JP4357845B2 - パイプ支持バンドの仮止め具 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の壁面・天井面又は床面等に沿って配設されるパイプを抱持支承するパイプ支持バンドの仮止め具に係り、詳しくは、パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で足部材を挟み込み、ボルト、ナットで両者を固着するパイプ支持バンドの仮止め具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1は、本出願人が先に提案したパイプ支持バンド用仮止め具の一例を示すものである。この従来技術によれば、マンション等の高層建築物の壁面等に沿って、縦樋等のパイプを配設するに際し、基部が互いにヒンジ結合された2つ割りのバンド本体をパイプの周体に抱持させ、各バンド本体の先端に形成された取付片部、壁面等に取付けられた足部材を挟み込むように重合させ、且つ後記する仮止め具を添装して、これらを一体的にボルト・ナットで締結することにより壁面等への配設がなされる。
【0003】
上記仮止め具は板金材等からなり、一方の取付片部の片面に添装される取付ベースと、その上下端部から垂直に延設された互いに並行な上下一対の片部とより構成される。この片部には一方の取付片部及び他方の取付片部にそれぞれ係止する2種の係止爪を備え、また、取付ベースには取付片部に開設されたボルト用貫通孔に対応する位置に、開口径がボルト軸部の山径よりやや小さく且つ遠心方向の切込み部を備えたボルト係止用空所が設けられている。
【0004】
このような仮止め具を用いて、上記バンド本体によりパイプを建屋の壁面等に配設する場合、予め、取付ベース側の上記係止爪を一方の取付片部に係止させて取付ベースをこの取付片部の片面に添装させ、ボルトを取付ベースに形成された上記ボルト係止用空所に圧入させると共に取付片部に開設された貫通孔に貫挿させておく。次いで、壁面等に取付けられた上記足部材の貫通孔(長孔)に上記ボルトを挿通させ、パイプの周体に2つ割りバンド本体を抱持させる。そして、他方の取付片部を、上記もう一方の係止爪に係止させつつ、この取付片部に開設された貫通孔に上記ボルトを貫挿させ、該ボルトにナットを螺合させて上記締結固着がなされる。
【0005】
上記のような仮止め具を用いたパイプの配設作業においては、取付ベースに形成されたボルト係止用空所の開口径がボルト軸部の山径より小さくされているから、このボルト係止用空所及び上記貫通孔にボルトを貫挿させた状態では、その抜けが防止され、作業中ボルトから手を離しても、ボルトが抜け出して落下するような懸念がない。また、片部に形成された2種の係止爪により、足部材を挟みこんだ状態で両バンド本体の取付片部が重合状態に維持されるから、ナットの締付前においてバンド本体から手を離してもバンド本体が外れることがない。従って、作業者は両手がフリーとなり、パイプを抱持しながらのボルト・ナットの締付作業を効率よく行うことができる。特に、マンション等の高層建築物の危険な高所作業を伴う建築現場においては、このような作業性の良さは安全性の点でも極めて高く評価されている。
【0006】
【特許文献1】
特許第3364468号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のパイプ支持バンドの仮止め具は、パイプ配設作業の作業効率を飛躍的に向上させ、また作業の安全性の面でも高く評価されているが、次のような問題点も指摘されるようになった。即ち、前述の従来技術による仮止め具では、その取付ベースが取付片部の外側面に添装されるので、この場合折り曲げ延設された片部と取付片部との間に雨水が溜まり易く、錆の発生の原因となったり、劣化を促進することが予想される。
【0008】
また、取付片部の外側面には、パイプ支持バンドの品番やメーカー名等が標示されていることも多いが、この面が取付ベースで覆われてしまうと、現場合せに支障を来たしたり、或いは商品の宣伝効果が減退したりすることになるという面もあり、更なる改善の余地が残されているように思える。
【0009】
本発明の目的は、上記実情に鑑みなされたものであり、従来のパイプ支持バンドの仮止め具としての長所を有しながら、仮止め具の装着に起因して雨水が溜まることが極力無く、しかも、取付片部の外側面に標示された文字や記号が隠れてしまうこともないように改善された仮止め具を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具は、パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で建屋に固設される足部材を挟み込み、この一対の取付片部及び足部材にはボルトの軸部を挿通する1以上の貫通孔が各々開設され、ボルト及びナットで一対の取付片部を足部材に固着するパイプ支持バンドの仮止め具において、
一方の取付片部の片面に添装される取付ベースと、この取付ベースの添装状態で貫通孔に対応する位置に形成されたボルト係止用空所と、取付ベースの上端及び下端から略垂直方向に延設され、他方の取付片部に係止する係止爪を設けた片部とよりなり、取付ベースは上記片部の延設方向とは反対側に向く第2の係止爪を備え、上記一方の取付片部の内側面と足部材との間に添装されて、上記第2の係止爪が上記一方の取付片部を把持する構造とされることを特徴とする。
【0011】
請求項1の構成によれば、ボルトを係止させるための取付ベースが、取付片部の一方の内側面と足部材との間に添装されるから、その一方の取付片部の外側には片部が存在しなくなり、この一方の取付片部と片部との間に雨水が溜まることが解消される。つまり、いずれか一方の取付片部の内側に取付ベースが位置するので、取付片部と片部とで挟まれる箇所が少なくなるのである。そして、その一方の取付片部の外側面は開放されることになるから、その開放される側面に品番やメーカー名等を刻印やペイントする面とすることにより、仮止め具を装着しても品番やメーカー名等を露出させることができる。
【0012】
この場合、一方の取付片部の側面に取付ベースを当接させた状態で、その取付片部における取付ベースが当接されない側の側面から貫通孔及びボルト係止用空所にボルトを通すことにより、ボルトがボルト係止用空所に係止されて仮止め具を一方の取付片部に仮止めすることができる。そして、取付片部に係止する係止爪を設けた片部は、曲げ或いは切起こし加工によって形成することができるとともに、取付ベースの上端及び下端から、略並行に各々延設された一対の上片部及び下片部で構成すること(請求項5)も採用可能である。
【0013】
また、ボルト係止用空所は、丸孔等のボルト係止用孔部によって形成されたり(請求項2)、長穴状の切欠きといった具合に、取付ベースの側辺部より切欠かれ添装状態で貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用切欠部によって形成されたもの(請求項3)、或いは、略だるま形状の孔といった具合に、取付ベースに形成されたボルト挿通孔と、このボルト挿通孔に連なり添装状態で貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用長孔部とによって形成されたもの(請求項4)等、種々の形態が可能である。
【0014】
さらに、請求項1の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具は、取付ベースに、片部の延設方向とは反対側に向く第2の係止爪が形成され、一方の取付片部を把持可能としている。
【0015】
この構成によれば、片部の延設方向とは反対側に向く第2の係止爪が取付ベースに形成されているので、この第2の係止爪を用いることで一方の取付片部を把持可能となるから、仮止め具を一方の取付片部に仮止めする場合にあたり、ボルトを挿通操作しなければならない、というようなことは無くなる。これにより、仮止め具の仮止め装着操作がより簡単なものとなる。
【0016】
請求項の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具は、請求項1〜のいずれかの構成において、取付ベースの取付片部又は足部材添装面側に隆起突部が形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項の構成によれば、ボルト及びナットによって螺装締結する際、取付ベースの取付片部又は足部材添装面側に形成された隆起突部が、取付ベースと取付片部との間に介在し、両者によって挟圧されることになるから、その復元反力により、皿ばね或いはスプリングワッシャのようなボルトの緩みを防止する機能が生じ、一対の取付片部、足部材、及び仮止め具の緊合固着状態が長く維持されるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具の実施形態を図面に基づき説明する。図1は本発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具を用いたパイプ固定要領を示す分解斜視図、図2は本発明に係る仮止め具の構造及び形状を示す斜視図、図3は同取付要領を示す縦断面図である。
【0019】
図1におけるパイプ支持バンドAは、一般的な従来品であり、図中想像線で示すパイプPを抱持すべく、基部がヒンジピン10を介して結合され開閉する2つ割バンド本体1、1の先側一対の取付片部11、11で、基端を建屋の壁面等に固定した足部材2の足本体21を挟み込み、両者をボルト3とナット4で締結固着するようにしている。一対の取付片部11、11には、互いに対応する位置に、ボルト3の軸部31を挿通する2個の貫通孔12、12が開設され、足部材2の足本体21には、ボルト3の軸部31を挿通する貫通孔としての長孔22が開設されている。なお、32はボルト3の頭部である。
【0020】
パイプ支持バンドAは、図1のようにパイプPの周体に2つ割バンド本体1、1をして抱持され、一対の取付片部11、11足部材2の足本体21を挟み込むようにして重合させ、ボルト3及びナット4により取付片部11、11が足部材2に締結・固着されるが、この締結・固着の際に本発明の仮止め具5が使用される。
【0021】
仮止め具5は、ばね鋼、ステンレス板、アルミ板、銅板等の板金材からなり、取付片部11、11の一方の片面に添装される取付ベース50と、この取付ベース50に上記2つの貫通孔12、12と対応する位置に形成されたボルト係止用空所51、51と、この取付ベース50の上端及び下端から略垂直方向に延設され、他方の取付片部11に係止する係止爪52a、52aを先端に設けた片部52、52とにより基本的に構成されている。この例では、ボルト係止用空所51はボルト係止用孔部(請求項2)に形成されている。
【0022】
上記ボルト係止用空所51、51の開口縁部には、内径がボルト3の軸部31の山径よりやや小さい短筒部53、53がボルト挿通方向に突設されている。また、片部52、52における取付ベース50側の部分及び取付ベース50の一部分を切起こして、一方の取付片部11に係止するべく延設される第2の係止爪52b、52bを形成してある。この仮止め具5は、取付ベース50が、一方の取付片部11と足本体21との間に添装されるタイプ(内側添装型)の仮止め具5であることを示す。
【0023】
本発明品では、取付ベース50の上下端から、片部52、52の延設方向とは反対の方向に、第2の係止爪52b、52bを突出するよう設け、これにより仮止め具5を取付片部11の一方に係止するようにしている。従って、この取付片部11の上辺部には第2の係止爪52bのみが存在し、空間部分が多くなるからこの部分に雨水等が溜まり難くなる。また、刻印等がなされる取付片部11の外側面が取付ベース50で覆われず、露出部分が多いからこの刻印等が読み取れる状態に維持される。尚、第2の係止爪52bは、係止構造により、不要とすることもできる。
【0024】
このような仮止め具5を用い、パイプ支持バンドAによりパイプPを建屋の壁面(不図示)に配設する要領について、図1及び図3に基づき説明する。先ず、図1のようにパイプPの周体に仮抱持させた2つ割バンド本体1、1の一方の取付片部11に、仮止め具5を係止させる。即ち、図3(a)に示すように、仮止め具5を、一方の取付片部11で第2の係止爪52b、52bを押し開くようにして、その一方の取付片部11の内側面に取付ベース50が添装される状態に仮止めする。この状態では、取付ベース50の表面と弾性復元した第2の係止爪52b、52bとにより、一方の取付片部11が挟まれるようになり、仮止め具5は手離しても脱落する懸念なく一方の取付片部11に安定的に係止される。この状態で施工現場に持ち込まれる。
【0025】
次に、図3(b)に示すように、一方の取付片部11の貫通孔12、及び取付ベース50のボルト係止用空所51にボルト3の軸部31を挿通させる。この場合、ボルト係止用空所51の開口縁部に突設された短筒部53の内径は、ボルト軸部31の山径よりやや小さくされているから、ボルト3はボルト係止用空所51に叩き込むように圧入される。ボルト係止用空所51には鋭利なエッジ部等が存在せず、短筒部53がガイド筒として機能するから、この圧入の際にねじ山部が損耗するようなことがない。しかも、ボルトの挿通状態においては、短筒部53の拘束作用によってボルト3が抜け落ちることがない。
【0026】
更に、図3(c)に示すように、足本体21の長孔22にボルト3の軸部31を挿通させ、引き続き、他方の取付片部11をその貫通孔12にボルト3の軸部31を挿通させながら、係止爪52a、52aを押し開くようにして足本体21の片面側に添装するよう押し込む。この状態では、係止爪52a、52aが、弾性復元して、他方の取付片部11の外面側に当接するよう位置するから、この他方の取付片部11及び足本体21が外れることがなく、一対の取付片部11、11及び足本体21の重合状態が維持される。
【0027】
尚、他方の取付片部11を重合させる作業において、上記2つ割バンド本体1、1の一方が上下にずれていることがあるが、このような場合でも、ボルト3の軸部31が短筒部53による支持部を支点として揺動が許容されているから、ボルト軸部31の貫通孔12への誘導がし易く、作業が効率的になされる。
【0028】
上記のように重合状態を維持した状態で、図3(c)に示すように、ナット4をボルト3の軸部31に螺装締結がなされる。この場合、取付片部11、11及び足本体21は、仮止め具5およびボルト3により重合状態が維持されているから、作業者は、その両手をボルト3及びナット4の締付操作に供することができ、極めて安全且つ効率的にその作業を行うことができる。
【0029】
この仮止め具5の取付ベース50には、図2に示すようにボルト係止用空所51の近傍部に複数の隆起突部58…が形成されており、図3(c)のようにボルト3及びナット4により螺装締結する際、この隆起突部58…が取付ベース50と取付片部11との間に介在し、両者によって挟圧されることになる。従って、その復元反力により、皿ばね或いはスプリングワッシャのようなボルトの緩みを防止する機能が発現され、上記緊合固着状態が長く維持される。
【0030】
尚、図示は省略するが、先に足部材21と他方の取付片部11を、係止爪52a、52aを押し開くようにして取付ベース50の内側面に添装し、かつ、一方の取付片部11を第2の係止爪52b、52bを押し開くようにして取付ベース50の外側面に添装し、それからボルト3を一方の取付片部11から、貫通孔12、ボルト係止用空所51、長孔22、及び貫通孔12を通してナット4締めする、という作業も可能である。
【0031】
図4は、ボルト係止用空所51及び短筒部53の概略的説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)にけるX−X線断面図、(c)はその変形例を示す。図4(a)(b)において、ボルト係止用空所51の開口縁部に突設された短筒部53は、内径が先行縮径するテーパー状に形成されており、その最小内径dがボルトの山径よりやや小さく設定されている。このようにテーパー状に形成されていると、ガイド機能が付加され、ボルトの圧入挿通の際の作業性が向上する。
【0032】
この短筒部53には放射状の切込部(スリット)53aが複数周方向に略等間隔で形成されている。この切込部53aは、ボルトの圧入の際、短筒部53の壁部が拡開するのを助長し、ボルトの圧入挿通をし易くするもので、このような線状のものに限らず、星形や花形に形成することも可能である。
【0033】
図4(c)は、短筒部53が直状であることを示し、その内径dがやはりボルトの山径よりやや小さく設定されている。この例の場合は、図4(b)のようなテーパー状のものに比べボルトの挿入ガイド機能はやや劣るが、同様に好ましく採用される。このような短筒部53は、仮止め具5を板金加工により製する場合はバーリング加工によって形成される。
【0034】
図2において、2点鎖線で示す部分55、55は、上記ボルト3及びナット4による締結後、上下片部52、52を含んで破断除去する為に形成された破断促進部を示す。本発明に係る仮止め具5は、上記のように取付片部11、11をボルト3及びナット4により足部材2に重合固着させる際に、文字通りこれら部材同士を仮止めする為に用いられるもので、元来重合固着後は不要とされるものである。しかも、その構造上、特に上下の片部52、52が突出するため、これに手などを引っ掛けて怪我をする恐れがあり、また仮止め具5が目立ち見映えもよくない。更に、雨水の溜まりを誘発したり、錆の原因ともなり、劣化が促進されることにもなる。
【0035】
上記破断促進部55、55は、このような難点を極力払拭する為に形成されたもので、図5(a)〜(h)は、その種々の形成態様を示すものである。図5(a)の破断促進部55aは、取付ベース50の肉厚を線状に薄くする小凹溝によってその幅方向全幅に亘って形成されたものであり、図5(b)の破断促進部55bは、取付ベース50の幅方向中央部を残してこの小凹溝を形成したものである。
【0036】
また、図5(c)の破断促進部55cは、上記小凹溝と取付ベース50の両側辺部からの切込みとを併用したものであり、図5(d)の破断促進部55dは、小凹溝と穿孔とを併用したもの、図5(e)の破断促進部55eは、取付ベース50の両側辺部からの切込みのみによるものである。更に、図5(f)の破断促進部55fは、切込みと穿孔とを併用したもの、図5(g)の破断促進部55gは、楕円もしくは長円状の長孔によるもの、そして図5(h)の破断促進部55hは、多数の小穿孔によりノッチ状に形成したものを夫々示す。
【0037】
このような破断促進部55a〜hは、取付ベース50の肉厚を薄くし、或いは実質的に取付ベース50の幅を狭めるものであり、上記のように取付片部11、11をボルト3及びナット4により足部材2に重合固着させた後、上下の片部52、52を反り曲げるようにすれば、これら破断促進部55a〜hから片部52、52が破断除去される。従って、上記重合固着状態においては、仮止め具5は、取付ベース50のみが残り、突出する部分が除去されるから、上記のように手等を引っ掛ける懸念がなく、また見映えもシンプルとなり、更に雨水の溜まり部分が少なくなって、錆の発生や劣化の促進も少なくなる。
【0038】
図2では、更に上下片部52、52の先側に2点鎖線で示す折曲促進部56、56が形成されている。この折曲促進部56、56は、上記破断促進部55a〜hにより片部52、52を破断除去しないまでも、上下片部52、52の先側突出部分を、他方の取付片部11の外側面に、手やハンマー等により叩き込み折曲展装させる為のものである。
【0039】
この折曲促進部56、56としては、図5に示す破断促進部55a〜hと同じような形成態様が採用可能である。上記と同様各部材を重合固着させた後、片部52、52の先側を殴打し、折曲促進部56、56から折曲して他方の取付片部11の外側面に展装させると、上記同様突出部分がなくなり、手等を引っ掛ける懸念がなく、また見映えもシンプルとなる。
【0040】
また、仮止め具5を主に板金材で構成する例について述べたが、これを樹脂の成形品により構成することも可能である。更に、建屋の壁面にパイプを配設施工する例について述べたが、床面や天井面等に配設施工する場合にも適用され得ることは言うまでもない。
【0041】
〔別実施形態〕
本発明による仮止め具5は、図6に示すものでも良い。即ち、取付ベース50の上下端から、片部52、52の延設方向とは反対の方向に、第2の係止爪52b、52bを突出するよう設け、これにより仮止め具5を取付片部11の一方に係止するようにしている。取付ベース50には、2種の実施形態のボルト係止手段(ボルト係止用空所51)が形成されている。
【0042】
即ち、図における取付ベース50の右側辺部から開口幅が大きく(ボルト軸部の山径より大きく)切欠かれた切欠部分64gと、これに連なるボルト係止用切欠部64(請求項3)と、ボルト挿通孔59及びこれに連なるボルト係止用長孔部59a(請求項4)とを備える。ボルト挿通孔59の径及び切欠部分64gの幅寸法はボルト軸部31の山径より大とされ、またボルト係止用長孔部59a及びボルト係止用切欠部64の幅寸法は、ボルト軸部31の山径よりやや小さく、かつ、谷径よりやや大とされている。
【0043】
従って、ボルトの軸部31をボルト挿通孔59に挿通し、その後ボルト係止用長孔部59aに沿って横方向(図では左方向)に移動させると、ボルト係止用長孔部59aの開口縁部がボルト軸部31の谷部に嵌り込み、ボルト3は軸方向への抜けが阻止される状態でボルト係止用長孔部59aに係止される。同様に、ボルト3を切欠部分64gから横移動させてボルト係止用切欠部64に係止することができる。
【0044】
図7は、図6に示す仮止め具5を用いて取付片部11、11を足部材2に重合固着する要領を示す図である。この場合、先ず、一方の取付片部11の貫通孔12にボルト3の軸部31を挿通させ、次いで取付ベース50の切欠部分64g及びボルト挿通孔59にボルト3の軸部31を挿入する。その後仮止め具5を横移動させて、ボルト3の軸部31をボルト係止用切欠部64及びボルト係止用長孔部59aに係止させる。
【0045】
この状態では、両ボルト3は夫々ボルト係止用切欠部64及びボルト係止用長孔部59aに係止されているから、軸方向の抜けが阻止される。その後は、上記と同じ要領で足部材2の足本体21及び他方の取付片部11の夫々の長孔22及び貫通孔12にボルト3の軸部31を挿通させ、図のように仮止め具5により取付片部11、11及び足本体21を仮止めする。そして、ナット4をボルト3の軸部31に螺装締結させ、これら部材を緊合固着状態とする。
【0046】
この仮止め具5の取付ベース50には、図6に示すようにボルト係止用切欠部64及びボルト係止用長孔部59aの近傍部に複数の隆起突部58…が形成されており、図7のようにボルト3及びナット4により螺装締結する際、この隆起突部58…が取付ベース50と取付片部11との間に介在し、両者によって挟圧されることになるから、その復元反力により、皿ばね或いはスプリングワッシャのようなボルトの緩みを防止する機能が発現され、上記緊合固着状態が長く維持される。
【0047】
また、片部52、52を取付ベース50に対して図のようにRを小さく屈曲形成するようにすれば、この屈曲部分55に応力が集中するから、この屈曲部分55を前記の破断促進部として機能させることが可能である。その他の構成は、基本的に本実施形態の例と同様であるので、ここでは共通部分には同一の符号を付しその説明を割愛する。
【0048】
【発明の効果】
請求項1〜の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具によれば、ボルトを係止させるため取付ベースが、取付片部の一方の内側面と足部材との間に添装されるから、その一方の取付片部の両端における外側には片部が存在しなくなり、この一方の取付片部と片部との間に雨水が溜まることが解消される。つまり、いずれか一方の取付片部の内側に取付ベースが位置するので、取付片部と片部とで囲まれた部分が2箇所から1箇所に減るのである。そして、その一方の取付片部の外側面は開放されることになるから、その開放される側面に品番やメーカー名等を刻印やペイントする面とすることにより、仮止め具を装着しても品番やメーカー名等を露出させることができる。尚、ボルト係止用空所としては、ボルト係止用孔部(請求項2)、ボルト係止用切欠部(請求項3)、ボルト挿通孔とボルト係止用長孔部とによるもの(請求項4)がある。
【0049】
また、請求項1の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具によれば、片部の延設方向とは反対側に向くように形成された第2の係止爪を用いて、一方の取付片部を把持可能となり、仮止め具を一方の取付片部に仮止めするにあたっては、ボルトを挿通操作する必要が無くなり、仮止め具の仮止め装着操作をより簡単なものにできる利点がある。
【0050】
また、請求項5の発明のように、片部を、取付ベースの上端及び下端から、略並行に各々延設された一対の上片部及び下片部で構成すれば、上下の係止爪によって取付片部を安定的に係止できるとともに、取付片部や足部材の厚みが異なる場合でも、上下片部の延設長さ設定によって対応し易い利点がある。
【0051】
請求項の発明に係るパイプ支持バンドの仮止め具によれば、ボルト及びナットによってパイプ支持バンド、足部材及び仮止め具を螺装締結する際に、取付ベースと取付片部との間に介在する隆起突部が挟圧されることになり、その復元反力によって皿ばね或いはスプリングワッシャのようなボルトの緩みを防止する機能が生じて、一対の取付片部、足部材、及び仮止め具の緊合固着状態が長く維持される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パイプ支持バンドの仮止め具を用いたパイプ固定要領を示す分解斜視図である。
【図2】 仮止め具の構造を示す斜視図である。
【図3】 同取付要領を示す縦断面図であり、(a)は第2の係止爪を用いて仮止め具に一方の取付片部を仮止めさせた状態を、(b)は一方の取付片部と足部材とにボルトを通した状態を、(c)は重合された一対の取付片部及び足部材に仮止め具を係止させた状態を夫々示す。
【図4】 ボルト係止用空所及び短筒部の概略的説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)にけるX−X線断面図、(c)はその変形例を示す。
【図5】 (a)〜(h)は、破断促進部の種々の形成態様を示す要部の平面図である。
【図6】 仮止め具の別構造を示す斜視図である。
【図7】 同仮止め具の取付要領を示す縦断面図である。
【符号の説明】
A パイプ支持バンド
1 2つ割バンド本体
2 足部材
3 ボルト
4 ナット
5 仮止め具
11 取付片部
12,22 貫通孔
31 軸部
50 取付ベース
51 ボルト係止用空所
52 片部
52a 係止爪
52b 第2の係止爪
58 隆起突部
59 ボルト挿通孔
59a ボルト係止用長孔部
64 ボルト係止用切欠部

Claims (6)

  1. パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で建屋に固設される足部材を挟み込み、この一対の取付片部及び足部材にはボルトの軸部を挿通する1以上の貫通孔が各々開設され、上記ボルト及びナットで一対の取付片部を上記足部材に固着するパイプ支持バンドの仮止め具であって、
    一方の取付片部の片面に添装される取付ベースと、この取付ベースの上記添装状態で前記貫通孔に対応する位置に形成されたボルト係止用空所と、上記取付ベースの上端及び下端から略垂直方向に延設され、他方の取付片部に係止する係止爪を設けた片部とよりなり、上記取付ベースは上記片部の延設方向とは反対側に向く第2の係止爪を備え、上記一方の取付片部の内側面と足部材との間に添装されて、上記第2の係止爪が上記一方の取付片部を把持する構造とされることを特徴とするパイプ支持バンドの仮止め具。
  2. 請求項1において、
    上記ボルト係止用空所は、ボルト係止用孔部によって形成されているパイプ支持バンドの仮止め具。
  3. 請求項1において、
    上記ボルト係止用空所は、上記取付ベースの側辺部より切欠かれ上記添装状態で上記貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用切欠部によって形成されているパイプ支持バンドの仮止め具。
  4. 請求項1において、
    上記ボルト係止用空所は、上記取付ベースに形成されたボルト挿通孔と、このボルト挿通孔に連なり上記添装状態で上記貫通孔に対応する位置にまで延びるボルト係止用長孔部とによって形成されているパイプ支持バンドの仮止め具。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    上記片部は、上記取付ベースの上端及び下端から、略並行に各々延設された一対の上片部及び下片部で構成されているパイプ支持バンドの仮止め具。
  6. 請求項1〜のいずれかにおいて、
    上記取付ベースの取付片部又は足部材添装面側に隆起突部が形成されているパイプ支持バンドの仮止め具。
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