JP2005200519A - メタリック塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メタリック塗料組成物は、(A)平均粒子径D50が13μm以上、40μm以下、平均厚さが0.5μm以上、2.5μm以下のアルミニウムフレーク顔料、(B)平均粒子径D50が13μm以上、40μm以下、平均厚さが0.01μm以上、0.5μm未満のアルミニウムフレーク顔料、および(C)平均粒子径D50が4μm以上、13μm未満、平均厚さが0.01μm以上、1.3μm以下のアルミニウムフレーク顔料を含有する。アルミニウムフレーク顔料の固形分質量比において、A/Bが10/90〜90/10、(A+B)/Cが90/10〜30/70であり、樹脂固形分100質量部に対して、(A+B+C)が固形分で5〜50質量部である。
【選択図】なし
Description
ここで、本発明で用いる塗膜外観を表現する言葉の意味について説明する。「輝度感」は、金属のギラギラした金属光沢感をいい、一般に粒子が大きいものほどこの光輝感が強く、「光輝感」の高い塗膜が好まれる。また、「フリップフロップ性」は、見る角度によって明るさの異なる方向性のある金属光沢感をいい、ハイライトではより明るく、シェードではより暗いものが好まれる。「隠蔽性」は、素地の影響を受ける度合いをいい、素地の影響の小さなものほど好まれる。
が20±5μm 、粒子平均厚み0.5〜1μm 、ロジン−ラムラー線図における勾配nが2.7以上のアルミフレーク顔料0.1〜30重量部を含有した塗料組成物をベースコートし、クリヤー塗料をトップコートし、同時に硬化させることを特徴とする塗膜形成方法が知られている(特許文献1の請求項1、2) しかしながら、この方法では、均一的で緻密な金属光沢感に優れた塗膜を得ることができるが、輝度感およびフリップフロップ性はあるが、隠蔽性が不充分という欠点がある。
しかしながら、この方法では、発色金属元素からなる酸化物複合体を用いていることで、塗膜が着色をし、シンプルなシルバー色を得るには適していない。また、光輝感には優れているが、隠蔽性とフリップフロップ性が不十分という欠点がある。
しかしながら、この方法も特許文献2と同様、第1ステージの光輝性ベース、第2ステージの光輝性ベース、クリヤーを含めた3コートの仕様であり、ベースコートとクリヤー層からなる2コートに比べて、コスト並びに生産性が劣る欠点がある。また、第1ステージの光輝性ベースの平均粒子径より第2ステージの光輝性ベースの平均粒子径が大きく安定した輝度感が得られにくい。
(A)平均粒子径D50が13μm以上、40μm以下、平均厚さが0.5μm以上、2.5μm以下のアルミニウムフレーク顔料
(B)平均粒子径D50が13μm以上、40μm以下、平均厚さが0.01μm以上、0.5μm未満のアルミニウムフレーク顔料
(C)平均粒子径D50が4μm以上、13μm未満、平均厚さが0.01μm以上、1.3μm以下のアルミニウムフレーク顔料を含有しており、
アルミニウムフレーク顔料の固形分質量比において、A/Bが10/90〜90/10、(A+B)/Cが90/10〜30/70からなり、樹脂固形分100質量部に対して、(A+B+C)が固形分で5〜50質量部であることを特徴とする、メタリック塗料組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、上記の塗料を上記の方法によって得られた塗装物品を提供するものである。
(A)平均粒子径D50が13μm以上、40μm以下、平均厚さが0.5μm以上、2.5μm以下のアルミニウムフレーク顔料
(B)平均粒子径D50が13μm以上、40μm以下、平均厚さが0.01μm以上、0.5μm未満のアルミニウムフレーク顔料
(C)平均粒子径D50が4μm以上、13μm未満、平均厚さが0.01μm以上、1.3μm以下のアルミニウムフレーク顔料の3種類からなり、その配合比率は、固形分質量比において、A/Bが10/90〜90/10、(A+B)/Cが90/10〜30/70からなり、樹脂固形分100質量部に対して、(A+B+C)が固形分で5〜50質量部である。
平均粒子径D50は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定される粒度分布の50%の値を示す。粒子平均厚み(μm)は、[4000/水面被覆面積(cm2/g)]式により求められた値であり、測定方法は例えば「アルミニウムハンドブック」(昭和47年4月15日発行第9版、社団法人、軽金属協会;朝倉書店)1243ページに記載されている。
このアルミニウムフレーク顔料(B)は平均粒子径D50が13〜40μm、平均厚さが0.01〜0.5μm未満であり、好ましくは平均粒子径D50が13〜30μm、平均厚さが0.01〜0.5μm未満であり、より好ましくは平均粒子径D50が13〜25μm、平均厚さが0.01〜0.5μm未満である。平均粒子径D50が40μm以上および/または平均厚さが0.01μm未満の場合、安定したアルミニウム顔料を得ることが困難となり好ましくない。
このアルミニウムフレーク顔料(C)は平均粒子径D50が4〜13μm、平均厚さが0.01〜1.3μmであり、好ましくは平均粒子径D50が4〜13μm、平均厚さが0.01〜1.0μmであり、より好ましくは平均粒子径D50が4〜13μm、平均厚さが0.01〜0.5μmである。平均粒子径D50が13μmを超え、あるいは平均厚さが1.3μmを超える場合は、光輝感が低下し好ましくない。平均粒子径D50が4μm未満および/または平均厚さが0.01μm未満の場合にも光輝感が低下し好ましくない。
さらに、アルミニウムフレーク顔料(A)(B)(C)の合計量は、樹脂固形分100質量部に対して、5〜50質量部であり、好ましくは5〜40質量部であり、より好ましくは5〜30質量部である。アルミニウムフレーク顔料(A)(B)(C)の合計量が5質量部未満の場合は、隠蔽性が不十分となり、50質量部を超える場合には、外観性が低下し好ましくない。
本発明方法によりメタリック塗膜を形成する基材に特に制限はなく、例えば、木材、金属、ガラス、布、プラスチック製品、プラスチック発泡体などの種々の基材に適用することができ、プラスチック製品及びカチオン電着可能な金属製品に特に好適に適用することができる。プラスチック製品としては、例えば、ポリプロピレン、ABS、ポリエステル、ナイロンなどの成形品などを挙げることができ、具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バスなどの自動車部品や、パーソナルコンピュータ、携帯電話などの工業製品などを挙げることができる。カチオン電着可能な金属製品としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛など及びこれらの金属を含む合金などを挙げることができ、具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バスなどの自動車車体などを挙げることができる。
下塗りされた基材上に中塗り塗料を塗装したのち、未硬化の状態でメタリックベースコート塗料を塗装することもできる。中塗り塗料を硬化させるためには、硬化温度60〜180℃に加熱することが好ましい。硬化温度が60℃未満であると、硬化が十分に進まないおそれがある。硬化温度が180℃を超えると、塗膜の黄変や、塗膜が固く脆くなるなどの塗膜物性低下を招くおそれがある。耐熱性の低いプラスチックなどの素材や、中塗り塗料が2液型ウレタン塗料である場合には、常温から180℃で硬化させることが可能であるが、硬化温度が70〜120℃であることがより好ましい。また、耐熱性の高い金属などの素材や、中塗り塗料が1液型メラミン塗料である場合には、硬化温度が120〜160℃であることがより好ましい。硬化時間は、硬化温度により変化し、硬化温度70〜120℃では10〜50分が適当であり、硬化温度120〜160℃では10〜40分が適当である。
(1) 輝度感
試験板のハイライトの位置から、ギラギラした金属光沢感の高い意匠を発現する程度を目視で評価する。
3−上記意匠が明確に発現した。
2−上記意匠がほぼ発現した。
1−上記意匠の発現が不十分である。
(2) フリップフロップ性
試験板のハイライトとシェードの位置から、高い変化を発現する程度を目視で評価する。
3−明確な変化を発現した。
2−変化をほぼ発現した。
1−変化の発現が不十分である。
(3) 隠蔽性
ブリキ板を基材とし、JIS K5600−4−1 4.1.2 方法B(隠蔽率試験紙)に準拠した隠蔽率試験紙を置き、ベースコート塗料をスプレーにて、連続的に膜厚が変わるように塗装し、焼き付けた後、隠蔽率試験紙の白地と黒地の部分の透けが判らなくなったと同じ部位のブリキ板の膜厚を測定し隠蔽膜厚とした。膜厚測定には、株式会社フィッシャーインストルメンツ製デルタスコープMP30を使用した。尚、隠蔽膜厚については、20μm以下であれば本発明の目的に適合するとした。隠蔽膜厚が薄い程、隠蔽性が良好であり、メタリック塗料の使用量が少なくて済む。
(4) 塗膜外観性
3−問題ない。
2−実用上問題ない。
1−吸い込みあるいはチカチカが簡単に判る。
アクリル樹脂「LB−9020」(日本油脂BASFコーティングス(株)製、加熱残分55質量%、水酸基価56mgKOH/g) 37.12質量部、レオロジーコントロール剤「LC−0988」(日本油脂BASFコーティングス(株)製、無機系、加熱残分10質量%) 5.83質量部に、アルミニウムフレーク顔料(A)として、東洋アルミニウム(株)製「アルペースト TCR3040」(加熱残分80質量%、平均粒径D50 17μm、平均厚み0.8μm)1.17質量部、アルミニウムフレーク顔料(B)として、昭和アルミパウダー(株)製「SAP 550N」(加熱残分65質量%、平均粒径D50 21.1μm、平均厚み 0.24μm)5.74質量部、アルミニウムフレーク顔料(C)として、東洋アルミニウム(株)製「アルペースト 6390NS」(加熱残分67質量%、平均粒径D50 8μm、平均厚み 0.18μm)1.74質量部、及び、メラミン樹脂「ユーバン122」(三井化学(株)製 ブチル化メラミン樹脂、加熱残分60質量%)14.58質量部、表面調整剤「モダフロー」(モンサント(株)製、アクリル共重合体、加熱残分100質量%)0.2質量部、キシレン10質量部及び酢酸ブチル23.61質量部を加えて、ディスパーで10分間攪拌して均一にし、メタリックベースコート塗料を調製した。
この中塗板上に、上記のメタリックベースコート塗料に対して、塗料粘度が「フォードカップ#4」(25℃)で 12秒になるように、希釈シンナー(酢酸ブチル/キシレン=70/30(質量比))にて、粘度調整した希釈塗料を ウェットオンウェットで乾燥塗膜厚が20μmになるようにエアースプレー塗装を行い、1分間フラッシュオフした。さらに、クリヤー塗料としてアクリル系1液型メラミン塗料「ベルコートNo6200クリヤー」(日本油脂BASFコーティングス(株)製)を、ウェットオンウェットで、乾燥塗膜厚が30μmになるようにエアースプレー塗装を行った。その後、10分間室内に放置したのち、140℃で20分間加熱乾燥して試験板を作成した。塗膜の評価は、24時間後に行い、その評価結果を表1に示した。
実施例1と同様にして、表1及び表2に示す塗料配合にてメタリックベースコートを調製し、実施例1と同様の方法にて、試験板を作成し、評価を行った。評価結果を表1及び表2に示した。
アクリル樹脂「LB−9020」(日本油脂BASFコーティングス(株)製、加熱残分55質量%、水酸基価56mgKOH/g) 44.52質量部、レオロジーコントロール剤「LC−0988」(日本油脂BASFコーティングス(株)製、無機系、加熱残分10質量%)5.83質量部、アルミニウムフレーク顔料(A)として、東洋アルミニウム(株)製「アルペースト TCR3040」(加熱残分80質量%、平均粒径D50 17μm、平均厚み0.8μm)2.33質量部、アルミニウムフレーク顔料(B)として、昭和アルミパウダー(株)製「SAP 550N」(加熱残分65質量%、平均粒径D5021.1μm、平均厚み 0.24μm)4.31質量部、アルミニウムフレーク顔料(C)として、東洋アルミニウム(株)製「アルペースト 6390NS」(加熱残分67質量%、平均粒径D50 8μm、平均厚み 0.18μm)1.74質量部、ポリイソシアネート樹脂として「スミジュールN75」(住友バイエルウレタン(株)製、ポリイソシアネート樹脂、不揮発分=75%、イソシアネート含有量=16.5%)、6.24質量部、表面調整剤「モダフロー」(モンサント(株)製、アクリル共重合体、加熱残分100質量%)0.2質量部、キシレン10質量部及び酢酸ブチル24.83質量部を混合し、ディスパーで2分間攪拌して均一にし、メタリックベースコート塗料を調製した。
実施例1と同様にして、表3に示す塗料配合にてメタリックベースコートを調製し、実施例1と同様の方法にて、試験板を作成し、評価を行った。評価結果を表3に示した。
1):商品名、東洋アルミニウム(株)製、加熱残分80質量%、平均粒径D50 17μm、
平均厚み 0.80μm
2):商品名、東洋アルミニウム(株)製、加熱残分70質量%、平均粒径D50 21μm、
平均厚み 1.00μm
3):商品名、東洋アルミニウム(株)製、加熱残分75質量%、平均粒径D50 28μm、
平均厚み 1.00μm
4):商品名、昭和アルミパウダー(株)製、加熱残分65質量%、平均粒径D50 21.1μm、平均厚み 0.24μm
5):商品名、東洋アルミニウム(株)製、加熱残分67質量%、平均粒径D50 8μm
平均厚み 0.18μm
実施例6〜8では、アルミニウム顔料(A)とアルミニウム顔料(B)に対するアルミニウム顔料(C)の比率を変えた場合を示した。アルミニウム顔料(C)が増すとやや輝度感、フリップフロップ性が低下するものの、実用上問題のないレベルであった。また、実施例6が最も特性がよく、次いで実施例7の特性が次に良かった。実施例8では輝度感、スリップフロップ性が若干劣る。
実施例12、13は、アルミニウム顔料(A)の平均粒子径D50、平均厚さを変えた場合である。平均粒子径D50が大きくなると、隠蔽膜厚が厚くなるが、20μm以下となり問題ない。
実施例14は、塗料タイプをアクリルウレタン塗料に変えた場合である。この場合も、輝度感、フリップフロップ性、塗膜外観性、隠蔽性(20μm以下)に優れた塗膜が得られている。
また、比較例3、4は、アルミニウム顔料(A)とアルミニウム顔料(B)に対するアルミニウム顔料(C)の比率を変えた場合である。アルミニウム顔料(C)が少ない比較例3では、隠蔽膜厚が26μmとなり隠蔽膜厚が20μmを超え不十分となる。逆にアルミニウム顔料(C)が多い比較例4では、隠蔽性、フリップフロップ性が不十分となる。
さらに、比較例5,6は、アルミニウム顔料(A)とアルミニウム顔料(B)およびアルミニウム顔料(C)に対する樹脂固形分の比率を変えた場合である。樹脂固形分に対してアルミニウム顔料(A+B+C)が少なくなると、比較例5に示すように、隠蔽性が著しく低下し、素地の影響を受け、輝度感、フリップフロップ性も低下する。逆に樹脂固形分に対してアルミニウム顔料(A+B+C)が多くなると、塗膜外観性が低下する。
Claims (3)
- (A)平均粒子径D50が13μm以上、40μm以下、平均厚さが0.5μm以上、2.5μm以下のアルミニウムフレーク顔料、
(B)平均粒子径D50が13μm以上、40μm以下、平均厚さが0.01μm以上、0.5μm未満のアルミニウムフレーク顔料、および
(C)平均粒子径D50が4μm以上、13μm未満、平均厚さが0.01μm以上、1.3μm以下のアルミニウムフレーク顔料を含有しており、
アルミニウムフレーク顔料の固形分質量比において、A/Bが10/90〜90/10、(A+B)/Cが90/10〜30/70であり、樹脂固形分100質量部に対して、(A+B+C)が固形分で5〜50質量部であることを特徴とする、メタリック塗料組成物。 - 請求項1記載のメタリック塗料組成物を塗装した後、ウェットオンウェット方式によって前記メタリック塗料組成物上にクリヤー塗料を塗装し、前記メタリック塗料組成物および前記クリヤー塗料を硬化させることを特徴とする、塗膜形成方法。
- 請求項2記載の方法によって得られた塗装物品。
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