JP4357439B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に、画像表示装置を遊技盤に配設し、始動口などの始動入賞手段に遊技球が入賞すると画像表示装置の表示が変化するようにした遊技機に関する。
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機では、遊技盤の遊技領域の略中央に開口を形成し、遊技盤の開口裏面側に画像表示装置を配設し、遊技盤の前面側に画像表示装置の表示部が臨む表示用開口窓部を形成したセンターケースを配設したものが知られている。この種の遊技機は、センターケースの下方に設けられた始動入賞口などの入賞領域への入賞を条件として変動表示遊技を行い、その結果態様が予め定めた特別表示態様となった場合に、遊技者が所定の利益を獲得可能な特別遊技状態を発生させる。
これに関連する技術として、例えば、特開2004−105763号公報(特許文献1)には、特別遊技領域に入口部から受け入れた遊技球を転動可能なステージを設け、該ステージのほぼ中央に凸部を設け、該凸部の頂部において後方へ下り傾斜させるとともに、遊技球が該凸部を転動する際、入球し得る開口部を設け、該開口部へ入球した遊技球が排出案内口を介して始動入賞口の直ぐ上方に導出されるように構成し、前記凸部の両側に凹部を設け、前記開口部に入球しなかった遊技球が前方へ下り傾斜した傾斜面から前方へ排出されるように構成することにより、ステージ上を転動する遊技球を入賞口の上方の遊技領域やその側方の遊技領域へと流下させるようにした遊技機が提案されている。
特開2004−105763号公報
ところで、従来の遊技機では、前記開口部(導入口)に入球した遊技球が排出案内口を介してほぼ確実に始動入賞口に入賞するように設定されている。したがって、該入賞口への入賞率が極端に高くならないようにするために、ステージ上を転動するほとんどの遊技球を凸部の両側方の凹部に形成された傾斜面から入賞口の側方の遊技領域へと流下させるように振り分け設定する傾向にあり、遊技の興趣を損なっていた。
そこで、本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステージ上を転動するほとんどの遊技球の導入口への振り分け率を高めても、始動入賞手段への入賞率が極端に高くなることなく、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、遊技盤前面の遊技領域に取り付けられ、画像表示装置の表示部を後方から臨ませる開口部が開設されたセンターケースと、
該センターケースの下方に配置され、遊技球の入賞に基づいて前記表示部の表示状態に変化の契機を与える始動入賞手段と、
を備え、
前記センターケースは、当該センターケースを構成する取付基板の後部へ一体的に取り付けられた取付支持部材の底部に、前記遊技領域から受け入れた遊技球を転動可能なステージを設け、該ステージを前記開口部の下方に位置させ、
該ステージは、前記始動入賞手段の上方に配置された部分を隆起させて隆起部を形成し、該隆起部の側方に前方へ下り傾斜する案内部を設け、前記隆起部の下方に、遊技球を前記始動入賞手段へ向けて誘導可能な誘導通路を設け、前記隆起部の頂部に後方へ下り傾斜する遊技球導入部を形成し、該遊技球導入部の後方に、遊技球を前記誘導通路へ導入可能な導入口を開設し、
前記ステージ上を転動する遊技球が前記案内部に案内されて前方へ転動すると、前記始動入賞手段の側方の遊技領域へ流下し、前記隆起部の遊技球導入部から導入口を通って誘導通路を転動すると、前記始動入賞手段の上方の遊技領域へ流下するように構成された遊技機であって、
前記始動入賞手段は、それぞれ遊技球受入面を有する一対の変換部材を備え、
該一対の変換部材は、互いの遊技球受入面を起立対向させ、遊技球受入面の間に入賞通路を形成し、遊技球を受け入れ難い第1状態と、前記遊技球受入面を側方へ傾倒させ、遊技球を受け入れ易い第2状態と、に変換可能に構成され、
前記誘導通路は、
前記入賞通路の上方へ遊技球を誘導する第1誘導部と、
第2状態に変換した前記変換部材の遊技球受入面の上方へ遊技球を誘導する第2誘導部と、
から構成され、
前記導入口と前記遊技球導入部との間には、遊技球を第1誘導部または第2誘導部の何れかへ振り分ける振分部を設け、
該振分部は、
前記取付支持部材の底部の後面に当接させた状態で止着される阻止壁構成部材に設けられ、遊技球を第1誘導部または第2誘導部の何れかへ振り分ける振分部材と、
該振分部材と前記遊技球導入部との間に開設され、前記阻止壁構成部材の上縁部に形成された遊技球通過阻止壁により左右両側を区画された連通部と、
を備え、
前記振分部材は、
前記振分部の後方へ向けて下り傾斜した溝部と、
該溝部の左右両側方に配置され、溝部の左右両側方へ向けてそれぞれ下り傾斜した振分傾斜部と、
を備え、
前記導入口は、第1誘導部と連通する第1導入口と、第2誘導部と連通する第2導入口とから構成され、前記阻止壁構成部材を一対の支持部により後方から支持する導入口構成部材のうち、溝部の下端部の下方に位置する箇所に前記第1導入口を開設し、前記振分部材の左右方向両側のうち振分傾斜部の下端部の下方に位置する箇所に前記第2導入口をステージの上下方向に沿って貫通する状態で開設し、
前記連通部の左右方向の幅を前記振分部材の溝部の幅よりも幅広に構成し、
前記連通部を介して振分部材上導入された遊技球のうち、溝部上に転動する遊技球を第1導入口へ誘導し、左右両側のいずれかの振分傾斜部上を転動する遊技球を第2導入口へ落下可能としたことを特徴とする遊技機である。
請求項2に記載のものは、前記誘導通路は、前記第1誘導部と第2誘導部とを区画する区画部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
請求項3に記載のものは、前記始動入賞手段は、前記入賞通路の上方に遊技球が通過可能な入賞開口部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機である。
本発明の遊技機によれば、次のような優れた効果を奏する。
即ち、請求項1に記載の発明によれば、遊技球がステージ上の隆起部を転動する際、該隆起部の頂部後方の下り傾斜した遊技球導入部から導入口を介して誘導通路に導入されるが、前記導入口に遊技球が導入される際に、振分部によって、始動入賞手段の変換部材が第1状態に変換して形成される入賞通路の上方へ遊技球を誘導する第1誘導部と、遊技球受入面を起立させた第1状態から遊技球受入面を側方へ傾倒させた第2状態に変換される変換部材の遊技球受入面の上方へ遊技球を誘導する第2誘導部との何れかへ振り分けられるので、ステージ上を転動するほとんどの遊技球の導入口への振り分け率を高めても、始動入賞手段への入賞率が極端に高くなることはなく、遊技の興趣を高めることができる。
また、振分部が、取付支持部材の底部の後面に当接させた状態で止着される阻止壁構成部材に設けられ、遊技球を第1誘導部または第2誘導部の何れかへ振り分ける振分部材と、該振分部材と前記遊技球導入部との間に開設され、阻止壁構成部材の上縁部に形成された遊技球通過阻止壁により左右両側を区画された連通部とを備え、振分部材が、振分部の後方へ向けて下り傾斜した溝部と、該溝部の左右両側方に配置され、溝部の左右両側方へ向けてそれぞれ下り傾斜した振分傾斜部とを備え、導入口が、第1誘導部と連通する第1導入口と、第2誘導部と連通する第2導入口とから構成され、阻止壁構成部材を一対の支持部により後方から支持する導入口構成部材のうち、溝部の下端部の下方に位置する箇所に第1導入口を開設して第1誘導部と連通させ、振分部材の左右方向両側のうち振分傾斜部の下端部の下方に位置する箇所に第2導入口をステージの上下方向に沿って貫通する状態で開設して第2誘導部と連通させ、連通部の左右方向の幅を前記振分部材の溝部の幅よりも幅広に構成し、連通部を介して振分部材上導入された遊技球のうち、溝部上に転動する遊技球を第1導入口へ誘導し、左右両側のいずれかの振分傾斜部上を転動する遊技球を第2導入口へ落下可能としたので、簡単な構造で、遊技球導入部から連通部を介して振分部に導入された遊技球を、第1状態に変換した変換部材により形成される入賞通路の上方へと誘導される第1誘導部と、第2状態に変換した前記変換部材の遊技球受入面の上方へと誘導される第2誘導部とに振り分けることができ、遊技の興趣を高めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、誘導通路は、第1誘導部と第2誘導部とを区画する区画部材を備えているので、前記振分部によって、第1導入口に導入された遊技球は第1誘導部を転動して前記入賞通路の上方へと誘導され、第2導入口に導入された遊技球は第2誘導部を転動して第2状態に変換した前記変換部材の遊技球受入面の上方へと誘導されることになり、誘導経路が交差することがない。したがって、第1導入口に誘導された遊技球が入賞通路を通過して始動入賞手段へ入賞することを、第2導入口に導入された遊技球によって阻止されることがなく、遊技の興趣を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、始動入賞手段は、前記入賞通路の上方に遊技球が通過可能な入賞開口部を設けたので、第1導入口に導入された遊技球が入賞通路を通過して始動入賞手段へ入賞することを、遊技領域を始動入賞手段へ向けて流下する他の遊技球によって阻止されることがなく、遊技の興趣を高めることができる。
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1はパチンコ遊技機の遊技盤1の正面図である。
パチンコ遊技機の遊技盤1は、図1に示すように、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体2の表面に、ガイドレール5や遊技領域区画部材6等を止着することで略円形状の遊技領域7を区画形成している。そして、遊技盤1は、この遊技領域7内において、略中央からガイドレール5とは反対側(図中右側)に亘ってセンターケース8を配設し、該センターケース8の後方には、遊技領域7の略中央に位置するように視覚情報を画像表示する画像表示装置9を備えている。
画像表示装置9の下方には、遊技球の入賞に基づいて後述する特図変動表示部21の表示状態に変化の契機を与える始動入賞手段10を配設している。本実施形態の始動入賞手段10は所謂チューリップタイプの始動入賞口によって構成されており、上部には上方を開放した入賞開口部11が配設され、該入賞開口部11は遊技球が1個ずつ流下(通過)可能なゲート部として構成されている。この入賞開口部11の真下には入賞受部12を開設しており、前記入賞開口部11を通過した遊技球が入賞受部12へ落下するように構成されている。また、この入賞受部12には裏側に設けたソレノイド(図示せず)によって開閉動作を行う所謂チューリップタイプの左右一対の変換部材(開閉部材)13,13が備えられている。この変換部材13,13は、常時はそれぞれに形成された遊技球受入面14を互いに起立対向させ、遊技球受入面14の間に遊技球が1個流入可能な程度の間隔の入賞通路13aを形成し、遊技球を受け入れ難い第1状態(閉じた状態)を保持しているが、後述する普図変動表示部24における変動表示ゲームが「当たり」の結果態様となった場合には、起立対向していた遊技球受入面14を入賞受部12へ向けて下り傾斜させた逆「ハ」の字状に両側方へ傾倒した第2状態(上が開いた状態)へと変換し、遊技球が入賞受部12へ入賞し易い状態と成るように構成されている。なお、本実施形態では、前記入賞開口部11は、遊技球の入賞受部12への入賞を案内するための単なるゲート部として構成されているが、前記入賞開口部11を第1の始動入賞口とし、前記入賞受部12を第2の始動入賞口として上下に配して、入賞する入賞口によって遊技者に付与される賞球数が異なるように構成してもよい。
始動入賞手段10の下方には、特図変動表示部21の表示結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な所謂アタッカー形式の特別変動入賞装置(大入賞口)22を配設している。この特別変動入賞装置22は、開閉扉20の上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能に成っていて、後述する特図変動表示部21の変動表示ゲームが特別の結果態様になって「大当たり」等が発生した場合に、開閉扉20が開放されるように成っている。
特別変動入賞装置22の右側方には、前記センターケース8の左側に配設した普図始動ゲート23への入賞(通過)を契機として普通図柄(普図)の変動表示ゲームを行う普図変動表示部24を配設しており、左側方には、前記始動入賞手段10への入賞を契機として特別図柄(特図)の変動表示ゲームを行う特図変動表示部21を配設している。普図変動表示部24は、例えば、前記普図始動ゲート23への入賞を契機として、円表示(○)とバー表示(−)とをLEDにより選択表示するように成っており、円表示(○)を「当たり」、バー表示(−)を「はずれ」として、変動表示ゲームの結果態様が「当たり」になったときには前記始動入賞手段10のチューリップタイプの変換部材13,13を第2状態に開放するように成っている。そして、普図変動表示部24の周囲には、普図始動ゲート23を遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている所定数(例えば4個)までの未処理回数を表示する普図始動記憶表示部25が配設されている。また、特図変動表示部21は、例えば、前記始動入賞手段10の入賞受部12への入賞を契機として、数字、記号、キャラクタ等をLEDにより変動表示するように成っており、変動表示ゲームが予め定めた特別の結果態様になったときには前記特別変動入賞装置22の開閉扉20を所定の時間、回数だけ開放するように成っている。そして、特図変動表示部21の周囲には、前記入賞受部12へ遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている所定数(例えば4個)までの未処理回数を表示する特図始動記憶表示部26が配設されている。
そして、遊技盤1には、この他に、一般入賞口29、遊技球の流下方向を変える風車32や障害釘(図示せず)、発光により各種の装飾表示を行うランプ・LED(図示せず)、及び入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口34を設けている。
次に、図2はセンターケースの正面図、図3はセンターケースを左斜め上方から見た斜視図、図4はセンターケースの分解斜視図である。
図1から図4に示すように、遊技盤1の遊技領域7の略中央にはセンターケース8の外形形状に対応した開口を形成してあり、遊技盤1の開口裏面側に画像表示装置9を後面に備えた裏面構成部材(図示せず)を配設し、遊技盤1の開口前面側に該画像表示装置9の表示部31が臨む表示用開口窓部40(本発明における開口部に相当)を形成したセンターケース8を配設している。
画像表示装置9は、例えば、任意の画像を表示可能なLCD(液晶表示器)等で表示画面部分が構成され、その表示部には遊技の進行に基づく画像が表示され、例えば、始動入賞手段10への遊技球の入賞に基づいて表示状態に変化の契機が与えられるように成っている。なお、本実施形態では、前記特別変動入賞装置22の一側に組み付けた特図変動表示部21で特図変動表示ゲームを行うように構成しているが、これに限るものではなく、前記画像表示装置9に複数の表示領域を設定して、各表示領域に表示される数字等の識別表示で特図変動表示ゲームを行うように構成してもよい。
センターケース8は、遊技盤1に形成された開口にその前方から嵌装される枠状の部材であって、図3に示すように、センターケース8の前部分を構成する取付基板ユニット41と、該取付基板ユニット41の裏面側に設けられる裏箱ユニット42と、該裏箱ユニット42の前面に前記取付基板ユニット41を取り付けて、両ユニットの内部に収納される装飾ユニット43とを備えている。
裏箱ユニット42は、前記遊技盤1の開口に嵌装され、前方を開放した箱状ユニットであって、後方の壁に長方形状の表示用開口窓部40が形成されて略額縁状を呈しており、前記表示用開口窓部40から前記画像表示装置9の表示部31を臨ませるように成っている。この裏箱ユニット42の周囲の適宜位置には、この前面に前記取付基板ユニット41を取り付けるためのネジ等の止着部材を止着する止着部(図示せず)が配設されている。
取付基板ユニット41は、前記表示用開口窓部40よりも大きくて当該ユニットの外周縁より少し内側に開口部46が大きく形成された異形枠体状のユニットであって、その周囲に沿って前記遊技盤1に取り付ける取付基板47を有しており、その適宜位置には止着部材を止着する止着部48が形成されている。図2および図3に示すように、この取付基板47の前面側上部には、左右全幅に亘って庇状の鎧部51を前方に突設し、該鎧部51の左右傾斜端部から下方に縦長の側辺部52,52を突設し、左右の側辺部52,52の下端同士を接続する状態で底部53を後方へ突設し、この取付基板ユニット41を前記裏箱ユニット42の前面に取り付けることにより、鎧部51、左右側辺部52,52、及び底部53に囲まれた凹室54を形成している。この凹室54の奥の面に前記表示用開口窓部40が配設されており、鎧部51は、上面が中央の振り分け凸部55から左右方向に向けて緩やかに湾曲するように下り傾斜している。そして、前記取付基板47の後部には、前記と同様の異形状を呈する取付支持部材56が一体的に取り付けられ、該取付支持部材56は、取付基板47から遊技盤1内へ臨むように後方へ向けて突設されている。
また、前記取付基板ユニット41には、前記ガイドレール5によって区画され、前記発射装置により発射された遊技球を導入部61から遊技領域7に案内する発射球案内通路63(図1参照)とは反対側の部分の前記取付基板47を前記鎧部51から右側の前記遊技領域区画部材側へと延出させて、外形が前記遊技領域区画部材6に沿って円弧状に形成された取付基板延出部65を設けている。この取付基板延出部65は、前記裏箱ユニット42との間に収納される前記装飾ユニット43より前面に位置され、その前方を遊技球が流下可能に形成され、遊技球が通過し得る幅を有しており、前述したように、外形が前記遊技領域区画部材6に沿った円弧状を呈しているので、前記鎧部51の振り分け凸部55によって右方向に振り分けられた遊技球が該取付基板延出部65の前面に沿って円滑に流下するように成っている。即ち、図1に示すように、前記取付基板ユニット41を遊技盤1に取り付けると、遊技領域区画部材6と該取付基板延出部65の内周部を区画する前記右側辺部52との間を遊技球が流下することになる。
前述したように、前記裏箱ユニット42の前面に前記取付基板ユニット41を取り付けて、これらの内部に装飾ユニット43を収納しており、この装飾ユニット43は、本実施形態では、例えば、女忍者と剣を暗示させるような装飾が施されている。
前記凹室54の底部には、遊技球が転動可能であって、転動する遊技球を前記センターケース8の下方の遊技領域へ流下可能なステージ81が形成されており、このステージ81上には、図3に示すように、センターケース8の左側の側辺部52に開口された遊技球流入口71から流入した遊技球が転動するように成っている。即ち、センターケース8の左側の遊技領域に向けて開口された前記流入口71は、取付基板ユニット41の左側側辺部52における前記普図始動ゲート23の右斜め下方に位置しており、センターケース8の左側の遊技領域7を流下する遊技球を受け入れるように左斜め上方へ向けて開口している。そして、図4に示すように、この流入口71の後部には後方流路72が連通され、さらに右斜め下方へ円弧状に延出された流下路が連通され、その下端部は流出口としてステージ81の左端部に開口されており、前記流入口71、後方流路72、流下路および流出口は、センターケース8の左側の遊技領域を流下する遊技球をセンターケース8内のステージ81上へ導入するワープ流路を構成している。本実施形態では、前記流入口71は取付基板ユニット41の左側側辺部52の前部に止着される左側装飾部材73に開口され、前記後方流路72は取付基板ユニット41の左側部に開口され、前記流下路および前記流出口は取付基板ユニット41の左側後面と取付支持部材56の左側前面との間に円弧状に区画形成されている。
次に、前記凹室54の底部に形成されたステージ81について説明する。図5は阻止壁構成部材の斜視図、図6はステージを右側から見た平面図、図7は図6のA−A線矢視図、図8は図6のB−B線矢視図、図9は図6のC−C線矢視図である。
凹室54の底部に形成されたステージ81は左右方向に延設され、前記ワープ流路の流出口から流出した遊技球が転動するとともに、遊技領域7を流下して前記ステージ81の下方の遊技盤1に植設された障害釘に弾かれて前記凹室54内に飛入した遊技球が転動し得るように成っており、その後部には遊技球通過阻止壁91が左右方向の略全域に亘って起立している。図4に示すように、ステージ81は前記取付支持部材56の底部に形成されており、前記遊技球通過阻止壁91は取付支持部材56の底部の裏面に当接させた状態で止着される阻止壁構成部材90の上縁部に形成され、該阻止壁構成部材90はその後部に設けられる導入口構成部材100の前部に形成された一対の支持部101,101上に配設される。
ステージ81は、前述したように、前記取付支持部材56の底部に設けられ、図3および図4に示すように、遊技球を転動可能な連続的に高さの異なる曲面形状を有する案内棚を構成しており、左右方向両側に曲率の小さな円弧状の下り傾斜部82,82を、前記始動入賞手段10の上方に配置された中央部に曲率の大きな円弧状の隆起部83を形成するような全体として波形状の転動面84を有している。下り傾斜部82,82の谷部(低部)には前方へ向けて下り傾斜した案内部(落下許容部)85,85が形成され、該案内部85,85以外のステージ81の前端部は落下防止壁87によって覆われ、隆起部83の中央頂部(高部)の後方には、後方へ向けて下り傾斜した遊技球導入部86が形成されており、この遊技球導入部86の後方に、遊技球を誘導通路120へ導入可能な導入口110を開設している。
この誘導通路120は、前記取付支持部材56におけるステージ81の隆起部83の下方に形成され、導入口110から導入した遊技球を前記始動入賞手段10へ向けて誘導可能に構成されている。即ち、前記ステージ81上を転動する遊技球が前記案内部85,85に案内されて前方へ転動すると、前記始動入賞手段10の側方の遊技領域7へ流下し、前記隆起部83の遊技球導入部86から導入口110を通って誘導通路120を転動すると、前記始動入賞手段10の上方の遊技領域7へ流下するように構成されている。なお、前記導入口110は、中央の第1導入口111と左右両側の第2導入口112,112とから構成されているが、詳細は後述する。
この誘導通路120は、図4に示すように、前記導入口110に連通するとともに、前記取付支持部材56の下部中央に前後に貫通するように形成され、その前方端は前記取付基板ユニット41の下部中央に開口された導出口74に連通されており、前記始動入賞手段10の入賞開口部11の上方へ遊技球を誘導する中央の第1誘導部121と、第2状態(開いた状態)に変換した前記変換部材13,13の遊技球受入面14の上方へ遊技球を誘導する左右両側の第2誘導部122,122と、から構成されている。これら第1誘導部121および第2誘導部122,122よりも上流側には、遊技球を第1誘導部121または第2誘導部122,122の何れかへ振り分ける振分部131が設けられており、この振分部131は、前記導入口110と前記隆起部83の頂部に形成された遊技球導入部86との間に設けられている。
振分部131は、図3から図6に示すように、前記阻止壁構成部材90の左右方向中央部に設けられた振分部材132と、該振分部材132と前記遊技球導入部86との間に開設され、左右両側を遊技球通過阻止壁91により区画された連通部133と、を備えており、該連通部133は、遊技球が前記遊技球導入部86から前記振分部材132上へと導入され易いように、該振分部材132よりも幅広に形成されている。振分部材132は、後方へ向けて下り傾斜した中央の溝部134と、該溝部134の左右両側方に配置され、該溝部134の左右両側方へ向けてそれぞれ下り傾斜した振分傾斜部135,135と、を備えている。そして、図6および図7に示すように、前記溝部134の下端部の下方には、前記誘導通路120の中央の第1誘導部121と連通する第1導入口111を開設しており、また図6、図8および図9に示すように、前記振分傾斜部135,135の下端部の下方には、前記第1誘導部121の両側に位置する第2誘導部122,122と連通する第2導入口112,112を開設している。即ち、図5および図6に示すように、前記振分部材132は、前記阻止壁構成部材90の左右方向中央部に設けられ、前記第2導入口112,112は該振分部材132の左右方向両側に開口されているが、前記第1導入口111は前記導入口構成部材100の左右方向中央部に開口されている。
そして、図5、図6および図9に示すように、前記振分部材132の下部において、前記第1導入口111と連通する中央の第1誘導部121と、前記第2導入口112,122と連通する左右両側の第2誘導部122,122とは、前後方向に沿って起立した区画部材141によって隔てられており、その前方の前記取付支持部材56に形成された誘導通路120においても、図8に示すように、前記区画部材141と連続する延出隔壁142によって第1誘導部121と第2誘導部122,122とは隔てられている。
次に、図1、図3、図4、図5から図9を用いて、以上の如く構成された本実施形態の遊技機の作用について説明する。
図1および図3に示すように、発射装置により発射された遊技球は発射球案内通路63を経て、その先端の導入部61から遊技領域7の上部に飛入し、センターケース8の鎧部51の上面に流下すると、振り分け凸部55によって左側あるいは右側に振り分けられることとなり、センターケース8の側辺部52,52の外側に位置する左側の遊技領域7または取付基板延出部65の前面を流下する。そして、左側の遊技領域7を流下する遊技球は、センターケース8の左側の側辺部52に開口されたワープ流路の流入口71に流入し得ることになる。
図3および図4に示すように、ワープ流路の流入口71に遊技球が流入すると、その後方に延出された後方流路72及び下方流路を経て、該下方流路の下方端部に開口された流出口からステージ81の転動面84の左端上に流下される。このステージ81の転動面84は、図3に示すように、左右方向の略中央部分に円弧状の隆起部83を、該隆起部83の左右両側方に円弧状の下り傾斜部82,82をそれぞれ備えて略波面状を呈しているので、遊技球がステージ81上を転動して次第に減勢されると、遂には前記下り傾斜部82,82の谷部(低部)に形成された案内部(落下許容部)85,85から前面側下方へ落下し、前記始動入賞手段10の側方の遊技領域7へと流下することになる。なお、ステージ81の転動面84の前記案内部85,85以外の部分の前面端部には落下阻止壁87が形成されているので、遊技球の勢いが強すぎない限り、落下阻止壁87を乗り越えて落下することはない。
一方、ステージ81の転動面84を転動する遊技球が円弧状の隆起部83を通過する際に、その中央頂部(高部)の後方へ向けて下り傾斜した遊技球導入部86によって後方に開口された導入口110内に流入することがあり、該導入口110に入った遊技球は誘導通路120を通過して前記始動入賞手段10の上方に位置する導出口74から流出し、前記始動入賞手段10へ向けて流下することになるが、本実施形態の遊技機では、前記遊技球導入部86と前記導入口110との間に振分部131が設けられている。
この振分部131は、後方へ向けて下り傾斜した中央の溝部134と、該溝部134の左右両側方に配置され、該溝部134の左右両側方へ向けてそれぞれ下り傾斜した振分傾斜部135,135と、から構成される振分部材132を備えており、図6および図7に示すように、前記溝部134の下端部の下方に、前記誘導通路120の中央の第1誘導部121と連通する第1導入口111を開設するとともに、図6、図8および図9に示すように、前記振分傾斜部135,135の下端部の下方に、前記第1誘導部121の両側に位置する第2誘導部122,122と連通する第2導入口112,112を開設している。したがって、前記導入口110に遊技球が導入される際に、振分部131によって、前記始動入賞手段10の入賞開口部11の上方へ遊技球を誘導する第1誘導部121と、遊技球受入面14を起立させた第1状態(閉じた状態)から遊技球受入面14を入賞受部12へ向けて下り傾斜させた第2状態(開いた状態)に変換される変換部材13,13の遊技球受入面14の上方へ遊技球を誘導する第2誘導部122,122との何れかへ振り分けられる。
具体的には、隆起部83の頂部の遊技球導入部86から連通部133を介して振分部材132上へ導入された遊技球は、該振分部材132の中央の溝部134上に転動すると、該溝部134が後方へ向けて下り傾斜しているので、図6および図7に示すように、前記溝部134の下端部の下方に開設された第1導入口111へと落下し、前記誘導通路120の中央の第1誘導部121を通過して、導出口74の中央から前記始動入賞手段10の入賞開口部11の上方へと遊技球を誘導することになる。一方、振分部材132上へ導入された遊技球が振分部材132の左右両側のいずれかの振分傾斜部135,135上に転動すると、該振分傾斜部135,135がそれぞれ左右側方へ向けて下り傾斜しているので、図6、図8および図9に示すように、前記振分傾斜部135,135の下端部の下方に開設された第2導入口112,112のいずれかへと落下し、前記第1誘導部121の左側又は右側の第2誘導部122,122を通過して、導出口74の左側又は右側から前記始動入賞手段10の第2状態(開いた状態)の変換部材13,13の遊技球受入面14の上方へ遊技球を誘導することになる。
このように本実施形態の遊技機によれば、前記導入口110に遊技球が導入される際に、振分部131によって第1誘導部121と第2誘導部122,122との何れかへ振り分けられるので、ステージ81上を転動するほとんどの遊技球の導入口110への振り分け率を高めても、前記始動入賞手段10への入賞率が極端に高くなることはなく、遊技の興趣を高めることができる。
また、第1誘導部121と第2誘導部122,122とは区画部材141および延出隔壁142により隔てられているので、前記振分部131によって、前記第1導入口111に導入された遊技球は必ず第1誘導部121を転動して前記入賞開口部11の上方へと誘導され、また、前記第2導入口112,112に導入された遊技球は必ず第2誘導部122,122を転動して第2状態(開いた状態)に変換した前記変換部材13,13の遊技球受入面14の上方へと誘導されることになり、誘導通路120内において誘導経路が交差することがない。したがって、第1導入口111に誘導された遊技球が入賞開口部11および入賞通路13aを通過して始動入賞手段10へ入賞することを、第2導入口に導入された遊技球によって阻止されることがなく、遊技の興趣をさらに高めることができるものである。
そして、始動入賞手段10は、入賞通路13aの上方に遊技球が通過可能な入賞開口部11を設けているので、第1誘導口111に導入された遊技球が入賞通路13aを通過して始動入賞手段10へ入賞することを、遊技領域7を始動入賞手段10へ向けて流下する他の遊技球によって阻止されることがなく、遊技の興趣を高めることができる。
前記した実施形態は、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、視覚情報を画像表示する画像表示装置を遊技盤の開口裏面側に配設し、前記画像表示装置の表示部が臨む表示用開口窓部を形成したセンターケースを前記遊技盤の前面側に配設した遊技機であれば、例えば、内部に封入した遊技球を循環させる封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、前記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
パチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。 センターケースの正面図である。 センターケースを左斜め上方から見た斜視図である。 センターケースの分解斜視図である。 阻止壁構成部材の斜視図である。 ステージを右側から見た平面図である。 図6のA−A線矢視図である。 図6のB−B線矢視図である。 図6のC−C線矢視図である。
符号の説明
1 遊技盤
7 遊技領域
8 センターケース
9 画像表示装置
10 始動入賞手段
11 入賞開口部
12 入賞受部
13 変換部材
14 遊技球受入面
40 表示用開口窓部
71 流入口
74 導出口
81 ステージ
82 下り傾斜部
83 隆起部
84 転動面
85 案内部(落下許容部)
86 遊技球導入
87 落下防止壁
90 阻止壁構成部材
91 遊技球通過阻止壁
111 第1導入口
112 第2導入口
120 誘導通路
121 第1誘導部
122 第2誘導部
131 振分部
132 振分部材
133 連通部
134 溝部
135 振分傾斜部
141 区画部材
142 延出隔壁

Claims (3)

  1. 遊技盤前面の遊技領域に取り付けられ、画像表示装置の表示部を後方から臨ませる開口部が開設されたセンターケースと、
    該センターケースの下方に配置され、遊技球の入賞に基づいて前記表示部の表示状態に変化の契機を与える始動入賞手段と、
    を備え、
    前記センターケースは、当該センターケースを構成する取付基板の後部へ一体的に取り付けられた取付支持部材の底部に、前記遊技領域から受け入れた遊技球を転動可能なステージを設け、該ステージを前記開口部の下方に位置させ、
    該ステージは、前記始動入賞手段の上方に配置された部分を隆起させて隆起部を形成し、該隆起部の側方に前方へ下り傾斜する案内部を設け、前記隆起部の下方に、遊技球を前記始動入賞手段へ向けて誘導可能な誘導通路を設け、前記隆起部の頂部に後方へ下り傾斜する遊技球導入部を形成し、該遊技球導入部の後方に、遊技球を前記誘導通路へ導入可能な導入口を開設し、
    前記ステージ上を転動する遊技球が前記案内部に案内されて前方へ転動すると、前記始動入賞手段の側方の遊技領域へ流下し、前記隆起部の遊技球導入部から導入口を通って誘導通路を転動すると、前記始動入賞手段の上方の遊技領域へ流下するように構成された遊技機であって、
    前記始動入賞手段は、それぞれ遊技球受入面を有する一対の変換部材を備え、
    該一対の変換部材は、互いの遊技球受入面を起立対向させ、遊技球受入面の間に入賞通路を形成し、遊技球を受け入れ難い第1状態と、前記遊技球受入面を側方へ傾倒させ、遊技球を受け入れ易い第2状態と、に変換可能に構成され、
    前記誘導通路は、
    前記入賞通路の上方へ遊技球を誘導する第1誘導部と、
    第2状態に変換した前記変換部材の遊技球受入面の上方へ遊技球を誘導する第2誘導部と、
    から構成され、
    前記導入口と前記遊技球導入部との間には、遊技球を第1誘導部または第2誘導部の何れかへ振り分ける振分部を設け、
    該振分部は、
    前記取付支持部材の底部の後面に当接させた状態で止着される阻止壁構成部材に設けられ、遊技球を第1誘導部または第2誘導部の何れかへ振り分ける振分部材と、
    該振分部材と前記遊技球導入部との間に開設され、前記阻止壁構成部材の上縁部に形成された遊技球通過阻止壁により左右両側を区画された連通部と、
    を備え、
    前記振分部材は、
    前記振分部の後方へ向けて下り傾斜した溝部と、
    該溝部の左右両側方に配置され、溝部の左右両側方へ向けてそれぞれ下り傾斜した振分傾斜部と、
    を備え、
    前記導入口は、第1誘導部と連通する第1導入口と、第2誘導部と連通する第2導入口とから構成され、前記阻止壁構成部材を一対の支持部により後方から支持する導入口構成部材のうち、溝部の下端部の下方に位置する箇所に前記第1導入口を開設し、前記振分部材の左右方向両側のうち振分傾斜部の下端部の下方に位置する箇所に前記第2導入口をステージの上下方向に沿って貫通する状態で開設し、
    前記連通部の左右方向の幅を前記振分部材の溝部の幅よりも幅広に構成し、
    前記連通部を介して振分部材上導入された遊技球のうち、溝部上に転動する遊技球を第1導入口へ誘導し、左右両側のいずれかの振分傾斜部上を転動する遊技球を第2導入口へ落下可能としたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記誘導通路は、前記第1誘導部と第2誘導部とを区画する区画部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記始動入賞手段は、前記入賞通路の上方に遊技球が通過可能な入賞開口部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
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