ところで、上記のような従来の現像装置にあっては、現像装置本体の機器本体フレームに対するロックおよびロック解除操作と、トナーカートリッジの現像装置本体に対するロックおよびロック解除操作とを別々に行うようになされているため、非常に面倒である。
本発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、現像装置本体の機器本体に対する着脱操作時のロックおよびロック解除操作と、トナーカートリッジの現像装置本体に対するロックおよびロック解除操作とをワンタッチで、かつ、選択的に行うことができ、これによって現像装置本体およびトナーカートリッジの機器本体に対する良好な着脱操作性を確保することができるロック機構およびこの機構が適用された現像装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、第1区画壁を有する第1機器本体の第1取付け部に、第2区画壁を有する第2取付け部に装着物が装着される第2機器本体を装着してロックするロック機構であって、前記第2区画壁には、前記装着物の一側壁と対向した回転式のロックプレートが配設され、前記ロックプレートには、第1係合部が設けられている一方、前記装着物の一側面には前記第1係合部と係合する第2係合部が設けられ、前記第2係合部が前記第1係合部と係合することで前記装着物が前記第2機器本体の第2取付け部に装着され、前記第1区画壁には第3係合部が設けられている一方、前記ロックプレートには前記第3係合部に対応する第4係合部が設けられ、前記第4係合部は、前記ロックプレートの回動操作による前記第3係合部との干渉で前記第2機器本体が前記第1機器本体の第1取付け部から抜け止めされる一方、前記ロックプレートの回動操作による前記第3係合部との干渉回避で前記抜止めが解除されるように形状設定されていることを特徴とするものである。
図1は、本発明に係るロック機構を概念的に示した説明図であり、(イ)は、請求項1の発明、(ロ)は、請求項2の発明をそれぞれ示している。まず、請求項1に係るロック機構100は、図1の(イ)に示すように、第1区画壁102を有する第1機器本体101の第1取付け部103に、第2区画壁104を有する第2取付け部106に装着物107が装着された第2機器本体105を装着してロックするためのものである。
そして、第2区画壁104には、装着物107の一側壁108と対向した回転式のロックプレート109(図1の(イ)に示す例では、ロックプレート109は、第2機器本体105の第2区画壁104から突設された支持軸109a回りに回転自在に軸支されている)が配設されている。
このロックプレート109には、周面から回転中心に至る装着溝(第1係合部)114が凹設されている一方、装着物107の一側面には装着溝114に嵌め込まれる嵌入突起(第2係合部)115が設けられている。この嵌入突起115が装着溝114の回転中心に嵌め込まれることで装着物107が第2機器本体の第2取付け部106に装着されるようになっている。
また、第1区画壁102には第3係合部110が設けられている一方、ロックプレート109には第3係合部110に対応する第4係合部111が設けられている。そして、第4係合部111は、ロックプレート109の回動操作による第3係合部110との干渉で第2機器本体105が第1機器本体101の第1取付け部103から抜け止めされる一方、ロックプレート109の回動操作による第3係合部110との干渉回避で抜止めが解除されるように形状設定されている。
このような構成の請求項1に係るロック機構100によれば、装着物107は、その嵌入突起115がロックプレート109の装着溝114に嵌め込まれることにより、嵌入突起115が装着溝114の最奥部(ロックプレート109の回転中心位置)に位置して第2機器本体105に装着された状態になる。かかる装着物107の装着された第2機器本体105を第1機器本体101の第1取付け部103に装着した状態で、ロックプレート109を所定の方向へワンタッチで回動操作することにより、図1の(イ)に示すように、ロックプレート109の第4係合部111が第1機器本体101の第3係合部110と干渉して第2機器本体105が第1機器本体101から抜け止め(すなわちロック)される。
つぎに、図1の(ロ)に示す請求項2に係るロック機構100′は、請求項1のロック機構100の構成に加えて、前記ロックプレート109の第4係合部111が設けられている面と反対側の面には第1凸条112が設けられている一方、前記装着物107には前記第1凸条112と対向する第2凸条113が設けられている。そして、前記第1および第2凸条112,113は、ロックプレート109の回動による相互の干渉で前記装着物107が前記第2取付け部106にロックされるようにそれぞれ形状設定されている。
このような構成の請求項2に係るロック機構100によれば、装着物107を第2機器本体105の第2取付け部106に装着した状態で、ロックプレート109を所定の方向に向けてワンタッチで回動操作することにより、ロックプレート109の第1凸条112と装着物107の第2凸条113とが互いに干渉し合い、これによって装着物107の第2機器本体105に対する装着状態がロックされる。
そして、第1および第4係合部110,111の相対干渉位相と、第1および第2凸条112,113の相対干渉位相とを互いに位相ずれした状態で適正に設定することにより、第2機器本体105が第1機器本体101にロックされた状態で装着物107の第2機器本体105に対するロックおよびロック解除状態のみを行い得るようになる等、ロックプレート109のワンタッチ操作で第2機器本体105および装着物107の着脱における各種の態様に対応させ得るようになる。
なお、図1においては、第1係合部としてロックプレート109の周面から中心位置にまで凹設された装着溝114を、また、第2係合部としてこの装着溝114にはめ込まれる嵌入突起115をそれぞれ一例としてあげているが、装着溝114は、ロックプレート109の周面から中心位置まで延びるものであることに限定されず、周面から途中まで凹設されていてもよい。また、これとは逆に、ロックプレート109側に嵌入突起を設ける一方、装着物107側に装着溝を設けてもよい。さらに、装着溝114は、ロックプレート109の周面から中心位置に向うように設けることに限定されるものではなく、周面から径方向に対して斜めに延びるものであってもよい。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のロック機構が適用される現像装置であって、前記第1機器本体は、画像形成装置の機器本体であり、前記第2機器本体は、前記画像形成装置の機器本体に着脱自在に装着される、感光体ドラムへトナーを供給する現像装置本体であり、前記装着物は、前記現像装置本体に着脱自在に装着されるトナーカートリッジであることを特徴とするものである。
かかる構成を採用することによって、画像形成装置の機器本体に対する現像装置のロックおよびロック解除、並びに現像装置に対するトナーカートリッジのロックおよびロック解除に関し、請求項1および2の発明と同様の作用が得られる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、画像形成装置の機器本体に対して着脱自在に装着される現像装置本体と、この現像装置本体に着脱自在に装着されるトナー補給用のトナーカートリッジとを備えてなる現像装置において、前記現像装置本体は、前記トナーカートリッジを着脱するための上面開口を有するカートリッジ保持容器を備えている一方、前記トナーカートリッジはカートリッジ保持容器内に安定状態で収まるように形状設定され、前記カートリッジ保持容器の長手方向の対向壁面の一方側には、支持軸回りに回動自在にロックプレートが設けられ、前記現像装置本体の前記機器本体に対するロックおよびロック解除操作並びに前記トナーカートリッジのカートリッジ保持容器に対するロックおよびロック解除操作を前記ロックプレートのワンタッチによる前記支持軸回りの回動操作で選択的に行い得るロック機構が設けられていることを特徴とするものである。
かかる構成を採用したことにより、現像装置本体の機器本体に対するロックおよびロック解除操作、並びにトナーカートリッジの現送装置本体に対するロックおよびロック解除操作の双方またはいずれか一方を、ロックプレートの支持軸回りのワンタッチの回動操作で選択的に行い得るようになる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記ロック機構は、前記ロックプレートにおける前記対向壁面の他方側と対向した面に凹設され、かつ、周縁面から前記支持軸の軸心を含む位置へ延びる装着溝と、同対向壁面の一方側と対向した面に突設されたロックプレートの回動中心を曲率中心とする表側円弧凸条と、前記トナーカートリッジに突設され、かつ、前記装着溝に嵌り込む嵌入突起と、前記第1機器本体から前記ロックプレートの上部位置に向けて突設された機器本体側突起とを備えて構成され、前記円弧突起は、一方の端部が前記装着溝と重なり合う位置に位置設定されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、現像装置を機器本体に対して装着するに際しては、ロックプレートの回動操作でその表側円弧突条が機器本体側突起と干渉しない非干渉姿勢に姿勢設定すればよい。こうすることによって現像装置は、そのロックプレートに設けられた表側円弧突起が機器本体側突起との干渉が解消され、機器本体に対する着脱操作を行い得るようになる。そして、機器本体に装着された現像装置をロックするに際しては、ロックプレートの回動操作で当該ロックプレートを表側円弧凸条が機器本体側突起と干渉する姿勢に姿勢設定すればよい。
また、現像装置本体が機器本体に装着された状態で、トナーカートリッジを現像装置のカートリッジ保持容器に対して着脱するに際しては、ロックプレートの回動操作で当該ロックプレートの装着溝の向きをトナーカートリッジの着脱方向に向ければよい。こうすることによってトナーカートリッジは、その嵌入突起がロックプレートの装着方向に延びた装着溝に案内され得るようになり、これによってカートリッジ保持容器に対し着脱し得るようになる。そして、トナーカートリッジをカートリッジ保持容器にロックするに際しては、装着溝がトナーカートリッジの着脱方向に対して斜めになるようにロックププレートを回動操作すればよい。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記カートリッジ保持容器の対向壁面の他方側には、前記支持軸と対向した軸支部が設けられている一方、前記トナーカートリッジは、前記軸支部に支持され得るように構成され、前記ロックプレートの前記表側円弧凸条が設けられている面と反対側の面には表側円弧凸条と対応し、かつ、同一の曲率中心を備えた裏側円弧凸条が設けられている一方、前記トナーカートリッジにおける嵌入突起の上方位置には前記裏側円弧凸条と干渉する干渉突起が設けられ、前記裏側円弧凸条は、前記装着溝から周方向に離間するに伴って突出量が漸増する傾斜面を有し、前記装着溝には、前記嵌入突起との干渉で当該嵌入突起の相対回転を阻止する係止片が設けられていることを特徴とするものである。
このようにロック機構を、ロックプレートに設けた裏側円弧凸条と、裏側円弧凸条に干渉する干渉突起とを備えて構成するとともに、円弧凸条には、装着溝から周方向に離間するに伴って突出量が漸増するような傾斜面を備え、さらに装着溝には、嵌入突起との干渉で嵌入突起の相対回転を阻止する係止片を設けているため、トナーカートリッジがカートリッジ保持容器内に嵌め込まれた後にロックプレートをその支持軸回りに裏側円弧凸条が干渉突起と干渉する方向に向けて回動操作することにより、トナーカートリッジは、その干渉突起が円弧凸条の傾斜面に押圧され、これによってカートリッジ保持容器内をその軸支部の方向にむけて移動してカートリッジ保持容器の軸支部に支持されるとともに、嵌入突起は、斜めになった装着溝から抜け止めされ、これによってトナーカートリッジのカートリッジ保持容器に対するロックが行われる。
また、カートリッジ保持容器からトナーカートリッジを取り外すに際しては、ロックプレートを支持軸回りに装着時と反対方向に回動操作すればよい。こうすることによって干渉突起は、裏側円弧凸条の傾斜面からの押圧が解除され、トナーカートリッジは、軸支部から外れるとともに、装着溝がトナーカートリッジの抜き出し方向に向くため、これと連動してシャッタが閉じられるため、トナーの漏れ出しが阻止された状態でトナーカートリッジは、カートリッジ保持容器から取り外し得るようになる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記トナーカートリッジには、現像装置本体に装着された状態で開放されるシャッタが設けられ、このシャッタは、前記トナーカートリッジのカートリッジ保持容器に対するロック操作で開放され、ロック解除操作で閉止されるように前記ロック機構と連係されていることを特徴とするものである。
かかる構成を採用したことにより、トナーカートリッジに設けられたシャッタは、カートリッジ保持容器に対するロック操作で開放する一方、ロック解除操作で閉止するため、ロックプレートのワンタッチ操作でトナーカートリッジの現像装置本体に対するロックおよびロック解除と、シャッタの開閉操作とが同時に行われる。
請求項8記載の発明は、請求項4乃至7のいずれかに記載の発明において、前記ロックプレートには、当該ロックプレートの回動操作を援助するための操作レバーが設けられていることを特徴とするものである。
かかる構成を採用したことにより、操作レバーの操作でロックプレートを支持軸回りに回動操作することが可能になり、ロックプレートの操作性が良好になる。
請求項9記載の発明は、請求項4乃至8のいずれかに記載の発明において、前記トナーカートリッジには、前記軸支部に対応した対応突起が突設され、前記軸支部は、前記対応突起が嵌り込み得る凹部または孔であることを特徴とするものである。
かかる構成を採用したことにより、トナーカートリッジの対応突起がカートリッジ保持容器の凹部または孔に単に嵌り込むことによってトナーカートリッジの他方の端部がカートリッジ保持容器に確実に保持され、軸支部の構造が簡単なものになる。
請求項1記載の発明によれば、第2機器本体を第1機器本体の第1取付け部に装着した状態で、ロックプレートを所定の方向へワンタッチで回動操作することにより、ロックプレートの第4係合部が第1機器本体の第3係合部と干渉して第2機器本体の第1機器本体に対する装着状態がロックされるため、従来のように複雑な操作で第2機器本体の第1機器本体に対するロックおよびロック解除を行う必要がなくなり、これによって第1および第2機器本体のメンテナンス性を向上させることができる。
請求項2記載の発明によれば、装着物を第2機器本体の第2取付け部に装着した状態で、ロックプレートを所定の方向に向けてワンタッチで回動操作することにより、ロックプレートの第1凸条と装着物の第2凸条とが互いに干渉し合い、これによって装着物の第2機器本体に対する装着状態がロックされるため、従来のように複雑な操作で装着物の第2機器本体に対するロックおよびロック解除を行う必要がなくなり、これによって装着物の交換作業の作業性や、装着物および第2機器本体のメンテナンス性を向上させることができる。
請求項3記載の発明によれば、画像形成装置の機器本体に対する現像装置のロックおとびロック解除、並びに現像装置に対するトナーカートリッジのロックおよびロック解除に関し、請求項2の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項4記載の発明によれば、現像装置本体の機器本体に対するロックおよびロック解除操作、並びにトナーカートリッジの現送装置本体に対するロックおよびロック解除操作の双方またはいずれか一方を、ロックプレートの支持軸回りのワンタッチの回動操作で選択的に行うことができるため、従来のように現像装置本体の機器本体に対するロックおよびロック解除操作と、トナーカートリッジの現送装置本体に対するロックおよびロック解除操作とを別々に行わなければならなかった場合に比較し、現像装置に係るロックおよびロック解除操作の操作性を向上させることができる。
請求項5記載の発明によれば、ロック機構を、ロックプレートに設けた装着溝と、同円弧凸条と、トナーカートリッジに設けた嵌入突起と、同円弧凸条に干渉する干渉突起とを備えて構成するとともに、円弧凸条には、装着溝から周方向に離間するに伴って突出量が漸増するような傾斜面を備えることにより、トナーカートリッジのロック機構を簡単なものにした上でワンタッチ操作でトナーカートリッジの現像装置本体に対するロックおよびロック解除と、シャッタの開閉操作とを同時にを行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、ロックプレートの支持軸回りの正逆回動操作による裏側円弧凸条との干渉突起の干渉および干渉解除でカートリッジ保持容器内のトナーカートリッジをロックプレートに直交する方向に正逆移動させることができるため、トナーカートリッジのロックプレートが設けられている一方の端部に加えて他方の端部をもカートリッジ保持容器に対して係脱することが可能になり、ロックプレートのワンタッチの回動操作でトナーカートリッジのロック状態をより確実なものにすることができる。
請求項7記載の発明によれば、トナーカートリッジに設けられたシャッタは、カートリッジ保持容器に対するロック操作で開放する一方、ロック解除操作で閉止するため、ロックプレートのワンタッチ操作でトナーカートリッジの現像装置本体に対するロックおよびロック解除と、シャッタの開閉操作とが同時に行われ、シャッタの開閉のために別途操作を行う必要がなくなる分、トナーカートリッジの着脱操作の操作性をさらに向上させることができる。
請求項8記載の発明によれば、ロックプレートには、当該ロックプレートの回動操作を援助するための操作レバーが設けられているため、操作レバーの操作でロックプレートを支持軸回りに回動操作することが可能になり、ロックプレートの操作性をより良好なものにすることができる。
請求項9記載の発明によれば、トナーカートリッジには、軸支部に対応した対応突起が突設され、軸支部として対応突起が嵌り込み得る凹部または孔を採用しているため、軸支部の構造を簡単なものにした上でトナーカートリッジをカートリッジ保持容器に確実に装着することができる。
図2は、本発明に係る現像装置が適用されるファクシミリ装置の一実施形態を示す外観斜視図であり、図3は、その内部構造の概要を説明するための説明図である。これらの図に示すように、ファクシミリ装置(画像形成装置)10は、上部に配置された原稿の画像情報を読み取るための読取部1と、装置本体のほぼ中央部に配置され受信した画像情報を用紙表面に形成する転写部2と、装置本体の底部に配置され転写部2に対して用紙を供給する供給部3とを備えた基本構成を有している。
読取部1には、原稿が載置される原稿台5と、原稿を搬送する原稿搬送部6と、原稿搬送部6から排出されてきた原稿を収容する原稿排出トレイ7とを有している。原稿搬送部6には、原稿の画像情報を読み取るための画像情報読取センサ8が配置されている。また、装置の上面には各種のキーや表示部を備えた操作パネル9が配置されている。さらに、装置の上部にはハンドセット91が配置されている。
転写部2は、感光体ドラム11a等を含むイメージングユニット11と、感光体ドラム11a上に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像装置20と、感光体ドラム11a上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写ローラ12と、受信情報に応じた画像をイメージングユニット11の感光体ドラム11a表面に形成するためのレーザ装置13と、転写ローラ12により用紙の表面に転写されたトナー像を定着するための定着搬送装置14とを有している。定着搬送装置14の下流側には用紙排出トレイ15が設けられている。
給紙部3は、装置本体の側部に設けられた開口を介して着脱自在に装着された給紙カセット16と、この給紙カセット16から用紙を送り出すとともにこの用紙を転写部2に供給する給紙装置17とを有している。
なお装置本体は、上ケース10aと下ケース10bとに分かれており、上ケース10aは、ヒンジ部10cを中心に下ケース10bに対して開閉自在になっている。上ケース10aには、読取部1と、転写部2のうちイメージングユニット11、現像装置20およびレーザ装置13とが装着されており、下ケース26には、転写部2のうちの転写ローラ12及び定着搬送装置14と、給紙部3とが配置されている。
図4は、本発明に係る現像装置20の一実施形態を示す一部切欠き分解斜視図である。また、図5〜図7は、図4に示す現像装置20の一部切欠き組立て斜視図であり、図5は、円盤状ロックプレート70が現像装置ロック姿勢に姿勢設定された状態、図6は、円盤状ロックプレート70がトナーカートリッジロック姿勢に姿勢設定された状態、図7は、円盤状ロックプレート70が現像装置ロック解除姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。さらに、図8は、図5のA−A線断面図であり、図9は、図5のB−B線断面図である。なお、図4〜図9において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
これらの図に示すように、現像装置20は、ファクシミリ装置10に着脱自在に装着されるものであり、現像装置本体30と、この現像装置本体30の上部に形成されたカートリッジ保持容器40と、このカートリッジ保持容器40に着脱自在に装着されるトナーカートリッジ50と、カートリッジ保持容器40に装着されたトナーカートリッジ50の装着状態のロックおよびファクシミリ装置10に装着された現像装置20の装着状態のロックを行うロック機構60とを備えた基本構成を有している。
前記現像装置本体30は、感光体ドラム11aの周面にトナーを供給して当該周面にトナー像を形成させるためのものであり、図5に示すように、感光体ドラム11aと平行に配される幅方向に長尺の筐体31と、この筐体31内の前方位置に設けられた現像ローラ32と、この現像ローラ32の後方位置に設けられたスパイラルフィーダ33とを備えている。
前記現像ローラ32は、筐体31の一対の側壁311間に架設されたローラ軸321と、このローラ軸321に同心で一体的に外嵌されたゴム等の弾性材料からなるローラ本体322とから構成され、ローラ軸321回りに回転しながら筐体31内のトナーをローラ本体322の周面から感光体ドラム11aの周面へ受け渡しするようになっている。
前記スパイラルフィーダ33は、筐体31の一対の側壁311間に架設されたフィーダ軸331と、このフィーダ軸331回りに螺設されたスパイラルフィン332とからなり、スパイラルフィン332のフィーダ軸331回りの回転によって現像装置本体30内のトナーを攪拌し、これによってトナーの団塊を破壊したり、トナーの粒度分布が均一なるようにしている。
前記カートリッジ保持容器40は、予めトナーが充填されたトナーカートリッジ50を着脱自在に装着するためのものであり、下部が円弧状に形成された同一形状の幅方向一対の側板41(左側板(第2区画壁104)41aおよび右側板41b)と、各側板41の円弧縁部間に架設された側面視で円弧状を呈する円弧底板42と、各側板41の前方縁部間に架設された前板43と、各側板41の後方縁部間に架設された後板44とを備えて構成されている。
本実施形態においては,円弧底板42の前縁部から先上りに傾斜した傾斜板が延設されている。この傾斜板は、上縁部が前板43の上下方向の略中央部に一体に接合されているとともに、円弧底板42の後縁部からも後板44へ向う前期同様の傾斜板が設けられ、これによってカートリッジ保持容器40の前後の壁部は、上下方向の略中央位置から下部が二重構造になっているが、特に二重構造にしなくてもよい。
前記左側板41aには、円弧底板42の曲率中心位置に曲率中心孔411が穿設されているとともに、この曲率中心孔411の孔心を曲率中心として左側板41aの上部が円弧状に切り欠かれることによって形成した円弧板412が設けられている。左側板41aにおける円弧板414の上方は開放されている。また、右側板41bの内面側には、幅方向で前記曲率中心孔411と対向した円形の曲率中心凹部(軸支部)413が設けられている。
前記円弧底板42の左方位置には、図4に示すように、幅方向に長尺のトナー供給口48が設けられているとともに、このトナー供給口48を開閉する開閉機構45が設けられている。図10は、開閉機構45の一実施形態を示す断面図であり、(イ)は、ゲート部材46が閉止位置に位置設定された状態、(ロ)は、ゲート部材46が開放位置に位置設定された状態をそれぞれ示している。
図10に示すように、開閉機構45は、トナー供給口48を開閉するゲート部材46と、このゲート部材46をトナー供給口48の方向へ向けて押圧するコイルスプリング47とを備えて構成されている。前記ゲート部材46は、現像装置本体30の筐体31における前方側天板312上を前後方向にスライドするスライド板461と、このスライド板461の前後方向の中央部から上方に向けて突設された幅方向(図10の紙面に直交する方向)に延びるリブ462とを備えている。
一方、カートリッジ保持容器40の円弧底板42には、その前方位置にゲート部材46を挿通するための挿通窓421が開口され、ゲート部材46は、この挿通窓421を介してスライド板461が前方側天板312上を前後方向に正逆移動し、これによってスライド板461の後部がトナー供給口48を閉止した閉止位置と、トナー供給口48を開放する開放位置との間で位置変更し得るようになっている。
そして、トナーカートリッジ50がカートリッジ保持容器40に装着されていない状態では、ゲート部材46は、コイルスプリング47の付勢力によって、図10の(イ)に示すように、トナー供給口48が塞がれた閉止位置に位置設定される一方、トナーカートリッジ50がカートリッジ保持容器40に装着された状態では、トナーカートリッジ50の円弧底板52がリブ462と干渉することによってコイルスプリング47の付勢力に抗して挿通窓421内を前方に移動し、これによってトナー供給口48が、図10の(ロ)に示すように開放されるようになっている。
かかる開閉機構45によれば、トナーカートリッジ50をカートリッジ保持容器40内に押し込むことによって今まで閉じられていたゲート部材46が自動的に開放される一方、トナーカートリッジ50をカートリッジ保持容器40から抜き出すことによってゲート部材46がコイルスプリング47の付勢力で自動的に閉じられるため、ゲート部材46の開閉操作を別途行うことなくトナー供給口48は必要なとき(すなわちトナーカートリッジ50内のトナーをカートリッジ保持容器40内に補給するとき)以外常に閉じられた状態になり、現像装置本体30内からのトナー供給口48を介したトナーの飛散が有効に防止される。
前記トナーカートリッジ50は、下部が円弧状に形成された同一形状の幅方向一対の側板51(左側板(一側壁)51aおよび右側板51b)と、各側板51の円弧縁部間に架設された側面視で円弧状を呈する円弧底板52と、各側板51の前方縁部間に架設された前板53と、各側板41の後方縁部間に架設された後板54と、上面開口を閉止する蓋体55とを備えて構成されている。蓋体55は、トナーカートリッジ50内にトナーが充填された後に側板51、前板53および後板54の各上縁部に密着固定されるようになっている。
前記各側板51の円弧部分の曲率半径は、カートリッジ保持容器40の側板41の円弧部分の曲率半径より若干小さめに寸法設定され、これによってトナーカートリッジ50は、略密着状態でカートリッジ保持容器40内に嵌め込み得るようになっている。
また、前記左側板51aには、下部の円弧状に形成された部分の曲率中心位置に前記カートリッジ保持容器40の曲率中心孔411と対応した曲率中心孔511が穿設されているとともに、右側板51bの外面側には、前記カートリッジ保持容器40の右側板41bに設けられた曲率中心凹部413に摺接状態で嵌り込む柱状突起512が突設されている。この柱状突起512は、トナーカートリッジ50のカートリッジ保持容器40への装着に際し、カートリッジ保持容器40の曲率中心凹部413へ嵌め込まれるものである。
また、左側板51aにおける曲率中心孔511の上方位置の適所には、後述する円盤状ロックプレート70の右面円弧凸条76に対応する外方へ向って突出した干渉突起(第2凸条113)57が設けられている。
また、前記円弧底板52の左方位置には、図4に示すように、前記カートリッジ保持容器40のトナー供給口48に対応した幅方向に長尺のトナー排出口56が設けられ、トナーカートリッジ50内のトナーは、このトナー排出口56および前記トナー供給口48を通って現像装置本体30内に供給されるようになっている。
前記ロック機構60は、図4に示すように、フレーム18からカートリッジ保持容器40の左側板41aへ向けて突設された係止突起(第3係合部110)181と、カートリッジ保持容器40の左側板41aに装着される円盤状ロックプレート(ロックプレート)70と、トナーカートリッジ50に設けられ、かつ、トナーカートリッジ50がカートリッジ保持容器40に装着されることで前記円盤状ロックプレート70とリンクされるシャッタ80とからなっている。
なお、図4では、円盤状ロックプレート70は、その右面側を示すために、カートリッジ保持容器40への被装着姿勢から平面視で時計方向に90°回した状態のものをカートリッジ保持容器40の外側に示している。かかる外側に示した円盤状ロックプレート70は、それを白抜き矢印で示すように平面視で反時計方向に90°回してカートリッジ保持容器40内に装着されることになる。
このような円盤状ロックプレート70は、円形のプレート本体71と、このプレート本体71の中心位置から同心で左方に向けて突設された中心軸(支持軸)72と、プレート本体71の周面から径方向の外方に向けて突設された操作レバー73とを備えている。前記中心軸72は、外径寸法が前記カートリッジ保持容器40の曲率中心孔411に摺接状態で嵌入されるとともに、プレート本体71からの突出量が左側板41aの厚み寸法より僅かに大きく設定されている。
かかる中心軸72の中心位置には、ねじ孔721が螺設されている。そして、中心軸72が側板41の内側から曲率中心孔411に差し通された状態で、曲率中心孔411の内径寸法より大径のワッシャ741を有する雄ねじ74が前記ねじ孔721に螺着され、これによって円盤状ロックプレート70が中心軸72回りに回動自在にカートリッジ保持容器40の左側板41aに抜け止め状態で取り付けられるようになっている。
また、前記プレート本体71の右面側(図4において正規の装着位置から時計方向に90°回したものでは後面側)には、周縁面から中心位置に向けて径方向に延びるように凹設された操作レバー73と直交する装着溝(第1係合部)75が設けられている。この装着溝75は、溝幅寸法が後述の嵌入突起(第2係合部)84の径寸法より僅かに幅広に設定されているとともに、装着溝75内の基端側には、溝幅の中央位置において装着溝75の延びる方向に向けて突設された係止片751が設けられている。
また、プレート本体71には、装着溝75の長手方向の略中央位置から操作レバー73に向けて同心で膨設された右面円弧凸条(第1凸条112)76が設けられている。この右面円弧凸条76は、トナーカートリッジ50の左側板51aに突設された前記干渉突起57と対向する位置に設けられている。かかる右面円弧凸条76は、装着溝75から操作レバー73へ向うに従い厚み寸法(膨出量)が漸増するような傾斜面761を有している。
さらに、プレート本体71には、その左面に中心軸72の軸心を曲率中心とする左面円弧凸条(第4係合部111)77が設けられている。この左面円弧凸条77は、現像装置20がファクシミリ装置10の上ケース10a(図2)における所定のフレーム(第1区画壁102)18から、現像装置20の方向に向けて突設された係止突起(機器本体側突起)181に対応して設けられている。かかる左面円弧凸条77は、プレート本体71の中心を曲率中心とした曲率内径(半径)寸法が、前記左側板41aの円弧板412の曲率半径より僅かに大きく寸法設定されているとともに、プレート本体71からの突出量が左側板41aの厚み寸法より若干大きめに設定され、これによって中心軸72が曲率中心孔411に嵌入された状態で左面円弧凸条77が雄ねじ74より左方に突出するようになっている。
このような左面円弧凸条77は、円盤状ロックプレート70が、図5に示す現像装置ロック姿勢(この姿勢では操作レバー73が前方に向いている)に姿勢設定された状態から、図6に示すトナーカートリッジロック姿勢(この姿勢では操作レバー73が上方に向いている)に到るまで係止突起181の下方にあって当該係止突起181と当接干渉するように曲率周長が設定されている。
したがって、図7に示すように、操作レバー73が斜め後方に向って先上りに傾斜して円盤状ロックプレート70が現像装置ロック解除姿勢に姿勢設定された状態では、左面円弧凸条77の係止突起181に対する干渉が解消され(すなわち、ロック状態が解除され)、これによって現像装置20をフレーム18から外し得るようになる。
そして、前記トナーカートリッジ50は、円盤状ロックプレート70が、現像装置ロック姿勢(図5)に姿勢設定されたときのみ装着溝75が上方に向くことで後述の嵌入突起84が当該装着溝75に案内され、これによってカートリッジ保持容器40に対して着脱自在になる。これに対し、現像装置ロック姿勢以外の姿勢に設定されたトナーカートリッジ50は、装着溝75が斜めになることによってカートリッジ保持容器40から抜け止めされるようになっている。
このような円盤状ロックプレート70は、周面から径方向に外方に向かって突設された操作レバー73の中心軸72回りの正逆回動操作によって姿勢変更を容易に行い得るようになっている。そして、カートリッジ保持容器40の前板43には、現像装置ロック姿勢に姿勢設定された円盤状ロックプレート70の操作レバー73を逃すための逃し凹溝431が設けられている。
前記シャッタ80は、トナーカートリッジ50のトナー排出口56を開閉自在に閉止するシャッタ本体81と、このシャッタ本体81の幅方向両端部から側板51の曲率中心位置に向けて延設された幅方向一対の支持アーム82とを備えて構成されている。前記シャッタ本体81は、トナー排出口56を覆い得るように寸法設定されているとともに、X方向から見た断面形状が円弧状を呈してトナーカートリッジ50の円弧底板52の内面に摺接し得るように形状設定されている。
かかるシャッタ80の右側の支持アーム82を支持するために、円弧底板52には、トナー排出口56の右端部より若干右方位置に上方に向かって突設された支持板521が設けられている。そして、右側の支持アーム82は、この支持板521に設けられた側板51の曲率中心線と同心の支軸83回りに回動自在に軸支されているとともに、左側の支持アーム82には左側板51aに穿設された前記曲率中心孔511に対応した位置から外方に向って突出した嵌入突起84が設けられている。この嵌入突起84は、径寸法が曲率中心孔511の内径寸法より僅かに小さく設定され、これによって曲率中心孔511に摺接状態で嵌入し得るようになっている。
そして、嵌入突起84が曲率中心孔511に嵌入されるとともに、右側の支持アーム82が支軸83に軸支されることにより、シャッタ80は、支軸83および嵌入突起84の共通の軸心回りに回動可能にトナーカートリッジ50内に装着され、シャッタ本体81がトナー排出口56を覆った閉止姿勢と、シャッタ本体81がトナー排出口56を開放した開放姿勢との間で姿勢変更し得るようになっている。
また、前記嵌入突起84には、その周面の下方位置から軸心に向って切り込まれることによって形成した切込み凹部841が設けられている。この切込み凹部841は、前記プレート本体71の装着溝75の奥部に設けられた係止片751に外嵌し得るように形状設定されている。したがって、円盤状ロックプレート70が現像装置ロック姿勢に姿勢設定された状態でトナーカートリッジ50を、カートリッジ保持容器40内に嵌め込んでいくと、図5に示すように、嵌入突起84がプレート本体71の装着溝75に案内されつつ下降し、切込み凹部841が係止片751に外嵌して両者は同心で一体回転可能になる。
以下、本発明の作用について図11および図12を基に詳細に説明する。図11および図12は、本発明に係るロック機構60の作用を説明するための説明図であり、図11の(イ)は、円盤状ロックプレート70が現像装置ロック姿勢に姿勢設定された状態でトナーカートリッジ50がカートリッジ保持容器40に装着されつつある状態、図11の(ロ)は、トナーカートリッジ50がカートリッジ保持容器40に嵌め込まれた直後の状態、図12の(イ)は、円盤状ロックプレート70がトナーカートリッジロック姿勢に姿勢変更されることによりカートリッジ保持容器40に嵌め込まれたトナーカートリッジ50がロック(抜け止め)された状態、図12の(ロ)は、円盤状ロックプレート70が現像装置ロック解除姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
なお、図11および図12において、(イ)および(ロ)に付された添え字の「a」は、正面視の断面図であることを示し、添え字の「b」は、側面視の断面図であることを示している。また、図11では、開閉機構45を示すと図が複雑になって見難くなるためその図示を省略している。
まず、図11の(イ)に示すように、トナーカートリッジ50をファクシミリ装置10の上ケース10aのフレーム18に装着されたカートリッジ保持容器40に対して着脱するときは、円盤状ロックプレート70が現像装置ロック姿勢に姿勢設定される。こうすることによって、円盤状ロックプレート70の装着溝75が上向きになるため、この上向きの装着溝75にシャッタ80の嵌入突起84をガイドさせることによってトナーカートリッジ50をカートリッジ保持容器40に対して着脱することができる。
この場合、トナーカートリッジ50は、トナーカートリッジ50の右側板51bに設けられた柱状突起512がカートリッジ保持容器40の右側板41bに摺接した状態でカートリッジ保持容器40に対する着脱操作が行われることになる。
ついで、トナーカートリッジ50がカートリッジ保持容器40に嵌め込まれた直後には、図11の(ロ)−aに示すように、嵌入突起84の切込み凹部841がプレート本体71の係止片751に外嵌されて嵌入突起84とプレート本体71とは相対的に回り止め状態になっているとともに、トナーカートリッジ50がカートリッジ保持容器40内で左方に寄せられているため、トナーカートリッジ50の柱状突起512は、カートリッジ保持容器40の曲率中心凹部413に未だ嵌め込まれないロック解除状態になっている。
また、この状態では、シャッタ80が閉止姿勢に姿勢設定されることによってトナーカートリッジ50のトナー排出口56がシャッタ本体81によって閉止されている。したがって、トナーカートリッジ50内に充填されているトナーがトナー排出口56を介して排出されることはない。
ついで、操作レバー73を指で摘んでプレート本体71を図11の(ロ)−aにおける時計方向へ90°回動させると、係止片751および切込み凹部841を介して共回り可能になっている嵌入突起84が時計方向へ回動し、図12の(イ)に示すように、円盤状ロックプレート70が開放姿勢に姿勢設定される。
そして、この状態においては、図12の(イ)−aに示すように、トナーカートリッジ50の干渉突起57が円盤状ロックプレート70の右面円弧凸条76の傾斜面761を相対的にすり上ってトナーカートリッジ50を右方に押圧するため、これによるトナーカートリッジ50の右方への移動で柱状突起512がカートリッジ保持容器40の曲率中心凹部413へ嵌り込むことになる。
この場合、シャッタ80の左方の支持アーム82から突設された嵌入突起84は、カートリッジ保持容器40内でトナーカートリッジ50が右方へ移動しても、装着溝75から外れることがないように支持アーム82からの突出量が設定されている。したがって、図11の(ロ)に示す円盤状ロックプレート70が現像装置ロック姿勢から、操作レバー73の操作による円盤状ロックプレート70の時計方向へ向かう回動で、図12の(イ)に示すトナーカートリッジロック姿勢に姿勢変更されることにより、トナーカートリッジ50は、カートリッジ保持容器40にロックされることになる。
そして、円盤状ロックプレート70が現像装置ロック姿勢からトナーカートリッジロック姿勢に姿勢変更されることにより、切込み凹部841が係止片751に嵌り込んでいる嵌入突起84が軸心回りに時計方向に向けて回動し、これによってシャッタ本体81も嵌入突起84と一体回動して図12の(イ)−bに示すように開放姿勢に姿勢設定されるため、トナーカートリッジ50のトナー排出口56が開放され、これによってトナーカートリッジ50内のトナーがトナー排出口56を介して現像装置本体30へ向けて排出されることになる。
ついで、カートリッジ保持容器40にトナーカートリッジ50が装着された現像装置20をファクシミリ装置10のフレーム18から取り外すに際しては、図12の(ロ)に示すように、円盤状ロックプレート70を現像装置ロック解除姿勢に姿勢変更する。こうすることによって、左面円弧凸条77は、ファクシミリ装置10のフレーム18の係止突起181と干渉しなくなるため、現像装置20をフレーム18から取り外すことができるようになる。なお、現像装置20をファクシミリ装置10に装着するときにも、円盤状ロックプレート70は、当然に現像装置ロック解除姿勢に姿勢設定される。
また、現像装置20がファクシミリ装置10に装着された状態で、カートリッジ保持容器40に装着されたトナーカートリッジ50のみを着脱するに際しては、円盤状ロックプレート70が、図11の(ロ)に示すように、現像装置ロック姿勢に姿勢設定される。こうすることでシャッタ本体81が支軸83および嵌入突起84の軸心回りに反時計方向に回動してトナー排出口56がシャッタ本体81により閉止されるとともに、円盤状ロックプレート70のプレート本体71が回動して干渉突起57に対する右面円弧凸条76の干渉が解消される。
この状態でトナーカートリッジ50を左方に移動させることにより、柱状突起512が曲率中心凹部413から外れるため(図11の(イ)の状態)、トナーカートリッジ50のカートリッジ保持容器40に対する着脱操作を行うことができる。
以上詳述したように、本実施形態に係る現像装置20は、ファクシミリ装置10の機器本体の一部であるフレーム18に対して着脱自在に装着される現像装置本体30と、この現像装置本体30に着脱自在に装着されるトナー補給用のトナーカートリッジ50とを備えてなる基本構成を有している。現像装置本体30は、トナーカートリッジ50を着脱するための上面開口を有するカートリッジ保持容器40を備えている一方、トナーカートリッジ50はカートリッジ保持容器40内に安定状態で収まるように形状設定されている。
そして、カートリッジ保持容器40の左側板41aには、中心軸72回りに回動自在に円盤状ロックプレート70が設けられ、現像装置本体30のファクシミリ装置10に対するロックおよびロック解除操作並びにトナーカートリッジ50のカートリッジ保持容器40に対するロックおよびロック解除操作を円盤状ロックプレート70のワンタッチによる中心軸72回りの回動操作で選択的に行い得るロック機構60が設けられているため、円盤状ロックプレート70の中心軸72回りのワンタッチの回動操作で、ファクシミリ装置10に対する現像装置20のロックおよびロック解除、並びにトナーカートリッジ50の現像装置20に対するロックおよびロック解除をを選択的に行うことができる。
したがって、ファクシミリ装置10に対する現像装置20のロック操作と、トナーカートリッジ50の現像装置20に対するロック操作とを別々に行わなければならなかった従来のロック機構に比べて現像装置20およびトナーカートリッジ50の着脱操作の操作性が格段に向上し、これによってトナーカートリッジ50の交換作業や現像装置20のメンテナンス作業を効率的に行うことができる。
また、トナーカートリッジ50には、カートリッジ保持容器40に装着された状態で開放されるシャッタ80が設けられ、ロック機構60は、トナーカートリッジ50のカートリッジ保持容器40に対するロックおよびロック解除操作並びにトナーカートリッジ50のシャッタ80の開閉操作を円盤状ロックプレート70のワンタッチによる中心軸72回りの回動操作で同時に行い得るように構成されているため、トナーカートリッジ50をカートリッジ保持容器40へ装着するに際し、円盤状ロックプレート70を所定の方向にワンタッチ操作で回動させることによりトナーカートリッジ50のカートリッジ保持容器40に対するロックとシャッタ80の開放とが同時に行われるとともに、トナーカートリッジ50をカートリッジ保持容器40から取り外すに際しても同様の逆方向に向かうワンタッチ操作でロック解除とシャッタ80閉止とが同時に行われる。したがって、この面でもロックまたはロック解除操作と、シャッタ80の開閉操作とを別々に行わなければならなかった従来の現像装置に比べてトナーカートリッジ50の交換作業の作業性を大幅に向上させることができる。
そして、ロック機構60は、ファクシミリ装置10のフレーム18からロックプレート70の左面円弧凸条77の上方へ向けて突設された係止突起181を有しているため、円盤状ロックプレート70の回動操作で当該円盤状ロックプレート70を現像装置ロック姿勢とロック解除姿勢との間で姿勢設変更することによって、係止突起181が左面円弧凸条77と干渉したり、干渉が回避されたりするため、円盤状ロックプレート70のワンタッチ操作で現像装置20のファクシミリ装置10に対するロックおよびロック解消を容易に行うことができる。
しかも、本実施形態においては、ロック機構60は、前記係止突起181に加えて円盤状ロックプレート70の内側の面に凹設された周縁面から中心軸72の軸心を含む位置へ延びる装着溝75と、同内側の面に突設された軸心を曲率中心とする右面円弧凸条76と、トナーカートリッジ50の左側板51aに突設され、かつ、装着溝75に嵌り込む嵌入突起84と、同左側板51aに突設され、かつ、右面円弧凸条76に干渉する干渉突起57とを備えている。
そして、前記右面円弧凸条76は、装着溝75から周方向に離間するに伴って突出量が漸増するような傾斜面761を備え、装着溝75の軸心位置には嵌入突起84との干渉で当該突起の相対回転を阻止する係止片751が設けられ、嵌入突起84は、円盤状ロックプレート70がロック解除操作されることによりシャッタ80を閉止する一方、ロック操作されることによりシャッタ80を開放するように当該シャッタ80と連係されているため、トナーカートリッジ50をカートリッジ保持容器40へ装着するに際し、トナーカートリッジ50を、その嵌入突起84がプレート本体71の装着方向に延びた装着溝75に嵌め込まれた状態でカートリッジ保持容器40に装入していくことにより、当該トナーカートリッジ50はカートリッジ保持容器40内に嵌め込まれていく。
したがって、トナーカートリッジ50がカートリッジ保持容器40内に嵌め込まれた後に円盤状ロックプレート70をその中心軸72回りに右面円弧凸条76が干渉突起57と干渉する方向に向けて回動操作することにより、トナーカートリッジ50は、その干渉突起57が右面円弧凸条76の傾斜面761に押圧され、これによってカートリッジ保持容器40内をその曲率中心凹部413の方向にむけて移動してカートリッジ保持容器40の曲率中心凹部413に嵌入するとともに、嵌入突起84は、横向きになった装着溝75から抜け止めされ、これによってトナーカートリッジ50のカートリッジ保持容器40に対するロックが行われるとともに、トナーカートリッジ50のシャッタ80が開放され、トナーカートリッジ50内のトナーが現像装置本体30へ補給される。
また、カートリッジ保持容器40からトナーカートリッジ50を取り外すに際しては、円盤状ロックプレート70を中心軸72回りに装着時と反対方向に回動操作すればよい。こうすることによって干渉突起57は、右面円弧凸条76の傾斜面761からの押圧が解除され、トナーカートリッジ50は、曲率中心凹部413から外れるとともに、装着溝75がトナーカートリッジ50の抜き出し方向に向くため、これと連動してシャッタ80が閉じられるため、トナーの漏れ出しが阻止された状態でトナーカートリッジ50をカートリッジ保持容器40から取り外すことができる。
このようにロック機構60としてファクシミリ装置10側に設けた係止突起181と、円盤状ロックプレート70に設けた左面円弧凸条77、装着溝75、同右面円弧凸条76、トナーカートリッジ50に設けた嵌入突起84および同右面円弧凸条76に干渉する干渉突起57とを備えたものにするとともに、右面円弧凸条76には、装着溝75から周方向に離間するに伴って突出量が漸増するような傾斜面761を備えることにより、ロック機構60を簡単なものにした上で現像装置20のファクシミリ装置10に対するロックおよびロック解除操作、並びにトナーカートリッジ50のカートリッジ保持容器40に対するロックおよびロック解除をワンタッチ操作で行うことができるばかりか、シャッタ80の開閉操作をも同時にを行うことが可能になる。
また、円盤状ロックプレート70には、当該円盤状ロックプレート70の回動操作を援助するための操作レバー73が設けられているため、操作レバー73の操作で円盤状ロックプレート70を中心軸72回りに回動操作することが可能になり、円盤状ロックプレート70の良好な操作性を確保することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、本発明の請求項1に係るロック機構100がファクシミリ装置10の現像装置20に適用されているが、本発明は、ロック機構100が現像装置20に適用されることに限定されるものではなく、感光体ドラム110をユニット化したいわゆるドラムユニットと、このドラムユニットを支持するファクシミリ装置10の上ケース10aの所定のフレームとの間に介設してもよいし、ユニットかされた定着搬送装置14と、この定着搬送装置14を支持するファクシミリ装置10の上ケース10aの所定のフレームとの間に介設してもよい。
(2)上記の実施形態において、カートリッジ保持容器40の右側板41bに設けられた曲率中心凹部413内にコイルスプリングを内装してもよい。こうすることによって曲率中心凹部413に嵌入したトナーカートリッジ50の柱状突起512は、コイルスプリングの付勢力によって円盤状ロックプレート70の方向へ向けて押圧されるため、トナーカートリッジ50は、それを手操作で円盤状ロックプレート70側に移動させなくても、コイルスプリングの付勢力で自動的に移動し、その分トナーカートリッジ50のカートリッジ保持容器40からの取り外し操作の操作性を向上させることができる。
(3)上記の実施形態においては、カートリッジ保持容器40の右側板41bに曲率中心凹部413が凹設されている一方、トナーカートリッジ50の側板51に曲率中心凹部413と対向した柱状突起512が凸設されているが、こうする代わりにトナーカートリッジ50の側板51側に凹部を設けるとともに、カートリッジ保持容器40の側板41側に前記凹部に嵌入する凸部を設けてもよい。
(4)上記の実施形態においては、円盤状ロックプレート70側に右面円弧凸条76が設けられている一方、トナーカートリッジ50側に右面円弧凸条76と対向する干渉突起57が設けられているが、こうする代わりに円盤状ロックプレート70側に干渉突起を設けるとともに、トナーカートリッジ50側に円弧凸条を設けてもよい。
(5)上記の実施形態においては、円盤状ロックプレート70の回動範囲を90°に設定しているが、本発明は、円盤状ロックプレート70の回動範囲が90°であることに限定されるものではなく、90°以下であってもよいし、90°を越えてもよい。
(6)上記の実施形態においては、本発明に係る現像装置20が適用される画像形成装置としてファクシミリ装置10が採用されているが、本発明は、現像装置20の適用される画像形成装置がファクシミリ装置10であることに限定されるものではなく、複写機であってもよいし、コンピュータに接続された各種のプリンタであってもよい。