JP4285186B2 - 貯蔵性に優れるアルミナセメント系水硬性組成物 - Google Patents

貯蔵性に優れるアルミナセメント系水硬性組成物 Download PDF

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Description

本発明は、一般の土木・建築構造物等の構築に多用される貯蔵安定性に優れるアルミナセメント系水硬性組成物である。本発明は、本発明のアルミナセメント系水硬性組成物と、細骨材、減水剤及び増粘剤などの成分と混合して得られる、床下地材調製、または、工場、倉庫、駐車場、ガソリンスタンド、厨房等における床仕上げ材に用いるセルフレベリング性及び貯蔵安定性に優れるアルミナセメント系の自己流動性水硬性組成物である。
アルミナセメント系組成物は、速硬性、速強性に優れていることから、緊急性を有する土木・建築工事(災害復旧、道路補修等)で使用されている。
高分子エマルジョンを含むアルミナセメント系組成物として、特許文献1には、アルミナセメント、石膏および高炉スラグよりなる水硬性成分、硫酸アルミニウムおよびリチウム塩よりなる凝結調整剤、高分子エマルジョン、および、減水剤よりなる自己流動性水硬性組成物が開示されている。
特許文献2には、膨張性能に優れるばかりでなく、貯蔵安定性が良好であり、長期に亘って高い品質を保つことができる等の利点を有するセメント混和材及びセメント組成物を提供する目的で、遊離石灰、カルシウムフェライト及び無水セッコウを主要な構成化合物とする膨張物質と、脂肪酸及び/又はそれらの塩類とを含有してなるセメント混和材であり、セメントと、該セメント混和材とを含有してなるセメント組成物が開示されている。
特許文献3には、前もってセメントに配合して長期保管可能で、その後の硬化物製造にも支障のない撥水剤を含有したセメント組成物の提供、及びこれを使用した良好な撥水性能を有するセメント硬化物、並びにこのようなセメント硬化物の製造方法を提供すること目的に、白土含有脂肪酸カルシウムを0.05〜8重量%配合したことを特徴とするセメント組成物であり、上記のセメント組成物を用いて製造したことを特徴とするセメント硬化物であり、また、上記のセメント組成物を用いることを特徴とするセメント硬化物の製造方法が開示されている。
特開平10−231165号公報 特開2001−151548号公報 特開2001−048626号公報
アルミナセメント系水硬性組成物は、速硬性、速強性に優れていることから、一般の土木・建築構造物等の構築に多用されている。
また、アルミナセメント系のセルフレベリング性を有する水硬性組成物は、床下地や、工場、倉庫、駐車場、ガソリンスタンド、厨房等における床仕上げ材に用いられている。
アルミナセメント系水硬性組成物、特にセルフレベリング性を有する水硬性組成物は、貯蔵時に流動性が低下する場合があり、貯蔵安定性の向上したアルミナセメント系の水硬性組成物が求められている。
本発明は、貯蔵時に流動性が低下しない貯蔵安定性に優れるアルミナセメント系水硬性組成物の提供を目的とする。
さらに本発明は、貯蔵時の流動性低下が小さく貯蔵安定性に優れ、さらにセルフレベリング性に優れるアルミナセメント系水硬性組成物の提供を目的とする。
本発明の第一は、水硬性成分と樹脂粉末とを含むアルミナセメント系水硬性組成物であって、
水硬性成分はアルミナセメントを含み、
樹脂粉末は非晶質シリカをブロッキング防止剤に用いた樹脂粉末であることを特徴とするアルミナセメント系水硬性組成物である。
本発明のアルミナセメント系水硬性組成物の好ましい態様を以下に示す。
1:樹脂粉末は、酢酸ビニル、バーサチック酸ビニルエステル及びアクリル酸エステルから選ばれる少なく1種又は2種以上の成分から得られる樹脂粉末である。
2:水硬性成分は、さらにポルトランドセメント、高炉スラグ及び石膏から選ばれる少なくとも1種を含む。
3:水硬性成分は、アルミナセメント100質量部に対し、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部の組成である。
4:水硬性成分は、アルミナセメント100質量部に対し、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部である。
5:樹脂粉末は、水硬性成分100質量部に対して1〜25質量部である。
6:樹脂粉末は、アルミナセメント100質量部に対して1〜75質量部である。
7:アルミナセメント系水硬性組成物は、自己流動性水硬性組成物である。
本発明の第二は、アルミナセメント系水硬性組成物、細骨材、減水剤及び増粘剤とを含む自己流動性水硬性組成物であって、アルミナセメント系水硬性組成物が本発明のアルミナセメント系水硬性組成物を用いることを特徴とする自己流動性水硬性組成物である。
本発明の自己流動性水硬性組成物の好ましい態様を以下に示す。
1:自己流動性水硬性組成物は、さらに凝結調整剤を含む。
2:自己流動性水硬性組成物は、さらに消泡剤を含む。
3:水硬性成分100質量部に対し、細骨材が60〜200質量部含む。
4:水硬性成分100質量部に対し、減水剤が0.01〜0.20質量部含む。
5:水硬性成分100質量部に対し、増粘剤が0.01〜0.5質量部含む。
6:水硬性成分100質量部に対し、凝結調整剤0.05〜5質量部を含む。
7:水硬性成分100質量部に対し、消泡剤2質量部以下を含む。
8:水硬性成分100質量部に対し、細骨材が60〜200質量部、減水剤が0.01〜0.20質量部及び増粘剤0.01〜0.5質量部とを含む。
9:水硬性成分100質量部に対し、細骨材が60〜200質量部、減水剤が0.01〜0.20質量部、増粘剤0.01〜0.5質量部、凝結調整剤0.05〜5質量部及び消泡剤2質量部以下を含む。
本発明のアルミナセメント系水硬性組成物及び、このアルミナセメント系水硬性組成物を用いる自己流動性水硬性組成物は、高温の保管においても、優れた貯蔵安定性を発揮し、モルタル調整後の流動性における経時変化も小さい。その結果、本発明のアルミナセメント系水硬性組成物及び、このアルミナセメント系水硬性組成物を用いる自己流動性水硬性組成物は、品質保持期間が飛躍的に向上し、長期の保管が可能になり、製造、貯蔵、施工面での利点は大きい。
本発明のアルミナセメント系水硬性組成物は、水硬性成分としてアルミナセメントと、樹脂粉末として非晶質シリカをブロッキング防止剤に用いた樹脂粉末を含むものである。
水硬性成分は、アルミナセメントと、必要に応じてポルトランドセメント、高炉スラグ及び石膏などから選ばれる少なくとも1種又は2種以上含むことができる。
水硬性成分として必要に応じて使用するポルトランドセメント、高炉スラグ及び石膏などから選ばれるこれら成分は、目的に応じて適宜選択して用いることができ、その用いる成分の配合量も適宜調整して用いることができる。
本発明のアルミナセメント系水硬性組成物は、必要に応じて細骨材、減水剤、増粘剤、凝結調整剤及び消泡剤などから選ばれる少なくとも1種又は2種以上含むことができる。
本発明のアルミナセメント系水硬性組成物において、細骨材、減水剤、増粘剤、凝結調整剤及び消泡剤から選ばれる成分は、目的に応じて適宜選択して用いることができ、その用いる成分の配合量も適宜調整して用いることができる。
アルミナセメントについては、潜在的に急硬性を有しており、硬化後は耐化学薬品性、耐火性に優れた硬化体を与える。また、潜在水硬性を有する高炉スラグの存在により、その欠点である硬化体強度の経時的な低下も抑制される。アルミナセメントは鉱物組成が異なるものが数種知られ市販されており、何れも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であるが、強度および着色性の面からは、CA成分が多く且つCAF等の少量成分が少ないアルミナセメントが好ましい。
ポルトランドセメントについては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントなどを用いるができる。
高炉スラグについては、乾燥収縮による硬化体の耐クラック性を高めるだけでなく、アルミナセメントの硬化体強度を向上させる効果も有している。
高炉スラグは、JIS・A−6206に規定されるブレーン比表面積3000cm2/g以上ものを用いることができる。
石膏ついては、無水、半水等の各石膏がその種を問わず1種又は2種以上の混合物として使用できる。石膏は急硬性であり、また、硬化後の寸法安定性保持成分として働くものである。
細骨材ついては、フライアッシュ、FCC触媒、珪砂、石灰石、アルミナクリンカー、石英粉末などを用いることができる。
FCC触媒は、市販のFCC触媒、使用済みのFCC廃触媒などを用いることが出来、特にFCC廃触媒を用いることにより、コスト低減効果に優れる。
FCCとは、触媒と原料油が流動床雰囲気で接触分解する過程の総称であり、FCC触媒は、低品位の重質原料油からガソリンやLCOを分留する過程で、分子量の大きな残油の分解やV、Niなどのメタルトラップ剤として使用されるものである。FCC触媒の成分は、ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、及びカオリン等の粘土であるが、機能の違いにより種々のグレードが存在する。
フライアッシュは、通常、火力発電所などのボイラーで石炭の燃焼灰として排出されるフライアッシュをサイクロン等の分級機を用いて分級し、比表面積(粉末度)5000cm/g程度以上に粒度調整したものを用いることができる。
樹脂粉末ついては、非晶質シリカをブロッキング防止剤に用いた樹脂粉末であり、ブロッキング防止剤として非晶質シリカを有するものであり、製法については特に限定されず、公知の製造方法で製造されたものを用いることができる。
樹脂粉末としては、樹脂の粉末化方法などの製法については特に限定されず、公知の製造方法で製造されたものを用いることができる。また、ブロッキング防止剤は主に樹脂粉末の表面に付着していることが好ましい。
樹脂粉末は、水性ポリマーディスパーションを噴霧やフリーズドライなどの方法で、溶媒を除去し乾燥した再乳化型の樹脂粉末を用いることが好ましい。
樹脂粉末の粒子径は、315μmふるい上残分が3%以下、さらに300μmふるい上残分が3%以下、特にさらに300μmふるい上残分が2%以下のものを好ましく用いることが出来る。
樹脂粉末は、水硬性成分100質量部に対して1〜25質量部を配合した範囲が、優れた効果を示すために好ましい。
樹脂粉末は、アルミナセメント100質量部に対して、2〜75質量部を配合した範囲が、優れた効果を示すために好ましい。
樹脂粉末としては、アクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、酢酸ビニル、バーサチック酸ビニルエステルなどの成分を一種単独又は二種以上より得られる樹脂の粉末状のものを用いることができる。
樹脂粉末は、酢酸ビニル及びバーサチック酸ビニルエステルから選ばれる少なくとも1種又は2種を含む成分から得られる樹脂粉末が好ましく、特に、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル/アクリル酸エステル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル/アクリル酸エステル/エチレン、酢酸ビニル/エチレン、酢酸ビニル/アクリル酸エステル/エチレン、バーサチック酸ビニルエステル/アクリル酸エステルなどの共重合物を好ましく用いることが出来る。
非晶質シリカとしては、公知の非晶質シリカを用いることができ、合成又は天然の非晶質シリカを用いることが出来る。非晶質シリカの粒子径や形状は、用いる樹脂粉末と他の固形分又は樹脂粉末間のブロッキング防止が可能なもので有ればよく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることが出来る。
本発明のアルミナセメント系水硬性組成物は、さらに細骨材、減水剤及び増粘剤とを配合することにより、セルフレベリング性に優れる自己流動性水硬性組成物として用いることが出来る。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、本発明のアルミナセメント系水硬性組成物、細骨材、減水剤及び増粘剤とを配合したセルフレベリング性に優れる自己流動性水硬性組成物である。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、さらに凝結調整剤を含むことができる。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、フロー値が190mm以上が好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物において、水硬性成分は、アルミナセメントを除き、必要に応じて使用する成分を本発明の特性を損なわない範囲で添加することができる。
セルフレベリング材の具備すべき重要な要件の一つは、適度な急硬性を有することであるが、急硬性は第一義的に、含まれる水硬性成分の種類に依存する。ポルトランドセメント系では硬化速度が遅く、乾燥収縮が大きいと言う欠点を有しており、一方、速硬性セメント系では硬化速度面では改善されるものの、流動性が低く、強度が低いと言う欠点を有している。
特に水硬性成分として、アルミナセメント、石膏および高炉スラグよりなる水硬性成分、さらにアルミナセメント、ポルトランドセメント、石膏および高炉スラグよりなる水硬性成分を使用することにより、上記の互いの欠点を補うことができるために好ましい。
水硬性成分は、好ましくはアルミナセメント100質量部、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部の組成、さらに好ましくはアルミナセメント100質量部、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部の組成が、適度な急硬性を有し、高い流動性及び強度、且つ寸法安定性の良さの理由で好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物において、石膏の添加量は、アルミナセメント100質量部に対して40〜100質量部が好ましい。少なすぎると寸法安定性が低下する場合があり、多すぎると耐水性が低下し、水による異常膨張が起こる場合があり好ましくない。
本発明の自己流動性水硬性組成物において、高炉スラグの添加量は、アルミナセメント100質量部に対して50〜250質量部とするのが好ましく、少なすぎると収縮が大きくなり、多すぎると強度低下を招くことがある。
本発明の自己流動性水硬性組成物において、ポルトランドセメントの添加量は、添加量が多すぎると流動性が低下する場合があり、白華発生の原因となるため、アルミナセメント100質量部に対し、120質量部より少なく添加することが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物において、細骨材は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対し、好ましくは60〜200質量部、さらに好ましくは60〜150質量部、特に好ましくは60〜100質量部が好ましい。
減水剤は、ナフタレン系、メラミン系、ポリカルボン酸系などを用いることが出来、併用する増粘剤との最適な組合わせとなるのは、ポリカルボン酸系が好ましい。
減水剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.01〜0.20質量部、さらに0.02〜0.20質量部、特に0.05〜0.20質量部が好ましい。
増粘剤は、セルロース系、蛋白質系、ラテックス系、および水溶性ポリマー系などを用いることが出来、特にセルロース系などを用いることが出来る。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.01〜0.5質量部、さらに0.01〜0.3質量部、特に0.01〜0.2質量部含むことが好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、流動性の低下を招く恐れがあり好ましくない。
増粘剤及び消泡剤を併用して用いることは、骨材分離の抑制、気泡発生の抑制、硬化体表面の改善に好ましい効果を与え、セルフレベリング材としての特性を向上させるために好ましい。
消泡剤は、シリコン系、アルコール系、ポリエーテルなどの合成物質又は植物由来の天然物質など、公知のものを用いることが出来る。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して、2質量部以下、さらに1質量部以下、特に0.3質量部以下が好ましい。消泡剤の添加量は、上記より多く添加する場合、消泡効果の向上がみとめられない場合がある。
凝結調整剤は、凝結促進を行う成分である凝結促進剤、凝結遅延を行う成分である凝結遅延剤などを用いることが出来る。
凝結促進剤としては、公知の凝結促進剤を用いることが出来る。凝結促進剤の一例として、炭酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム、酢酸リチウム、酒石酸リチウム、リンゴ酸リチウム、クエン酸リチウムなどの有機酸などの、無機リチウム塩や有機リチウム塩などのリチウム塩を用いることが出来る。特に炭酸リチウムは、効果、入手容易性、価格の面から好ましい。
凝結促進剤としては、特性を妨げない粒径を用いることが好ましく、粒径は50μm以下にするのが好ましい。
特にリチウム塩を用いる場合、リチウム塩の粒径は50μm以下、さらに30μm以下、特に10μm以下が好ましく、粒径が上記範囲より大きくなるとリチウム塩の溶解度が小さくなるために好ましくなく、特に顔料添加系では微細な多数の斑点として目立ち、美観を損なう場合がある。
凝結遅延剤としては、公知の凝結遅延剤を用いることが出来る。凝結遅延剤の一例として、硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムなど有機酸などの、無機ナトリウム塩や有機ナトリウム塩などのナトリウム塩を用いることが出来る。特に重炭酸ナトリウムや酒石酸ナトリウムは、効果、入手容易性、価格の面から好ましい。
凝結調整剤は、用いる自己流動性水硬性成分やアルミナセメント系水硬性成分組成に応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができ、凝結促進剤及び凝結遅延剤の成分、添加量及び混合比率を適宜選択して、自己流動性水硬性成分に添加することにより、自己流動性水硬性組成物の可使時間を調整することができ、セルフレベリング材としての使用が非常に容易になるため好ましい。
凝結調整剤は、自己流動性水硬性組成物をセルフレベリング材として用いる場合、リチウム塩とナトリウム塩の合量が、水硬性成分100質量部に対して0.05〜5質量部、さらに0.1〜2質量部、特に0.30〜0.70質量部の範囲で添加することが好ましい。
凝結調整剤は、自己流動性水硬性組成物をセルフレベリング材として用いる場合、リチウム塩に対するナトリウム塩のモル比が、1〜50の範囲にするのが好ましく、モル比が1より小さいと、凝結が早すぎ、自己流動性が低下するため、可使時間が短くなりすぎて施工に支障を来たす場合があり好ましくなく、また、50より大きいと、速硬性が低下し、早期開放が困難になる場合があり好ましくない。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、床下地調整などのセルフレベリング材として用いる場合、水を水硬性成分100質量部に対し、28〜53質量部、さらに31〜51質量部、特に35〜50質量部加えて用いることが好ましい。
本発明の自己流動性水硬性組成物を床下地調整などのセルフレベリング材として用いる場合、水は自己流動性水硬性組成物100質量部に対し、16〜30質量部、さらに18〜29質量部、特に20〜28質量部加えて用いることが好ましい。
特に本発明の自己流動性水硬性組成物は、水硬性成分100質量部に対し、細骨材が60〜200質量部、減水剤が0.01〜0.20質量部及び増粘剤0.01〜0.5質量部を含み、さらに必要に応じて凝結調整剤0.05〜5質量部及び消泡剤2質量部以下を含むことが好ましく、
水硬性成分としては、アルミナセメント100質量部に対し、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部、高炉スラグ50〜350質量部の範囲が好ましい。
本発明のアルミナセメント系水硬性組成物は、公知の方法で施工することができ、一般の土木・建築構造物などの構築に用いることが出来る。
本発明の自己流動性水硬性組成物は、公知の方法でセルフレベリング材として施工することができ、床下地材調製、または、工場、倉庫、駐車場、ガソリンスタンド、厨房等における床仕上げ材に用いることが出来る。例えば施工の一例として、特開2001−040862号公報などに開示されている。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
1.ブレーン比表面積の評価法:JIS・R−5201に規定されているブレーン空気透過装置を使用して測定する。
[実施例1及び比較例1]
(1)使用材料:以下の材料を使用した。
・アルミナセメント:ブレーン比表面積3,300cm/g、モノカルシウムアルミネート含有量45重量%。
・ポルトランドセメント:早強ポルトランドセメント、ブレーン比表面積4,600cm/g。
・石膏:II型無水石膏、ブレーン比表面積5,000cm/g。
・高炉スラグ:ブレーン比表面積4,600cm/g。
・珪砂:6号珪砂(市販品)。
・リチウム塩:炭酸リチウム(市販品)。
・ナトリウム塩:重炭酸ナトリウム及びグルコン酸ナトリウム(何れも市販品)。
・減水剤:ポリカルボン酸系減水剤(市販品)。
・増粘剤:メチルセルロース系増粘剤(市販品)。
・消泡剤:ポリエーテル系消泡剤(市販品)。
・樹脂粉末A:酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル/アクリル酸エステルの共重合体(クラリアント社製、LDM2071P)、ブロッキング防止剤:非晶質シリカ。
・樹脂粉末B:酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル/アクリル酸エステルの共重合体(クラリアント社製、LDM2080P)、ブロッキング防止剤:炭酸カルシウム。
(2)貯蔵安定性の評価:
表1に示す配合を、アイリッヒミキサーを用いて3分間混合し、自己流動性を有する水硬性組成物を調整した。調整後直ぐに、水硬性組成物を、紙袋に25kg入れて閉封し、温度35℃、相対湿度65%の試験室内で貯蔵した。
貯蔵安定性の評価は、所定期間まで貯蔵した水硬性組成物100質量部を温度20℃に下げ、水22質量部を加えケミスターラーを用いて3分間混練して、調整したスラリーについて、セルフレベリングの評価を行い、結果を表2に示す。スラリーの調整は、20℃で行った。
・セルフレベリングの評価:JASS 15M−103に準拠して評価する。厚み5mmのみがき板ガラスの上に、内径50mm、高さ51mmの塩化ビニル製パイプ(内容積100ml)を置き、練り混ぜた上記(2)のスラリーを充填した後、パイプを引き上げる。充填した水硬性組成物の広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値とする。
Figure 0004285186
Figure 0004285186

Claims (6)

  1. 水硬性成分と樹脂粉末とを含むアルミナセメント系水硬性組成物であって、
    水硬性成分はアルミナセメントを含み、アルミナセメント100質量部に対し、ポルトランドセメント120質量部以下、石膏40〜100質量部及び高炉スラグ50〜350質量部であり、
    樹脂粉末は非晶質シリカをブロッキング防止剤に用いた樹脂粉末であることを特徴とするアルミナセメント系水硬性組成物。
  2. 樹脂粉末は、アルミナセメント100質量部に対して1〜75質量部である請求項1に記載のアルミナセメント系水硬性組成物。
  3. 樹脂粉末は、水硬性成分100質量部に対して1〜25質量部である請求項1又は請求項2に記載のアルミナセメント系水硬性組成物。
  4. 樹脂粉末は、酢酸ビニル、バーサチック酸ビニルエステル及びアクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種又は2種以上の成分から得られる樹脂粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミナセメント系水硬性組成物。
  5. アルミナセメント系水硬性組成物、細骨材、減水剤及び増粘剤とを含む自己流動性水硬性組成物であって、
    アルミナセメント系水硬性組成物が請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミナセメント系水硬性組成物であることを特徴とする自己流動性水硬性組成物。
  6. 自己流動性水硬性組成物は、さらに凝結調整剤を含むことを特徴とする請求項5に記載の自己流動性水硬性組成物。
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