JP4355442B2 - プリンタ較正システム、プリンタ装置およびその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ較正システムおよびその方法に関し、より詳しくは、システムを構成するプリンタ、特にカラープリンタの較正(キャリブレーション)を行うプリンタ較正システムおよびその方法並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にパーソナルコンピュータ(PC)に接続したカラープリンタにおいてカラー印字を行う場合、カラープリンタの印字特性の変化により、時間の経過に伴って印字結果が変化する。その印字特性の変化は一般に経年変化と呼ばれる。経年変化は印字環境の温度、湿度やトナー残量、プリンタドラムの使用度等に起因する。
【0003】
また別の観点からは、同一機種プリンタ間においても、上述の外的要因によりプリンタAとプリンタBの印字特性にばらつきが生じる。これにより、ある時点のプリンタ特性に基づいて作成した印字データを別の時点において印字する場合、ユーザは所望のカラー印字結果を得られない。
【0004】
また、同一機種プリンタ間においても、印字特性にばらつきが生じるため、プリンタAとプリンタBの印字結果が異なり、所望のカラー印字結果が得られない。
【0005】
このような問題を解決するために、特開2000−318266号公報に示したようなキャリブレーション方法を既に開示している。すなわち上述の公報における構成では、システムを構成するコンピュータ装置およびカラープリンタ間で動作するキャリブレーションであり、ユーザオペレーションを介するものである。その処理を以降「ソフトキャリブレーション」と呼称する。これらは次の構成からなる。
【0006】
すなわち、特に複数のコンピュータの内、サーバコンピュータからの指示によって、上述のカラープリンタからパッチデータを出力し、そのパッチデータを任意のスキャナから読み取り、上述のサーバコンピュータにおいてその読み取ったスキャンデータに基づいてキャリブレーションデータを作成し、上述のサーバコンピュータにおいてその作成したキャリブレーションデータを上述のカラープリンタへダウンロードし、そのダウンロードされたキャリブレーションデータを用いて印刷する。これにより特に複数のプリンタ間の印字特性のばらつきが大幅に軽減される(絶対的濃度の安定)。
【0007】
また別の従来例としては、プリンタを構成するエンジンとコントローラ間におけるキャリブレーションとして上述の従来例とは別のタイプのものが存在する。
【0008】
この従来例は、カラープリンタを構成するプリンタコントローラ、プリンタエンジン間で動作するキャリブレーションであり、カラープリンタ内で自動的に動作するものである。その処理を以降「デバイスキャリブレーション」と呼称する。これらは次の構成からなる。
【0009】
すなわち、上述のプリンタエンジンにおいて任意のタイミングでCMYK各色の最大濃度を補正し、上述のプリンタエンジンにおいて、上述の最大濃度補正のタイミングで上述のプリンタコントローラからの問い合わせに対してエンジン特性情報を渡し、上述のプリンタコントローラにおいてその渡されたエンジン特性情報に基づいてキャリブレーション補正データを作成し、そのプリンタコントローラで保有している上述のキャリブレーションデータを補正し、その更新されたキャリブレーションデータを用いて印刷する。
【0010】
これにより、特にあるプリンタ装置において発生しうる温度・湿度等の外的要因による特性の変化を抑えることが可能となる(相対的濃度の安定)。
【0011】
従来においては、上述のキャリブレーションデータを用いた印刷は上述のプリンタコントローラ内で画像処理を行ういわゆる「ページ記述言語(PDL)モード」の場合に限られる。すなわち本プリントシステムに接続されたクライアントコンピュータ装置においてラスタライズおよび2値化までの全ての画像処理を行ういわゆる「イメージモード」においては、上述のキャリブレーションデータを用いた画像処理は実現できなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来技術においては次のような課題がある。すなわち、上述した2種のキャリブレーションにおいては、それぞれ絶対的濃度、相対的濃度の安定を得ることが可能となるが、両キャリブレーションはそれぞれ独立して機能する構成であり互いに相関関係を持っていない。従って、例えばあるタイミングでソフトキャリブレーションによってキャリブレーションを行っても、デバイスキャリブレーションは任意のタイミングで発生するため、逆にそのデバイスキャリブレーションによってエンジン特性が変化してしまい、ソフトキャリブレーションの効果が持続しない結果となる。従って、この場合常に絶対的濃度の安定したカラー印字を得るためにはユーザは上述のソフトキャリブレーションを頻繁に行う必要が生じる。
【0013】
また、PDLモードにおいてはキャリブレーションデータを用いた画像処理は可能であったが、イメージモードにおいてはそのキャリブレーションデータを用いた画像処理を実施できないため、PDL、イメージの各モードで出力した印刷物の色みが異なるといった問題があった。
【0014】
本発明は、このような課題を解決するために鑑みてなされたもので、その目的とするところは、経年変化や同一機種間の特性のばらつきに対応し、またイメージモードにおいてもPDLモードと同様のキャリブレーションを行う構成を提供することにより、いずれのモードにおいても安定した印字特性が得られるプリンタ較正システム、方法および記録媒体を提供することにある。
【0015】
さらに本発明の目的とするところは、イメージモードにおいて、必要とする情報を極力小さくすることによりネットワークへの負荷を軽減でき、また、キャリブレーションテーブルそのものを取得することにより、イメージモードにおけるキャリブレーションテーブル作成の処理負荷を軽減することが可能なプリンタ較正システムおよびその方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、コントローラおよびエンジンを有するプリンタとサーバシステムとがネットワークに接続されているプリンタ較正システムにおいて、前記サーバシステムは、前記プリンタに指示してパッチデータを出力する出力手段と、前記パッチデータ出力直後の前記エンジンの特性情報を、第1のエンジン特性情報として前記プリンタから取得する第1のエンジン情報取得手段と、前記プリンタから出力した前記パッチデータをスキャナにより取り込み、該パッチデータに基づいて第1の較正データを作成する第1の較正データ作成手段と、該第1の較正データ作成手段により作成された第1の較正データおよび前記第1のエンジン特性情報のダウンロードを、前記プリンタに対して行うダウンロード手段とを備え、前記プリンタは、前記コントローラが、前記エンジンの最新の特性情報を第2のエンジン特性情報として、前記エンジンから取得する第2のエンジン情報取得手段と、前記コントローラが、前記ダウンロードが行われた場合、前記第1のエンジン特性情報に基づく特性カーブと前記第2のエンジン特性情報に基づく特性カーブとの差分からキャリブレーション補正データを生成し、該キャリブレーション補正データと前記第1の較正データをマージすることで、第2の較正データを作成し、前記ダウンロードが行なわれていない場合、前記第2のエンジン特性情報のみを用いて第2の較正データを作成する第2の較正データ作成手段とを備え、前記コントローラが前記第2の較正データを用いて画像処理を行い、当該行った画像処理後のデータを前記エンジンへ送ることにより印刷を行うことを特徴とする。
【0036】
以上の構成において、ユーザはシステムを構成するコンピュータを介した指示によって、従来ほど高くない頻度でキャリブレーションデータを作成しカラープリンタへダウンロードすることにより、以降は基本的にプリンタ側でエンジンの特性変化を自動的に微調整する。
【0037】
このため、ユーザの負荷も軽く、また従来のソフトキャリブレーション、デバイスキャリブレーションの両方の利点を相乗効果で生かすことができ、またプリンタで画像処理を行うPDLモードのみならずホストコンピュータ上でラスタライズ、2値化を含めた全画像処理を行うイメージモードにおいてもネットワークトラフィックを増大させることなく同様のキャリブレーションを行うことができるので、常に安定したカラー印字を得ることができる。
【0038】
またイメージモードにおいて、キャリブレーションテーブルそのものを取得することにより、イメージモードにおけるキャリブレーションテーブル作成の処理負荷を軽減することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。
【0040】
なお、以下説明する実施形態では、システムを構成するプリンタ装置の例としてColor Laser Beam Printer(LBP)を例に用いているが、Color Ink Jet Printer等の他のプリンタ装置に関しても同様に実施可能である。
【0041】
(実施形態1)
図1は、本実施形態1のプリンタ較正システムの構成を示すブロック図で、1はサーバPCであり、このサーバPC1には本システムを実現するソフトウェアがインストールされており、ネットワーク5に接続されている。
【0042】
サーバPC1内部に構成されるキャリブレーションデータ格納部11は、後述するキャリブレーションデータをサーバPC1内部に保持するために使用されるものである。
【0043】
第1のエンジン特性および第1のキャリブレーションテーブル111,112は、各々キャリブレーションデータ格納部11内に格納されている。
【0044】
ネットワーク5に接続されたプリンタ2は、本システムにおける較正の対象となる装置である。そのプリンタ2はネットワーク上に接続された複数のPCからの指示により印字が行えるよう構成されている。
【0045】
上述のプリンタ2内部に構成されるキャリブレーションデータ格納部21は、後述するキャリブレーションデータをプリンタ2内部に保持するために使用される。
【0046】
上述のサーバPC1からダウンロードされた第1のエンジン特性211および第1のキャリブレーションテーブル212およびそのキャリブレーションテーブルをダウンロードした時刻を示すタイムスタンプ情報213は、上述のキャリブレーションデータ格納部21内に格納される。
【0047】
後述するエンジンから取得した最新のエンジン特性である第2のエンジン特性214,および、後述する最新のキャリブレーションテーブルである第2のキャリブレーションテーブル215,および上述の最新のエンジン特性である第2のエンジン特性214を取得する度にカウントアップされる第2のエンジン特性更新カウン216タは、上述のキャリブレーションデータ格納部21内に格納される。
【0048】
上述のプリンタ2内部に構成されるプリンタコントローラ22は、プリンタ2に関する様々な制御を司る。そのプリンタコントローラ22は後述する第1のエンジン特性および第1のキャリブレーションテーブルおよびタイムスタンプ情報がPC1からダウンロードされた際に上述のキャリブレーションデータ格納部21へ格納したり、後述するように上述のキャリブレーションデータ格納部21内の第2のキャリブレーションテーブルを更新する役割やキャリブレーションデータ格納部21内のデータを後述するクライアントPCへ送信する役割も担う。
【0049】
上述のプリンタ2内部に構成されるプリンタエンジン23は、基本的には上述のプリンタコントローラ22からの印字データを出力する部分であるが、後述するエンジン特性情報を上述のプリンタコントローラ22へ送信したり、後述するエンジン特性における最大濃度の調整を行う役割も担う。
【0050】
上述のサーバPC1に接続されたスキャナ3は、本システムにおいては上述のプリンタ2において出力したパッチデータを測定するために使用するが、原稿を入力するといった本来の用途としても使用可能である。
【0051】
ネットワーク上に接続されたクライアントPC4は、所望の印字データの作成、編集、印字の指示等を行う。そのクライアントPC4における処理には上述のプリンタ2のコントローラ22においてラスタライズや2値化を行い、本クライアントPC4からはプリンタ2に対してRGB多値でデータ送付するPDLモードと、本クライアントPC4上でラスタライズや2値化を含めた画像処理を行いプリンタ2に対して上述のエンジン23が出力しやすい形態の例えばCMYK2値データを送付するイメージモードが存在する。なおここでは2値を例に説明を行うが、これらはエンジン出力の形態に依存するものであり4値や16値等でも同様である。
【0052】
これらの2つのモードは図示しないプリンタドライバのユーザインタフェース等によってユーザが切り替えて用いる場合や、図示しないがクライアント上のユーティリティによって自動的に切り替えて用いる場合が考えられる。これらの2モードの詳細な処理に付いては後述する。
【0053】
上述のクライアントPC4内部に構成されるキャリブレーションデータ格納部41は、後述するキャリブレーションデータをクライアントPC4内部に保持するために使用する。411,412は上述のキャリブレーションデータ格納部41内に格納される、上述のプリンタ2からアップロードされた第1のエンジン特性および第1のキャリブレーションテーブルである。413,414は上述のキャリブレーションデータ格納部41内に格納される、上述のプリンタ2からアップロードされた最新のエンジン特性である第2のエンジン特性および、後述するクライアントPC4内のキャリブレーションテーブル作成部43で作成される最新のキャリブレーションテーブルである第2のキャリブレーションテーブルである。
【0054】
上述のクライアントPC4内部に構成される画像処理部42は、後述する画像処理を行う。上述のクライアントPC4内部に構成されるキャリブレーションテーブル作成部43は、上述のキャリブレーションデータ格納部41内に格納された情報に基づいてキャリブレーションテーブルを作成する。情報取得部431はそのキャリブレーションテーブル作成部43の中にあって、前述したようにプリンタ2から第1のエンジン特性および第1のキャリブレーションテーブルおよび第2のエンジン特性をアップロードし、上述のキャリブレーションデータ格納部41内に格納する。
【0055】
図2および図3は、較正(キャリブレーション)を行うためのフローチャートである。図2はシステムを構成するコンピュータ装置およびカラープリンタ間で動作するキャリブレーションのフローチャートである。ここではまずステップS20においてPC1からプリンタ2へパッチデータを出力するよう指示し、プリンタ2においてパッチデータの出力を行う。
【0056】
そのパッチデータの例を図6に示す。図6の例では、1ページ内に縦横それぞれ32分割した総計1024のブロックを用意する。横方向には印刷トナーの基本色であるCyan,Magenta,Yellow,Black別にブロックを配置する。各ブロック内に記述された数値は配列の添字を示すが、内部的にはその添字に対してそれぞれ出力データが対応付けられており、その添字自体は実際には出力されない。
【0057】
すなわち図6においては、配列0から31のハイライト側は32階調を4個所、配列33から63のシャドウ側は16階調を8個所にブロックを配置している。ハイライト、シャドウの階調数の差異は、本システムにおいてはシャドウ側に比べてハイライト側は綿密な階調情報を必要とするためである。またハイライト、シャドウの配置数の差異は、スキャナにおける入力値のばらつきがハイライト側に比べてシャドウ側の方が多い傾向があるためである。
【0058】
そのパッチデータは上述のごとくPC1からの指示によってプリンタ2から出力されるものであるが、プリンタ2内で上述のフォーマットのパッチデータを構成する情報を所有しておき、PC1からの指示でその情報を元にパッチデータを生成してもよいし、PC1側でそのパッチデータ構成情報をプリンタ2に送信することにより、パッチデータを生成してもよい。そのパッチデータ構成情報とはプリンタ2所有のコマンド系に依存するものであるが、ここでは言及しない。
【0059】
図2のステップS21において、そのパッチデータ出力直後にそのパッチ出力時のエンジン特性情報を取得する。そのエンジン特性取得は、サーバPC1から上述のプリンタ2内のキャリブレーションデータ格納部21内に格納されている最新のエンジン特性である第2のエンジン特性を取得することにより行う。データ取得に関するコマンド系についてもここでは言及しない。
【0060】
ステップS21ではサーバPC1により、取得した第2のエンジン特性を第1のエンジン特性111としてキャリブレーションデータ格納部11内に格納する。第1のエンジン特性111は、上述のパッチデータを出力した際のエンジン特性として、後述する第1のキャリブレーションテーブルに対応付けられる。そのエンジン特性の詳細については後述する。
【0061】
図2のステップS22において、スキャナ3によって上述の出力されたパッチデータの測定を行う。スキャナ3では、上述したパッチデータの各ブロックのRGB信号値を入力し、PC1に値を返す。PC1ではその入力値から、上述のパッチデータのブロックの配置に基づき、ハイライト側は4個所の平均、シャドウ側は8個所の平均を算出し、結果としてCMYK各色48階調のRGB信号値を得る。ここであらかじめ用意された、スキャナ3のRGB輝度信号とプリンタ2のCMYK濃度信号の対応を示す輝度濃度変換テーブル(図示しない)を用いて、その48階調の輝度信号から48階調の濃度特性値を得ることができる。
【0062】
ここでは詳細には触れないが、スキャンは通常PC1上に構成されるスキャナドライバを通して実行される。そのスキャナドライバによって、スキャン解像度の設定や入力領域の指定等が行われる。
【0063】
次にステップS23において、PC1によってキャリブレーションテーブルの作成が行われる。この様子を図4を用いて説明する。上述の各色48階調の濃度特性値を図4(a)に示す。ここでは簡単のため一色しか図示しないが、実際はCMYK4色について同様の処理を行う。
【0064】
図4において、入力、出力の関係カーブが示されるが、これは上述の48階調から補間計算により求めるものである。これに対して、ここでは濃度特性の理想値は図4(c)に示すような線形カーブと規定する。従って、現状の濃度特性(a)を理想濃度(c)に近づけるために、逆関数によって図4(b)に示すキャリブレーションテーブルを求める。すなわち特性(a)に対して(b)を適用することにより、結果として(c)を得るものである。
【0065】
ステップS23においては、サーバPC1によって、作成された上述のキャリブレーションテーブルを第1のキャリブレーションテーブル112としてキャリブレーションデータ格納部11内に格納する。
【0066】
次にステップS24において、PC1によりそのキャリブレーションデータ格納部11内の第1のエンジン特性111および第1のキャリブレーションテーブル112のプリンタ2へのダウンロードを行う。またこの際ダウンロードの時刻を示すタイムスタンプ情報も合わせてダウンロードする。この際のダウンロードコマンド等はプリンタ2のコマンド系に依存するがここでは言及しない。
【0067】
そのダウンロードされた第1のエンジン特性111および第1のキャリブレーションテーブル112およびタイムスタンプ情報は、プリンタコントローラ22を介してキャリブレーションデータ格納部21内に、第1のエンジン特性211および第1のキャリブレーションテーブル212およびタイムスタンプ213として格納される。
【0068】
プリンタ2においてダウンロードデータを受信する際のプリンタコントローラ22の処理の流れを図7を用いて説明する。図7のステップS70においてデータ受信がされたか否かの判定を行う。受信されていない場合はステップ70を繰り返す。受信された場合はステップS71においてデータ解析を行う。
【0069】
その解析結果の判定をステップS72で行うが、キャリブレーションダウンロードコマンドである場合はステップS73において、そのデータがエンジン特性であるか否かの判定を行い、エンジン特性である場合はステップS74において上述のとおりキャリブレーションデータ格納部21内に、第1のエンジン特性211としてエンジン特性1の登録を行う。
【0070】
ステップS73においてエンジン特性でない場合はステップS75において、そのデータがキャリブレーションテーブルであるか否かの判定を行い、キャリブレーションテーブルである場合はステップS76において上述のとおりキャリブレーションデータ格納部21内に、第1のキャリブレーションテーブル212としてキャリブレーションテーブル1の登録を行う。
【0071】
ステップS75においてキャリブレーションテーブルでない場合はタイムスタンプであると判断し、ステップS77において上述のとおりキャリブレーションデータ格納部21内に、第1のキャリブレーションテーブルダウンロードのタイムスタンプ213としてタイムスタンプの登録を行う。
【0072】
ステップS72において、キャリブレーションダウンロードでないと判断された場合はステップS78においてそれぞれの処理を行う。
【0073】
通常印字データはクライアントPC4上のアプリケーションからクライアントPC4上のプリンタドライバを経由してプリンタ2へ流される。プリンタ2内のプリンタコントローラ22では上述した図7のステップ78等において印字データの解析、ページレイアウトの構成、画像処理、印字等を行う。
【0074】
そのクライアントPC4におけるドライバの処理には前述の通り、プリンタ2のコントローラ22においてラスタライズや2値化を行い、クライアントPC4からはプリンタ2に対してRGB多値でデータ送付するPDLモードと、クライアントPC4上でラスタライズや2値化を含めた画像処理を行いプリンタ2に対して上述のエンジン23が出力しやすい形態の例えばCMYK2値データを送付するイメージモードが存在し、それぞれのドライバであるPDLドライバ、イメージドライバを用いて処理を行う。
【0075】
ここで図11(a)および図12を用いて、PDLモードを例にとり、PDLドライバおよびプリンタコントローラ22においてキャリブレーションデータを用いて画像処理を行う際の処理の流れを説明する。なおイメージモードの例は後述する。
【0076】
図11(a)はPDLドライバの処理のフローチャート12はコントローラの処理の流れを示す。まず図11(a)におけるステップS110においてクライアントPC4上のPDLドライバは入力信号RGBに対してカラー微調整を行う。そのカラー微調整とは輝度補正やコントラスト補正である。
【0077】
次にステップS111においてカラーマッチング処理を行う。そのカラーマッチング処理とはモニタの色味とプリンタ印字の色味を合わせるための処理である。この時点でデータはRGB多値の信号であるが、PDLモードではこの形態で次のステップS112においてクライアントPC4からプリンタ2へデータ送信を行う。
【0078】
次に図12におけるステップS120において、プリンタ2内のコントローラ22によってデータ解析を行う。ステップS120でクライアントPC4から送られてきたデータがPDLモードデータであると判断した場合は、ステップS121において輝度濃度変換処理を行う。これは入力信号である輝度RGBからプリンタの印字信号である濃度CMYKへ変換するための処理である。
【0079】
次にステップS122においてキャリブレーション処理を行う。すなわちCMYK各8ビット多値信号を入出力信号とし、最新のキャリブレーションテーブルであるキャリブレーションテーブル2を用いて、出力特性を線形にするものである。
【0080】
次にステップS123においてそのCMYK各8ビット信号を出力系に即した信号に変換する。一般的にはCMYK各1ビットの信号への2値化を行う。これによりプリンタシステムにおいてキャリブレーションが適用された適正な出力を得る。
【0081】
以上、図2によってシステムを構成するコンピュータ装置およびカラープリンタ間で動作するキャリブレーションの流れを説明した。そのキャリブレーションによって、比較的カラー印字特性は安定させることが可能であるが、エンジン特性は例えば連続印字等によりドラム温度が上昇することにより比較的容易に変化する傾向が見られ、そのキャリブレーションのみで常に安定したカラー印字を得るためにはユーザはそのキャリブレーションを頻繁に行う必要が生じる。そこでユーザの負担を軽減し、かつキャリブレーションの精度を向上するために、本実施形態では次に示すようにデバイスキャリブレーションとの組み合わせを提案するものである。
【0082】
図3は、本実施形態におけるカラープリンタ2を構成するプリンタコントローラ22、プリンタエンジン23間で動作するキャリブレーションの流れを説明するフローチャートである。
【0083】
そのデバイスキャリブレーションは、例えばプリンタエンジン23内部に設置された図示しない温度・湿度センサの変化や、印刷枚数、ドラムやトナーカートリッジの交換時等、エンジン特性が変化する可能性の高いイベントをトリガにしてプリンタエンジン23、プリンタコントローラ22間において実行される。そのイベントについては他にも考慮できるがここでは言及しない。
【0084】
ここではまずステップS31においてプリンタエンジン23においてCMYK各色の最大濃度の調整を行う。通常プリンタエンジンでは設計時の目標最大濃度が決められているが、経年変化によってその濃度が上下に振れる。本ステップでは図示しない現像系例えばドラム上のセンサにより現状のCMYK各色における最大濃度値を得て、その値が振れている場合は現像バイアス値等を制御することにより、適正な最大濃度調整を行う。
【0085】
この際の濃度特性カーブの動きを図10を用いて説明する。図10における特性カーブ2は、最大濃度調整前の濃度特性カーブを示した例であり、特性カーブ1は最大濃度調整後の濃度特性カーブを示した例である。まずここでは特性カーブ2の最大濃度はmax2を示している。上述のトリガによって最大濃度調整が開始されると、まずドラム上のセンサにより現状の最大濃度値がmax2であることを検知する。最大濃度値の目標値はmax1であるため、プリンタエンジン23は現像バイアス値等を制御し、最大濃度がmax1となるよう調整を行う。
【0086】
次にステップS32において最新のエンジン特性であるエンジン特性2の取得を行う。その処理は、プリンタコントローラ22からの要求に応えて、プリンタエンジン23からプリンタコントローラ22へ、数点の中間濃度センサ値を返すことにより行う。
【0087】
この様子を図10を用いて説明する。図10においては説明のために4点の中間濃度センサ値を例に取るが、その点数についてはこの限りではない。横軸上のABCDは、予め決められた入力値であり、縦軸のabcdは各入力値に対応した図示しない現像系例えばドラム上のセンサが返した濃度値である。プリンタエンジン23はプリンタコントローラ22と通信を行い、そのabcdの4点をプリンタコントローラ22へ渡す。その通信方法についてはここでは言及しないが、双方向の何らかのプロトコルで実現する。
【0088】
ちなみに最大濃度調整前における中間濃度センサ値はa'b'c'd'であり、最大濃度調整によりabcdへ変動する。つまり中間濃度センサ値すなわちエンジン特性は、最大濃度調整に大きく影響を受けるため、常に一連の流れとして最大濃度調整、エンジン特性取得の順に処理を行う必要がある。
【0089】
一般的に上述の現像系のセンサは、センサそのものの特性のばらつきがあるため、絶対的な濃度値を確実に得る精度はない。ただし同一のセンサにおいては現像系の特性が変化した場合、その変化に応じたセンサ値を返す。すなわち絶対的な精度は低いが、相対的な精度は期待できる。
【0090】
次にステップS33において、キャリブレーションデータ格納部21内にキャリブレーションテーブル1がダウンロードされているか否かの判定を行う。キャリブレーションテーブル1がダウンロードされていない場合は、ステップS34において従来のデバイスキャリブレーションと同様の手法でキャリブレーションテーブル2を作成する。
【0091】
その処理は図10の特性カーブ1を用いて説明する。従来のデバイスキャリブレーションでは、まずエンジン特性である中間濃度センサ値abcdから近似式によって特性カーブ1を得、図4を用いて前述したように目標とする特性を得るための逆関数を生成することによってキャリブレーションテーブル2を作成するものである。
【0092】
ステップS33においてキャリブレーションテーブル1がダウンロードされている場合は、ステップS35においてプリンタコントローラ22によるキャリブレーションテーブル補正データの作成を行う。その補正データは次のように行う。
【0093】
まず最新のエンジン特性であるキャリブレーションデータ格納部21内の第2のエンジン特性214から図10の特性カーブ1に示すような特性カーブを近似式により得る。次にソフトキャリブレーション実施時のエンジン特性である第1のエンジン特性211から同様に特性カーブを近似式により得る。その後、それぞれに対して仮のキャリブレーションデータとして図4で前述したように結果的に図4Cの線形となるように逆関数カーブからテーブルを得て求める。キャリブレーション補正データはこれらの2つの仮のキャリブレーションテーブルの差分をとることにより作成する。すなわちその情報はエンジンセンサレベルの特性変化を表す情報である。
【0094】
次にステップS36においてプリンタコントローラ22ではキャリブレーションデータ格納部21に格納されたキャリブレーションテーブル2の更新を行う。その処理は上述のステップS35において作成したキャリブレーションテーブル補正データと、キャリブレーションデータ格納部21に格納されたキャリブレーションテーブル1のマージによって行う。
【0095】
ステップS37においては、作成されたキャリブレーションテーブル2をキャリブレーションデータ格納部21に格納する。
【0096】
次にステップS38において、第2のエンジン特性が更新された回数を示す更新カウンタ216をカウントアップする。その情報は後述するイメージモードにおいて使用される。
【0097】
これら一連の動作を図5を用いて説明する。図5aはソフトキャリブレーションによってPC1で生成、ダウンロードされプリンタ2のキャリブレーションデータ格納部21に格納された第1のキャリブレーションテーブルである。
【0098】
図5bにおいてプリンタエンジン23でCMYK最大濃度調整が発生し、プリンタコントローラ22、プリンタエンジン23間でエンジン特性2のやり取りが行われる。
【0099】
図5cではプリンタコントローラ23においてそのエンジン特性2およびソフトキャリブレーション時のエンジン特性1に基づき、上述したキャリブレーション補正データが作成され、キャリブレーションテーブル1とのマージが行われる。
【0100】
作成された最新のキャリブレーションテーブル2は、キャリブレーションデータ格納部21に第2のキャリブレーションテーブル215として格納される。プリンタコントローラ22は、常にキャリブレーションデータ格納部21に格納されたその第2のキャリブレーションテーブルを使用して、図12のステップS122に示したキャリブレーション処理を行う。
【0101】
次に図11(b)および図12を用いて、イメージモードを例にとり、イメージドライバおよびプリンタコントローラ22においてキャリブレーションデータを用いて画像処理を行う際の処理の流れを説明する。
【0102】
図11(b)はイメージドライバの処理のフローチャート12はコントローラの処理の流れを示す。まず図11(b)におけるステップS113においてクライアントPC4上のイメージドライバはキャリブレーションテーブルの作成を行う。
【0103】
この様子を図13を用いて説明する。図13においてまずステップS130によってキャリブレーションテーブル1のタイムスタンプの取得を行う。その処理はクライアントPC4内の情報取得部431によってプリンタ2のキャリブレーションデータ格納部21内のキャリブレーションテーブル1タイムスタンプ213を取得することによって行う。取得する際のプロトコル等はここでは言及しない。
【0104】
次にステップS131においてそのタイムスタンプを評価し、以前から更新されているか否かを判断する。いうまでもないが一度もキャリブレーションテーブル1を取得していない状態では判断の結果は真となる。ステップS131において真の場合はステップS132において上述の同様、情報取得部431によってプリンタ2のキャリブレーションデータ格納部21内の第1のエンジン特性211、第1のキャリブレーションテーブル212、第2のエンジン特性214を取得し、クライアントPC4内のキャリブレーションデータ格納部41に第1のエンジン特性411、第1のキャリブレーションテーブル412、第2のエンジン特性413として格納する。
【0105】
次にステップS136において、これら第1のエンジン特性411、第1のキャリブレーションテーブル412、第2のエンジン特性413を用いて第2のキャリブレーションテーブルの作成を行う。その処理についてはPDLモードを例に前述したプリンタコントローラ22における処理と同様である。
【0106】
すなわちまず最新のエンジン特性であるキャリブレーションデータ格納部41内の第2のエンジン特性413から図10の特性カーブ1に示すような特性カーブを近似式により得る。次にソフトキャリブレーション実施時のエンジン特性である第1のエンジン特性411から同様に特性カーブを近似式により得る。その後、それぞれに対して仮のキャリブレーションデータとして図4で前述したように結果的に図4Cの線形となるように逆関数カーブからテーブルを得て求める。
【0107】
キャリブレーション補正データはこれらの2つの仮のキャリブレーションテーブルの差分をとることにより作成する。次にそのキャリブレーションテーブル補正データと、キャリブレーションデータ格納部41に格納された第1のキャリブレーションテーブル412のマージによって最新の第2のキャリブレーションテーブル414を作成し格納する。
【0108】
図13のステップS131において偽の場合はステップS133において第2のエンジン特性更新カウンタの取得を行う。その処理は上述の情報取得部431によってプリンタ2のキャリブレーションデータ格納部21内の第2のエンジン特性更新カウンタ216を取得する。
【0109】
次にステップS134においてそのエンジン特性更新カウンタの値を評価し、以前から更新されているか否かを判断する。いうまでもないが一度もエンジン特性2を取得していない状態では判断の結果は真となる。そのカウンタは前述の通り、プリンタ内のエンジン23とコントローラ22間で実行される最大濃度調整およびそれに伴うコントローラ22による第2のキャリブレーションテーブル更新が発生する度にインクリメントされるカウンタである。
【0110】
すなわちクライアントPC4はそのカウンタがインクリメントされているか否かで、プリンタ2からキャリブレーション関連情報を取得するか否かを判断すればよい。これにより、更新されていない場合は情報取得を行う必要がないため、ネットワークトラフィックの負荷を軽減することが可能となる。
【0111】
ステップS134において真の場合はステップS135において情報取得部431によってプリンタ2の第2のエンジン特性214を取得し、クライアントPC4内のキャリブレーションデータ格納部41に第2のエンジン特性413として格納する。
【0112】
ここで直接プリンタ2の第2のキャリブレーションテーブルを取得してクライアントPC4で使用することも可能であるが、エンジン特性情報(数十バイト)に比べてそのキャリブレーションテーブル(数十KByte)のサイズは大きく、頻繁な取得はネットワークトラフィックへの負荷増大に繋がるため、第2のエンジン特性情報を取得し、クライアントPC4側で第2のキャリブレーションテーブルを作成する方式を取るものである。
【0113】
次にステップS136において、予め取得してキャリブレーションデータ格納部41に格納してある第1のエンジン特性411、第1のキャリブレーションテーブル412およびステップS135で取得した第2のエンジン特性413を用いて第2のキャリブレーションテーブルの作成を行う。その処理については前述と同様である。
【0114】
次に図11(b)におけるステップS114においてクライアントPC4上のイメージドライバは前述のPDLドライバ同様入力信号RGBに対してカラー微調整を行う。次にステップS115においてカラーマッチング処理を行う。
【0115】
イメージドライバでは次にステップS116において輝度濃度変換処理を行う。これは入力信号である輝度RGBからプリンタの印字信号である濃度CMYKへ変換するための処理である。次にステップS117においてキャリブレーション処理を行う。すなわちCMYK各8ビット多値信号を入出力信号とし、最新のキャリブレーションテーブルである第2のキャリブレーションテーブル414を用いて、出力特性を線形にするものである。
【0116】
次にステップS118においてそのCMYK各8ビット信号を出力系に即した信号に変換する。一般的にはCMYK各1ビットの信号への2値化を行う。この時点でデータはCMYK2値の信号であり、イメージモードではこの形態で次のステップS119においてクライアントPC4からプリンタ2へデータ送信を行う。
【0117】
次に図12におけるステップS120において、プリンタ2内のコントローラ22によってデータ解析を行う。ステップS120でクライアントPC4から送られてきたデータがイメージモードデータであると判断した場合は、以降の処理をスキップし、クライアントPC4から送信されたデータをそのままエンジン23へ送付することにより印刷を行う。
【0118】
これによりプリンタシステムにおけるイメージモードにおいてもキャリブレーションが適用された適正な出力を得る。
【0119】
以上、図2によってシステムを構成するコンピュータ装置およびカラープリンタ間で動作するキャリブレーションの流れを説明した。そのキャリブレーションによって、比較的カラー印字特性は安定させることが可能である。
【0120】
次に図8、図9を用いて、本発明におけるプリンタ較正システムのPC1におけるユーザインタフェース(UI)の流れを示す。本プリンタ較正システムは一種のアプリケーションとしてPC1上に構成される。
【0121】
ステップS80において本アプリケーションが起動されると、まずステップS81において必要なプリンタドライバ、スキャナドライバがPC1のシステムにインストールされているか否かの判断を行う。必要なドライバがインストールされていない場合はステップS814においてドライバチェックエラーの表示を行い、ステップS813において処理を終了する。
【0122】
ステップS81において必要なドライバがインストールされている場合は、ステップS82においてメイン画面の表示を行う。そのメイン画面の例を図9に示す。他の画面も基本的には図9のように、「次へ」「戻る」「キャンセル」「ヘルプ」のボタン押下により関連する他の画面へ移る。
【0123】
図9のメイン画面では、選択メニューとして「新規」「既存の測定データを開く」「ダウンロードデータの削除」の3種を用意している。ここで「新規」を選択して「次へ」を押下した場合は、ステップS84へ移る。
【0124】
ステップS84ではプリンタ2へのパッチデータの出力を行う。次にステップS87において、前述したとおりスキャナ3においてそのパッチデータの測定を行う。次にステップS88において、キャリブレーションの適用を行う。そのステップでは前述した図2におけるステップS23、S24、すなわちキャリブレーションデータの作成、そのデータのプリンタ2へのダウンロードを行う。
【0125】
ステップS88においてはステップS89、S810へ移行するためのボタンが用意されており、ユーザによるそのボタン押下で移行する。ステップS89は測定データの保存を可能とする画面であり、ステップS87で測定したスキャンデータを保存するものである。その保存ファイルは後述する既存の測定データを用いた処理の流れで使用することが可能となる。ステップS810は詳細情報を表示する画面であり、測定した濃度特性を表示する等の詳細情報を表示する。
【0126】
ステップS89、S810を抜けると、ステップS88へ戻る。次にステップS811において処理終了画面を表示する。その画面でアプリケーションの終了を指定するとステップS813で処理を終了し、メイン画面へ戻るを指定すると、ステップS82へ戻る。
【0127】
ステップS82のメイン画面で「測定データをひらく」を選択し「次へ」を押下すると、ステップS85において測定データを指示する画面となる。ここでは「参照」ボタン押下により、ステップS812の測定データの読み込み画面へ移行する。ここでは詳細に測定データを捜索することを可能とする。また、その測定データは前述したステップS89において保存したデータファイルである。
【0128】
次にステップS88においてキャリブレーション適用を行う。以降は前述した流れと同様である。
【0129】
ステップS82のメイン画面で「ダウンロードデータの削除」を選択し「次へ」を押下すると、ステップS86においてプリンタ2のキャリブレーションデータ格納部21内に格納されたキャリブレーションデータの削除を行う。これはPC1からプリンタ2へのコマンドによる指示により行うものであるが、コマンドについては言及しない。次に終了画面S811へ移行する。以降は前述と同様である。
【0130】
以上、図8、図9を用いて、PC1上でアプリケーションとして動作するプリンタ較正システムのユーザインタフェース(UI)の流れを示した。
【0131】
以上説明したように本実施形態によれば、サーバコンピュータからの指示によって、上述のカラープリンタからパッチデータを出力し、そのパッチデータを出力した際の、第1のエンジン特性情報を上述のカラープリンタから取得し保持し、上述のサーバコンピュータにおいてそのパッチデータを任意のスキャナから読み取る。
【0132】
そして、上述のサーバコンピュータにおいてその読み取ったスキャンデータに基づいて第1のキャリブレーションテーブルを作成し、上述のサーバコンピュータにおいてその作成した第1のキャリブレーションテーブルおよび上述の第1のエンジン特性情報およびダウンロード時間を示すタイムスタンプ情報を上述のカラープリンタへダウンロードする。
【0133】
そして、上述のカラープリンタを構成するプリンタコントローラにおいて、上述のサーバコンピュータからダウンロードされた第1のキャリブレーションテーブルおよび上述の第1のエンジン特性情報および第1のキャリブレーションテーブルダウンロードのタイムスタンプ情報を格納する。
【0134】
また、上述のカラープリンタを構成するプリンタエンジンにおいて任意のタイミングでCMYK各色の最大濃度を補正し、その最大濃度補正のタイミングで上述のプリンタコントローラからの問い合わせに対して、最新のエンジン特性情報である第2のエンジン特性情報を渡す。
【0135】
そして上述のプリンタコントローラにおいて、上述の第2のエンジン特性情報を格納し、上述の最大濃度補正発生の回数を示す第2のエンジン特性更新カウンタをカウントアップし、上述のプリンタコントローラにおいて、格納されている第2のエンジン特性情報および第1のエンジン特性情報に基づいてキャリブレーションテーブル補正データを作成する。
【0136】
上述のプリンタコントローラは、上述のキャリブレーションテーブル補正データと格納されている第1のキャリブレーションテーブルを用いて、第2のキャリブレーションテーブルを作成し、上述のプリンタコントローラにおいて、その第2のキャリブレーションテーブルを格納する。
【0137】
そして上述のプリンタコントローラにおいて、画像処理を行うPDLモードの際には、上述の第2のキャリブレーションテーブルを用いて画像処理を行い、画像処理後データを上述のプリンタエンジンへ送付することにより印刷を行う。
【0138】
このため、ユーザの負荷を軽減しかつ常に安定したカラー印字を行なうことができる。
【0139】
またネットワークを構成する複数のコンピュータ装置のうち、任意のクライアントコンピュータ上でラスタライズおよび2値化までを含めた画像処理を行うイメージモードの際、クライアントコンピュータにおいて、上述の第1のキャリブレーションテーブルのダウンロード時間を示すタイムスタンプ情報を取得する。
【0140】
そのタイムスタンプ情報によって上述の第1のキャリブレーションテーブルが更新されたか否かを判断する。更新されている場合、クライアントコンピュータにおいて、上述の第1のエンジン特性、第1のキャリブレーションテーブル、第2のエンジン特性をプリンタから取得し、これらから第2のキャリブレーションテーブルを作成する。
【0141】
上述の第1のキャリブレーションテーブルが更新されていない場合、クライアントコンピュータにおいて、上述の第2のエンジン特性の更新カウンタを取得し、その更新カウンタによって上述の第2のエンジン特性が更新されたか否かを判断する。更新されている場合第2のエンジン特性をプリンタから取得し、予め取得して格納してある上述の第1のエンジン特性、第1のキャリブレーションテーブルと、その取得した第2のエンジン特性から第2のキャリブレーションテーブルを作成する。
【0142】
イメージモードにおいては上述のクライアントコンピュータ上で上述の第2のキャリブレーションテーブルを用いて画像処理を行い、画像処理後データを上述のプリンタへ送付することにより印刷を行う。
【0143】
このため、プリンタシステムに用意されている各印刷モードに依らず、全てのモードでネットワークのトラフィックを極力抑えながら常に安定したカラー印字を行うことができる。
【0144】
なお、本実施形態は複数の機器から構成されるシステムに適用しても1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本実施形態はシステム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。この場合、本実施形態に係るプログラムを格納した記憶媒体が、本発明を構成する事になる。そして、その記憶媒体からそのプログラムをシステムあるいは装置に読み込ませることによって、そのシステムあるいは装置が予め定められた方法で動作する。
【0145】
(実施形態2)
実施形態1では、クライアントコンピュータにおいて第2のキャリブレーションテーブルを作成する場合について説明したが、実施形態2では、クライアントコンピュータにおいて第2のキャリブレーションテーブルを取得する場合について説明する。
【0146】
図14は、本実施形態2のプリンタ較正システムの構成を示すブロック図で、141はサーバPCであり、本システムを実現するソフトウェアがインストールされている。またサーバPC141はネットワーク145に接続されている。
【0147】
上述のサーバPC141内部に構成されるキャリブレーションデータ格納1411は、後述するキャリブレーションデータをサーバPC141内部に保持するために使用される。
【0148】
後述する第1のエンジン特性14111および第1のキャリブレーションテーブル,14112は、上述のキャリブレーションデータ格納部1411内に格納される。
【0149】
ネットワーク145に接続されたプリンタ142は、本システムにおける較正の対象となる装置である。そのプリンタ2はネットワーク上に接続された複数のPCからの指示により印字が行えるよう構成されている。
【0150】
上述のプリンタ142内部に構成されるキャリブレーションデータ格納部1421は、後述するキャリブレーションデータをプリンタ142内部に保持するために使用される。
【0151】
上述のサーバPC141からダウンロードされた第1のエンジン特性14211および第1のキャリブレーションテーブル14212およびそのキャリブレーションテーブルをダウンロードした時刻を示すタイムスタンプ情報14213は、上述のキャリブレーションデータ格納部1421内に格納される。
【0152】
後述するエンジンから取得した最新のエンジン特性である第2のエンジン特性14214および、後述する最新のキャリブレーションテーブルである第2のキャリブレーションテーブル14215および上述の最新のエンジン特性である第2のエンジン特性14214を取得する度にカウントアップされる第2のエンジン特性更新カウンタ14216は、上述のキャリブレーションデータ格納部1421内に格納される。
【0153】
上述のプリンタ2内部に構成されるプリンタコントローラ1422は、プリンタ2に関する様々な制御を司る。そのプリンタコントローラ1422は後述する第1のエンジン特性および第1のキャリブレーションテーブルおよびタイムスタンプ情報がPC141からダウンロードされた際に上述のキャリブレーションデータ格納部1421へ格納したり、後述するように上述のキャリブレーションデータ格納部1421内の第2のキャリブレーションテーブルを更新する役割やキャリブレーションデータ格納部1421内のデータを後述するクライアントPCへ送信する役割も担う。
【0154】
上述のプリンタ142内部に構成されるプリンタエンジン1423は、基本的には上述のプリンタコントローラ1422からの印字データを出力する部分であるが、後述するエンジン特性情報を上述のプリンタコントローラ1422へ送信したり、後述するエンジン特性における最大濃度の調整を行う役割も担う。
【0155】
上述のサーバPC141に接続されたスキャナ143は、本システムにおいては上述のプリンタ142において出力したパッチデータを測定するために使用するが、原稿を入力するといった本来の用途としても使用可能である。
【0156】
ネットワーク上に接続されたクライアントPC144は、所望の印字データの作成、編集、印字の指示等を行う。そのクライアントPC144における処理には上述のプリンタ142のコントローラ1422においてラスタライズや2値化を行い、本クライアントPC144からはプリンタ142に対してRGB多値でデータ送付するPDLモードと、本クライアントPC144上でラスタライズや2値化を含めた画像処理を行いプリンタ142に対して上述のエンジン1423が出力しやすい形態の例えばCMYK2値データを送付するイメージモードが存在する。なおここでは2値を例に説明を行うが、これらはエンジン出力の形態に依存するものであり4値や16値等でも同様である。
【0157】
これらの2つのモードは図示しないプリンタドライバのユーザインタフェース等によってユーザが切り替えて用いる場合や、図示しないがクライアント上のユーティリティによって自動的に切り替えて用いる場合が考えられる。これらの2モードの詳細な処理に付いては後述する。
【0158】
上述のクライアントPC144内部に構成されるキャリブレーションデータ格納部1441は、後述するキャリブレーションデータをクライアントPC144内部に保持するために使用する。14411は上述のキャリブレーションデータ格納部1441内に格納される、上述のプリンタ142からアップロードされた最新のキャリブレーションテーブルである第2のキャリブレーションテーブルである。
【0159】
上述のクライアントPC144内部に構成される画像処理部1442は、後述する画像処理を行う。1443はプリンタ2から第2のキャリブレーションテーブルをアップロードし、上述のキャリブレーションデータ格納部1441内に格納するための情報取得部である。
【0160】
図2および図3は、較正(キャリブレーション)を行うためのフローチャートである。
【0161】
図2はシステムを構成するコンピュータ装置およびカラープリンタ装置間で動作するキャリブレーションのフローチャートである。ここではまずステップS20においてPC141からプリンタ142へパッチデータを出力するよう指示し、プリンタ142においてパッチデータの出力を行う。
【0162】
そのパッチデータの例を図6に示す。図6の例では、1ページ内に縦横それぞれ32分割した総計1024のブロックを用意する。横方向には印刷トナーの基本色であるCyan.Magenta,Yellow,Black別にブロックを配置する。各ブロック内に記述された数値は配列の添字を示すが、内部的にはその添字に対してそれぞれ出力データが対応付けられており、その添字自体は実際には出力されない。
【0163】
すなわち図6においては、配列0から31のハイライト側は32階調を4個所、配列33から63のシャドウ側は16階調を8個所にブロックを配置している。ハイライト、シャドウの階調数の差異は、本システムにおいてはシャドウ側に比べてハイライト側は綿密な階調情報を必要とするためである。またハイライト、シャドウの配置数の差異は、スキャナにおける入力値のばらつきがハイライト側に比べてシャドウ側の方が多い傾向があるためである。
【0164】
そのパッチデータは上述のごとくPC141からの指示によってプリンタ142から出力されるものであるが、プリンタ142内で上述のフォーマットのパッチデータを構成する情報を所有しておき、PC141からの指示でその情報を元にパッチデータを生成してもよいし、PC141側でそのパッチデータ構成情報をプリンタ142に送信することにより、パッチデータを生成してもよい。そのパッチデータ構成情報とはプリンタ142所有のコマンド系に依存するものであるが、ここでは言及しない。
【0165】
図2のステップS21において、そのパッチデータ出力直後に当そのパッチ出力時のエンジン特性情報を取得する。そのエンジン特性取得は、サーバPC141から上述のプリンタ142内のキャリブレーションデータ格納部1421内に格納されている最新のエンジン特性である第2のエンジン特性を取得することにより行う。データ取得に関するコマンド系についてもここでは言及しない。
【0166】
ステップS21ではサーバPC141により、取得した第2のエンジン特性を第1のエンジン特性14111としてキャリブレーションデータ格納部1411内に格納する。第1のエンジン特性14111は、上述のパッチデータを出力した際のエンジン特性として、後述する第1のキャリブレーションテーブルに対応付けられる。そのエンジン特性の詳細については後述する。
【0167】
図2のステップS22において、スキャナ143によって上述の出力されたパッチデータの測定を行う。スキャナ143では、上述したパッチデータの各ブロックのRGB信号値を入力し、PC141に値を返す。PC141ではその入力値から、上述のパッチデータのブロックの配置に基づき、ハイライト側は4個所の平均、シャドウ側は8個所の平均を算出し、結果としてCMYK各色48階調のRGB信号値を得る。ここであらかじめ用意された、スキャナ143のRGB輝度信号とプリンタ142のCMYK濃度信号の対応を示す輝度濃度変換テーブル(図示しない)を用いて、その48階調の輝度信号から48階調の濃度特性値を得ることができる。
【0168】
ここでは詳細には触れないが、スキャンは通常PC141上に構成されるスキャナドライバを通して実行される。そのスキャナドライバによって、スキャン解像度の設定や入力領域の指定等が行われる。
【0169】
次にステップS23において、PC141によってキャリブレーションテーブルの作成が行われる。この様子を図4を用いて説明する。上述の各色48階調の濃度特性値を図4(a)に示す。ここでは簡単のため一色しか図示しないが、実際はCMYK4色について同様の処理を行う。
【0170】
図4において、入力、出力の関係カーブが示されるが、これは上述の48階調から補間計算により求めるものである。これに対して、ここでは濃度特性の理想値は図4(c)に示すような線形カーブと規定する。従って、現状の濃度特性(a)を理想濃度(c)に近づけるために、逆関数によって図4(b)に示すキャリブレーションテーブルを求める。すなわち特性(a)に対して(b)を適用することにより、結果として(c)を得るものである。
【0171】
ステップS23においては、サーバPC141によって、作成された上述のキャリブレーションテーブルを第1のキャリブレーションテーブル14112としてキャリブレーションデータ格納部1411内に格納する。
【0172】
次にステップS24において、PC141によりそのキャリブレーションデータ格納部1411内の第1のエンジン特性14111および第1のキャリブレーションテーブル14112のプリンタ2へのダウンロードを行う。またこの際ダウンロードの時刻を示すタイムスタンプ情報も合わせてダウンロードする。この際のダウンロードコマンド等はプリンタ142のコマンド系に依存するがここでは言及しない。
【0173】
そのダウンロードされた第1のエンジン特性14111および第1のキャリブレーションテーブル14112およびタイムスタンプ情報は、プリンタコントローラ1422を介してキャリブレーションデータ格納部1421内に、第1のエンジン特性14211および第1のキャリブレーションテーブル14212およびタイムスタンプ14213として格納される。
【0174】
プリンタ142においてダウンロードデータを受信する際のプリンタコントローラ1422の処理の流れを図7を用いて説明する。図7のステップS70においてデータ受信がされたか否かの判定を行う。受信されていない場合はステップS70を繰り返す。受信された場合はステップS71においてデータ解析を行う。
【0175】
その解析結果の判定をステップS72で行うが、キャリブレーションダウンロードコマンドである場合はステップS73において、そのデータがエンジン特性であるか否かの判定を行い、エンジン特性である場合はステップS74において上述のとおりキャリブレーションデータ格納部1421内に、第1のエンジン特性f14211としてエンジン特性1の登録を行う。
【0176】
ステップS73においてエンジン特性でない場合はステップS75において、そのデータがキャリブレーションテーブルであるか否かの判定を行い、キャリブレーションテーブルである場合はステップS76において上述のとおりキャリブレーションデータ格納部1421内に、第1のキャリブレーションテーブル14212としてキャリブレーションテーブル1の登録を行う。
【0177】
ステップS75においてキャリブレーションテーブルでない場合はタイムスタンプであると判断し、ステップS77において上述のとおりキャリブレーションデータ格納部1421内に、第1のキャリブレーションテーブルダウンロードのタイムスタンプ14213としてタイムスタンプの登録を行う。
【0178】
ステップS72において、キャリブレーションダウンロードでないと判断された場合はステップS78においてそれぞれの処理を行う。
【0179】
通常印字データはクライアントPC144上のアプリケーションからクライアントPC144上のプリンタドライバを経由してプリンタ142へ流される。プリンタ142内のプリンタコントローラ1422では上述した図7のステップS78等において印字データの解析、ページレイアウトの構成、画像処理、印字等を行う。
【0180】
そのクライアントPC144におけるドライバの処理には前述の通り、プリンタ142のコントローラ1422においてラスタライズや2値化を行い、クライアントPC144からはプリンタ142に対してRGB多値でデータ送付するPDLモードと、クライアントPC144上でラスタライズや2値化を含めた画像処理を行いプリンタ142に対して上述のエンジン1423が出力しやすい形態の例えばCMYK2値データを送付するイメージモードが存在し、それぞれのドライバであるPDLドライバ、イメージドライバを用いて処理を行う。
【0181】
ここで図15(a)および図12を用いて、PDLモードを例にとり、PDLドライバおよびプリンタコントローラ1422においてキャリブレーションデータを用いて画像処理を行う際の処理の流れを説明する。なおイメージモードの例は後述する。
【0182】
図15(a)はPDLドライバの処理のフローチャート12はコントローラの処理の流れを示す。まず図15(a)におけるステップS150においてクライアントPC144上のPDLドライバは入力信号RGBに対してカラー微調整を行う。そのカラー微調整とは輝度補正やコントラスト補正である。
【0183】
次にステップS151においてカラーマッチング処理を行う。そのカラーマッチング処理とはモニタの色味とプリンタ印字の色味を合わせるための処理である。この時点でデータはRGB多値の信号であるが、PDLモードではこの形態で次のステップS152においてクライアントPC144からプリンタ142へデータ送信を行う。
【0184】
次に図12におけるステップS120において、プリンタ142内のコントローラ1422によってデータ解析を行う。ステップS120でクライアントPC144から送られてきたデータがPDLモードデータであると判断した場合は、ステップS121において輝度濃度変換処理を行う。これは入力信号である輝度RGBからプリンタの印字信号である濃度CMYKへ変換するための処理である。
【0185】
次にステップS122においてキャリブレーション処理を行う。すなわちCMYK各8ビット多値信号を入出力信号とし、最新のキャリブレーションテーブルであるキャリブレーションテーブル2を用いて、出力特性を線形にするものである。
【0186】
次にステップS123においてそのCMYK各8ビット信号を出力系に即した信号に変換する。一般的にはCMYK各1ビットの信号への2値化を行う。これによりプリンタシステムにおいてキャリブレーションが適用された適正な出力を得る。
【0187】
以上、図2によってシステムを構成するコンピュータ装置およびカラープリンタ間で動作するキャリブレーションの流れを説明した。そのキャリブレーションによって、比較的カラー印字特性は安定させることが可能であるが、エンジン特性は例えば連続印字等によりドラム温度が上昇することにより比較的容易に変化する傾向が見られ、そのキャリブレーションのみで常に安定したカラー印字を得るためにはユーザはそのキャリブレーションを頻繁に行う必要が生じる。そこでユーザの負担を軽減し、かつキャリブレーションの精度を向上するために、本発明では次に示すようにデバイスキャリブレーションとの組み合わせを提案するものである。
【0188】
図3は本発明におけるカラープリンタ142を構成するプリンタコントローラ1422、プリンタエンジン1423間で動作するキャリブレーションの流れを説明するフローチャートである。
【0189】
そのデバイスキャリブレーションは、例えばプリンタエンジン1423内部に設置された図示しない温度・湿度センサの変化や、印刷枚数、ドラムやトナーカートリッジの交換時等、エンジン特性が変化する可能性の高いイベントをトリガにしてプリンタエンジン1423、プリンタコントローラ1422間において実行される。そのイベントについては他にも考慮できるがここでは言及しない。
【0190】
ここではまずステップS31においてプリンタエンジン1423においてCMYK各色の最大濃度の調整を行う。通常プリンタエンジンでは設計時の目標最大濃度が決められているが、経年変化によってその濃度が上下に振れる。本ステップでは図示しない現像系例えばドラム上のセンサにより現状のCMYK各色における最大濃度値を得て、その値が振れている場合は現像バイアス値等を制御することにより、適正な最大濃度調整を行う。
【0191】
この際の濃度特性カーブの動きを図10を用いて説明する。図10における特性カーブ2は、最大濃度調整前の濃度特性カーブを示した例であり、特性カーブ1は最大濃度調整後の濃度特性カーブを示した例である。まずここでは特性カーブ2の最大濃度はmax2を示している。上述のトリガによって最大濃度調整が開始されると、まずドラム上のセンサにより現状の最大濃度値がmax2であることを検知する。最大濃度値の目標値はmax1であるため、プリンタエンジン1423は現像バイアス値等を制御し、最大濃度がmax1となるよう調整を行う。
【0192】
次にステップS32において最新のエンジン特性であるエンジン特性2の取得を行う。その処理は、プリンタコントローラ1422からの要求に応えて、プリンタエンジン1423からプリンタコントローラ1422へ、数点の中間濃度センサ値を返すことにより行う。
【0193】
この様子を図10を用いて説明する。図10においては説明のために4点の中心濃度センサ値を例に取るが、その点数についてはこの限りではない。横軸上のABCDは、予め決められた入力値であり、縦軸のabcdは各入力値に対応した図示しない現像系例えばドラム上のセンサが返した濃度値である。プリンタエンジン1423はプリンタコントローラ1422と通信を行い、そのabcdの4点をプリンタコントローラ1422へ渡す。その通信方法についてはここでは言及しないが、双方向の何らかのプロトコルで実現する。
【0194】
ちなみに最大濃度調整前における中間濃度センサ値はa’b’c’d’であり、最大濃度調整によりabcdへ変動する。つまり中間濃度センサ値すなわちエンジン特性は、最大濃度調整に大きく影響を受けるため、常に一連の流れとして最大濃度調整、エンジン特性取得の順に処理を行う必要がある。
【0195】
一般的に上述の現像系のセンサは、センサそのものの特性のばらつきがあるため、絶対的な濃度値を確実に得る精度はない。ただし同一のセンサにおいては現像系の特性が変化した場合、その変化に応じたセンサ値を返す。すなわち絶対的な精度は低いが、相対的な精度は期待できる。
【0196】
次にステップS33において、キャリブレーションデータ格納部1421内にキャリブレーションテーブル1がダウンロードされているか否かの判定を行う。キャリブレーションテーブル1がダウンロードされていない場合は、ステップS34において従来のデバイスキャリブレーションと同様の手法でキャリブレーションテーブル2を作成する。
【0197】
その処理は図10の特性カーブ1を用いて説明する。従来のデバイスキャリブレーションでは、まずエンジン特性である中間濃度センサ値abcdから近似式によって特性カーブ1を得、図4を用いて前述したように目標とする特性を得るための逆関数を生成することによってキャリブレーションテーブル2を作成するものである。
【0198】
ステップS33においてキャリブレーションテーブル1がダウンロードされている場合は、ステップS35においてプリンタコントローラ1422によるキャリブレーションテーブル補正データの作成を行う。その補正データは次のように行う。
【0199】
まず最新のエンジン特性であるキャリブレーションデータ格納部1421内の第2のエンジン特性14213から図10の特性カーブ1に示すような特性カーブを近似式により得る。次にソフトキャリブレーション実施時のエンジン特性である第1のエンジン特性14211から同様に特性カーブを近似式により得る。その後、それぞれに対して仮のキャリブレーションデータとして図4で前述したように結果的に図4Cの線形となるように逆関数カーブからテーブルを得て求める。キャリブレーション補正データはこれらの2つの仮のキャリブレーションテーブルの差分をとることにより作成する。すなわちその情報はエンジンセンサレベルの特性変化を表す情報である。
【0200】
次にステップS36においてプリンタコントローラ1422ではキャリブレーションデータ格納部1421に格納されたキャリブレーションテーブル2の更新を行う。その処理は上述のステップS35において作成したキャリブレーションテーブル補正データと、キャリブレーションデータ格納部1421に格納されたキャリブレーションテーブル1のマージによって行う。
【0201】
ステップS37においては、作成されたキャリブレーションテーブル2をキャリブレーションデータ格納部1421に格納する。
【0202】
次にステップS38において、第2のエンジン特性が更新された回数を示す更新カウンタ14216をカウントアップする。その情報は後述するイメージモードにおいて使用される。
【0203】
これら一連の動作を図5を用いて説明する。図5(a)はソフトキャリブレーションによってPC141で生成、ダウンロードされプリンタ142のキャリブレーションデータ格納部1421に格納された第1のキャリブレーションテーブルである。
【0204】
図5(b)においてプリンタエンジン1423でCMYK最大濃度調整が発生し、プリンタコントローラ1422、プリンタエンジン1423間でエンジン特性2のやり取りが行われる。
【0205】
図5(c)ではプリンタコントローラ1423においてそのエンジン特性2およびソフトキャリブレーション時のエンジン特性1に基づき、上述したキャリブレーション補正データが作成され、キャリブレーションテーブル1とのマージが行われる。
【0206】
作成された最新のキャリブレーションテーブル2は、キャリブレーションデータ格納部1421に第2のキャリブレーションテーブル14214として格納される。プリンタコントローラ1422は、常にキャリブレーションデータ格納部1421に格納されたその第2のキャリブレーションテーブルを使用して図12のステップS122に示したキャリブレーション処理を行う。
【0207】
次に図15(b)および図12を用いて、イメージモードを例にとり、イメージドライバおよびプリンタコントローラ1422においてキャリブレーションデータを用いて画像処理を行う際の処理の流れを説明する。
【0208】
図15(b)はイメージドライバの処理のフローチャート12はコントローラの処理の流れを示す。まず図15(b)におけるステップS153においてクライアントPC144上のイメージドライバはキャリブレーションテーブルの取得を行う。
【0209】
この様子を図16を用いて説明する。図16においてまずステップS161によって第2のエンジン特性更新カウンタの取得を行う。その処理は上述の情報取得部1443によってプリンタ142のキャリブレーションデータ格納部1421内の第2のエンジン特性更新カウンタ14216を取得する。
【0210】
次にステップS162においてそのエンジン特性更新カウンタの値を評価し、以前から更新されているか否かを判断する。いうまでもないが一度もキャリブレーションテーブル2を取得していない状態では判断の結果は真となる。そのカウンタは前述の通り、プリンタ内のエンジン1423とコントローラ22間で実行される最大濃度調整およびそれに伴うコントローラ1422による第2のキャリブレーションテーブル更新が発生する度にインクリメントされるカウンタである。
【0211】
すなわちクライアントPC144はそのカウンタがインクリメントされているか否かで、プリンタ142からキャリブレーションテーブル2を取得するか否かを判断すればよい。これにより、更新されていない場合は情報取得を行う必要がないため、ネットワークトラフィックの負荷を軽減することが可能となる。ステップS162において真の場合は、ステップS163において第2のキャリブレーションテーブルの取得を行う。その処理については前述と同様である。
【0212】
次に図15(b)におけるステップS154においてクライアントPC144上のイメージドライバは前述のPDLドライバ同様入力信号RGBに対してカラー微調整を行う。次にステップS155においてカラーマッチング処理を行う。
【0213】
イメージドライバでは次にステップS156において輝度濃度変換処理を行う。これは入力信号である輝度RGBからプリンタの印字信号である濃度CMYKへ変換するための処理である。次にステップS157においてキャリブレーション処理を行う。すなわちCMYK各8ビット多値信号を入出力信号とし、最新のキャリブレーションテーブルである第2のキャリブレーションテーブル14411を用いて、出力特性を線形にするものである。
【0214】
次にステップS118においてそのCMYK各8ビット信号を出力系に則した信号に変換する。一般的にはCMYK各1ビットの信号への2値化を行う。この時点でデータはCMYK2値の信号であり、イメージモードではこの形態で次のステップS159においてクライアントPC4からプリンタ2へデータ送信を行う。
【0215】
次に図12におけるステップS120において、プリンタ142内のコントローラ1422によってデータ解析を行う。ステップS120でクライアントPC144から送られてきたデータがイメージモードデータであると判断した場合は、以降の処理をスキップし、クライアントPC144から送信されたデータをそのままエンジン1423へ送付することにより印刷を行う。
【0216】
これによりプリンタシステムにおけるイメージモードにおいてもキャリブレーションが適用された適正な出力を得る。
【0217】
以上、図2によってシステムを構成するコンピュータ装置およびカラープリンタ間で動作するキャリブレーションの流れを説明した。そのキャリブレーションによって、比較的カラー印字特性は安定させることが可能である。
【0218】
次に図8、図9を用いて、本発明におけるプリンタ較正システムのPC141におけるユーザインタフェース(UI)の流れを示す。本プリンタ較正システムは一種のアプリケーションとしてPC141上に構成される。
【0219】
ステップS80において本アプリケーションが起動されると、まずステップS81において必要なプリンタドライバ、スキャナドライバがPC141のシステムにインストールされているか否かの判断を行う。必要なドライバがインストールされていない場合はステップS814においてドライバチェックエラーの表示を行い、ステップS813において処理を終了する。
【0220】
ステップS81において必要なドライバがインストールされている場合は、ステップS82においてメイン画面の表示を行う。そのメイン画面の例を図9に示す。他の画面も基本的には図9のように、「次へ」「戻る」「キャンセル」「ヘルプ」のボタン押下により関連する他の画面へ移る。
【0221】
図9のメイン画面では、選択メニューとして「新規」「既存の測定データを開く」「ダウンロードデータの削除」の3種を用意している。ここで「新規」を選択して「次へ」を押下した場合は、ステップS84へ移る。
【0222】
ステップS84ではプリンタ142へのパッチデータの出力を行う。次にステップS87において、前述したとおりスキャナ143においてそのパッチデータの測定を行う。次にステップS88において、キャリブレーションの適用を行う。そのステップでは前述した図2におけるステップS23,S24、すなわちキャリブレーションデータの作成、そのデータのプリンタ142へのダウンロードを行う。
【0223】
ステップS88においてはステップS89,S810へ移行するためのボタンが用意されており、ユーザによるそのボタン押下で移行する。ステップS89は測定データの保存を可能とする画面であり、ステップS87で測定したスキャンデータを保存するものである。その保存ファイルは後述する既存の測定データを用いた処理の流れで使用することが可能となる。ステップS810は詳細情報を表示する画面であり、測定した濃度特性を表示する等の詳細情報を表示する。
【0224】
ステップS89,S810を抜けると、ステップS88へ戻る。次にステップS811において処理終了画面を表示する。その画面でアプリケーションの終了を指定するとステップS813で処理を終了し、メイン画面へ戻るを指定すると、ステップS82へ戻る。
【0225】
ステップS82のメイン画面で「測定データをひらく」を選択し「次へ」を押下すると、ステップS85において測定データを指示する画面となる。ここでは「参照」ボタン押下により、ステップS812の測定データの読み込み画面へ移行する。ここでは詳細に測定データを捜索することを可能とする。また、その測定データは前述したステップS89において保存したデータファイルである。
【0226】
次にステップS88においてキャリブレーション適用を行う。以降は前述した流れと同様である。
【0227】
ステップS82のメイン画面で「ダウンロードデータの削除」を選択し「次へ」を押下すると、ステップS86においてプリンタ142のキャリブレーションデータ格納部1421内に格納されたキャリブレーションデータの削除を行う。これはPC141からプリンタ142へのコマンドによる指示により行うものであるが、コマンドについては言及しない。次に終了画面S811へ移行する。以降は前述と同様である。
【0228】
以上、図8,図9を用いて、PC141上でアプリケーションとして動作するプリンタ較正システムのユーザインタフェース(UI)の流れを示した。
【0229】
以上説明したように本実施形態によれば、サーバコンピュータからの指示によって、上述のカラープリンタからパッチデータを出力し、そのパッチデータを出力した際の、第1のエンジン特性情報を上述のカラープリンタから取得し保持し、上述のサーバコンピュータにおいてそのパッチデータを任意のスキャナから読み取る。
【0230】
そして、上述のサーバコンピュータにおいてその読み取ったスキャンデータに基づいて第1のキャリブレーションテーブルを作成し、上述のサーバコンピュータにおいてその作成した第1のキャリブレーションテーブルおよび上述の第1のエンジン特性情報およびダウンロード時間を示すタイムスタンプ情報を上述のカラープリンタへダウンロードする。
【0231】
そして、上述のカラープリンタを構成するプリンタコントローラにおいて、上述のサーバコンピュータからダウンロードされた第1のキャリブレーションテーブルおよび上述の第1のエンジン特性情報および第1のキャリブレーションテーブルダウンロードのタイムスタンプ情報を格納する。
【0232】
また、上述のカラープリンタを構成するプリンタエンジンにおいて任意のタイミングでCMYK各色の最大濃度を補正し、上述のプリンタエンジンにおいて、上述の最大濃度補正のタイミングで上述のプリンタコントローラからの問い合わせに対して最新のエンジン特性情報である第2のエンジン特性情報を渡す。
【0233】
そして、上述のプリンタコントローラにおいて、上述の第2のエンジン特性情報を格納し、上述のプリンタコントローラにおいて上述の最大濃度補正発生の回数を示す第2のエンジン特性更新カウンタをカウントアップし、上述のプリンタコントローラにおいて、格納されている第2のエンジン特性情報および第1のエンジン特性情報に基づいてキャリブレーションテーブル補正データを作成する。
【0234】
上述のプリンタコントローラは、上述のキャリブレーション補正データと格納されている第1のキャリブレーションテーブルを用いて、第2のキャリブレーションテーブルを作成し、上述のプリンタコントローラにおいて、その第2のキャリブレーションテーブルを格納する。
【0235】
そして、上述のプリンタコントローラにおいて、画像処理を行うPDLモードの際には、上述の第2のキャリブレーションテーブルを用いて画像処理を行い、画像処理後データを上述のプリンタエンジンへ送付することにより印刷を行う。
【0236】
このため、ユーザの負荷を軽減しかつ常に安定したカラー印字を行うことができる。
【0237】
またネットワークを構成する複数のコンピュータ装置のうち、任意のクライアントコンピュータ上でラスタライズおよび2値化までを含めた画像処理を行うイメージモードの際、クライアントコンピュータにおいて、上述の第2のエンジン特性の更新カウンタを取得する。
【0238】
そして、その更新カウンタによって上述の第2のエンジン特性が更新されたか否かを判断し、更新されている場合、第2のキャリブレーションテーブルを取得し、イメージモードにおいては上述のクライアントコンピュータ上で上述の第2のキャリブレーションテーブルを用いて画像処理を行い、画像処理後データを上述のプリンタへ送付することにより印刷を行う。
【0239】
このため、プリンタシステムに用意されている各印刷モードに依らず、全てのモードでネットワークのトラフィックを極力抑えなら常に安定したカラー印字を行うことができる。
【0240】
なお、本実施形態は複数の機器から構成されるシステムに適用しても1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本実施形態はシステム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。この場合、本実施形態に係るプログラムを格納した記憶媒体が、本発明を構成する事になる。そして、その記憶媒体からそのプログラムをシステムあるいは装置に読み込ませることによって、そのシステムあるいは装置が予め定められた方法で動作する。
【0241】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、プリンタとサーバシステムとがネットワークに接続されているプリンタ較正システムにおいて、サーバシステムは、プリンタに指示しパッチデータを出力し、パッチデータ出力直後のプリンタのエンジンの特性情報を、第1のエンジン特性情報としてプリンタから取得し、出力したパッチデータをスキャナにより取り込み、パッチデータに基づいて第1の較正データを作成し、第1の較正データおよび第1のエンジン特性情報のダウンロードを、プリンタに対して行う。
【0242】
また、プリンタは、コントローラが、エンジンの最新の特性情報を第2のエンジン特性情報として、エンジンから取得し、コントローラが、少なくとも第2のエンジン特性情報を用いて、ダウンロードの状況に基づき第2の較正データを作成する。プリンタはページ記述言語に基づく印刷モードの場合に、コントローラが第2の較正データを用いて画像処理を行い、画像処理後のデータをエンジンへ送ることにより印刷を行う。
【0243】
このため、プリンタの安定的な印字結果が得られ、特に高価な濃度計等を購入することなく、既存の装置を用いて精度の高い較正環境を提供することができる。またユーザの負荷も軽減することが可能となる。またページ記述言語に基づく印刷モードにおいてネットワークへの負荷を抑えながら同様のキャリブレーションを行うことができる。
【0244】
また、本発明によれば、さらにクライアントシステムが上述のネットワークに接続されており、クライアントシステムは、プリンタから更新情報を取得し、更新情報に基づいてプリンタから情報を取得して、第2の較正データを作成する。クライアントシステムはイメージモードの場合に、作成した上述の第2の較正データを用いて画像処理を行い、画像処理後のデータをプリンタへ送ることにより印刷を行う。
【0245】
このため、またページ記述言語に基づく印刷モードのみならずイメージモードにおいてもネットワークへの負荷を抑えながら同様のキャリブレーションを行うことができるため、モードに依らず常に安定したカラー印字を得ることが可能となる。
【0246】
また、本発明によれば、さらにクライアントシステムがネットワークに接続されており、プリンタは、上述の第2のエンジン特性情報を取得する回数に応じて、コントローラがカウンタを更新し、クライアントシステムは、プリンタからカウンタの値を取得し、カウンタの値によりカウンタが更新されたと判断された場合に、プリンタから第2の較正データを取得する。クライアントシステムはイメージモードの場合に、取得した上述の第2の較正データを用いて画像処理を行い、画像処理後のデータをプリンタへ送ることにより印刷を行う。
【0247】
これにより、イメージモードにおいては、キャリブレーションテーブルそのものを取得することによりイメージモードにおけるキャリブレーションテーブル作成の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0248】
また、本発明によれば、コントローラおよびエンジンを有し、コントローラがエンジンの最新の特性情報をエンジンから取得し、較正データを作成するプリンタを制御するプリンタ較正装置は、プリンタに指示してパッチデータを出力し、パッチデータ出力直後のエンジンの特性情報を、第1のエンジン特性情報としてプリンタから取得し、プリンタから出力したパッチデータをスキャナにより取り込み、それに基づいて第1の較正データを作成し、プリンタに第2の較正データを作成させるべく、作成された上記第1の較正データおよび上記第1のエンジン特性情報のダウンロードを、プリンタに対して行う。
【0249】
そしてプリンタ較正装置は、プリンタにページ記述言語に基づく印刷を行わせる場合に、コントローラに上記第2の較正データを用いて画像処理を行わせ、その画像処理後のデータをエンジンへ送らせることにより印刷を行わせる。
【0250】
このため、プリンタの安定的な印字結果が得られ、特に高価な濃度計等を購入することなく、既存の装置を用いて精度の高い較正環境を提供することができる。またユーザの負荷も軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のプリンタ較正システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明実施形態の第1のプリンタ較正の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明実施形態の第2のプリンタ較正の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明実施形態のキャリブレーションデータ作成の概念を示す概念図である。
【図5】本発明実施形態のキャリブレーションデータ作成の流れを示す概念図である。
【図6】本発明実施形態のプリンタ較正システムで用いるパッチデータの例を示す図である。
【図7】本発明実施形態のプリンタ装置において、キャリブレーションデータダウンロードコマンド受信時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明実施形態のアプリケーションにおけるUIの流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明実施形態のアプリケーションにおけるUIの一例を示す図である。
【図10】本発明実施形態の第2のキャリブレーションにおけるキャリブレーションデータ作成の概念を示す概念図である。
【図11】本発明実施形態のドライバにおける画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明実施形態のプリンタにおける画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明実施形態のクライアントPCにおけるキャリブレーションデータ作成の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明実施形態のプリンタ較正システムの構成例を示すブロック図である。
【図15】本発明実施形態のドライバにおける画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】本発明実施形態のクライアントPCにおけるキャリブレーション作成の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1、141 サーバPC
11、1411 キャリブレーションデータ格納部
2、142 プリンタ
21、1421 キャリブレーションデータ格納部
22、1422 プリンタコントローラ
23、1423 プリンタエンジン
4、144 クライアントPC
41、1441 キャリブレーションデータ格納部
42、1442 画像処理部
43、1443 情報取得部
Claims (4)
- コントローラおよびエンジンを有するプリンタとサーバシステムとがネットワークに接続されているプリンタ較正システムにおいて、
前記サーバシステムは、
前記プリンタに指示してパッチデータを出力する出力手段と、
前記パッチデータ出力直後の前記エンジンの特性情報を、第1のエンジン特性情報として前記プリンタから取得する第1のエンジン情報取得手段と、
前記プリンタから出力した前記パッチデータをスキャナにより取り込み、該パッチデータに基づいて第1の較正データを作成する第1の較正データ作成手段と、
該第1の較正データ作成手段により作成された第1の較正データおよび前記第1のエンジン特性情報のダウンロードを、前記プリンタに対して行うダウンロード手段とを備え、
前記プリンタは、
前記コントローラが、前記エンジンの最新の特性情報を第2のエンジン特性情報として、前記エンジンから取得する第2のエンジン情報取得手段と、
前記コントローラが、前記ダウンロードが行われた場合、前記第1のエンジン特性情報に基づく特性カーブと前記第2のエンジン特性情報に基づく特性カーブとの差分からキャリブレーション補正データを生成し、該キャリブレーション補正データと前記第1の較正データをマージすることで、第2の較正データを作成し、前記ダウンロードが行なわれていない場合、前記第2のエンジン特性情報のみを用いて第2の較正データを作成する第2の較正データ作成手段とを備え、
前記コントローラが前記第2の較正データを用いて画像処理を行い、当該行った画像処理後のデータを前記エンジンへ送ることにより印刷を行うことを特徴とするプリンタ較正システム。 - サーバに接続されたコントローラおよびエンジンを有するプリンタ装置であって、
前記サーバは、
前記プリンタに指示してパッチデータを出力する出力手段と、
前記パッチデータ出力直後の前記エンジンの特性情報を、第1のエンジン特性情報として前記プリンタから取得する第1のエンジン情報取得手段と、
前記プリンタから出力した前記パッチデータをスキャナにより取り込んだ結果に基づいて第1の較正データを作成する第1の較正データ作成手段と、
該第1の較正データ作成手段により作成された第1の較正データおよび前記第1のエンジン特性情報を、前記プリンタに対して行うダウンロードするダウンロード手段とを備え、
前記プリンタ装置では、
前記コントローラが、前記エンジンの最新の特性情報を第2のエンジン特性情報として、前記エンジンから取得する第2のエンジン情報取得手段と、
前記コントローラが、前記ダウンロードが行われた場合、前記第1のエンジン特性情報に基づく特性カーブと前記第2のエンジン特性情報に基づく特性カーブとの差分からキャリブレーション補正データを生成し、該キャリブレーション補正データと前記第1の較正データをマージすることで、第2の較正データを作成し、前記ダウンロードが行なわれていない場合、前記第2のエンジン特性情報のみを用いて第2の較正データを作成する第2の較正データ作成手段とを備え、
前記コントローラが前記第2の較正データを用いて画像処理を行い、当該行った画像処理後のデータを前記エンジンへ送ることにより印刷を行うことを特徴とするプリンタ装置。 - コントローラおよびエンジンを有するプリンタとサーバシステムとがネットワークに接続されているプリンタ較正システムのプリンタ較正方法において、
前記サーバシステムは、
前記プリンタに指示してパッチデータを出力する出力ステップと、
前記パッチデータ出力直後の前記エンジンの特性情報を、第1のエンジン特性情報として前記プリンタから取得する第1のエンジン情報取得ステップと、
前記プリンタから出力した前記パッチデータをスキャナにより取り込み、該パッチデータに基づいて第1の較正データを作成する第1の較正データ作成ステップと、
該第1の較正データ作成ステップにより作成された第1の較正データおよび前記第1のエンジン特性情報のダウンロードを、前記プリンタに対して行うダウンロードステップとを備え、
前記プリンタは、
前記コントローラが、前記エンジンの最新の特性情報を第2のエンジン特性情報として、前記エンジンから取得する第2のエンジン情報取得ステップと、
前記コントローラが、前記ダウンロードが行われた場合、前記第1のエンジン特性情報に基づく特性カーブと前記第2のエンジン特性情報に基づく特性カーブとの差分からキャリブレーション補正データを生成し、該キャリブレーション補正データと前記第1の較正データをマージすることで、第2の較正データを作成し、前記ダウンロードが行なわれていない場合、前記第2のエンジン特性情報のみを用いて第2の較正データを作成する第2の較正データ作成ステップとを備え、
前記コントローラが前記第2の較正データを用いて画像処理を行い、当該行った画像処理後のデータを前記エンジンへ送ることにより印刷を行うことを特徴とするプリンタ較正システムのプリンタ較正方法。 - サーバに接続されたコントローラおよびエンジンを有するプリンタ装置の制御方法であって、
前記サーバは、
前記プリンタに指示してパッチデータを出力する出力ステップと、
前記パッチデータ出力直後の前記エンジンの特性情報を、第1のエンジン特性情報として前記プリンタから取得する第1のエンジン情報取得ステップと、
前記プリンタから出力した前記パッチデータをスキャナにより取り込んだ結果に基づいて第1の較正データを作成する第1の較正データ作成ステップと、
該第1の較正データ作成ステップにより作成された第1の較正データおよび前記第1のエンジン特性情報を、前記プリンタに対して行うダウンロードするダウンロードステップとを備え、
前記プリンタ装置では、
前記コントローラが、前記エンジンの最新の特性情報を第2のエンジン特性情報として、前記エンジンから取得する第2のエンジン情報取得ステップと、
前記コントローラが、前記ダウンロードが行われた場合、前記第1のエンジン特性情報に基づく特性カーブと前記第2のエンジン特性情報に基づく特性カーブとの差分からキャリブレーション補正データを生成し、該キャリブレーション補正データと前記第1の較正データをマージすることで、第2の較正データを作成し、前記ダウンロードが行なわれていない場合、前記第2のエンジン特性情報のみを用いて第2の較正データを作成する第2の較正データ作成ステップとを備え、
前記コントローラが前記第2の較正データを用いて画像処理を行い、当該行った画像処理後のデータを前記エンジンへ送ることにより印刷を行うことを特徴とするプリンタ装置の制御方法。
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