JP4353410B2 - 機能性塗膜の形成法 - Google Patents

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本発明は機能性塗膜の形成法に関し、より詳しくは、遮蔽性が低く且つ紫外線により有機物分解活性を発現する機能性アナターゼ型酸化チタンを含有する機能性上塗り塗料を用いるが、このような塗料を用いる場合に、従来、下塗層を保護するために必要とされてきた保護層を塗装する必要がなく且つ隠蔽性を確保するために膜厚を厚くする必要がない機能性白色塗膜の形成法に関する。
従来、紫外線により有機物分解活性を発現するアナターゼ型酸化チタン(以下、アナターゼ型酸化チタンという)を利用した塗料の配合においては、塗料用合成樹脂とアナターゼ型酸化チタンとを配合していた。
従来の配合では、アナターゼ型酸化チタンを有機物分解機能発現剤として且つ着色顔料として使用していたが、アナターゼ型酸化チタンは着色力が弱いので隠蔽性を持たせることが困難であり、下地の色を隠すためには、アナターゼ型酸化チタン以外の着色顔料を含む場合の塗膜と比較して塗装膜厚を厚くする必要があった。
また、アナターゼ型酸化チタンは紫外線を照射することにより有機物分解活性を発現するので、基材との付着を確保するために、下塗り塗膜とアナターゼ型酸化チタン含有塗膜との間にもう一層保護層を塗装する必要があった。
本発明は、遮蔽性が低く且つ紫外線により有機物分解活性を発現する機能性アナターゼ型酸化チタンを含有する機能性上塗り塗料を用いるが、このような塗料を用いる場合に、従来、下塗層を保護するために必要とされてきた保護層を塗装する必要がなく且つ隠蔽性を確保するために膜厚を厚くする必要がない機能性白色塗膜の形成法を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、金属基材にエポキシ樹脂系下塗り塗料を特定膜厚となるように塗布し、焼付硬化させた後、又は該下塗り塗料を硬化させることなしにその上に、塗料用合成樹脂、特定平均粒子径のアナターゼ型酸化チタン及び特定平均粒子径のルチル型酸化チタンを特定の配合割合で含む機能性上塗り塗料を特定膜厚となるように塗布し、焼付硬化させることにより、上記の目的を達成できることを見いだし、本発明を完成した。
即ち、本発明の機能性塗膜の形成法は、金属基材にエポキシ樹脂系下塗り塗料を乾燥膜厚で5〜40μmとなるように塗布し、該下塗り塗料を硬化させることなしにその上に、塗料用合成樹脂、平均粒子径が2〜350nmのアナターゼ型酸化チタン及び平均粒子径が50〜600nmのルチル型酸化チタンを含み、両酸化チタンの配合割合がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してルチル型酸化チタン66〜150質量部であり、両酸化チタンの合計配合量が塗料用合成樹脂固形分100質量部当たり67〜800質量部である機能性上塗り塗料を乾燥膜厚で15〜70μmとなるように塗布し、該下塗り塗料と該上塗り塗料とを同時に焼付硬化させることを特徴とする。
また、本発明の機能性塗膜の形成法は、金属基材にエポキシ樹脂系下塗り塗料を乾燥膜厚で5〜40μmとなるように塗布し、焼付硬化させた後、塗料用合成樹脂、平均粒子径が2〜350nmのアナターゼ型酸化チタン及び平均粒子径が50〜600nmのルチル型酸化チタンを含み、両酸化チタンの配合割合がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してルチル型酸化チタン66〜150質量部であり、両酸化チタンの合計配合量が塗料用合成樹脂固形分100質量部当たり67〜800質量部である機能性上塗り塗料を乾燥膜厚で15〜70μmとなるように塗布し、焼付硬化させることを特徴とする。
本発明の機能性塗膜の形成法においては、遮蔽性が低く且つ紫外線により有機物分解活性を発現する機能性アナターゼ型酸化チタンを含有する機能性上塗り塗料を用いるが、従来、下塗層を保護するために必要とされてきた保護層を塗装する必要がなく且つ膜厚を厚くする必要なしで隠蔽性を確保できる機能性白色塗膜を形成することができる。
本発明の機能性塗膜の形成法で塗装する金属基材として、例えば、鋼板、アルミ板、ステンレス板、チタン板等の各種金属板等を挙げることができる。このうち、鋼板の例として、冷延鋼板、熱延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、合金亜鉛メッキ鋼板、亜鉛−鉄合金メッキ鋼板、亜鉛−アルミ合金メッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、錫メッキ鋼板等を挙げることができる。それらの金属板の塗装前下地処理として、水洗、湯洗、酸洗、アルカリ脱脂、研磨、クロメート処理、複合酸化被膜処理等の何れかを単独で実施するか又はそれらの2種以上を組合せて実施する。
本発明においては下塗り塗料としてはエポキシ樹脂系塗料を用いる。このエポキシ樹脂系塗料としては従来から公知の溶剤型のエポキシ樹脂系塗料を使用することが好ましい。また、下塗り塗膜の厚さについては乾燥膜厚で5〜40μmであることが好ましい。下塗り塗膜の膜厚が5μm未満である場合には、金属基材に対する付着性が低下する傾向があるので好ましくない。また、下塗り塗膜の膜厚が40μmを超える場合には、上塗り塗料を塗布し、焼付硬化させる過程において下塗り塗膜が変形し、この変形に追随できない上塗り塗膜に割れが生じることがあるので好ましくない。
本発明においては機能性上塗り塗料として、塗料用合成樹脂、平均粒子径が2〜350nmのアナターゼ型酸化チタン及び平均粒子径50〜600nmのルチル型酸化チタンを必須成分として含有し、必要に応じて、溶剤、顔料等を含有する塗料を用いる。更に、必要により、一般の塗料、コーティング等で用いられている各種添加剤を配合しても構わない。
本発明においては塗料用合成樹脂として従来から公知の焼付型、常乾型、紫外線硬化型等の有機溶剤系、水系又は無機溶剤系等の各種塗料に使用される合成樹脂を用いることができる。そのような合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、無機系シリコン樹脂等の一種もしくは二種以上の混合物、あるいはそれらの変性物から成る樹脂(場合により硬化剤と併用する)を好適に用いることができる。
本発明で用いるアナターゼ型酸化チタンは特定エネルギーを持つ光の照射で有機物の酸化還元に対して触媒作用を示すものであり、平均粒子径が2〜350nmであるものが好ましい。平均粒子径が2nm未満のアナターゼ型酸化チタンは塗料の粘度が上昇して練合工程が困難となり、平均粒子径が350nmを超えるアナターゼ型酸化チタンは有機物分解活性が低下する傾向があるので好ましくない。
本発明で用いるルチル型酸化チタンとしては平均粒子径が50〜600nmであるものが好ましい。本発明においてはルチル型酸化チタンを併用することにより塗膜の隠蔽性を改善するだけでなく、エポキシ樹脂系下塗り塗膜の上に直接機能性上塗り塗膜を塗装することができるようになる。平均粒子径が50nm未満である場合には、上記の効果が不十分となる傾向があり、平均粒子径が600nmを超える場合には、平滑な塗膜を形成することが困難となる傾向があるので好ましくない。
本発明においては上記のアナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンをアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してルチル型酸化チタン66〜150質量部となる配合割合で用いることが好ましい。ルチル型酸化チタンの配合割合がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対して66質量部未満である場合には、上記したルチル型酸化チタンの併用効果が不十分となる傾向があり、また、150質量部を超える場合には、有機物分解活性が低下する傾向がある。
本発明においては上記のアナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンをその合計配合量が上記の塗料用合成樹脂の固形分100質量部当たり67〜800質量部となる量で配合することが好ましい。アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンの合計配合量が塗料用合成樹脂固形分100質量部に対して67質量部未満である場合には、有機物分解性が低下し、また、800質量部を超える場合には、塗膜の割れ等を誘発する傾向があるので好ましくない。
本発明で用いることのできる溶剤として、一般の塗料、コーティング等で用いられている脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アルコールエステル類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエーテル類及び水を挙げることができる。
本発明で用いることのできる顔料としては有機系顔料及び無機系顔料の何れでもよく、またその両方を併用することもできる。更に、体質顔料及び着色顔料のいずれも用いることができ、更にその両方を併用することもできる。その顔料の具体例として、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ粉、バライト、微粉末シリカ、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムなどの無機系体質顔料、酸化亜鉛、リトポン、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄土、黄色酸化鉄、チタン黄、ベンガラ、酸化鉄粉、群青、酸化クロムなどの無機系着色顔料、ハンザイエロー、パーマネントイエロー、パーマネントレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機系着色顔料等を挙げることができる。これらの着色顔料は、塗膜が白色を損なわない程度の配合量で用いることが好ましい。
本発明においては上塗り塗膜の厚さが乾燥膜厚で15〜70μmであることが好ましい。上塗り塗膜の膜厚が15μm未満である場合には、膜厚が薄いことに起因して上塗り塗膜の隠蔽性が低下し、また、下塗り塗膜と上塗り塗膜との界面に光が届くことで、その界面で有機物分解活性が発現してその界面で塗膜の剥離が生じる傾向があるので好ましくない。なお、上塗り塗膜の膜厚が70μmを超えると、高粘度で顔料分を含む塗膜の場合には塗膜に割れが生じる場合があるので好ましくない。
本発明の機能性塗膜の形成法は、金属基材にエポキシ樹脂系下塗り塗料を塗布し、該下塗り塗料を硬化させることなしにその上に、機能性上塗り塗料を塗布し、該下塗り塗料と該上塗り塗料とを同時に焼付硬化させることによって実施しても、或いは金属基材にエポキシ樹脂系下塗り塗料を塗布し、焼付硬化させた後、機能性上塗り塗料を塗布し、焼付硬化させることによって実施してもよい。
以下に、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。尚、実施例及び比較例中の「部」及び「%」は質量基準で示す。
<実施例1〜2及び比較例1〜4>
塗料用合成樹脂として溶剤系シリコーン系樹脂(不揮発分60%)を用い、アナターゼ型酸化チタンとして平均粒子径が100nm又は400nmのものを用い、ルチル型酸化チタンとして平均粒子径が300nm又は700nmのものを用い、溶剤としてキシロールを用い、それらの成分を第1表に示す配合量(部)で配合して機能性上塗り塗料を調製した。
金属基材として70mm×150mm×2mmのアルミ板を用い、その片面に焼付硬化型エポキシ樹脂系下塗り塗料を乾燥膜厚で20μmとなるように塗布し、その下塗り塗料を硬化させることなしでその上に、第1表に示す各々の機能性上塗り塗料を乾燥膜厚35μmとなるように塗布し、下塗り塗料と上塗り塗料とを同時に焼付硬化させて塗膜を形成させた。なお、上塗り塗膜の隠蔽性を調べるために、未硬化の下塗り塗料の表面の一部を着色した後、上塗り塗料を塗布した。得られた塗膜の初期表面状態を目視で観察して評価した。その結果は第1表に示す通りであった。
<ホルムアルデヒドガス分解試験>
時計皿に0.02gのホルムアルデヒド(試薬特級:37%溶液)を滴下し、その時計皿を50Lのテドラーバッグ(テドラー社製商品名)に封入した。封入後、空気を充填して一昼夜静置した。静置後のテドラーバッグ内のホルムアルデヒドガス濃度をホルムアルデヒド検知管を用いて測定した。それらの測定濃度を初期のガス濃度として第1表に示す。5Lのテドラーバッグに上記の塗膜を形成した各々の金属基材を封入した後、上記のようにして調製したホルムアルデヒドガス含有空気を充填して一昼夜静置した。また、5Lのテドラーバッグに試験片を封入しないで上記のようにして調製したホルムアルデヒドガス含有空気を充填してブランク試験(比較例4)も実施した。
上記のようにして一昼夜静置した後のテドラーバッグに対して、ブラックライトを用いて1mW/cm2 の強度で紫外線を2時間照射し、紫外線照射後のホルムアルデヒドガス濃度をホルムアルデヒド検知管を用いて測定した。その測定濃度を紫外線2時間照射後のホルムアルデヒドガス濃度として第1表に示す。(初期濃度)−(紫外線2時間照射後の濃度)=(塗膜の分解したホルムアルデヒドガス濃度)となり、塗膜を形成した金属基材の持つ有機物分解活性を判定することが出来る。
<促進耐性試験>
長時間の露光により、有機物分解活性を発現する機能性アナターゼ型酸化チタンを含有する機能性上塗り塗膜が下塗り塗膜に影響を及ぼすか否か、即ち、上塗り塗膜と下塗り塗膜との界面で剥離が生じるか否かを調べるために、促進耐性試験(JIS K 5600 7 8)で1000時間経過後の塗膜の付着性をJIS K 5600 5 6に準拠して確認した。剥離が生じなかった場合を「良好」、剥離が生じた場合を「剥離」として第1表に示す。
<隠蔽性>
下塗り塗料の表面の一部に設けた着色部分が隠蔽されているか否かによって隠蔽性を評価した。完全に隠蔽されている場合を「良好」、隠蔽が不完全である場合を「不良」として第1表に示す。
Figure 0004353410
第1表に示すデータから明らかなように、アナターゼ型酸化チタンとして平均粒子径が100nmのもの、ルチル型酸化チタンとして平均粒子径が300nmのものを用い、樹脂固形分100部に対する酸化チタンの合計配合量が90部又は400部になるよう配合した本発明の範囲内である実施例1及び2においては塗膜の初期表面状態、促進耐性試験及び隠蔽性が良好であり、且つホルムアルデヒドガス分解性能を有していることが確認された。また、実施例2の方が顕著に分解していた。
これに対して、ルチル型酸化チタンを平均粒子径が300nmのものから平均粒子径が700nmのものに変更した本発明の範囲外である比較例1においては塗膜の平滑性が低下していた。また、アナターゼ型酸化チタンを平均粒子径が100nmのものから平均粒子径が400nmのものに変更した比較例2においては、ホルムアルデヒドガス分解量が実施例1、2と比較して低下しており、塗膜の持つ有機物分解活性が低下していることが確認できた。比較例3においては、ホルムアルデヒドガス分解量は実施例2と比較して遜色のない性能を有しているが、塗膜表面に割れが発生していた。それで、比較例3においては促進耐候性試験及び遮蔽性試験は実施しなかった。尚、比較例4のブランク試験でもホルムアルデヒドガスの若干の濃度低下が確認できたが、これはホルムアルデヒドガスがテドラーバッグの内部に吸着されたことによると考えられる。
<実施例3及び比較例5>
塗料用合成樹脂として水系アクリルウレタン樹脂(不揮発分50%)を用い、アナターゼ型酸化チタンとして平均粒子径が10nmのものを用い、ルチル型酸化チタンとして平均粒子径が300nmのものを用い、溶剤として水を用い、それらの成分を第2表に示す配合量(部)で配合して機能性上塗り塗料を調製した。
金属基材として70mm×150mm×2mmのアルミ板を用い、その片面に焼付硬化型エポキシ樹脂系下塗り塗料を乾燥膜厚で20μmとなるように塗布し、その下塗り塗料を硬化させることなしでその上に、第2表に示す各々の機能性上塗り塗料を乾燥膜厚35μmとなるように塗布し、下塗り塗料と上塗り塗料とを同時に焼付硬化させて塗膜を形成させた。なお、上塗り塗膜の隠蔽性を調べるために、未硬化の下塗り塗料の表面の一部を着色した後、上塗り塗料を塗布した。得られた塗膜の初期表面状態を目視で観察して評価した。その結果は第2表に示す通りであった。
実施例1と同様にしてホルムアルデヒドガス分解試験及び促進耐性試験を実施し、隠蔽性を評価した。それらの結果は第2表に示す通りであった。
Figure 0004353410
第2表に示すデータから明らかなように、アナターゼ型酸化チタンとルチル型の酸化チタンの配合比率が、アナターゼ型酸化チタン100部に対してルチル型酸化チタン100部である実施例3の場合にはホルムアルデヒドガスの分解効果が確認できたが、アナターゼ型酸化チタン100部に対してルチル型酸化チタン400部である比較例5の場合にはホルムアルデヒドガスの分解量が低下していることが確認できた。
<実施例4及び比較例6〜7>
金属基材としてクロメート処理した70mm×150mm×2mmのアルミ板を用い、その片面に焼付硬化型エポキシ樹脂系下塗り塗料を乾燥膜厚で第3表に示す厚さとなるように塗布し、焼付硬化させ、その後にその下塗り塗膜上に、実施例2の機能性上塗り塗料を第3表に示す厚さとなるように塗布し、焼付硬化させて塗膜を形成させた。なお、上塗り塗膜の隠蔽性を調べるために、下塗り塗膜の表面の一部を着色した後に上塗り塗料を塗布した。得られた塗膜の初期表面状態を目視で観察して評価した。その結果は第3表に示す通りであった。
実施例1と同様にしてホルムアルデヒドガス分解試験及び促進耐性試験を実施し、隠蔽性を評価した。それらの結果は第3表に示す通りであった。
Figure 0004353410
第3表に示すデータから明らかなように、本発明の範囲内である実施例4においては塗膜の初期表面状態、促進耐性試験及び隠蔽性が良好であるのに対し、本発明の範囲外である比較例6においては実施例4と比較して上塗り塗膜の膜厚が薄いため、上塗り塗膜の隠蔽性が低下し、下塗り塗膜と上塗り塗膜の界面に光が届くことで、下塗り塗膜と上塗り塗膜の界面で上塗り塗膜の有機物分解活性が発現してしまったことから、促進耐性試験において、下塗り塗膜−上塗り塗膜間で塗膜の剥離が生じていた。また、比較例7においては、下塗り塗膜の膜厚が実施例4と比較して厚くなっており、上塗り塗料を塗布し、乾燥させる過程において下塗り塗膜が変形し、この変形に追随できない上塗り塗膜に割れが生じた。尚、比較例7においては、塗膜表面に割れが発生していたので、ホルムアルデヒドガス分解試験、促進耐候性試験及び遮蔽性試験は実施しなかった。

Claims (2)

  1. 金属基材にエポキシ樹脂系下塗り塗料を乾燥膜厚で5〜40μmとなるように塗布し、該下塗り塗料を硬化させることなしにその上に、塗料用合成樹脂、平均粒子径が2〜350nmのアナターゼ型酸化チタン及び平均粒子径が50〜600nmのルチル型酸化チタンを含み、両酸化チタンの配合割合がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してルチル型酸化チタン66〜150質量部であり、両酸化チタンの合計配合量が塗料用合成樹脂固形分100質量部当たり67〜800質量部である機能性上塗り塗料を乾燥膜厚で15〜70μmとなるように塗布し、該下塗り塗料と該上塗り塗料とを同時に焼付硬化させることを特徴とする機能性塗膜の形成法。
  2. 金属基材にエポキシ樹脂系下塗り塗料を乾燥膜厚で5〜40μmとなるように塗布し、焼付硬化させた後、塗料用合成樹脂、平均粒子径が2〜350nmのアナターゼ型酸化チタン及び平均粒子径が50〜600nmのルチル型酸化チタンを含み、両酸化チタンの配合割合がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してルチル型酸化チタン66〜150質量部であり、両酸化チタンの合計配合量が塗料用合成樹脂固形分100質量部当たり67〜800質量部である機能性上塗り塗料を乾燥膜厚で15〜70μmとなるように塗布し、焼付硬化させることを特徴とする機能性塗膜の形成法。
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