JP4357734B2 - フロントドア開口部周りの車体構成部材用ハンガー - Google Patents
フロントドア開口部周りの車体構成部材用ハンガー Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のサイドパネルのフロントインナといったフロントドア開口部周りの車体構成部材を吊持して搬送するハンガーに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のサイドパネルには、フロントドア開口部の周囲のフロントピラー、サイドシル、センターピラー及びルーフサイドレールの各部を補強する補強部材が溶接されている。そして、サイドパネルの製造に際しては、サブラインにおいて、フロントピラー用とサイドシル用とセンターピラー用とルーフサイドレール用の各補強部材を溶接結合して一体構造のフロントインナを組立て、このフロントインナをサイドパネル組立ラインに搬送して、サイドパネルのアウタパネルにフロントインナを溶接している。
【0003】
従来、かかるフロントインナをサブラインからサイドパネル組立ラインにハンガーに吊持して搬送し、ハンドリングロボットによりフロントインナをハンガーから取出してアウタパネルに自動セットするものが知られている。このハンガーは、フロントインナをルーフサイドレール部とこれに連続するフロントピラーアッパ部とにおいて吊持する複数のフック部材と、センターピラー部を把持するクランプ部材とを備え、フロントインナを位置決めして吊持し得るように構成されている。また、フロントピラーアッパ部とルーフサイドレール部とから成るフロントインナの上部の形状は機種によって変わるため、フック部材を位置調整自在として、ハンガーを複数機種のフロントインナに共用できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のハンガーは、クランプ部材を備えると共に、フック部材の位置調整機構を備えるため、コストが高くなる不具合がある。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、フロントドア開口部周りの車体構成部材をクランプ部材を用いずに位置決めして吊持し得るようにすると共に、フック部材を位置調整せずに汎用性を得られるようにした低コストのハンガーを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は、フロントドア開口部周りの車体構成部材を吊持して搬送するハンガーにおいて、ハンガー本体に、前記車体構成部材を、サイドシル部が上方に位置するように上下反転させた姿勢で、サイドシル部において吊持する複数のフック部材と、前記車体構成部材のフロントピラーロア部の前縁に当接する位置決め部材とを取付けると共に、前記複数のフック部材を、サイドシル部がフロントピラーロア部に向かって前下りに傾斜するように高低差を付けて配置している。
【0007】
フロントドア開口部周りの車体構造部材のサイドシル部は何れの機種でも前後方向に真直であり、フック部材でサイドシル部を吊持する本発明ハンガーは、フック部材の位置を調整しなくても汎用性を得られる。また、サイドシル部が前下りに傾斜した状態でフック部材に吊持されるため、車体構成部材に自重による前方へのスラスト力が作用し、このスラスト力でフロントピラーロア部の前縁が位置決め部材に当接する。従って、車体構成部材が位置決め部材を基準にして自ら位置決めされ、クランプ部材を用いなくても搬送中の位置ずれが防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、フロントドア開口部周りの車体構成部材たるサイドパネル用フロントインナWを吊持して搬送するハンガーを示している。このハンガーは、コンベアレール1にローラ2aを介して転動自在に吊下げられる前後複数の吊下げ片2bを取付けた可動体2と、可動体2の下面に固定した前後方向に長手のハンガー本体3とを備えている。そして、コンベアレール1の長手方向の適所に可動体2を左右両側から挟む高速回転するピンチローラ4,4を配置し、ハンガーがピンチローラ4,4により送り出されて一定区間コンベアレール1に沿って慣性走行されるようにしている。
【0009】
また、このハンガーは、フロントインナWをサイドシル部Waが上方に位置する上下反転させた姿勢で吊持するように構成されている。これを詳述するに、ハンガー本体3に、上下反転姿勢のフロントインナWをサイドシル部Waにおいて吊持する前後1対のフック部材51 ,52 を夫々ハンガー本体3から下方にのびるバー5aを介して取付けている。ここで、前側のフック部材51 は後側のフック部材52 よりも低位置に配置されており、サイドシル部Waはフロントピラーロア部Wbに向かって前下りに傾斜する。
【0010】
そして、ハンガー本体3に、フロントピラーロア部Wbの前縁に当接する板状の位置決め部材6をハンガー本体3から下方にのびるバー6aを介して取付けている。かくて、サイドシル部Waの前下りの傾斜によってフロントインナWに作用する自重による前方へのスラスト力でフロントピラーロア部Wbが位置決め部材6に当接する。そのため、フロントインナWは位置決め部材6を基準にしてハンガーに対し自ら位置決めされ、クランプ部材を用いなくても搬送中のフロントインナWの位置ずれが防止される。また、フロントピラーアッパ部WcとルーフサイドレールWdとから成るフロントインナWの上部の形状は機種によって変化するが、サイドシル部Waは何れの機種においても前後方向に真直であり、図3に示す別機種のフロントインナWも、フック部材51 ,52 の位置を調整せずに、位置決め部材6を基準にして確実に位置決めした状態で吊持できる。
【0011】
また、ハンガー本体3には、センターピラー部Weに横方向から当接する前後方向に長手の棒状の振れ止め部材7がハンガー本体3から下方にのびるバー7aを介して取付けられており、搬送中のフロントインナWの横振れが振れ止め部材7によって防止される。
【0012】
以上、サイドパネル用のフロントインナWを搬送するハンガーに本発明を適用した実施形態について説明したが、サイドパネルをフロントドア開口部周りの前半部と後半部とに分割して、各半部を夫々サブラインで組立てた後、前半部と後半部とを結合してサイドパネルを組立てることもあり、この場合、サイドパネルの前半部を搬送するハンガーとして本発明を適用することも可能である。
【0013】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、フロントドア開口部周りの車体構成部材をその重量を利用して位置決めして吊持できると共に、フック部材の位置を調整せずに機種変更に対処でき、フック部材の位置調整機構やクランプ部材が不要となり、ハンガーのコストダウンを図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ハンガーの一例の側面図。
【図2】図1の矢印II方向から見たハンガーの正面図。
【図3】別機種のフロントインナを吊持した状態のハンガーの側面図。
【符号の説明】
W…フロントインナ(フロントドア開口部周りの車体構成部材)
Wa…サイドシル部
Wb…フロントピラーロア部
3…ハンガー本体
51 ,52 …フック部材
6…位置決め部材
Claims (1)
- フロントドア開口部周りの車体構成部材を吊持して搬送するハンガーにおいて、
ハンガー本体に、前記車体構成部材を、サイドシル部が上方に位置するように上下反転させた姿勢で、サイドシル部において吊持する複数のフック部材と、前記車体構成部材のフロントピラーロア部の前縁に当接する位置決め部材とを取付けると共に、
前記複数のフック部材を、サイドシル部がフロントピラーロア部に向かって前下りに傾斜するように高低差を付けて配置する、
ことを特徴とするフロントドア開口部周りの車体構成部材用ハンガー。
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- 2000-12-19 JP JP2000385401A patent/JP4357734B2/ja not_active Expired - Fee Related
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