JP4353512B2 - 圧粉磁心の成形方法 - Google Patents

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Description

この発明は、トランスコア等に用いられる高周波特性に優れる圧粉磁心の成形方法に関する。
リアクトルやトランスコア等に用いられる圧粉磁心には、磁性粒子として鉄粉を用い、該鉄粉に絶縁性の樹脂を混合した混合粉を圧縮成形し、加熱処理して作られるものがある。鉄粉としては、純鉄粉の他、圧粉磁心の鉄損をより少なくするため、燐酸化合物被膜を形成して絶縁性を向上した鉄粉(例えば、ヘガネス社製の商品名Somaloy500)が市販されている。また、特開平10−154613号公報に記載されているような燐酸化合物被膜が形成されたものが挙げられる。
絶縁物としての樹脂は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂など種々提案されているが(例えば、文献1を参照)、耐熱性に優れるものとしては熱硬化性ポリイミド樹脂(例えば、文献2を参照)が挙げられる。樹脂の含有量は、少ないほど高い密度に成形することができ、磁束密度を高いものとすることができるが、リアクトルやトランスコア等に用いられる圧粉磁心では、20〜400kHz程度の高周波に耐えられる(高周波渦電流電力損失が少ない)絶縁性が必要である。また、リアクトルやトランスコア等に用いられる圧粉磁心は、大電流までの直流重畳特性が安定していることが求められるため、絶縁物としての樹脂量は1〜5質量%程度とされる。樹脂量が多すぎると圧粉磁心の鉄粉充填密度が下がり磁束密度および透磁率が低くなる(例えば、文献1を参照)ことが知られている。
以上の混合粉は金型を用いて圧縮成形される。この成形では、混合粉の圧縮性および成形体の離型性をよくするため、混合粉にステアリン酸亜鉛やステアリン酸リチウム等の成形潤滑剤を添加する方法(例えば、文献2や3を参照)がある。
混合粉の圧縮成形は、常温で行うか、又は、金型と混合粉とを100℃程度に加熱して行う温間成形方法(例えば、文献4を参照)がある。得られた圧縮成形体は、樹脂が硬化する温度、例えば、ポリイミド樹脂では200℃程度で加熱処理される(文献2を参照)。
特開平11−126721号公報 特開平11−354359号公報 特公平4−12605号公報 特開2000−21618号公報
上記した従来技術の中で、鉄粉に熱硬化性ポリイミド樹脂を約1〜5質量%と成形潤滑剤とを添加した混合粉を圧縮成形し、樹脂硬化加熱処理した圧粉磁心は、高周波特性に優れるものであるが、以下のような課題がある。
(1)混合粉にステアリン酸亜鉛等の成形潤滑剤を添加すると、圧縮性が良くなるが粉末成形体の強度が低くなり(文献3を参照)、樹脂の熱処理で成形潤滑剤が溶融して樹脂の硬化を阻害し易くなる。
(2)成形潤滑剤の添加量を少なくし、常温下で圧縮成形すると、成形体を金型から抜き出す圧力が高くなり、金型と成形体がかじりなどを生じ易くなる。
(3)一方、圧縮性をよくするため、圧縮成形を金型と混合粉とを加熱した温間成形で行うと、樹脂が軟化して変形し易くなり、樹脂の含有量が1〜5質量%の場合では、樹脂量が比較的多いため成形金型のパンチに成形体が付着したり、成形体表面が樹脂の多い状態となったり、成形体の側面にクラックが発生するなどの諸問題が発生する。
この発明は、以上のような課題を解消して、樹脂量が比較的多い圧粉磁心の場合にも、圧縮成形後の抜出し圧力が低く、金型かじりやひび割れを生じない高性能の圧粉磁心を安定して量産できるようにすることを目的としている。
請求項1の発明は、温度が60℃〜100℃の範囲で加熱した粉末成形用金型のキャビティ壁面に、成形潤滑剤粉末を単位面積当たり0.2〜2.0mg/cm2 の範囲内で塗布しておき、鉄粉又は絶縁皮膜を形成した鉄粉に1〜5質量%の熱硬化性ポリイミド樹脂粉を混合するとともに、成形潤滑剤を含んでいない、又は成形潤滑剤を0.1質量%以下含んでいる混合粉とし、該混合粉を該キャビティに充填し、圧縮成形することを特徴としている。
以上の圧粉磁心の成形方法は、圧粉成形の際の金型温度および金型用成形潤滑剤を適量に制御することにより、従来の諸問題を一掃して高周波特性に優れた圧粉磁心を安定して成形可能にしたものである。ここで、成形潤滑剤粉末の金型への塗布方法は、均一化および作業効率から潤滑剤粉末を静電塗布或いはアルコール分散液にして塗布することである。
以上の成形方法において、合粉中の成形潤滑剤は、まないことが好ましいが、0.1質量%以下で添加しても高周波特性にさほど影響を与えないため差し支えない。金型構造としては、請求項に記載のように、金型のダイ内面又はコアロッド外面が、1/100〜1/5000のテーパを付与したものを用いること、請求項に記載のように、金型がダイ内面又はコアロッド外面にCrN,TiN,TiC,Al ,TiCN,HfN,WC,DLC(Diamond Like Carbon)のいずれか又はこれら複合のコーティング層を付与したもの、或いは、浸硫窒化による表面改質を行ったものを用いることがより好適である。
以上の発明方法は、所定温度に加熱された金型に成形潤滑粉末を適正な量で塗布し、常温の混合粉を充填して圧縮成形するため、量産時の制御ないしは管理が簡単であり、圧縮成形による材料欠陥がなく、高密度な圧粉磁心を提供することができる。
以下、本発明の最良の形態を詳しく説明する。
(1)混合粉
鉄粉は絶縁処理されたものが好ましい。これは、リアクトルやトランスコア等は高周波領域で用いられるためである。市販品としては、例えば、ヘガネス社製の商品名Somaloy500、Permite75が挙げられる。より好ましくは、特開平10−154613号公報に記載されているような無機系酸化物の絶縁被膜が形成された鉄粉を用いることである。鉄粉に混合される樹脂は、ポリイミド、エポキシ、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられるが、耐熱性が良好な熱硬化性ポリイミド又はエポキシ樹脂が好ましい。添加量は、許容される鉄損に応じて適宜決定されるが、1〜5質量%の範囲内であり、好ましくは2〜3質量%である。混合粉中の成形潤滑剤は、添加しない方が磁性特性に悪影響を与えるおそれがなく好ましいが、0.1質量%以下で添加してもさほど影響を与えないため差し支えない。
(2)粉末成形
成形方法は、成形金型のキャビティに混合粉(鉄粉と樹脂粉)を充填し、上下のパンチで圧縮成形し、離型される。この場合、混合粉を充填する前にダイキャビティを形成し、ダイキャビティ内壁面(ダイ内面やコア外面)に後述する成形潤滑剤を塗布したのち、混合粉を充填して圧縮する。このような成形では、電気ヒータ等の加熱手段を持つ金型および粉末フィーダを用いて行われる。混合粉は加熱しない。金型の温度は各種試験より60〜100℃であり、好ましくは80〜90℃である。金型温度60℃は、成形の初期段階で金型を加熱昇温しておくと、成形の摩擦熱でその温度をほぼ維持することができる場合がある。金型用成形潤滑剤および樹脂との関係では、例えば、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸リチウムのような成形潤滑剤だと、圧縮成形体を金型から抜き出す際の圧力が常温では高く、金型の温度が80〜90℃のとき最も低くなる。100℃を超えると抜出し性が悪くなったり、混合粉中の樹脂が軟化して、前述したような圧縮成形体に不具合が生じ易くなる。
(3)成形潤滑剤
金型に塗布する成形潤滑剤は、前記したステアリン酸亜鉛やステアリン酸リチウム以外にも、エチレンビスステアロアマイド等を用いることができる。能率良く安定した塗布のためには、成形潤滑剤粉を静電塗布或いはアルコール分散液にして塗布することが望ましい。金型に成形潤滑剤を塗布する方法では、混合粉(鉄粉と樹脂粉)に成形潤滑剤が混入されるおそれなしに、高い成形密度と、金型ダイキャビティとの摩擦を低減することができる。
(4)成形潤滑剤の金型塗布量
金型キャビティ壁面に塗布する成形潤滑剤の量は、混合粉の圧縮性および圧粉磁心の磁束密度に影響を及ぼす。成形潤滑剤の塗布の状況によっては、圧粉体にかじり傷が付いたり、抜出し圧力が高かったり、圧粉体の密度の割には期待する磁束密度が得られなくなる。成形潤滑剤が少ないと、混合粉の圧縮性および成形体の抜出し性が悪くなり、圧粉体の表面にかじり傷を生じ易くなる。したがって、金型キャビティ壁面に塗布される潤滑剤の量は、各種試験から少なくとも0.2mg/cm以上が必要である。一方、成形潤滑剤量の塗布量が多すぎると、成形体が塗布されていた成形潤滑剤を巻き込み、表面部分において鉄粉充填密度が下がる。磁束密度および透磁率は、圧粉磁心の鉄粉充填密度に依存するので、成形潤滑剤の巻き込みは鉄粉間の磁気的空隙を大きくすることになり、磁気特性を悪化させる要因となるので、金型キャビティ壁面に塗布する成形潤滑剤の量としては2mg/cm以下にすることが必須となる。
(5)粉末成形金型
粉末成形金型は、ダイ内面又はコアロッド外面にテーパを付与したものを用いると、金型から成形体を抜出すときの圧力を少なくすることができるので、より好ましく実施できる。これは、圧粉磁心は高密度が望ましいので、より高い圧力で成形されるため成形体の抜出し圧力が比較的高いものになるからである。テーパとしては1/100〜1/5000の範囲内で、ダイ内径が入り口に向かって拡がるように、コア外径が入り口に向かって細くなるように形成される。テーパが1/5000より小さいと抜出し圧力低減効果が得られない。テーパが1/100より大きいと成形体にテーパが形成されるだけではなく、加圧時にダイおよびコアロッドが受ける加圧方向に平行な圧力が大きくなり好ましくない。このため、適切なテーパは1/100〜1/5000の範囲内であり、より好ましくは1/1250〜1/2500である。
また、成形金型の表面に硬質なコーティング層や改質層を形成したものを用いれば、金型の耐摩耗性が向上し、圧縮性および離型性が安定するので高密度成形を実現し易くなる。この場合、金型材料は金型工具鋼SKD系、高速度鋼SKH系、粉末ハイス、超硬合金などが用いられる。その表面にはCrN,TiN,TiC,Al ,TiCN,HfN,WC,DLCのいずれか又は複合のコーティング層を付与し、又は、浸硫窒化による表面改質処理が行われる。
(5)圧縮成形体の後処理
得られた圧縮成形体は、従来と同様に添加された樹脂の種類に応じた温度で加熱処理される。加熱温度は、例えば、熱硬化性ポリイミド樹脂を用いた場合だと200℃程度である。また、複雑な形状をした圧粉磁心では、後処理として切削加工や金型を用いてサイジングすることができる。
実施例1は、金型用成形潤滑剤の塗布量を一定にして、金型温度変化による抜出し圧の影響を調べたときの一例である。
(混合粉)リン酸被膜絶縁処理アトマイズ鉄粉(ヘガネス社製Somaloy500)に、粒度が20μm以下の熱硬化性ポリイミド粉を2質量%添加し混合した。この混合粉には成形潤滑剤を添加していない。
(成形金型)成形金型は、金型のダイキャビティ直径が20mmで、電気ヒータが付設れており、所定温度に保持できるようになっている。
(成形条件)圧縮成形では、金型の温度を40℃、70℃、90℃、100℃、120℃の各温度において、金型のキャビティ内壁に成形潤滑剤粉を静電塗布法により付着させ、常温の混合粉43.0gを充填したのち、圧力700MPaで圧縮し、成形体を金型から抜き出した。使用した成形潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛粉(St−Zn)と、ステアリン酸リチウム粉(St−Li)とを用い、単位面積当たりの塗布量を1.5mg/cm2とした。この成形潤滑剤の塗布量は、静電塗布する際の噴射時間と単位面積当たりの塗布量の関係を予め測定しておき、対応する時間を噴射したものである。


表1は、前記金型の各温度において、成形潤滑剤が成形体の抜出し圧に及ぼす影響と、成形体を200℃で熱処理した圧粉磁心の外観に及ぼす影響を示したものである。各値は、ステアリン酸亜鉛粉を塗布した試験、ステアリン酸リチウム粉を塗布した試験、合計2回の試験結果を平均した値であるが、成形潤滑剤の種類による相違はほとんど認められなかった。表1からは、金型温度が高いほど抜出し圧として低下するが、金型温度が120℃だと成形体表面に樹脂が吹き出し膨れたような外観を示したり、ひび割れが認められるようになる。このように金型潤滑成形では、まず、金型温度が高いほど抜出し性が良好となるが、100℃を超えないことが必須となる。金型温度の下限値は、通常の成形温度である約40℃でも可能であるが、抜き出し圧を小さくして外観を維持する上で60℃以上にすることが好ましい。
Figure 0004353512
実施例2は、成形潤滑剤の塗布量を変えたときに、抜き出し圧、圧粉磁心の物性への影響を調べたときの一例である。
(混合粉)前記と同様に、リン酸被膜絶縁処理アトマイズ鉄粉に、粒度が20μm以下の熱硬化性ポリイミド粉末を2質量%添加し混合した。混合粉には成形潤滑剤を添加していない。
(成形金型)金型は、キャビティ入り口寸法が110×25mmの長方形で、電気ヒータが付設れており、所定温度に保持できるようになっている。
(成形条件)この成形では、金型温度を90℃に加熱し、金型キャビティ内壁に成形潤滑剤としてステアリン酸亜鉛粉を静電塗布法により付着させて、常温の混合粉350gを充填した。そして、圧力686MPaで圧縮し、成形体を金型から抜き出した。なお、ステアリン酸亜鉛粉の塗布量は、前述したと同様に、静電塗布する際の噴射時間と単位面積当たりの塗布量の関係を予め測定しておき、噴射時間に対応して塗布量とした。
試験では、塗布量を表2の8通りに変えて、圧縮成形後の金型からの抜出し圧力、成形体を温度200℃で加熱処理して得られた圧粉磁心の各試料について密度と磁束密度並びに外観状態を観察した。表2はその結果を示している。なお、密度は、圧粉磁心の重量と寸法測定値から計算された体積とから算出した値である。磁束密度は、直流BHアナライザーを用いてB10,000A/mの値(T:テスラー)である。外観状態は、かじりの有無、肌荒れや変形等を目視で行った。
Figure 0004353512
表2において、各試料(圧粉磁心)を比較すると、成形潤滑剤の塗布量が多いほど密度および磁束密度がともに少しずつ低下しており、又、塗布量が0.18mg/cmから2.02mg/cmの範囲では塗布量の減少に伴って抜出し圧が次第に低くなるが、外観に欠点が認められず、金型潤滑の程度が最適で圧粉磁心の密度および磁束密度に悪影響がないことを示している。しかし、塗布量が2.02mg/cmを超えると、密度および磁束密度ともに低下し、又、金型と成形体との潤滑は良好であるが、成形潤滑剤が成形体に悪影響している。これは、混合粉を圧縮成形する過程で成形体の表層部に潤滑剤を巻き込んで成形され、成形体表層部の密度が低くなったものと考えられる。すなわち、塗布量が0.18mg/cmより少ない0.10mg/cmの場合では、抜出しの圧力が24.8MPaと高く、成形体にかじり傷などが発生し易く、成形潤滑剤の塗布量が少なすぎると金型と成形体との潤滑が不足することが分かる。このように、金型と成形体との摩擦低減のためには塗布量0.2mg/cm 以上が必要であり、逆に、2.0mg/cm を超える塗布量では外観を維持できず、期待する磁束密度が得られないことが分かる。
(ダイ側テーパによる影響)次に、ダイ側テーパによる影響を調べたときの一例を挙げる。成形金型は、ダイ内面にテーパを付けないものと、ダイ内面に1/1250のテーパを付与したもの(それ以外は同じもの)を用いて、ステアリン酸亜鉛粉を実施例1と同様に静電塗布により塗布量1.5mg/cm となるよう塗布した。成形では、実施例1や2と同じ混合粉を用い、温度60℃の金型ダイキャビテイに充填し、圧力686MPaで圧縮成形した。抜出し圧力は、テーパを付けたダイではテーパを付けないダイに比べて約10%程度低くなった。テーパを付けたダイの成形体は、外周にかじり傷が一切認められず、テーパを付けないダイの成形体に比べ光沢面となっていた。各成形体を温度200℃で加熱処理して得られた圧粉磁心の密度は、テーパの有無によって変化なく同じであった。
(表面処理による影響)次に、ダイ内面に表面処理を施したときの影響を調べたときの一例を挙げる。成形金型は、ダイ内面に窒化クロム(CrN)処理を施したものと、処理を施さないもの(それ以外は同じもの)を用いて、前記と同じ混合粉を同じ条件で圧縮成形した。この成形体の抜出し力は、窒化クロム処理を施した方は処理を施さない場合に比べ約5%程度低く、成形体の外周はより光沢があった。各成形体を温度200℃で加熱処理して得られた圧粉磁心の密度は、前記テーパの場合と同様に表面処理の有無によっても変化なく同じであった。
以上のことから、金型キャビティの壁面(ダイ内面やコアロッド外面)にテーパを設けたり、窒化クロム等の硬質表面処理を施すと抜出し圧力が低下し、成形体の外周にかじり傷などがなく、光沢面となることから、より高い成形圧力を適用して高密度成形する際に好適な手段であることが分かる。


































Claims (3)

  1. 温度が60℃〜100℃の範囲で加熱した粉末成形用金型のキャビティ壁面に、成形潤滑剤粉末を単位面積当たり0.2〜2.0mg/cm2 の範囲内で塗布しておき、鉄粉又は絶縁皮膜を形成した鉄粉に1〜5質量%の熱硬化性ポリイミド樹脂粉を混合するとともに、成形潤滑剤を含んでいない、又は成形潤滑剤を0.1質量%以下含んでいる混合粉とし、該混合粉を該キャビティに充填し、圧縮成形することを特徴とする圧粉磁心の成形方法。
  2. 前記金型のダイ内面又はコアロッド外面が、1/100〜1/5000のテーパを付与したものである請求項1に記載の圧粉磁心の成形方法。
  3. 前記金型がダイ内面又はコアロッド外面にCrN,TiN,TiC,Al23 ,TiCN,HfN,W2C,DLCのいずれか又は複合のコーティング層を施しているもの、或いは、浸硫窒化による表面改質を施しているものである請求項1または2に記載の圧粉磁心の成形方法。
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