JP4352953B2 - ハースロールのサーマルクラウン抑制方法、及び鋼板の連続焼鈍方法 - Google Patents

ハースロールのサーマルクラウン抑制方法、及び鋼板の連続焼鈍方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続焼鈍炉で好適に用いられるハースロールのサーマルクラウンを抑制する方法、及び鋼板の連続焼鈍方法に関する。
連続焼鈍炉内は、鋼板の表面品質を確保するため、結露し易い環境を避ける露点管理がなされており、連続焼鈍の後工程における鋼板の冷却には、従来から、炉内雰囲気ガス、不活性ガス、還元ガス等を高速ジェット(以下において、「ガスジェット」と記述する。)として吹き付ける冷却方式が用いられている。この後工程において、通板される鋼板を支持するロール(ハースロール)では、鋼板との接触部分と非接触部分との間に温度差が生じ、この温度差によりロールが部分的に膨張、収縮するサーマルクラウンが発生する。このサーマルクラウンは、鋼板の蛇行やバックリングの一因となり、鋼板品質を劣化させるほか、バックリング部から鋼板が破断すると製造ラインが停止し、操業上の問題を招く場合もある。
一方、上記のようなガスジェットによる鋼板の冷却のみ(以下において、「従来の方法」と記述する。)では、十分な冷却速度を確保することが困難である。そこで、近年、鋼板特性の改善、及び生産性の向上を目的として、連続焼鈍設備の冷却工程には、気水冷却装置が設けられるようになってきている。連続焼鈍設備に、他のゾーンと隔離して気水冷却装置を設け、当該装置を用いて水とガスとの混合ミストで冷却することにより、より大きな冷却速度で鋼板を冷却することが可能な冷却方式とすることができる。
この冷却方式は、加熱工程、均熱工程、ガス冷却工程、気水冷却工程、及び過時効工程を含む。加熱工程にて昇温された鋼板は、均熱工程で700〜900℃に保持され、ガス冷却工程により600〜750℃に冷却された後、気水冷却工程で300〜450℃に冷却され、300〜450℃に保持される過時効工程を経て、次の工程へと送られる。そのため、この冷却方式(以下において、「第2の方法」と記述する。)によれば、気水冷却後の鋼板は、300〜450℃程度にまで冷却されており、従来の方法のような原因でハースロールにサーマルクラウンが発生することはないことから、この冷却方法では、気水冷却装置出側の下部ハースロールではサーマルクラウンの抑制対策は採られていなかった。ところが、第2の方法では、気水冷却装置において用いられたミストが結露して水となり、その水の一部が装置の炉壁を伝わってハースロールの軸方向端部にかかる。このようにしてロールの端部が過度に冷却されると、ハースロールと接触する鋼板の温度が比較的低いにも拘らず、ロール軸方向に温度差が生じ、サーマルクラウンが発生する。気水冷却工程において発生したサーマルクラウンは、バックリングや次の過時効工程における蛇行を招くことから、これを防止することが望まれている。
ハースロールにおけるサーマルクラウンの抑制を目的とした技術は、これまでにいくつか検討されてきている。例えば、特許文献1には、ロールの軸方向両端部の帯鋼が接触しない部分にロール外表面からガスを吹き付けてロール軸方向の温度差を減少させる装置が開示されている。また、特許文献2には、ハースロールに供給される金属ストリップの蛇行および絞込み量に基づいて、複数の冷媒吹出口を選択的に開閉してロール外表面から窒素ガスを吹き付ける開閉装置を備えた装置が開示されている。さらに、特許文献3には、ハースロールの内面に水、空気、ミスト、雰囲気ガスを冷媒として吹き付け、又外表面には雰囲気ガスを冷媒として吹き付けサーマルクラウンを制御する装置が開示されている。
特開昭62−253734号公報 特開平11−315330号公報 特開昭55−100919号公報
しかし、特許文献1〜3に開示されているような冷媒としてガスを吹き付ける方法では、ガスの冷却能が不十分であることから、気水冷却装置出側のハースロールのサーマルクラウンを効果的に抑制し難いという問題があった。また、鋼板が通過する時にのみハースロールを冷却すると、気水冷却工程の次工程である過時効帯において蛇行が発生し、通板された鋼板のエッジ部に、擦り傷や凹みによる品質不良が発生するという問題もあった。
そこで、本発明は、ハースロールのサーマルクラウン抑制方法、及び鋼板の蛇行やバックリングを効果的に抑制し得る鋼板の連続焼鈍方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、連続焼鈍された鋼板(6)を冷却する気水冷却装置(10)の出側に設けられたハースロール(20)のサーマルクラウン抑制方法であって、少なくともハースロールの軸方向の全長のうち、該軸方向中央を中心とする90%の範囲でハースロール(20)の外表面(22)に、水を吹き付けることを特徴とする、ハースロールのサーマルクラウン抑制方法により、上記課題を解決する。
請求項1に記載の発明によれば、大きな冷却能を有する水を用いてハースロール(20)を冷却することにより、ハースロール(20)のサーマルクラウンを効果的に抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサーマルクラウン抑制方法を用いて、鋼板(6)を連続焼鈍することを特徴とする、鋼板の連続焼鈍方法により、上記課題を解決する。
請求項2に記載の発明によれば、ハースロール(20)のサーマルクラウンが効果的に抑制されているため、過時効帯(5)における鋼板(6)の蛇行やバックリングを効果的に抑制し得る鋼板の連続焼鈍方法を提供することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の鋼板の連続焼鈍方法において、吹き付けられる水の流量を、気水冷却装置(10)を通過した鋼板(6)とハースロール(20)とが接触する前に、増加させるとともに、鋼板の後端とハースロールとの接触終了後に、水の流量を減少させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、ハースロール(20)のロール軸方向における局部的な偏芯を効果的に抑制することが可能であるため、過時効帯(5)における蛇行をより一層抑制し得る、鋼板の連続焼鈍方法を提供することができる。
本発明によれば、ハースロールのサーマルクラウン抑制方法、及び鋼板の蛇行やバックリングを効果的に抑制し得る鋼板の連続焼鈍方法を提供することができる。さらに、これらの方法の提供が可能になることで、鋼板の品質向上、及び、鋼板の炉内破断による鋼板製造ラインの稼働率低下の抑制に寄与することが可能になる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明における鋼板の連続焼鈍方法を実施し得る、連続焼鈍設備の形態を概略的に示す図である。連続焼鈍設備100は、加熱帯1、均熱帯2、ガス冷却帯3、気水冷却帯4、及び過時効帯5を備え、気水冷却帯4は、気水冷却装置10及びハースロール20(図2参照)を有している。なお、図1において、鋼板6は、図の左から右の方向へと通板される。
加熱帯1において加熱された鋼板6は、均熱帯2において700〜900℃に保持され、ガス冷却帯において600〜750℃に冷却された後、気水冷却帯において300〜450℃に冷却され、300〜450℃に保持される過時効帯5を経て、次の工程へと送られる。
本発明の鋼板の連続焼鈍方法では、気水冷却帯4の出側に設けられているハースロール20の少なくとも幅方向中央部外表面に水を吹き付けることにより、当該ロール20のサーマルクラウンを抑制する。ここで、通板を安定に行うという観点から、一般に、ハースロールには予め凸型のクラウンが付加されており、サーマルクラウンが発生すると、この凸型形状がさらに増長される。この凸型形状の増長は、ロールと接触する鋼板の中延びを引き起こし、ひいてはバックリングや蛇行を招く。そこで、本発明では、ロール20に水を吹き付けてロール20のサーマルクラウンを抑制することにより、ロール20における凸型形状の増長を抑制し、鋼板のバックリングや蛇行を抑制する。
図2に、図1における気水冷却帯4の拡大図を示す。気水冷却帯4は、気水冷却装置10、ハースロール20、及びハースロール20に吹き付けられる水を吐出するノズル30を備えている。なお、図2において、鋼板6は、紙面左上から右下の方向へと送られ、気水冷却帯4の左側及び右側には、図示されていないガス冷却帯3及び過時効帯5が設けられている。また、図2において、ノズル30からの直線は、吐出される水を表している。
図3に、図2におけるハースロール20及び鋼板6を、過時効帯5の側から見た様子を拡大して示す。図3の紙面上方には、図示されていない気水冷却装置10が配置されており、ハースロールの端部21、21には、当該装置10の内壁を伝わってきた水7、7が存在している。
本発明におけるハースロールのサーマルクラウン抑制方法では、気水冷却装置10の出側に設けられたハースロール20の少なくとも幅方向中央部にノズル30から吐出される水を吹き付け、ハースロール20の幅方向における温度差を低減させることで、当該ロール20のサーマルクラウンを抑制する。
気水冷却装置10において300〜450℃に冷却された鋼板6は、ハースロール20により進行方向を変更され、過時効帯5へと送られる。ここで、ハースロール20と接触する鋼板6は、既に上記温度にまで冷却されているため、鋼板6の熱によりロール20の凸型形状を増長させることはない。しかし、装置10内における気水混合ミストが結露して水になると、気水冷却装置10の内壁を伝わって、当該装置出側に位置するハースロール20に触れ、ロール20を冷却する。
ハースロール20を冷却する、冷却装置10の内壁を経た水7、7のうち、鋼板6上の水は十分に水切りされて回収される一方、ハースロール端部21、21周辺の水7、7は回収されない。そのため、当該端部21、21は、この水7、7により過冷却され、ロール20が鋼板6と接触し得る部分(以下において、「接触部」と記述する。)22との間に温度差が生じ、この温度差に起因してロール20にサーマルクラウンが発生する。そこで本発明では、少なくともハースロールの軸方向中央部外表面の接触部22に、ノズルからガスよりも冷却能が大きい水を吹き付け、当該接触部22の温度を低減させる。これにより、端部21、21と接触部22との温度差を低減させることができるため、ロール20のサーマルクラウンを抑制することが可能になる。
上記方法により、ロール20のサーマルクラウンは抑制することができるが、過時効帯5における鋼板6の蛇行をより一層抑制するという観点から、本発明の鋼板の連続焼鈍方法では、ノズル30より吐出される水(以下において、「冷却水」と記述する。)の量を、適宜調整することが好ましい。具体的には、鋼板6の先端が気水冷却装置10の出口を通過する前から冷却水の吐出を開始し、その吐出量を増加させるとともに、鋼板6がロール20と接触している間は冷却水の吐出量を略一定に保ち、鋼板6及びロール20の接触終了後には冷却水の吐出量を減少させることが好ましい。冷却水の流量をこのように調整することで、ハースロール20のロール軸方向における局部的な偏芯を抑制することが可能になり、過時効帯5における鋼板6の蛇行発生をより一層抑制することができる。そのため、鋼板6の蛇行に起因して発生する鋼板端部の擦り疵や凹みを防止することも可能になり、良好な品質を有する鋼板6を製造することができる。
図4に、上記冷却水の系統例を概略的に示す。図4において、水は、紙面右から左の方向へと供給され、小流量配管及び大流量配管内の水は、ハースロール20へ水を吹き付けるノズル30へと送られる。図4に示すように、小流量配管を用いることで、流量の微調整が容易になり、小流量配管及び大流量配管のそれぞれに設けられた流量調整弁を用いることで、冷却水の正確な流量調整が容易になる。図4に示す系統を用いて流量調整する場合の具体的な調整例としては、流量増加又は減少時には2つの流量調整弁を利用して小流量配管及び大流量配管からノズルへと供給する冷却水の流量を調整する一方で、流量を略一定に保つ場合には大容量配管に設けられた調整弁のみを用いてノズルへと供給する冷却水の流量を20〜100L/分に調整するという形態を挙げることができる。そして、流量調整弁によって所定量に調整された冷却水は、ノズル30からハースロール20の外表面に向けて吐出される。
なお、図4では、2つの配管を用いる冷却水系統例を示したが、本発明において実施され得る冷却水の流量調整は、2つの配管を用いる形態に限定されるものではなく、目的とする流量調整が可能であれば、1配管のみを用いる形態や3配管以上を用いる形態等、他の形態であっても好適に使用することができる。
図5に、流量調整形態の具体例を示す。図5において、縦軸は流量、横軸は処理時間を表している。本形態では、鋼板6の先端が気水冷却装置10の出口を通過する120分前から水を流し始め、3段階に分けて、鋼板6がロール20と接触している際に吐出される流量へと調整している。そして、鋼板がハースロール20と接触している間は流量を一定に保ち、鋼板6がロール20を通過した後は、3段階に分けて、120分間で流量を0へと減少させている。このように、複数の段階に分けて流量を調整することにより、ハースロール20の耐久性向上に寄与することができる。
ここで、ノズル30から吐出される流量の調整形態は、図5に示すような段階的に実施する形態に限定されるものではなく、直線的又は曲線的に実施してもよい。また、流量調整に要する時間も、図5に示す形態に限定されるものではなく、過時効帯5における鋼板の蛇行の発生状況により、適宜決定することができる。
水により冷却されるハースロール20外表面の部位は、上記接触部22が含まれていれば特に限定されるものではないが、ロール20のロール軸方向における温度差を効果的に低減させるという観点から、端部21、21以外の部位を冷却することが好ましい。
具体的には、接触部22の幅程度、又はハースロール20のロール軸方向の全長をAとするとき、ロール20の軸方向中央を中心とするA×0.9の幅程度を、冷却することにより、ハースロール20におけるサーマルクラウンの発生を効果的に抑制することが可能になる。
また、ハースロール20を冷却する際に使用する水の温度は、特に限定されるものではないが、ロール20を効果的に冷却するという観点から、当該水の温度は、80℃以下であることが好ましい。
本発明の鋼板の連続焼鈍方法により連続焼鈍される鋼板は、ハースロールのサーマルクラウンによってその平坦度が悪化する可能性がある鋼板であれば、特に限定されるものではないが、サーマルクラウンの影響を受けやすいという観点から、「板幅が広い鋼板」や「板厚が薄い鋼板」であることが好ましい。これらの鋼板に対して本発明の連続焼鈍方法を実施すれば、当該鋼板の蛇行やバックリングを効果的に抑制することができるため、これらの鋼板の品質向上と、鋼板製造ラインの稼働率向上に寄与することが可能になる。
ここで、本発明の鋼板の連続焼鈍方法では、ハースロール20の外表面に水を吹きつけるが、その際に、ハースロール20と接触している鋼板6の表面にも水が吹き付けられる。これにより、当該鋼板6の表面に酸化皮膜が形成される恐れがあることから、鋼板品質に与える当該皮膜の影響が懸念されるとの考えもある。
しかし、ロール20の上方に位置する気水冷却装置10では、水を含む混合ミストにより鋼板6を冷却するため、当該装置10内において、鋼板6の表面に薄い酸化皮膜が形成され、本発明の水によるハースロールの冷却後に新たに多量の皮膜が形成される恐れは少ない。さらに、酸化皮膜が形成された鋼板をそのまま製品化する場合を除き、気水冷却装置10を用いる場合は、通常皮膜除去を目的として、連続焼鈍設備100の後工程において酸洗が行われる。そのため、本発明により鋼板6の表面に皮膜が形成されても、この酸洗により、形成された当該皮膜は除去される。したがって、製造される鋼板品質が、本発明により低下することはない。
板幅1800mm、板厚0.5mmの低炭素鋼板(以下において、「試験鋼板」と記述する。)を連続焼鈍する際に、ロール幅2200mmのハースロールを用いて、以下の実施例及び比較例を行った。
(実施例1)
気水冷却装置出側下部に設けられたハースロールの中央部1900mmに、本発明のハースロールのサーマルクラウン抑制方法を適用した。本実施例では、試験鋼板の先端が気水冷却装置の出口を通過する際に、流量調整弁を調整することにより、冷却水の供給を開始すると共に流量を50L/分に設定した。そして、試験鋼板とハースロールとの接触中には、当該流量を50L/分に保持し、当該接触終了後に、冷却水の供給を停止した。
(比較例)
気水冷却装置出側下部に設けられたハースロールの中央部1900mmに、本発明のハースロールのサーマルクラウン抑制方法を適用せずに、連続焼鈍を行った。
実施例1及びハースロール中央部を冷却しない比較例における、バックリングの発生状況を調査した結果、実施例1では比較例と比べてバックリングの発生が1/10に減少した。したがって、本発明により、鋼板のバックリングを抑制し得ることが確認された。
(実施例2)
気水冷却装置出側下部に設けられたハースロールの中央部1900mmに、本発明のハースロールのサーマルクラウン抑制方法を適用した。本実施例における冷却水の流量調整形態の工程図を、図6に示す。
試験鋼板の先端が気水冷却装置の出口を通過する120分前に冷却水の供給を開始し、流量調整弁を調整することにより、冷却水の流量設定を10L/分とした(工程1)。次に、数十分間に渡って、冷却水の流量を10L/分で保持した後(工程2)、冷却水の供給開始から60分後に冷却水の流量が25L/分となるように、流量調整弁を調整した(工程3)。その後、数十分間に渡って、冷却水の流量を25L/分で保持し(工程4)、鋼板がハースロールと接触するまでに、冷却水の流量が50L/分となるように調整した(工程5)。試験鋼板とハースロールとの接触中は、流量を50L/分で保持し(工程6)、当該接触終了後に、冷却水の流量設定を25L/分とした(工程7)。そして、上記接触終了60分後に、冷却水の流量設定を10L/分とし(工程8)、上記接触終了120分後に冷却水の供給を停止した(工程9)。
本実施例におけるバックリングの発生状況は、実施例1と同程度であった。
また、過時効帯における、本実施例と実施例1にかかる試験鋼板の蛇行の有無を確認した。実施例1にかかる試験鋼板は、過時効帯での蛇行により、鋼板端部に、擦り疵や凹みによる若干の品質不良を生じたが、本実施例にかかる鋼板は、過時効帯での蛇行による品質不良が生じないことが確認された。
本実施例から、ハースロールの冷却だけでなく、適切な流量調整も行うことで、バックリングの抑制に加えて過時効帯の蛇行も抑制され、さらなる品質向上が図れることが確認された。
連続焼鈍設備の形態例を示す図である。 気水冷却帯の拡大図である。 ハースロール及び鋼板を拡大して示す図である。 冷却水の系統例を示す図である。 流量調整の形態例を示す図である。 流量調整形態例を示す工程図である。
符号の説明
1 加熱帯
2 均熱帯
3 ガス冷却帯
4 気水冷却帯
5 過時効帯
6 鋼板
10 気水冷却装置
20 ハースロール
100 連続焼鈍設備

Claims (3)

  1. 連続焼鈍された鋼板を冷却する気水冷却装置の出側に設けられるハースロールのサーマルクラウン抑制方法であって、
    少なくとも前記ハースロールの軸方向の全長のうち、該軸方向中央を中心とする90%の範囲で前記ハースロールの外表面に、水を吹き付けることを特徴とする、ハースロールのサーマルクラウン抑制方法。
  2. 請求項1に記載のサーマルクラウン抑制方法を用いて、鋼板を連続焼鈍することを特徴とする、鋼板の連続焼鈍方法。
  3. 吹き付けられる前記水の流量を、前記気水冷却装置を通過した前記鋼板と前記ハースロールとが接触する前に、増加させるとともに、
    前記鋼板の後端と前記ハースロールとの接触終了後に、前記水の流量を減少させることを特徴とする、請求項2に記載の鋼板の連続焼鈍方法。
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