JP4358637B2 - ヒトパピローマウイルスを検出しタイプを特定するための増幅−ハイブリダイゼーション方法 - Google Patents

ヒトパピローマウイルスを検出しタイプを特定するための増幅−ハイブリダイゼーション方法 Download PDF

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    • C12Q1/701Specific hybridization probes
    • C12Q1/708Specific hybridization probes for papilloma

Description

発明の分野
本発明において、ヒトパピローマウイルス(HPV)を改良して検出し遺伝子型を特定する(genotype)ための方法が提供される。
本発明の一つの側面は、HPV属に特異的で、HPV遺伝子型に特異的なハイブリダイゼーションオリゴヌクレオチドプローブを設計するのに適している、互いに近接し一つのアンプリコン内にあることが好都合である、HPVゲノム領域を規定する。
本発明の別の側面は、属に特異的で、遺伝子型に特異的な当該プローブの配列に関する。
本発明の別の側面は、HPV遺伝子型の広範なセットを増幅し検出するのに適している、試薬の最適な調合物および方法に関する(「キット」)。
発明の背景
多数のパピローマウイルスの配列が決定されており、参照により本明細書の開示内容の一部とする以下の刊行物が参照される:HPV-6: de Villiers et al., J. Virology, 40 (1981); HPV-11: Dartmann et al., Virology 151, 124-130 (1986); HPV-16: Seedorf et al., Virology 145, 181-185 (1985); HPV-18: Cole and Danos, Journal of Molecular Biology 93, 599-608 (1987); HPV-31: Goldsborough et al., Virology 171, 306-311 (1989); HPV-33: Cole and Streeck, J. Virology, 58, 991-995 (1986); HPV-54: Favre et al., J. Cancer 45, 40-46 (1990); HPV-56: Lorincz, J., Gen. Virol. 70, 3099 (1989)。
HPVを検出しタイプを特定することは、多くの刊行物で報告されており、サザンブロッティングおよび他のハイブリダイゼーション技術に加えて、最も広く利用される技術はPCRベースの方法であり、その理由は、これら方法が、高い感度、特異性を同時に提供し、当該アッセイの柔軟性が、分析要件を満たすように多くのコントロールを提供するからである。
パピローマウイルス科(Papillomaviridae family)のメンバーであるヒトパピローマウイルスは、8000 bpの環状ゲノムを有するDNA腫瘍ウイルスである。当該ウイルスは、強い上皮親和性を示し、分化した上皮細胞でのみ増殖する。パピローマウイルスは、多くの様々なヒトの疾患、たとえば様々な皮膚の疾患、すなわちゆうぜい、尖圭コンジロームおよび皮膚の腫瘍、並びに他の状況においては、たとえば頚癌、肛門性器癌、喉頭癌において、病因的役割が疑われている。ヒトパピローマウイルスが、これら腫瘍の発生と強い相関関係を示すことは十分確証されており、このことは、前癌性病変(CIN、VIN、VAIN、PIN、PAIN)についても実際にあてはまる。頚癌患者の99%にHPVを検出することができる。このような密接な統計上の相関関係は、おそらく頚癌の形成におけるHPVの原因的役割により引き起こされる。疫学的データに基けば、様々なHPV遺伝子型に感染した患者は、頚癌を発症する同レベルのリスクを有していない。これら発見に従って、遺伝子型は、低リスク、中リスク、高リスクのクラスに分類され、これらの他に、分類されない遺伝子型もある。リスクが大きく異なり、HPV感染の発生が非常に高いため、遺伝子型の決定は大変重要である。
HPVウイルスは、培養することができない。HPV感染の血清診断は、ウイルスへの暴露(過去または現在の感染)を検出することに限られるが、遺伝子型を正確に同定することはできず、その役割は、ほとんど疫学的調査に限られる。
パピローマウイルスに関して、正確な血清学的分類(血清型の特定)は存在せず、遺伝子型の特定が、広く受け入れられている分類方法である。これらは、検出に先立って増幅が行われるか否かによって、2つのグループに分けることができる。後者の方法の一つの態様では、変性HPV DNAゲノムを検出するために完全長のゲノムRNAプローブを使用し、特定の抗体を用いてヘテロ二本鎖を検出する(Hybrid Capture − Digene)。別の方法によれば、サザンブロット技術が、HPV遺伝子型を検出し特定するために使用される。これら方法の欠点は、相対的な不感受性および特異性の部分的な欠如である。Hybrid Capture法の場合、臨床症状で偽のポジティブ反応を引き起こす様々な交叉反応が多くの刊行物により報告されている。著者らは、交叉反応は、高い(1 ng/mL)DNA濃度のカットオフ制御でのみ容認できると報告し、これは、感受性と特異性との間の望ましくないカップリングを示す。
増幅方法では、感受性を担う反応(増幅)が別々に行われるため、この問題はみられない。
一般に増幅技術は、選択される増幅ゲノムセグメント、プライマーの数、および適用される検出技術において様々である。最もよく使用されるプライマーは、GP5+、GP6+、MY9-MY11、および様々なタイプ特異的PCR反応である。
最もよく使用される検出技術は、配列特異的ハイブリダイゼーション、制限断片長多型(RFLP)、およびラインプローブアッセイ(LiPA)である。これらに加えて、アンプリコンの配列決定およびdUTP取り込みにより作成されるチミジンパターンも利用されるが、あまり頻繁ではない。
増幅技術の分析特性は、広範囲において様々である。当該方法は、増幅可能な遺伝子型、遺伝子型増幅の分析感度、並びに検出の特異性および信頼性により特徴づけることができる。この分野において、MY9-MY11縮重プライマーシステムは、リファレンス反応であると考えられる。MY9-MY11システムの場合、LiPAハイブリダイゼーション検出システムが存在する(Innogenetics)。MY9-MY11システムの主な欠点は、プライマーの縮重合成を制御することが困難であり、なぜ、合成で産生されるプライマー種の相対的比率が、合成によって異なり、このことが、PCR反応の分析挙動の予測できない変化につながり得るのかということ;2つめは、この反応が、他の広く利用される反応と比較して、最も少ないタイプしか増幅できないことである。HPV遺伝子型51のタイプ特異的プライマーを反応に添加すると、その場合当該システムが遺伝子型51のみを増幅可能であることは、当該文献から周知である。縮重プライマー合成を利用して、プライマー種の相対的比率を変化させることはできず、プライマー比率を調整して、優れた分析性能とバランスのとれた遺伝子型の増幅を達成することはできない。
GP5+ - GP6+反応は、(生殖HPV配列に対して最適化した)慎重に選択した2対のプライマーを使用することによってのみ問題を解決し、当該2プライマーシステムは、管理しやすいが、柔軟性が低い。GP5+ - GP6+システムは、多くの公知のHPV遺伝子型を増幅することはできるが、当該システムの分析特性は、最適ではなく(異なる遺伝子型で感度のバランスがとれておらず)、2プライマーアプローチは、最適化に制約があり、たとえば、個々の遺伝子型に対して検出感度のバランスをとることは、(融解温度およびMgCl2濃度の限定された最適化を除いて)大きな問題を含む。他の遺伝子型の増幅にGP5+ - GP6+システムを適合させることは難しく、このことは、新規遺伝子型を検出する必要性が生じるため、いずれにしても将来の適用に影響を及ぼす。遺伝子型の同定は、十分には解明されていない。
別のよく知られた広範囲の遺伝子型特異的増幅方法は、L1C方法である:(LC1プライマーと)L1C2または新たなL1C2プライマーを用いて更なる遺伝子型を増幅する2バージョンの2プライマーシステム。L1Cアンプリコンの詳細な説明は、文献に見出すことができる[Jpn. J. Cancer Research 82, 524-531 (1991)]。
基本的に、増幅後検出方法によって2つの基準が満たされなければならない:ルーチンの診断適用性(簡便性、コスト、時間)、および適切なレベルの識別能の必要性。重要なグループの方法は、識別能の観点で適していない。したがって、RFLPの適用は、短い増幅領域のために制限され、充分な診断の制限部位が存在せず、しばしば遺伝子型をグループに分類することしかできない。別の例のSSCP技術は、SSCPの複雑なパターンを遺伝子型に当てはめることが難しく、更に、これら反応の頑強性も満足のいくものでない。
識別能は、監督当局の要件を満たすため診断の観点からとりわけ重要である。サンプルが遺伝子型の混合物でない場合、その自動化により各遺伝子型を(あるいはそのサブタイプさえも)解明し検出することができるため、塩基配列決定は、簡便性と識別能の面から理想的なアプローチである。しかし、実際に、塩基配列決定は、費用と時間がかかるため広く利用されておらず、ルーチン診断の研究所においてその適用は受け入れられておらず、混合サンプルの場合には、いずれの遺伝子型も決定することができない。
ハイブリダイゼーション法の利点は、反応の幾つかのパラメーターを広範囲に変化させることができるため、その識別能またはストリンジェンシーを容易に変更できること、幾つかの形態が容易にオートメーション化されること、反応に費用がかからないこと、および(幾つかの形態で)並列して実施する場合でも、必要とされる時間が問題にならないことである。
したがって、現行の方法の欠点が解消された、安価で、再現やオートメーション化が容易である、新規HPV増幅/検出方法に対する必要性が存在する。本発明は、増幅およびハイブリダイゼーションアッセイを記載しており、ここで、プライマーは独自に合成された分子であり、そのため、その相対的比率は、容易に制御し最適化することができ、その増幅は、安定した感度を有する。高度な並列様式で実施されるハイブリダイゼーション反応は、低コストで、迅速かつ柔軟で、オートメーション化可能な反応の基準に適合する。
発明の概要
一つの側面において、本発明は、コンセンサスアンプリコンの内部にあるヒトパピローマウイルスのゲノム領域(アンプリコンに隣接する保存配列に結合するプライマーで増幅可能な領域)であって、遺伝子型特異的ハイブリダイゼーションプローブを設計するのに適した遺伝子型特異的DNA配列を有することを特徴とするゲノム領域を提供する/規定する。
別の側面において、本発明は、このコンセンサスアンプリコンにおける別のHPVゲノム領域であって、属特異的ハイブリダイゼーションプローブを設計するのに適したHPV属特異的な保存DNA配列を有することを特徴とするゲノム領域を提供する/規定する。
本発明の必須の構成要件は、属および遺伝子型特異的ハイブリダイゼーションプローブを設計するのに適した2つのゲノムセグメントが一つのコンセンサスアンプリコン内部に存在することである。
別の側面において、本発明は、増幅反応におけるプライマーの使用、そのDNA配列およびその濃度、並びにヒトパピローマウイルス遺伝子型のバランスのとれた感度増幅のために最適化された反応サイクルの条件を提供する。
本発明は、ヒトパピローマウイルス(HPV)を検出しタイプを特定するための方法であって、
a)生物学的サンプルから単離した核酸分子を、本発明のプライマーの混合物を用いて増幅し、その結果、二本鎖の増幅産物を調製する工程、
b1)二本鎖の増幅産物を、ストリンジェントな条件下で、HPV属特異的ハイブリダイゼーションプローブまたはその混合物とハイブリダイズさせ、所定のケースにおいて存在するHPVコンセンサスアンプリコンの存在を検出する工程;および/または
b2)二本鎖の増幅産物を、ストリンジェントな条件下で、本発明により提供される遺伝子型特異的ハイブリダイゼーションプローブの混合物とハイブリダイズさせ、対応するHPV遺伝子型グループを検出する工程;および/または
b3)二本鎖の増幅産物を、ストリンジェントな条件下で、本発明のタイプ特異的ハイブリダイゼーションプローブまたはその混合物とハイブリダイズさせ、所定のケースにおいて存在するHPV遺伝子型を検出し、決定する工程
を含む方法を提供する。
要するに、本発明において提供される方法は、HPV遺伝子型の所定のグループの増幅/検出のために使用し、その結果、属特異的プローブを用いてそのHPVゲノムDNAを検出し、HPVゲノムの集団(グループ)または個体の遺伝子型を特定することができる。当該方法は、所定の時期に、とりわけそのタイプ特異的検出を用いて、患者に見出されるHPVウイルスにより引き起こされるか、またはそれと関連するその後の症状および疾患のリスクにアクセスするため、またはそのリスクがある個体を決定するために使用することができる。また、本発明により提供される方法は、所定の集団におけるHPVの存在をスクリーニングするのに適しており、更に、所定の個体における細胞学的診断(スクリーニング)を補強、サポート、または確実にするのに適している。
発明の詳細な説明
本発明の理解を助けるため、幾つかの用語を以下に定義する。
「核酸」および「オリゴヌクレオチド」の用語は、DNA、RNAまたはPNAの鋳型(ターゲット分子)に配列特異的に結合することができる、プローブ、プライマー、およびその他の短いDNA、RNA、PNA(ペプチド核酸)、およびその他の化学的オリゴマーをいう。
「ハイブリダイゼーション」の用語は、2つの核酸配列の配列特異的結合をいう。使用される条件が、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを有意に決定するため、核酸が正確に相補的でなかったとしても、低ストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションは起こり得る。幾つかのケースにおいて、核酸プローブが、互いにより近い関係またはより遠い関係である一群の配列に結合することが必要な場合がある。核酸技術の分野における当業者であれば、その後の結合が適切に特異的または非特異的(aspecific)である条件を決定することができる。
「プローブ」の用語は、相補的および部分的に相補的な核酸の存在下で配列特異的なハイブリダイゼーション示す一セットのオリゴヌクレオチドをいう。オリゴヌクレオチドの構造は、ハイブリダイゼーション後の工程の実施を可能にするように、またはハイブリダイゼーション特性を変更するように改変することができる。
「タイプ特異的プローブ」の用語は、ストリンジェントな条件下で、それらと正確に相補的なターゲット領域にのみ結合する一セットのオリゴヌクレオチドをいう。この要件に適したハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野で周知である(たとえばSambrook et al., 1985, Molecular Cloning Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. USA参照)。一般に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度およびpHにおける特定配列の熱融点(Tm)より約5℃低くなるように選択される。Tmは、適切な相補的ターゲット分子の存在下でプローブの50%が結びつく(規定のイオン強度およびpHの下での)温度である。ハイブリダイズ条件のストリンジェンシーを緩める(たとえば塩濃度を高める、または温度を下げる)と、正確に相補的でない配列の結合が許容される。正確に相補的でない鋳型の場合、当該鋳型中の鋳型核酸に結合しないヌクレオチドは、「ミスマッチヌクレオチド」である。
「プライマー」の用語は、核酸の鋳型上で核酸鎖に相補的なプライマー伸張産物の合成が誘導される条件下、すなわち、適切なバッファー中の4種類のヌクレオシド三リン酸および重合剤(すなわちDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素)の存在下で、適切な温度で、DNA合成の開始点(プライミング)として作用することができるヌクレオチドをいう。プライマーは、好ましくは一本鎖DNA分子である。プライマーの適切な長さは、典型的には15〜40ヌクレオチドの範囲である。プライマーは、鋳型の正確な配列を反映する必要はなく、そのため、結合(反応)の温度を変えることにより、類似のターゲット分子のグループが、合成のための鋳型として機能し得る(コンセンサスアンプリコン)。有利な特徴を備えた化学基を、プライマーオリゴヌクレオチドを標識するため、固相への結合を可能にするため、および他の目的のために使用することができる。
また、本発明において「プライマー」の用語は、ある一群の鋳型配列上で、当該一群のオリゴヌクレオチドが(上述のとおり)プライミング可能である、一群の関連のオリゴヌクレオチドをいう。更に、この一群のメンバーは、所定の鋳型核酸のセットの幾つかのメンバーまたは全てのメンバーとミスマッチを形成し得るオリゴヌクレオチドから構成されてもよい。しかし、これらプライマーは、適切な条件下でプライミングに関与することもできる。「コンセンサスプライマー」の用語は、関連の鋳型核酸のある領域のプライミングのために使用することができる、一つのプライマーまたは一群のプライマーをいう。これら領域の特徴は、その多様性が、全核酸の多様性よりも有意に小さいということ、すなわちこれら領域が保存されているということであり、そのため、選択されるコンセンサスプライマーは、これら配列上において、全ての群の鋳型核酸配列を含むプライミングを行うことができる。コンセンサスプライマーは、必ずしも単一のプライマーである必要はなく、一群のプライマーとすることもできる。
「熱安定なポリメラーゼ酵素」の用語は、95℃で比較的安定であり、ヌクレオシド三リン酸の重合を触媒して、ターゲット配列の核酸鎖の一つに相補的なプライマー伸張産物を形成する酵素をいう。精製された熱安定なポリメラーゼ酵素は、米国特許第4,889,818号(参照により本明細書の開示内容の一部である)に記載されており、たとえばAppleraから商業的に入手可能である。
本発明において、DNAの増幅は、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、第4,965,188号に開示される、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)により行われる。
本発明において、最適化されたPCR条件は、プライマーの濃度、プライマーの配列、およびサイクリング条件を最適化することにより、多数の様々なHPV遺伝子型を増幅する目的のために開発された。増幅の第一の部分は、プライマーが多くのミスマッチヌクレオチドを含有する遺伝子型の増幅が、他の遺伝子型を除いて同じ効率で増幅し始めることができるように、絶えず増大するストリンジェンシーで増幅するが、その後、結合温度の増大により、大量のプライマーの使用へと反応がシフトする。最適化されたプライマー混合物により、このプロセスは、理論的には、プライマーの結合配列をコンセンサス配列へとシフトし、これにより、安定した感度の遺伝子型増幅の可能性が生まれる。
ポリメラーゼ鎖反応は、好ましい増幅方法であるが、記載されたゲノム領域およびオリゴヌクレオチドは、任意の公知の方法で使用することができる。たとえば、リガーゼ鎖反応(Wu and Wallace 1989, Genomics 4: 560-569)、TAS増幅システム(Kwoh et al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 1173-1177)、および自己持続型配列複製(Guatelli et. al., 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 1874-1878)も、ターゲット配列の正確な増幅に適切であり得る。同様に、Q-ベータ-レプリカーゼシステム(Kramer and Lizardi, 1989, Nature 339: 401-402)において、配列特異的プローブを増幅することができる。
本発明において、プライマーは、HPVコンセンサスアンプリコンを増幅するのに適した相補的な配列のグループから選択される。有効なプライミングは、慎重に設定されたアニーリング温度およびプライマーの相対濃度を用いて、ミスマッチヌクレオチドの存在下で達成される。
本発明の好ましい態様において、本発明のプライマー(配列番号1〜40、70〜72)が、適切な試薬の形態で、公知のプライマー(配列番号73〜75)と使用される。これにより、HPV遺伝子型の拡大セット、少なくとも47の公知の遺伝子型を検出することが可能である。本発明によるHPV−35遺伝子型の増幅は、当該反応に配列番号37のプライマーを含めて実施することができる。このプライマーなしで、当該反応に公知のプライマーのみを含めても、HPV−35遺伝子型は増幅されない。本発明の別の側面は、配列番号1〜36の配列に記載されるヌクレオチド配列の一つを含む、HPV L1遺伝子のタイプ特異的プライマーに関する。
本発明の別の側面は、L1C1、L1C2または新規L1C2プライマーおよび配列番号1〜40、70〜72から選択されるプライマーを含む、プライマーの混合物に関する。更に、本発明は、HPV3, 4, 6, 7, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 16, 18, 20, 24, 26, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 39, 39, 40, 41, 42, 44, 45, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 58, 49, 60, 61, 66, 67, 68, 72, 74または77遺伝子型の増幅のためのかかるプライマー混合物の適用に関する。
本発明の別の側面は、本発明のプライマーの混合物を用いて増幅することにより作成されるアンプリコンであって、HPV-6、-11、-16、-18、-31、-33、-42、-52、および‐58のアンプリコンを除くアンプリコンに関する。
本発明の必須の構成要素は、アンプリコンにおける包括的(generic)およびタイプ特異的ゲノムセグメントの存在である。これらゲノムセグメントは、高度に特異的なハイブリダイゼーションおよび検出の実現を可能にする。したがって、本発明は、アンプリコンの3’端から(3’−5’方向に)-80 bpから-30 bpまで伸びる、遺伝子型に特徴的な種々のゲノムセグメントにより特徴づけられる、アンプリコンのゲノムセグメントにも関する。これらゲノムセグメントは、配列番号77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111の配列で提供される、約40bpの長さの二本鎖DNA配列である。
本発明の別の側面は、アンプリコンの3’端から3’−5’に-150 bpから-105 bpまで伸び、かつ包括的なHPV属の特異性を示す遺伝子型の間で高度に保存された低複雑性の配列により特徴づけられる、アンプリコンの別のゲノムセグメントに関する。これらゲノムセグメントは、二本鎖DNAであり、通常23bpを含有し、その上流鎖は、以下の配列:配列番号76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110の一つを有する。
アンプリコンのハイブリダイゼーション検出の間、上述のゲノムセグメントに対して設計された、包括的およびタイプ特異的ハイブリダイゼーションプローブが使用される。包括的オリゴヌクレオチドプローブは、増幅されたHPV DNAであるHPVアンプリコンの検出のために一般的に適用することができるが、タイプ特異的プローブは、更なるタイプ特定のため、すなわち個々の遺伝子型を検出するために使用することができる。いずれのハイブリダイゼーションプローブも、実際、DNA、RNA、またはPNAとすることができる。
本発明の方法で使用される包括的プローブは、5’端がミスマッチヌクレオチド対の位置として好ましくないという違いを有するが、コンセンサスプライマーと類似の特性を有する。本発明において、包括的プローブは、プローブとして使用され、これらはハイブリダイゼーションプローブおよびプライマーの両方として使用することができる。
したがって、本発明は、配列番号41〜49の配列に挙げられる配列の一つを含む、包括的(コンセンサス)ハイブリダイゼーションプローブまたはプローブに関する。
本発明の好ましい方法において、以下のプローブ:配列番号41〜49が包括的プローブとして使用される。
タイプ特異的プローブの場合、プローブは、対応する遺伝子型の配列に100%相補的である。当該プローブの設計の際、他の遺伝子型が、当該プローブまたはその一部と高いレベルの相補性を示すか否か、その可能性を除去することが重要である。タイプ特異的セグメントは、本発明のアンプリコンにおいて約40bpの長さであるため、理論的にも実験的にも最も十分なオーバーラップするプローブ配列を選択することができる。(調査した70の遺伝子型と比較して)高い特異性を有し、使用したハイブリダイゼーション条件では室温でもその特異性を維持する十分なプローブを設計し使用できたことが、例5で実証されている。プローブのハイブリダイゼーションは、同一のハイブリダイゼーション条件において適切に特異的であるため、プローブの混合物を使用することもできる。したがって、実務的見地からは、より均一な反応条件を使用することができる。したがって、本発明は、HPV増幅および検出、並びに遺伝子型特定テストで使用することができ、配列番号50〜67に挙げられる配列の一つを含む、タイプ特異的プローブの配列に関する。
本発明は、ハイブリダイゼーションの任意の態様に関するが、商業的には固相ハイブリダイゼーションが好ましい。
いわゆる固相(フォーワード)ハイブリダイゼーションは、固定されたターゲット核酸(アンプリコン)にプローブを結合させるが、リバースハイブリダイゼーションは、固定されたプローブにターゲット核酸(アンプリコン)を結合させる。未結合の反応産物は、当該プロセスで様々な洗浄溶液により除去される。第一のケースでは、プローブが、後の発色(development)のために適切に標識されていなければならないが、リバース形態では、アンプリコンが標識されていなければならない。両システムはマイクロタイタープレートで実現することができる。固定化のキャパシティーが限られているため、本発明では、使用されるプローブの混合物を構成する個々のプローブの数が多いという理由で、フォーワードハイブリダイゼーションシステムが好ましい。
増幅の間に当該反応にプローブを添加する場合、US 6,214,979に記載される方法を同様に適用することができる。当該プロセスの間に、Taqポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性がプローブを分解し、産生される分解産物の検出を、ターゲット核酸の存在を検出するために使用することができる。しかし、その他の主としてハイブリダイゼーションベースの、いわゆるリアルタイム検出システムも公知であるが、これらはその実施および検出方法においてのみ異なっており、配列特異的プローブ−アンプリコン結合の理論的に異なる実現においては異なっていない。
固定化のために、アンプリコンを標識することができる。本発明における種々の可能性から、プライマーのビオチン標識および増幅反応における標識プライマーの使用が好ましい。固相に吸着したアビジンまたはストレプトアビジンの存在下において、ビオチンは、高度に特異的で非常に安定なアビジン−ビオチン結合の結果、アンプリコンを固定化する。所定の反応において、一方または他方の鎖にハイブリダイズするプライマーのみが、ビオチン化されるため、もう一方の鎖は、ハイブリダイゼーションの前に除去することができる。
検出の目的のために、プローブを標識することができ、当該標識を、種々の方法、たとえば蛍光、放射能、比色分析、X線回折、吸収、磁気、酵素活性等に基く検出方法により、検出することができる。したがって、適切な標識は、以下のものを含むが以下のものに限定されない:発蛍光団(fluorophore)、発色団、アイソトープ、電気稠密(electrodense)物質、酵素、または特異的な結合を形成することができるリガンド。また、上述のシステムの組み合わせを使用することもできる。本発明では、HPPA基質およびH22の存在下で西洋ワサビペルオキシダーゼ酸化反応により検出される、フルオレセインと抗フルオレセイン−HRPO抗体との特異的な結合が好ましい(例2参照)。本発明において、ビオチン化フォーワードまたはリバースプライマーが使用される。プローブの標識および抗フルオレセイン−HRPOの標識のいずれも、商業的に入手可能である。洗浄に必要な化学薬品および種々の溶液も一般に入手可能である。また、アルカリホスファターゼまたは活性を検出可能な任意の他の酵素を用いたシステムも、構築または使用することができる。蛍光検出に加えて、照度分析および比色分析も、当該システムの医療用診断適用のための容認される検出方法である。
本発明の方法の診断適用の間に内部コントロールを含むことにより、偽の負の反応を認識する可能性が提供され、これは診断的見地から好ましい。種々の人工または天然DNA源を内部コントロールのために使用することができる。反応で使用されるプライマーの数が増大せず、内部コントロールのターゲット核酸の量および分析特性が適切に標準化されているシステムが好ましい。本発明では、人工核酸配列(配列番号68)を、組換えプラスミドの形態でサンプルに添加する(例6)。本発明において、内部コントロールの検出は、HPV DNAのハイブリダイゼーション検出と平行して行われ、基質の発色のみ分離される。プローブは、ジギトキシゲニン標識されており(配列番号69)、アルカリホスファターゼ結合抗ジギトキシゲニン抗体を用いて検出可能である。しかし、他の検出技術も、内部プローブの検出に適している。
しかし、内部コントロールの検出は、アガロースゲル電気泳動または他の適切な技術を用いて、移動度の差異に基いて行うこともできる。
HPV DNAの増幅および検出に際し、本発明の方法は、試薬の統一ユニット(キット)を作成するのに適している。この形態において、キットは、以下の試薬すべて、またはそれらの任意の組み合わせ、および他の試薬を含有することができる:プライマー、プライマーの混合物、緩衝液、熱安定なポリメラーゼ、ポジティブコントロールHPV DNA、非HPV DNA、内部コントロールDNA,プローブまたはプローブの混合物、抗体−酵素結合体。
本発明のプライマーおよびプローブの配列の記載は、単なる実例である。包括的およびタイプ特異的プローブの両方の多くの変異型は、包括的またはタイプ特異的HPVゲノム領域を用いて当業者が設計することができるため、変異型が本発明のゲノム領域から選択される限り、本発明の範囲に包含される。
本発明は以下の実施例により詳細に提示される。本発明の原理である当該方法は、任意のHPVゲノムの増幅に適用可能であるが、以下の実施例では、医療的に大変重要である生殖HPVゲノムのみが使用される。実施例は、単なる実例であり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでないことに留意されたい。
例1
オリゴヌクレオチドプライマーの合成
本発明の方法で使用したオリゴヌクレオチドプライマーは、商業的な入手源(IDT, USA)から得た。プライマーは、5’アミノ基を備えて合成された。NHS−エステルは、ビオチン、フルオレセインおよびジギトキシゲニン標識のために使用した。標識されたヌクレオチドは、HPLCで精製した。
例2
試料の処理、DNAの調製
サンプルは、細胞採取用ブラシを用いて婦人科医により採取され、PBS(10 mMリン酸緩衝化食塩水 pH=7.4, Sigma、NaCl 138 mM, KCl 2.7 mM)溶液に移された。サンプルの前処理は、サンプリング管内で為された:溶解する前に、サンプルを遠心分離し(2000 g, 10分)、上清を捨て、1 mMPBS溶液を添加し、ボルテックスにかけ、再度遠心分離し、上清を捨てた。処理の最後に、HPVテストの内部コントロール(配列番号68)を含有する250 μL溶解溶液を、サンプルに添加し(0,5 mg/mL Proteinase-K, 0,01 M TRIS-HCl pH=8, 0,001 M EDTA pH=8, 蒸留水中)、ボルテックスにかけ、56℃で30分間インキュベートした。この時点から、すべての液体取り扱い操作は、TECAN RSP150ロボットで行った:200μL結合溶液(5,5 M GUSCN, 20 mM EDTA, 10 mM TRIS-HCl pH=6,5, 65 mMジチオトレイトール, 40 g/Lシリカ, SIGMA Cat. No.: 28,851-3, 蒸留水)を添加し、真空ろ過により可溶性成分からシリカを分離した。再度ろ過を使用して、シリカを含まない200μL結合溶液(5,5 M GUSCN, 20 mM EDTA, 10 mM TRIS-HCl pH=6,5, 65 mMジチオトレイトール, 蒸留水)を用いてシリカを2回洗浄し、200μL洗浄溶液を2回使用し(25% イソプロピルアルコール, 25% 96%-エタノール, 50% 蒸留水, 0,1 M NaCl)、最後に200μL 96%-エタノールを適用した。シリカを空気乾燥した後、DNAを200μL 10 mM TRIS-溶液 pH=8,0中に溶出した。溶出したDNAを、更に使用するまで-20℃で凍結保存した。
例3
HPV検出の一般的記載
増幅
全反応体積は、25μLで、以下の構成成分を含む:10μL DNA, 2,5μL 10X ポリメラーゼ緩衝液 (最終濃度: 10 mM TRIS-HCl (pH=9,0), 50 mM KCl, 0,1% Triton X-100 (Promega)), 2 mM MgCl2, 250μM 各dNTP (ATP, CTP, GTP, TTP), 4μMのプライマー混合物: 配列番号35、37〜40、73〜75、および1U Taq DNA ポリメラーゼ (Promega)。反応は、以下のパラメーターを用いてGeneAmp 9700 PCR サーマルサイクラーで行った:
サイクル1:95℃で4分;
サイクル2〜40:94℃で30秒、48℃で1分、72℃で45秒;
サイクル41:72℃で3分。
ハイブリダイゼーションおよび検出
ハイブリダイゼーションは、固相上で行った。24時間前に、ブラック96ウェルポリスチレンプレート(Costar)を、ストレプトアビジン(PBS溶液中0,02 mg/mL)で被覆した。プレートを室温でインキュベートし、24時間後に250μL洗浄溶液(25 mM TRIS pH=7,5, 125 mM NaCl, 20 mM MgCl2, 3% Tween-20)でプレートを2回洗浄した。PCR反応の生成物20μLを140μL蒸留水で希釈し、この溶液の5μLを、45μL結合緩衝液(25 mM TRIS pH=7,5, 125 mM NaCl, 5 mM EDTA-Na2, 5X Denhardt´s溶液, 0,1% Tween-20)と混合し、ストレプトアビジン被覆プレートのウェルに分配した。反応は、室温で30分間、絶えず攪拌しながらインキュベートした。その後、その混合物に、50μL溶出緩衝液(100 mM NaOH, 300 mM NaCl)を添加し、室温で3時間インキュベートし、250μL洗浄溶液(25 mM TRIS pH=7,5, 125 mM NaCl, 20 mM MgCl2, 3% Tween-20)でプレートを3回洗浄した。洗浄後、フルオレセイン標識プローブ(プローブあたり5 nM)を含有する50μLハイブリダイゼーションバッファー(5xSSC (0,3 M Na-クエン酸塩 pH=7, 3 M NaCl), 1x Denhardt´s溶液, 0,1% SDS)を、ウェルに添加した。その混合物を50℃で30分間、絶えず攪拌しながらインキュベートし、250μLの高ストリンジェンシー洗浄溶液(0,05 x SSC, 0,3% Tween-20)で6回洗浄した。この後、抗蛍光POD(Roche)抗体(0,0015 E/反応)を含有する50μL接合(conjugation)緩衝液(25 mM TRIS pH=7,5, 125 mM NaCl, 2 mM MgCl2, 0,3% Tween-20, 1% BSA)を、反応に添加した。プレートを室温で30分間、攪拌しながらインキュベートし、250μLの高ストリンジェンシー洗浄溶液(25 mM TRIS pH=7,5, 125 mM NaCl, 20 mM MgCl2, 3% Tween-20)で6回洗浄した。発色のため、135μLの基質溶液(5体積 [45 mM ヒドロキシフェニル-プロピオン酸 (HPPA), 0,1 M TRIS-HCl pH=9,0 緩衝液中に溶解], + 1体積 [20 mM クエン酸-リン酸緩衝液中の0,6 g/L H2O2)を添加した。反応を停止させるため、20分後に、65μL停止溶液(0,75 M グリシン pH=10,3)を反応混合物に添加した。蛍光シグナルをSpectraMaxプレート-蛍光光度計を用いて324/410 nmで測定した。その値が、3つの並列のネガティブコントロールのサンプル値の平均の3倍より大きい場合、サンプルをポジティブと考えた。
例4
増幅の比較研究
サンプルに、様々な遺伝子型由来のクローニングされたHPV L1領域を含有するプラスミドを10 ng/反応でスパイクし(spike)、本発明の方法によりHPV DNAを増幅し検出するために使用した。PCR反応およびハイブリダイゼーションは、プライマーの組成を変更した以外、例3の記載に従って行った。L1F2(配列番号37)なしの反応は、遺伝子型HPV35で増幅に至らなかったが、L1F2プライマーを用いると、遺伝子型HPV35が効率よく検出された。
例5
幾つかのHPV遺伝子型の検出
サンプルに、様々な遺伝子型由来のクローニングされたHPV L1領域を含有するプラスミドを10 ng/反応でスパイクし、本発明の方法によりHPV DNAを増幅し検出するために使用した。PCR反応およびハイブリダイゼーションは、例3の記載に従って行った。以下のHPV遺伝子型の増幅およびタイプ特定を試みた:1-24, 26-42, 45, 47-68, 72-74, 76-77, 86。以下の遺伝子型の増幅は、アガロースゲル電気泳動を用いて実証された:3, 6-7, 10-11, 13-14, 16, 18, 20, 24, 26, 29, 30-36, 39-40, 42, 45, 51, 52-55, 58-62, 66-68, 72。配列番号41〜49の属特異的ハイブリダイゼーションプローブの混合物を用いて(例3に記載の条件を用いて)、以下の遺伝子型を検出可能であった:3-4, 6-7, 9-14, 16, 18, 20, 24, 26, 29, 30-37, 39-42, 45, 51, 52-55, 58-62, 66-68, 72, 74, 77。遺伝子型の一部は、ハイブリダイゼーションによって検出することしかできないことをデータは示しており、このことは、ハイブリダイゼーションが、アガロースゲル電気泳動より約10〜100倍感度が高いため、驚くことではない。また、属特異的ハイブリダイゼーションが、本当の属特異的性質を示すすべてのアガロースゲル電気泳動ポジティブ遺伝子型を実際に検出したことを、データから読み取ることができる。
例6
HPV−35タイプの検出
サンプルに、様々な遺伝子型由来のクローニングされたHPV L1領域を含有するプラスミドを10 ng/反応でスパイクし、本発明の方法によりHPV DNAを増幅し検出するために使用した。PCR反応およびハイブリダイゼーションは、例3の記載に従って行った。ハイブリダイゼーションプローブは、遺伝子型HPV35のために設計したオリゴヌクレオチド(配列番号58)であった。以下の遺伝子型のアンプリコンの検出を試みた:3-4, 6-7, 9-14, 16, 18, 20, 24, 26, 29, 30-37, 39-42, 45, 51, 52-55, 58-62, 66-68, 72, 74, 77。該プローブは、対応のHPV35遺伝子型アンプリコンのみを検出した。
例7
内部コントロールを用いたHPV検出
ジギトキシゲニンで標識した内部コントロールのプローブ(その量はタイプ特異的プローブと同じ)を、タイプ特異的プローブとともに使用し、抗-フルオレセイン-PODおよび抗-alp-ALP(1:2000, Jackson Immuno Research)抗体が、接合工程に同時に存在した以外、例2に従って調製したサンプルの検出は、例3に従って行った。POD反応の発色の後(例2参照)、ALPの発色を、以下の記載に従って行った:基質溶液は、100 mM TRIS pH=9,0, 0,5 mM MgCl2 緩衝液中の 6,25 mg/100 mL 4-メチル-ウンベリフェリル(umbelliferil)-ホスフェートであった。HPPAの発色の後、マイクロタイタープレートを(25 mM TRIS pH=7,5, 125 mM NaCl, 20 mM MgCl2, 3% Tween-20)で1回洗浄し、150μL基質溶液を各反応ウェルに添加した。30分のインキュベーションの後、蛍光シグナルをSpectraMaxプレート-蛍光光度計を用いて355/460 nmで測定した。その値が、3つの並列のネガティブコントロールのサンプル値の平均の3倍より大きい場合、サンプルをポジティブと考えた。
タイプ特異的プローブは、適合するタイプのみを検出した。内部コントロールの検出は、HPV増幅と内部コントロールとの間に強い競合が起こった反応以外、各反応においてポジティブであった。阻害された反応(すべてのサンプルで増幅されたHPV DNAまたは内部コントロールDNA)はなかった。内部コントロールは、偽のネガティブな結果の可能性を十分に除外した。

Claims (10)

  1. 増幅プライマーの混合物であって、L1C1(配列番号73)、L1C2(配列番号74)、新規L1C2プライマー(配列番号75)、配列番号37〜40、および配列番号35から成る混合物。
  2. 配列番号70〜72、配列番号1〜34および36から成る群より選択される一以上のプライマーを更に含む、請求項1に記載の増幅プライマーの混合物。
  3. ヒトパピローマウイルスの3、4、6、7、9、10、11、12、13、14、16、18、20、24、26、29、30、31、32、33、34、35、36、37、39、40、41、42、44、45、51、52、53、54、55、56、58、59、60、61、66、67、68、72、74および77遺伝子型を増幅するための、請求項1または2に記載のプライマーの混合物の使用。
  4. 生物学的サンプルにおいて一以上のHPV遺伝子型を検出するための方法であって、
    a)生物学的サンプルから抽出した核酸分子から、請求項1または2に記載のプライマーの混合物を用いることにより得られる一以上のアンプリコンを調製する工程;および
    b1)(a)で得たアンプリコンを、ストリンジェントな条件下で、配列番号41〜49の配列の一つを有するプローブとハイブリダイズさせる工程;および/または
    b2)(a)で得たアンプリコンを、ストリンジェントな条件下で、配列番号50〜67の配列の一つを有するプローブとハイブリダイズさせる工程
    を含む方法。
  5. 低リスクおよび高リスクHPV遺伝子型グループを検出する、請求項4に記載の方法。
  6. 内部コントロールとして合成オリゴヌクレオチドを検出することを更に含む、請求項4または5に記載の方法。
  7. 配列番号68の配列を内部コントロールとして使用し、これを検出するために、ハイブリダイゼーションプローブとして配列番号69を使用する、請求項6に記載の方法。
  8. HPVを検出しタイプを特定するためのキットであって、
    i)請求項1または2に記載のプライマーの混合物;および
    ii)配列番号41〜49からなる群より選択される一以上のプローブ、および配列番号50〜67からなる群より選択される一以上のプローブ
    を含むキット。
  9. 内部コントロールのプライマーを更に含む、請求項8に記載のキット。
  10. 内部コントロールを検出するためのハイブリダイゼーションプローブを更に含む、請求項9に記載のキット。
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