JP4354861B2 - 不織布 - Google Patents

不織布 Download PDF

Info

Publication number
JP4354861B2
JP4354861B2 JP2004122940A JP2004122940A JP4354861B2 JP 4354861 B2 JP4354861 B2 JP 4354861B2 JP 2004122940 A JP2004122940 A JP 2004122940A JP 2004122940 A JP2004122940 A JP 2004122940A JP 4354861 B2 JP4354861 B2 JP 4354861B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
fibers
ultrafine
nonwoven fabric
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004122940A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005307364A (ja
Inventor
満 藤橋
悦郎 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP2004122940A priority Critical patent/JP4354861B2/ja
Publication of JP2005307364A publication Critical patent/JP2005307364A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4354861B2 publication Critical patent/JP4354861B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

本発明は、高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ高強度な不織布に関し、また抄紙時の分散性と濾水性に優れ、水流による交絡のし易さ、乾燥のし易さ、エネルギー消費効率に優れ、また設備費用が少なくて済むなど、生産性にも優れた不織布に関する。
特定の空隙径を有し、繊維長の異なる繊維径7μm以下の繊維を1種類または2種類以上用い、高圧柱状水流で3次元的に交絡することにより、シートの地合が良好で、ドレープ性、風合い、通気性、及び強度に優れた不織布が得られることが、特開平4−316653号公報(特許文献1)に記載されている。
この公報によると、ドレープ性及び風合いに優れる不織布とするため、繊維径7μm以下の不織布とすることを必須とするが、繊維長が短い場合は、不織布強度が低くなるので、繊維径7μm以下で且つ繊維長の長い繊維(繊維長/繊維径の比が2000を超え6000以下)を10〜90重量%含有させることが記載されている。しかし、繊維径7μm以下の長い繊維を10%以上混入するので、実際の生産では繊維のもつれが発生したり、原料繊維の切断不良などによる繊維塊が発生し易いという問題があり、高品質の製品を得ることが困難であった。また、全ての繊維が極細であるので抄紙時の濾水性が悪く生産速度を速くできず、乾燥時間も長くなるなど生産性に劣るという問題があった。
また、特定の空隙径を有し、繊維長の異なる繊維径7μm以下の繊維を2種類以上用い、少量の熱融着性バインダーと共に抄紙し、乾燥し、高圧柱状水流で3次元的に交絡することにより、シートの地合が良好で、ドレープ性、風合い、通気性、及び強度に優れた不織布が得られることが、特開平4−316658号公報(特許文献2)に記載されている。
この公報によると、湿式抄紙法により抄造された交絡前のシートは、熱接着性繊維によって繊維径7μm以下の繊維が接着されているが、高圧柱状水流によって繊維の切断末端や接着部分以外の部分が3次元的に交絡し、さらに交絡の過程で水流によって接着部分が離脱し、自由になった繊維が更に3次元的に交絡することが記載されている。しかし、接着部分が水流直下で離脱するとはいえ水流に当る直前部分の繊維は固定されているので、繊維の自由度は大きく制限される。そのため、繊維の交絡が起こり難くなり、その結果交絡に基づくシート強度はそれほど上がらず、且つ風合いも硬くなってしまうという問題があった。また、一旦そのような自由度の少ない状況で交絡してしまった場合 、繊維の自由度はさらに少なくなってしまい、その後さらに交絡させようとしても繊維の交絡が進行し難いという問題があった。また、接着部分を離脱させるには非常に高い水圧を必要とするので電力エネルギー消費も非常に大きくなるという問題があった。また、ノズル台数も多く必要とするので設備費用も大きくなるという問題があった。
さらにまた、シートを乾燥させる場合、熱接着性繊維の融点より高い温度で乾燥すると、熱接着性繊維の再融着のため、ドレープ性が低下するという問題があった。また、その回避のため熱接着性繊維の融点より低い温度で乾燥しようとすると、高密度の極細繊維シートであるので乾燥し難く乾燥に長時間を必要とすることとなり生産速度が大きく低下してしまうという問題があった。
このように、従来の技術では、高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ高強度な不織布を得ることが困難であり、また抄紙時の分散性、濾水性、水流による交絡のし易さ、乾燥のし易さ、エネルギー消費効率、および設備費用などの点で、生産性に劣るという問題があった。
特開平4−316653号公報 特開平4−316658号公報
本発明は、上記の問題を解決し、高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ高強度な不織布を提供することを課題とする。また抄紙時の分散性と濾水性に優れ、
水流による交絡のし易さ、乾燥のし易さ、エネルギー消費効率に優れ、および設備費用が少なくて済むなど、生産性に優れた不織布を提供することを課題とする。
本発明の手段は、構成繊維が湿式抄紙法によりシート化され、水流で3次元的に交絡された不織布であって、前記不織布は65〜99質量%の極細繊維と、35〜1質量%の非接着性繊維を含み、前記極細繊維の繊維径は7μm以下で繊維長が1〜10mmであり、前記非接着性繊維の繊維径は7μmを超え繊維長が10〜20mmであり、前記極細繊維は複合繊維を水中に分散することにより離解させて得られた断面が偏平形状の繊維である。
本発明の不織布によって、高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ高強度な不織布を提供することが可能となった。また、抄紙時の分散性と濾水性に優れ、水流による交絡のし易さ、乾燥のし易さに優れ、且つエネルギー消費の少ない生産が可能となった。また、生産のための設備費用が少なくて済むという効果がある。
以下、本発明にかかる不織布の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明における極細繊維の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、ポリビニルアルコール繊維および合成パルプなどの合成繊維に限らず、レーヨンなどの半合成繊維、あるいは綿およびパルプ繊維などの天然繊維をあげることができる。本発明では、特に湿熱収縮するポリアミド系繊維などが含まれることにより、風合いがソフトな不織布とすることができるので好ましい。
極細繊維としては、複合繊維を水中に分散することにより各樹脂成分に離解させて得られる極細繊維がある。
極細繊維の断面形状は、円形、楕円形、偏平形状に限らず、三角、Y型、T型、U型、星型、ドッグボーン型等いわゆる異型断面形状をとるものであってもよい。本発明では、図1の(a)、(b)、(c)、(d)に断面を例示するように樹脂成分1と樹脂成分2とからなる複合繊維が、水中に分散されることにより樹脂成分1と樹脂成分2とに離解されて得られる極細繊維も可能である。特に、図1(b)のように、樹脂成分1と樹脂成分2とが層状に積層されており、離解後に繊維断面が偏平形状となるような極細繊維を含むことにより、水流による交絡が高度に生じソフトな風合いと強度に優れた不織布とすることができる。この場合、長軸の長さをaとし短軸の長さをbとすると、偏平度a/bの値が4以上であることが好ましい。偏平度a/bの値は例えば100個以上の走査型電子顕微鏡の映像を平均して求めることができる。
極細繊維の繊維径は、7μm以下であることが必要であり、7μmを超えると目的とする柔軟性や、風合いに劣った不織布となり、水流による交絡がし難くなり、その結果不織布の強度が低下する。また、繊維径は0.5〜7μmが好ましく、2〜7μmがより好ましい。0.5μm未満では、抄紙時の濾水性が悪く生産速度を速くできず、乾燥時間も長くなるなど生産性が劣る場合がある。
本発明では、極細繊維の繊維径は走査型電子顕微鏡の平面、又は断面の映像で確認できる直径で表すことができる。直径にバラツキがある場合は前記映像のうち例えば任意の100個の数平均値で表すことができる。繊維の断面形状が円形でない場合は、繊維断面と同じ面積を有する円の直径で表すことができる。なお、使用される原料の繊度(デシテックス)が分かっている場合は、次式で得られる繊維径で表すことができる。
D=(4d/π・10・ρ)0.5・10
(ここで、D:繊維径(μm),ρ:繊維を構成する高分子重合体の密度(g/cm),d:繊維の繊度(デシテックス),π:円周率)
極細繊維の繊維長は、1〜10mmであることが必要であり、1mm未満では不織布の強度が低下し、10mmを超えると抄紙時の水分散性が低下して、繊維のもつれが発生したり、原料繊維の切断不良などによる繊維塊が発生し易く高品質の製品を得ることが困難である。また極細繊維の繊維長は、2〜7mmが好ましい。
また、本発明では、極細繊維の繊維長(L)と繊維径(D)の比(L/D)は、500〜2000が好ましく、500〜1500がより好ましい。500未満であると、不織布の強度が低下する場合があり、2000を超えると繊維の分散性が低下する場合がある。
本発明における非接着性繊維とは乾燥などの加熱処理によって他の繊維と接着していない繊維であるか、または乾燥などの加熱処理によって溶融履歴を有していない繊維である。例えば、乾燥などの加熱処理によって一旦他の繊維と接着して、その後水流による交絡工程で剥離した場合に生ずるような溶融履歴を有していない繊維である。また、非接着性繊維としては、乾燥工程において160℃未満の熱処理でも溶融することのない160℃以上の融点を有する繊維が好ましい。例えば極細繊維が融点215℃のナイロン繊維であり、非接着性繊維が融点165℃のポリプロピレン繊維であれば、加熱蒸気を熱源としたドライヤーにより160℃未満で乾燥させて本発明の不織布を得ることができる。また180℃未満の熱処理でも溶融することのない180℃以上の融点を有する繊維がさらに好ましい。例えば極細繊維が融点260℃のポリエステル繊維であり、非接着性繊維が融点215℃のナイロン繊維であれば、燃焼ガスを熱源としたピンテンター装置により180℃未満で乾燥させて本発明の不織布を得ることができる。なお溶融履歴は、例えば実態顕微鏡、走査型電子顕微鏡などの映像により確認することができる。
非接着性繊維の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維およびポリビニルアルコール繊維などの合成繊維に限らず、レーヨンなどの半合成繊維、あるいは綿およびパルプ繊維などの天然繊維をあげることができる。本発明では、特に湿熱収縮するポリアミド系繊維などが含まれることにより、風合いがソフトな不織布とすることができるので好ましい。
非接着性繊維は二成分以上の高分子重合体から構成される複合繊維であってもよいが、含有する全ての成分が乾燥などの加熱処理による接着や溶融履歴を有していないことを必要とする。
非接着性繊維の断面形状は、円形、楕円形、偏平形状に限らず、三角、Y型、T型、U型、星型、ドッグボーン型等いわゆる異型断面形状をとるものであってもよい。
非接着性繊維の繊維径は、7μmを超えることが必要であり、7μm以下の場合は、抄紙時の濾水性が悪く生産速度を速くできず、乾燥時間も長くなるなど生産性に劣るという問題が発生する。また繊維径は7.5〜30μmが好ましく、7.5〜15μmがより好ましい。繊維径が30μmを超えると、水流による交絡が不十分となり不織布の強度が低下したり、不織布の繊維密度が低下したり、風合いや柔軟性が低下する場合がある。
本発明では、非接着性繊維の繊維径は、前述の極細繊維の繊維径の場合と同様、走査型電子顕微鏡の平面、又は断面の映像で確認できる直径で表すことができる。直径にバラツキがある場合は前記映像のうち例えば任意の100個の数平均値で表すことができる。繊維の断面形状が円形でない場合は、繊維断面と同じ面積を有する円の直径で表すことができる。なお、使用される原料の繊度(デシテックス)が分かっている場合は、前述の式1で得られる繊維径で表すことができる。
非接着性繊維の繊維長は、10〜20mmであることが必要であり、10mm未満では不織布の強度を向上させる効果が少なく、20mmを超えると抄紙時の水分散性が低下して、繊維のもつれが発生したり、原料繊維の切断不良などによる繊維塊が発生し易く高品質の製品を得ることが困難である。また不織布の柔軟性や風合いのソフト性が低下する。
また、本発明では、非接着性繊維の繊維長(L)と繊維径(D)の比(L/D)は、500〜2000が好ましく、500〜1500がより好ましい。500未満であると、不織布の強度が低下する場合があり、2000を超えると繊維の分散性が低下する場合がある。
本発明の不織布は、65〜99質量%の前記極細繊維と、35〜1質量%の前記非接着性繊維を含む。好ましくは、70〜95質量%の極細繊維と、30〜5質量%の非接着性繊維を含む。非接着性繊維の割合が1質量%未満であると、不織布の強度を向上させる効果がなく、非接着性繊維の割合が35質量%を超えると、柔軟性や風合いのソフト性が低下するのみならず、強度向上効果が失われる。このように、本発明の不織布は非接着性繊維の割合が特定の範囲にある場合に、高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ高強度に優れるという特徴を顕著に有する。なお、前記極細繊維は前述の特定された範囲である限り、複数の繊維を選択することが可能であり、前記非接着性繊維も前述の特定された範囲である限り、複数の繊維を選択することが可能である。
本発明の不織布は、前記極細繊維と非接着性繊維を含む構成繊維が湿式抄紙法によりシート化され、水流で3次元的に交絡された不織布である。
前記湿式抄紙法は、例えば、傾斜式、長網式、丸網式の抄紙機などを用いて、スラリーから繊維シートを漉き上げる方法であり、前記繊維シートの面密度は10〜200g/m2が好ましく、20〜100g/m2がより好ましく、20〜80g/m2がさらに好ましい。10g/m2未満では、繊維シートが薄く又強度も低下するので、抄紙網から繊維シートが剥離し難く破損する場合がある。また、200g/m2を超えると、濾水性が低下して抄紙速度が著しく低下する場合がある。
本発明の不織布は、前記特定の繊維径と繊維長を有する65〜99質量%の極細繊維と、前記特定の繊維径と繊維長を有する35〜1質量%の非接着性繊維から構成されているので、抄紙時の分散性と濾水性に優れるという特徴を有する。
本発明では、前記繊維シートの1枚または複数枚が重ねられた状態で、繊維シートの構成繊維が水流により交絡されている。水流による交絡は、公知の方法で行うことが可能であり、例えば金属性ネットやプラスチックネットなどの多孔性支持体上に前記繊維シートが載置され、その上方から繊維シートに向けて、高圧のノズルから水流が噴射されて得られる。多孔性支持体として抄紙網を兼用することも可能である。また本発明のように、繊維シートに接着性の繊維が含まれていない場合、一旦乾燥してしまうと、繊維シートを巻き取ることが困難になることがある。この場合、抄紙網から繊維シートを剥離した後乾燥せずに直ちに水流交絡工程へ移送することも好ましい。また抄紙網に、低い面密度を有する織編物や不織布などの布帛を予め載置しておき、その上に抄紙して繊維シートを形成し、乾燥後繊維シートを布帛より剥離してから、剥離した繊維シートに水流による交絡を行うことも可能である。
前記水流の発生に用いる好ましいノズルとしては、例えばノズル孔が一列又は複数列に配置されたノズルがあり、ノズル孔の列は生産方向と交差する方向に配置される。ノズル孔の孔径は直径0.05〜0.5mmが好ましく、隣り合うノズル孔の間隔は0.2〜5mmが好ましい。ノズルから噴射される水流の形状は柱状が好ましいが、ノズル孔から離れるほど水流の太さが広がるような円錐形状も可能である。円錐形状である場合は、円錐の垂線と円錐の斜面とがなす角度が10度以内が好ましく、5度以内がさらに好ましい。またノズル内の圧力は好ましくは0.1〜15MPaである。また前記ノズルを複数配置しておくことも可能である。
このように、繊維シートに水流が噴射されることにより、繊維シートを構成する繊維同士が3次元的に交絡した不織布となる。また、本発明の不織布は溶融履歴を有しない極細繊維と非接着性繊維とから構成されているので、極めて風合いがソフトであるという特徴を有している。また従来技術に見られるように、一旦接着した繊維を水流によって離脱する際に要するような非常に高い水圧を必要とせず、またそれに伴う設備投資や電力費用も発生しないので、水流による交絡の効率が極めて優れている。
本発明の不織布の面密度は、10〜200g/m2が好ましく、20〜100g/m2がより好ましく、20〜80g/m2がさらに好ましい。
本発明の不織布は、高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ高強度であるという特徴を有している。また、同時に抄紙時の分散性と濾水性に優れるという特徴を有する。さらに、本発明の不織布は溶融履歴を有しない極細繊維と非接着性繊維とから構成されているので、極めて風合いがソフトであるという特徴を有している。また従来技術に見られるように、一旦接着した繊維を水流によって離脱する際に要するような非常に高い水圧や、それに伴う設備投資や電力費用も必要としないので、水流による交絡の効率が極めて優れており、生産性に優れている。
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本願発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
(試験方法)
水流交絡時の繊維シートの進行方向をタテ方向として、直交する方向をヨコ方向とすると、実施例および比較例では引張強度、引張伸度、および剛軟度の値は、タテ方向とヨコ方向の平均値を用いている。
引張強度および引張伸度はJIS L1096−1999(一般織物試験方法)に記載される、剛軟性8.12.1A法(ストリップ法)に準じて測定した。ただし、試験片の巾は5cm、長さ20cm、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分とした。
厚さはJIS L1085−1998(不織布しん地試験方法)に記載される、6.1.2A法に準じて測定した。ただし、荷重は2.0kPaとした。
剛軟度はJIS L1096に記載される、剛軟性8.19.1A法(45度カンチレバー法)に準じて測定した。
濾水性の評価としては、手漉き装置の抄紙ボックスでのスラリーの低下する速度が、比較例1に示される極細繊維のみからなる場合の速度以下であれば×、速度を超えれば(速度が速ければ)○として表わした。
(実施例1)
極細繊維として、図1の(b)に示す断面形態を有する3.3デシテックスの複合繊維(繊維径18μm、繊維長5mm、樹脂成分1はポリエチレンテレフタレート樹脂、樹脂成分2は6ナイロン樹脂)と、非接着性繊維として1.7デシテックスのポリエチレンテレフタレート繊維(繊維径13μm、繊維長10mm)とを、極細繊維が95質量%で非接着性繊維が5質量%になるように、分散剤を含む水中に分散させてスラリーを形成した。このとき前記複合繊維は最大11個の部分に離解し、離解した各繊維(平均繊維径5.5μm)は断面が扁平形状の極細繊維となった。次いで、このスラリーを手漉き装置で抄紙して繊維シートとした後110℃で乾燥させた。
次いで、乾燥した繊維シートを80メッシュの金網の上に載置した。次いで、孔径が0.13mm、孔間隔が0.6mmで直線状にノズル孔が配列されたノズルを用いて、繊維シートの上方から繊維シートに向けて、ノズル内圧力3MPaにて柱状水流を噴射した。次いで、繊維シートを反転して繊維シートの反対面にも同様にして、ノズル内圧力4MPaにて柱状水流を噴射した。次いで、繊維シートを150℃のドライヤーで乾燥させて、構成繊維が水流で3次元的に交絡された不織布を得た。また、不織布に含まれる極細繊維の偏平度a/bは12であった。
(実施例2〜4)
実施例1において、極細繊維の質量%:非接着性繊維の質量%の比率をそれぞれ、90:10、80:20、70:30としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の不織布を得た。
(実施例5〜7)
実施例1において、非接着性繊維として1.7デシテックスのポリエチレンテレフタレート繊維(繊維径13μm、繊維長15mm)を用いたこと、および極細繊維の質量%:非接着性繊維の質量%の比率をそれぞれ、90:10、80:20、70:30としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5〜7の不織布を得た。
(実施例8〜10)
実施例1において、非接着性繊維として1.7デシテックスのポリエチレンテレフタレート繊維(繊維径13μm、繊維長20mm)を用いたこと、および極細繊維の質量%:非接着性繊維の質量%の比率をそれぞれ、90:10、80:20、70:30としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8〜10の不織布を得た。
(実施例11〜14)
実施例1において、非接着性繊維として1.3デシテックスのポリプロピレン繊維(繊維径13μm、繊維長10mm)を用いたこと、および極細繊維の質量%:非接着性繊維の質量%の比率をそれぞれ、95:5、90:10、80:20、70:30としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11〜14の不織布を得た。
(比較例1)
実施例1において、非接着性繊維を用いなかったこと、すなわち極細繊維の質量%:非接着性繊維の質量%の比率を、100:0としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の不織布を得た。
(比較例2〜3)
実施例1において、非接着性繊維の代わりに接着性繊維として0.8デシテックスのポリオレフィン系芯鞘型複合繊維(繊維径11μm、繊維長5mm、芯部が融点165℃のポリプロピレン、鞘部が融点130℃のポリエチレン)を用いたこと、および極細繊維の質量%:接着性繊維の質量%の比率をそれぞれ、90:10、80:20としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2〜3の不織布を得た。なお、比較例2〜3では、接着性繊維の長さを5mmとしたが、もし繊維長が10mm以上である場合は剛軟度の値が高くなると予測できる。比較例2〜3の不織布では、接着性繊維が溶融して極細繊維との接着が生じていた。
実施例1〜10の結果を表1に示す。また、実施例11〜14および較例1〜3の結果を表2に示す。
Figure 0004354861
Figure 0004354861
実施例1〜14を非接着性繊維が含まれない比較例1と対比すると、実施例では引張強度が高くなっている。また、実施例では濾水性が良いのに対して比較例は濾水性が劣っている。また、実施例1〜14を接着性繊維を使用した場合の比較例2〜3と対比すると、実施例では剛軟度の値が低く(柔軟性に優れ)、風合いがソフトである。
本発明の不織布は、高密度で柔軟性に優れ、風合いがソフトであり、且つ高強度であるという特徴を有している。本発明の不織布の用途としては、この特徴を生かした例えば、肌当て用基材、マスク、貼付剤用基材、化粧落とし用基材、衣料用芯地、ワイパー、合皮用基材などがあげられる。
(a)は本発明で用いる極細繊維の断面の例、(b)は本発明で用いる極細繊維の断面の別の例、(c)は本発明で用いる極細繊維の断面の別の例、(d)は本発明で用いる極細繊維の断面の別の例を示す図である。
符号の説明
1.樹脂成分
2.他の樹脂成分

Claims (3)

  1. 構成繊維が湿式抄紙法によりシート化され、水流で3次元的に交絡された不織布であって、前記不織布は65〜99質量%の極細繊維と、35〜1質量%の非接着性繊維を含み、前記極細繊維の繊維径は7μm以下で繊維長が1〜10mmであり、前記非接着性繊維の繊維径は7μmを超え繊維長が10〜20mmであり、前記極細繊維は複合繊維を水中に分散することにより離解させて得られた断面が偏平形状の繊維であることを特徴とする不織布。
  2. 前記極細繊維の繊維長が2〜7mmであることを特徴とする請求項1に記載の不織布。
  3. 前記極細繊維の断面が偏平形状であり、長軸の長さをaとし短軸の長さをbとすると、a/bの値が4以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の不織布。
JP2004122940A 2004-04-19 2004-04-19 不織布 Expired - Fee Related JP4354861B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004122940A JP4354861B2 (ja) 2004-04-19 2004-04-19 不織布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004122940A JP4354861B2 (ja) 2004-04-19 2004-04-19 不織布

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005307364A JP2005307364A (ja) 2005-11-04
JP4354861B2 true JP4354861B2 (ja) 2009-10-28

Family

ID=35436453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004122940A Expired - Fee Related JP4354861B2 (ja) 2004-04-19 2004-04-19 不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4354861B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005307364A (ja) 2005-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101398287B1 (ko) 피혁 유사 시트 및 그의 제조 방법
JPH0226972A (ja) 不織り繊維状流体からみ合い非弾性コンフォーム材料及びその形成法
JP5481314B2 (ja) 積層不織布及びワイパー
JP4354861B2 (ja) 不織布
JP2005330612A (ja) 不織布およびその製造方法
JP3138074B2 (ja) 地合の良好な触感に優れた水流交絡不織布及びその製造法
JP3907712B2 (ja) 不織布及の製造方法
JP3040572B2 (ja) 水流交絡不織布の製造法
JP4511259B2 (ja) 複合不織布およびその製造方法
JP4916978B2 (ja) 短繊維からなるスパンレース不織布の製造方法
JP2017177532A (ja) 中綿
JPH07109654A (ja) 水流交絡不織布及びその製造法
JP3193938B2 (ja) ポリビニルアルコール系水溶性長繊維不織布
JP2005325455A (ja) 不織布およびその製造方法
JPH05214649A (ja) 柔軟な不織布およびその製造法
JPH01201567A (ja) 嵩高スパンボンド不織布の製造方法
JP3423476B2 (ja) 耐久性衣料用不織布およびその製造法、ならびに衣料
JP2871864B2 (ja) 地合の良好なスパンレース不織布およびその製造法
JP3046410B2 (ja) 水流交絡用ウェブ、水流交絡不織布および水流交絡不織布の製造法
JP4326899B2 (ja) 不織布の製造方法
JP3278288B2 (ja) 絡合不織布およびこれを用いた芯地
JP4511254B2 (ja) 起毛不織布及びその製造方法
JP2871869B2 (ja) 地合の良好なスパンレース不織布およびその製造法
JP3081853B2 (ja) 地合の良好な水流交絡不織布およびその製造法
JP3545857B2 (ja) 断熱性複合体及びこの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090728

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4354861

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130807

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees