JP4355074B2 - プローブカード - Google Patents

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JP4355074B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスの検査に用いるプローブカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエーハには、一般に、複数の半導体デバイスすなわちICチップ(本発明においては、単に「チップ」という。)がマトリクス状に形成される。各チップは、矩形の形状を有しており、また矩形内に複数の電極パッドすなわち電極を有する。
【0003】
この種のチップは、回路が仕様書通りに動作するか否かの通電試験(検査)をされる。そのような通電試験は、ウエーハからチップに切り離す前に行われることが多く、また針先(接触子)をチップの電極に押圧される複数のプローブ(又はプローブ要素)を備えたプローブカードを用いて行われる。
【0004】
この種のプローブカードの1つとして、平行に伸びる帯状の複数の配線を電気絶縁性フィルムのようなシート状部材の一方の面に形成し、各配線の一部をプローブ要素としたフィルム状プローブユニット(プローブシート)を用いるものがある。
【0005】
プローブ要素は、チップの電極の配列に応じて1以上のプローブ要素群に分けられている。プローブシートは、テスターの信号チャンネル又は電源チャンネルに接続される複数のテスターランドを有するカード基板(配線基板)に直接又は適宜な部材を用いて間接的に組み付けられる。
【0006】
プローブ要素は、その中の配線の一部をチップの電極に押圧される接触子としており、また接触子がチップの電極に押圧されたとき、弧状に弾性変形する。接触子は、プローブ要素群毎にチップの電極配列に応じた領域内に位置するように形成されている。
【0007】
そのようなプローブシートを用いたプローブカードは、金属細線から形成されたプローブをカード基板に配置したニードルタイプのプローブカード、及び、ブレード状のプローブをブロックに配置したブレードタイプのプローブカードに比べ、針立て作業が不要であることから、製作が容易で、廉価になる。
【0008】
しかし、チップの電極の配置パターンは同じであっても、チップの電極に割り付けられる信号の種類はチップの設計内容に依存してチップの種類毎に異なるのに対し、テスターの信号チャンネルは固定であることが多い。
【0009】
このため、チップの通電試験に際しては、検査すべきチップの種類に応じた配線パターンを有するカード基板を備えたプローブカードを用意しておかなければならない。
【0010】
また、プローブカードの製造に際し、カード基板を標準化することができず、プローブシートを組み付けるカード基板の配線パターンを検査すべきチップの種類毎に設計し、カード基板を製作しなければならない。特に、カード基板の配線パターンは接触子数及びテスターランド数が多いほど複雑になり、そのように複雑な配線パターンを大きな配線基板に形成しなければならない。したがって、検査すべきチップの種類毎にカード基板を製作するのでは、プローブカードの製造に多大の時間と費用を要する。
【0011】
【解決しようとする課題】
それゆえに、プローブカードにおいては、検査すべきチップの種類が異なっても、カード基板を共通に使用可能にすることが重要である。
【0012】
【解決手段、作用及び効果】
本発明に係るプローブカードは、複数のテスターランドを周縁領域に有しかつ該テスターランドに電気的に接続された複数の第1の導電部を前記テスターランドより内側の領域に有するカード基板と、前記カード基板に組み付けられたプローブ組立体であって複数の接触子及び該接触子に電気的に接続された複数の第2の導電部を有するプローブ組立体と、前記第2の導電部に電気的に接続された複数の第1の配線を有する1以上のシート状基板と、前記カード基板に取り外し可能に組み付けられた板状の変換ユニットであって前記第1の導電部を前記第1の配線に電気的に接続する複数の第2の配線を有する変換ユニットとを含む。前記第1の導電部と前記第2の配線とは前記カード基板又は前記変換ユニットに形成された第1の突起電極を介して電気的に接続されている。
【0013】
変換ユニットの第2の配線は、検査すべきチップの種類により決定される第1の導電部及び第1の配線の組み合わせを接続するパターンに形成されている。1以上の接触子は電源用として用いられ、残りの接触子は信号用として用いられる。接触子はチップの電極に押圧され、テスターランドはテスターに接続される。
【0014】
これにより、チップの信号用電極は、信号用の接触子、第2の導電部、第1の配線、第2の配線、第1の導電部、テスターランド等を介してテスターの所定の信号チャンネルに接続される。また、チップの電源用電極は、電源用接触子、適宜な配線、テスターランド等を介してテスターの所定の電源チャンネルに接続される。
【0015】
検査すべきチップの種類が変更されたときは、変換ユニットが新たなチップに応じた配線パターンを有するものに変換される。これにより、新たなチップに応じた第1の導電部及び第1の配線の新たな組み合わせが変換ユニットの第2の配線により接続されるから、新たなチップの電極は所定の、接触子、第2の導電部、第1の配線、第2の配線、第1の導電部、テスターランド等を介してテスターの所定の信号チャンネル又は電源チャンネルに接続される。
【0016】
変換ユニットの交換時、第1の導電部と第2の配線とを第1の突起電極を介して電気的に接続しているから、第1の導電部と第2の配線とを容易にかつ確実に接触させることができ、容易にかつ確実に電気的に接続することができる。
【0017】
上記のように、本発明のプローブカードによれば、大きなカード基板を異なる種類のチップに共通に使用することができ、複雑な配線パターンを大きなカード基板に形成する必要がない。
【0018】
前記シート状基板は一端部において前記カード基板と前記変換ユニットとの間に挟まれており、前記第1及び第2の配線は前記シート状基板又は前記変換ユニットに形成された第2の突起電極を介して電気的に接続されていてもよい。そのようにすれば、第1及び第2の配線を容易にかつ確実に接触させることができると共に、容易にかつ確実に電気的に接続することができる。
【0019】
1以上の前記第2の配線は周方向及び半径方向へ伸びていてもよい。そのようにすれば、接触子とこれに対応するテスターランドとの位置関係が周方向に大きくずれていても、それに適合した配線パターンを変換ユニットに容易に形成することができる。
【0020】
前記変換ユニットは前記第2の配線を有するリング状の変換基板を備えていてもよい。そのようにすれば、検査すべきチップの種類に応じた配線パターンを変換基板に形成することができるから、検査すべきチップの種類が変更されたときはそのチップに応じた配線パターンを有する変換基板に交換すればよい。
【0021】
本発明に係るプローブカードにおいて、前記変換ユニットは、周方向及び半径方向へ伸びる複数の第3の配線を有するリング状の変換基板と、該変換基板に重ねられたシート状の補助基板とを備え、前記補助基板は、半径方向へ伸びる複数の第4の配線と、該第4の配線の周りにあって半径方向へ伸びる複数の第5の配線とを有し、前記第4の配線は前記第1及び第3の配線にまた前記第5の配線は前記第3の配線と前記第1の導電部とにそれぞれ電気的に接続されており、それにより前記第3、第4及び第5の配線は共同して前記第2の配線を形成している。これにより、検査すべきチップの種類に応じた配線パターンを変換基板に形成することができるから、検査すべきチップの種類が変更されたときはそのチップに応じた配線パターンを有する変換基板に交換すればよい。
【0022】
前記変換基板は、さらに、前記第3の配線の一端部及び前記第2の導電部に電気的に接続された複数の第3の導電部と、前記第3の配線の他端部及び前記第1の導電部に電気的に接続された複数の第4の導電部とを有することができる。そのようにすれば、第3の配線と第1及び第2の導電部とを接続する作業が容易になるから、第1及び第2の配線をより容易にかつより確実に接触させることができると共に、より容易にかつより確実に電気的に接続することができる。
【0023】
前記補助基板は前記変換基板の外径寸法より大きい外径寸法と前記変換基板の内径寸法より小さい内径寸法とを有するリング状の形状を有することができる。そのようにすれば、平面的に見てプローブ組立体及びシート状基板を仮想的なリングの内側に配置し、カード基板をそのリングの外側に配置することができるから、プローブカードの設計が容易になる。
【0024】
前記変換ユニットは、さらに、前記カード基板の側に開放するリング状の凹所であって前記変換基板及び前記補助基板が配置された凹所を有するリング状のカバーを備えることができる。そのようにすれば、変換基板と補助基板との位置関係をカバーにより維持することができるから、変換ユニット、特に変換基板の交換作業がより容易になる。
【0025】
前記カード基板は厚さ方向に貫通する開口を中央に有し、前記プローブ組立体は前記接触子を下面の側に有すると共に前記開口に配置されていてもよい。そのようにすれば、シート状基板をプローブ組立体及びカード基板の上面側に配置すると共に、変換ユニットをカード基板の上面側に配置することができるから、プローブカードを構成する部材間の結合作業及び電気的接続作業が容易になる。
【0026】
前記プローブ組立体は、複数の配線部を電気絶縁性のシート状部材に形成したプローブシートと、該プローブシートが下面の側に装着された接続基板とを備え、前記第2の導電部は前記接続基板を厚さ方向に貫通していると共に前記配線部に電気的に接続されており、前記接触子は前記配線部に形成されていると共に下方に突出していてもよい。そのようにすれば、ニードルタイプのプローブカード及びブレードタイプのプローブカードに比べ、針立て作業が不要であることから、製作が容易で、廉価になる。
【0027】
好ましい実施例においては、前記プローブシートは、前記接触子を備える複数のプローブ要素をそれぞれ含む複数のプローブ領域を形成している。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1から図8を参照するに、プローブカード10は、半導体ウエーハ上にマトリクス状に形成された複数の半導体デバイス(すなわち、チップ)の通電試験に用いられる。以下の説明では、全てのチップが、矩形の形状を有すると共に、矩形の各辺に複数の電極を一列に有するものとする。
【0029】
プローブカード10は、円板状のカード基板12と、カード基板12に組み付けられた円板状のプローブ組立体14と、カード基板12及びプローブ組立体14の上面に配置された複数のシート状基板16と、カード基板12の上面に組み付けられた環状の変換ユニット18とを含む。
【0030】
カード基板12は、ポリイミドのような電気絶縁材料から形成された配線基板であり、厚さ方向に貫通する平面円形の開口20を中央に有するリングの形をしており、開口20にプローブ組立体14を配置している。開口20を形成している内周面は、上方側の部分の直径寸法が下面側の部分のそれより小さい段部を有する段付きの面とされている。
【0031】
カード基板12は、テスターの信号チャンネル又は電源チャンネルに電気的に接続される複数のテスターランド22を周縁領域に有し、複数の導電部24をテスターランド22より内側の領域に有し、複数の導電部26を導電部24より内側の領域に有し、多くのテスターランド22と外側の導電部24とを複数の配線28により電気的に個々に接続している。
【0032】
導電部24,26は、導電性のスルーホール又は棒状部材とすることができる。1以上の配線28は半径方向へ伸びており、また他の複数の配線28は周方向及び半径方向へ伸びている。このため、配線28は、多層に形成されている。周方向と半径方向とへ(すなわち、半径方向に対し傾斜する方向へ)伸びる配線28により接続されたテスターランド22及び導電部24の位置関係は、周方向にずれている。
【0033】
配線28に接続された多くのテスターランド22は信号用として用いられ、残りの1以上のテスターランド22は電源用として用いられる。外側の導電部24及び配線28は信号用として用いられる。内側の導電部26は、図示しない配線により電源用のテスターランド22に電気的に接続されている。
【0034】
プローブ組立体14は、矩形のフィルム状プローブユニットすなわちプローブシート30を電気絶縁性の板状部材から形成された接続基板32の下面に装着している。プローブシート30は、複数の配線34を電気絶縁性樹脂製のシート状部材(フィルム状部材)36に形成している。プローブシート30は、検査すべきチップに個々に対応された複数のプローブ領域38をマトリクス状に有する。
【0035】
プローブ領域38は、半導体ウエーハ上のチップの境界線に対応する仮想的境界線により区画されている。プローブ領域38は、対応するチップと同じ矩形の形状を有しており、またチップの電極群に対応した複数のプローブ要素群を有する。図示の例では、矩形の辺に個々に対応する4つのプローブ要素群が設けられている。
【0036】
各プローブ要素群は、図6及び図8に示すように、それぞれが配線34の一端部を含む複数のプローブ要素40を含む。各プローブ要素40は、シート状部材36に形成された切り込み42により隣のプローブ要素40から独立しており、また配線34の一端に形成された突起電極すなわち接触子44を一端部に有する。
【0037】
接触子44は、図示の例では、角錐状の突起電極であるが、円錐状、半球状、短い円柱状、リング状、直方体状等、他の形状を有する突起電極であってもよい。各切り込み42は、先端側の弧状部と、その弧状部から隣り合うプローブ要素40間を伸びる直線状部とからなるU字状の形状を有している。
【0038】
各配線34は、対応するプローブ要素40の一端部から対応するプローブ領域38の内側へ伸びている。このため、隣り合うプローブ領域38の配線34が影響し合うおそれはない。プローブ要素40は、その基端部において配線34の残りの部分及びシート状部材36の残りの部分と一体とされており、また切り込み42のために独立して湾曲可能である。
【0039】
プローブ要素40は、接触子44がプローブ要素群毎に仮想的直線に沿って一列になるように、直線状に配列されている。検査すべきチップが複数の電極を矩形の各辺にジグザグに又は複数列に有する場合、プローブ要素40は、接触子44がプローブ要素群毎にジグザグに又は複数列になるように、直線状に配列される。
【0040】
プローブシート30は、また、配線34に個々に接続された複数の導電部46を各プローブ領域38の中央領域に有する。各導電部46は、シート状部材36を厚さ方向に貫通する導電性のスルーホールである。各配線34は、対応する導電部46以外の他の導電部46に電気的に接続しないように、プローブ要素40から対応する導電部46にまで伸びている。
【0041】
プローブシート30は、例えば、先ずポリイミド樹脂のような電気絶縁性及び弾性を有するシート状部材36に配線34を形成し、次いでシート状部材36とに導電部46用の貫通穴を形成し、次いで各配線34に接触子44を形成し、次いで各貫通穴に導電部46を形成し、次いで切り込み42を形成してプローブ要素40を形成することにより、製作することができる。プローブシート30は、互いに分離された複数のシート片から形成してもよい。
【0042】
配線34は印刷配線技術のような公知の技術により形成することができ、接触子44は電鋳法のような公知の技術により形成することができる。スリット42は、上記工程を終了した後に形成してもよいし、後に説明するようにプローブシート30を接続基板32に装着した後に形成してもよい。接触子44の素材は、ニッケルのように、検査すべきチップの電極材料より硬質の金属材料とすることができる。
【0043】
接続基板32は、これを厚さ方向に貫通する複数の導電部48と、下方に開放する複数の凹所50とを有する。導電部48は、プローブシート30の配線34に個々に対応されており、下端部において対応する配線34に電気的に接続された導電部46に電気的に接続されている。
【0044】
凹所50は、矩形の断面形状をした溝であり、またプローブシート30のプローブ要素40の先端に対応する箇所に形成されている。凹所50には、シリコーンゴムのような長い弾性体52が一部を下方に突出させた状態に配置されている。凹所50から突出している弾性体52の下面は、横断面において弧状面とされている。
【0045】
プローブシート30は、接触子44が下方へ突出しかつプローブ要素40の先端部が弾性体52に接触した状態に、接続基板32の下面に装着されている。これにより、プローブ要素40の先端部は、プローブシート30の他の領域よりわずかに下方に突出している。
【0046】
プローブシート30と接続基板32とは、両者の導電部46,48を半田のような導電性接着剤により接着することにより組み付けてもよいし、シート状部材36と接続基板32とを直接又は適宜な材料を介して圧着又は接着することにより組み付けてもよい。
【0047】
プローブ組立体14は、接続基板32の外周面に形成された段部がプローブ基板12の内周面に形成された段部に当接する状態に、接続基板32において複数のねじ部材によりプローブ基板12に組み付けられている。
【0048】
図示の例では、それぞれが複数のプローブ領域38に対応された8つのシート状基板16が用いられている。図6及び図7に示すように、各シート状基板16は、接続基板32の導電部48に個々に対応された複数の配線54をポリイミドのような電気絶縁性のシート状部材すなわちフィルム56に形成している。各シート状基板16は、配線54に個々に接続された複数の導電部58を一端部に有する。
【0049】
各導電部58は、フィルム56を厚さ方向に貫通する導電性のスルーホールであり、接続基板32の対応する導電部48に電気的に接続されている。シート状基板16は、配線54を上側とした状態でプローブ組立体14からプローブ基板12にまで伸びており、また他端部をカード基板12と変換ユニット18との間に挟まれている。
【0050】
接続基板32とシート状基板16とは、両者の導電部48,58を半田のような導電性接着剤により接着することにより組み付けてもよいし、シート状基板16と接続基板32とを圧着又は接着することにより組み付けてもよい。
【0051】
変換ユニット18は、リング状のカバー60と、直径寸法及び内径寸法が異なる板状の一対の弾性リング62,64と、接触子44とテスターランド22との組み合わせを決定するリング状の変換基板66と、リング状及びシート状をした接続用の補助基板68とにより、板状のリングに形成されている。
【0052】
カバー60は、下方に開放する3つの凹所70,72,74を同軸的に有する。内側の凹所70には内側の弾性リング62が配置され、外側の凹所72には外側の弾性リング64が配置され、中間の凹所74には変換基板66が配置されている。弾性リング62,64は、シリコーンゴムのような電気絶縁材料性の板部材から形成されている。
【0053】
変換基板66は、ポリイミドのような電気絶縁材料により形成された配線基板であり、また複数の導電部76を内側領域に有し、複数の導電部78を外側領域に有し、導電部76,78を複数の配線80により電気的に個々に接続している。導電部76,78は、変換基板66の厚さ方向へ伸びていると共に、下方へ突出して補助基板68を貫通している。導電部76,78は、導電性の棒状部材とすることができる。
【0054】
1以上の配線80は半径方向へ伸びており、他の複数の配線80は周方向及び半径方向へ(すなわち、半径方向に対して角度を有する方向へ)伸びている。このため、配線80は、多層に形成されている。周方向及び半径方向へ伸びる配線80により接続された導電部76,78の位置関係は、周方向にずれている。周方向における導電部76,78の位置関係のずれ量は、検査すべきチップの種類により異なる。
【0055】
補助基板68は、半径方向へ伸びる複数の内側配線82と、この配線82の周りにあって半径方向へ伸びる複数の外側配線84とをポリイミドのような電気絶縁性のシート状部材86の一方の面に形成しており、また可撓性を有する。補助基板68は、また、突起電極88を各内側配線84の半径方向における内側端部に有し、突起電極90を各外側配線86の半径方向における外側端部に有する。
【0056】
内側の各配線82は変換基板66の内側の導電部76に電気的に接続されており、外側の各配線84は変換基板66の外側の導電部78に電気的に接続されている。突起電極88,90の素材は、ニッケルのように、検査すべきチップの電極材料より硬質の金属材料とすることができる。突起電極88,90は、図示の例では、角錐状の突起電極であるが、円錐状、半球状、短い円柱状、リング状、直方体状等、他の形状を有する突起電極であってもよい。
【0057】
補助基板68は、配線82,84が下方となる状態に変換基板66の下面に配置される。この状態において、配線82は変換基板の内側の導電部76に電気的に接続され、外側の配線84は変換基板66の外側の導電部78に電気的に接続される。
【0058】
変換ユニット18は、弾性リング62,64をカバー60の凹所70,72に配置し、変換基板66と補助基板68との組立体を凹所70,72,74に配置した後、突起電極88及び90をそれぞれシート状基板16の配線54及びカード基板12の外側導電部24に接触させ、その状態に複数のねじ部材92によりカード基板12に上面に組み付けられる。
【0059】
チップの検査時、テスターランドがテスター22に接続され、接触子44がチップの電極に押圧される。このとき、プローブ要素40の先端部がプローブ領域38の他の領域より下方へ突出しているから、各接触子44はチップの電極に確実に接触する。
【0060】
チップの信号用電極は、信号用の接触子44、配線34、導電部48、配線54、突起電極88、配線82、導電部76、配線80、導電部78、配線84、突起電極90、導電部24、配線28及びテスターランド22を介してテスターの所定の信号チャンネルに接続される。また、チップの電源用電極は、電源用接触子44、適宜な配線、導電部26、テスターランド22等を介してテスターの所定の電源チャンネルに接続される。
【0061】
検査すべきチップの種類が変更されたときは、変換ユニット18、特に変換基板66と補助基板68とが新たなチップに応じた配線パターンを有するものに変換される。これにより、新たなチップに応じた導電部76,78の新たな組み合わせが変換ユニット18の配線80により接続されるから、新たなチップの電極は所定の、接触子、導電部、配線、テスターランド等を介してテスターの所定の信号チャンネル又は電源チャンネルに接続される。
【0062】
変換ユニットの交換時、導電部24と配線84とを突起電極90を介して電気的に接続しているから、導電部24と配線84とを容易にかつ確実に接触させることができ、容易にかつ確実に電気的に接続することができる。また、シート状基板16の一端部をカード基板12と変換ユニット18との間に挟み込み、配線54,82を突起電極88を介して電気的に接続しているから、配線54,82を容易にかつ確実に接触させることができると共に、容易にかつ確実に電気的に接続することができる。
【0063】
上記のように、プローブカード10によれば、以下のような効果を奏する。
【0064】
大きなカード基板12を異なる種類のチップに共通に使用することができ、複雑な配線パターンを大きなカード基板12に形成する必要がない。
【0065】
複数の配線80が周方向及び半径方向へ伸びているから、接触子44とこれに対応するテスターランド22との位置関係が周方向に大きくずれていても、それに適合した配線パターンを変換基板66に容易に形成することができる。
【0066】
検査すべきチップの種類に応じた配線パターンを変換基板66に形成することができるから、検査すべきチップの種類が変更されたときはそのチップに応じた配線パターンを有する変換基板に交換すればよい。
【0067】
シート状基板16の配線54と変換基板66の配線80とを補助基板68の配線82を介して接続し、変換基板66の配線80とカード基板12の導電部24とを補助基板68の配線84を介して接続すしているから、配線54,80の接続作業、及び、配線80と導電部24との接続作業が容易になるから、第1及び第2の配線28,80をより容易にかつより確実に接触させることができると共に、より容易にかつより確実に電気的に接続することができる。
【0068】
変換基板66と補助基板68との位置関係がカバー60により維持されるから、変換ユニット18、特に変換基板66の交換作業がより容易になる。
【0069】
シート状基板16がプローブ組立体14及びカード基板12の上面側に配置されていると共に、変換ユニット18がカード基板12の上面側に配置されているから、プローブカード10を構成する部材間の結合作業及び電気的接続作業が容易になる。
【0070】
プローブシート30を用いているから、ニードルタイプのプローブカード及びブレードタイプのプローブカードを用いる場合に比べ、針立て作業が不要であり、製作が容易で、廉価になる。
【0071】
図示の例では、比較的少ない数のプローブ領域38及びプローブ要素40を示しているが、これは理解を容易にするためであり、したがって実際には、一度に検査すべきチップ数に応じた数のプローブ領域を有すると共に、チップに設けられた電極の数に応じた数のプローブ要素を備えている。
【0072】
上記実施例は、長方形の各辺に複数の電極を有するチップ用のプローブカードに関するが、本発明はそのようなチップ用のプローブカードのみならず、複数の電極を一列に有するにすぎないチップ、複数の電極を長方形の対向する一対の辺のそれぞれに有するチップ等、他のチップ用のプローブカードにも適用することができる。
【0073】
本発明は、上記実施例に限定されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプローブカードの一実施例を示す分解斜視図
【図2】図1に示すプローブカードの平面図
【図3】図1に示すプローブカードの底面図
【図4】図1に示すプローブカードの正面図
【図5】図2における5−5線に沿って得た断面図であって一部を省略した断面図
【図6】図1に示すプローブカードのプローブ組立体近傍の拡大断面図
【図7】図1に示すプローブカードの外周部の拡大断面部
【図8】プローブ領域の一部を示す拡大底面図
【符号の説明】
10 プローブカード
12 カード基板
14 プローブ組立体
16 シート状基板
18 変換ユニット
22 テスターランド
24,26 カード基板の導電部
28 カード基板の配線
30 プローブシート
32 接続基板
34 プローブシートの配線
36 プローブシートのシート状部材
38 プローブ領域
40 プローブ要素
44 接触子
46 プローブシートの導電部
48 接続基板の導電部
54 シート状基板の配線
56 シート状基板のフィルム(シート状部材)
58 シート状基板の導電部
60 カバー
62,64 弾性リング
66 変換基板
68 補助基板
70,72,74 カバーの凹所
76,78 変換基板の導電部
80 変換基板の配線
82,84 シート状基板の配線
86 シート状基板のシート部材
88,90突起電極

Claims (9)

  1. 複数のテスターランドを周縁領域に有しかつ該テスターランドに電気的に接続された複数の第1の導電部を前記テスターランドより内側の領域に有するカード基板と、
    前記カード基板に組み付けられたプローブ組立体であって複数の接触子及び該接触子に電気的に接続された複数の第2の導電部を有するプローブ組立体と、
    前記第2の導電部に電気的に接続された複数の第1の配線を有する1以上のシート状基板と、
    前記カード基板に取り外し可能に組み付けられた板状の変換ユニットであって前記第1の導電部を前記第1の配線に電気的に接続する複数の第2の配線を有する変換ユニットとを含み、
    前記第1の導電部と前記第2の配線とは前記カード基板又は前記変換ユニットに形成された第1の突起電極を介して電気的に接続されており、
    前記変換ユニットは、周方向及び半径方向へ伸びる複数の第3の配線を有するリング状の変換基板と、該変換基板に重ねられたシート状の補助基板とを備え、
    前記補助基板は、半径方向へ伸びる複数の第4の配線と、該第4の配線の周りにあって半径方向へ伸びる複数の第5の配線とを有し、
    前記第4の配線は前記第1及び第3の配線にまた前記第5の配線は前記第3の配線と前記第1の導電部とにそれぞれ電気的に接続されており、それにより前記第3、第4及び第5の配線は共同して前記第2の配線を形成している、プローブカード。
  2. 前記シート状基板は一端部において前記カード基板と前記変換ユニットとの間に挟まれており、前記第1及び第2の配線は前記シート状基板又は前記変換ユニットに形成された第2の突起電極を介して電気的に接続されている、請求項1に記載のプローブカード。
  3. 1以上の前記第2の配線は周方向及び半径方向へ伸びている、請求項1又は2に記載のプローブカード。
  4. 前記変換基板は、さらに、前記第3の配線の一端部及び前記第2の導電部に電気的に接続された複数の第3の導電部と、前記第3の配線の他端部及び前記第1の導電部に電気的に接続された複数の第4の導電部とを有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のプローブカード。
  5. 前記補助基板は前記変換基板の外径寸法より大きい外径寸法と前記変換基板の内径寸法より小さい内径寸法とを有するリング状の形状を有している、請求項4に記載のプローブカード。
  6. 前記変換ユニットは、さらに、前記カード基板の側に開放するリング状の凹所であって前記変換基板及び前記補助基板が配置された凹所を有するリング状のカバーを備える、請求項5に記載のプローブカード。
  7. 前記カード基板は厚さ方向に貫通する開口を中央に有し、前記プローブ組立体は前記接触子を下面の側に有すると共に前記開口に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のプローブカード。
  8. 前記プローブ組立体は、複数の配線部を電気絶縁性のシート状部材に形成したプローブシートと、該プローブシートが下面の側に装着された接続基板とを備え、前記第2の導電部は前記接続基板を厚さ方向に貫通していると共に前記配線部に電気的に接続されており、前記接触子は前記配線部に形成されていると共に下方に突出している、請求項1から7のいずれか1項に記載のプローブカード。
  9. 前記プローブシートは、前記接触子を備える複数のプローブ要素をそれぞれ含む複数のプローブ領域を形成している、請求項8に記載のプローブカード。
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