JP4354225B2 - 複写型idカード作製装置及び複写型idカード作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、証明写真装置などで撮影された顔写真を複写することにより、顔写真データを得、得られた顔写真データを用いてIDカードを作製するIDカード作製技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
社員証や学生証に代表される顔写真入りのIDカードを作製するIDカード作製装置がある。この様なIDカードの顔写真を取り込む方法としては、デジタルカメラやビデオカメラでユーザを直接撮影して顔画像を取り込み、カードを作製する方法(例えば、特許文献1参照)の他に、市中に設置されているボックス型の証明写真撮影装置等で作製された顔写真を申請書や申し込み書などの用紙に貼り付け、その顔写真を読み取って顔写真入りのIDカードを作製する複写型IDカード作製装置がある。
【0003】
この様な複写型IDカード作製装置では、用紙上の所定位置に貼り付けられた顔写真を、スキャナやCCDカメラなどで読み取って得られた顔写真データと、氏名、住所、生年月日等の個人データやカード発行日等の文字データとを画像データとしてカード上にプリントしてIDカードを作製する。
【0004】
用紙上の所定位置に顔写真を貼り付ける場合、顔写真が所定の位置に正確に貼り付けられることが重要である。ところが、所定位置に正確に貼り付けずに、曲がって貼り付けたり、所定位置からはみ出してずれて貼り付けられたりすることが多々ある。
【0005】
この様に、顔写真が曲がったりずれたりした状態で貼り付けられると、この状態で顔写真の読み込みが行われるので、読取画像もずれたり曲がったりしたままで作製されるため、出来上がったIDカードは体裁の悪いものとなり好ましくない。そこで、写真位置ずれや曲がりを修正する修正手段を設けて、顔写真が用紙上の所定位置に正確に貼り付けられていない場合でも、顔写真のずれや曲がりのない体裁の良いIDカードを作製するID作製装置が従来より提案されてきている。
【0006】
その中でも、IDカード作製装置内に顔写真のずれや曲がりを修正するプログラムを内蔵させ、ソフトウェアを用いて画像処理で位置ずれや曲がりを修正して顔写真入りのIDカードを作製するものがある。
【0007】
例えば、検知手段で用紙に貼り付けられた顔写真のずれ量や傾き角を検知した後、その検知量に基づくプログラム処理による自動修正を行うことで曲がりの無い顔写真を有するIDカードを作製するカード作製装置(例えば、特許文献2参照)や、規定の写真サイズより大きい読取ザイズで画像を読み取り、得られた画像データから写真エッジを検出し、この写真エッジを含まない様に写真画像を抽出した顔写真データを作製したIDカード作製装置(例えば、特許文献3参照)がある。上記特許文献3に開示されたカード作製装置は、用紙に貼付した顔写真よりも広い範囲で画像読み込みを行い、読み込み画像データより写真エッジを検出し、検出された写真エッジで形成される領域内で、かつこの写真エッジを含まない大きさの領域で写真画像を抽出するものであり、写真エッジの位置検出を4辺に対して行わなくてはならず、IDカード作製時間を短縮化させる上での障壁となっていた。
【0008】
また、上記のソフトウェアにより顔写真の貼り付け位置を修正するものの他に、顔写真画像を取り込むCCDカメラを用紙搬送経路の幅手方向に移動できる様に設置して、用紙上の顔写真の貼り付け位置に応じてカメラを移動して画像の読み取りを行って顔写真入りのIDカードを作製する複写撮影装置(例えば、特許文献4参照)も開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2003−25776号公報(段落0048参照)
【0010】
【特許文献2】
特開平8−286239号公報(段落0006、07参照)
【0011】
【特許文献3】
特開2001−180160号公報(段落0037参照)
【0012】
【特許文献4】
特開平8−102826号公報(段落0009参照)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、用紙に貼付された顔写真の修正をソフトウェアで行うと画質に影響が出てくることがあり、画質を維持する上でも修正のための演算処理が複雑化する問題があった。更に、貼付された顔写真が数ミリ程度の微妙な位置ずれを補正することが意外と手間の掛かるものであることが判明した。そして、この様な微妙に位置ずれした写真でカードを作製すると、一見体裁良く作製されたと判断されたカードでもユーザが顔画像単部にエッジが入っていたり、用紙に印刷されていた点線などが写し込まれていることに気づくと仕上がりに不満を感じ、カードの再作製を作製者に依頼することになる。
【0014】
このような微妙な位置ずれをソフトウェアによる画像処理で行うと、修正が微妙な分、高い修正精度が要求されるので、演算処理がより複雑化してカード作製の所用時間が長くなり、作業効率を著しく低減させた。とりわけ、顔写真を複写してIDカードを作製する作業は、一度の大量のカード作製を行うケースが多く、1件1件の画像に対し位置ずれの修正を行うのに要する時間は大きく、顔写真の読取時間が長くなることは作業効率の視点から切実な問題となっていた。
【0015】
また、上述の特許文献4の様にカメラ自体を移動させて画像読取を行う方法は、数ミリ程度の微妙な位置ずれの収支得を行うには精度が低すぎ、ユーザが満足するような顔画像が得られるものではなかった。
【0016】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、用紙に貼付された顔写真が微妙に位置ずれした状態で貼り付けられていても、製品であるIDカードには写真エッジや用紙の印刷などが写し込まれていない正確な顔写真が入ったカードを作製することが可能な複写型のIDカード作製装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術の中で顔写真を読み込んだ画像データの中から、写真のエッジを検出し、複雑な演算処理を行って位置ずれした顔写真からカード作製用の画像データを取り出すものがあることに着目した。そこで、カード作製用に読み込まれた画像データ中にエッジが存在する場合、画像処理のための演算処理になるべく手間を掛けないようにして、このエッジ部を積極的に活用することにより、カード作製に適した画像の取り出しを行うことを検討し、本発明を見いだしたものである。
【0018】
即ち、本発明の方法は、写真画像を読み込んだ後、先ず所定の顔写真の範囲を切り出し、その切り出し範囲の中に写真エッジの有無を判断し、無い場合はそのまま、ある場合は修正処理を行って切り出しをやり直すもので、やり直しの確率が低いものに対して非常に効率的方法である。また、写真エッジを検出した場合は、検出する写真エッジは1辺若しくは2辺であり、従来のエッジ判定を4本行わなければならなかったものに比し、画像処理量を半減することができ、演算処理の負荷を低減することができたものである。
【0019】
即ち、以下の構成により目的を達成することができた。
(1)用紙上に貼付された顔写真を用いて、顔写真入りのIDカードを作製する複写型IDカード作製装置であって、
該用紙上の顔写真を含む顔写真より広い領域を読取り、画像データを作成する画像読取手段と、
該画像データを用いてカード作製用の顔画像データを作成する制御手段とを有し、
該制御手段は、
該画像データ中から、カード作製用の第1画像領域を抽出する画像抽出手段と、
該画像抽出手段により抽出された第1画像領域から写真エッジを検出する写真エッジ検出手段と、
該写真エッジを基準にして該画像データ中から写真エッジがない第2画像領域を演算する画像領域指定手段よりなり、
画像抽出手段により抽出される第1画像領域は、用紙上の定められた位置に貼付された顔写真から得られる画像データ中の1辺又は2辺の写真エッジを含む領域に予め設定され、
写真エッジ検出手段が、前記抽出された第1画像領域から写真エッジを検出した際、該画像領域指定手段によって演算された第2画像領域を、該画像抽出手段により抽出し、抽出した第2画像領域をカード作製用の顔画像データとするように制御するものであることを特徴とする複写型IDカード作製装置。
【0020】
(2)用紙上に貼付された顔写真を用いて、顔写真入りのIDカードを作製する複写型IDカード作製方法において、
画像読取手段により前記用紙上の顔写真より広い領域を読取り、画像データを作製し、
該画像データを用いてカード作製用の顔画像データを作製するに際し、
制御手段は、
該画像データ中から、カード作製用の第1画像領域を抽出する画像抽出手段と、該画像抽出手段により抽出された第1画像領域から写真エッジを検出する写真エッジ検出手段と、
該写真エッジを基準にして該画像データ中から写真エッジがない第2画像領域を演算する画像領域指定手段を有し、
画像抽出手段により抽出される第1画像領域は、用紙上の定められた位置に貼付された顔写真から得られる画像データ中の1辺又は2辺の写真エッジを含む領域に予め設定され、
写真エッジ検出手段が、前記抽出された第1画像領域から写真エッジを検出した際、該画像領域指定手段によって演算された写真エッジのない第2画像領域を、前記画像データ中から前記画像抽出手段により抽出し、抽出された第2画像領域をカード作製用の顔画像データとするように制御することを特徴とする複写型IDカード作製方法。
【0021】
(3) 抽出された第2画像領域中に、写真エッジが存在するかを再度写真エッジ検出手段により検出することを特徴とする(2)に記載の複写型IDカード作製方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の複写型IDカード作製装置の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。
【0025】
先ず、IDカードを申請するための申請書について図1を用いて説明する。
申請書にはIDカードの目的に応じて必要なデータが記載されており、図1に示す申請書1においては、申請者の氏名、住所、生年月日等の個人データ1aと被申請者側で付与した登録番号1bが記載されている。また、申請者の顔写真2が所定の写真貼り付け位置に貼り付けられている。
【0026】
なお、IDカードとしては、会社従業員証の他、個人の身分証明書、役所への登録証明書、医院での診察券、交通機関への乗降カード、図書館等での貸し出し証、運転免許証、商品購入に際して加算されるポイントカード、クレジットカード等、どのようなものであってもよい。
【0027】
次に、本発明の複写型IDカード作製装置の概略構成を図2を用いて説明する。
【0028】
先ず、IDカードを作製するための複数枚の申請書1を申請書トレイ11に積載する。ここで、所定の開始操作を行うと、申請書1は搬送ローラ駆動装置14により複数の搬送ローラ12によって1枚ずつ自動的に下方に搬送される。搬送された申請書1は文字読み取り手段(図中、OCRと表示)13により、申請書1に記載された個人データ1aや登録番号1bが読み取られ、その読み取りデータは制御部21に送られ解読される。
【0029】
続いて、申請書1は画像読取手段(図中、CCDカメラと表示)15の位置に搬送されて停止する。そして、申請書1に貼り付けられている顔写真2を含む所定範囲が画像読取手段15によって撮像され読み取られる。即ち、画像読取手段15による撮像画角は顔写真2に対する撮像画角より大きく設定されていて、顔写真2にある程度の曲がりや位置ずれがあっても、顔写真2と共に顔写真2の周辺に位置する申請書の一部も撮像されるように構成されている。なお、顔写真2は複数の照明灯17によって照明され、薄手の顔写真2に凹凸が生じていても照明ムラがないようにしている。
【0030】
そして、画像読取手段15によって読み取られた顔写真2を含む画像データは制御部21に転送される。
【0031】
制御部で画像処理が施された後、出力装置であるIDカードプリンター31により、個人データや顔画像データの記録されたIDカード50が作製され、申請書1は排紙部20に排紙される。画像表示部32には、制御部での処理の進捗情報や異常時の異常情報あるいは、異常時の指示待機等種々の内容を表示することができる。
【0032】
図3はシステムのブロック図であり、図4はIDカード作製のフロー図である。
【0033】
図3に示す如く、制御部内には、中央演算部を中心に搬送系制御部、文字情報解読部、画像情報処理部、画像表示制御部、出力制御部等が配置されている。
【0034】
図4に基づいてIDカード作製手順を説明する。
ST−1では、画像読取手段により少なくとも顔写真を含む所定領域の画像データが読み取られる。ST−2では得られた画像データから、画像抽出手段により、カード作製用の第1画像領域を抽出する。最初に抽出する第1画像領域は、申請書に正しく貼られた顔写真から、予め指定された切り出し範囲に基づいた画像領域で抽出される。この予め指定された切り出し範囲は最後のIDカードに貼り付けられる顔写真データとなるべき範囲であり、正しく貼り付けられた顔写真より若干小さい範囲とすることが安全率を高める点で好ましい。
【0035】
次に、ST−3では、写真エッジ検出手段により、抽出された画像領域中に写真エッジの存在の有無を検出する。
【0036】
写真エッジが検出されなかった場合は、抽出された第1画像領域を顔画像データとしてST−4のIDカード作製の工程に移行する。
【0037】
このようにして、図2に示す画像読取手段15による撮像が終了し、顔画像データが確定した後、申請書1は搬送されて、排紙部20のOKのボックスに排紙される。
【0038】
一方、抽出された第1画像領域中に写真エッジが検出された場合は、ST−5の検出された写真エッジの位置と抽出された画像領域の輪郭部とのずれ量から、その写真エッジのない画像領域を演算する画像領域指定手段により新しい切り出し領域が指定され、ST−6の画像抽出手段により再度画像データから新らしい第2画像領域を抽出し、その第2画像領域を顔写真データとして、ST−4のIDカード作製の工程に移行する。そして図2に示す申請書1は搬送されて、排紙部20のOKのボックスに排紙される。
【0039】
これらは、何れも正常終了した例であるが、第2画像領域を抽出したのち、再度写真エッジ検出手段により、写真エッジの有無の検出を行うことが好ましく、その結果再度写真エッジが検出された場合は、貼付された写真が不適格として、IDカードは作製されず、図2に示す申請書1はNGの排紙ボックスに排紙するというフローを追加してもよい。
【0040】
写真エッジ検出手段としては、例えば画像濃度差が著しい部分が直線的に並んでいる部分を検出する手段が一般的であるが、これに限られるものではなく、どのようなソフトウェアを用いても良い。
【0041】
図5は画像読取手段により読み取られた画像データと画像抽出手段により抽出された画像領域とその画像領域中に写真エッジが検出された状態を説明する図である。
【0042】
申請書1上の顔写真2を少なくとも含む範囲60で画像読取手段により読み取られた、画像データa1が得られる。画像データa1から規定の範囲61の第1画像領域a2が抽出され、該画像領域中を写真エッジ検出手段により写真エッジの検出を行い、写真エッジは検出されない場合はOK(正常)として次のIDカード作製工程に移行することができる。
【0043】
一方、申請書1上の顔写真2を少なくとも含む範囲60で画像読取手段により読み取られた、画像データb1が得られる。画像抽出手段により画像データb1から規定の範囲61の第1画像領域b2が抽出され、写真エッジ検出手段により写真エッジ70が検出される。写真エッジの位置は第1画像領域b2の輪郭部からΔx及びΔyのずれ量を持つものであった。そこで画像データb3(b1に同じ)に戻り、画像領域指定手段により、ずれ量ΔX及びΔYから写真エッジのない画像領域を演算し、新たに指定された写真エッジの存在しない範囲63で画像抽出手段により新しい第2画像領域b4を得、これを顔写真データとして次のIDカード作製工程に移行することができる。
【0044】
この際、新らしく切り出された第2画像領域中に再度写真エッジの有無を検出することが好ましく、その例を次に示す。上記と同様にして得られた画像データc1から規定の範囲61の第1画像領域c2が抽出され、写真エッジ検出手段により写真エッジ71が検出され、画像領域指定手段により指示された新しい領域64で画像抽出手段により画像データc1から抽出した新しい第2画像領域c4を得、再度写真エッジ検出手段により写真エッジ72を検出した場合の例である。
【0045】
このように再度写真エッジが検出されるということは、最初に検出された写真エッジに対し対角線上に検出されるもので、貼付された写真が所定のものよりも小さい場合に発生するものであり、このような場合は、画面表示部に異常情報を表示し、次の指示が出るまで待機状態としても良く、また、異常処理として申請書を排紙部のNGボックスへ排紙されるようにしても良い。
【0046】
抽出された第1画像領域中に写真エッジ検出手段により写真エッジが検出された場合の、画像領域指定手段が行う演算処理について、図6をもって更に説明する。
【0047】
図6(a)は、用紙上に正しく顔写真が貼付された状態での、画像読取手段により、貼付された顔写真22を含む広い読取範囲60で読み取られた画像データを表す。この画像データより、画像抽出手段により、第1画像領域61が抽出される。顔写真の大きさ(W1,H1)に対し、抽出された画像領域(W2、H2)の方がα(W1−W2)、β(H1−H2)だけ小さいことを示しており、抽出された画像領域中には写真エッジが存在しないことを示している。
【0048】
図6(b)は、貼付された顔写真がやや右上方にずれて貼付された状態で、画像読取手段により、貼付された顔写真22を含む広い読取範囲60で読み取られた画像データを表す。この画像データより、画像抽出手段により、前記(a)と同じ位置で第1画像領域61が抽出される。写真エッジ検出手段により、抽出された第1画像領域中には写真エッジ70が存在することが検出され、顔写真輪郭部からのずれ量(ΔX、ΔY)から、検出された写真エッジがない新たな画像領域63が演算され、画像抽出手段により新たな第2画像領域が抽出される。
【0049】
図6(c)は画像領域指定手段により、新たな画像領域として抽出位置をΔX、ΔY分画像の中心方向(この図における右上矢印方向)に移動することによって、検出された写真エッジの無い領域を指定することが可能であるが、好ましくはΔX+α/2、ΔY+β/2分画像の中心方向に移動することが好ましい。
【0050】
また、本発明の好ましい態様としては、画像抽出手段により抽出する第1画像領域61を予め所定の抽出範囲からずらしておき、第1画像領域中に必ず1辺又は2辺の写真エッジが存在するように切り出し、写真エッジ検出手段により位置を検出し、画像領域指定手段により新たな領域を指定して、画像抽出手段により新しい第2画像領域を抽出し、抽出された第2画像領域を顔画像データとしてIDカードを作製する方法である。予め第1画像領域中に写真エッジを存在させることにより、写真エッジ検出手段が画像領域中から写真エッジを検出する範囲を小さく絞り込むことができ、検出時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0051】
写真エッジ検出手段が写真エッジを検出する画像領域中の検索範囲について、図7を用いて説明する。
【0052】
図7(a)、(b)は、通常の画像抽出手段により第1画像領域61を抽出した場合の写真エッジ70の例であり、このような場合は、図7(c)に示すように、写真エッジ検索範囲を第1画像領域61の中心部分を除いたほぼ全面の斜線領域68とすることが必要であったのに対し、抽出する第1画像領域61を規定の位置から予めずらして設定し、例えば図7(b)の配置となるような、第1画像領域中に必ず1辺又は2辺の写真エッジ70が存在する様に設定することにより、図7(d)に示すような、写真エッジの検索範囲を斜線領域69とすることができ、検索範囲をほぼ半分とすることができる。また、その後の画像領域指定手段が写真エッジを含まない新たな第2の画像領域を演算する場合も、その範囲及び方向が限定されることから、中央演算部の負荷も大きく低減することができる。
【0053】
また、新しい画像領域を抽出した後、写真エッジ検出手段により再度写真エッジを検出した場合、1回目に検出された写真エッジの位置と2回目に検出された写真ッジの位置から拡大率を演算し、拡大してプリントするような演算方法を設けてもよい。
【0054】
以上の如く行われた処理により、文字読み取り手段によって読み取られ、制御部の文字情報解読部で解読された個人データや登録番号のデータは制御部の中央演算部に転送される。また、画像情報処理部で画像処理された顔写真データも制御部の中央演算部に転送される。
【0055】
中央演算部で処理された顔写真データ、個人データや登録番号データがプリント出力用画像データ制御部によりIDカードプリンタに出力され、IDカードが作製される。
【0056】
以上の構成は申請者が作成した申請書に対しての処理に限定されるものはなく、申請書に基づいて被申請者側で必要なデータが入力され、顔写真が貼り付けられた台紙に対する処理であってもよい。
【0057】
【発明の効果】
本発明の複写型IDカード作成装置、IDカード作成方法、及び複写型IDカードによれば、用紙上の顔写真を少なくとも含む範囲で画像情報を取得し、先ず規定の範囲で画像抽出し、写真エッジ検出を行い、その後必要により画像処理を行うことにより、画像処理の負荷を低減し、貼付位置を確実に検出することが可能であり、そのために位置ずれのない高品質のIDカードを作製できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】IDカードを申請するための申請書の図である。
【図2】本発明の複写型IDカード作製装置の概略構成図である。
【図3】システムのブロック図である。
【図4】IDカード作製のフロー図である。
【図5】画像読取手段により読み取られた画像データと画像抽出手段により抽出された画像領域とその画像領域中に写真エッジが検出された状態を説明する図である。
【図6】画像領域指定手段が行う演算処理を説明する図である。
【図7】写真エッジ検出手段が写真エッジを検出する画像領域中の検索範囲について説明する図である。
【符号の説明】
1 申請書
1a 個人データ
1b 登録番号
2 顔写真
13 OCR
15 CCDカメラ
16 顔画像処理部
19 写真位置検出部
21 制御部
31 IDカードプリンタ
50 IDカード
60 読取範囲
61 第1画像領域
70 写真エッジ
Claims (3)
- 用紙上に貼付された顔写真を用いて、顔写真入りのIDカードを作製する複写型IDカード作製装置であって、
該用紙上の顔写真を含む顔写真より広い領域を読取り、画像データを作成する画像読取手段と、
該画像データを用いてカード作製用の顔画像データを作成する制御手段とを有し、
該制御手段は、
該画像データ中から、カード作製用の第1画像領域を抽出する画像抽出手段と、
該画像抽出手段により抽出された第1画像領域から写真エッジを検出する写真エッジ検出手段と、
該写真エッジを基準にして該画像データ中から写真エッジがない第2画像領域を演算する画像領域指定手段よりなり、
画像抽出手段により抽出される第1画像領域は、用紙上の定められた位置に貼付された顔写真から得られる画像データ中の1辺又は2辺の写真エッジを含む領域に予め設定され、
写真エッジ検出手段が、前記抽出された第1画像領域から写真エッジを検出した際、該画像領域指定手段によって演算された第2画像領域を、該画像抽出手段により抽出し、抽出した第2画像領域をカード作製用の顔画像データとするように制御するものであることを特徴とする複写型IDカード作製装置。 - 用紙上に貼付された顔写真を用いて、顔写真入りのIDカードを作製する複写型IDカード作製方法において、
画像読取手段により前記用紙上の顔写真より広い領域を読取り、画像データを作製し、
該画像データを用いてカード作製用の顔画像データを作製するに際し、
制御手段は、
該画像データ中から、カード作製用の第1画像領域を抽出する画像抽出手段と、該画像抽出手段により抽出された第1画像領域から写真エッジを検出する写真エッジ検出手段と、
該写真エッジを基準にして該画像データ中から写真エッジがない第2画像領域を演算する画像領域指定手段を有し、
画像抽出手段により抽出される第1画像領域は、用紙上の定められた位置に貼付された顔写真から得られる画像データ中の1辺又は2辺の写真エッジを含む領域に予め設定され、
写真エッジ検出手段が、前記抽出された第1画像領域から写真エッジを検出した際、該画像領域指定手段によって演算された写真エッジのない第2画像領域を、前記画像データ中から前記画像抽出手段により抽出し、抽出された第2画像領域をカード作製用の顔画像データとするように制御することを特徴とする複写型IDカード作製方法。 - 抽出された第2画像領域中に、写真エッジが存在するかを再度写真エッジ検出手段により検出することを特徴とする請求項2に記載の複写型IDカード作製方法。
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