JP5464002B2 - 自己流動性水硬性組成物及びこれを用いたモルタル - Google Patents

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Description

本発明は、主に一般建築物の床下地及び床仕上げ材等に使用することができる自己流動性水硬性組成物及びこれを用いたモルタルに関する。
セルフレベリング性の自己流動性水硬性組成物として、特許文献1にアルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏、高炉スラグからなる水硬性成分と、リチウム塩とホウ酸化合物よりなる凝結調整剤と、減水剤と、増粘剤とからなる組成物が開示されている。また、特許文献2には、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏、高炉スラグからなる水硬性成分と、減水剤と、増粘剤とからなる組成物が開示されている。また、特許文献3には、水硬性成分、細骨材、流動化剤及び増粘剤を含む自己流動性水硬性組成物であり、水硬性成分は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなり、増粘剤は、ヒドロキシエチルメチルセルロースを含むことを特徴とする自己流動性水硬性組成物が開示されている。
特開2000−211961号公報 特開2000−302519号公報 特開2007−76960号公報
本発明は、流動性を損なうことなく、水平レベル及び表面の平坦性に優れる硬化物を得るための、セルフレベリング性の水硬性組成物及びこれを用いたモルタルを提供することを目的とする。
本発明は、水硬性成分及び増粘剤を含む自己流動性水硬性組成物であり、水硬性成分が、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏を含み、増粘剤が、セルロース系増粘剤及びベントナイトを含む、自己流動性水硬性組成物である。本発明の自己流動性水硬性組成物を用いるならば、流動性を損なうことなく、水平レベル及び表面の平坦性に優れる硬化物を得ることができる。
本発明の自己流動性水硬性組成物の好ましい態様を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)水硬性成分100質量%中、アルミナセメント20〜80質量%、ポルトランドセメント5〜70質量%及び石膏5〜45質量%の組成であり、増粘剤が、水硬性成分100質量部に対して、セルロース系増粘剤0.2〜2質量部、ベントナイト0.01〜1.0質量部である。このような組成の自己流動性水硬性組成物を用いるならば、水平レベル及び表面の平坦性に優れる硬化物を得ることをより確実にできる。
(2)本発明の自己流動性水硬性組成物が、さらに無機成分を含み、水硬性成分100質量部に対し、無機成分を10〜350質量部の範囲で含む。適切な量の無機成分を含むことにより、得られる硬化物の収縮が大きくなりすぎず、硬化物の強度低下を防止することができる。
(3)本発明の自己流動性水硬性組成物が、さらに凝結調整剤及び消泡剤のうちの少なくとも1種を含む。この結果、施工性を向上することができる。
(4)本発明の自己流動性水硬性組成物が、さらに細骨材を含み、水硬性成分100質量部に対し、細骨材を30〜500質量部の範囲で含む。この結果、得られる硬化物は適切な強度を有することができる。
また、本発明は、自己流動性水硬性組成物と水とを混練して得られるモルタルである。本発明のモルタルを用いるならば、水平レベル及び表面の平坦性に優れる硬化物を得ることができる。
本発明の自己流動性水硬性組成物を用いるならば、流動性を損なうことなく、水平レベル及び表面の平坦性に優れる硬化物を得ることができる。
SL測定器を用いた、スラリーのセルフレベリング性評価の概略を示す模式図である。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分及び増粘剤を含む自己流動性水硬性組成物であって、増粘剤として、セルロース系増粘剤及びベントナイトを含むことに特徴がある。
本発明の自己流動性水硬性組成物を用いるならば、水平レベル及び表面の平坦性に優れる硬化物を得ることができる。「表面の平坦性」とは、自己流動性水硬性組成物のスラリー又はモルタルを施工後の、表面の凹凸の状態を意味する。「表面の平坦性に優れる」とは、表面の凹凸が、指で触れてもほとんど気がつかない程度に小さい状態である。
以下、本発明の自己流動性水硬性組成物について説明する。
水硬性成分としては、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏などが挙げられるが、これに限定されるものではない。水硬性成分としては、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏のみの組合せが好適に用いられる。水硬性成分は、合計質量を100質量%とした場合に、アルミナセメント20〜80質量%、ポルトランドセメント5〜70質量%及び石膏5〜45質量%から成る組成、より好ましくはアルミナセメント25〜70質量%、ポルトランドセメント20〜60質量%及び石膏10〜40質量%から成る組成、さらに好ましくはアルミナセメント25〜60質量%、ポルトランドセメント25〜55質量%及び石膏15〜35質量%から成る組成、特に好ましくはアルミナセメント25〜45質量%、ポルトランドセメント30〜50質量%及び石膏20〜30質量%から成る組成を用いることにより、速硬性で、低収縮性又は低膨張性で硬化中の体積変化の少ない硬化物を得られやすいために好ましい。
水硬性成分として用いられるアルミナセメントとしては、鉱物組成の異なるものが数種知られ市販されているが、いずれも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であり、市販品はその種類によらず使用することができる。
水硬性成分として用いられるポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントなどのポルトランドセメント並びに高炉セメント、フライアッシュセメント及びシリカセメントなどの混合セメントなどから選択して用いることができる。
水硬性成分として用いられる石膏としては、無水及び半水等の各石膏をその種を問わず1種又は2種以上の混合物として使用することができる。また、石膏は、フッ酸製造工程等で副産される石膏、又は天然に産出される石膏のいずれも使用することができる。石膏は、自己流動性水硬性組成物と水とを混練して得られるモルタルが硬化した後の寸法安定性を保持する成分として機能するものである。
本発明の自己流動性水硬性組成物では、水硬性成分として、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分を用いることが、優れた自己流動性を有し、適正な可使時間と、優れた速硬性とを有する自己流動性水硬性組成物が得られることから好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、細骨材を含むことができる。細骨材は、水硬性成分100質量部に対し、好ましくは30〜500質量部、より好ましくは50〜400質量部、さらに好ましくは100〜300質量部、特に好ましくは150〜250質量部の範囲が好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物に含まれる細骨材としては、粒径2mm以下の細骨材、好ましくは粒径0.0075〜1.5mmの細骨材、さらに好ましくは粒径0.1〜1mmの細骨材、特に好ましくは0.15〜0.85mmの細骨材を主成分とすることが好ましい。細骨材の粒径は、JIS・Z−8801で規定される呼び寸法の異なる数個のふるいを用いて測定する。
細骨材の種類は、珪砂、川砂、海砂、山砂及び砕砂などの砂類、アルミナクリンカー、シリカ粉、粘土鉱物、廃FCC触媒及び石灰石などの無機材料、ウレタン砕、EVAフォーム及び発泡樹脂などの樹脂粉砕物などから適宜選択して用いることができる。特に細骨材としては、珪砂、川砂、海砂、山砂、砕砂などの砂類、廃FCC触媒、石英粉末及びアルミナクリンカーなどから選択したものを好ましく用いることができる。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、材料分離を抑制しつつ適度の流動性を確保するために、流動化剤(高性能減水剤などの減水剤)を含む。水硬性成分であるアルミナセメントの発現強度は、水/水硬性成分比の影響を大きく受けることから、減水効果を有する流動化剤を使用して水/水硬性成分比を小さくすることが必要である。
流動化剤としては、減水効果を合わせ持つ、メラミンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、カゼイン、カゼインカルシウム、ポリカルボン酸系、ポリエーテル系及びポリエーテルポリカルボン酸系などの市販の流動化剤が、その種類を問わず使用でき、特にポリエーテル系及びポリエーテルポリカルボン酸などの市販の流動化剤を用いることが好ましい。
流動化剤は、用いる水硬性成分に応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができる。本発明の自己流動性水硬性組成物に対する流動化剤の添加量は、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜2.0質量部、より好ましくは0.02〜1.0質量部、さらに好ましくは0.05〜0.3質量部である。流動化剤の添加量が少なすぎると十分な効果が発現しない。また、流動化剤の添加量が多すぎても添加量に見合った効果は期待できず単に不経済であるだけでなく、場合によっては所要の流動性を得るための混練水量が増大し、同時に粘稠性も大きくなり、充填性が悪化することが考えられる。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、増粘剤として、セルロース系増粘剤及びベントナイトを含む。セルロース系増粘剤は、その種類を問わず用いることができるが、特にヒドロキシエチルメチルセルロースを用いることが好ましい。増粘剤として、セルロース系増粘剤を用いることにより、水硬性成分や細骨材などの分離抑制、気泡発生の抑制、硬化体表面の改善に好ましい効果を与え、水硬性組成物の硬化物の特性を向上させるために好ましい。また、セルロース系増粘剤以外の増粘剤として、蛋白質系、スターチエーテル等の加工でん粉系、ラテックス系及び水溶性ポリマー系などから選択した増粘剤を併用して用いることができる。
増粘剤として用いるベントナイトは、粘土鉱物であるモンモリロナイトを主成分、石英、α-クリストバライト及びオパール等の珪酸鉱物を副成分とし、その他の成分として、長石、マイカ及びゼオライト等の珪酸塩鉱物、カルサイト、ドロマイト及びジプサム等の炭酸塩鉱物及び硫酸塩鉱物並びにパイライトなどの硫化鉱物等を含む、弱アルカリ性粘土岩である。本発明の自己流動性水硬性組成物がセルロース系増粘剤とベントナイトとを併用することにより、表面の平坦性に優れる硬化物を得ることができる。
増粘剤として用いられるセルロース系増粘剤は、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.2〜2質量部、さらに好ましくは、0.25〜1質量部、特に好ましくは0.3〜0.5質量部含むことが好ましい。ベントナイトは、水硬性組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜1.0質量部、さらに好ましくは0.03〜0.7質量部、特に好ましくは0.04〜0.5質量部含むことが好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、流動性の低下を招く恐れがあるために好ましい範囲で用いることが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、必要に応じてさらに無機成分を含むことができる。無機成分としては、高炉スラグ、フライアッシュ及び/又はシリカなどが挙げられる。本発明の自己流動性水硬性組成物は、特に高炉スラグを含むことにより、乾燥収縮による硬化体の耐クラック性を高めることができる。高炉スラグは、JIS・A−6206:1997に規定されるブレーン比表面積3000cm/g以上のものを用いることができる。本発明の自己流動性水硬性組成物において、無機成分の添加量は、水硬性成分100質量部に対し、好ましくは10〜350質量部、より好ましくは30〜200質量部、さらに好ましくは50〜150質量部、特に好ましくは70〜130質量部とすることが好ましい。添加量が少なすぎると収縮が大きくなり、多すぎると強度低下を招くことがある。
本発明の自己流動性水硬性組成物に用いる水硬性成分や水硬性組成物に応じて、特性を損なわない範囲で凝結調整剤(凝結促進剤及び凝結遅延剤)を適宜添加することができる。凝結促進剤及び凝結遅延剤の成分、添加量及び混合比率を適宜選択することにより、水硬性組成物の可使時間を調整することができ、セルフレベリング材としての使用が非常に容易になる。凝結調整剤、すなわち凝結促進剤及び凝結遅延剤の合計量は、水硬性成分100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜2質量部、より好ましくは0.30〜1.5質量部の範囲で添加することが好ましい。
凝結促進剤としては、公知の凝結を促進する成分を用いることができる。例えば、凝結促進剤として、凝結促進の性質を有するリチウム塩を用いることができる。
本発明の自己流動性水硬性組成物に添加することができるリチウム塩の一例として、炭酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム及び水酸化リチウムなどの無機リチウム塩、並びにシュウ酸リチウム、酢酸リチウム、酒石酸リチウム、リンゴ酸リチウム及びクエン酸リチウムなどの有機酸有機リチウム塩などを挙げることができる。これらのリチウム塩を単独で又は2種以上のリチウム塩を併用して用いることができる。特に炭酸リチウムは、凝結促進効果、入手容易性及び価格の面から好ましい。
凝結遅延剤としては、公知の凝結遅延剤を用いることができる。本発明の自己流動性水硬性組成物に添加することができる凝結遅延剤の一例として、酒石酸類、リンゴ酸類、クエン酸類及びグルコン酸類などのオキシカルボン酸類を代表とする有機酸、並びに硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウムなどの無機ナトリウム塩類などを挙げることができる。これらの凝結遅延剤を単独で又は2種以上の成分を併用して用いることができる。
オキシカルボン酸類は、オキシカルボン酸及びこれらの塩を含む。本発明の自己流動性水硬性組成物に添加することができるオキシカルボン酸としては、例えばクエン酸、グルコン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸などの脂肪族オキシ酸、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸及びトロパ酸等の芳香族オキシ酸等を挙げることができる。
オキシカルボン酸の塩としては、例えばオキシカルボン酸のアルカリ金属塩(具体的にはナトリウム塩及びカリウム塩など)及びアルカリ土類金属塩(具体的にはカルシウム塩、バリウム塩及びマグネシウム塩など)などを挙げることができ、ナトリウム塩を用いることが好ましい。また、特に、重炭酸ナトリウム及び酒石酸ナトリウムが、凝結遅延効果、入手容易性、価格の面から好ましく、これらを併用することが、さらに好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、必要に応じて消泡剤を、本発明の自己流動性水硬性組成物の特性を損なわない範囲で添加することができる。
本発明の自己流動性水硬性組成物に含まれる消泡剤は、シリコン系、アルコール系及び/又はポリエーテル系などの合成物質及び/又は植物由来の天然物質など、公知のものを用いることができる。
本発明の自己流動性水硬性組成物に対する消泡剤の添加は、本発明の特性を損なわない範囲で行うことができる。本発明の自己流動性水硬性組成物に対する消泡剤の添加量は、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜2質量部、より好ましくは0.005〜1.5質量部、さらに好ましくは0.01〜1質量部、特に好ましくは0.02〜0.5質量部含むことが好ましい。消泡剤の添加量が上記範囲内であることにより、消泡剤による消泡効果を認めることができる。
増粘剤及び消泡剤を併用して用いることは、水硬性成分や細骨材などの骨材分離の抑制、気泡発生の抑制及び硬化体表面の改善に好ましい効果を与え、水硬性組成物の硬化物の特性を向上させるために好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、必要に応じてリチウム塩、酒石酸塩及び重炭酸塩を除く他の凝結調整剤及び消泡剤などを、本発明の自己流動性水硬性組成物の特性を損なわない範囲で添加することができる。
自己流動性水硬性組成物を構成する好適な成分は、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分、硅砂などの細骨材、流動化剤、セルロース系増粘剤及びベントナイトを含む増粘剤、消泡剤及び凝結調整剤を含むものである。
水硬性成分、細骨材、流動化剤及び増粘剤並びに必要に応じて配合する無機成分、凝結調整剤、消泡剤などを混合機で混合し、モルタルを製造するための自己流動性水硬性組成物のプレミックス粉体を得ることができる。自己流動性水硬性組成物のプレミックス粉体は、所定量の水と混合、攪拌して、スラリー状のセルフレベリング性を有するモルタルを製造することができ、その後モルタルを硬化させて自己流動性水硬性組成物の硬化物を得ることができる。
自己流動性水硬性組成物と、水とを混練してモルタルを製造することができる。自己流動性水硬性組成物に対する水の添加量を調整することにより、流動性、可使時間、材料分離及び硬化体の強度などを調整することができる。水の添加量は、自己流動性水硬性組成物100質量部に対し、好ましくは10〜40質量部、より好ましくは14〜34質量部、さらに好ましくは18〜30質量部、特に好ましくは22〜28質量部加えて用いることが好ましい。
自己流動性水硬性組成物は、公知の方法でセルフレベリング材として施工することができる。例えば施工の一例として、特開2001−040862号公報などに開示されている。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、水と混合した後のフロー値が、好ましくは190〜260mm、より好ましくは200〜240mm、さらに好ましくは210〜230mmに調整されていることが好ましい。フロー値がこの範囲にある場合には、施工が容易であり、平滑性の高い硬化体表面を得られやすいためである。
本発明の自己流動性水硬性組成物をセルフレベリング材として用いる場合は、水平レベル及び表面の平坦性に優れる硬化物を得ることができるので、床下地や、工場、倉庫、駐車場、ガソリンスタンド、厨房及びマンション等における床仕上げ材に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
(1)モルタルの評価:評価に用いるモルタルは、自己流動性水硬性組成物と水とを混練し、混練直後のモルタルを用いた。モルタルのセルフレベリング性を、フロー値及びSL値を測定することにより評価した。
・フロー値
フロー値は、JASS・15M−103に準拠して測定する。厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ51mmの塩化ビニル製パイプ(内容積100ml)を置き、練り混ぜたモルタルを充填した後、パイプを引き上げる。広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とする。
・SL値
SL値の測定は、次のように行う。図1に示すSL測定器を使用し、幅30mm×高さ30mm×長さ750mmのレールに、先端より長さ150mmのところに堰板を設け、混練直後のモルタルを所定量満たして成形する。成形直後に堰板を引き上げて、モルタルの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からモルタル流れの最短部までの距離を測定し、その値(SL値)をL0とし、堰板より200mm流れる時間を測定し、その測定時間をSL流動時間(L0)(秒/200mm)とする。
同様に成形後20分後に堰板を引き上げて、モルタルの流れの停止後に、標点(堰板の設置部)からモルタル流れの最短部までの距離を測定し、その値(SL値)をL20とする。また、堰板より200mm流れる時間を測定し、その測定時間をSL流動時間(L20)(秒/200mm)とする。
セルフレベリング性の評価条件は、温度30℃、湿度65%の環境下で行う。
(2)水引き時間
調製したモルタルを、13cm×19cmの樹脂製の型枠へ厚さ15mmで流し込んだ後、凝結開始に伴いモルタル表面水が消失(光の反射が失われ曇った状態)した時間を水引き時間とした。
(3)硬化体表面のショア硬度
モルタル打設後からの所定の経過時間の後に、硬化した表面の硬度をスプリング式硬度計タイプD型((株)上島製作所製)を用いて、任意の4カ所の表面硬度を測定し、そのスプリング式硬度計タイプD型のゲージの読み取り値の平均値をその時間の表面硬度とした。本発明の実施例及び比較例の場合は、1時間後のショア硬度を測定した。
(4)表面平坦性の評価:
表面平坦性は、得られるモルタルを、13cm×19cmの樹脂製の型枠へ厚さ15mmで流し込み、硬化終了後、目視又は指で触れて評価した。評価は以下の通り、表面の凹凸の存在が、目視で分かる場合を1、目視では十分に分からないが指で触れてはっきり分かる場合を2、指で触れて分かる場合を3、指で触れてわずかに分かる場合を4、指で触れても分からない場合を5とし、5段階評価で行った。なお、評価条件は、温度30℃、湿度65%の環境下で行う。
原料は以下のものを使用した。
1)水硬性成分
・アルミナセメント(フォンジュ、ラファージュアルミネート社製、ブレーン比表面積3100cm/g)。
・ポルトランドセメント(早強セメント、宇部三菱セメント社製、ブレーン比表面積4500cm/g)。
・石膏:II型無水石膏(セントラル硝子社製、ブレーン比表面積3460cm/g)。
2)細骨材
・珪砂A:6号珪砂。
・珪砂B:7号珪砂。
3)無機成分
・高炉スラグ(リバーメント、千葉リバーメント社製、ブレーン比表面積4400cm/g)。
4)凝結調整剤
・重炭酸Na:重炭酸ナトリウム(東ソー社製)。
・酒石酸Na:L−酒石酸ナトリウム(扶桑化学工業社製)。
・炭酸Li:(本荘ケミカル社製)。
・硫酸Al:(大明化学工業)。
5)流動化剤
・流動化剤:ポリカルボン酸系流動化剤(花王社製)。
6)増粘剤
・増粘剤A:ヒドロキシエチルメチルセルロース(マーポローズMX−30000、松本油脂社製)。
・増粘剤B:ベントナイト(OPTIBENT MF、BASF社製)。
7)消泡剤
・消泡剤:ポリエーテル系消泡剤(サンノプコ社製)。
(実施例1から5)
(セルフレベリング材の調整)
表1に示す水硬性成分、細骨材、無機成分、流動化剤、凝結調整剤及び消泡剤に、表2に示す増粘剤を加えたもの(総量:1.5kg)を、ケミスタラーを用いて混練して水硬性組成物を調整し、さらに水390gを加えて3分間混練して、モルタルを得た。水硬性組成物及びモルタルの調整は、温度30℃、湿度65%の雰囲気下で行った。
得られたモルタルを用いて、SL特性及び表面平坦性試験を行った。結果を表3に示す。表3から明らかなように、表面平坦性の評価は3以上であり、かつ、フロー、SL値(L0)の目標値も従来品と同等か又はそれ以上であり流動性については満足のいくものであった。
(比較例1から3)
表2に示すように、増粘剤Aのみを使用(比較例1)、増粘剤Bのみを使用(比較例2及び3)した以外は、前記実施例1から5と同様な方法で水硬性組成物を調整し、さらにモルタルを得た。得られたモルタルを用いて、SL特性及び表面平坦性試験を行った。結果を表3に示す。表3から、増粘剤Aのみ(比較例1)、増粘剤Bのみ(比較例2)における表面平坦性の評価は1にとどまった。また、増粘剤Bのみを増量した比較例3においては、表面平坦性はおおむね良好であったものの、フロー、SL値(L0)の目標値も従来品を大幅に下回り、流動性については満足のいくものではなかった。
Figure 0005464002
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Claims (5)

  1. 水硬性成分及び増粘剤を含む自己流動性水硬性組成物であり、
    水硬性成分が、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏を含み、
    増粘剤が、セルロース系増粘剤及びベントナイトを含
    水硬性成分100質量%中、アルミナセメント20〜80質量%、ポルトランドセメント5〜70質量%及び石膏5〜45質量%の組成であり、
    増粘剤が、水硬性成分100質量部に対して、セルロース系増粘剤0.2〜2質量部、ベントナイト0.01〜1.0質量部である、自己流動性水硬性組成物。
  2. 自己流動性水硬性組成物が、さらに無機成分を含み、水硬性成分100質量部に対し、無機成分を10〜350質量部の範囲で含む、請求項1記載の自己流動性水硬性組成物。
  3. 自己流動性水硬性組成物が、さらに凝結調整剤及び消泡剤のうちの少なくとも1種を含む、請求項1又は2記載の自己流動性水硬性組成物。
  4. 自己流動性水硬性組成物は、さらに細骨材を含み、水硬性成分100質量部に対し、細骨材を30〜500質量部の範囲で含む、請求項1〜のいずれか1項記載の自己流動性水硬性組成物。
  5. 請求項1〜に記載の自己流動性水硬性組成物と水とを混練して得られるモルタル。
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