JP4355835B2 - 光触媒材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は光触媒材料に関する。更に詳しくは、耐熱材料にゾルを塗布し、あるいは浸漬した後、焼成してなる光触媒材料であって、前記ゾルは、主成分として結晶質酸化チタンと銅化合物とアルカノールアミンとを含有することを特徴とする光触媒材料に関し、特に昼夜を問わず優れた抗菌性能を発揮する光触媒材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
光触媒材料として、各種光半導体元素が提案されているが、光触媒活性、安全性、価格、光触媒材料の製造容易性等から酸化チタンが最も多用されている。また、酸化チタンの光触媒活性に関しては、無定型のものも含めてそれなりの光触媒活性を示すが、アナターゼ型が最も高い活性を示すことは良く知られている。
【0003】
本発明者らは、先に結晶質酸化チタンゾル(特公平2ー62499号)を提示した。この結晶質酸化チタンゾルは各種用途の中でも、アナターゼ型結晶であることから、特に光触媒として用いたときに優れた特性を発揮し、その利用分野は次第に拡がっている。
【0004】
ところで、光触媒の酸化作用により有害物質を分解する利用効果の1つに抗菌効果がある。従来の抗菌剤は、これを使用し続けると耐性菌を出現させる可能性があり、その信頼性に於いて問題があった。光触媒による抗菌作用は、このような耐性菌を出現させないことに特徴がある。光触媒による抗菌作用機構は、従来の抗菌剤とは全く異なり、光の吸収により始めて菌自身を分解する効果と菌が繁殖するのに必要な栄養源を分解し、菌の繁殖を抑制する効果の2つの作用により抗菌効果を発揮する。従って暗所や夜間ではその効果が発揮されない。そこで、光が当たらない時にも抗菌効果を発揮させるには、光触媒材料に各種抗菌剤を含有させることが必要である。抗菌剤として有機系抗菌剤を用いることも考えられるが、光触媒により徐々に分解されるため効果は漸減し、これを用いることはできない。従って光触媒材料と併用できる抗菌剤は無機系抗菌剤に限定される。
【0005】
本発明者らは、結晶質酸化チタンゾルに無機系抗菌剤を安定に含有させ、しかも優れた抗菌性能を発揮させる方法について鋭意検討を行った。 無機系コロイド抗菌剤として、特開平6−80527号公報には、負の荷電を有する無機酸化物コロイド粒子に抗菌性金属成分を付着せしめた抗菌性無機酸化物コロイド溶液からなる抗菌剤が開示され、無機酸化物コロイド粒子として、SiO2、TiO2、ZrO2、Fe23、Sb23、WO3等が、また抗菌性金属成分として、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀等が例示されている。しかしながら、この発明はTiO2は例示されているが成分例示からも明らかなように、光触媒機能の付与を目的としたものではなく、抗菌剤の担持体の1つとして酸化チタンを例示しているに過ぎず、溶液安定性にも問題がある。
【0006】
また、抗菌成分のアンミン錯体として、アンモニアを用いることが記載されているが、銅を抗菌成分にする場合、爆発性のある雷銅を副生する危険性があり、必ずしも実用的ではない。また、特開平9−299460号公報には、消臭機能を有する金属成分が担持された平均粒子径500nm以下の無機酸化物微粒子を含む消臭剤が開示されているが、担持物の例示(Al23、SiO2、TiO2、ZrO2、ZnO)からも明らかなように光触媒を利用するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、使用時の利便性、各種材料への適用性からゾルに着目し、光触媒性能の優れた結晶質酸化チタンゾルに、製造時、使用時の安全性が高く、長期の安定性を有し、しかも高い抗菌性を付与することができる材料の選定及びその製造方法について鋭意検討を重ねた結果、以下に詳記する本発明を完成したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は耐熱材料にゾルを塗布し、あるいは浸漬した後、焼成してなる光触媒材料であって、前記ゾルは、主成分として結晶質酸化チタンと銅化合物とアルカノールアミンとを含有することを特徴とする光触媒材料に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
先ず、結晶質酸化チタンゾルについて言及するに、結晶質酸化チタンとしてはアナターゼ型が望ましい。アナターゼ型結晶質酸化チタンゾルは市販品、例えば商品名「タイノック」(多木化学(株)製)を利用することもできるし、特公平2ー62499号公報に記載のように、塩化チタン、硫酸チタンのような水溶性チタンにアルカリ金属の水酸化物、アンモニウム化合物などのアルカリ性化合物を加え、チタンのゲルを生成し、これに水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶性アルカリ化合物を加え、100℃以上で水熱処理することにより容易に製造することができる。また、アナターゼ型酸化チタンを湿式粉砕することによっても容易に製造することができる。いずれにしても、結晶質酸化チタンゾルはアルカリ安定型ゾルであることが望ましい。特にアルカノールアミンで安定化されたゾルがゾル溶液安定性の点から望ましい。尚、上記特許公報には、水酸化チタンゲルにアルカノールアミンを添加し得る旨が記載されているが、銅化合物を加えて抗菌性を付与せしめようとの思考も、銅化合物が安定に存在し得るとの示唆もない。
【0010】
さて、チタンゾルにアルカノールアミンと銅化合物を含有させる最善の方法は、アルカノールアミンで錯体化した銅化合物溶液を添加混合することである。この錯体化した溶液は、塩化銅、硝酸銅、硫酸銅などの水溶性銅塩を水に溶解させ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などの水溶液を加えて、銅塩溶液を加水分解し、水酸化銅ゲルを生成させる。これを常法により、銅塩の陰イオンが検出されなくなるまで良く洗浄する。この水酸化銅ゲルをモノエタノールアミンやトリエタノールアミンのようなアルカノールアミンに溶解させ、銅のアルカノールアミン錯体を製造する。また、塩基性炭酸銅を用いても銅化合物溶液を調製できる。アルカノールアミンに代えて、アンモニア水、水酸化テトラメチルアンモニウム等他の錯化剤のみの使用では、ゾルの安定性は勿論、酸化チタンの光触媒性能との関係に於いて、また抗菌性能の点で好ましくない。
【0011】
アルカノールアミン/銅化合物(CuO)モル比については、特段制約はないが、アルカノールアミン/銅化合物(CuO)モル比=1.7〜5.8が好ましい。アルカノールアミン/銅化合物(CuO)モル比が低くなるのに従い、溶液はコロイド状を呈するようになり、アルカノールアミンで錯体化した銅化合物溶液は、コロイド状溶液を含む状態となる。アルカノールアミン/銅化合物(CuO)モル比が1.7未満になると、水酸化銅ゲルが溶解しにくくなる。また、モル比が5.8以上になると、アルカノールアミンで安定化された銅含有結晶質酸化チタン複合ゾルの安定性が悪くなる。加えて、理由は定かではないが、抗菌性能が低下する。
【0012】
ところで、本発明者らが抗菌性成分として銅を選定した理由について言えば、多数ある無機系抗菌成分の内、先ず安全性の点から銀、銅、亜鉛に限定される。これらのうち銀イオンは、酸化チタンの光触媒による酸化反応が起こると、光還元を受け、黒色に変化するため汎用性がなく、また、酸化亜鉛は光溶解性があり、酸化チタンコロイドが凝集し、使用できなかった。銅の場合、光還元を受けにくく、銅本来の着色はあるものの、変色度は小さく、特に結晶質酸化チタンとの関係に於いて抗菌効果が優れ、アルカノールアミンの使用に於いて顕著な安定性を示した。
本発明に使用するアルカノールアミンについて言えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが特に望ましい。
【0013】
次に、本発明ゾルの主成分の含有割合について言えば、結晶質酸化チタン(TiO2として)と銅化合物(CuOとして)とアルカノールアミンとの重量割合が100:0.5〜20:1〜90であることが望ましい。銅化合物が0.5を下廻ると抗菌性が不充分となり、20を上廻ると着色が強くなるだけで抗菌効果は向上しなくなる。また、アルカノールアミンが1を下廻ると銅化合物溶液の安定性が悪く、沈降物が見られ、光触媒として必要な透光性に劣るようになり、90を上廻るとチタンゾルの安定性が悪くなり、透光性に劣るようになる。光触媒能及び抗菌性の観点から更に好ましくは100:2〜18:3〜80である。
銅化合物について言えば、必ずしも明確な形態について言及できないが、アルカノールアミン中で安定に存在することから考えてその形態は銅イオン、酸化銅又は水酸化銅の形態をとっているものと推定される。
【0014】
本発明ゾルの製造方法としては、アルカリ安定型結晶質チタンゾルにアルカノールアミンで錯体化した銅化合物溶液を添加混合する方法がゾル安定性の点から最も推奨されるが、他の方法で製造されたものであっても良い。例えば水酸性チタン化合物と水溶性銅化合物との混合水溶液に前記のアルカリ性物質を加え、水酸化チタンと水酸化銅の共沈ゲルを生成し、十分洗浄した後、所望量のアルカノールアミンを加えて水熱処理することによっても本発明ゾルを製造することができる。また、所望量のアルカノールアミンを加えたアナターゼ型酸化チタンをボールミル等で湿式粉砕し、ゾル状にした後、これに更に水酸化銅のゲルを加えて、攪拌を行いながら水酸化銅のゲルを溶解させ、溶液あるいはコロイド状溶液にすることによっても製造することができ、その他各種の方法によって本発明ゾルを製造することができる。
【0015】
本発明ゾルの濃度については、特段制約はないが、一般には酸化チタン(TiO2として)0.1〜40重量%である。0.1重量%を下廻ると塗布した膜厚が薄くなり、抗菌効果がほとんど発揮されず、40重量%を上廻るとゾル自身が増粘し、取り扱えなくなるばかりでなく、厚膜になりすぎて乾燥収縮クラックが発生する。更に望ましくは、0.5〜30重量%である。本発明ゾルは、これを乾燥し粉末として使用することもできる。
【0016】
本発明の光触媒材料は、セラミック、タイルなど窯業製品、ガラス、鏡、金属、木材等の板状物、球状物、粒状物等の各種形状物に本発明のゾルを塗布し、あるいは浸漬した後、焼成して得る。焼成温度は高い程望ましい。
【0017】
また、加熱、焼成が困難な材料に対しては、フッ素樹脂、シリカゾルなどで予め材料を処理した後、本発明ゾルを適用して材料との密着性を向上させることもできる。更にまた、本発明ゾルは塗料に添加して、外壁、内壁等に塗布し利用することもできる。また、本発明ゾルは強い抗菌性を有することから、生ゴミ、汚泥、建築廃土等の悪臭発生場所の消臭、植物、果実等の鮮度保持等にも利用・適用することができる。しかし、本発明ゾルは光触媒による優れた有機物分解能と抗菌作用を有しており、適用材料、用途はこれらに限定されるもではない。
【0018】
【実施例】
以下に本発明の実施例を掲げて更に説明する。尚、特に断らない限り%は全て重量%を示す。
【0019】
[実施例1]
四塩化チタン水溶液(TiO2=2%)2000gにアンモニア水(NH3=2%)2212g(NH3/Cl当量比=1.3)を攪拌下で添加し、チタンゲルを生成させた。これをろ液中の塩素イオンがチタンゲル(TiO2)に対して100ppm以下になるまでろ過水洗し、TiO2=10%、NH3=0.3%のゲルを得た。このゲル400gに、NH3/TiO2(モル比)=0.2となるようにアンモニア水(4.5%)11.2gを添加し、これをオートクレーブに入れ、140℃で6時間の水熱処理を行い、結晶性酸化チタンゾル(TiO2=9.7%)を得た。X線回折法により、アナターゼ型の酸化チタンのピークが見られ、その第1ピークを用いて、デバイ・シェーラーの式から求めた結晶子サイズは12nmであった。
【0020】
次に、塩化銅水溶液(CuO=2%)100gに水酸化ナトリウム水溶液(2%)を攪拌しながら加えて、水酸化銅ゲルを生成させた。次いでこのゲルを、ろ液中に塩素イオンが定性的に検出できなくなるまで洗浄し、水酸化銅のゲルスラリー(CuO=8.2%)24gを得た。尚、塩素イオンの定性分析の検出限界は、10ppm程度であった。この水酸化銅のゲルスラリー10gをトリエタノールアミン4gに溶解させ、トリエタノールアミンの銅水溶液(CuO=5.8%)を得た。
【0021】
このトリエタノールアミンの銅水溶液(CuO=5.8%)5gを結晶質酸化チタンゾル(TiO2=9.7%) 58.7gに添加混合し、本発明ゾル(TiO2 9%,CuO 0.45%,トリエタノールアミン 2.2%)を得た。このゾルをナイコンプ社製粒度分布計で測定した結果、平均粒子径12nmであった。また、TiO2=1%のゾル溶液の透明性をヘーズメーター(日本電色製)で測定した結果、ヘーズ=25%であった。
抗菌試験用の試料として、スライドガラスに本発明のゾルをコーティングし、乾燥後、500℃で30分焼成し、0.2μmの薄膜を作製した。
抗菌性試験として、下記の抗菌性の評価方法で評価を行った。
【0022】
<抗菌性の評価方法>
試験には大腸菌を使用した。菌液の調製方法は、試験菌をスラントから1白金耳を取り、ブイヨン培地(乾燥ブイヨン、ニッスイ製)に植菌し、25℃で一晩振とう培養した。滅菌水5mlに培養後の菌液0.5mlを加え、3500rpm、20min遠心し、上澄液を捨て、培地成分を取り除き洗浄した。沈渣に滅菌水5mlを加えて懸濁し、菌液の630nmにおける吸光度を測定し、吸光度と生菌数の検量線より生菌数を求め、2×105cell/mlになるように調整し接種菌液とした。
試料前調整として、試料片をエタノールで拭き、乾燥、熱滅菌を行った後、これをシャーレ内に設置し、ペトリフィルムで密封した。シャーレ内には菌液の乾燥を防ぐ為、湿らせた脱脂綿を設置した。
各試料の試験面には菌液0.15mlを滴下し、これらを25℃、紫外線強度0.4mW/cm2のブラックライト照射下で所定時間保存した。また、ブラックライト照射をしない試料、及び本発明ゾルをコーティングしていない試料にブラックライトを照射したものを比較例とし、同様の試験を行った。
【0023】
本発明の試料を乾燥させただけでは、アルカノールアミンが残っているため、抗菌性を正しく評価できない。従って、本発明の試料を500℃で焼成するか、または紫外線を照射して、光触媒作用によりアルカノールアミンを完全に分解させるかの前処理を行って抗菌試験に供した。
生菌数の測定は、所定時間保存後、試料をシャーレから取り出し、試料上の菌液を10mlの滅菌生理食塩水で洗い流して菌液を回収し、回収した菌液0.1mlの生菌数をブイヨン寒天培地を用いた平板培養法(35℃、24h)により測定した。
【0024】
本発明のゾルを使用した試料及び本発明ゾルをコーティングしていない試料にブラックライトを照射したものを比較例とし、その抗菌性評価結果を表1に示した。
【0025】
【表1】
Figure 0004355835
【0026】
[実施例2〜5]
硝酸銅水溶液(CuO=2%)1000gに水酸化ナトリウム水溶液(2%)を攪拌しながら加えて、水酸化銅ゲルを生成させた。次いでこのゲルを、ろ液中に硝酸イオンが定性的に検出できなくなるまで水洗し、水酸化銅のゲルスラリー(CuO=9.5%)210gを得た。この水酸化銅のゲルスラリー10gにモノエタノールアミン(MEA)を加え、各種組成比のモノエタノールアミンの銅水溶液を作製した。実施例1の結晶質酸化チタンゾル(TiO2=9.7%) 58.7gに各種組成比のモノエタノールアミンの銅水溶液を添加混合し、表2に示す組成の本発明ゾルを得た。このゾルをスライドガラス上に薄膜コーティングを行い、モノエタノールアミン分を除去するために500℃で1時間焼成し、抗菌試験の試料とした。比較例3として、実施例1で得たアンモニア安定型のアナターゼ型酸化チタンゾルのみを用いて、同様に試料を作製し、比較例4として、実施例1で得たアンモニア安定型のアナターゼ型酸化チタンゾルに水酸化銅のゲルスラリーのみを実施例2と同じ添加量で混合した試料を作成し、試験に供した。尚、表2に於いて、明所菌死滅率とは、ブラックライト照射下での抗菌性試験であり、暗所菌死滅率とは、ブラックライトを消し、全くの暗所での抗菌性試験である。菌死滅率(%)=(測定後の菌数÷測定前の菌数)×100で表した。
【0027】
【表2】
Figure 0004355835
【0028】
[実施例6〜9]
硫酸酸性の硫酸チタン水溶液(TiO2=2%、SO4=8%)5000gに水酸化ナトリウム水溶液(Na2O=4%)6500g(Na2O/SO4(モル比)=1.0)を攪拌下で添加し、チタンゲルを生成させた。これを洗浄し、ろ液の電気伝導度(mS/cm2)が反応母液の1/500以下になるまで良く洗浄し、TiO2=8%のゲルを得た。このゲルを乾燥させ、300℃で1時間熱処理し、アナターゼ型酸化チタン粉末を得た。この酸化チタン粉末にテトラメチルアンモニウムハイドレート(TMAH)をTMAH/TiO2(モル比)=0.1になるように添加し、湿式粉砕機でゾル状を呈するまで粉砕した。0.2ミクロンのろ過膜を用いて、粗大粒子を分離し、アルカリ性のアナターゼ型酸化チタンゾル(TiO2=23%)を得た。つぎに、実施例1で得たトリエタノールアミンの銅水溶液(CuO=5.8%)を上記酸化チタンゾルに加えて、各種組成の本発明ゾルを得た。これらのゾルについて、実施例1と同様の方法で抗菌試験を行った。その結果を表3に示す。また、実施例7のゾルをエバポレーターで濃縮した結果、TiO2=40%でも、粘度10mPa・Sで、6ケ月経過しても、増粘せず安定であった。
【0029】
【表3】
Figure 0004355835
【0030】
[実施例10]
四塩化チタン水溶液(TiO2=2%)2000gに無水塩化銅(CuO=59%)2.7gを溶解させた溶液にアンモニア水(NH3=3%)1300gを攪拌下で添加し、添加終了時のpH=8.8のチタンゲルを生成させた。これをろ液中の塩素イオンがチタンゲル(TiO2)に対して100ppm以下になるまでろ過水洗し、TiO2=10%、CuO=0.39%、NH3=0.2%を含み、pH=9の銅含有チタンゲルを得た。銅の溶出率は約2%であった。この銅含有チタンゲル400gに、アルカノールアミン/TiO2(モル比)=0.1となるようにモノエタノールアミン3gを添加し、これをオートクレーブに入れ、120℃で6時間の水熱処理を行い、本発明ゾル(TiO2=9.5%、TiO2:CuO:アルカノールアミン=100:3.9:7.5)を得た。
【0031】
【発明の効果】
本発明の光触媒材料は、耐熱材料にゾルを塗布し、あるいは浸漬した後、焼成してなる光触媒材料であって、前記ゾルは、主成分として結晶質酸化チタンと銅化合物とアルカノールアミンとを含有することを特徴とする光触媒材料であって、従来の無機抗菌剤とは全く異なる光触媒による抗菌作用と従来の無機抗菌剤による抗菌作用とを複合化させることによって、複合的抗菌効果以上に光触媒による抗菌作用を発揮し、更には耐性菌の出現を阻止する効果を発揮する。また従来の紫外線殺菌等を行う用途等において、その紫外線を利用して本発明ゾルの光触媒抗菌作用とを組み合わせて使用することにより、より信頼性の高い抗菌効果を得ることが出来る。
【0032】
本発明の光触媒材料の適用例を列挙すれば、本発明のゾルを、セラミックス、ガラス、金属などの耐熱材料には焼き付けて使用することにより、これらの材料を用いた各種製品に抗菌機能を付与できる。

Claims (4)

  1. 耐熱材料にゾルを塗布し、あるいは浸漬した後、焼成してなる光触媒材料であって、
    前記ゾルは、主成分として結晶質酸化チタンと銅化合物とアルカノールアミンとを含有することを特徴とする光触媒材料
  2. 前記ゾルは、結晶質酸化チタン(TiOとして)と銅化合物(CuOとして)とアルカノールアミンとの重量割合が100:0.5〜20:1〜90であることを特徴とする請求項1記載の光触媒材料
  3. 前記アルカノールアミンがモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンから選ばれたものである請求項1または2記載の光触媒材料
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光触媒材料を形成するためのゾルであって、主成分として結晶質酸化チタンと銅化合物とアルカノールアミンとを含有することを特徴とする焼成用ゾル。
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