JP5782776B2 - セルフレベリング材 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート床構造体等の構造物の施工に用いられるセルフレベリング材に関する。特に、低温下でも高い表面硬度と良好な硬化表面仕上りが得られるセメント系のセルフレベリング材に関する。
セルフレベリング材には、高い流動性や流動保持性(可使時間)、速硬性等が要求される。また、表面精度を確保するため、良好な硬化表面仕上りが要求される。
セルフレベリング材は、大別すると石膏系とセメント系があり、特に後者では環境温度による物性の変化が問題となる。そこで、広い温度範囲において、作業性(高流動性、長可使時間)及び硬化特性(平滑性、寸法安定性、表面性状、強度発現性)に優れ、かつ、超速硬性を具備した組成物として、特許文献1には、アルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏及び高炉スラグよりなる水硬性成分と、リチウム塩及びホウ酸化合物よりなる凝結速度調整剤と、減水剤と、増粘剤と、よりなる自己流動性水硬性組成物が開示されている。
また、低温環境下で高い流動性、水平レベル性、表面仕上がり性及び硬化特性に優れ、ひび割れが発生しない組成物として、特許文献2には、アルミナセメント、ポルトランドセメント及び石膏からなる水硬性成分と、凝結促進剤と、細骨材とを含有し、凝結促進剤がアルミン酸塩(リチウム塩を除く)及びリチウム塩を含む自己流動性水硬性組成物が開示されている。
特許第3697921号 特開2008−127250号公報
上記セメント系のセルフレベリング材では、水硬性成分として主にアルミナセメントやポルトランドセメントが使用されるが、材料コスト及び強度発現の面で、ポルトランドセメントの多い配合とすることが望まれる。しかしこの場合、硬化後の表面性状は温度の影響を大きく受けやすく、特に低温では、膨張による表面ひび割れが生じ易くなる。
本発明は、ポルトランドセメントを水硬性成分の主成分とするセルフレベリング材において、十分に高い作業性及び硬化特性を有し、特に、低温下でも高い表面硬度及び良好な硬化表面仕上りが得られるセルフレベリング材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、ポルトランドセメントを水硬性成分の主成分とするセルフレベリング材において、水硬性成分の配合、添加剤の種類や添加条件、使用材料の粒度を変え、作業性や硬化特性、硬化表面仕上がりの温度依存性について詳細に検討した結果、これらをある特定の条件とすることにより目的とする組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポルトランドセメント40〜60質量%、アルミナセメント15〜40質量%及び石膏10〜30質量%からなる水硬性成分と、第1の高炉スラグ微粉末及び第2の高炉スラグ微粉末と、細骨材と、流動化剤と、凝結調整剤とを含有するセルフレベリング材であって、第1の高炉スラグ微粉末は、ブレーン比表面積が3000〜6000cm/gであり、かつ、含有量が水硬性成分100質量部に対して35〜160質量部であり、第2の高炉スラグ微粉末は、ブレーン比表面積が10000〜18000cm/gであり、かつ、含有量が水硬性成分100質量部に対して5〜60質量部であるセルフレベリング材を提供する。このようなセルフレベリング材は、十分に高い作業性及び硬化特性を有し、特に、低温下でも高い表面硬度及び良好な硬化表面仕上りを得ることができる。
本発明のセルフレベリング材は、水硬性成分100質量部に対して第1の高炉スラグ微粉末及び第2の高炉スラグ微粉末の合計の含有量が40〜200質量部であり、細骨材の含有量が85〜325質量部であると、本発明の効果をより確実に発現することができる。
本発明によれば、従来のアルミナセメントを水硬性成分の主成分とするセルフレベリング材よりも安価で強度発現性に優れ、十分に高い作業性(高流動性、長可使時間)及び硬化特性(平滑性、寸法安定性)を有し、特に、低温下でも高い表面硬度及び良好な硬化表面仕上りが得られるセルフレベリング材を提供することができる。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明のセルフレベリング材は、ポルトランドセメント40〜60質量%、アルミナセメント15〜40質量%及び石膏10〜30質量%からなる水硬性成分と、粒度の異なる第1の高炉スラグ微粉末及び第2の高炉スラグ微粉末と、細骨材と、流動化剤と、凝結調整剤とを含有する。
水硬性成分に用いられるポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及び耐硫酸塩ポルトランドセメントから選択して用いることができる。また、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の混合セメントをその代替として使用することもできる。速硬性の観点から、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント又は超早強ポルトランドセメントの使用が好ましい。
水硬性成分に用いられるアルミナセメントとしては、鉱物組成の異なるものが数種知られ市販されている。これらの市販品は、いずれも主成分がモノカルシウムアルミネート(CA)であり、市販品はその種類によらず使用することができる。
水硬性成分に用いられる石膏としては、例えば、二水石膏、半水石膏及び無水石膏が挙げられ、排煙脱硫やフッ酸製造工程等で副産される石膏、又は天然に産出される石膏のいずれも使用することができる。作業性(高流動性、長可使時間)の観点から、無水石膏の使用が好ましい。
本発明では、水硬性成分として、ポルトランドセメント、アルミナセメント及び石膏からなる水硬性成分を用いることにより、優れた自己流動性を有し、適正な可使時間と、優れた速硬性とを有するセルフレベリング材を得ることができる。
水硬性成分は、その質量を100質量%とした場合に、ポルトランドセメント、アルミナセメント及び石膏を上記範囲で含む必要がある。これにより、材料コストが安価で、自己流動性、速硬性を有し、硬化中の体積変化が少ない硬化体を得ることが容易となる。
水硬性成分の配合割合は、好ましくはポルトランドセメント42〜58質量%、アルミナセメント20〜36質量%及び石膏14〜30質量%であり、より好ましくはポルトランドセメント45〜55質量%、アルミナセメント23〜33質量%及び石膏17〜27質量%であり、特に好ましくはポルトランドセメント47〜53質量%、アルミナセメント25〜29質量%及び石膏19〜25質量%である。
高炉スラグ微粉末としては、JIS A 6206「コンクリート用高炉スラグ微粉末」で規定される高炉スラグ微粉末を利用することができる。また、高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に従い求められる。
本発明のセルフレベリング材においては、ブレーン比表面積が3000〜6000cm/gである第1の高炉スラグ微粉末の含有量が、水硬性成分100質量部に対して35〜160質量部であり、かつ、ブレーン比表面積が10000〜18000cm/gである第2の高炉スラグ微粉末の含有量が、水硬性成分100質量部に対して5〜60質量部である。これにより、材料コストが安価で、流動性や強度発現に優れた組成物となり、低温下で良好な硬化表面仕上がりを得ることができる。
第1の高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積は、好ましくは3200〜5700cm/gであり、より好ましくは3500〜5200cm/gであり、更に好ましくは4000〜4800cm/gである。また、水硬性成分100質量部に対する含有量は、好ましくは40〜150質量部であり、より好ましくは50〜140質量部であり、更に好ましくは60〜130質量部である。
第2の高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積は、好ましくは11000〜17000cm/gであり、より好ましくは12000〜17000cm/gであり、更に好ましくは14000〜16000cm/gである。また、水硬性成分100質量部に対する含有量は、好ましくは7〜50質量部であり、より好ましくは10〜45質量部であり、更に好ましくは12〜40質量部である。
本発明者らは、本発明に係るセルフレベリング材が低温下でも良好な硬化表面仕上がりを得ることができる点について、上記第1の高炉スラグ微粉末に加え、ブレーン比表面積の大きい第2の高炉スラグ微粉末を所定量配合することにより、液相中のCaイオン濃度を抑制し、ポルトランドセメントとアルミナセメントおよび石膏との反応を温度に関わらず一定に保つ作用がもたらされるためではないかと推測している。第2の高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積が10000cm/g未満であると、上述した液相中のCaイオン濃度の抑制作用が不十分となり、硬化反応の温度依存性が抑制されず、低温下でひび割れを完全に防ぎ難い傾向にある。したがって、ポルトランドセメントを水硬性成分の主成分とするセルフレベリング材において、上記所定のブレーン比表面積を有する第2の高炉スラグ微粉末を配合しないと、反応の温度依存性が大きく現れ、特に低温で膨張性の微細なエトリンガイトが生成し、表面のひび割れを生じさせると推察される。また、第2の高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積は大きいことが好ましいが、費用対効果の関係から18000cm/gを上限として用いる。
本発明に係る細骨材は、珪砂、川砂、陸砂、海砂、砕砂等の砂類、スラグ細骨材、再生細骨材のほか、廃FCC触媒、石英粉末、アルミナクリンカー、ウレタン砕、EVAフォーム及び発砲樹脂等の樹脂粉砕物から適宜選択して用いることができる。特には、珪砂、川砂、陸砂、海砂、砕砂等の砂類、廃FCC触媒、石英粉末及びアルミナクリンカーから選択したものを好適に用いることができる。
細骨材は、100質量%中に600μm以上の粒子径を有する粗粒分を5質量%未満含み、吸水率が1.6%以下であることが流動性の面で好ましい。ここで、細骨材の粒子径は、JIS Z 8801:2006に規定される呼び寸法の異なる数個の篩いを用いて測定することができる。また、「600μm以上の粒子径を有する粗粒分」とは、600μm篩いを用いたときの残分の粒子の質量割合のことをいう。また、細骨材の吸水率は、JISA 1109:2006に規定されている骨材の吸水率(単位:%)の測定方法に準じて測定した値をいう。
優れた自己流動性を得るため、細骨剤中の粗粒分は0〜3質量%が好ましく、0〜0.5質量%がより好ましく、0〜0.2質量%が更に好ましく、0.01〜0.15質量%が特に好ましい。また、細骨剤の吸水率は0〜1.50%が好ましく、0〜1.40%がより好ましく、0〜1.30%が更に好ましく、0.1〜1.28%が特に好ましい。
また、細骨材の粗粒率は1.00〜1.40の範囲であり、細骨材の単位容積質量が1.45〜1.70kg/Lの範囲であり、細骨材の実績率が55.0〜61.0%の範囲であることが望ましい。これにより、より優れた自己流動性を得ることができる。
ここで、「粗粒率」とは、JIS A 1102:2006に規定される骨材の粗粒率をいう。また、「単位容積質量」とは、JIS A 1104:2006に規定される骨材の単位容積質量(単位:kg/L)をいう。また、「実績率」とは、JIS A 1104:2006に規定される骨材の実績率(単位:%)をいう。
細骨材の粗粒率として、好ましくは1.00〜1.40であり、より好ましくは1.10〜1.35であり、更に好ましくは1.11〜1.32であり、特に好ましくは1.12〜1.30である。また、細骨材の単位容積質量として、好ましくは1.45〜1.70kg/Lであり、より好ましくは1.50〜1.60kg/Lであり、更に好ましくは1.51〜1.57kg/Lであり、特に好ましくは1.52〜1.55kg/Lである。また、細骨材の実績率として、好ましくは55.0〜61.0%であり、より好ましくは56.0〜60.0%であり、更に好ましくは56.5〜59.5%であり、特に好ましくは57.0〜59.0%である。
本発明のセルフレベリング材は、水硬性成分100質量部に対して第1の高炉スラグ微粉末及び第2の高炉スラグ微粉末の合計を40〜200質量部含有し、細骨材を85〜325質量部含有することが好ましい。これにより、作業性や硬化特性をより向上できる。
第1の高炉スラグ微粉末及び第2の高炉スラグ微粉末の合計の含有割合は、水硬性成分100質量部に対して40〜180質量部であることがより好ましく、60〜150質量部であることが更に好ましく、70〜130質量部であることが特に好ましい。細骨材の含有割合は、水硬性成分100質量部に対して100〜300質量部であることがより好ましく、150〜275質量部であることが更に好ましく、165〜250質量部であることが特に好ましい。
セルフレベリング材は、通常、材料分離を抑えて高強度の硬化体を得るために、少ない練混ぜ水量で使用される。したがって、本発明のセルフレベリング材は、水/水硬性成分比が小さくとも高い流動性を確保するため、減水効果を有する流動化剤が必須成分である。
流動化剤としては、減水効果を合わせ持つ、メラミンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、カゼイン、カゼインカルシウム、ポリカルボン酸系、ポリエーテル系及びポリエーテルポリカルボン酸系等の市販の流動化剤が、その種類を問わず使用でき、特にポリエーテル系及びポリエーテルポリカルボン酸等の市販の流動化剤を用いることが好ましい。
流動化剤は、使用する水硬性成分に応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができ、水硬性成分100質量部に対して好ましくは0.01〜2.0質量部、より好ましくは0.05〜1.0質量部、更に好ましくは0.07〜0.7質量部、特に好ましくは0.1〜0.5質量部を配合することができる。流動化剤の添加量が少なすぎると好適な効果(優れた流動性と高い硬化体強度)を発現せず、また添加量が多すぎても添加量に見合った効果は期待できず、単に不経済であるだけでなく、場合によっては粘稠性も大きくなり所要の流動性を得るための混練水量が増大して強度性状が悪化する場合がある。
本発明のセルフレベリング材は、可使時間(流動保持性)及び速硬性を調整するため、凝結調整剤を必須成分として含有する。凝結調整剤としては、促進剤と遅延剤があり、使用する水硬性成分の配合に応じてこれらの成分や添加量を適宜選択する。
本発明のセルフレベリング材に含まれる凝結遅延剤としては、公知のものを用いることができ。一例として、オキシカルボン酸類等の有機酸や、グルコース、マルトース、デキストリン等の糖類、重炭酸ナトリウムやリン酸ナトリウム等を、それぞれの成分を単独で又は2種以上の成分を併用して用いることができる。
オキシカルボン酸類は、オキシカルボン酸及びこれらの塩を含む。オキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸等の脂肪族オキシ酸、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸及びトロパ酸等の芳香族オキシ酸を挙げることができる。
オキシカルボン酸の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(具体的にはナトリウム塩及びカリウム塩等)及びアルカリ土類金属塩(具体的にはカルシウム塩、バリウム塩及びマグネシウム塩等)を挙げることができ、ナトリウム塩がより好ましい。また、特に、酒石酸ナトリウムが、凝結遅延効果、入手容易性及び価格の面から好ましく、重炭酸ナトリウムと併用することが更に好ましい。
凝結遅延剤は、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部であり、より好ましくは0.1〜1.5質量部、更に好ましくは0.2〜1.2質量部、特に好ましくは0.2〜1質量部の範囲で用いることにより、好適な流動性が得られる可使時間(ハンドリングタイム)を確保できる。さらに、凝結遅延剤の添加量を、上記好ましい範囲に調整することにより、自己流動性(セルフレベリング性)を有し、好適な流動性が得られる可使時間(ハンドリングタイム)を有するモルタルを得ることができる。
本発明のセルフレベリング材に含まれる凝結促進剤としては、公知の凝結を促進する成分を用いることができる。例えば、凝結促進効果を有するリチウム塩、硫酸アルミニウム及び塩化カルシウムを好適に用いることができ、これらを数種組み合わせて使用することができる。
リチウム塩の一例として、炭酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム及び水酸化リチウム等の無機リチウム塩や、シュウ酸リチウム、酢酸リチウム、酒石酸リチウム、リンゴ酸リチウム及びクエン酸リチウム等の有機酸有機リチウム塩を挙げることができる。特に炭酸リチウムは、凝結促進効果、入手容易性及び価格の面から好ましい。
凝結促進剤としては、セルフレベリング材の特性を妨げない粒子径のものを用いることが好ましく、粒子径は50μm以下にすることが好ましい。特にリチウム塩を用いる場合、リチウム塩の粒子径は好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下である。リチウム塩の粒子径が上記範囲より大きくなるとリチウム塩の溶解度が小さくなるために好ましくなく、特に顔料添加系では微細な多数の斑点として目立ち、美観を損なう場合がある。
凝結促進剤は、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部であり、より好ましくは0.01〜0.5質量部、更に好ましくは0.02〜0.4質量部、特に好ましくは0.04〜0.3質量部の範囲で用いることによって、セルフレベリング材の可使時間を確保したのち好適な速硬性が得られることから好ましい。凝結促進剤の添加量を、上記好ましい範囲に調整することにより、自己流動性(セルフレベリング性)を有し、良好な可使時間を確保したのち、好適な速硬性を発現するモルタルを得ることができる。
本発明のセルフレベリング材には、上記の必須成分に加えて、必要に応じて増粘剤、消泡剤、収縮低減剤、樹脂粉末等を添加することができる。
本発明のセルフレベリング材は、十分に高い作業性(高流動性、長可使時間)及び硬化特性(平滑性、寸法安定性)を有する。本発明のセルフレベリング材は、これらの特性を活かしてセルフレベリング材として、学校、マンション、コンビニエンスストア、病院、ベランダ、工場、倉庫、駐車場、ガソリンスタンド、厨房及び屋上等の床下地や床仕上げ材に用いることができる。また、本発明のセルフレベリング材は、低温下でも良好な硬化表面仕上りが得られることから、季節、地域を問わず安定してこれらの用途に供することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明の内容を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[使用材料]
実施例及び比較例で使用した材料を以下に記す。
(1)水硬性成分
ポルトランドセメント[PC](早強ポルトランドセメント、宇部三菱セメント社製、ブレーン比表面積4500cm/g)
アルミナセメント[AC](フォンジュ、ケルネオス社製、ブレーン比表面積3100cm/g)
石膏[GG](天然無水石膏、ブレーン比表面積4500cm/g)
上記材料を表1に示す割合で配合し、水硬性成分を調製した。
Figure 0005782776
(2)無機粉体
高炉スラグ微粉末[BFS](ブレーン比表面積4400cm/g、8000cm/g、15000cm/g)
(3)細骨材
珪砂[S](600μm以上の粒子径を有する粗粒分=0.1質量%、吸水率=1.25%、粗粒率1.15、単位容積質量=1.53kg/L、実績率=57.5%)
(4)流動化剤
ポリカルボン酸系流動化剤(花王社製)
(5)凝結遅延剤
酒石酸Na(扶桑化学工業社製)
(6)凝結促進剤
炭酸リチウム(本荘ケミカル社製)
[モルタルの調製]
上記材料(総量:1.5kg)を表2に示す配合割合で混合し、ケミスタラーを用いて混練してセルフレベリング材を調製した。次いで、得られたセルフレベリング材に水390gを加えて3分間混練してモルタルを得た。モルタルの調製は、温度5℃の恒温室内で行った。
[表面硬度の評価]
調製したモルタルを13cm×19cmの樹脂製の型枠へ厚さ10mmで流し込み、材齢24時間におけるショア硬度を測定した。すなわち、スプリング式硬度計タイプD((株)上島製作所製)を用いて、任意の4箇所の表面硬度を測定し、ゲージの読み取り値の平均値を求め、ショア硬度とした。評価は、温度5℃の恒温室内で行った。評価結果を表2に示す。
[硬化表面仕上がりの評価]
調製したモルタルを13cm×19cmの樹脂製の型枠へ厚さ10mmで流し込み、各材齢における表面仕上りを目視で観察し、ひび割れの有無を確認した。評価は、温度5℃の恒温室内で行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0005782776
表2の実施例1に示すように、所定のブレーン比表面積を有する2種の高炉スラグ微粉末を使用した本発明のセルフレベリング材は、ショア硬度が大きく、かつ、硬化体表面のひび割れも認められなかった。一方、比較例1又は2に示すように、ブレーン比表面積が4400cm/gの高炉スラグ微粉末を単独で使用したモルタルや、これに8000cm/gの高炉スラグ微粉末を加えたモルタルの場合、材齢2日または3日で硬化体の表面にひび割れが発生した。なお、このひび割れは、20℃の環境では発生しないことや、ショア硬度と無関係であることが確認されている。
以上の結果より、環境温度の影響を受けやすいポルトランドセメントを、水硬性成分の主成分とするセルフレベリング材においても、水硬性成分の配合を適正にし、特定のブレーン比表面積を有する2種の高炉スラグ微粉末を使用することで、十分に高い作業性及び硬化特性を有し、特に、低温下でも表面硬度が高く、かつ、良好な硬化表面仕上りとなるセルフレベリング材を得ることができることが確認された。本発明のセルフレベリング材は、従来のアルミナセメントを水硬性成分の主成分とするセルフレベリング材よりも安価で強度発現に優れ、幅広い用途に使用することができる。

Claims (2)

  1. ポルトランドセメント40〜60質量%、アルミナセメント15〜40質量%及び石膏10〜30質量%からなる水硬性成分と、第1の高炉スラグ微粉末及び第2の高炉スラグ微粉末と、細骨材と、流動化剤と、凝結調整剤と、を混合して得られるセルフレベリング材であって、
    前記第1の高炉スラグ微粉末は、ブレーン比表面積が3000〜6000cm/gであり、かつ、含有量が前記水硬性成分100質量部に対して35〜160質量部であり、 前記第2の高炉スラグ微粉末は、ブレーン比表面積が10000〜18000cm/gであり、かつ、含有量が前記水硬性成分100質量部に対して5〜60質量部である、セルフレベリング材。
  2. 前記水硬性成分100質量部に対して、前記第1の高炉スラグ微粉末及び第2の高炉スラグ微粉末の合計の含有量が40〜200質量部であり、前記細骨材の含有量が85〜325質量部である、請求項1記載のセルフレベリング材。
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