JP4352775B2 - 血液透析濾過装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医学領域における慢性腎不全患者の腎臓の機能を代替する治療として、体外循環を応用して血液浄化を行う血液透析濾過装置ならびに血液透析濾過法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
腎不全患者の治療のために、患者の体内から取り出した血液を浄化して、再び体内に戻すようにした様々な血液浄化法が提案されてきた。血液浄化を行うために、一般的には、ハウジング内に中空糸状のセルロース膜、ポリアクリロニトリル膜、ポリスルフォン膜等の半透膜(以下、透析膜ともいう。)を収容した血液透析器(ダイアライザー)が用いられているが、患者の病態や状況によって、採用される浄化法の実施態様は異なる。
【0003】
例えば、血液透析法(HD)の場合には、血液透析器の透析膜を介して血液と透析液を接触させ、拡散による物質の移動によって、患者の血液中に蓄積した尿素、尿酸等の尿毒素を除去せしめており、また血液濾過法(HF)の場合には、半透膜に開口した膜孔を介した濾過によって、血液中の水分や老廃物・毒素を除去できるようにしている。
【0004】
上記療法において、HD(血液透析)は小分子の老廃物・溶質の除去特性に優れているが、中分子、大分子の除去性能が不足するとの欠点がある。このため、長期にHDを継続すると、晩発性の透析関連アミロイド症や栄養障害などの合併症の発現が抑止できないことが知られている。一方、HF(血液濾過)は中・大分子の老廃物の除去特性は優れているが、小分子の除去性能が低いことから、尿素などの毒素が体内に蓄積し、長期の維持治療には適さないとされている。
【0005】
上記のHD及びHFの両方の長所、即ち小分子から大分子に至るバランスのとれた除去効率を具備する治療法として、血液透析濾過( hemodiafiltration :HDF)法が提案された。しかし、臨床の現場では、濾過と液置換の操作が煩雑であったこと、高価な置換液のボトル製剤の使用に医療経済上の制約があったことより、5〜10L程度の少量の液置換にとどまっていた。このため、せっかくのHDFの優れた除去特性が十分に発揮されることはなく、臨床効果が顕著に現れなかった。近年、置換液量の不足を解消することを目的とし、清浄化した透析液を濾過の置換液として使用することにより、大量の濾過と液置換が可能な新しい手法である広義のオンラインHDF法が確立されている。先行技術文献として、例えば下記に示すようなものが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−134031号公報
【特許文献2】
特開平7−313589号公報
【0007】
さて、HD、HFそしてHDFのいずれの治療も患者の血液を体外に引っぱり出して再循環する体外循環の中途に除去装置を導入した治療法である。このため、体外循環を維持するに際して、体外循環回路(血液回路ともいう)を使用し、血液回路の一端は、血液を引っぱり出す(脱血の)ために患者の血管に導入された動脈側穿刺針と接続し、他端は血液を患者体内に戻す(返血の)ために患者の血管に導入された静脈側穿刺針とを接続する。すなわち、体外循環の維持には2本の穿刺針を導入するブラッドアクセス操作が必要となる。
【0008】
しかしながら、血管が細く脆弱であることなどから、動脈側、静脈側の2本の留置針を留置することが困難な症例も存在する。高齢の透析患者が増加している現状ではこのようなブラッドアクセス困難な例が年々増加している。ブラッドアクセスが困難な症例に対しては、単針により患者からの脱血と血液回路から患者への返血を交互に間欠的に実施するいわゆるシングルニードルHDを実施することもある。しかしながら、従来のシングルニードルHDは尿毒素の除去効率が極端に悪く、慢性腎不全患者の長期の維持治療としては不適当である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、小分子から大分子に至るバランスよく優れた除去効率を示す血液浄化を単針の体外循環で達成するための、新しい単針血液透析濾過装置および単針血液透析濾過方法(以下、両者を総称して単針HDFともいう)に関するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下に示す構成によって、上記課題を解決した。単針による、すなわち一本の穿刺針で脱血と返血を兼ねた血液回路を使用した体外循環操作を可能とした血液透析濾過装置であって、以下の構成を有することが特徴である。すなわち、大きくは、(1) 血液を送液させる血液送液系、(2) 透析液を送液する透析液送液系、(3) 両送液系間の液移動を制御する系とから成る。血液循環系は、患者から血液を導出して血液透析器に流入させる動脈側血液回路と血液透析器から流出した血液を患者に戻す静脈側血液回路とを有し、血液循環系の両回路のうち、少なくとも一方の血液回路に、流量制御が可能な正逆回転可能な血液ポンプを有する。透析液送液系は、血液透析器に透析液を灌流する透析液供給ラインと透析液排液ラインを有し、透析液供給ラインおよび透析液排液ラインはそれぞれ透析液供給用送液手段および透析液排液用送液手段を有し、透析液供給ラインまたは透析液排液ラインのいずれかに前記送液手段と並列に濾過および逆濾過を行うための濾過および逆濾過を行うための正逆両回転可能で流量制御が可能な少なくとも一つ以上の濾過/逆濾過送液手段、さらに除水排液手段を有する。中空糸膜を収容した血液透析器を使用して、該血液透析器を介した濾過によって、血液回路内の液を透析液回路側に流出させることによって血液回路内に血液を導出する脱血機構(脱血工程)、および前記血液透析器を介した強制的な逆濾過によって、透析液を透析液回路側から血液回路側に流入させることによって血液回路内の血液を患者側に返す返血機構(返血工程)を有する血液透析濾過装置であって、前記濾過による血液回路側から透析液回路側への液の流出(以下、濾過、脱血ともいう)操作と、前記逆濾過による透析液側から血液回路側への液の流入(逆濾過、返血ともいう)操作を、間欠的に且つ少なくとも複数回反復しうる機構を設けたことを特徴とする血液透析濾過装置である。
【0011】
さらに、本発明の第2は、単針による血液透析濾過において、中空糸膜を収容した血液透析器を使用して、返血工程を前記血液透析器を介した強制的な逆濾過によって、透析液を透析液回路側から血液回路側に流入し、逆に脱血工程を前記血液透析器を介した濾過によって、前記血液回路内の液を透析液回路側に流出させる血液透析の操作方法であって、前記の逆濾過による透析液側から血液回路側への液の流入操作(以下、逆濾過操作ともいう)と、前記濾過による血液回路側から透析液回路側への液の流出操作(以下、濾過操作ともいう)を、間欠的に且つ少なくとも複数回反復することを特徴とする血液透析濾過処理方法である。
【0012】
本発明の単針による血液透析濾過装置、またはその方法においては、通常の単針による血液透析に比べて、一回あたりの治療における血液循環総量を多くすることができるため、拡散による除去効率が向上される。更に、HDFの濾過の効果を発生することができることなり、単針体外循環でありながら、小分子から大分子尿毒素までの効率的な除去を達成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の血液透析濾過装置は、単針専用の体外循環回路に対応したHDFが施行できるという基本的な特徴を保持しつつ、サイクルの濾過/逆濾過条件を随意に調節することが可能である。なお、各サイクル当たりの濾過量(すなわち脱血量)と逆濾過量(すなわち返血量)は等しく保たれている。濾過/逆濾過送液手段および血液ポンプを連動制御することにより、至適な濾過/逆濾過条件を選択することが可能となり、効率的な溶質除去が可能となる。一般的な特性として、小分子の除去効率は実施時間中に血液透析器に送液される総血液量(ほぼ総脱血量に匹敵)が多い方が優れ、大分子の除去効率は各サイクルにおける一連の濾過あるいは逆濾過の容量が大きい方が優れる。脱血の主たる駆動力が濾過であることから、血液透析器に送液される総血液量は総濾過量に依存している。濾過相では濾過と拡散によって血液が浄化され、血液が循環するブランク相では拡散によって血液が浄化される。一方、逆濾過相は主に返血と濾過による体液の減少を補充する液置換を目的とするため、血液浄化にはあまり寄与しない。したがって、本発明に関わる単針HDFにおいて血液浄化効率を高めるには、1サイクルの各相の時間配分に関し、逆濾過相の割合をいかに短く完了させるかが重大なポイントとなる。以下に、本発明に関わる単針HDFの様々な実施態様とその意義について記載する。
【0014】
濾過相と次の逆濾過相との間に、濾過操作も逆濾過操作も行わないブランク時間を設け、この間に体外循環内の血液を循環する工程を設けることにより、体外循環回路(血液回路)に引っ張り出された血液が血液浄化器において透析液により透析される。本発明に関わる単針HDFではブランク相においても血液浄化器に透析液が還流されている。また、濾過相の直後にブランク相を設けることにより、濾過相において濾過条件が過大に設定され、濾過相の間に所定の濾過単位量が達成されないという状況が発生した場合、未到達の濾過分がブランク相で達成されるという濾過相の補完作用も発揮する。一方、逆濾過相と次の濾過相との間に、濾過操作も逆濾過操作も行わないブランク時間を設け、この間に体外循環内の血液を循環する工程を設けるのは、血液浄化器内で濾過、透析そして液補充を受けて浄化された血液が再度濾過の対象となるのを防止する効果がある。かかるブランク時間は血液浄化器の膜内の液が往復するdead space現象の回避効果も有する。さらに、逆濾過により血液透析器あるいは血液回路内に補充された透析液が血液と十分に混じる前に再度濾過されてしまうrefiltration(再濾過)現象の回避効果も発揮する。ブランク相は以上のような意義を有しているが本発明にかかわる単針HDFにおいてブランク相の確保が必須というわけではない。
【0015】
本発明にかかわる単針HDFにおいて患者体内から血液を導出する脱血工程は、濾過/逆濾過送液手段と血液ポンプの連動作用により達成される。血液回路内の液(血液、透析液、あるいは両者が混じたもの)を濾過する際に、濾過速度と正回転の血液ポンプの送液速度(血液流速)の大小関係によって様々な脱血パターンが実現できる。例えば、両者が等しい場合、血液は血液ポンプ側の血液回路分枝のみを通って脱血される。濾過速度が血液流速よりも大きい場合は、血液ポンプの流量に従って血液ポンプ側の血液回路分枝を介して脱血されるとともに、濾過速度と血液流速との差分の流量が血液ポンプを有さない側の血液回路分枝を通って脱血される。また、血液流速が濾過速度よりも大きい場合は、濾過速度に等しい流量で血液ポンプ側の血液回路分枝を介して脱血されるとともに、血液流速と濾過速度の差分の流速で、血液回路内の液が血液ポンプの正回転方向に再循環されることになる。血液ポンプを停止して、濾過のみを作動させた場合は、血液ポンプを有さない側の血液回路分枝のみを介して濾過速度で脱血される。血液ポンプを逆回転させた場合は、血液ポンプを有さない側の血液回路分枝から濾過速度で脱血されるとともに、血液回路内の液が血液流速で血液ポンプの逆回転方向に再循環されることになる。以上のように、血液ポンプ側の血液回路分枝からの脱血、血液ポンプを有さない側の血液回路分枝からの脱血、両分枝からの脱血、あるいは再循環を行いながらの片側の血液回路分枝からの脱血が可能となる。
【0016】
本発明にかかわる単針HDFにおいては、血液回路内の血液の循環は血液透析器内の透析(拡散現象)により血液回路内の血液を浄化する機能を有する。拡散現象は平行する濾過の作動状態に関係なく発生するが、高速度の逆濾過を作動させた場合には、拡散による血液の浄化効率は部分的に低下する。血液回路内の液を再循環させたまま濾過による脱血操作を加えたり、逆濾過による返血操作を加えることも可能である。この場合、血液回路内の液の一部が順次、体内より導出された血液と入れ替わっていくことになる。(再)循環過程における拡散による物質除去のクリアランスは、血液ポンプの循環速度よりも、濾過/ 逆濾過により血液回路内の液が導出された血液と入れ替わる平均速度に規定されている。
【0017】
本発明にかかわる単針HDFでは、体液過剰を補正するための除水工程をサイクル内で実施するタイミングを随意に選択することができる。例えば、実施時間全体にわたって均等に継続することが可能である。あるいは、1回以上の濾過相、1回以上の逆濾過相、0ないし1回以上のブランク相のうち任意の数の相を選んで除水をさせることもできる。除水が必要ない場合には除水を0として、濾過/逆濾過のみを作動させる。以上は、各サイクルにおいて均等に除水する方式であるが、予め設定したプロフィールに則り、経時的にサイクル当たりの除水量を変化させることもできる。例えば、開始時と終了時で任意の割合だけサイクル当たりの除水量を直線的に、あるいは漸近線に従って漸減させつつ、設定した総除水量が到達されるよう、実施時間にわたるサイクル当たりの除水量が自動的に計算される機構である。なお、体液過剰を補正するための除水は拡散効率にほとんど影響しない。
【0018】
濾過/逆濾過送液手段と除水排液手段が分離されている機構(原型は請求項1に記載)においては、除水排液手段を独立に作動させれば、濾過/逆濾過パターンに関係なく独立に除水が実施される。2つの送液手段を兼ねる多機能濾過制御手段を具備する場合(原型は請求項23に記載)は、該制御手段の排液方向の (正回転方向の)送液速度を、除水速度分だけ増加させることにより、濾過/逆濾過パターンに関係なく独立に除水が実施される。
【0019】
本発明にかかわる単針HDFにおいて患者体内へ血液を導出する返血工程は、濾過/逆濾過送液手段と血液ポンプの連動作用により達成される。血液回路内へ血液透析器を介して逆濾過する際に、逆濾過速度と逆回転の血液ポンプの送液速度(血液流速)の大小関係によって様々な返血パターンが実現できる。例えば、両者が等しい場合、血液は血液ポンプ側の血液回路分枝のみを通って返血される。逆濾過速度が血液流速よりも大きい場合は、血液ポンプの流量に従って血液ポンプ側の血液回路分枝を介して返血されるとともに、逆濾過速度と血液流速との差分の流量が血液ポンプを有さない側の血液回路分枝を通って返血される。また、血液流速が逆濾過速度よりも大きい場合は、逆濾過速度に等しい流量で血液ポンプ側の血液回路分枝を介して返血されるとともに、血液流速と逆濾過速度の差分の流速で、血液回路内の液が血液ポンプの逆回転方向に再循環されることになる。血液ポンプを停止して、逆濾過のみを作動させた場合は、血液ポンプを有さない側の血液回路分枝のみを介して逆濾過速度で返血される。血液ポンプを正回転させた場合は、血液ポンプを有さない側の血液回路分枝から逆濾過速度で返血されるとともに、血液回路内の液が血液流速で血液ポンプの正回転方向に再循環されることになる。以上のように、血液ポンプ側の血液回路分枝からの返血、血液ポンプを有さない側の血液回路分枝からの返血、両分枝からの返血、あるいは再循環を行いながらの片側の血液回路分枝からの返血が可能となる。
【0020】
多機能濾過制御手段を有する血液透析濾過装置とは、前記濾過/逆濾過送液手段と除水排液手段の代わりに1つの正逆回転可能な送液手段を血液透析器に透析液を供給する透析液供給ラインあるいは透析液排液ラインのどちらか一方に有することによって、前記濾過/逆濾過および除水を行う血液透析濾過装置である。該装置は、前記濾過/逆濾過送液手段と除水排液手段を有する血液透析濾過装置と同等の機能を有しつつ、構造ならびに制御が簡素化される利点がある。
【0021】
除水工程において、血液回路から血液透析器を介して透析液側に液が移動することにより減少した血液回路内の容量は、濾過相およびブランク相においては体内から血液が導出されることにより補充され、逆濾過相においては、逆濾過速度が減少することにより、血液回路内の容量減少が相殺される。こうした自然発生的な相殺現象により、血液回路内圧の変化が部分的に緩衝される。
【0022】
各サイクルにおける、血液透析膜を透過する液の移動は、移動速度と移動時間により規定されている。濾過操作における濾過量は濾過速度と濾過に要した時間の積により決まり、逆濾過操作における逆濾過量は逆濾過速度と逆濾過に要した時間の積により決定される。したがって、1回の濾過ないし逆濾過操作において、量、速度、時間の3つの因子のうち2因子を決めれば、残りの1因子の値も決まる。かかる関係を応用することにより、濾過/逆濾過パターンの設定や制御が容易となる。
【0023】
本発明に関わる単針HDFでは、一連の濾過相、逆濾過相、ブランク相の任意の数と順序の組合せから成る最小の繰り返し単位を1つのサイクルと定義する。もっとも単純な1つの濾過相と1つの逆濾過相から繰り返し単位が構成される場合は、濾過操作の始まりから少なくとも一回の逆濾過操作を経て次回濾過操作の始まりまで(あるいは逆濾過操作の始まりから少なくとも一回の濾過操作を経て次回逆濾過操作の始まりまで)が1つのサイクルであるとも表現できる。サイクルに含まれる濾過相と逆濾過相の時間は同一である必要はなく、通常は、除去効率を高めるために、逆濾過相が濾過相よりも短くなるように設定を行う。この場合、前項に記載の関係から、逆濾過速度は濾過速度よりも大きくなっている。
【0024】
本発明に関わる単針HDFでは、血液透析操作期間中に行われる前記サイクルの回数を任意に設定することができる。通常は、実施に先立ち、サイクルの相の構成やサイクルの濾過/逆濾過量や各相における血液流量から成る濾過/逆濾過パターンを決め、以後は実施時間にわたって同様のサイクルを繰り返していくことが多い。しかし、サイクルの構成は実施時間において必ずしも固定されているものではなく、経時的にサイクルの構成(すなわち濾過相、逆濾過相、ブランク相の任意の数と順序の組合せ)を変えるた操作を行うこともできる。例えば、1サイクルあたりの濾過/ 逆濾過量(ストロークボリューム)を経時的に減少させていく方式は体外循環における患者の血行動態を維持する観点から極めて有用である。
【0025】
前記のサイクルの相の構成やサイクルの濾過/逆濾過量(ストロークボリューム)、すなわち濾過/逆濾過パターンを決めてHDF条件を指定する代わりに、実施時間、総置換液量、サイクル回数の各項目を設定することによって、簡便にHDF条件を指定することもできる。この場合、濾過/逆濾過量は総置換液量をサイクル数で除したものである。また、あらかじめ登録されているサイクルの濾過相、逆濾過相、ブランク相の数および順序に定められた配分に従って、実際に各相の絶対時間が決定される。ただし、上記設定から計算された結果、1回のサイクルのストロークボリュームが200ml を超える場合は、不当治療条件として拒否する機構を備えていることが望ましい。ストロークボリュームが200ml を超えると患者の血行動態が不安定化する要因となる。
【0026】
本発明に関わる単針HDFにおけるあらゆるバリエーションにおいて、体液過剰を補正する目的の除水量は除水をしない場合を含め、別個に設定しなければならない。
【0027】
本発明に関わる単針HDFは、治療に先立ち、前記実施時間、あるいは前記サイクル回数の入力がない場合には、予め入力装置に設定された初期値で操作または制御される機能を保持している。初期値は、予め入力装置に設定されたもの以外に新たに入力しておくこともできる。患者ごとにカスタマイズされた複数のものを登録しておくこともできるが、この場合は予め優先条件を指定しておくことが必要である。
【0028】
多機能濾過制御手段を有する単針HDF装置においては、透析液回路から透析液排液用送液手段とは別に排液する液量をポンプ排液量とすると、このポンプ排液量は、前記除水工程によって、血液側回路から透析液側回路に流出する除水量と、前記濾過操作によって、血液回路から透析液回路に流出する濾過量(逆濾過量あるいは置換液量と呼ぶものに等い)との和となるように規制している。転じて、多機能濾過制御手段を有さない単針HDF装置においても、ポンプ排液量を濾過量と除水量の和を意味する用語として使用することがある。
【0029】
本発明に関わる単針HDF装置では、各サイクルあるいは複数のサイクルあるいは実施時間において、前記ポンプ排液量が、各サイクルにおける前記除水量と前記逆濾過液量との和となるように規制される。
【0030】
本発明に関わる単針HDF装置では、除水を連続的に行うか特定の相のみで行うか、除水速度を実施時間において一定とするか変化させるかによって、除水設定の様式に多様なパターンを選択することができる。特定の相でのみ除水を行う場合は、総除水量を、実施時間における除水を行う相の積算時間で除せば除水速度が得られる。
【0031】
本発明に関わる単針HDF装置では、前記の各サイクルにおける濾過操作によって、濾過される量を1サイクル当りの濾過量/逆濾過量としたときに、1サイクル当りの濾過量/逆濾過量が、各サイクルに配分された濾過速度と濾過時間との積、あるいは逆濾過速度と逆濾過時間で算出される。総濾過量とサイクル数と相配分を決めれば、濾過/逆濾過パターンが自動的に計算されて設定され制御されるので、治療条件の入力操作が容易である。
【0032】
本発明に関わる単針HDF装置において、1サイクルの濾過/逆濾過パターンの条件を入力するには、1サイクルの濾過/逆濾過量(ストロークボリューム)、1サイクル時間、濾過相/逆濾過相の時間比、ブランク相の時間の指定を行えば、各相の時間および濾過/逆濾過速度は自動的に計算されて設定される。
【0033】
本発明に関わる単針HDF装置では、1サイクルあたりの濾過/逆濾過パターンを設定、または変更した場合に、設定したサイクル以降の各サイクルでの濾過/逆濾過パターンが同一のパターンに設定される機能を有する。
【0034】
本発明に関わる単針HDF装置を、ヘマトクリット値測定手段と連動させると、ヘマトクリット値測定手段からの血液の状態をフィードバックすることにより、除水条件を自動的に変更することができる。
【0035】
以下、図と共に本発明の1つの実施態様について、説明する。本発明の血液透析濾過装置の全体の概略図を図1に示す。血液透析濾過装置は、半透膜を介して血液と透析液とを接触させて血液の浄化を行う血液透析器8と、生体9から取り出した血液を透析器に導く血液ポンプP1を有する第1の血液回路10と、血液透析器より流出する血液を生体に導く手段を有する第2の血液回路11と、透析液を透析器8に導く透析液供給ポンプP2を有する透析液供給回路12と、血液透析器から流出した透析液を排出する透析液排出ポンプP3を有する透析液排出回路13とを備える。透析液の清浄化を向上するため、血液透析器8の上流側の透析液供給回路12に、エンドトキシンン・フィルター16を設けることが望ましい。
【0036】
血液透析濾過装置1において、前記透析液供給回路12の透析液供給ポンプ設置部及び透析液排出回路13の透析液排出ポンプ設置部にどちらか一方又は両方に該ポンプとは異なる濾過・逆濾過送液手段あるいは除水排液手段P4、P5を有するバイパス回路14、15を設け、この(または、これらの)バイパス回路14、15に設けた除水排液手段P4、濾過/逆濾過送液手段P5と前記血液ポンプP1とはいずれも正逆回転可能なポンプである。
【0037】
ここで、除水排液手段P4を透析液排出ポンプP3と同方向に回転すれば、濾過による除水が行われ、逆に除水送液手段P4を透析液排出ポンプP3と逆方向に回転すれば、逆濾過による置換液注入が行われる。あるいは、濾過/逆濾過送液手段P5を透析液供給ポンプP2と同方向に回転すれば、逆濾過による置換液注入が行われ、逆に濾過/逆濾過送液手段P5を透析液供給ポンプP2と逆方向に回転すれば、濾過による除水が行われる。
【0038】
血液ポンプP1と、(バイパス回路に設けた)前記濾過・逆濾過送液手段あるいは除水排液手段P4、P5のいずれか、または両方のポンプ、また図示していないが、透析液回路や血液回路を開閉する流路開閉手段等の実働装置2は、伝達系7によって、制御装置3に連絡されている。制御装置3は濾過・逆濾過送液手段あるいは除水排液手段P4、P5のいずれか、あるいは両方に対し、血液透析器8を介した強制的逆濾過を行うように作動させる。
【0039】
この逆濾過操作によって、血液側回路に透析液を流入し、所定時間経過した後に、今度は濾過・逆濾過送液手段P5、または除水排液手段P4によって、血液透析器8を介した濾過を行うように作動させる。この濾過操作によって、血液回路内の液が透析液側に除水される。このとき、濾過・逆濾過送液手段P5、または除水排液手段P4は先に流入した逆濾過液(置換液)量に患者の除水量を加えた分だけ加算した量を排液するように、排液量が設定される。
【0040】
また、図2に示す例においては透析液排液ラインのバイパスラインに設けられた正逆両回転可能な多機能濾過制御手段により濾過/逆濾過を制御する。すなわち、多機能濾過制御手段P6を透析液排液ポンプP3と同方向に回転すれば、濾過による除水が行われ、逆に多機能濾過制御手段P6を透析液排出ポンプP3と逆方向に回転すれば、逆濾過による置換液注入が行われる。
多機能濾過制御手段は透析液供給ラインのバイパスラインに設置しても良い。
【0041】
図3は、本発明の血液透析濾過装置の1つの実施例における構成の概略を示すブロック図である。図3の実施例の血液透析濾過装置1は、透析実働装置2と該実働装置に対して動作や処理を制御する制御装置3と、命令・条件や操作を入力する入力装置4と、入力状態や制御機構を表示する表示装置5と、制御実働装置の動作状態を表示する実働装置モニター6等から構成される。
【0042】
また、前記入力装置4、実働装置モニター6は伝達系7によって、制御装置3に連絡されており、透析実働装置2の動作状態をモニター6で確認しながら、入力装置4で設定条件を変更し、伝達系7および制御装置3を介して、実働装置2の操作を変更するといった事も可能である。図3では、伝達系7および7によって、入力装置4と実働装置モニター6の両者が制御装置3に連絡しているが、前記の入力装置4、モニター6、制御装置3の全てが伝達系7に連絡されていても良い。
【0043】
透析実働装置2は、図示しないが、例えば除水排液手段や血液ポンプ、透析液の供給または排出装置や透析液回路や血液回路等の液流路を開閉する流路開閉装置、濾過や逆濾過を行う血液透析器、等の実際に血液透析濾過処理を行う際に、作動する装置である。
【0044】
処理条件や命令を入力する入力装置4としては、患者からの除水量や血液透析濾過処理の実施時間、患者体内に流入する逆濾過液量を設定または増減するための装置、あるいは除水と補液(逆濾過による)を1サイクルとしたときに、1サイクル当りに要する時間をどのくらいにするかを設定または増減する装置等である。これらは、1つのパネルで各条件が入力、変更できるものが望ましいが、それに限定されるものではない。
【0045】
また、上記入力装置4の命令・条件、それらの入力状態、制御機構について、実働装置が作動する前に、操作者が確認(把握)するための表示装置5は、入力装置と一体のパネルで構成されていても良い。また、前述したように、透析実働装置2の動作状態をモニターするモニター6は、実働装置2に連絡しており、実働装置2の動作状態を表示するとともに、予め設定した条件通りに作動していない場合には、伝達系7、7および制御装置3を介して、実働装置2を細かく調整することができる。
【0046】
図4は、本発明の血液透析濾過装置によって、血液透析濾過処理を行う手順、即ち▲1▼条件設定(入力) → ▲2▼入力確認 → ▲3▼血液透析濾過条件の表示 →▲4▼確認・決定 → ▲5▼実行(血液透析濾過処理) → ▲6▼透析実働装置の動作状態のモニター → ▲7▼調整・変更 → ▲8▼透析実働装置へのフィードバック制御の各ステップを示すフローチャートである。
【0047】
先ず、入力装置4に除水量及び実施時間、総置換液量(患者体内に流入する逆濾過液の量)の総量を設定し、入力する。また、血液透析濾過を実施する時間内に、血液透析器からの逆濾過による置換液注入と濾過による除水との組合わせを1サイクルとして、何サイクル繰り返すのかも設定する。実施時間/サイクルは1サイクルにおいて血液透析濾過処理を実施する時間であるから、その時間を設定しても良い。例えば、1サイクル当りの実施時間を1分から60分の範囲で調整可能とする。
【0048】
ここで、1サイクルにおいて、逆濾過による置換液注入の時間(逆濾過相の時間)と、濾過操作を行う濾過相の時間との関係が常に〔逆濾過相の時間〕<〔濾過相の時間〕になるように、血液透析濾過装置が入力規制が設定されていれば、生体に無理無く、効率的に溶質除去または血液浄化ができる。また、置換液量と除水量との関係において、〔総置換液量〕+〔患者の除水量〕=〔総ポンプ排液量〕を満たすように、血液透析濾過装置が入力規制されていれば、総置換液量と患者の除水量を設定することで、自動的に除水排液手段の排液する量が算出され、除水排液手段に制御がかかるので、便利である。
【0049】
血液透析濾過装置の入力操作に関して、図4に示すように、患者の除水量と総置換液量は入力されないと、次のステップに進めないが、実施時間とサイクル回数の設定においては、入力が無い場合でも、予めデフォルト値(初期値)が設定済みなので、その初期値の条件で、操作が制御されることになる。それぞれ設定すべき値が入力されているかを確認する画面が表示され、それで良いか確認を行った後、図5に示すような各サイクル毎の置換液量と患者除水量、除水ポンプの排液量のパターンが表示される。
【0050】
ここで、Aを1サイクル目の除水ポンプ排液量、A1を1サイクル目の初回の置換液量、A2を1サイクル目の2回目の置換液量、A3を1サイクル目の患者除水量、また、Bを2サイクル目の除水ポンプ排液量、B1を2サイクル目の初回の置換液量、B2を2サイクル目の2回目の置換液量、B3を2サイクル目の患者除水量、とすると、A=A1+A2+A3、B=B1+B2+B3の関係を維持したまま、各サイクルにおける患者除水量、実施時間、総置換液量、逆濾過相の時間が設定、変更できる。
【0051】
実際に行われる実施パターンの変更は、以下のような手順で行われる。除水量、実施時間、総置換液量、及びサイクル数を決定(入力)することによって、1サイクル当りの時間や1サイクル当りに要する濾過相の時間が自動的に計算され、その結果、画面上に〔逆濾過相の時間/サイクル〕=〔1サイクル当りの時間〕−〔濾過相の時間/サイクル〕−〔ブランク相の時間/サイクル〕−〔血液循環工程の時間/サイクル〕が設定される。
【0052】
この画面において、既述した(置換液量と患者除水量との和が除水ポンプ排液量と等量になるような)関係を維持したまま、〔逆濾過相の時間/サイクル〕を増減させることによって、〔実施時間/サイクル〕、除水ポンプ排液量、逆濾過速度が決定する。逆に、〔実施時間/サイクル〕を増減設定することによって、〔逆濾過相の時間/サイクル〕等を連動して変更しても良い。
【0053】
1サイクル当りの時間設定を変更すると共に、〔総置換液量/サイクル〕も変更することで、各サイクル毎に置換液量を変更することが可能となる。また、サイクル全体の時間を変更することもできる。以上のような変更による置換液量や時間の変更は、時間的に後ろとなるサイクルに反映される。そして、1サイクル当りのパターンを変更することで、残りのサイクルパターンもそれと同一パターンに変更されるが、各パターン毎にパターンを設定することも可能である。
【0054】
さらにヘマトクリット値を計測するヘマトクリットモニターや限外濾過による除水パターンに合わせて、各サイクルにおいて、患者の除水量を変更することも可能である。
【0055】
本発明の単針HDFは、濾過操作における濾過量によっては、血液透析器において血液濃縮を生じる可能性があるため、静脈圧および透析液圧の警報基準値及びTMP警報値を別に設定することが望ましい。
【0056】
【実施例】
[実施例1]
本発明に関わる単針HDFにおいて、1サイクル当たりの濾過量(置換液量と等しい)(以下ストロークボリューム、略してSVともいう)が50mlと比較的小さい容量であるタイプの単針HDFの実施例を示す。
【0057】
まず、単針HDF装置の構成を示す。本装置で使用する血液回路は単針用血液回路で、Y字型をした穿刺針との接合部と、接合部より分岐した2本の分枝回路を有し、一方の分枝回路に血液ポンプに装着するポンプセグメントを有している。本実施例においては、ポンプセグメントを有する方の分枝を動脈側(血液回路)として使用する。本実施例に関わる単針HDF装置は、血液送液系の機構として血液ポンプ(正回転動作のみでよい)を有し、これに上記の単針用血液回路を装着する。また、透析液送液系として、血液透析器に透析液を灌流する透析液送液ラインを有し、透析液供給ラインおよび透析液排液ラインはそれぞれ透析液供給用送液手段および透析液排液用送液手段を備えている。さらに、血液送液系および透析液送液系の2つの送液系の間の液移動を制御する系として、透析液供給ラインに濾過(脱血)および逆濾過(返血)を行うための正逆両回転可能で流量制御が可能な1つの濾過/逆濾過送液手段、さらに透析液排液ラインに除水排液手段を具備している。濾過/逆濾過送液手段、除水排液手段および血液ポンプは連動制御が可能となっている。該単針HDF装置によって、1サイクル時間、SV、1サイクルにおける濾過相(1回以上)・逆濾過相(1回以上)・ブランク相 (0あるいは1ないし複数回)の時間割合、濾過速度および逆濾過速度を自在に制御し、任意の濾過/逆濾過パターンを設定することができる。
【0058】
本実施例に関わる単針HDF装置において、SVを50ml、1サイクル時間を30秒、濾過相を15秒、濾過相と逆濾過相の間の第1ブランク相を1/16分(3.75秒)、逆濾過相を1/8 分(7.5 秒)逆濾過相と濾過相の間の第2ブランク時間を1/16分(3.75秒)に設定する。濾過相における濾過速度は200ml/分、逆濾過相における逆濾過速度は400ml/分となる。血液ポンプは各相に連動し、濾過相では200ml/分、第1ブランク相では400ml/分、逆濾過相では停止、第2ブランク時間では400ml/分となる。実施時間は4時間とし、この間、同様の濾過/逆濾過パターンでサイクルが繰り返されていく。
【0059】
15秒間の濾過相では、血液ポンプが患者体内より200ml/分の速度で50mlに達するまで脱血が行われ、これに同期して濾過/ 逆濾過送液手段が正回転(透析液供給ポンプとは逆方向)で、200ml/分の速度で50mlのSVに達するまで作動する。濾過相における血液浄化の物理的原理は、HDFすなわち濾過と透析液灌流による拡散である。
【0060】
3.75秒間の第1ブランク相では、濾過/逆濾過送液手段は停止し、血液ポンプが400ml/分の速度で再循環を駆動する。第1ブランク相における血液浄化の物理的原理はHDすなわち、血液と透析液の対向流による拡散である。
【0061】
7.5 秒間の逆濾過相では、血液ポンプは停止し、濾過/逆濾過送液手段が逆回転で400ml/分の速度で50mlのSVに達するまで作動する。逆濾過透析液が血液透析器そして静脈側血液回路を移動し、結果として50mlの返血に至る。
【0062】
3.75秒の第2ブランク相では、濾過/逆濾過送液手段は停止し、血液ポンプが400ml/分の速度で再循環を駆動する。第2ブランク相における血液浄化の物理的原理はHDすなわち、血液と透析液の対向流による拡散である。以上のように、4つの相から構成される1サイクルにおいて、脱血と返血、そして濾過と逆濾過の容量バランスが達成されつつ、単針HDF治療が継続される。
【0063】
除水排液手段を、独立に連続的に作動させれば、4つの相に関係なく一定の速度で除水を行い、実施時間で所定の除水量を達成することができる。
【0064】
本実施例に関わる単針HDFによる治療前後の溶質除去効率を、同じ血流の通常の穿刺針2本を使用するHDと比較した。小分子である尿素(60ダルトン)の除去率、すなわち({治療前濃度−治療後濃度}/治療前濃度)では、単針HDFは通常のHDの70%程度の効率を示した。一方、大分子であるβ2−ミクログロブリン(11800 ダルトン)の除去率は、通常HDの150%程度と優れていた。アルブミン損失は低値に抑えられていた。治療効率は小分子で概ね許容範囲、大分子で優れていると総括できる。
【0065】
[実施例2]
本発明に関わる単針HDFにおいて、1サイクル当たりのSVが200ml と比較的大きい容量であるバリエーションの単針HDFの実施例を示す。
【0066】
実施例2における単針HDF装置の構成を示す。本装置で使用する血液回路は単針用血液回路で、Y字型をした穿刺針との接合部と、接合部より分岐した2本の分枝回路を有し、一方の分枝回路に血液ポンプに装着するポンプセグメントを有している。本実施例においては、ポンプセグメントを有する方の分枝を動脈側(血液回路)として使用する。本実施例に関わる単針HDF装置は、血液送液系の機構として正逆両回転可能な血液ポンプを有し、これに上記の単針用血液回路を装着する。また、透析液送液系として、透析器に透析液を灌流する透析液送液ラインを有し、透析液供給ラインおよび透析液排液ラインはそれぞれ透析液供給用送液手段および透析液排液用送液手段を備えている。さらに、血液送液系および透析液送液系の2つの送液系の間の液移動を制御する系として、透析液供給ラインに濾過(脱血)および逆濾過(返血)を行うための正逆両回転可能で流量制御が可能な1つの濾過/逆濾過送液手段、さらに透析液排液ラインに除水排液手段を具備している。濾過/逆濾過送液手段、除水排液手段および血液ポンプは連動制御が可能となっている。該単針HDF装置によって、1サイクル時間、SV、1サイクルにおける濾過相(1回以上)・逆濾過相(1回以上)・ブランク相 (0ないし複数回)の時間割合、濾過速度および逆濾過速度を自在に制御し、任意の濾過/逆濾過パターンを設定することができる。
【0067】
本実施例に関わる単針HDF装置において、SVを200ml 、1サイクル時間を 120秒、第1濾過相を30秒、第2濾過相(濾過循環相)を60秒、逆濾過相を30秒に設定する。第1濾過相における濾過速度は400ml/分、第2濾過相における濾過速度は100ml/分、逆濾過相における逆濾過速度は600ml/分となる。血液ポンプは各相に連動し、第1濾過相では200ml/分、第2濾過相では400ml/分、逆濾過相では逆回転方向に300ml/分となる。実施時間は4 時間とし、この間、同様の濾過/逆濾過パターンでサイクルが繰り返されていく。
【0068】
30秒間の第1濾過相では、濾過/逆濾過送液手段が正回転に400ml/分の速度で濾過を行い、血液ポンプは200ml/分の速度で動脈側血液回路から脱血を行う。したがって両者の差の200ml/分の流量は静脈側血液回路を介して血液透析器の方向へ脱血される。濾過相における血液浄化の物理的原理は、HDFすなわち濾過と透析液灌流による拡散である。
【0069】
60秒間の第2濾過相では、第1濾過相よりも緩徐な濾過と再循環が行われる。濾過/逆濾過送液手段が正回転に100ml/分の速度で濾過を行い、血液ポンプは400ml/分の速度で正回転する。したがって、血液回路内を血液が300ml/分の速度で血液ポンプの正回転方向に再循環しつつ、並行して、患者体内より100ml/分の速度で脱血が行われる。第2濾過相における血液浄化の物理的原理は、HDFすなわち濾過と透析液灌流による拡散である。
【0070】
30秒間の逆濾過相では、濾過/逆濾過送液手段が逆回転で600ml/分の速度で急速逆濾過を駆動し、血液ポンプは300ml/分の速度で逆回転する。したがって、両者の差の300ml/分の流量は静脈側血液回路を介して体内に返血されることになる。逆濾過は200ml のSVに達して終了する。以上のように、3つの相から構成される1サイクルにおいて、脱血と返血、そして濾過と逆濾過の容量バランスが達成されつつ、単針HDF治療が継続される。
【0071】
除水排液手段を、独立に連続的に作動させれば、3つの相に関係なく一定の速度で除水を行い、実施時間で所定の除水量を達成することができる。
【0072】
本実施例に関わる単針HDFにおける小分子である尿素の除去率は通常のHDの75%程度の効率を示した。一方、大分子であるβ2-ミクログロブリンの除去率は、通常HDの180%程度と優れている。アルブミン損失は実施例1よりも多い。治療効率は実施例1よりも優れており、小分子で許容範囲、大分子で極めて優れていると総括できる。
【0073】
以上、2つの実施例に示されるように、本発明に関わる単針HDF装置は、1サイクルにおいて複数の相を自在に組み合わせ、濾過/逆濾過送液手段および血液ポンプを連動させて、正逆両方向に流量制御もしくは停止させることにより、多彩な濾過/逆濾過パターンを創出できることが特徴である。
【0074】
【発明の効果】
本発明にかかわる単針体外循環回路対応の血液透析濾過装置を利用することにより、ブラッドアクセス用の穿刺針は1本であるにもかかわらず、小分子から大分子に至る尿毒素の除去がバランスよく達成され、従来の単針の範疇の血液浄化法の効率をはるかに凌駕し、初めて慢性腎不全の維持療法としての臨床応用が可能となったと言える。尿素の除去効率は、穿刺針を2本使用する通常のHDの60〜80%に達し、小分子の除去性能は尿素動態(ユレアキネティックス)の観点からも許容範囲といえる。また、濾過の効果により、中・大分子量物質の除去が向上し、大分子の除去効率は通常のHDよりもはるかに優れている。濾過/逆濾過条件の設定が随意であることから、適切な条件を選定すれば、大孔径の透析膜を使用した場合にも、アルブミン損失を適度に抑えることが可能である。腎不全患者の高齢化とともに、血管が細く脆弱でブラッドアクセスが困難な症例が今後も増大すると考えられ、本発明に関わる単針HDFが好適な症例も増加していくものと推察される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の血液透析濾過装置の全体的な概略を示す模式図である。
【図2】本発明の一例の多機能濾過制御手段を使用した血液透析濾過装置の概略を示す模式図である。
【図3】本発明の一例の血液透析濾過装置による処理操作のフローの概略を示すフローチャートである。
【図4】本発明の血液透析濾過装置の1つの実施例における構成の概略を示すブロック図である。
【図5】本発明の血液透析濾過装置による濾過/逆濾過パターンの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1.血液透析濾過装置
2.透析実働装置
3.制御装置
4.入力装置
5.表示装置
6.実働装置モニター
7.伝達系
8.血液透析器
9.生体
10.第1の血液回路
11.第2の血液回路
12.透析液供給回路
13.透析液排出回路
14.バイパス回路
15.バイパス回路
16.エンドトキシンフィルター
P1.血液ポンプ
P2.透析液供給ポンプ
P3.透析液排出ポンプ
P4.除水排液手段
P5.濾過/逆濾過送液手段
P6.多機能濾過制御手段

Claims (34)

  1. 単針による、すなわち一本の穿刺針で脱血と返血を兼ねる体外循環操作が可能な血液透析濾過装置であって、
    血液を送液させる血液送液系と透析液を送液する透析液送液系と、両送液系間の液移動を制御する系とからなり、
    血液送液系は患者から血液を導出して血液透析器に流入させる動脈側血液回路と血液透析器から流出した血液を患者に戻す静脈側血液回路とを有し、動静脈両回路のうち、少なくとも一方の血液回路に、流量制御が可能で正回転または正逆回転可能な血液ポンプを有し、
    透析液送液系は血液透析器に透析液を灌流する透析液供給ラインと透析液排液ラインを有し前記透析液供給ラインおよび透析液排液ラインはそれぞれ透析液供給用送液手段および透析液排液用送液手段を有し、透析液供給ラインまたは透析液排液ラインのいずれかに前記送液手段と並列に濾過および逆濾過を行うための正逆両回転可能で流量制御が可能な少なくとも一つ以上の濾過/逆濾過送液手段および除水排液手段を有し、
    (a)中空糸膜を収容した血液透析器を使用して、該血液透析器を介した濾過によって、血液回路内の液を透析液回路側に流出させることによって血液回路内に血液を導出する機構、
    (b)前記血液透析器を介した強制的な逆濾過によって、透析液を透析液回路側から血液回路側に流入させることによって血液回路内の血液を患者側に返す機構
    (c)前記濾過による血液回路側から透析液回路側への液の流出操作である濾過操作と、前記逆濾過による透析液回路側から血液回路側への液の流入操作である逆濾過操作を、間欠的に且つ少なくとも複数回反復しうる機構を有し、
    前記濾過操作と前記逆濾過操作との間、又は、前記逆濾過操作と前記濾過操作との間の、濾過操作も逆濾過操作も行わない任意の長さのブランク相において、血液回路の血液循環を行う工程を設け、上記操作が自動的に繰り返されることを特徴とする血液透析濾過装置。
  2. 前記濾過操作と前記逆濾過操作とが、交互に自動的に繰り返される請求項1に記載の血液透析濾過装置。
  3. 単針用血液回路、すなわち、Y字もしくはT字型をした、穿刺針との接合部と、接合部より分岐した2本の分枝回路を有し、いずれか一方の分枝回路に血液ポンプに装着するポンプセグメントを有する血液回路を使用することにより、単針による血液透析濾過が可能となる請求項1または2に記載の血液透析濾過装置。
  4. 前記濾過操作において、少なくとも血液回路の一方に設けた血液ポンプの、患者側から血液透析器側へ向かう送液速度と、血液透析器を介した濾過速度を同一として、患者血液を一分枝血液回路内に導出することを特徴とする請求項に記載の血液透析濾過装置。
  5. 前記濾過操作において、少なくとも血液回路の一方に設けた血液ポンプを停止状態とし、血液透析器を介した濾過によって患者血液を一分枝血液回路内に導出することを特徴とする請求項に記載の血液透析濾過装置。
  6. 前記逆濾過操作において、少なくとも血液回路の一方に設けた血液ポンプの、血液透析器側から患者側へ向かう送液速度と、血液透析器を介した逆濾過速度を同一として、一分枝血液回路内血液を患者側に返すことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の血液透析濾過装置。
  7. 前記逆濾過操作において、少なくとも血液回路の一方に設けた血液ポンプを停止状態とし、血液透析器を介した逆濾過によって一分枝血液回路内血液を患者側に返すことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の血液透析濾過装置。
  8. 前記濾過操作において、少なくとも血液回路の一方に設けた血液ポンプの、患者側から血液透析器側へ向かう送液速度と、血液透析器を介した濾過速度との比率に従って血液回路の静脈側及び動脈側を経由して、患者血液を血液回路内に導出することを特徴とする請求項1または2に記載の血液透析濾過装置。
  9. 前記濾過操作において、少なくとも血液回路の一方に設けた血液ポンプの、患者側から血液透析器側へ向かう送液速度と、血液透析器を介した濾過速度との比率に従って血液回路の一方に設けた血液ポンプ側の血液透析器側へ向かう一分枝に単針から患者の血液が導出され、血液ポンプの速度と濾過速度の差分が血液ポンプを設けていない一分枝側から血液ポンプを設けた一分枝側へ再循環することを特徴とする請求項に記載の血液透析濾過装置。
  10. 前記逆濾過操作において、少なくとも血液回路の一方に設けた血液ポンプの、血液透析器側から患者側へ向かう送液速度と、血液透析器を介した逆濾過速度との比率に従って血液回路の静脈側及び動脈側を経由して、血液回路内の全てあるいは一部の血液を患者側に返すことを特徴とする請求項1または2に記載の血液透析濾過装置。
  11. 前記逆濾過操作において、少なくとも血液回路の一方に設けた血液ポンプの、患者側から血液透析器側へ向かう送液速度と、血液透析器を介した逆濾過速度との速度和に従って血液回路の血液ポンプを設けていない一分枝側から2本の分枝回路の接合部へ向かって血液回路内血液を送血するとともに、2本の分枝回路の接合部を介した単針を経由して逆濾過速度にて患者側へ血液を返しながら、血液ポンプの速度にて血液ポンプを設けていない一分枝側からの血液を血液ポンプを設けた一分枝側へ再循環することを特徴とする請求項に記載の血液透析濾過装置。
  12. 前記ブランク相、すなわち前記濾過操作と前記逆濾過操作との間又は、前記逆濾過操作と前記濾過操作との間に、血液回路内の血液を循環しながら、除水ポンプを作動させた除水工程及び透析行う工程が設けられる請求項1〜11のいずれかに記載の血液透析濾過装置。
  13. 前記濾過/逆濾過送液手段とは独立に、任意の割合に設定した濾過操作を行う濾過相、逆濾過操作を行う逆濾過相およびブランク相のうち、一つもしくは複数の相で、除水排液手段を作動させて除水工程を行う請求項1〜12のいずれかに記載の血液透析濾過装置。
  14. 前記除水工程において、除水された液量分の血液を患者側から導出し、回路内ボリュームを一定に保つ工程が設けられる請求項12または13に記載の血液透析濾過装置。
  15. 各操作における液の移動量、すなわち濾過液量あるいは逆濾過液量が、各操作の液移動速度、すなわち濾過速度あるいは逆濾過速度と、各操作に要した時間との積で算出される請求項1〜14のいずれかの項に記載の血液透析濾過装置。
  16. 一連の濾過相、逆濾過相、ブランク相の任意の数と順序の組合せから成る最小の繰り返し単位を1つのサイクルとした時に、各サイクルでの逆濾過操作を行う時間が、同じサイクル内での濾過操作を行う時間よりも短くなり、且つ各サイクルでの逆濾過速度が濾過速度より大きくなるように設定されたものである請求項1〜15のいずれかの項に記載の血液透析濾過装置。
  17. 血液透析濾過工程に要する全体の時間を実施時間としたときに、実施時間内に行われる前記サイクルの回数を任意に設定できる請求項16に記載の血液透析濾過装置。
  18. 実施時間にわたる血液透析濾過工程で患者の体液過剰を是正する体液除去量を除水量、前記逆濾過操作によって流入する逆濾過液の総量を総置換液量少なくとも前記濾過操作と前記逆濾過操作とから構成される前記サイクルの回数をサイクル回数としたときに、前記実施時間、除水量、総置換液量、サイクル回数の各項目を血液透析濾過工程の開始にあたり設定することによって、実施時間において単針による血液透析濾過工程が操作または制御される請求項17に記載の血液透析濾過装置。
  19. 前記除水量、総置換液量を入力することによって、単針による血液透析濾過工程が操作または制御される請求項18に記載の血液透析濾過装置。
  20. 前記実施時間、あるいは前記サイクル回数の入力が無い場合に、予め入力装置に設定された初期値で操作または制御される請求項17に記載の血液透析濾過装置。
  21. 請求項1に記載の血液透析濾過装置における、少なくとも一つ以上の濾過/逆濾過送液手段と除水排液手段の代わりに、一つの正逆回転可能な送液手段である多機能濾過制御手段により濾過・逆濾過速度と濾過相、逆濾過相、ブランク相の時間を任意に設定できる機構を有することを特徴とする請求項1〜20のいずれかの項に記載の血液透析濾過装置。
  22. 多機能濾過制御手段が透析液回路から透析液排液用送液手段とは別に排液する液量をポンプ排液量とすると、このポンプ排液量は、前記除水工程によって、血液側回路から透析液側回路に流出する除水量と、前記逆濾過操作によって、透析液側回路から血液回路側に流入する置換液量との和となるように、1サイクル当たり、あるいは実施時間当たり、多機能濾過制御手段の濾過・逆濾過速度が調整されものである請求項21に記載の血液透析濾過装置。
  23. 前記各サイクルにおける前記ポンプ排液量が、各サイクルにおける前記除水量と前記置換液量との和となるように規制されるものである請求項22に記載の血液透析濾過装置。
  24. 記各サイクルにおける濾過操作によって、除水される量を1サイクル当り除水量としたときに、1サイクル当りの除水量が、前記除水量を前記サイクル回数で均等に除したもの、あるいはサイクル当たりの除水量が時間の関数となるようにプログラムされたものである請求項18に記載の血液透析濾過装置。
  25. 記各サイクルにおける濾過操作によって、濾過される量を1サイクル当りの濾過量としたときに、1サイクル当りの濾過量が、各サイクルに配分された逆濾過速度と逆濾過時間との積算出される請求項16に記載の血液透析濾過装置。
  26. 記各サイクルにおける濾過操作に要する時間を1サイクル当りの濾過時間同じく濾過操作によって、濾過/逆濾過送液手段および除水排液手段、もしくは多機能濾過制御手段が排液する量を1サイクル当りのポンプ排液量とし、前記各サイクルにおける逆濾過操作に要する時間を1サイクル当りの逆濾過相の時間、同じく逆濾過操作によって流入した液の量を1サイクル当りの置換液量としたときに、1サイクル当りの逆濾過相の時間を増減することによって、1サイクル当りの濾過時間や1サイクル当りの濾過量、1サイクル当りのポンプ排液量が自動的に設定される請求項22に記載の血液透析濾過装置。
  27. 前記1サイクル当りの濾過相の時間を増減することによって、1サイクル当りの逆濾過相の時間や1サイクル当りの置換液量、1サイクル当りのポンプ排液量が自動的に設定される請求項22に記載の血液透析濾過装置。
  28. 前記1サイクル当りの置換液量、あるいは1サイクル当りの濾過量を増減することによって、各サイクルにおける置換液量、あるいは各サイクルにおける除水量を変更することのできる請求項22に記載の血液透析濾過装置。
  29. 前記各サイクルにおいて、1サイクルに要する時間を任意に変更可能な請求項22に記載の血液透析濾過装置。
  30. 前記1サイクル当りの濾過相、逆濾過相、ブランク相の時間配分、1サイクルあたりの濾過量、置換液量、および除水速度もしくは量の設定状態を1サイクル当りの濾過/逆濾過パターンとすると、1サイクル当りの濾過/逆濾過パターンを初期設定、または変更した場合に、設定したサイクル以降の各サイクルでの濾過/逆濾過パターンが同一のパターンに設定、または変更される請求項22に記載の血液透析濾過装置。
  31. ヘマトクリット値や循環血液量や血圧測定手段からのフィードバック制御により、設定された除水条件や、各サイクルでの濾過/逆濾過パターンを自動的に変更できる請求項30に記載の血液透析濾過装置。
  32. 予め設定した時刻依存性に除水速度を変化させる限外濾過除水プログラムによって設定された除水速度になるように、各サイクルでの濾過/濾過パターンを変更できる請求項30に記載の血液透析濾過装置。
  33. 前記サイクルが、1回以上の濾過相と1回以上の逆濾過相と0ないし1回以上のブランク相の任意の数と順序から構成され、かかるサイクルを実施時間において少なくとも2回以上繰り返してなる請求項17に記載の血液透析濾過装置。
  34. ある時間当たりにおける前記各操作における液の移動量、すなわち濾過液量あるいは逆濾過液量が、各操作の液移動速度、すなわち濾過速度あるいは逆濾過速度と、各操作に要した時間との積、もしくはある時間あたりに含まれるそれぞれの積の和で算出される請求項1〜14のいずれかの項に記載の血液透析濾過装置。
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