JP4355888B2

JP4355888B2 - 換気空調設備用ダクト

Info

Publication number: JP4355888B2
Application number: JP2001288362A
Authority: JP
Inventors: 豊上野; 雄司松田
Original assignee: Hitachi Plant Technologies Ltd
Current assignee: Hitachi Plant Technologies Ltd
Priority date: 2001-09-21
Filing date: 2001-09-21
Publication date: 2009-11-04
Anticipated expiration: 2021-09-21
Also published as: JP2003097844A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設のダクトを短時間にしかも狭隘な場所で取り替えることが可能な換気空調用ダクトに関するものであり、特に原子力発電所の換気空調設備に適している。
【０００２】
【従来の技術】
有害なダストを排気ガスに含む原子力発電所等の換気空調用ダクトにおいて、運転を一時停止して経年劣化した既設のダクトを取り替えるような場合には、通常仮設バイパスラインを敷設して取替えを行う。ところが、施工や部材搬入の場所が狭隘なために、仮設バイパスラインの敷設が困難な場合がある。このような場合には、バイパスを用いずに取り替える他はなく、特に原子力発電所の運転プラントでは、放射性ダスト等の問題から、極めて短時間で取り替える必要がある。更に、既設ダクトの周囲には、配管や配管サポート等の障害物が存在し、これらの障害物は容易に移動できないため、ダクトを支持する部材である既設のダクトサポートを幅方向へ拡張するのが困難であるという制約も存在する。
【０００３】
従来、プラントで使用されている標準的なパネルダクトの構造を図５（１）、（２）、（３）によつて説明する。図５（１）は単位パネルダクト２１ａ、２１ｂ、２１ｃ及び溝形鋼ダクト２２を連結して組立てたパネルダクトの斜視図である。図５（２）は図５（１）の単位パネルダクト２１ａコーナ部Ｃの拡大図である。図５（３）は図５（１）のダクトサポート部の拡大図である。
【０００４】
図５（１）、（２）において、単位パネルダクト２１ａ、２１ｂ、２１ｃは夫々パネルの前後部及び両側部を折り返したパネル２３、２４、２５、２６、について、両側部の折り返し部２７、２８に等辺山形鋼２９を介在させて、ボルト・ナット結合して組立てる。折り返し部に等辺山形鋼を介在させるのは、コーナ部Ｃの剛性を高めるためである。３０は等辺山形鋼の両辺に多数あけられたボルト孔である。単位パネルダクト２１ａ、２１ｂ間の連結は、前後の折り返し部３１、３２を直接ボルト・ナット結合する。溝形鋼ダクト２２は連結した状態のパネルダクトの強度を上げるために、単位パネルダクト間に適宜配置するものであり、溝形鋼を組合せて形成される。単位パネルダクト２１ｂ、２１ｃと溝形鋼ダクト２２との連結は、単位パネルダクト２１ｂ、２１ｃの前後の折り返し部３１、３２と溝形鋼のフランジ部とをボルト・ナット結合する。単位パネルダクト２１ａ、２１ｂ、２１ｃと溝形鋼ダクトの幅は同じである。また、ダクトサポート１７は図５（３）のように、単位サポート部で支持するようにしてあり、折り返し部２８の外側に位置する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
この図９（１）、（２）、（３）に示すような従来のパネルダクトは、ボルト・ナット結合の数が多く組立てるのに多大の労力と時間を要するため、極めて短時間で取り替える必要がある原子力発電所の運転プラントの既設パネルダクトの取り替え用に使用することはできない。
【０００６】
また、前記のように、ダクトサポートはパネルダクトの折り返し部の外側に位置するため、大きなデッドスペースが生じているという問題もあった。この問題の対策として、単位パネルダクトの上部に直接ダクトサポートを溶接することが考えられるが、この方法は強度上の問題から補強部材を追加する必要があり、構造が複雑となり、作業工数が増加する欠点がある。
【０００７】
本発明は、このような問題を解消することを目的とし、特に原子力発電所の既設のダクトを短時間に、しかも狭隘な場所で取り替えることが可能な換気空調用ダクトを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パネルの前後部及び両側部の端部を折り返したパネルにつき、パネル面とパネルの前記側部の折り返し部とを締結することにより、形成された単位パネルダクトを長手方向に締結してダクト通路を形成し、前記単位パネルダクト間に適宜、リップ溝型鋼を組み合わせて形成した前記単位パネルダクトの外周囲形状を同じくしたリップ溝形鋼ダクトを配置し、ダクトサポートが、両側のリップ溝形鋼のフランジが画する空間に入り込む位置で、リップ溝形鋼ダクトを支持するようにしたことを特徴とする換気空調設備用ダクトである。
【０００９】
そして、リップ溝形鋼ダクトの両側部のリップ溝形鋼の下端中央部に、ダクトサポートを受けるための切欠き部を設けるのがよい。
また、少なくとも単位パネルダクト２基に対して、リップ溝形鋼ダクトを１基配置するのが好ましい。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図によつて説明する。図１は単位パネルダクト１ａ、１ｂ及びリップ溝形鋼ダクト２を連結して組立てたパネルダクトの斜視図である。図２（１）は単位パネルダクト１ａの分解斜視図である。図２（２）は、図２（１）の単位パネルダクト１ａのコーナ部Ａの拡大図である。図３はリップ溝形鋼の分解斜視図である。図４は図２（１）のＢ〜Ｂ断面図である。
【００１１】
図２、（１）、（２）のように、パネルの前後部及び両側部の端部を折り返したパネル３、４、５、６につき、パネル面とパネルの前記側部の折り返し部７、８とをボルト・ナット結合することにより、等辺山形鋼を使用せずに、単位パネルダクトを形成する。９はボルト孔である。
【００１２】
前記単位パネルダクト同士の連結は、夫々のパネルの前後端部の折り返し部１０、１１をボルト・ナット結合する。即ち、単位パネルダクトを長手方向に締結してダクト通路を形成する。
【００１３】
図１のように前記単位パネルダクト１ａ、１ｂ間には、連結した状態のパネルダクトの強度を上げるために、単位パネルダクト間に適宜、リップ溝型鋼を組み合わせて、外周形状を単位パネルダクトの外周形状と同じに形成したリップ溝形鋼ダクト２を配置する。強度上リップ溝形鋼ダクトは、少なくとも単位パネルダクト２基に対して、１基配置するのが好ましい。図３において、１２、１３、１４、１５はリップ溝形鋼であり、これらを溶接してリップ溝形ダクト２を形成する。
【００１４】
前記単位パネルダクト１ａ、１ｂと前記リップ溝形鋼ダクト２との連結は、前記パネルの前後端部の折り返し部１０、１１とリップ溝形鋼のフランジ部１６とをボルト・ナット結合する。
【００１５】
本発明では、図１のように、リップ溝形鋼ダクト２でダクトサポート１７を受けるようにしてあり、リップ溝形鋼ダクト２の両側のリップ溝形鋼１３、１５の下端中央部に、ダクトサポート１７を受けるための切欠き部１８を設けてある。そして、ダクトサポート１７は、両側のリップ溝形鋼１３、１５のフランジが画する空間部に入り込む位置で、リップ溝形鋼ダクト２を支持するようにしてある。このため、ダクトサポート１７を両側のリップ溝形鋼１３、１５のフランジの深さだけ内側にセットすることができる。これにより、従来ダクトサポート１７がパネルダクトの折り返し部の外側に位置していたのを、折り返し部の内側へ移動することができ、デッドスペースを縮小することができる。
【００１６】
ここで、図５の従来の標準的な単位パネルダクトと本発明の単位パネルダクトの組立てに使用するボルト本数を比較すると、等辺山形鋼を使用しないことにより、従来は８８本であったのが、本発明では４４本に削減できた。このため、パネルダクトを取り替えるに要する時間を大幅に短縮することができた。また、パネルダクトの全体を取り替えた結果では、総重量を２９．４％、材料加工費を約２５．０％、施工費を２０．０％低減する効果もあった。サイズは図２（１）において、２０００ｍｍＷ×２０００mmＨ×２０００mmＬのモデルを使用した。
【００１７】
次に本発明のパネルダクトの強度について評価する。本発明の単位パネルダクトを２基連結し、これに本発明のリップ溝形鋼を連結し、さらにこれに本発明のパネルダクトを連結した場合において、ダクトに最大と推定されるファン吹出部の圧力２７３ｍｍＡｑの内圧が加わったときの、ダクトパネル部及び単位ダクト間の接続部のたわみ量δを求めた。但し、リップ溝形鋼ダクトはパネルダクトより長さ方向の寸法が小さいため、パネルダクトのみの評価を行った。パネルの有効サイズは、２０００ｍｍＷ×８６０ｍｍＬ、ダクト板厚は３．２ｍｍ、折り返し部の寸法は図４に示す。図４は、図２（１）のＢ〜Ｂ断面を模式的に示した断面図である。ボルトは、単位パネルダクト組立て用にＭ１０、単位パネルダクトの接続用にＭ１２を使用し、ボルトのピッチはいずれも１００ｍｍとした。リップ溝形鋼の幅は１５０ｍｍとした。また、パッキンは単位パネルダクト組立て用及び単位パネルダクト接続用のいずれにも３ｍｍのネオプレンゴムパッキンを使用した。その結果、図４に示すダクトパネル部のたわみ量δは５．２ｍｍ、ダクト接続部のたわみ量δは５．５ｍｍであった。これらの値は許容たわみ量が１３．３ｍｍであるため、問題は無い。なお、実際のダクトは補強材が入っているが、安全を考慮して補強材無しで検討した。
【００１８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ボルト・ナット結合の数を大幅に削減したことにより、運転プラントの既設パネルダクトの取り替えに要する時間を大幅に短縮することができる。このため、特に原子力発電所の既設のダクトの取り替え用に有効に使用することが可能である。
【００１９】
そして、ダクトサポートをパネルダクトの折り返し部内に位置させることができるため、デッドスペースを削減することができ、狭隘な場所での作業性を向上することができる。
また、パネルダクトの総重量、材料加工費、施工費等も大きく低減できるので、その工業的効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図１】単位パネルダクト及びリップ溝形鋼ダクト２を連結して組立てたパネルダクトの斜視図である。
【図２】（１）は単位パネルダクトの分解斜視図である。（２）は、（１）の単位パネルダクトのコーナ部Ａの拡大図である。
【図３】リップ溝形鋼の分解斜視図である。図１の作業ステージ１３を示す平面図である。
【図４】図２（１）のＢ〜Ｂ断面を模式的に示した断面図である。
【図５】（１）は従来の単位パネルダクト及び溝形鋼ダクトを連結して組立てたパネルダクトの斜視図である。（２）は（１）の単位パネルダクトコーナ部Ｃの拡大図である。（３）は（１）のダクトサポート部の拡大図である。
【符号の説明】
１ａ，１ｂ………単位パネルダクト、２………リップ溝形鋼、
３，４，５，６………パネル、７，８………パネル側部の折り返し部、
９………ボルト孔、１０，１１………パネルの前後部の折り返し部、
１２，１３，１４，１５………リップ溝形鋼、１６………フランジ部、
１７………ダクトサポート、１８………切り欠き部。

Claims

パネルの前後部及び両側部の端部を折り返したパネルにつき、パネル面とパネルの前記側部の折り返し部とを締結することにより、形成された単位パネルダクトを長手方向に締結してダクト通路を形成し、前記単位パネルダクト間に適宜、リップ溝型鋼を組み合わせて形成した、前記単位パネルダクトの外周囲形状を同じくしたリップ溝形鋼ダクトを配置し、ダクトサポートが、両側のリップ溝形鋼のフランジが画する空間に入り込む位置で、リップ溝形鋼ダクトを支持するようにしたことを特徴とする換気空調設備用ダクト。
リップ溝形鋼ダクトの両側部のリップ溝形鋼の下端中央部に、ダクトサポートを受けるための切欠き部を設けたことを特徴とする請求項１記載換気空調設備用ダクト。
少なくとも単位パネルダクト２基に対して、リップ溝形鋼ダクトを１基配置することを特徴とする請求項１記載の換気空調用ダクト。