JP4352751B2 - 自己流動性水硬性組成物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般建築物の主に床下地調整に使用されるセルフレベリング材として、優れた特性を有する自己流動性水硬性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏、高炉スラグからなる水硬性成分と、リチウム塩とホウ酸化合物よりなる凝結調整剤と、減水剤と、増粘剤とからなる組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
又、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏、高炉スラグからなる水硬性成分と、減水剤と、増粘剤とからなる組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−211961号
【特許文献2】
特開2000−302519号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
セルフレベリング材として使用される自己流動性水硬性組成物の具備すべき第一の条件が、低温から高温までの広範囲での温度条件における使用において、自己水平性を確保するために必要な高い流動性を有することは当然であるが、施工作業を容易にする面から適度の作業時間を確保できる程度に長い流動性保持時間、早期開放を可能とする十分な速硬性、表面仕上材の接合を容易にする表面平滑性と良好な表面性状を兼ね備えることが重要である。
本発明は、広い温度範囲において、作業特性(高流動性、高流動保持性)、硬化特性(平滑性、表面性状)に優れ、且つ、材料分離が抑制された、一般建築物の床下地調整に主に使用されるセルフレベリング材として好適に使用できる自己流動性水硬性組成物の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】
発明者は、急硬性を本質的に有しており且つ平滑性に優れた水硬性成分を使用する材料において、細骨材の一部を比表面積の大きなFCC触媒に置換することにより、材料分離が抑制され硬化体表面の平滑性が向上することを見出した。さらに適切な減水剤と増粘剤を組合わせることにより、スラリーの高い流動性及び高い流動保持性を有し、尚且つ、材料分離が抑制され硬化体表面の平滑性が向上することを見出した。
【0006】
本発明は、水硬性成分、細骨材、減水剤及び増粘剤とを含み、細骨材がFCC触媒を含むことを特徴とする自己流動性水硬性組成物を提供すること。
好ましくは本発明は、自己流動性水硬性組成物としてさらに凝結調整剤を含むことを特徴とする自己流動性水硬性組成物を提供すること。
好ましくは本発明は、FCC触媒が、水硬性成分100質量部に対し、38質量部以下含むことを特徴とする自己流動性水硬性組成物を提供すること。
好ましくは本発明は、水硬性成分が、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏及び高炉スラグを含み、アルミナセメント100質量部、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部の組成であることを特徴とする自己流動性水硬性組成物を提供すること。
好ましくは本発明は、細骨材が、水硬性成分100質量部に対して、60〜200質量部含むことを特徴とする自己流動性水硬性組成物を提供すること。
好ましくは本発明は、水硬性成分100質量部に対して、減水剤0.01〜0.2質量部及び増粘剤0.05〜0.5質量部含むことを特徴とする自己流動性水硬性組成物を提供すること。
好ましくは本発明は、セルフレベリング性のSL値(L30)が、300〜600mmであることを特徴とする自己流動性水硬性組成物を提供すること。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分、細骨材、減水剤及び増粘剤とを含み、細骨材がFCC触媒を含むことを特徴とする自己流動性水硬性組成物である。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、さらに凝結調整剤を含むことが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、さらに消泡剤を含むことが好ましい。
特に本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分、細骨材、減水剤、増粘剤、凝結調整剤及び消泡剤とを含み、細骨材がFCC触媒を含むことを特徴とする自己流動性水硬性組成物が好ましい。
【0008】
本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分100質量部に対し、細骨材が60〜200質量部含むことが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分100質量部に対し、減水剤が0.01〜0.20質量部、増粘剤が0.05〜0.5質量部含むことが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分100質量部に対し、凝結調整剤0.05〜5質量部を含むことが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分100質量部に対し、消泡剤2質量部以下を含むことが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分100質量部に対し、細骨材が60〜200質量部、減水剤が0.01〜0.20質量部及び増粘剤0.05〜0.5質量部とを含むことが好ましい。
さらに自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分100質量部に対し、細骨材が60〜200質量部、減水剤が0.01〜0.20質量部、増粘剤0.05〜0.5質量部、凝結調整剤0.05〜5質量部及び消泡剤2質量部以下とを含むことが好ましい。
【0009】
水硬性成分は、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏、高炉スラグ、フライアッシュなどを用いることができ、これらの成分は目的に応じて適宜単独又は2種以上混合して用いることが出来、アルミナセメントを含むことが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物において、水硬性成分は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができる。
セルフレベリング材の具備すべき重要な要件の一つは、適度な急硬性を有することであるが、急硬性は第一義的に、含まれる水硬性成分の種類に依存する。ポルトランドセメント系では硬化速度が遅く、乾燥収縮が大きいと言う欠点を有しており、一方、速硬性セメント系では硬化速度面では改善されるものの、流動性が低く、強度が低いと言う欠点を有している。
特に水硬性成分として、アルミナセメント、石膏および高炉スラグよりなる水硬性成分、さらにアルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏および高炉スラグよりなる水硬性成分を使用することにより、上記の互いの欠点を補うことができるために好ましい。
水硬性成分は、好ましくはアルミナセメント100質量部、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部の組成、さらに好ましくはアルミナセメント100質量部、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部の組成が、適度な急硬性を有し、高い流動性及び強度、且つ寸法安定性の良さの理由で好ましい。
【0010】
アルミナセメントは、潜在的に急硬性を有しており、硬化後は耐化学薬品性、耐火性に優れた硬化体を与える。また、潜在水硬性を有する高炉スラグの存在により、その欠点である硬化体強度の経時的な低下も抑制される。アルミナセメントは鉱物組成が異なるものが数種知られ市販されており、何れも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であるが、強度および着色性の面からは、CA成分が多く且つCAF等の少量成分が少ないアルミナセメントが好ましい。
【0011】
石膏は、無水、半水等の各石膏がその種を問わず1種又は2種以上の混合物として使用できる。石膏は急硬性であり、また、硬化後の寸法安定性保持成分として働くものである。石膏の添加量は、アルミナセメント100質量部に対して40〜100質量部が好ましい。少なすぎると寸法安定性が低下する場合があり、多すぎると耐水性が低下し、水による異常膨張が起こる場合があり好ましくない。
【0012】
高炉スラグは、乾燥収縮による硬化体の耐クラック性を高めるだけでなく、アルミナセメントの硬化体強度を向上させる効果も有している。高炉スラグの添加量は、アルミナセメント100質量部に対して50〜250質量部とするのが好ましく、少なすぎると収縮が大きくなり、多すぎると強度低下を招くことがある。
高炉スラグは、JIS・A−6206に規定されるブレーン比表面積3000cm2/g以上ものを用いることができる。
【0013】
ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントなどを用いるができる。水硬性成分としてポルトランドセメントを用いることにより、コスト低減に効果が認められ好ましい、また、添加量が多すぎると流動性が低下する場合があり、白華発生の原因となるため、アルミナセメント100質量部に対し、120質量部より少なく添加することが好ましい。
【0014】
細骨材は、FCC触媒と、珪砂、石灰石などを用いることが出来、珪砂及びFCC触媒とを併用して使用することが好ましい。
細骨材は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対し、好ましくは60〜200質量部、さらに好ましくは70〜150質量部、特に好ましくは80〜100質量部が好ましい。
特に細骨材は、FCC触媒と珪砂とを含むことが好ましく、細骨材としては、FCC触媒0〜38質量%(ただし0質量%を除く)及び珪砂は62〜100質量%(ただし100質量%を除く)、さらに好ましくはFCC触媒を1〜35質量%及び珪砂は65〜99質量%、特に好ましくはFCC触媒を2〜33質量%及び珪砂は67〜98質量%を併用することが、流動性の保持及び平滑な硬化体表面が得られ易いという理由により好ましい。
細骨材は、FCC(Fluid Catalytic Cracking)触媒を含むことにより、高い流動性を保持したまま、ブリージング(水浮き)の発生や珪砂の沈降を抑制し、硬化体の表面状態を向上させる効果に優れている。
質量部は、重量部を、質量%は重量%を意味することが好ましい。
【0015】
FCC触媒は、市販のFCC触媒、使用済みのFCC廃触媒などを用いることが出来、特にFCC廃触媒を用いることにより、コスト低減効果に優れる。
FCCとは、触媒と原料油が流動床雰囲気で接触分解する過程の総称であり、FCC触媒は、低品位の重質原料油からガソリンやLCOを分留する過程で、分子量の大きな残油の分解やV、Niなどのメタルトラップ剤として使用されるものである。FCC触媒の成分は、ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、及びカオリン等の粘土であるが、機能の違いにより種々のグレードが存在する。
FCC触媒の一例として、平均粒径は好ましくは20〜90μm、特に好ましくは60〜70μmが好ましく、細孔径は2〜50nmが好ましく、触媒として使用前の比表面積は好ましくは100m/g以上、さらに好ましくは100〜300m/g、特に好ましくは180〜250m/gが好ましく、FCC廃触媒の比表面積は好ましくは50m/g以上、さらに好ましくは50〜250m/g、特に好ましくは80〜200m/gが好ましい。FCC触媒は、微細な粒子径と細孔構造を有しているために、保水性が向上し、流動性及び流動保持性が向上し、材料の分離抵抗性が向上するものと推定される。
(平均粒径の測定は、篩い分け法により行い、比表面積の測定は、BET吸着法により行い、細孔径の測定は、水銀圧入式ポロシメータにより行う。)
また自己流動性水硬性成分において、FCC触媒の添加量を増加させることにより、硬化体表面の平滑性は向上する、さらに過剰に添加すると流動性の低下を招く場合があり、最適な添加範囲で使用することが好ましい。
細骨材に含まれるFCC触媒は、水硬性成分100質量部に対し、好ましくはFCC触媒を0〜38質量部(ただし0質量を除く)、さらに好ましくは1〜35質量部、特に好ましくは2〜33質量部を用いることにより、流動性の保持及び平滑な硬化体表面が得られ易いという理由により好ましい。
【0016】
セルフレベリング材が具備すべき最も基本的な要件は高い流動性である。流動性の高いスラリーを得るには、減水剤を添加することが好ましい。特に、本発明においてFCC触媒は、高い吸水性を有するために、適切な減水剤を添加することが好ましい。また、減水剤の添加量を増加させると、骨材分離を生じ易くなる場合があり、増粘剤と併用することが好ましい。
減水剤は、ナフタレン系、メラミン系、ポリカルボン酸系などを用いることが出来、併用する増粘剤との最適な組合わせとなるのは、ポリカルボン酸系が好ましい。
減水剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.01〜0.20質量部、さらに0.02〜0.18質量部、特に0.05〜0.15質量部が好ましい。
【0017】
増粘剤は、セルロース系、蛋白質系、ラテックス系、および水溶性ポリマー系などを用いることが出来、特にセルロース系などを用いることが出来る。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.05〜0.5質量部、さらに0.05〜0.3質量部、特に0.05〜0.2質量部含むことが好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、流動性の低下を招く恐れがあり好ましくない。
増粘剤及び消泡剤を併用して用いることは、骨材分離の抑制、気泡発生の抑制、硬化体表面の改善に好ましい効果を与え、セルフレベリング材としての特性を向上させるために好ましい。
【0018】
消泡剤は、シリコン系、アルコール系、ポリエーテルなどの合成物質又は植物由来の天然物質など、公知のものを用いることが出来る。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して、2質量部以下、さらに1質量部以下、特に0.2質量部以下が好ましい。消泡剤の添加量は、上記より多く添加する場合、消泡効果の向上がみとめられない場合がある。
【0019】
凝結調整剤は、凝結促進を行う成分である凝結促進剤、凝結遅延を行う成分である凝結遅延剤などを用いることが出来る。
【0020】
凝結促進剤としては、公知の凝結促進剤を用いることが出来る。凝結促進剤の一例として、炭酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム、酢酸リチウム、酒石酸リチウム、リンゴ酸リチウム、クエン酸リチウムなどの有機酸などの、無機リチウム塩や有機リチウム塩などのリチウム塩を用いることが出来る。特に炭酸リチウムは、効果、入手容易性、価格の面から好ましい。
凝結促進剤としては、特性を妨げない粒径を用いることが好ましく、粒径は50μm以下にするのが好ましい。
特にリチウム塩を用いる場合、リチウム塩の粒径は50μm以下、さらに30μm以下、特に10μm以下が好ましく、粒径が上記範囲より大きくなるとリチウム塩の溶解度が小さくなるために好ましくなく、特に顔料添加系では微細な多数の斑点として目立ち、美観を損なう場合がある。
【0021】
凝結遅延剤としては、公知の凝結遅延剤を用いることが出来る。凝結遅延剤の一例として、硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムなど有機酸などの、無機ナトリウム塩や有機ナトリウム塩などのナトリウム塩を用いることが出来る。特に重炭酸ナトリウムや酒石酸ナトリウムは、効果、入手容易性、価格の面から好ましい。
【0022】
凝結調整剤は、用いる自己流動性水硬性成分や水硬性成分組成に応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができ、凝結促進剤及び凝結遅延剤の成分、添加量及び混合比率を適宜選択して、自己流動性水硬性成分に添加することにより、自己流動性水硬性組成物の可使時間を調整することができ、セルフレベリング材としての使用が非常に容易になるため好ましい。
凝結調整剤は、自己流動性水硬性組成物をセルフレベリング材として用いる場合、リチウム塩とナトリウム塩の合量が、水硬性成分100質量部に対して0.05〜5質量部、さらに0.1〜2質量部、特に0.30〜0.50質量部の範囲で添加することが好ましい。
凝結調整剤は、自己流動性水硬性組成物をセルフレベリング材として用いる場合、リチウム塩に対するナトリウム塩のモル比が、1〜50の範囲にするのが好ましく、モル比が1より小さいと、凝結が早すぎ、自己流動性が低下するため、可使時間が短くなりすぎて施工に支障を来たす場合があり好ましくなく、また、50より大きいと、速硬性が低下し、早期開放が困難になる場合があり好ましくない。
【0023】
本発明の自己流動性水硬性組成物は、セルフレベリング性のSL値(L30)が、好ましくは250〜600mm、さらに好ましくは300〜550mm、特に好ましくは350〜500mmの流動性を有する。600mm以上流れるスラリーは、水浮きや骨材分離を生じ、硬化体表面に華白や凹凸が発生し易くなるため好ましくない。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、セルフレベリング性のSL値(L60)が、好ましくは150〜600mm、さらに好ましくは180〜550mm、特に好ましくは300〜500mmの流動性を有する。600mm以上流れるスラリーは、水浮きや骨材分離を生じ、硬化体表面に華白や凹凸が発生し易くなるため好ましくない。
【0024】
本発明の自己流動性水硬性組成物のフロー値は、好ましくは190mm以上、さらに好ましくは200mm以上、特に好ましくは210mm以上であることが、施工の容易さ及び平滑性の高い硬化体表面を得られやすいという理由により好ましい。
【0025】
本発明の自己流動性水硬性組成物は、さらに特性を損なわない範囲で水を加えることにより、流動性及び流動保持性を有する床下地調整などのセルフレベリング材として用いることができ、1〜40℃、特に5〜35℃の温度範囲で使用することができる。
本発明の自己流動性水硬性組成物を床下地調整などのセルフレベリング材として用いる場合、水は水硬性成分100質量部に対し、28〜60質量部、さらに38〜58質量部、特に48〜56質量部加えて用いることが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物を床下地調整などのセルフレベリング材として用いる場合、水は自己流動性水硬性組成物100質量部に対し、14〜30質量部、さらに19〜29質量部、特に24〜28質量部加えて用いることが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分、細骨材、減水剤及び増粘剤、凝結調整剤及び消泡剤とを含み、細骨材がFCC触媒を含むことを特徴とする自己流動性水硬性組成物において、さらに水の添加量を調整することにより、流動性及び流動保持性の優れた床下地調整材を得ることが出来る。
本発明は、自己流動性水硬性組成物の成分として、細骨材としてFCC触媒を含むことにより、流動性が向上し、得られる硬化体は骨材分離がなく、表面の白華及び凹凸がないものが得られる。
【0026】
特に本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分100質量部に対し、細骨材が60〜200質量部、減水剤が0.01〜5質量部及び増粘剤0.01〜0.5質量部を含み、さらに必要に応じて凝結調整剤0.05〜5質量部及び消泡剤2質量部以下を含むことが好ましく、
水硬性成分としては、アルミナセメント100質量部に対し、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部、高炉スラグ50〜350質量部の範囲が好ましく、
細骨材は、水硬性成分100質量部に対し、FCC触媒を38質量部以下含むことにより、セルフレベリング性のSL値(L30)が300〜600mm利用できる自己流動性水硬性組成物が得られる。
【0027】
本発明の自己流動性水硬性組成物は、公知の方法でセルフレベリング材として施工することが出来る。例えば施工の一例として、特開2001−040862号公報などに開示されている。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
【0029】
1.ブレーン比表面積の評価法:JIS・R−5201に規定されているブレーン空気透過装置を使用して測定する。
【0030】
[実施例1〜7及び比較例1〜3]
(1)使用材料:以下の材料を使用した。
・アルミナセメント:ブレーン比表面積3,600cm/g、モノカルシウムアルミネート含有量45重量%。
・ポルトランドセメント:早強セメント、ブレーン比表面積4,500cm/g。
・石膏:II型無水石膏、ブレーン比表面積3,300cm/g。
・高炉スラグ:ブレーン比表面積4,400cm/g。
・FCC触媒:使用済みのFCC廃触媒を用い、比表面積100m/g(市販品)。
・珪砂:4号珪砂(市販品)。
・リチウム塩:炭酸リチウム(市販品)。
・ナトリウム塩:重炭酸ナトリウムと酒石酸ナトリウム(何れも市販品)。
・減水剤:ポリカルボン酸系減水剤(市販品)。
・増粘剤:メチルセルロース系増粘剤(市販品)。
・消泡剤:ポリエーテル系消泡剤(市販品)。
【0031】
(2)水硬性組成物、スラリーの調製:
表2に示す配合の水硬性成分、細骨材、減水剤、増粘剤、凝結調整剤及び消泡剤(総量:1.5kg)を、ケミスタラーを用いて混練し水硬性組成物を調整し、さらに所定量の水を加えて3分間混練して、スラリーを得る。水硬性組成物及びスラリーの調整は、表1に示す温度で行う。水硬性成分は、表1に示す組成を用いる。
【0032】
(3)スラリーの評価:
評価は、表1に示す温度で行う。
・フロー値: JASS 15M−103に準拠して測定する。厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ51mmの塩化ビニル製パイプ(内容積100ml)を置き練り混ぜたコンクリート組成物を充填した後、パイプを引き上げる。広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とする。
【0033】
・セルフレベリング性: 図1に示すSL測定器を使用し、幅30mm×高さ30mm×長さ750mmのレールに、先端より長さ150mmのところに堰板を設け、混練直後のスラリーを所定量満たして成形する。成形直後に堰板を引き上げて、スラリーの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からスラリー流れの最短部までの距離を測定し、その値(SL値)をL0とする。
同様に成形後30分後に堰板を引き上げて、スラリーの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からスラリー流れの最短部までの距離を測定し、その値(SL値)をL30とする。さらに成形後60分後に堰板を引き上げて、スラリーの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からスラリー流れの最短部までの距離を測定し、その値(SL値)をL60とする。
【0034】
・面状態(水浮き、骨材分離、白華の有無、凹凸、気泡痕):
骨材分離は、(3)のセルフレベリング性において、スラリーの流れ停止後にスラリーの途中で骨材が停止していないかどうかを触診で観察する。
水浮きは、堰板引き上げ後のブリージング水がスラリー自体よりも早く流れて水分だけが長く流れていないかどうか、また、白華の有無、凹凸、及び気泡痕は、上記(2)で得られるスラリーを、30cm×30cmのコンクリート板へ厚さ10mmで流し込み、硬化終了後、目視で観察した。評価は以下の通りとした。
○:無し、×:有り。
【0035】
【表1】
Figure 0004352751
【0036】
【表2】
Figure 0004352751
【0037】
【表3】
Figure 0004352751
【0038】
【発明の効果】
本発明の自己流動性水硬性組成物は、細骨材としてFCC触媒を含むことにより、低温から高温までの広い温度範囲において、セルフレベリング材として要求される流動性及び流動保持性が向上し、硬化時に骨材分離がなく、硬化体表面の平滑性や白華性に優れた特性を有する組成物であり、従来にない美観に優れたセルフレベリング材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SL測定器を用いて、セルフレベリング性評価の概略示す図である。

Claims (7)

  1. 水硬性成分、細骨材、減水剤及び増粘剤とを含み、細骨材がFCC触媒を含むことを特徴とする優れた硬化体表面状態が得られる自己流動性水硬性組成物。
  2. 自己流動性水硬性組成物は、さらに凝結調整剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の優れた硬化体表面状態が得られる自己流動性水硬性組成物。
  3. FCC触媒が、水硬性成分100質量部に対して、38質量部以下含むことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の優れた硬化体表面状態が得られる自己流動性水硬性組成物。
  4. 水硬性成分が、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏及び高炉スラグを含み、アルミナセメント100質量部、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部の組成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の優れた硬化体表面状態が得られる自己流動性水硬性組成物。
  5. 細骨材が、水硬性成分100質量部に対して、60〜200質量部含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の優れた硬化体表面状態が得られる自己流動性水硬性組成物。
  6. 水硬性成分100質量部に対して、減水剤0.01〜0.2質量部及び増粘剤0.05〜0.5質量部含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の優れた硬化体表面状態が得られる自己流動性水硬性組成物。
  7. セルフレベリング性のSL値(L30)が、300〜600mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の優れた硬化体表面状態が得られる自己流動性水硬性組成物。
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