JP2003225610A - 光輝性塗膜の形成方法 - Google Patents

光輝性塗膜の形成方法

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JP2003225610A
JP2003225610A JP2002028181A JP2002028181A JP2003225610A JP 2003225610 A JP2003225610 A JP 2003225610A JP 2002028181 A JP2002028181 A JP 2002028181A JP 2002028181 A JP2002028181 A JP 2002028181A JP 2003225610 A JP2003225610 A JP 2003225610A
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coating film
mass
coating
paint
pigment
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JP2002028181A
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Masato Tokieda
正人 時枝
Naoya Sakai
直也 酒井
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BASF Japan Ltd
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BASF NOF Coatings Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】メタリックベース塗料及びクリヤー塗料を用い
て、2コート1ベイク方式(2c1b)、3コート2ベ
イク方式(3c2b)、4コート1ベイク方式(4c1
b)又は4コート2ベイク方式(4c2b)で塗装し、
光輝性顔料の種類、塗膜構造、塗装機に関係なく、光輝
感、パール感に優れ、しかもフリップフロップ性の優れ
た塗膜を形成することができる光輝性塗膜の形成方法を
提供する。 【解決手段】基材上に、鱗片状光輝性顔料を含有するメ
タリックベースコート塗料及びクリヤー塗料を、順次ウ
ェットオンウェットで塗装する光輝性塗膜の形成方法に
おいて、メタリックベースコート塗料の塗装時のアプリ
ケーションソリッドが5〜15質量%であり、鱗片状光
輝性顔料濃度(PWC)が0.3〜20質量%であるこ
とを特徴とする光輝性塗膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光輝性塗膜の形成
方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、メタリック
ベース塗料及びクリヤー塗料を用いて、2コート1ベイ
ク方式(2c1b)、3コート2ベイク方式(3c2
b)、4コート1ベイク方式(4c1b)又は4コート
2ベイク方式(4c2b)で塗装し、光輝性顔料の種
類、塗膜構造、塗装機に関係なく、光輝感、パール感に
優れ、しかもフリップフロップ性の優れた塗膜を形成す
ることができる光輝性塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタリックベースコート塗料及びクリヤ
ー塗料を用いて、光輝感、パール感、フリップフロップ
性に優れた塗膜を形成する方法がさまざまに試みられて
いる。例えば、特開平9−176556号公報には、ポ
リオレフィン系樹脂素材に塗装が容易であり、パールト
ーンに適用可能な塗料用樹脂組成物として、水酸基含有
イソボルニル(メタ)アクリレート共重合体、塩素化ポリ
オレフィン樹脂、架橋重合体超微粒子及び架橋剤を含有
する塗料用樹脂組成物が提案されている。しかし、イソ
ボルニル(メタ)アクリレートは、高価な原料である。特
開平10−272415号公報には、自動車車体の外板
部に3コート1ベーク塗装の塗膜に近い外観を2コート
1ベーク塗装で形成できる塗装方法として、車体の外板
部に着色顔料を含有するベース塗料を塗装する前に車体
の内板部に着色顔料を含有するベース塗料を塗装し、車
体の外板部にクリヤー塗料を塗装する前に車体の内板部
に光輝材を含有するクリヤー塗料を塗装する方法が提案
されている。また、特開平10−298458号公報に
は、強い光輝感と新規な意匠性を有する自動車用の複合
塗膜を形成する方法として、アルミナフレークと粘性制
御剤とを含有させた光輝性顔料含有組成物を用いて複合
塗膜を形成する方法が提案されている。しかし、これら
の方法は自動車車体にしか適用することができない。特
開平11−80620号公報には、適度な金属面光沢を
有する塗膜を形成することができる方法として、蒸着金
属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料を含むメタリッ
ク塗料を用いる方法が提案されている。しかし、この方
法では、特定の顔料を含む塗料でしか求められる意匠性
を得ることができない。特開平11−290770号公
報には、メッキ調の外観性を有する塗膜を形成すること
ができるスプレーガンを用いた塗膜形成方法として、厚
さ0.8μm以下、平均粒径5〜40μmの微小金属箔
と繊維素系樹脂を含む塗料組成物を霧化塗装する方法が
提案されている。しかし、この方法では、特定の鱗片状
光輝性顔料と樹脂を含む塗料と塗装機でしか求められる
意匠性を得ることができない。特開2001−1048
72号公報には、メッキ調の外観性を有する塗膜を安定
的に形成する塗膜形成方法として、厚さ0.08μm以
下、平均粒径5〜40μmの微小金属箔を配合してなる
メタリックベースコート及びクリヤーコートの2層を順
次塗装する塗膜形成方法が提案されている。しかし、こ
の方法では、特定の鱗片状光輝性顔料を含む塗料と、塗
装時固形分や塗着時の乾燥状態などの塗装条件でしか求
められる意匠性を得ることができない。特開2001−
149857号公報には、メタルムラの発生がなく、フ
リップフロップ性の優れたメタリック塗膜の形成方法と
して、メタリック塗料を塗装し、必要に応じてクリヤー
塗料を塗装したのち硬化し、さらにメタリック塗料を塗
膜厚5〜13μmかつ隠蔽膜厚以下に塗装し、クリヤー
塗料を塗装して両塗膜を硬化する方法が提案されてい
る。しかし、この方法では2ベーク方式が必須となる。
特開2001−149858号公報には、メタルムラを
抑制し、パール感、着色感、アルミ感を有するメタリッ
ク塗膜の形成方法として、着色グラファイト顔料と干渉
マイカ顔料の色相が同系色である着色グラファイト顔料
含有メタリックベース塗膜、干渉マイカ顔料含有マイカ
ベース塗膜、クリヤー塗膜をウェットオンウェットで形
成する方法が提案されている。しかし、この方法では、
特定の塗膜構造でしか求められる意匠性を得ることがで
きない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、メタリック
ベース塗料及びクリヤー塗料を用いて、2コート1ベイ
ク方式(2c1b)、3コート2ベイク方式(3c2
b)、4コート1ベイク方式(4c1b)又は4コート
2ベイク方式(4c2b)で塗装し、光輝性顔料の種
類、塗膜構造、塗装機に関係なく、光輝感、パール感に
優れ、しかもフリップフロップ性の優れた塗膜を形成す
ることができる光輝性塗膜の形成方法を提供することを
目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、メタリックベー
スコート塗料の塗装時のアプリケーションソリッドを5
〜15質量%とし、鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)を
0.3〜20質量%として、メタリックベースコート塗
料及びクリヤー塗料を、順次ウェットオンウェットで塗
装することにより、光輝感、パール感、フリップフロッ
プ性に優れた光輝性塗膜を形成し得ることを見いだし、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、(1)基材上に、鱗片状光輝性顔料を含
有するメタリックベースコート塗料及びクリヤー塗料
を、順次ウェットオンウェットで塗装する光輝性塗膜の
形成方法において、メタリックベースコート塗料の塗装
時のアプリケーションソリッドが5〜15質量%であ
り、鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)が0.3〜20質
量%であることを特徴とする光輝性塗膜の形成方法、
(2)メタリックベースコート塗料の鱗片状光輝性顔料
が、アルミニウム顔料、マイカ顔料及び金属酸化物被覆
アルミナフレーク顔料の中の少なくとも1種である第1
項記載の光輝性塗膜の形成方法、及び、(3)基材に、
下塗り塗膜又は中塗り塗膜が形成されている第1項記載
の光輝性塗膜の形成方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の光輝性塗膜の形成方法に
おいては、基材上に、鱗片状光輝性顔料を含有するメタ
リックベースコート塗料及びクリヤー塗料を、順次ウェ
ットオンウェットで塗装する光輝性塗膜の形成方法にお
いて、メタリックベースコート塗料の塗装時のアプリケ
ーションソリッドが5〜15質量%であり、鱗片状光輝
性顔料濃度(PWC)が0.3〜20質量%である。本
発明方法に用いるメタリックベースコート塗料は、塗膜
形成性の基体樹脂、鱗片状光輝性顔料、溶剤、添加剤、
必要に応じて添加される架橋剤などを含有する液状塗料
である。基体樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキ
シル基、シラノール基、エポキシ基などの架橋性官能基
を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン含有樹脂、
繊維素系樹脂などを挙げることができる。これらの基体
樹脂は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2
種以上を組み合わせて用いることもできる。添加剤とし
ては、例えば、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安
定剤、酸化防止剤、レオロジーコントロール剤、表面調
整剤などを挙げることができる。紫外線吸収剤、ヒンダ
ードアミン系光安定剤、酸化防止剤などを添加すること
により、塗膜の耐候性を向上することができる。レオロ
ジーコントロール剤を添加することにより、塗装作業性
と塗膜外観を向上することができる。表面調整剤を添加
することにより、塗膜外観を向上することができる。架
橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、ポリイソシアネ
ート化合物又はブロックポリイソシアネート化合物、エ
ポキシ樹脂又はエポキシ化合物、カルボキシル基含有樹
脂又は化合物、酸無水物、アルコキシシラン基含有樹脂
又は化合物などを挙げることができる。これらの架橋剤
は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以
上を組み合わせて用いることもできる。
【0006】本発明方法に用いるメタリックベースコー
ト塗料の鱗片状光輝性顔料は、アルミニウム顔料、マイ
カ顔料及び金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料の中の
少なくとも1種であることが好ましい。メタリックベー
スコート塗料に、アルミニウム顔料、マイカ顔料又は金
属酸化物被覆アルミナフレーク顔料を含有させることに
より、塗膜に良好な光輝感、パール感及びフリップフロ
ップ性を与えることができる。メタリックベースコート
塗料には、必要に応じて、有機系又は無機系の着色顔料
を含有させることができる。本発明方法に用いるアルミ
ニウム顔料の形状に特に制限はなく、また着色されてい
てもよい。アルミニウム顔料の平均粒径(D50)は、
2〜50μmであることが好ましく、8〜35μmであ
ることがより好ましい。アルミニウム顔料の平均粒径を
2〜50μmとすることにより、光輝感に優れた塗膜を
形成することができる。アルミニウム顔料の厚さは、
0.1〜5μmであることが好ましい。アルミニウム顔
料の厚さを0.1〜5μmとすることにより、塗装作業
性と塗膜外観の良好な塗料を得ることができる。アルミ
ニウム顔料は、アルミニウム箔をスタンプミル、ボール
ミルなどを用いて機械的衝撃力で粉砕し、篩い分けする
ことにより、製造することができ、あるいは、市販品を
使用することもできる。市販品としては、例えば、東洋
アルミニウム(株)製の「アルペースト62−356」、
「アルペースト5640NS」、「アルペーストTCR
3080」、旭化成(株)製の「MH−8802」、昭和
アルミパウダー(株)製の「アルミニウムペーストFM6
000」などを挙げることができる。
【0007】本発明方法に用いるマイカ顔料の形状と種
別に特に制限はなく、例えば、ホワイトマイカ顔料、干
渉マイカ顔料、着色マイカ顔料などを挙げることができ
る。マイカ粉の表面を、TiO2、SnO2、ZrO2
Fe23、ZnO2、Cr23、CoO、V25など及
びそれらの含水物などの金属酸化物で被覆したマイカ顔
料は、光輝感、パール感に優れるので、好適に用いるこ
とができる。ホワイトマイカ顔料の市販品としては、例
えば、メルクジャパン(株)製の「イリオジン103WN
T」、干渉マイカ顔料の市販品としては、例えば、メル
クジャパン(株)製の「イリオジン225WNT」、着色
マイカ顔料の市販品としては、例えば、メルクジャパン
(株)製の「イリオジン504WII」、「イリオジン N
ew GPBlue Green WNT」なとを挙げる
ことができる。本発明方法に用いる金属酸化物被覆アル
ミナフレーク顔料は、酸化アルミニウム(Al23)を
TiO2、Fe23などの金属酸化物で被覆した顔料で
ある。金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料を含有させ
ることにより、塗膜に優れた光輝感とパール感を与える
ことができる。金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料の
市販品としては、例えば、メルクジャパン(株)の「Xi
rallic T60−10WNT Crystal S
ilver」、「Xirallic T60−20WN
T Sumbeam Gold」などを挙げることができ
る。本発明方法において、アルミニウム顔料、マイカ顔
料及び金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料は、1種を
単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合
わせて用いることもできる。
【0008】本発明方法において、メタリックベース塗
料の塗装時のアプリケーションソリッドは、5〜15質
量%であり、より好ましくは6〜13質量%であり、さ
らに好ましくは7〜12質量%である。アプリケーショ
ンソリッド(塗装時固形分)は、希釈塗料中の固形分の
比率であり、次式により求めることができる。 アプリケーションソリッド(質量%)={希釈塗料中の
固形分(質量部)/希釈塗料(質量部)}×100 一般的には、光輝性塗膜の形成において、メタリックベ
ースコート塗料の塗装時のアプリケーションソリッドは
16〜30質量%であるが、本発明方法においては、メ
タリックベースコート塗料の塗装時のアプリケーション
ソリッドを5〜15質量%に下げることにより、塗装時
の顔料の微粒化が向上し、塗り重ね回数が多くなり、溶
剤の蒸発による塗膜の体積収縮が高まるので、塗装作業
性が向上し、仕上がり外観性、鏡面光沢度、光輝感、パ
ール感、フリップフロップ性、付着性、耐湿性などに優
れる光輝性塗膜を形成することができる。アプリケーシ
ョンソリッドが5質量%未満であると、塗装の色付が悪
く塗装作業性に問題を生ずるおそれがある。アプリケー
ションソリッドが16質量%を超えると、光輝感、パー
ル感、フリップフロップ性が低下するおそれがある。
【0009】本発明方法において、メタリックベースコ
ート塗料の塗装時の鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)
は、0.3〜20質量%であり、より好ましくは0.4〜
17質量%であり、さらに好ましく0.5〜15質量%
である。鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)は、次式によ
り求めることができる。 鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)(質量%)={鱗片状
光輝性顔料固形分(質量部)/塗料中の全固形分(質量
部)}×100 鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)が0.3質量%未満で
あると、塗装作業性、光輝感、パール感、フリップフロ
ップ性が低下するおそれがある。鱗片状光輝性顔料濃度
(PWC)が20質量%を超えると、層間密着性や仕上
がり外観が低下するおそれがある。本発明方法におい
て、メタリックベースコート塗料の塗装方法に特に制限
はなく、例えば、エアースプレー塗装、エアレススプレ
ー塗装、低圧霧化スプレー塗装(HVLP)、静電塗装
などにより塗装することができる。塗膜の厚さにも特に
制限はないが、硬化塗膜厚が5〜15μmであることが
好ましい。
【0010】本発明方法に用いるクリヤー塗料は、無色
透明又は有色透明の塗膜を形成する塗料である。メタリ
ックベースコート塗料とクリヤー塗料を、順次ウェット
オンウェットで塗装することにより、塗膜の意匠性、仕
上がり外観、耐候性、耐薬品性、耐水性、耐湿性などを
より一層向上することができる。使用するクリヤー塗料
に特に制限はなく、例えば、水酸基、カルボキシル基、
シラノール基、エポキシ基などの架橋性官能基を有する
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ
素樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン含有樹脂などの基体
樹脂と、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物又は
ブロックポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂又は
エポキシ化合物、カルボキシル基含有樹脂又は化合物、
酸無水物、アルコキシシラン基含有樹脂又は化合物など
の架橋剤とからなる熱硬化性樹脂組成物、溶剤、各種の
添加剤などを成分とする有機溶剤型塗料を挙げることが
できる。本発明方法において、クリヤー塗料の塗装方法
に特に制限はなく、例えば、エアースプレー塗装、エア
レススプレー塗装、静電塗装などにより塗装することが
できる。塗膜の厚さにも特に制限はないが、硬化塗膜厚
が10〜50μmであることが好ましい。
【0011】本発明方法においては、メタリックベース
コート塗料及びクリヤー塗料を、順次ウェットオンウェ
ットで塗装する。すなわち、必要に応じて、下塗り塗膜
又は中塗り塗膜を形成した基材上に、メタリックベース
コート塗料を塗装し、メタリックベースコート塗料が十
分に乾燥しないうちに、クリヤー塗料を塗装して、メタ
リックベースコート塗料とクリヤー塗料を同時に焼き付
け乾燥する。ウェットオンウェットで塗装することによ
り、エネルギーを節減し、塗装工程を簡略化して、光輝
性塗膜を形成するコストを低減することができる。ウェ
ットオンウェットで塗装したのち、常温で塗膜を硬化乾
燥させることもできる。しかし、塗膜を十分に硬化させ
るためには、硬化温度60〜180℃に加熱することが
好ましい。硬化温度が60℃未満であると、硬化が十分
に進まないおそれがある。硬化温度が180℃を超える
と、塗膜の黄変や、塗膜が固く脆くなるなどの塗膜物性
低下を招くおそれがある。耐熱性の低いプラスチックな
どの素材や、中塗り塗料が2液型ウレタン塗料である場
合には、硬化温度が70〜120℃であることがより好
ましい。また、耐熱性の高い金属などの素材や、中塗り
塗料が1液型メラミン塗料である場合には、硬化温度が
120〜160℃であることがより好ましい。硬化時間
は、硬化温度により変化し、硬化温度70〜120℃で
は10〜50分が適当であり、硬化温度120〜160
℃では10〜40分が適当である。
【0012】本発明方法により光輝性塗膜を形成する基
材に特に制限はなく、例えば、木材、金属、ガラス、
布、プラスチック製品、プラスチック発泡体などの種々
の基材に適用することができ、プラスチック製品及びカ
チオン電着可能な金属製品に特に好適に適用することが
できる。プラスチック製品としては、例えば、ポリプロ
ピレン、ABS、ポリエステル、ナイロンなどの成形品
などを挙げることができ、具体的には、乗用車、トラッ
ク、オートバイ、バスなどの自動車部品や、パーソナル
コンピュータ、携帯電話などの工業製品などを挙げるこ
とができる。カチオン電着可能な金属製品としては、例
えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛など及びこれ
らの金属を含む合金などを挙げることができ、具体的に
は、乗用車、トラック、オートバイ、バスなどの自動車
車体などを挙げることができる。本発明の光輝性塗膜の
形成方法においては、基材に下塗り塗膜又は中塗り塗膜
を形成することができる。下塗り塗膜の形成方法とし
て、金属基材には、リン酸塩、クロム酸塩などで化成処
理したのち、下塗り塗膜として防食性に優れるカチオン
型電着塗料を塗装することが好ましい。また、プラスチ
ック基材には、必要に応じて下塗り塗料を塗装すること
ができる。例えば、ポリプロピレン基材のような極性の
低い基材には、塩素化ポリオレフィン樹脂系塗料などを
塗装することが好ましい。
【0013】本発明方法において、基材に中塗り塗膜を
形成することにより、下地の欠陥を隠蔽し、上塗り塗装
後の表面の平滑性を確保して外観性を向上し、耐衝撃
性、耐チッピング性などの塗膜性能を付与することがで
きる。また、鱗片状光輝性顔料としてマイカ顔料を使用
した場合は、マイカ顔料には隠蔽性がないために、前述
した中塗り塗膜に加えて、目的の色調に合わせた色の中
塗り塗膜、すなわちカラーベースを形成することが好ま
しい。中塗り塗膜を形成するために用いられる中塗り塗
料は、有機系、無機系の着色顔料、体質顔料などと、塗
膜形成熱硬化性樹脂、溶剤、架橋剤などで構成すること
ができる。中塗り塗料に用いる塗膜形成熱硬化性樹脂に
特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂など
を挙げることができる。また、架橋剤としては、例え
ば、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロッ
クポリイソシアネート化合物などを挙げることができ
る。下塗りされた基材上に中塗り塗料を塗装したのち、
未硬化の状態でメタリックベースコート塗料を塗装する
こともできる。中塗り塗料を硬化させるためには、硬化
温度60〜180℃に加熱することが好ましい。硬化温
度が60℃未満であると、硬化が十分に進まないおそれ
がある。硬化温度が180℃を超えると、塗膜の黄変
や、塗膜が固く脆くなるなどの塗膜物性低下を招くおそ
れがある。耐熱性の低いプラスチックなどの素材や、中
塗り塗料が2液型ウレタン塗料である場合には、硬化温
度が70〜120℃であることがより好ましい。また、
耐熱性の高い金属などの素材や、中塗り塗料が1液型メ
ラミン塗料である場合には、硬化温度が120〜160
℃であることがより好ましい。硬化時間は、硬化温度に
より変化し、硬化温度70〜120℃では10〜50分
が適当であり、硬化温度120〜160℃では10〜4
0分が適当である。
【0014】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、評価は下記の方法によりおこなった。 (1)仕上がり外観性 塗面に良好なツヤ感を有し、著しい肌荒れがなく、ハジ
キ、ワキ、マイカムラ、艶引けがないものを合格とす
る。 (2)鏡面光沢度 JIS K 5400(1990)7.6に従って、入射
角60度で測定する。 (3)光輝感、パール感 試験板のハイライトの位置から、光輝感、パール感の高
い意匠発現する程度を目視で評価する。 3−上記意匠が明確に発現した。 2−上記意匠がほぼ発現した。 1−上記意匠が発現せず。 (4)フリップフロップ性 試験板のハイライトとシェードの位置から、高い変化を
発現する程度を目視で評価する。 3−明確な変化を発現した。 2−変化をほぼ発現した。 1−変化を発現せず。 (5)塗装作業性 塗装時の色付性がよく、塗装性に問題がない場合を合格
とし、塗装時の色付性が悪く、塗装が困難な場合を不合
格とする。なお、色付性は、塗料を最大6回塗り重ね
て、塗料本来の色調が得られる場合を合格、7回以上塗
り重ねないと本来の色調が得られない場合を不合格とす
る。 (6)付着性 JIS K 5400(1990)8.5.2に従って試験
し、碁盤目100について100/100を合格とし、
100/100未満を不合格とする。 (7)耐湿性 試験片を50℃、98%RHの恒温恒湿槽内に240時
間放置したのち取り出し、塗面の状態を観察して仕上が
り外観性と同様に評価し、塗膜の付着性を試験する。付
着性は、JIS K 5400(1990)8.5.2に従
い、碁盤目100について100/100を合格とし、
100/100未満を不合格とする。
【0015】実施例1 アクリル樹脂[日本油脂BASFコーティングス(株)、
LB−9020、加熱残分55質量%、水酸基価56mg
KOH/g]100質量部、レオロジーコントロール剤
[日本油脂BASFコーティングス(株)、LC−098
8、無機系、加熱残分10質量%]20質量部、アルミ
ニウム顔料A[東洋アルミニウム(株)、アルペースト6
2−356、加熱残分65質量%、平均粒径(D50)
14〜15μm]8質量部、メラミン樹脂[三井化学
(株)、ユーバン122、ブチル化メラミン樹脂、加熱残
分60質量%]25質量部、表面調整剤[モンサント
(株)、モダフロー、アクリル共重合体、加熱残分100
質量%]0.5質量部、キシレン20質量部及び酢酸ブ
チル20質量部を混合し、ディスパーで10分間攪拌し
て均一にし、メタリックベースコート塗料を調製した。
純水及びイソプロピルアルコールで脱脂した7cm×15
cm×0.3cmの黒色のポリプロピレンの板に、下塗り塗
料として塩素化ポリオレフィン系1液型ラッカー塗料
[日本油脂BASFコーティングス(株)、プライマック
No.1501プライマー]を乾燥塗膜厚が7μmにな
るようにエアースプレー塗装を行い、1分間フラッシュ
オフした。次いで、希釈シンナー(トルエン/キシレン
=70/30(質量比))900質量部を加えて希釈し
た上記のメタリックベースコート塗料を、ウェットオン
ウェットで乾燥塗膜厚が15μmになるようにエアース
プレー塗装を行い、1分間フラッシュオフした。さら
に、クリヤー塗料としてアクリル系1液型メラミン塗料
[日本油脂BASFコーティングス(株)、プライマック
No.5600クリヤー]を、ウェットオンウェット
で、乾燥塗膜厚が30μmになるようにエアースプレー
塗装を行った。その後、10分間室内に放置したのち、
120℃で30分間加熱乾燥し、24時間後、塗膜性能
試験及び外観評価をおこなった。なお、本実施例におい
て、塗装時のアプリケーションソリッドと鱗片状光輝性
顔料濃度(PWC)は次のように計算され、それぞれ
7.1質量%、6.7質量%となる。 配合量(質量部) 固形分(質量部) アクリル樹脂 100 55 レオロジーコントロール剤 20 2 アルミニウム顔料A 8 5.2 メラミン樹脂 25 15 表面調整剤 0.5 0.5 キシレン 20 0 酢酸ブチル 20 0 希釈シンナー 900 0 合計 1093.5 77.7 アプリケーションソリッド=(77.7/1093.5)×100 =7.1(質量%) 鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)=(5.2/77.7)×100 =6.7(質量%) 塗面は良好なツヤ感を有し、著しい肌荒れがなく、ハジ
キ、ワキ、マイカムラ、艶引けもなかった。鏡面光沢度
は97であった。光輝感、パール感は、明確に発現して
いた。フリップフロップ性は、明確な変化を発現した。
塗装時の色付性がよく、塗装性には問題がなかった。付
着性試験の結果は、100/100であった。耐湿性試
験において、外観に変化なく、付着性は100/100
であった。
【0016】実施例2 実施例1と同様にして、第1表に示す配合により、アク
リル樹脂、レオロジーコントロール剤、アルミニウム顔
料B[東洋アルミニウム(株)、アルペースト5640N
S、加熱残分71質量%、平均粒径(D50)14μ
m]、メラミン樹脂、表面調整剤、キシレン及び酢酸ブ
チルを混合し、ディスパーで10分間攪拌して均一に
し、メタリックベースコート塗料を調製した。イソプロ
ピルアルコールで脱脂した電着処理鋼板[日本テストパ
ネル大阪(株)、SPCC−SD(JIS G 314
1)、サーフダインDP−4000、大きさ7cm×15
cm×0.8cm]をイソプロピルアルコールで脱脂した板
に、中塗り塗料としてポリエステル系1液型メラミン塗
料[日本油脂BASFコーティングス(株)、ハイエピコ
No.500中塗り]を乾燥塗膜厚が30μmになるよ
うにエアースプレー塗装を行い、10分間セッティング
したのち、140℃で20分加熱乾燥した。次いで、希
釈シンナー(トルエン/キシレン=70/30(質量
比))400質量部を加えて希釈した上記のメタリック
ベースコート塗料を、乾燥塗膜厚が15μmになるよう
にエアースプレー塗装を行い、1分間フラッシュオフし
た。さらに、ウェットオンウェットで、クリヤー塗料と
してアクリル系1液型メラミン塗料[日本油脂BASF
コーティングス(株)、プライマックNo.5600クリ
ヤー]を乾燥塗膜厚が30μmになるようにエアースプ
レー塗装を行った。その後、10分間室内に放置したの
ち、120℃で30分間加熱乾燥し、24時間後、塗膜
性能試験および外観評価をおこなった。なお、本実施例
において、塗装時のアプリケーションソリッドは14.
0質量%であり、鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)は1
4.3質量%である。
【0017】実施例3 実施例1と同様にして、第1表に示す配合により、アク
リル樹脂、レオロジーコントロール剤、アルミニウム顔
料A、ポリイソシアネート化合物[旭化成(株)、デュラ
ネートTHA−100、NCO含有率21.2質量%、
加熱残分100質量%]、表面調整剤、キシレン及び酢
酸ブチルを混合し、ディスパーで10分間攪拌して均一
にし、メタリックベースコート塗料を調製した。純水及
びイソプロピルアルコールで脱脂した7cm×15cm×
0.3cmの黒色のポリプロピレンの板に、下塗り塗料と
して塩素化ポリオレフィン系1液型ラッカー塗料[日本
油脂BASFコーティングス(株)、プライマックNo.
1501プライマー]を乾燥塗膜厚が7μmになるよう
にエアースプレー塗装を行い、1分間フラッシュオフし
た。次いで、希釈シンナー(トルエン/キシレン=70
/30(質量比))900質量部を加えて希釈した上記
のメタリックベースコート塗料を、ウェットオンウェッ
トで、乾燥塗膜厚が15μmになるようにエアースプレ
ー塗装を行い、1分間フラッシュオフした。さらに、ク
リヤー塗料としてアクリル系2液型ウレタン塗料[日本
油脂BASFコーティングス(株)、プライマックNo.
8000クリヤー]を、ウェットオンウェットで、乾燥
塗膜厚が30μmになるようにエアースプレー塗装を行
った。その後、10分間室内に放置したのち、80℃で
30分間加熱乾燥し、24時間後、塗膜性能試験及び外
観評価をおこなった。なお、本実施例において、塗装時
のアプリケーションソリッドは8.5質量%であり、鱗
片状光輝性顔料濃度(PWC)は17.9質量%であ
る。
【0018】実施例4 実施例1と同様にして、第1表に示す配合により、アク
リル樹脂、レオロジーコントロール剤、マイカ顔料A
[メルクジャパン(株)、イリオジン103WNT、ホワ
イトマイカ顔料、加熱残分100質量%]、メラミン樹
脂、表面調整剤、キシレン及び酢酸ブチルを混合し、デ
ィスパーで10分間攪拌して均一にし、メタリックベー
スコート塗料を調製した。純水及びイソプロピルアルコ
ールで脱脂した7cm×15cm×0.3cmの黒色のポリプ
ロピレンの板に、下塗り塗料として塩素化ポリオレフィ
ン系1液型ラッカー塗料[日本油脂BASFコーティン
グス(株)、プライマックNo.1501プライマー]を
乾燥塗膜厚が7μmになるようにエアースプレー塗装を
行い、1分間フラッシュオフし、カラーベース塗料とし
てアクリル系1液型メラミン塗料[日本油脂BASFコ
ーティングス(株)、プライマックNo.5600カラー
ベース]を乾燥塗膜厚が15μmになるようにウェット
オンウェットでエアースプレー塗装を行い、1分間フラ
ッシュオフした。次いで、希釈シンナー(トルエン/キ
シレン=70/30(質量比))400質量部を加えて
希釈した上記のマイカベース塗料を、ウェットオンウェ
ットで乾燥塗膜厚が15μmになるようにエアースプレ
ー塗装を行い、1分間フラッシュオフした。さらに、ク
リヤー塗料としてアクリル系1液型メラミン塗料[日本
油脂BASFコーティングス(株)、プライマックNo.
5600クリヤー]を、ウェットオンウェットで、乾燥
塗膜厚が30μmになるようにエアースプレー塗装を行
った。その後、10分間室内に放置したのち、120℃
で30分間加熱乾燥し、24時間後、塗膜性能試験およ
び外観評価をおこなった。なお、本実施例において、塗
装時のアプリケーションソリッドは12.7質量%であ
り、鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)は2.4質量%で
ある。
【0019】実施例5 実施例1と同様にして、第1表に示す配合により、アク
リル樹脂、レオロジーコントロール剤、マイカ顔料B
[メルクジャパン(株)、イリオジン225WNT、着色
マイカ顔料、加熱残分100質量%]、メラミン樹脂、
表面調整剤、キシレン及び酢酸ブチルを混合し、ディス
パーで10分間攪拌して均一にし、メタリックベースコ
ート塗料を調製した。純水及びイソプロピルアルコール
で脱脂した7cm×15cm×0.3cmの黒色のポリプロピ
レンの板に、下塗り塗料として塩素化ポリオレフィン系
1液型ラッカー塗料[日本油脂BASFコーティングス
(株)、プライマックNo.1501プライマー]を乾燥
塗膜厚が7μmになるようにエアースプレー塗装を行
い、1分間フラッシュオフし、カラーベース塗料として
アクリル系1液型メラミン塗料[日本油脂BASFコー
ティングス(株)、プライマックNo.5600カラーベ
ース]を乾燥塗膜厚が15μmになるように、ウェット
オンウェットで、エアースプレー塗装を行い、1分間フ
ラッシュオフした。次いで、希釈シンナー(トルエン/
キシレン=70/30(質量比))400質量部を加え
て希釈した上記のマイカベース塗料を、ウェットオンウ
ェットで乾燥塗膜厚が15μmになるようにエアースプ
レー塗装を行い、1分間フラッシュオフした。さらに、
クリヤー塗料としてアクリル系1液型メラミン塗料[日
本油脂BASFコーティングス(株)、プライマックN
o.5600クリヤー]を、ウェットオンウェットで、
乾燥塗膜厚が30μmになるようにエアースプレー塗装
を行った。その後、10分間室内に放置したのち、12
0℃で30分間加熱乾燥し、24時間後、塗膜性能試験
及び外観評価をおこなった。なお、本実施例において、
塗装時のアプリケーションソリッドは13.4質量%で
あり、鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)は8.8質量%
である。
【0020】実施例6〜10 実施例1と同様にして、第1表に示す配合により、メタ
リックベースコート塗料を調製した。実施例1と同様に
して、脱脂し、下塗り塗料を塗装した黒色のポリプロピ
レンの板に、アプリケーションソリッドが第1表記載の
値になるように希釈したメタリックベースコート塗料
を、乾燥塗膜厚が15μmになるように塗装し、さら
に、クリヤー塗料を乾燥塗膜厚が30μmになるように
塗装し、塗膜性能試験及び外観評価をおこなった。
【0021】比較例1 アクリル樹脂[日本油脂BASFコーティングス(株)、
LB−9020、加熱残分55質量%、水酸基価56mg
KOH/g]100質量部、レオロジーコントロール剤
[日本油脂BASFコーティングス(株)、LC−098
8、無機系、加熱残分10質量%]20質量部、アルミ
ニウム顔料A[東洋アルミニウム(株)、アルペースト6
2−356、加熱残分65質量%、平均粒径(D50)
14〜15μm]10質量部、メラミン樹脂[三井化学
(株)、ユーバン122、ブチル化メラミン樹脂、加熱残
分60質量%]25質量部、表面調整剤[モンサント
(株)、モダフロー、アクリル共重合体、加熱残分100
質量%]0.5質量部、キシレン20質量部及び酢酸ブ
チル20質量部を混合し、ディスパーで10分間攪拌し
て均一にし、メタリックベースコート塗料を調製した。
純水及びイソプロピルアルコールで脱脂した7cm×15
cm×0.3cmの黒色のポリプロピレンの板に、下塗り塗
料として塩素化ポリオレフィン系1液型ラッカー塗料
[日本油脂BASFコーティングス(株)、プライマック
No.1501プライマー]を乾燥塗膜厚が7μmにな
るようにエアースプレー塗装を行い、1分間フラッシュ
オフした。次いで、アプリケーションソリッドが4.2
質量%になるように希釈シンナー(トルエン/キシレン
=70/30(質量比))1,700質量部を加えて希
釈した上記のメタリックベースコート塗料を、ウェット
オンウェットで乾燥塗膜厚が15μmになるようにエア
ースプレー塗装を行い、1分間フラッシュオフした。さ
らに、クリヤー塗料としてアクリル系1液型メラミン塗
料[日本油脂BASFコーティングス(株)、プライマッ
クNo.5600クリヤー]を、ウェットオンウェット
で、乾燥塗膜厚が30μmになるようにエアースプレー
塗装を行った。その後、10分間室内に放置したのち、
120℃で30分間加熱乾燥し、24時間後、塗膜性能
試験及び外観評価をおこなった。なお、本比較例におい
て、塗装時のアプリケーションソリッドは4.2質量%
であり、鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)は8.2質量
%である。塗面は良好なツヤ感を有し、著しい肌荒れが
なく、ハジキ、ワキ、マイカムラ、艶引けもなかった。
鏡面光沢度は96であった。光輝感、パール感は、ほぼ
発現していた。フリップフロップ性は、変化をほぼ発現
した。塗装時の色付性が悪く、塗装が困難であった。付
着性試験の結果は、100/100であった。耐湿性試
験において、外観に変化なく、付着性は100/100
であった。
【0022】比較例2〜10 比較例1と同様にして、第1表に示す配合により、メタ
リックベースコート塗料を調製した。比較例1と同様に
して、脱脂し、下塗り塗料を塗装した黒色のポリプロピ
レンの板に、アプリケーションソリッドが第1表記載の
値になるように希釈したメタリックベースコート塗料
を、乾燥塗膜厚が15μmになるように塗装し、さら
に、クリヤー塗料を乾燥塗膜厚が30μmになるように
塗装し、塗膜性能試験及び外観評価をおこなった。実施
例1〜10及び比較例1〜10の塗料配合と塗装条件を
第1表に、評価結果を第2表に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】[注] 1)日本油脂BASFコーティングス(株)製、LB−9
020、アクリル樹脂、加熱残分55質量%、水酸基価
56mgKOH/g。 2)日本油脂BASFコーティングス(株)製、LC−0
988、レオロジーコントロール剤、無機系、加熱残分
10質量%。 3)東洋アルミニウム(株)製、アルペースト62−35
6、加熱残分65質量%、平均粒径(D50)14〜1
5μm。 4)東洋アルミニウム(株)製、アルペースト5640N
S、加熱残分71質量%、平均粒径(D50)14μ
m。 5)メルクジャパン(株)製、イリオジン103WNT、
ホワイトマイカ顔料、加熱残分100質量%。 6)メルクジャパン(株)製、イリオジン225WNT、
着色マイカ顔料、加熱残分100質量%。 7)メルクジャパン(株)製、Xirallic T60
−10WNT Crystal Silver、金属酸化
物被覆アルミナフレーク顔料、加熱残分100質量%。 8)メルクジャパン(株)製、Xirallic T60
−20WNT Sumbeam Gold、金属酸化物被
覆アルミナフレーク顔料、加熱残分100質量%。 9)三井化学(株)製、ユーバン122、ブチル化メラミ
ン樹脂、加熱残分60質量%。 10)旭化成(株)製、デュラネートTHA−100、N
CO含有率21.2質量%、加熱残分100質量%。 11)モンサント(株)製、モダフロー、表面調整剤、ア
クリル共重合体、加熱残分100質量%。 12)日本油脂BASFコーティングス(株)製、プライ
マックNo.8000、アクリル系2液型ウレタン塗
料。 13)日本油脂BASFコーティングス(株)製、プライ
マックNo.5600、アクリル系1液型メラミン塗
料。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】第2表に見られるように、実施例1〜10
においては、上塗り塗膜に要求される性能である仕上が
り外観性、鏡面光沢度、光輝感、パール感、フリップフ
ロップ性、塗装作業性、付着性及び耐湿性のすべてにお
いて極めて良好な結果が得られている。これに対して、
比較例1、比較例3、比較例5ではアプリケーションソ
リッドが5質量%未満であるために、光輝感、パール
感、フリップフロップ性、塗装作業性に劣り、一方、比
較例2、比較例4、比較例6では、反対にアプリケーシ
ョンソリッドが15質量%を超えるために、光輝感、パ
ール感、フリップフロップ性に劣る。比較例7、比較例
8では、鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)が0.3質量
%未満であるために、光輝感、パール感、フリップフロ
ップ性、塗装作業性に劣り、一方、比較例9、比較例1
0では、反対に鱗片状光輝性顔料濃度(PWC)が20
質量%を超えるために、仕上がり外観、フリップフロッ
プ性、付着性、耐湿性に劣り、いずれも目的の意匠を発
現しない結果となった。
【0031】
【発明の効果】本発明の光輝性塗膜の形成方法によれ
ば、塗装作業性がよく、仕上がり外観、塗膜性能、光輝
感、パール感に優れ、しかもフリップフロップ性にも優
れた意匠性を有する塗膜を容易に形成することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 直也 神奈川県横浜市戸塚区下倉田町296番地 日本油脂ビーエーエスエフコーティングス 株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE12 BB26Z CA04 CA13 CA32 CA38 CA44 CA47 CB05 CB06 CB07 CB13 CB15 DA06 DA25 DB02 DB05 DB06 DB07 DB13 DB20 DB21 DB35 DB36 DB37 DB43 DB48 DB53 DC11 DC18 EA07 EA43 EB07 EB13 EB16 EB22 EB32 EB35 EB36 EB38 EB43 EB45 EB56 EC04 EC10 EC23 EC54

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、鱗片状光輝性顔料を含有するメ
    タリックベースコート塗料及びクリヤー塗料を、順次ウ
    ェットオンウェットで塗装する光輝性塗膜の形成方法に
    おいて、メタリックベースコート塗料の塗装時のアプリ
    ケーションソリッドが5〜15質量%であり、鱗片状光
    輝性顔料濃度(PWC)が0.3〜20質量%であるこ
    とを特徴とする光輝性塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】メタリックベースコート塗料の鱗片状光輝
    性顔料が、アルミニウム顔料、マイカ顔料及び金属酸化
    物被覆アルミナフレーク顔料の中の少なくとも1種であ
    る請求項1記載の光輝性塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】基材に、下塗り塗膜又は中塗り塗膜が形成
    されている請求項1記載の光輝性塗膜の形成方法。
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