPよりも切羽側の位置において、手動により機関車25から切離される(S11)。セグメント搭載台車21〜24と機関車25との切離しは、両者を連結する連結ピンを外すことによって行われる。セグメント搭載台車21〜24が切離された機関車25は、ストックエリアレール6の並設された本線レールRに沿って移動させられ(S12)、仮受リフタ7,8の先にある待機位置に停止させられる。
また、機関車25からセグメント搭載台車21〜24を切離し、機関車25を本線レールRにおける待機位置に移動させた後、切り替えポイントPをストックエリアレール6側に切り替える(S13)。切り替えポイントPの切り替え作業は、図示しない作業盤におけるボタン操作によって行う。また、切り替えポイントPの切り替えとともに、ストックエリアレール6への進入を禁止する遮断機を開き、ストックエリアレール6に対して進入可能な状態とする。
切り替えポイントPを切り替えたら、セグメント搭載台車21〜24に給電ケーブルとペンダントスイッチを取り付け、セグメント搭載台車21〜24に対して給電可能な状態とする。ペンダントスイッチを作動し、セグメント搭載台車21〜24に給電することにより、セグメント搭載台車21〜24が自走可能となる。なお、セグメント搭載台車21〜24としては、給電式のものではなく、バッテリ搭載型のものを用いることもできる。この場合には、給電ケーブルの取り付け作業は不要となる。また、ペンダントスイッチでなく、リモコンスイッチ(リモートコントロールスイッチ)を設けることもできる。この場合には、ペンダントスイッチの取り付け作業は不要となる。
それからペンダントスイッチを作動して、セグメント搭載台車21〜24に給電し、セグメント搭載台車21〜24を自走させて、ストックエリアレール6に沿って移動させる(S14)。仮受リフタ7,8には、図示しない台車到達センサが設けられており、台車到達センサでセグメント搭載台車21,22が到達したことを検知したときに、表示ランプを点灯させる。こうして、第一セグメント搭載台車21を第一仮受リフタ7の位置に、第二セグメント搭載台車22を第二仮受リフタ8の位置に、それぞれ配置する。その後、図示しない操作盤におけるボタン操作によって、セグメント搭載台車の逸走防止作動を行う。逸脱防止装置が作動した際は、セグメント搭載台車が所定位置から±50mmの範囲を外れたときに、強制的に位置修正する機能を有している。
その後、第一セグメント搭載台車21および第二セグメント搭載台車22をそれぞれ第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8の位置に配置したら、図10(a)に示すように、第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8のそれぞれの第一昇降アーム12および第二昇降アーム13を下降させる。すると、第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8に搭載されたセグメントSは、それぞれ第一セグメント搭載台車21および第二セグメント搭載台車22に移載される。こうして、第一セグメント搭載台車21および第二セグメント搭載台車22に対して、セグメントの積込を行う(S15)。第一昇降アーム12および第二昇降アーム13が下降している間、図示しないパトライトが点灯回転する。
第一セグメント搭載台車21および第二セグメント搭載台車22に対してセグメントを搭載したら、セグメント搭載台車21〜24を一旦切羽側に移動させ、第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8から外れた位置に待機させる。この状態で、ストック台車9によって、ストックラック5にストックされた一組のセグメントSを、それぞれ第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8に移載する。第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8に対する移載手順は、上記の場合と同様とすることができる。
こうして、第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8に対して、セグメントSをそれぞれ移載したら、第三セグメント搭載台車23および第四セグメント搭載台車24を、それぞれ第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8に位置に移動させる。この状態から、第一仮受リフタ7および第二仮受リフタ8における第一昇降アーム12および第二昇降アーム13をそれぞれ下降させ、第三セグメント搭載台車23および第四セグメント搭載台車24に対して、それぞれセグメントを移載する。なお、ここまでの移載作業をすべて自動運転させることもできる。
このようにして、各セグメント搭載台車21〜24にセグメントSが搭載され、セグメント搭載台車21〜24に対するセグメントの積込作業が済んだら、図示しない作業盤のボタン操作により、逸走防止動作を解除する。その後、図10(b)に示すように、セグメント搭載台車21〜24を切羽方向に移動させる(S16)。なお、図10では、セグメント搭載台車を模式的に2台のみ描いているが、実際には、4台のセグメント搭載台車が連結されている。
セグメント搭載台車21〜24の移動が開始し、セグメント搭載台車21〜24が切り替えポイントPを超えた時点で、一旦セグメント搭載台車21〜24を停止させる。それから、切り替えポイントPをストックエリアレール6側から本線レールRの待機位置側に切り替える(S17)。
その後、機関車25を発進させ、切り替えポイントPを超えた位置に待機するセグメント搭載台車21〜24の位置まで移動させる(S18)。そして、セグメント搭載台車21〜24に機関車25を連結し(S19)、機関車25によって、セグメント搭載台車21〜24に搭載されたセグメントSを切羽近傍位置まで搬送する。
ここまで、セグメントとして通常のセグメントSを搬送する場合について説明したが、小幅セグメントNを搬送する場合であっても、小幅セグメントNがパレット30に搭載されていることから、同様の手順によることができる。小幅セグメントNをセグメント搭載台車21〜24に搭載するにあたり、小幅セグメントNは、パレット30の上に載置されている。このパレット30の上に載置された状態で、ストックラック5上に載置され、ストック台車9によって仮受リフタ7,8に移載された後、仮受リフタ7,8からセグメント搭載台車21〜24に移載される。
このように、小幅セグメントNは、ストックラック5からセグメント搭載台車21〜24に移載される間、パレット30上に載置されていることから、その移載作業を通常のセグメントSと同様、容易に行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、パレット上の6個の小幅セグメントを載置するようにしているが、さらに多い数あるいは少ない数の小幅セグメントを載置する態様とすることができる。
また、上記実施形態では、セグメントの幅が2種類のみの例について説明しているが、さらに多種類のサイズのセグメントであっても同様にして取り扱うことができる。また、サイズの異なるセグメントについて、それぞれのサイズに対応するパレットを用意することもできるし、数種類のサイズのセグメントを載置することができるパレットを用意する態様とすることもできる。
さらに、上記実施形態では、移載台車を用いて入口側仮受リフタにセグメントを移載しているが、リフトから入口側仮受リフタに直接セグメントを移載する態様とすることもできる。また、上記実施形態では4台のセグメント搭載台車を連結した態様としているが、単数のセグメント搭載台車としたり、4台を超え、あるいは4台未満の複数のセグメント搭載台車を連結したりする態様とすることもできる。
他方、たとえばセグメント搭載台車でセグメントを搬送している間、セグメント搭載台車同士の間で、セグメントを積み替える作業を行うことが考えられる。このようなセグメントの積み替え作業を行う際、たとえばセッタと呼ばれる装置を用いて、セグメントをセグメント搭載台車から持ち上げ、この状態で空のセグメント搭載台車を移動させることにより、セグメントの積み替えを行うことがある。このようなセグメントの積み替えを行う際にも、パレットを用いることにより、通常の幅のセグメントと同様に、小幅セグメントを取り扱うことができる。