JP4352666B2 - ペリクル及びこれを用いる露光処理方法 - Google Patents

ペリクル及びこれを用いる露光処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長100〜200nmの光を用いるフォトリソグラフィ用のペリクルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ペリクルとは、半導体装置または液晶表示板を製造する際の一工程であるフォトリソグラフィにおいて、フォトマスクやレチクル(以下これらをマスクという)上に異物が乗り、露光時にパターン欠陥となることを防ぐためにマスクのパターン上に装着される保護具であって、ペリクル膜とフレームとからなる。通常は接着剤を介してフレームに取り付けられたペリクル膜が、マスク面から一定距離をおいて設置される構造を有している。
【0003】
これらが使用される半導体装置や液晶表示板の製造分野では、配線や配線間隔の微細化進展にともない、フォトリソグラフィにおいても、用いられる光源の波長が急速に短波長化している。最小パターン寸法0.3μm以上の従来の露光技術では、i線光源(365nm)を用いたプロセスが主流であり、ペリクル膜の材料としてはニトロセルロース系材料が使用されてきた。
【0004】
近年、最小パターン寸法0.3μm未満の配線加工のために、KrFエキシマレーザーが導入されつつあるが、その発振波長は248nmであり、ニトロセルロース系の膜材料では耐久性が不充分である。さらに、エキシマレーザーなどの短波長のレーザー光を用いる場合には非結晶性のパーフルオロポリマーがペリクル膜の材料として有用であることが見い出されている(特許第2951337号公報や特許第2952962号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年開発中の最小パターン寸法0.2μm以下の配線加工のためには、200nm以下の短波長紫外光のレーザー光源として、波長193nmのフッ化アルゴンエキシマレーザー(以下、「ArFエキシマレーザー」という。)、波長157nmのフッ素ガスエキシマレーザー(以下、「F2エキシマレーザー」という。)などの使用が提案されている。
【0006】
しかし、これらのレーザーからのレーザー光は非常に高いエネルギーを有するため、前記特許第2951337号明細書記載の非結晶性のパーフルオロポリマーでも充分な耐久性がない。例えば、そこに使用されているパーフルオロポリマーである「CYTOP」(商品名)は193nmにおいて高い透明性を有するものの、レーザーに対する耐久性が実用的でないという問題があった。さらに、170nmより短い波長では光透過性や耐久性が急激に低下し、波長157nmのF2エキシマレーザー光に対する透過性は著しく低い。そのため、F2エキシマレーザー光に対応できるペリクル膜として特開平2001−330943号公報に記載のような含フッ素ポリマー(A)が開発された。しかしながら、本含フッ素ポリマー(A)は157nmにて高い透明性を有するものの、耐久性がまだ充分とは言えない。
【0007】
また、ペリクル膜とフレームを固定する接着剤においても、レーザー光の迷光や反射光による同様の劣化問題があるため、耐久性の高い接着剤の開発が望まれてきた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、ペリクル膜や接着剤の材料である含フッ素ポリマー中に微量存在する塩素原子が耐久性に影響を及ぼすことを見出し、本発明を完成させた。すなわち100〜200nmのレーザー光(以下、「短波長レーザー光」という。)に対して高い耐久性を有する含フッ素ポリマーを見い出した。本発明はこの含フッ素ポリマーをペリクル膜または接着剤として用いたペリクルに関する下記発明である。
【0009】
ペリクル膜とフレームとからなり、波長100〜200nmの光による露光処理に用いるペリクルであって、該ペリクル膜または該ペリクル膜をフレームに固定する接着剤が含フッ素ポリマーからなり、該含フッ素ポリマー中の総塩素含量が10ppm以下であることを特徴とするペリクル。
【0010】
本発明のペリクルは、特に100〜200nmの光による露光処理用のペリクルとして適している。具体的には、波長193nmのArFエキシマレーザー、157nmのF2エキシマレーザーを光源とする露光処理用のペリクルとして適している。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、ペリクル膜またはペリクル膜をフレームに固定する接着剤中の総塩素量は10ppm以下であり、特に7ppm以下が好ましい。本発明における塩素の存在形態については、特に制限はなく、ペリクル膜または接着剤を形成するポリマー中の、炭素−塩素結合などの結合した塩素原子(以下、「結合塩素原子」と記す。)のみでなく、ペリクル膜または接着剤に含まれる遊離塩素、塩素含有有機・無機不純物などがある。総塩素量とはこれらに含まれる全ての塩素原子の総量であり、蛍光X線分析や放射化分析などにより容易に測定可能である。塩素の存在が耐久性に影響するメカニズムは定かではないが、一般的に遊離塩素や炭素−塩素結合は光エネルギーの吸収により、容易に解離しラジカルを発生させるため、該ラジカルがペリクル膜または接着剤を形成するポリマー主鎖を切断し、耐久性を悪化させるものと考えられる。
【0012】
ポリマー中に塩素が混入する原因としては、モノマーは勿論のこと、開始剤、連鎖移動剤および連鎖移動能を有する媒体など、ポリマー中に取り込まれる化合物の結合塩素原子が考えられる。
【0013】
例えば、特開2001−330943号公報の合成例1では重合媒体にトリフルオロトリクロロエタンが用いられているが、これらは、重合中にポリマー末端などへ連鎖移動するため、ポリマー中に塩素を混入させる原因となる。このようにポリマー末端に塩素が導入されるような媒体としてはペンタフルオロジクロロプロパン等のクロロフルオロアルカン類の溶媒が例示される。よって、このような溶媒を用いず、パーフルオロオクタンや1H−パーフルオロヘキサンのように結合塩素原子を含まず、かつポリマーを溶解する能力の高い含フッ素溶媒を選択することが好ましい。また、モノマー、開始剤、連鎖移動剤および媒体などの重合系中に存在する物質中の微量遊離塩素および結合塩素原子を有する化合物(以下、「塩素含有化合物」と記す。)などが不純物として存在すると、これらもポリマー中に塩素を混入させる原因となる。
従って、本発明における非晶質パーフルオロポリマーまたは含フッ素ポリマー(A)が実質的に塩素を含まないモノマーを用いて、かつ実質的に塩素を含まない連鎖移動剤や開始剤を用いて、実質的に塩素を含まない媒体中で重合されることが好ましい。
本発明において、「実質的に塩素を含まない」とは、結合塩素原子がなく、かつ塩素含有化合物および遊離塩素からなる不純物が10ppm以下であることを意味する。
【0014】
本発明における非晶質パーフルオロポリマーまたは含フッ素ポリマー(A)を製造するために使用される含フッ素モノマーまたは重合媒体として好ましい媒体である含フッ素溶媒の製造過程では、塩素または塩素含有化合物を使用することがほとんどである。特に含フッ素モノマーは通常、塩素含有化合物(ビシナルジクロロ化合物)の脱塩素により重合性不飽和結合を形成して製造される。従って、通常含フッ素モノマー中には少なからぬ量の塩素が含まれている。
以上のとおり、含フッ素モノマーおよび含フッ素溶媒には、微量の塩素含有化合物および/または遊離塩素が不純物として存在することが多い。塩素含有化合物は精密蒸留によって除去することが可能であり、遊離塩素は超純水で洗浄することで除去可能である。従って、上記含フッ素モノマーおよび含フッ素溶媒等のポリマー原料は、超純水により遊離塩素を除去し、その後さらに精密蒸留することによって、塩素含量を低く抑えることができる。また、フッ素ガスと高温下で反応させ、可能な限り結合塩素原子をフッ素原子に置換するなどの前処理をおこなった後、精密蒸留を行なう方法も挙げられる。このような原料を用いることにより総塩素含量10ppm以下のポリマーを得ることができる。
【0015】
また、水を重合媒体として使用する場合は、イオン交換水よりも超純水が好ましく、分子量調整用に使用する連鎖移動剤なども試薬で購入したものをそのまま使用するのではなく、精密蒸留精製したものが好ましい。また、半導体グレードなどの表示で販売されているような化合物があればそれらを使用することが好ましい。また、重合および重合後の工程で用いられる他の化合物、装置などについても事前に超純水や塩素を含まない溶媒にて洗浄しておくことが好ましい。
当然のことではあるが、重合後のポリマーを取り扱う際にも塩素原子を含有する不純物が混入しないように全ての工程をクリーンルーム中で扱うことが好ましい。
【0016】
本発明におけるペリクル膜は、非晶質パーフルオロポリマーあるいは含フッ素ポリマー(A)から形成されていることが好ましい。
含フッ素ポリマー(A)とは、炭素原子の連鎖を主鎖とする実質的に線状の含フッ素ポリマーであって、主鎖の炭素原子として1個または2個の水素原子が結合した炭素原子と水素原子が結合せずかつフッ素原子または含フッ素有機基が結合した炭素原子とを含む含フッ素ポリマーである。
本発明において、「線状の」ポリマーとは、繰り返し単位が線状に多数配列したポリマーであり、繰り返し単位が多数配列した分岐や、繰り返し単位が線状に多数配列した2以上のポリマー部分が末端以外の位置で結合した部分(架橋)を有しない、ポリマーをいう。また、このポリマーの「主鎖」とは、線状ポリマーの線を構成する部分をいう。さらに、このポリマーにおいて「炭素原子の連鎖を主鎖とする」とは、主鎖が線状に多数配列した炭素原子からなっていることをいう。
非晶質パーフルオロポリマーとは、X線解析法により測定された結晶化度が20%以下のパーフルオロポリマーであって200nmの波長における透過率が、膜厚1μmにて90%以上有するものであれば何ら限定されないが、主鎖に脂肪族環構造を有するパーフルオロポリマーが好ましい。
【0017】
「主鎖に脂肪族環構造を有する」ポリマーとは、主鎖が炭素原子の連鎖からなるポリマーであって、脂肪族環の環を構成する炭素原子の1個以上がその主鎖を構成する炭素原子であるポリマーをいう。主鎖の炭素原子は、モノマーの重合性不飽和結合の2個の炭素原子に由来する。また、2個の重合性不飽和結合を有するモノマーの環化重合により形成されるポリマーの場合は通常2個の重合性不飽和結合の4個の炭素原子に由来する。脂肪族環の環を構成する原子としては炭素原子以外に酸素原子や窒素原子等を含んでいてもよい。好ましい脂肪族環は1〜2個の酸素原子を有する脂肪族環である。脂肪族環を構成する原子の数は4〜10個が好ましく、4〜7個がさらに好ましい。「パーフルオロ」脂肪族環とは環を構成する炭素原子等に全フッ素化置換基(例えばパーフルオロアルキル基)やフッ素原子が結合している脂肪族環であることをいう。なお、このポリマーの主鎖の炭素原子としては通常環を構成しない炭素原子を含んでいてもよい。
【0018】
本発明における主鎖に脂肪族環構造を有するパーフルオロポリマー(以下、「パーフルオロ環構造含有ポリマー」ともいう。)としては、脂肪族環を構成する炭素原子間に重合性不飽和結合を有するモノマーまたは脂肪族環を構成する炭素原子と脂肪族環外に炭素原子との間に重合性不飽和結合を有するモノマーから選ばれるモノマー(以下、両者を「環状モノマー」という。)のホモポリマーやコポリマー、または、2個の重合性不飽和結合を有するモノマー(以下、「ジエン系モノマー」という。)を環化重合して得られるホモポリマーやコポリマーがある。コポリマーとしては、環状モノマーと他のモノマーとのコポリマー、ジエン系モノマーと他のモノマーとのコポリマー、環状モノマーとジエン系モノマーとのコポリマーなどがある。尚、本発明におけるコポリマーとは、2元系の共重合体のみでなく3元系以上の共重合体をも含む。
【0019】
これら環状モノマーやジエン系モノマーはフッ素原子を有するモノマーであり、パーフルオロであることが好ましい。「パーフルオロ」とは、炭素原子に結合した水素原子と炭素原子に結合したフッ素原子の合計数に対する炭素原子に結合したフッ素原子の数の割合が100%であることをいう。これらと共重合させるこれら以外のモノマーとしてもパーフルオロモノマーが好ましい。
【0020】
本発明におけるパーフルオロ環構造含有ポリマーやその製造方法は公知であり、たとえば、特開平4−189880号公報、特開平4−226177号公報、特開平11−279504号公報などに記載されている。環状モノマーの代表例としてはパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)がある。このモノマーを重合することにより、またこのモノマーとテトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)などのラジカル重合性モノマーとを共重合させることにより、パーフルオロ環構造含有ポリマーが得られる(特公昭63−18964号公報参照)。
【0021】
ジエン系モノマーの代表例としてはパーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)がある。このモノマーを重合することにより、またこのモノマーとテトラフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)などのラジカル重合性モノマーとを共重合させることにより、パーフルオロ環構造含有ポリマーが得られる(特開昭63−238111号公報、特開昭63−238115号公報参照)。上記代表例を含め、環状単量体の例を以下に示す。
【0022】
【化1】
Figure 0004352666
【0023】
上記化学式において、X1〜X3、R11〜R16はそれぞれ独立にフッ素原子、炭素数4以下のパーフルオロアルキル基または炭素数4以下のパーフルオロアルコキシ基を表す。X1、X3としては特にフッ素原子が好ましく、X2としてはフッ素原子、トリフルオロメチル基または炭素数2以下のパーフルオロアルコキシ基が好ましい。R11〜R16はそれぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基が好ましい。
【0024】
ジエン系モノマーとしては、CF2=CF−Q−CF=CF2で表されるモノマーが好ましい。ただし、Qは、炭素数10以下の、エーテル性酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基を示す。エーテル性酸素原子はパーフルオロアルキレン基の一方の末端に存在していてもよく、両末端に存在していてもよく、炭素原子間に存在していてもよい。エーテル性酸素原子を有しないパーフルオロアルキレン基の場合は炭素数2〜6、一方の末端にエーテル性酸素原子を有するまたは炭素原子間にエーテル性酸素原子を有するパーフルオロアルキレン基の場合は炭素数1〜4、両末端にエーテル性酸素原子を有するパーフルオロアルキレン基の場合は炭素数1〜3であることがより好ましい。
【0025】
CF2=CF−Q−CF=CF2の環化重合により下記のような環状モノマー単位を有するポリマーが生成する。このようにジエン系モノマーの環化重合により生成するポリマーの主鎖の炭素原子は2個の重合性不飽和結合の4個の炭素原子に由来する。
【0026】
【化2】
Figure 0004352666
【0027】
前記代表例を含め、ジエン系モノマーの例を以下に示す。
【0028】
【化3】
CF2=CFOCF2CF2CF=CF2
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF=CF2
CF2=CFOCF(CF3)CF2CF=CF2
CF2=CFOCF2CF=CF2
CF2=CFOCF(CF3)CF=CF2
CF2=CFOC(CF32CF=CF2
CF2=CFOCF2OCF=CF2
CF2=CFOC(CF32OCF=CF2
【0029】
ジエン系モノマーのコポリマーとしては、環状モノマーとのコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)とパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)とのコポリマーがある。
【0030】
パーフルオロ環構造含有ポリマーの全モノマー単位に対する脂肪族環構造を有するモノマー単位の割合は20モル%以上、特に40モル%以上が好ましい。脂肪族環構造を有するモノマー単位とは、環状モノマーの重合した単位およびジエン系モノマーの環化重合した単位をいう。
【0031】
上記パーフルオロ環構造含有ポリマーは、波長170nm以下の光に対する透過性が小さいことから、特に170nm以上、200nm以下の波長を有するレーザーを光源とする露光、とくにフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザーフォトリソグラフィーに好適である。
一方100nm以上、170nm未満の波長、特にFエキシマレーザー(157nm)でのペリクルとしては含フッ素ポリマー(A)が好適に用いられる。
【0032】
本発明における含フッ素ポリマー(A)は、炭素原子の連鎖を主鎖とする実質的に線状の含フッ素ポリマーである。このポリマーの主鎖の炭素原子連鎖は原則としてモノマーの重合性不飽和結合を構成する2個の炭素原子が連結した連鎖からなる。したがって、含フッ素ポリマー(A)において「主鎖の炭素原子として1個または2個の水素原子が結合した炭素原子と水素原子が結合せずかつフッ素原子またはフッ素含有置換基が結合した炭素原子とを含む」とは、重合性不飽和結合を1個有するモノマーの重合により得られるホモポリマーの場合、モノマーの重合性不飽和結合を構成する2個の炭素原子の一方の炭素原子には水素原子が結合し他方の炭素原子には水素原子が結合していないモノマー(以下、「モノマー(a)」という。)のポリマーであることを意味する。
【0033】
コポリマーの場合には、重合性不飽和結合を構成する2個の炭素原子の少なくともいずれかに水素原子が結合しているモノマー(以下、「モノマー(b)」という。)と重合性不飽和結合を構成する2個の炭素原子のいずれにも水素原子が結合していないモノマー(以下、「モノマー(c)」という。)とのコポリマーであってもよい。
【0034】
さらに含フッ素ポリマー(A)は、モノマー(a)の2種以上のコポリマーであってもよく、モノマー(a)と他のモノマーとのコポリマーであってもよい。同様に、モノマー(b)とモノマー(c)とそれら以外のモノマーとのコポリマーであってもよい。
【0035】
含フッ素ポリマー(A)としては2個の重合性不飽和結合を有するモノマーの環化重合により得られるポリマーが特に好ましい。通常このポリマーの場合には2個の重合性不飽和結合の4個の炭素原子がポリマーの主鎖を形成する。したがって、この含フッ素ポリマー(A)は、2個の重合性不飽和結合の4個の炭素原子の内1個以上の炭素原子が水素原子を有しかつ1個以上の炭素原子が水素原子を有しないモノマー(以下、「モノマー(d)」という。)の環化重合により得られるポリマーである。
【0036】
コポリマーの場合には4個の炭素原子のいずれも水素原子を有しないモノマー(以下、「モノマー(e)」という。)と重合性不飽和結合の炭素原子に水素原子を有するモノマー(このモノマーは重合性不飽和結合を2個有する環化重合しうるモノマーであっても重合性不飽和結合を1個有するモノマーであってもよい)(以下、「モノマー(f)」という。)とのコポリマーであってもよい。さらに、含フッ素ポリマー(A)は、モノマー(d)と他のモノマーとのコポリマーであってもよく、モノマー(e)とモノマー(f)とそれら以外のモノマーとのコポリマーであってもよい。
【0037】
含フッ素ポリマー(A)がフッ素を有するポリマーであることより、上記モノマー(a)、モノマー(c)、モノマー(d)およびモノマー(e)は重合性不飽和結合の炭素原子にフッ素原子または含フッ素有機基が結合していることが必要である。モノマー(b)、モノマー(f)は重合性不飽和結合の炭素原子にフッ素原子または含フッ素有機基が結合していることが必須ではないがそれらが結合していてもよい。
【0038】
含フッ素有機基としては1価の基と2価の基が好ましい。2価の含フッ素有機基の2個の結合手は、重合性不飽和結合の2個の炭素原子それぞれに結合する(2個の炭素原子を含む環を形成する)場合と2個の炭素原子の一方のみに結合する(その1個の炭素原子を含む環を形成し他方の炭素原子が環外の炭素原子となる)場合とがある。
【0039】
モノマー(a)〜モノマー(f)はその重合性不飽和結合の炭素原子に水素原子、フッ素原子、含フッ素有機基以外の原子、有機基、その他の置換基を有していてもよい。しかしながらフッ素原子以外のハロゲン原子、アルキル基などの有機基は耐久性の観点から好ましくない。
【0040】
1価の含フッ素有機基としては含フッ素アルキル基と含フッ素アルコキシ基が好ましい。これらの基の炭素数は10以下、特に4以下が好ましい。これらの基は水素原子を含まないことが好ましく、フッ素原子のみを含む基、すなわち、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基が好ましい。
【0041】
2価の含フッ素有機基としてはエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数10以下(特に6以下)のポリフルオロアルキレン基が好ましい。このポリフルオロアルキレン基としてはパーフルオロアルキレン基が好ましい。エーテル性酸素原子は、ポリフルオロアルキレン基の一方の末端に存在してもよく、両末端に存在してもよく、炭素原子間に存在してもよい。2価の含フッ素有機基としては直鎖状のものに限られず、分岐を有していてもよい。
【0042】
結晶性を有するポリマーは光散乱による透過率の低下やレチクル像のゆがみを引き起こすため、含フッ素ポリマー(A)の結晶化度は30%以下が好ましく、特に20%以下の非晶質であることが好ましい。ポリマー分子中にバルキーな構造を導入することによりポリマーの結晶化度を下げることができる。したがって、バルキーな構造である脂肪族環をポリマーの主鎖に存在させてポリマーの結晶化を抑制し、非晶質の透明性の高いポリマーとすることが好ましい。よって、含フッ素ポリマー(A)としては特に主鎖に脂肪族環構造を有する含フッ素ポリマーであることが好ましい。
結晶化度の測定方法は、X線測定の方法による。
【0043】
脂肪族環に重合性不飽和結合を有するモノマーを用いることによって主鎖に脂肪族環構造を有するポリマーが得られる。モノマー(d)やモノマー(e)は環化重合により主鎖に脂肪族環構造を有するポリマーを形成する。「脂肪族環に重合性不飽和結合を有する」とは、脂肪族環を構成する炭素原子間に重合性不飽和結合を有するか、または、環を構成する炭素原子と環外の炭素原子との間に重合性不飽和結合を有することを意味する。この脂肪族環としては含フッ素脂肪族環であることが好ましく、前記のように環を構成する原子として酸素原子を有していてもよい。
【0044】
以下、含フッ素脂肪族環に重合性不飽和結合を有するモノマーを含フッ素脂肪族不飽和環状モノマーという。含フッ素脂肪族不飽和環状モノマーの環を構成する原子としては炭素原子以外に1〜2個の酸素原子を有していてもよい。モノマー(c)は含フッ素脂肪族不飽和環状モノマーであることが好ましい。モノマー(a)、モノマー(b)およびモノマー(f)は含フッ素脂肪族不飽和環状モノマーであってもよい。
【0045】
モノマー(a)としてはフッ化ビニリデンやトリフルオロエチレンが好ましい。しかしこれらのモノマーのホモポリマーは結晶性となることが多く透明性が低い傾向にある。
【0046】
モノマー(b)としては、CHR1=CR23[R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子または1価の含フッ素有機基を表す。]で表されるモノマーが好ましい。具体的には、エチレン、プロピレンなどのオレフィン、フッ化ビニル、1,2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどの重合性不飽和結合の炭素原子に水素原子が結合したフルオロオレフィンがある。モノマー(b)としては、炭素数2〜3のオレフィンと炭素数2〜3のフルオロオレフィンが好ましい。特に好ましいモノマー(b)は、エチレンおよびプロピレンから選ばれたオレフィンおよびフッ化ビニル、1,2−ジフルオロエチレンおよびフッ化ビニリデンから選ばれたフルオロオレフィンである。
【0047】
モノマー(c)としては、CFR4=CR56[R4、R5及びR6はそれぞれ独立にフッ素原子または1価の含フッ素有機基を表すか、R4とR5は共同して2価の含フッ素有機基を表しかつR6はフッ素原子もしくは1価の含フッ素有機基を表すか、または、R5とR6は共同して2価の含フッ素有機基を表しかつR4はフッ素原子もしくは1価の含フッ素有機基を表す。]で表されるモノマーが好ましい。この内、R4とR5が共同して2価の含フッ素有機基を表しかつR6がフッ素原子もしくは1価の含フッ素有機基を表す場合、および、R5とR6が共同して2価の含フッ素有機基を表しかつR4がフッ素原子もしくは1価の含フッ素有機基を表す場合、そのモノマー(c)は含フッ素脂肪族不飽和環状モノマーの1種であり、以下このモノマーを含フッ素脂肪族不飽和環状モノマー(c)という。
【0048】
モノマー(c)としては、具体的には、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどの水素原子を有しないポリフルオロオレフィン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、並びに、下記式1、式2および式3で表される含フッ素脂肪族不飽和環状モノマー(c)などがある。特に好ましいモノマー(c)はパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)[すなわち、R21、R22がいずれもトリフルオロメチル基である式1で表される化合物]である。
【0049】
【化4】
Figure 0004352666
【0050】
上記式1〜式3においてR21〜R26はそれぞれ独立にフッ素原子または含フッ素有機基を表し、含フッ素有機基としてはパーフルオロアルキル基、特に炭素数1または2のパーフルオロアルキル基が好ましい。
【0051】
モノマー(b)とモノマー(c)のコポリマーからなる含フッ素ポリマー(A)としては、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、プロピレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、プロピレン/フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレンコポリマー、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマーなどの主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有しないポリマーであってもよいが、これらは透明性が充分とはいえない。好ましい含フッ素ポリマー(A)はモノマー(b)と上記式1〜式3で表される含フッ素脂肪族不飽和環状モノマー(c)とのコポリマーである。この場合のモノマー(b)としては、エチレンなどのオレフィンおよび不飽和基の炭素原子に水素原子を有するフルオロオレフィンから選ばれた少なくとの1種のモノマーが好ましい。
【0052】
モノマー(b)とモノマー(c)のコポリマーにおけるモノマー(b)の重合により形成されたモノマー単位(以下モノマー単位(b)という。他のモノマー単位についても同様とする。)とモノマー単位(c)との合計に対するモノマー単位(b)の割合は10〜70モル%が好ましい。モノマー(b)がエチレンなどの2個以上の水素原子(重合性不飽和結合の炭素原子に結合した水素原子)を有するモノマーの場合は10〜50モル%が好ましい。特に好ましいモノマー単位(b)の割合は20〜40モル%である。接着剤用の含フッ素ポリマー(A)においてはさらにモノマー単位(b)とモノマー単位(c)との合計に対するモノマー単位(b)の割合が40〜85モル%であるポリマーも好ましい。
【0053】
なお、このポリマーにおける全モノマー単位に対するモノマー単位(b)とモノマー単位(c)の合計の割合は50〜100モル%が好ましく、特に80〜100モル%が好ましい。最も好ましいポリマーはモノマー(b)とモノマー(c)のみからなるコポリマー(ただし各モノマーは2種以上であってもよい。)である。
【0054】
モノマー(d)としては、CR=CR9−Q−CR10=CF2[ただし、R7、R8、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子または1価の含フッ素有機基を表し、R7、R8及びRの1〜3つは水素原子であり、Qは2価の含フッ素有機基を表す。]で表されるモノマーが特に好ましい。R、R及びRは、少なくとも一つが水素原子であり、他は水素原子またはフッ素原子であることが好ましい。特に、R、R及びRがすべて水素原子であることが好ましい。R10としてはフッ素原子または炭素数2以下のパーフルオロアルキル基が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
【0055】
Qとしては、炭素数10以下の、エーテル性酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基が好ましい。エーテル性酸素原子はパーフルオロアルキレン基の一方の末端に存在していてもよく、両末端に存在していてもよく、炭素原子間に存在していてもよい。エーテル性酸素原子を有しないパーフルオロアルキレン基の場合は炭素数2〜6、一方の末端にエーテル性酸素原子を有するまたは炭素原子間にエーテル性酸素原子を有するパーフルオロアルキレン基の場合は炭素数1〜4、両末端にエーテル性酸素原子を有するパーフルオロアルキレン基の場合は炭素数1〜3であることがより好ましい。分岐部の炭素原子を除いた炭素原子と酸素原子の合計数は2〜4であることが最も好ましい。
【0056】
Qとしては、2,2−ジフルオロビニル基側にエーテル性酸素原子を有する炭素数4以下のパーフルオロアルキレン基、炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する炭素数4以下のパーフルオロアルキレン基およびエーテル性酸素原子を有しない炭素数4以下のパーフルオロアルキレン基が好ましい。さらに好ましいQは2,2−ジフルオロビニル基側にエーテル性酸素原子を有する炭素数4以下のパーフルオロアルキレン基である。
【0057】
すなわち、最も好ましいモノマー(d)は、CH2=CH−Rf−O−CF=CF2または、CH=CF−Rf−O−CF=CF2またはCF=CH−Rf−O−CF=CF2 [ただし、Rfは炭素数1〜4のパーフルオロアルキレン基を表す。]で表されるモノマーである。このモノマーは環化重合性が高く、短波長光の透過性が高く機械的強度の高いポリマーが得られる(特開昭63−238111号公報、特開昭63−238113号公報等参照)。Rfとしては分岐を除いて炭素数1〜3のパーフルオロアルキレン基が好ましい。分岐が存在する場合は、分岐はトリフルオロメチル基が好ましく、分岐の数は1〜2が好ましい。
CR=CR−Q−CR10=CFの環化重合により、下記のような環状モノマー単位を有するポリマーが生成する。
【0058】
【化5】
Figure 0004352666
【0059】
なお、CR=CR9−Q−CR10=CF2で表されるモノマー(d)としては、例えば以下の化合物がある。
【0060】
【化6】
CH=CHCFCFOCF=CF
CH=CHCFCFCFOCF=CF
CH=CHCFOCF=CF
CH=CHCF(CF)CFOCF=CF
CF=CHCF(CF)CFOCF=CF
CH=CHCFOCFCF=CF
CH=CFCFCFOCF=CF
CH=CFCF(CF)CFOCF=CF
CF=CHCFCFOCF=CF
CF=CHCF(CF)CFOCF=CF
含フッ素ポリマー(A)は、モノマー(d)のホモポリマー(ただし、モノマー(d)の2種以上のコポリマーであってもよい)であってもよく、他のモノマーとのコポリマーであってもよい。他のモノマーとしては、モノマー(a)、モノマー(b)、モノマー(c)、モノマー(e)などがある。コポリマーとしてはモノマー(d)とモノマー(c)のコポリマーおよびモノマー(d)とモノマー(e)のコポリマーが好ましく、モノマー(d)とモノマー(c)のコポリマーがより好ましい。この場合のモノマー(c)としては、前記の含フッ素脂肪族不飽和環状モノマー(c)が好ましい。
【0061】
この含フッ素ポリマー(A)における全モノマー単位に対するモノマー単位(d)の割合は30〜100%が適当であり、35〜100%が好ましく、100%であることが最も好ましい。
【0062】
モノマー(e)としては、モノマー(d)の重合性不飽和結合の炭素原子に結合した水素原子がすべてフッ素原子またはパーフルオロアルキル基に置換されたモノマーが好ましい。より好ましくは、 CF2=CR31−Q−CR32=CF2 [R31、R32はそれぞれ独立にフッ素原子または1価の含フッ素有機基を表し、Qは前記に同じ。]で表されるモノマーが好ましい。ただし、前記したQにおけるエーテル性酸素原子の位置や数の制約はない。具体的には前記(化3)に示すモノマーがあげられる。
【0063】
モノマー(f)としては前記モノマー(a)やモノマー(b)を使用しうる。特にモノマー(b)が好ましい。モノマー(e)とモノマー(f)の共重合においてはモノマー(e)は環化重合により含フッ素脂肪族環構造を有するモノマー単位を形成し、このモノマー単位(e)とモノマー単位(f)とを有するコポリマーが生成する。モノマー単位(e)とモノマー単位(f)とを有するコポリマーはさらに他のモノマー単位を有していてもよく、例えば前記モノマー単位(c)を有していてもよい。
【0064】
モノマー(e)とモノマー(f)のコポリマーにおいて、モノマー単位(e)とモノマー単位(f)との合計に対するモノマー単位(f)の割合は10〜70モル%が好ましい。エチレンなどの2個以上の水素原子(重合性不飽和結合の炭素原子に結合した水素原子)を有するモノマー(f)の場合は10〜60モル%が好ましい。特に好ましいモノマー(f)の割合は20〜50モル%である。なお、このポリマーにおける全モノマー単位に対するモノマー単位(e)とモノマー単位(f)の合計の割合は50〜100モル%が好ましく、特に70〜100モル%が好ましい。
【0065】
含フッ素ポリマー(A)は前記のように含フッ素脂肪族環構造を有するモノマー単位を含むポリマーであることが好ましい。含フッ素ポリマー(A)における全モノマー単位に対するこの含フッ素脂肪族環構造を有するモノマー単位の割合は、20モル%以上、特に40モル%以上であることが好ましい。
特に好ましい含フッ素ポリマー(A)は、モノマー(d)のホモポリマー、および、含フッ素脂肪族不飽和環状モノマー(c)とモノマー(d)とのコポリマーである。
【0066】
また、本発明者の検討によれば、含フッ素ポリマー(A)の主鎖の炭素原子においてフッ素原子が結合した炭素原子(特にCF2基)のみが多数連続して存在するとその部分の電子遷移エネルギーが低下するため、170nm未満の光をより吸収しやすくなり透過率を低下させる原因となると考えられる。水素原子が結合した炭素原子(特にCH2基)のみが多数連続して存在する場合も同様と考えられる。したがって、ポリマー中にモノマー単位(c)やモノマー単位(e)などのモノマー単位のみが多数連続したブロックが存在することは好ましくない(モノマー単位(b)やモノマー単位(f)などのモノマー単位についても同様)。
【0067】
ポリマー全体として平均して上記モノマー単位のみの連鎖はモノマー単位数で10個以下、特に8個以下であることが好ましい。したがって、コポリマーである含フッ素ポリマー(A)は、前記のようなモノマー単位の割合であることに加えて、ランダムコポリマーであることが好ましい。
【0068】
非晶質パーフルオロポリマーまたは含フッ素ポリマー(A)は前述のような原料を使用して、塊重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの重合法で製造される。特に重合媒体を用いる溶液重合が好ましい。
ペリクル膜は通常非晶質パーフルオロポリマー又は含フッ素ポリマー(A)の溶液を用いて製膜することにより製造される。溶剤としてはこれらのポリマーを溶解するものであれば特に限定されないが、塩素含有化合物でないことが好ましい。例えば、以下の含フッ素溶剤を用いうる。
【0069】
パーフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等のポリフルオロ芳香族化合物。パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン等のパーフルオロトリアルキルアミン化合物。パーフルオロデカリン、パーフルオロシクロヘキサン等のパーフルオロシクロアルカン化合物。パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)等のポリフルオロ環状エーテル化合物。
【0070】
パーフルオロオクタン、パーフルオロデカン、2H,3H−パーフルオロペンタン、1H−パーフルオロヘキサン等のポリフルオロアルカン類。メチルパーフルオロイソプロピルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、メチル(パーフルオロヘキシルメチル)エーテル、メチルパーフルオロオクチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル等のポリフルオロエーテル類。
【0071】
ポリマー溶液からペリクル膜を製造する方法としては、ロールコート法、キャスト法、ディップ法、スピンコート法、水上キャスト法、ダイコート法、ラングミュア・ブロジェット法などの溶液から膜を形成させる方法により基材上にポリマーの薄膜を形成する方法が使用できる。薄膜の厚さは通常0.01〜50μmの範囲から選定される。ペリクル膜の場合は、非常に厳密な膜厚形成が求められるため、スピンコート法がより好ましい。基材としては、シリコンウエハ、石英ガラス等で表面が平坦なものが好ましい。
【0072】
本発明における接着剤としては、ペリクル膜として好ましい非晶質パーフルオロポリマーまたは含フッ素ポリマー(A)から形成されていることが好ましい。接着剤としては必ずしもペリクル膜ほどの透明性が要求されないことから、主鎖に脂肪族環構造を有しないポリマーであってもよいが、官能基を有する非晶質パーフルオロポリマーまたは含フッ素ポリマー(A)が好ましい。
【0073】
該官能基としては、フレームやペリクル膜に対して接着性を発現しうるものであれば特に制約はなく、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、エステル結合を有する基、アルケニル基、加水分解性シリル基、水酸基、マレイミド基、アミノ基、シアノ基、イソシアネート基などが挙げられる。この官能基としては、フレーム材料であるアルミニウムなどの金属類に対する接着性が良好で、保存安定性に富み、比較的低温でその効果が発現できる観点より、カルボン酸基が特に好適である。
【0074】
官能基の数は、接着性の効果が充分発現できることから、ポリマー1g当たり0.001ミリモル以上であることが好ましく、接着剤の耐久性を良好に保てることからポリマー1g当たり1ミリモル以下であることが好ましい。
【0075】
官能基の導入は、該官能基を有するモノマーを共重合させること、または該官能基の代わりに該官能基に変換しうる基(以下、「前駆官能基」という。)を有するモノマーを共重合させた後、その前駆官能基を官能基に変換することによって得ることもできる。前駆官能基としては、例えばアルコキシカルボニル基があり、このアルコキシカルボニル基は加水分解によりカルボン酸基に変換される。具体的方法としては例えば前記特開平11−279504号公報に記載されている方法がある。
また、重合開始剤や連鎖移動剤などに由来する重合体末端基を官能基として利用することもできる。
【0076】
接着性官能基を導入したパーフルオロ環構造含有ポリマー、およびその製造方法は公知である(特開平4−189880号公報、特開平4−226177号公報、特開平6−220232号公報参照)。
【0077】
さらに、接着剤として使用する非晶質パーフルオロポリマー、含フッ素ポリマー(A)、官能基含有非晶質ペーフルオロポリマーまたは官能基含有含フッ素ポリマー(A)に、接着性向上のために、シラン系、エポキシ系、チタン系、アルミニウム系などのカップリング剤などの接着性向上剤を配合してもよい。
【0078】
【実施例】
次に、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(合成例1)[パーフルオロポリマーの合成例]
超純水にて洗浄し、遊離塩素濃度1ppm以下まで精製した後、精密蒸留したパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)35g、超純水150g、分子量調節剤として半導体グレード用メタノール6gおよび重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート90mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。系内を窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行って、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性パーフルオロポリマーを33g得た。
【0079】
このポリマーの固有粘度[η]は、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で0.35dl/gであり、ガラス転移温度は108℃であった。このポリマーは室温ではタフで透明なガラス状のポリマーであり、また10℃/分の昇温速度で測定した10%熱分解温度は465℃であった。
【0080】
このポリマーをあらかじめ精密蒸留により精製したパーフルオロトリブチルアミン中に6%になるように溶解し、ニッケル製1リットルオートクレーブ中に入れ、20%フッ素ガスを圧力で0.7MPa・Gまで導入した後、195℃で10時間撹拌しながらフッ素化し、開始剤に起因する末端基のないポリマー(以下、重合体Aという。)を得た。得られたポリマーの圧縮成形フィルムの赤外線吸収スペクトルを測定したところ、−COF基に由来する1883cm-1の特性吸収は認められなかった。
また、放射化分析により求めた重合体Aの総塩素含有量は2.8ppmであった。
(合成例2)[含フッ素ポリマーの合成例]
あらかじめ超純水にて洗浄し、塩素含量1ppm以下まで精製した後、精密蒸留した 1,1,2,4,4,5−ヘキサフルオロ−3−オキサ−5−トリフルオロメチル−1,6−ヘプタジエン[CH=CHCF(CF)CFOCF=CF]30gおよびあらかじめ超純水にて洗浄した後、蒸留精製した1H−パーフルオロヘキサン[CFCFCFCFCFCFH]80gを窒素置換した内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。
【0081】
重合開始剤としてビス(ヘプタフルオロブチリル)パーオキシドの3%1H−パーフルオロヘキサン溶液を567mg加え(有効成分量17mg)、系内を再度窒素で置換した後、5℃で72時間重合を行った。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー(以下重合体Bという)を25g得た。
【0082】
重合体Bの固有粘度[η]は、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で0.56dl/gであった。重合体Bのガラス転移温度は108℃であり、室温ではタフで透明ガラス状のポリマーであり、屈折率は1.34と低かった。
また、放射化分析により求めた重合体Bの総塩素含有量は4.0ppmであった。
(合成例3)[含フッ素ポリマーの合成例]
あらかじめ超純水にて洗浄し、遊離塩素濃度1ppm以下に精製した後、精密蒸留した1,1,2,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−3−オキサ−1,6−ヘプタジエン[CH2=CHCF2CF2OCF=CF2]20gおよびあらかじめ超純水にて洗浄した後、精密蒸留した 1H−パーフルオロヘキサン60gを内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。重合開始剤としてビス(ヘプタフルオロブチリル)パーオキシドの3%1H−パーフルオロヘキサン溶液667mg(有効成分20mg)を加え、系内を窒素で置換した後、18℃で10時間重合を行った。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー(以下、重合体Cという)を10g得た。
【0083】
重合体Cの固有粘度[η]は、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン中30℃で0.96dl/gであった。重合体Cのガラス転移点は90℃であり、室温ではタフで透明なガラス状のポリマーであり、屈折率は1.36と低かった。
【0084】
一方、上記と同じ方法で得た重合体Cを空気中320℃で3時間熱処理した後に超純水中に浸漬して変性した。変性された重合体CのIRスペクトル測定によりカルボキシル基のピークが確認され、その量は0.005ミリモル/gであった。この変性された重合体Cを以下接着剤Cという。
また、放射化分析により求めた接着剤Cの総塩素含有量は4.0ppmであった。
(合成例4)[パーフルオロポリマーの合成例 比較例]
合成例1に示した超純水洗浄を行わなかったパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)35g、イオン交換水150g、分子量調節剤としてメタノール6gおよび重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート90mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。系内を窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行って、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する非結晶性パーフルオロポリマーを33g得た。
【0085】
このポリマーの固有粘度[η]は、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で0.35dl/gであり、ガラス転移温度は108℃であった。このポリマーは室温ではタフで透明なガラス状のポリマーであり、また10℃/分の昇温速度で測定した10%熱分解温度は465℃であった。
【0086】
このポリマーをパーフルオロトリブチルアミン中に6%になるように溶解し、ニッケル製1リットルオートクレーブ中に入れ、20%フッ素ガスを圧力で0.7MPa・Gまで導入した後、195℃で10時間撹拌しながらフッ素化し、開始剤に起因する末端基のないポリマー(以下、重合体Dという。)を得た。得られたポリマーの圧縮成形フィルムの赤外線吸収スペクトルを測定したところ、−COF基に由来する1883cm-1の特性吸収は認められなかった。
また、放射化分析により求めた重合体Dの総塩素含有量は20ppmであった。
(合成例5)[含フッ素ポリマーの合成例 比較例]
合成例3で示した超純水洗浄を行わなかった1,1,2,4,4,5−ヘキサフルオロ−3−オキサ−5−トリフルオロメチル−1,6−ヘプタジエン30gおよび超純水にて洗浄処理をおこなわなかった1H−パーフルオロヘキサン70gを窒素置換した内容積100mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。
【0087】
重合開始剤としてビス(ヘプタフルオロブチリル)パーオキシドの3%ペンタフルオロジクロロプロパン溶液567mg(有効成分17mg)を加え、系内を再度窒素で置換した後、5℃で72時間重合を行った。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー(以下重合体Eという)を24g得た。
【0088】
重合体Eの固有粘度[η]は、パーフルオロ(2―ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で0.60dl/gであった。重合体Eのガラス転移温度は108℃であり、室温ではタフで透明ガラス状のポリマーであり、屈折率は1.34と低かった。
また、放射化分析により求めた重合体Eの総塩素含量は24ppmであった。
【0089】
(実施例1)
合成例1の重合体Aの7gとパーフルオロトリブチルアミンの93gをガラス製フラスコ中に入れて40℃にて24時間加熱撹拌した。その結果、無色透明で濁りのない均一な溶液を得た。この溶液を研磨したガラス板上にスピン速度500rpmにて10秒間、その後2000rpmにて20秒間スピンコートを実施した後、80℃にて1時間、さらに180℃にて1時間加熱処理することにより、ガラス板上に均一で透明な膜が得られた。
【0090】
一方、接着剤Cの7gと1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンの93gを上記と同様に処理して得た溶液をアルミニウムフレーム上に塗布し、室温で2時間乾燥した。その後、120℃のホットプレート上に接着面を上にしてアルミニウムフレームを載せて10分間加熱し、上記重合体Aの膜が形成されたガラス板を膜面をフレーム側にして圧着した。その状態で120℃で10分間保持して接着を完結させた。その後、膜をガラス板から剥離して、アルミニウムフレームに重合体Aからなる膜厚約1μmの均一な自立膜がついたペリクルを得た。重合体Aの膜の193nmの光の透過率は95%以上であった。
【0091】
合成例2の重合体Bの7gとパーフルオロトリブチルアミンの93g、合成例4の重合体Dの7gとパーフルオロトリブチルアミンの93g、合成例5の重合体Eの7gとパーフルオロトリブチルアミンの93gをそれぞれ用いて、上記と同じ方法により接着剤Cを用いてアルミニウムフレームに重合体B、D、Eからなる膜厚約1μmの均一な自立膜がついたペリクルを得た。重合体Dの膜の193nmの光の透過率は95%以上と高く、重合体B、Eの膜の157nmの光の透過率は95%以上であった。
【0092】
しかしながら重合体A、Dの膜を有するペリクルについてそれぞれフォトリソグラフィに用いられる193nmを発振するArFエキシマレーザーおよび157nmを発振するF2エキシマレーザー光の照射試験を行ったところ、重合体Dの膜は耐性が不十分であり、Aの膜は十分な耐性を示した。また重合体B、Eの膜を有するペリクルについてそれぞれフォトリソグラフィに用いられる157nmを発振するF2エキシマレーザー光の照射試験を行ったところ、重合体Eの膜は耐性が不十分であり、Bの膜は十分な耐性を示した。また、上記いずれの照射試験においても、ペリクル膜のアルミニウムフレームからの剥離はなく、接着剤Cは、充分な耐性を示した。
【0093】
【発明の効果】
本発明の低塩素含有ポリマーを用いたペリクルは波長200nm以下の短波長領域において透過率が高く、今後のより微細な加工に使用される短波長レーザー光に対して高い耐久性を示す。したがって、次世代のフォトリソグラフィに用いられるマスクの防塵膜として優れた効果を有し、製品の歩留まり向上に有効である。

Claims (7)

  1. ペリクル膜とフレームとからなり、波長100〜200nmの光による露光処理に用いるペリクルであって、該ペリクル膜または該ペリクル膜をフレームに固定する接着剤が含フッ素ポリマーからなり、該含フッ素ポリマー中の総塩素含量が10ppm以下であることを特徴とするペリクル。
  2. ペリクル膜が非晶質パーフルオロポリマーあるいは含フッ素ポリマー(A)から形成されている請求項1に記載のペリクル。
    含フッ素ポリマー(A):炭素原子の連鎖を主鎖とする実質的に線状の含フッ素ポリマーであって、主鎖の炭素原子として1個または2個の水素原子が結合した炭素原子と水素原子が結合せずかつフッ素原子または含フッ素有機基が結合した炭素原子とを含む含フッ素ポリマー。
  3. 請求項2に記載の非晶質パーフルオロポリマーまたは含フッ素ポリマー(A)が実質的に塩素を含まないモノマーを用いて、かつ実質的に塩素を含まない連鎖移動剤や開始剤を用いて、実質的に塩素を含まない媒体中で重合された請求項2に記載のペリクル。
  4. 非晶質パーフルオロポリマーが主鎖に脂肪族環構造を有するパーフルオロポリマーである、請求項2又は3に記載のペリクル。
  5. 含フッ素ポリマー(A)が、CR=CR−Q−CR10=CF2[ただし、R7、R8、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子または1価の含フッ素有機基を表し、R7、R8及びRの1〜3つは水素原子であり、Qは2価の含フッ素有機基を表す。]で表されるモノマーの環化重合により形成されたモノマー単位を有するポリマーである、請求項2又は3に記載のペリクル。
  6. 波長100〜200nmの光を用いたフォトリソグラフィにおける露光処理方法において、請求項1〜5のいずれかに記載のペリクルを用いることを特徴とする露光処理方法。
  7. 波長100〜200nmの光がフッ化アルゴンエキシマレーザーまたはフッ素ガスエキシマレーザーを光源とする、請求項6に記載の露光処理方法。
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