JP4352470B2 - 冷延鋼帯の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷延鋼帯、特に連続焼鈍工程を経て冷延鋼帯を製造する際に、製鋼、熱延、冷間工程における製造条件が変更されても、狙い通りの板厚や板幅の冷延鋼帯製品(表面処理鋼帯、電磁鋼帯を含む)が得られるようにできる冷延鋼帯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼生産において、製鋼、熱延、冷間工程を経て冷延鋼帯製品を生産する場合、まず、顧客からの製品仕様を満足するように、製造を開始する前に、予め各工程の製造条件を設定し、データベース上に保管する。次に、当該材料が各々の工程に装入される前に、前記で設定した製造条件を、当該工程を統括する計算機に伝送したりあるいは運転員に指示して製造を行っている。
【0003】
図6は、従来技術の処理フローの一例を示すフローチャートで、連続焼鈍工程を経て冷延鋼帯を製造する場合である。客先の要求する製品をつくるために、オーダー情報を基にして、予め鋼種や製造条件などの計画情報を設定し、計画情報のデータベース(計画DB)に保管している。実際に使用した鋼種や実際の操業条件に関する情報(現品情報)は、現品情報のデータベース(現品DB)に保有している。
【0004】
図6のフローチャートでは、板厚、板幅の設定を次のように行っていた。板厚については、予定の鋼種、製造条件を基に、製品板厚(製品狙い厚)を基準にして、めっきなどの皮膜厚みやテンパー調圧による板厚変化量をテーブル乃至計算式によって求め、その数値を補正あるいは上乗せして、冷間圧延目標板厚(以下、冷延目標厚という)を設定していた。
【0005】
更に、冷延目標厚から製品に要求される材料特性から定まる冷間圧延率(={熱間圧延目標厚−冷延目標厚}/熱間圧延目標厚×100%)、あるいは、熱延ミルや冷延ミルの設備的な制約を考慮して、熱間圧延目標厚(以下、熱延目標厚という)をテーブル乃至計算式により求め設定していた。
【0006】
板幅については、予定の鋼種、製造条件を基に、製品幅(製品狙い幅)を基準にして、冷間圧延、連続焼鈍での板幅変化量をテーブル乃至計算式によって求め、その数値を上乗せして、酸洗後目標板幅(以下、酸洗後幅という)を設定していた。
【0007】
また、熱延〜冷間圧延間でサイドトリミングしない材料については、前記酸洗後幅をそのまま熱間圧延目標板幅(以下、熱延目標幅という)として設定し、サイドトリミングする材料については、酸洗ラインでのトリム代をテーブル乃至計算式によって求め、前記幅にトリム代を上乗せして熱延目標幅を設定していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実生産においては、常に計画情報通りの鋼種、計画情報通りの製造条件で操業が行われるわけではない。実生産では、生産効率を上げるために、上記計画DBに保管されている鋼種よりも上位(高グレード)の鋼種を使用したり、熱延などの操業条件を変更したりすることも少なくない。
【0009】
このような当初予定の鋼種や製造条件と異なるようになった現品に対しても、当初設定された熱延目標厚、冷延目標厚、熱延目標幅、酸洗後幅がそのまま適用される。そのため、最終製品の寸法変動が大きくなり、製品の寸法公差を外れることがあった。
【0010】
例えば、図6のフローチャートにおいて、鋼種の変更があった場合、熱延目標厚、冷延目標厚、熱延目標幅、酸洗後幅は、計画情報がそのまま適用されるので、板厚不良や板幅不良になることがままあった。
【0011】
近年、市場における冷延鋼帯製品に対する寸法精度の要求が厳しくなっており、前記した問題点の改善の必要性が増大している。板厚精度を向上するために、板厚プロフィル制御の可能な熱延ミルや冷延ミルの開発・導入などのハード面の改善が行われてきたが、依然として板厚に関する前記問題点でさえ解決されていないのが実状である。
【0012】
また、近年連続焼鈍ラインや連続焼鈍炉を有する溶融亜鉛めっきラインで生産される冷延鋼帯製品の生産量や規格種類が増加し、多数のラインで多種類の規格の鋼帯が製造されるようになった。本発明者らが、これらのラインで製造された鋼帯の寸法変動について調査したところ、連続焼鈍炉内でも板厚が減少することが判明し、これが板厚精度に与える影響を無視できないことがわかってきた。
【0013】
また、従来テンパー調圧での板幅縮み量は考慮されていなかった。あるいは、連続焼鈍にテンパーミルが装備されている場合には、板幅縮み量は単純に当該設備の焼鈍炉入側での板幅とテンパーミル出側での板幅との差で板幅縮み量を表していた。しかし、焼鈍条件及び/又は伸長率が変更された場合、狙いどおりの寸法の鋼板を得るには、その変更条件に見合った板幅縮み量を考慮する必要のあることもわかってきた。
【0014】
上記の問題点を鑑み、本発明の目的は、狙い通りの製品寸法が得られるようにできる冷延鋼帯の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の手段は以下の通りである。
【0016】
(1)連続焼鈍工程を経て冷延鋼帯を製造するにあたって、予め定められた標準製造条件に対し、現品の鋼の成分実績や熱延の製造実績条件に基いて、連続焼鈍時の寸法減少量を考慮して連続焼鈍へ装入する冷延鋼帯の冷延目標厚及び/又は鋼帯幅を再設定することを特徴とする寸法変動の小さい冷延鋼帯の製造方法(第一発明)。
【0017】
(2)連続焼鈍工程を経て冷延鋼帯を製造するにあたって、予め定められた標準製造条件に対し、現品の鋼の成分実績や熱延の製造実績条件に基いて、現品の板厚減少量や板幅減少量を考慮して、熱延目標厚、冷延目標厚の少なくとも一方、及び/又は、熱延目標幅、酸洗後幅の少なくとも一方を再設定することを特徴とする寸法変動の小さい冷延鋼帯の製造方法(第二発明)。
【0018】
(作用)
第一発明では、予め設定した連続焼鈍へ装入する冷延鋼帯の冷延目標厚や鋼帯幅を一旦取り消し、現品の鋼成分実績や熱延の実績製造条件に基いて、連続焼鈍時の寸法減少量を考慮して再演算して修正し、現品情報の中に再設定するので、連続焼鈍後の寸法を均一にできる。
【0019】
また、第二発明では、予め設定した熱延目標厚、冷延目標厚、熱延目標幅、酸洗後幅を一旦取り消し、現品の鋼の成分実績や熱延の実績製造条件を基に、現品の板厚減少量や板幅減少量を適切に考慮して再演算して修正し、現品情報の中に再設定する。現品を各々の製造工程に装入する際、現品の板厚減少量や板幅減少量を適切に考慮して修正、再設定した熱延目標厚、冷延目標厚、熱延目標幅、酸洗後幅が指示されるので、最終的に狙い通りの寸法の製品を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、連続焼鈍工程を経て冷延鋼帯を製造する場合を例に挙げて具体的に説明する。
【0021】
図1は、連続焼鈍工程を経て冷延鋼帯を製造する場合における本発明の主要な処理部分を示すフローチャートである。客先の要求する製品をつくるために、オーダー情報を基にして、製造条件設定ブロックで、予め設定された製造条件設定プログラムに従い、鋼種や各工程の製造条件などの計画情報が設定され、計画情報のデータベース(計画DB)上に保管されている。計画情報には、鋼種、鋼成分とその許容範囲、予定通過ライン、予定通過ラインにおける製造条件とその許容範囲や前記に基く計画熱延目標厚、計画冷延目標厚、計画熱延目標幅、計画酸洗後幅等が設定されている。
【0022】
また、実際に使用した鋼種、鋼成分、各製造工程における実際の操業条件に関する情報(現品情報)が、現品情報のデータベース(現品DB)に保有されている。
【0023】
なお、図1において、計画熱延目標厚、計画冷延目標厚等は、計画情報に設定されている熱延目標厚、冷延目標厚等であり、補正熱延目標厚、補正冷延目標厚等は、現品情報に基いて修正して再設定した熱延目標厚、冷延目標厚等を表している。
【0024】
表1は、計画DBの鋼種、鋼成分、製造条件等の計画情報の一例である。現品DBの現品情報の項目は計画DBと同じであるが、作業済の工程は実績、未作業の工程については今後の予定通過ラインとそれらのラインにおける予定製造条件が設定されている。
【0025】
【表1】
【0026】
計画情報、現品情報に基いて、板厚、板幅を再設定する方法について、以下に説明する。まず、板幅再設定方法について説明する。計画情報の熱延目標幅、酸洗後幅は、オーダー情報に基いて、表2のように演算され設定されている。板幅については、連続焼鈍幅縮み量とテンパー調圧幅縮み量に分離して設定されている。
【0027】
【表2】
【0028】
熱間圧延前に、判定器で鋼成分実績が計画情報の許容範囲を外れるか否かを判定し、許容範囲を外れる場合は、熱間圧延前の製造条件再設定ブロックで、予め設定された製造条件再設定プログラムに従い、計画情報および実績鋼種、鋼成分実績、実績製鋼条件等の現品情報に基いて、熱延以降の予定通過ラインおよび各通過予定ラインにおける予定製造条件、例えば熱延温度条件、焼鈍条件、テンパー調圧の伸長率などを再設定し、現品DBを更新して保管する。
【0029】
次に、熱延・酸洗幅再設定ブロックで、予め設定された熱延・酸洗幅再設定プログラムに従い、以下に説明するようにして、計画情報、現品情報の鋼種、鋼成分、製造条件等の読み込みを行い、冷間圧延による板幅縮み量、焼鈍による板幅縮み量、テンパー調圧による板幅縮み量を再演算するとともに、鋼成分実績の基準からのずれや熱延温度実績の目標からのずれによる焼鈍時の板幅縮み量の補正を行い、熱延目標幅、酸洗後幅を、修正して再設定して、現品DBを更新して保管する。
【0030】
まず、冷間圧延による板幅縮み量を求める。予め、冷間圧延ライン毎に、鋼種、板厚、板幅別に、板幅縮み量の調査を行い、テーブルまたは式にしたものを用意する(当実施例では図2に示すようにテーブルにしている)。その材料の冷間圧延ライン、鋼種を、現品DBから読み込み、図2から符合する板幅縮み量(▲1▼)を取り出す。
【0031】
次に、焼鈍による板幅縮み量を求める。予め、焼鈍ライン毎に、鋼種、焼鈍条件、板厚、板幅別に、板幅縮み量の調査を行い、テーブルまたは式にしたものを用意する(当実施例では図3に示すようにテーブルにしている)。その材料の焼鈍ライン、鋼種、焼鈍条件を現品DBから読み込み、図3から符合する板幅縮み量(▲2▼)を取り出す。
【0032】
次に、テンパー調圧による板幅縮み量を決定する。予め、伸長率毎に、鋼種、板厚、板幅別に、板幅縮み量の調査を行い、テーブルまたは式にしたものを用意する(当実施例では図4に示すようにテーブルにしている)。その材料の伸長率を現品DBから読み込み、図4から符合する板幅縮み量(▲3▼)を取り出す。
【0033】
つづいて、鋼成分実績の基準からのずれと、熱延温度実績の目標からのずれを、それぞれ焼鈍時の板幅縮み量に換算し、補正する。予め、鋼成分の基準からのずれによる焼鈍時の板幅縮み量の影響度と熱延実績の予定からのずれによる焼鈍時の板幅縮み量の影響度を調査し、例えば、それぞれ式(1)、式(2)のように保有しておく。これを使用し、鋼成分実績による板幅補正量(▲4▼)、熱延実績による板幅補正量(▲5▼)を求める。
【0034】
【数1】
【0035】
【数2】
【0036】
再演算した冷間圧延による板幅縮み量(▲1▼)、焼鈍による板幅縮み量(▲2▼)、テンパー調圧による板幅縮み量(▲3▼)、および実績鋼成分の基準からのずれ、熱延温度実績の目標からのずれによる焼鈍時の板幅縮み量の補正量(▲4▼、▲5▼)の総和をH1とする。但し、
H1=▲1▼+▲2▼+▲3▼+▲4▼+▲5▼ …(3)
この演算結果に基き、熱延目標幅、酸洗後幅を、それぞれ式(4)、式(5)によって、修正して再設定し、現品DBに保管する。再設定した熱延目標幅を用いて、熱間圧延を行う。
【0037】
再設定後の熱延目標幅=製品狙い幅+酸洗トリム代+H1 …(4)
再設定後の酸洗後幅=製品狙い幅+H1 …(5)
なお、酸洗トリム代は、計画情報の幅設定に用いられたトリム幅であり、当実施例では表3に示すように、テーブルにして設定している。
【0038】
【表3】
【0039】
また、計画情報に基き演算した板幅縮み量、焼鈍による板幅縮み量、テンパー調圧による板幅縮み量を、それぞれ▲1▼k、▲2▼k、▲3▼k、その総和をH2(=▲1▼k+▲2▼k+▲3▼k)とすると、計画情報の設定幅に対する再設定した熱延目標幅、酸洗後幅の補正量H3は、H3=H1−H2に相当する。
【0040】
次に、酸洗前に、判定器で現品の鋼成分や熱延条件が計画情報に設定された許容範囲を外れるか否かを判定し、許容範囲を外れる場合は、酸洗前の製造条件再々設定ブロックで、計画情報および現品の熱延工程までの実績製造条件などの現品情報に基いて、予め設定された製造条件再々設定プログラムに従い、酸洗工程以降の予定通過ラインおよび各予定通過ラインにおける予定製造条件、例えば焼鈍条件、テンパー調圧の伸長率などを再設定し、現品DBを更新して保管する。
【0041】
次に、冷間圧延前にサイドトリミングする材料について、酸洗前に、酸洗幅再設定ブロックで、予め設定された酸洗幅再設定プログラムに従い、以下に説明するようにして、熱延・酸洗幅再設定ブロックで決めた酸洗後幅を再修正して再々設定し、現品DBを更新して保管する。
【0042】
再修正は、サイドトリミング作業前における現品DBの実績鋼種、鋼成分実績、実績熱延条件、通過予定ライン情報に基く予定冷間工程の作業条件に基いて、前記熱延・酸洗幅再設定ブロックの手順と同様の手順で、冷間圧延による幅縮み量(▲1▼n)、焼鈍による板幅縮み量(▲2▼n)、テンパー調圧による板幅縮み量(▲3▼n)、鋼成分実績による補正量(▲4▼n)、熱延実績による補正量(▲5▼n)を求める。この総和をH4とする。但し、
H4=▲1▼n+▲2▼n+▲3▼n+▲4▼n+▲5▼n …(6)
この場合、再々設定する酸洗後幅は、式(7)によって与えられる。この再々設定した酸洗後幅を用いて、サイドトリミング作業を行う。
再々設定後の酸洗後幅=製品狙い幅+H4 …(7)
【0043】
次に、板厚再設定方法について説明する。冷間圧延の前に、冷延厚再設定ブロックで、予め設定された冷延厚再設定プログラムに従って、以下に説明するようにして、計画情報および鋼種、鋼成分、製造条件等の現品情報の読み込みを行い、焼鈍による板厚縮み量、テンパー調圧による板厚縮み量を実績DBの情報を基に再演算するとともに、鋼成分実績の基準からのずれや熱延温度実績の目標からのずれによる焼鈍時の板厚縮み量の補正を行い、冷延目標厚を修正して再設定し、現品DBを更新して保管する。
【0044】
まず、焼鈍による板厚縮み量を再演算する。予め、焼鈍ライン毎に、鋼種、焼鈍条件、板厚、板幅別に、板厚縮み量の調査を行い、この関係をテーブルまたは式にしたものを用意する(当実施例では、図5に示すようにテーブルにしている)。冷間圧延前の材料の焼鈍ライン、鋼種、焼鈍条件を現品DBから読み込み、図5から符合する板厚縮み量(▲6▼)を取り出す。
【0045】
次に、テンパー調圧による板厚縮み量を再演算する。その材料のテンパー伸長率を現品DBから取り出し、板厚縮み量(▲7▼)を式(8)から決定する。
【0046】
テンパー調圧による板厚縮み量(▲7▼)=(100+ε)/100 …(8)
但し、ε=テンパー伸長率(%)
つづいて、鋼成分実績の基準からのずれ、熱延温度実績の目標からのずれを、それぞれ焼鈍時の板厚縮み量に換算し、補正する。予め、鋼成分の基準からのずれによる焼鈍時の板厚縮み量の影響度、熱延実績の目標からのずれによる焼鈍時の板厚縮み量の影響度を調査し、例えば、それぞれ式(9)、式(10)のように保有しておく。これらを使用し、鋼成分実績による板厚補正量(▲8▼)、熱延実績による板厚補正量(▲9▼)を求める。
【0047】
【数3】
【0048】
【数4】
【0049】
予め設定した計画情報の冷延目標厚を一旦取り消し、冷延目標厚を式(11)によって補正して再設定し、再設定した冷延目標厚を、現品DBを更新して保管する。再設定した冷延目標厚を用いて、冷間圧延を行う。
【0050】
補正後冷間目標厚=製品狙い厚×▲6▼×▲7▼×▲8▼×▲9▼ …(11)
また、必要に応じて、熱間圧延前の熱延・冷延厚再設定ブロックで、予め設定された熱延・冷延厚再設定プログラムに従い、既に説明した冷延厚再設定ブロックの手順と同様の手順で冷延目標厚の補正を行い、補正後の冷延目標厚に基いて、熱延目標厚を再設定する。例えば、補正後の冷延目標厚が熱延ミルの設備的制約から不適切な場合あるいは補正後の冷延目標厚に基いて予測した平均塑性ひずみ比が目標範囲よりも低い場合のように、補正後の冷延目標厚に基く現品の最終的な材質予測値が目標範囲を下回った場合等、冷間圧延率を変更する必要が生じた場合には、前記補正後の冷延目標厚における冷間圧延率が目標範囲内に入るように、熱延目標厚を予め求めたテーブル又は式で演算して修正し、その結果を現品DBへ再設定する。熱間圧延は、補正後の熱延目標厚を用いて作業を行う。
【0051】
前記によれば、予め設定した連続焼鈍へ装入する冷延鋼帯の冷延目標厚、鋼帯幅(熱延目標幅、酸洗後幅)を一旦取り消し、現品の鋼成分実績や熱延の製造実績条件に基いて、連続焼鈍時の寸法減少量を考慮して再演算して修正し、現品DBに再設定するので、連続焼鈍時の寸法変動の増大を防止できる。
【0052】
また、予め設定した熱延目標厚、冷延目標厚、熱延目標幅、酸洗後幅を、現品の鋼成分実績や熱延の実績製造条件、またそれに伴い変更された後工程の操業条件に基いて、現品の板厚減少量や板幅減少量を適切に考慮して演算して修正し、現品DBに再設定する。現品を各々の製造工程に装入する際、現品の板厚減少量や板幅減少量を適切に反映して再設定された前記目標板厚や目標板幅が指示されるので、最終的に狙い通りの板厚や板幅の製品を得ることができる。
【0053】
なお、本発明においては、再設定する板厚、板幅は、熱延目標厚、冷延目標厚の少なくとも一方、あるいは、熱延目標幅、酸洗後幅の少なくとも一方であっても、最終製品の板厚変動や板幅変動を低減する効果がある。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、実績鋼種、鋼成分、熱延条件に基いて、連続焼鈍へ装入する冷延鋼帯の冷延目標厚、鋼帯幅、あるいは、冷延鋼帯の熱延目標板厚、冷延目標板厚、熱延目標幅、酸洗後目標幅が、適切に修正され、指示されるので、製鋼、熱延、冷間工程における製造条件が変更されても、冷延鋼帯製品の板厚や板幅の変動を低減でき、狙い通りの板厚や板幅の冷延鋼帯製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で説明した鋼帯の板厚、板幅修正の主要な処理部分を説明するフローチャート。
【図2】図1のフローチャートにおいて、冷圧設備における板幅縮み量の決定方法の一例を示す図。
【図3】図1のフローチャートにおいて、連続焼鈍ラインにおける板幅縮み量の決定方法の一例を示す図。
【図4】図1のフローチャートにおいて、テンパー調圧における板幅縮み量の決定方法の一例を示す図。
【図5】図1のフローチャートにおいて、連続焼鈍ラインにおける板厚縮み量の決定方法の一例を示す図。
【図6】従来技術の鋼帯の作業フローを示すフローチャート。
Claims (2)
- 連続焼鈍工程を経て冷延鋼帯を製造するにあたって、予め定められた標準製造条件に対し、現品の鋼の成分実績や熱延の製造実績条件に基いて、連続焼鈍時の寸法減少量を考慮して連続焼鈍へ装入する冷延鋼帯の冷延目標厚及び/又は鋼帯幅を再設定することを特徴とする寸法変動の小さい冷延鋼帯の製造方法。
- 連続焼鈍工程を経て冷延鋼帯を製造するにあたって、予め定められた標準製造条件に対し、現品の鋼の成分実績や熱延の製造実績条件に基いて、現品の板厚減少量や板幅減少量を考慮して、熱延目標厚、冷延目標厚の少なくとも一方、及び/又は、熱延目標幅、酸洗後幅の少なくとも一方を再設定することを特徴とする寸法変動の小さい冷延鋼帯の製造方法。
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