JP4352414B2 - タグ通信装置及びタグ通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、送信する電波のビームをスキャンしながら他のタグ通信装置と協働してRFIDタグと無線通信を行うタグ通信装置及びタグ通信システムに関するものである。
近時、RFID(Ratio Frequency Identification)タグを荷物に貼付し、このRFIDタグとリーダライタが無線通信を行うことにより荷物管理を行うという手法が用いられている。例えば、ドックドアなどの荷物入出庫口にリーダライタを設置しておけば、運搬される荷物に付されたRFIDタグから自動的にID(Identification)等のデータを読み取ることができるので物流業務の効率化が図れる。
現在、RFIDタグ向けの周波数帯域としては、13.56MHz帯、800MHz〜960MHz前後のいわゆるUHF帯、2.45GHz帯などがあるが、UHF帯の電波は、2.45GHz帯の電波に比べて物陰に回り込み易い。また、13.56MHz帯の電波に比べて通信可能な距離を数10cm〜数m程度に伸長することができる。このようにUHF帯の電波を利用すれば、通信エリアを比較的広範囲に拡大することが可能となることから、UHF帯の電波は物流業界などで広く利用されている。
その一方、このUHF帯の電波を利用する際には、通信エリアが広くなることから、通信エリア内に存在するRFIDタグが必要以上に多くなってしまうという弊害も生じ、通信エリアを特定の空間領域に制限する手法が各種考えられている。
例えば、その1つの手法として、特許文献1に記載のRFIDリーダ/ライタによる通信手法がある。このRFIDリーダ/ライタにおいては、フェーズドアレイアンテナを用いて送信する電波のビームをスキャンするように構成されており、このRFIDリーダ/ライタをドックドアの左右一側に設置すれば、通信不能部分の無い広い通信領域をカバーし得る。
しかしながら、左右一側にしかこのRFIDリーダ/ライタを設置していないと、例えば、搬入物に電波の通さない物が入っており、しかも、RFIDタグがこのRFIDリーダ/ライタに対し反対側に貼付されていた場合には、読み取ることが出来ない。
そこで、本発明者らは、このような読み取り不良を生じないようにするため、ドックドアの左右両側にこの2台のRFIDリーダ/ライタを対向設置し、RFIDタグとの無線通信を試みた。
しかしながら、一般的なドックドアは間口が3〜5mであるため、これに伴い2台の対向するRFIDリーダ/ライタのアンテナ間距離も3〜5mとなってしまう。このように配置すると、2台のRFIDリーダ/ライタ間においてはスキャンタイミングの同期が取れていないため、両者が同時に電波を発射した場合には、タグコンフュージョンが発生する。また、RFIDリーダ/ライタは、近接して設置されているため、対向するRFIDリーダ/ライタの電波が、自身のRFIDリーダ/ライタの受信系に飛び込み、受信系が飽和し、微弱なRFIDタグの信号を復調できなくなるという問題が生じる。この場合、自身のRFIDリーダ/ライタの受信系の利得を低下させれば、飽和を防ぐことができるが、RFIDタグからの信号が微弱なため、RFIDタグからの信号を復調できなくなることとなる。RFIDタグからの信号を正確に復調するためには、RFIDリーダ/ライタ間は10m以上の離隔距離が求められている。
従って、このタグコンフュージョンなどを防止するためには、2台のRFIDリーダ/ライタ間において、同期を取る必要が生じる。ここで、同期を取るための手法として、2台のRFIDリーダ/ライタ間を有線接続し、有線により同期を取る手法が考えられる。しかしながら、このような有線による同期方式では、対向したRFIDリーダ/ライタ間をケーブルで接続するため、ケーブル付設の必要があり、ケーブルコストが追加で発生するだけではなく、ドックドアの場合、ケーブル付設が困難な場合もある。
また、RFIDリーダ/ライタは上位系サーバとネットワークなどに接続されることが多いことから、この上位系サーバにより同期を取る手法も考えられる。しかしながら、このような上位系サーバからの同期方式では、RFIDリーダ/ライタ数が多くなった場合には、特に上位系サーバの負荷が大きくなるという問題がある。
一方、このRFIDリーダ/ライタは、搬送方向に沿って電波のビームをスキャンするように構成されていることから、このRFIDリーダ/ライタをドックドアに設置すれば、荷物の移動する状態、例えば、搬入、搬出あるいは停止を検知することが可能である。その上、このRFIDリーダ/ライタをドックドアの左右両側に設置すれば、荷物に電波の通さない物が入っていたとしてもRFIDタグを読み取ることができる。しかしながら、対向するRFIDリーダ/ライタ間において同期が取れていない場合には、上記同様タグコンフュージョンが生じ、移動方向の検知が良好に行えないと言う問題が生じる。
特開2006−20083号公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、第1の目的は、送信する電波のビームをスキャンしながら他のタグ通信装置と協働してRFIDタグと無線通信を行う場合において、タグ通信装置間においてスキャンタイミングの同期を図ることが可能なタグ通信装置及びタグ通信システムに関するものである。
また、本発明の第2の目的は上記のようにタグ通信装置間で同期を取りつつ、RFIDタグの移動状態の検知が可能なタグ通信システムに関するものである。
上記目的を達成するために、本発明は、送信する電波のビームをスキャンするスキャンアンテナを有するとともに、スキャンを実行しながらRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信装置であって、前記タグ通信装置は、他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期情報を取得する同期情報取得手段と、前記同期情報取得手段によって取得した同期情報を基に前記他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期をとる同期手段と、を備え、前記同期情報は、前記他のタグ通信装置から受信した電波の受信レベルから取得することを特徴とする。
上記「スキャンアンテナ」は、例えば、電子的制御によって送信する電波のビームを高速にスキャン可能なフェーズドアレイアンテナからなり、複数のアンテナ素子と、この複数のアンテナ素子のそれぞれに接続された複数の位相器と、この複数の位相器のすべてに接続された1つの分配合成器から構成されている。分配合成器に入力された電波は、それぞれのアンテナ素子ごとの位相器に分配され、各位相器にて所望の位相変化がなされた後、各アンテナ素子から放射され、この際位相後の各電波がすべて同相となるような方向、すなわち正弦波の位相が一致する方向に強く電波が放射される。この最も強い電波が本発明における「送信する電波のビーム」、例えば、メインローブであり、この方向は、位相器の設定により任意に変化させることができる。
また、上記複数のアンテナ素子は、パッチアンテナから構成されていてもよく、パッチアンテナから複数のアンテナを構成すれば、スキャンアンテナを薄く製造できるし、製造コストも低く抑えられるので好適である。
上記「RFIDタグ」としては、例えば、電池などの電源を有しておらず、リーダライタから電波で送電された電力によって回路が動作し、リーダライタと無線通信を行うパッシブタイプのRFIDタグや、電池などの電源を有するアクティブタイプのRFIDタグが含まれる。
また、上記「タグ通信装置」とは、例えば、RFIDタグと通信可能なリーダライタあるいはリーダ、ライタである。
本発明のタグ通信装置は、他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期を取った後、RFIDタグと無線通信可能に構成されている。例えば、本発明のタグ通信装置と他のタグ通信装置とを対向配置させた状態で、共にスキャンしながらRFIDタグと無線通信を行う場合にあっては、このスキャンのタイミングが合っていないと電波障害やタグコンフュージョンを生じ得る。そこで、本発明のタグ通信装置においては、他のタグ通信装置とスキャンのタイミングを合わせる、すなわち同期を取るように構成されており、電波障害やタグコンフュージョンなどを防止するようになっている。なお、この場合における対向配置には、正対する場合のみならず、正対に対し左右に少しずれて配置されている場合も含まれる。また、リーダライタとスキャンアンテナとが一体的に構成されている場合は、この対向配置はリーダライタどうしが対向配置している状態を意味するが、リーダライタとスキャンアンテナとが間隔を介して有線接続している場合には、スキャンアンテナどうしが対向配置されている状態を意味する。
そして、この同期を取る手段としては、同期情報取得手段により、他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期情報を取得し、この同期情報取得手段によって取得した同期情報を基に同期手段が他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期をとるようになっている。
この同期を取るために用いられる同期情報は、前記他のタグ通信装置から受信した電波の受信レベルの時間的変化から取得するようにしてもよい
また、本発明は、送信する電波のビームを予め決まったスキャン角に順次向くようにスキャンするスキャンアンテナを有するとともに、スキャンを実行しながらRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信装置であって、電波ビーム送信中の他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期情報を取得する同期情報取得手段と、前記同期情報取得手段によって取得した同期情報を基に、電波ビーム送信しながら前記他のタグ通信装置との間で互いのスキャンアンテナのスキャン角を変えるためのスキャンタイミングの同期をとる同期手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のタグ通信システムは、送信する電波のビームを予め決まったスキャン角に順次向くようにスキャンするスキャンアンテナを有するとともに、スキャンを実行しながらRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信装置を複数対向配置させて、移動体に付されたRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信システムであって、電波ビーム送信中の他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期情報を取得する同期情報取得手段と、前記同期情報取得手段によって取得した同期情報を基に、電波ビーム送信しながら前記他のタグ通信装置との間で互いのスキャンアンテナのスキャン角を変えるためのスキャンタイミングの同期をとる同期手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のタグ通信システムは、送信する電波のビームをスキャンするスキャンアンテナを有するとともに、スキャンを実行しながらRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信装置を複数対向配置させて、移動体に付されたRFIDタグと電波を介して無線通信を行うタグ通信システムであって、上記タグ通信装置は、他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期情報を取得する同期情報取得手段と、上記同期情報取得手段によって取得した同期情報を基に前記他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期をとる同期手段と、上記RFIDタグからの受信情報を経時情報に関連付けるとともに、この受信情報を受信した際の上記スキャンアンテナのスキャン角と上記経時情報の組を複数個生成するデータ生成手段と、上記データ生成手段の生成したデータを用いて、上記スキャン角と上記経時情報の間の関係を示す線形近似直線を求め、この線形近似直線の傾きから上記RFIDタグが付された移動体の移動方向を検知する移動方向検知手段と、を備えることを特徴とする。
上記「移動体」には、他の力を借りて移動するもの、例えば、フォークリフトなどの運搬手段により運搬される荷物、物品や、自身の力で移動するもの、例えば、人間や動物なども含まれる。
また、上記「スキャン角」とは、スキャンアンテナが送信する電波のビームをスキャンする際に、そのビームの放射方向を示す角度である。例えば、複数のアンテナ素子がリニアに配列されたフェーズドアレイアンテナをスキャンアンテナに用いた場合には、ブロードサイド方向を基準に測定したビームの傾斜角である。
物や人が移動すれば、位置の時間的変化が生ずるから、少なくとも時間情報と位置情報があれば、移動を検知することができる。そこで、本発明においては、時間情報としての「経時情報」と位置情報としての「スキャン角」の組からなるデータを複数個生成するように構成している。
本発明においては、この生成されたデータを用い、上記スキャン角と上記経時情報の間の関係を示す線形近似直線を求めるとともに、その傾きを算出することにより移動方向を検知する。
以上説明したように本発明によれば、タグ通信装置間で自立的に同期を取るように構成したことにより、タグコンフュージョンの発生を防止しながらRFIDタグとの無線通信が良好に行える。
また、複数対向配置させたタグ通信装置間において同期を取りつつ、RFIDタグの移動状態の検知を行うように構成したので、従来生じていた読み取り不良が防止できるとともに、タグコンフュージョンの発生を防止しながらRFIDタグの移動状態の検知が可能となり、移動状態の検知の精度が向上する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同期を取るための手法として3つの実施形態を示し、対向局(他のタグ通信装置)から受信した電波の受信レベルから取得する形態を第1実施形態とし、対向局から受信した電波の受信レベルの時間的変化から取得する形態を第2実施形態とし、対向局から送信されたデータから取得する形態を第3実施形態とする。また、同期が取れた状態において、荷物(移動体)の移動状態を検知する形態を第4実施形態とし、いずれの実施形態でも共通する構成についてはまとめて説明し、それぞれの実施形態について特有な構成は、いずれの実施形態であるかを明示して個別具体的に説明する。
図1は、本発明のリーダライタ(タグ通信装置)を荷物の搬出入口であるドックドアに適用した場合の概略を示す模式図、図2はRFIDタグの概略構成を示すブロック図、図3はリーダライタの概略構成を示すブロック図、図4はスキャンアンテナの概要を示す模式図、図5はスキャンアンテナのスキャンの状態を示す模式図である。
図1に示す通り、本発明のリーダライタ3A、3Bは、ドックドア1の左右両側に対向配置されており、このリーダライタ3A、3Bは共に、送信する電波のビームMをスキャン可能なスキャンアンテナ4をそれぞれ備えている。この図1においては、図示しないフォークリフトによりパレット6上に載置された複数の荷物5、5、・・・が、ドックドア1内に搬入される場合を示している。この荷物5、5、・・・にはRFIDタグ2、2、・・・がそれぞれ貼付されており、リーダライタ3A、3Bは、スキャンアンテナ4が送信する電波のビームMを水平方向にそれぞれスキャンさせながら各RFIDタグ2、2、・・・と無線通信するようになっている。
この対向するリーダライタ3A、3B間において、スキャンアンテナ4のスキャンタイミングの同期がとれていないと、タグコンフュージョンなどを生じることから、本発明のリーダライタ3A、3Bは、対向するリーダライタ3A、3Bとの間においてスキャンタイミングの同期を取ることにより、タグコンフュージョンなどを防止することができるようになっている。
なお、図1においては、ドックドア1の左右に対向配置されたリーダライタ3A、3Bは、いずれも下記同期機能を有する本発明のリーダライタ3A、3Bとしているが、対向するリーダライタのうち少なくとも一方が本発明のリーダライタであればよい。また、リーダライタ3A、3B及びスキャンアンテナ4を一体的に構成しているが、間隔を介して有線接続してもよい。以下の説明においては、リーダライタ3A、3Bを区別せず説明するときはリーダライタ3とし、また、スキャンタイミングを合わせる方のリーダライタを自局とし、スキャンタイミングを合わせてもらう方のリーダライタを対向局とする。なお、本発明のリーダライタは、後述するように、自身が対向局か自局かを自己判断する機能を有しているが、以下の各構成の説明においては、リーダライタ3Aが対向局、リーダライタ3Bが自局としてそれぞれ機能する場合について説明する。
まず、RFIDタグ2及びリーダライタ3の構成について詳細に説明する。
図2は、RFIDタグ2の概略構成を示すブロック図である。同図に示すようにRFIDタグ2は、アンテナ部20と無線通信IC21とを備える構成である。この種のRFIDタグ2としては、例えば、上述したパッシブタイプやアクティブタイプのものが使用される。
アンテナ部20は、リーダライタ3からの電波を無線通信IC21を動作させる電力源として受け取るものである。また、アンテナ部20は、リーダライタ3から受信した電波を無線信号に変換して無線通信IC21に送信するとともに、無線通信IC21からの無線信号を電波に変換してリーダライタ3に送信するものである。アンテナ部20には、アンテナ、共振回路などが使用される。
無線通信IC21は、リーダライタ3からアンテナ部20を介して受信した信号に基づいて、リーダライタ3からのデータを記憶したり、記憶されたデータをアンテナ部20を介してリーダライタ3に送信したりするものである。この無線通信IC21は、図2に示すように、電源部211、無線処理部212、制御部213、およびメモリ部214を備える構成である。
電源部211は、アンテナ部20が電波を受信することにより発生する誘起電圧を整流回路にて整流し、電源回路にて所定の電圧に調整した後、無線通信IC21の各部に供給するものである。電源部211には、ブリッジダイオード、電圧調整用コンデンサなどが使用される。
無線処理部212は、外部からアンテナ部20を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部213に送信するとともに、制御部213から受信したデータを無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号をアンテナ部20を介して外部に送信するものである。無線処理部212には、A/D(Analog to Digital)変換回路、D/A(Digital to Analog)変換回路、変復調回路、RF回路などが使用される。
制御部213は、無線通信IC21内における上述した各種構成の動作を統括的に制御するものである。制御部213は、論理演算回路、レジスタなどを備え、コンピュータとして機能する。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行なわれる。このプログラムは、例えばメモリ部214のROM(Read Only Memory)などにインストールされたものを読み込んで使用する形態であってもよいし、リーダライタ3からアンテナ部20および無線処理部212を介して上記プログラムをダウンロードしてメモリ部214にインストールして実行する形態であってもよい。
特に、制御部213は、リーダライタ3からアンテナ部20および無線処理部212を介して受信したデータに基づいて、リーダライタ3からのデータをメモリ部214に記憶したり、メモリ部214に記憶されたデータを読み出して、無線処理部212およびアンテナ部20を介してリーダライタ3に送信したりする。
メモリ部214は、上記したROMや、SRAM(Static RAM)、FeRAM(強誘電体メモリ)などの半導体メモリによって構成される。このメモリ部214に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、およびその他各種のプログラム、ならびにIDなどの各種データが挙げられる。なお、無線通信IC21は、リーダライタ3から送信される電波を電力源としているため、ROMなどの不揮発性メモリや、SRAM、FeRAMなどの消費電力の少ないメモリを使用することが望ましい。
次に、リーダライタ3の構成について、図3〜図5を参照して説明する。図3はリーダライタの概略構成を示すブロック図、図4はスキャンアンテナの概要を示す模式図、図5はスキャンアンテナのスキャンの状態を示す模式図である。
なお、図3には、スキャンアンテナ4を介してRFIDタグ2と無線通信を行っている状態も併せて模式的に示されている。
リーダライタ3は、外部通信部31、タグ通信制御部32、送信部33、受信部34、スキャンアンテナ制御部35、同期情報取得部36、記録部37、同期部(同期手段)38及びスキャンアンテナ4を備えており、RFIDタグ2と無線通信可能に構成されている。
外部通信部31は、リーダライタ3において読み出されたRFIDタグ2のID(Identification)及びRFIDタグ2への書込みが成功したか否かを示す情報などのRFIDタグ2との通信結果を、パーソナルコンピュータ等の外部装置に送信したり、RFIDタグ2に対する外部装置からの書込み情報(送信コマンド情報)や外部装置からのコマンド(命令)を受信するよう構成されている。また、リーダライタ間3A、3B間で同期が取れた場合には、同期がとれたことを知らせる情報を外部装置に送信するように構成されている。なお、外部装置とのインタフェース規格としては、USB(Universal Serial Bus)、IEE1394、Ethernet(登録商標)、などが挙げられる。
タグ通信制御部32は、外部装置から外部通信部31を介して送信された送信コマンド情報を受信し、送信部33に送信する。このタグ通信制御部32には、スキャンアンテナ4のアンテナビームパターン、すなわちスキャン角が格納されている。具体的には、このスキャン角は、図5に示すように、ブロードサイド方向(アンテナ素子40A、40B、・・・40Kの配列方向に垂直な方向)を基準に測定したビームMの傾斜角である。本実施形態においては、図中右回り方向(α)を+値とし、左周り方向(β)を−値としている。また、このタグ通信制御部32には、スキャンアンテナ4の各アンテナ素子40A、40B、40Cの電力と位相を定義したデータが含まれており、各アンテナ素子40A、40B、40Cについてそれぞれ定義された電力、位相を電気的に設定することで、スキャンアンテナ4のアンテナビームパターンが生成される。
送信部33は、タグ通信制御部32から送信される送信コマンド情報を無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号(送信コマンド)をスキャンアンテナ4を介して外部に送信するものであり、送信コマンド情報の変調、増幅などの処理を行なう。また、第3実施形態のリーダライタ3であって、リーダライタ3が対向局3Aである場合には、この送信部33は、RFIDタグ2に送信する送信コマンドに同期データを付加して送信するように構成されている。詳細は下記第3実施形態の個別説明において詳説する。
受信部34は、外部からスキャンアンテナ4を介して受信した無線信号(受信データ)を元の形式に変換し、変換したデータをタグ通信制御部32に送信したり、対向局として機能するリーダライタ3A(以下「対向局3A」と称する)から送信された電波を受信したりするものであり、受信データを同期情報取得部36に送信したり、受信データの増幅、復調などの処理を行なう。
スキャンアンテナ制御部35は、タグ通信制御部32からスキャン角情報を受信するとともに、この受信したスキャン角情報に基づいてスキャン制御信号をスキャンアンテナ4に送信し、スキャンアンテナ4から放射される電波のビームMの方向を制御するものである。例えば、スキャン角α、βに設定されていれば、このスキャン角情報を、スキャンアンテナ4から放射される電波のビームMが、順次スキャン角α、スキャン角βの方向に向くようにするためのスキャン制御信号に変換し、スキャンアンテナ4に対し送信する処理を行なう。
同期情報取得部36は、対向局3Aから受信部34が受信した受信データから同期情報を取得するよう機能する。具体的には、第1実施形態では、対向局3Aから受信した電波の受信レベルが同期情報となり、第2実施形態では、対向局3Aから受信した電波の受信レベルの時間的変化が同期情報となり、第3実施形態では、対向局3Aから送信されるデータが同期情報となる。詳細は下記各実施形態の個別説明において詳説する。また、同期情報取得部36は、これら取得した同期情報を記録部37に送信するよう構成されている。
記録部37には、同期情報取得部36により取得した同期情報が記録される。具体的には、後述する第1実施形態の場合には対向局3Aから受信した受信レベルが記憶され、第2実施形態の場合にはこの受信レベルの時間的変化が記憶され、第3実施形態の場合には、対向局3Aから送信された送信コマンドが記憶される。
同期部38は、記録部37に同期情報取得部36から送信され記録された同期情報と、予め記録部37に記録された上記情報とから対向局3A及び自局3B間のスキャンタイミングの同期を取るように構成されている。詳細は下記各実施形態の個別説明において行う。
図4は、スキャンアンテナ4の概要を示す説明図である。このスキャンアンテナ4は、複数のアンテナ素子40を直線状に配列し、各アンテナ素子40に可変位相器(位相器)41を接続した構成である。図1においては、アンテナ素子40は3個であるが、アンテナ素子40の個数は3個に限定されるものではない。このアンテナ素子40の個数を増やすと、ビームMの幅が細くなる。なお、この図4においては、このアンテナ素子40の個数は任意の数としており、同図を参照して以下にスキャンアンテナ4におけるビーム方向のスキャンの方法について説明する。
全てのアンテナ素子40A、40B、・・・40Kが同じ位相で電波を送信する場合には、スキャンアンテナ4から放射される電波はブロードサイド方向(アンテナ素子40A、40B、・・・40Kの配列方向に垂直な方向)の平面波として伝搬する。一方、電波の伝播方向を、ブロードサイド方向から測って角度θ(rad)だけ傾斜させるためには、次式を満たすように各アンテナ素子40A、40B、・・・40Kが送信する電波の位相をずらせばよい。
図4に示すように、送信または受信する電波の波長をλ(m)とし、基準となるアンテナ素子40Aとk番目のアンテナ素子40Kとの距離をd(m)とし、図4に破線で示される等位相面のうち、基準となるアンテナ素子40Aを通る等位相面と、k番目のアンテナ素子40Kとの距離をl(m)とすると、基準となるアンテナ素子40Aの位相に対するk番目のアンテナ素子40Kの位相のずれψは次式となる。
〔数式〕
ψ=(l/λ)×2π=(d×sinθ/λ)×2π
このように、スキャンアンテナ4は、各位相器41A、41B、・・・41Kが、上式を満たすように信号の位相をずらすことにより、目的の方向に電波のビームMを向けることができる。
<第1実施形態>
この第1実施形態においては、自局であるリーダライタ3Bが対向局であるリーダライタ3Aから受信した電波の受信レベルから同期を取るように構成されている。以下、図6〜図11を参照して説明する。
図6は同期処理を示すフロー図、図7はスキャンの例を示す説明図、図8は自局及び対向局間において同期がとれていない場合の受信レベルの状態を示す説明図、図9は同期を取る手法を示す説明図、図10は自局及び対向局間において同期がとれている場合の受信レベルの状態を示す説明図、図11は他のスキャン例を示す説明図であり、上図Aは同期が取れていない状態、上図Bは同期が取れている状態をそれぞれ示す説明図である。
まず、リーダライタ3Aもリーダライタ3Bも共に、スキャン角が−40°、+20°に設定されている場合について説明する。また、リーダライタ3A及びリーダライタ3B間において、生じ得る送信する電波のビームの組み合わせは、図7に示す4通りしかないので、このそれぞれのパターンにおける受信レベルが予め記録部37に記憶されている。この場合、(2)及び(3)の受信レベルは同じになるので、受信レベルとしては3つのレベルとなる。なお、この場合、実際に測定された受信レベルが(1)及び(3)の受信レベルである場合に、同期がとれた状態であるとして予め記録部37に記憶されている。
図6に示すように、この同期処理は、例えば、各リーダライタ3Aあるいはリーダライタ3Bの電源が投入されるとそれぞれのリーダライタ3A、3Bにおいてスタートする。本実施形態における各リーダライタ3A、3Bは、下記同期処理において、自身が対向するリーダライタに対し、自局となるのか対向局となるのかの自己判断を行うようになっている。
具体的には、この同期処理がスタートすると、まず受信レベルの測定が行われ(S100)、次に対向局の存在の有無を検知する(S101)。例えば、リーダライタ3Aにおいてこの同期処理が行われた際に、リーダライタ3Bから電波が送信されていない場合には、受信レベルは“0”となりリーダライタ3Aに対する対向局は存在しないこととなる(S101のN)。この場合、リーダライタ3Aは電波を出力し(S102)、更に受信レベルの測定が行われるとともに(S103)、対向局の有無の検知が行われ(S104)、対向局の存在が検知されると(S104のY)、スキャンが開始される(S105)。他方、対向局の存在が検知されないと(S104のN)、対向局の存在が検知されるまで電波の出力(S102)、受信レベルの測定(S103)が行われる。この場合、リーダライタ3Aは、リーダライタ3Bに対し対向局となりリーダライタ3Bが自局として機能する、すなわち、リーダライタ3Bがリーダライタ3Aのスキャンタイミングに合わせるように機能することとなる。
一方、S101において、対向局の存在が検知されると(S101のY)、リーダライタ3Aは、スキャン角を切り換えながら電波を出力し(S106)、その後、各スキャン角における受信レベルを記録部37に記憶する(S107)。次いで、この記録部37に記憶した実際の受信レベルと、予め記録部37に記憶された受信レベルパターンとを比較し、受信レベル判定処理を行う(S108)。図8〜図10を参照して、この処理を具体的に説明する。図8には、リーダライタ3Aが自局、リーダライタ3Bが対向局となり、リーダライタ3Aが、リーダライタ3Bのスキャンタイミングに合わせるように同期を取る場合が示されている。
まず、対向局であるリーダライタ3Bが、50msec間隔でスキャンアンテナ4のビームパターンをスキャン角−40°、+20°で切り替えている(矢印a)。次いで、自局であるリーダライタ3Aにおいて、50msecの間隔でスキャンアンテナ4のビームパターンをスキャン角−40°、+20°で切り替えるとともに(矢印c)、各スキャン角における受信レベルを測定する(矢印b)。このようにして実際に測定された受信レベルは矢印dであり、受信レベルとしては、図7に示す(1)、(2)、(3)の場合のすべてが測定され、よって、リーダライタ3A、3B間においては同期が取れていない。
上記のような受信レベル判定処理(S108)を行った結果、同期が取れていない場合には(S110)、図9に示すように、自局であるリーダライタ3Aにおいて、次のスキャンアンテナ4のスキャン角の切り替えの間に5msecの待機時間を置いてから行い(S109)、再度上記受信レベル判定処理(S108)を行うとともに、同期が取れたか否かを調べる(S110のN)。具体的には、図9に示すように、対向局であるリーダライタ3Bにおけるスキャンタイミングは矢印a1のままで変えず、自局であるリーダライタ3Aの方のスキャン角の切り替えにおいて、5msecの待機時間を設けた後再度スキャンし(矢印c1)、その際の受信レベルを測定する(矢印b1)。この測定結果に基づき受信レベル判定処理(S109)を行った結果、同期が取れていなければ、再度5msecの待機時間を設けてスキャンをする(矢印c1)。
このような処理を同期がとれるまで行った結果、同期が取れたら(S110のY)、この同期処理は終了する。上記処理により同期が取れた状態が図10に示す状態である。すなわち、対向局であるリーダライタ3Bがスキャン角−40°、+20°で繰り返しスキャンする(矢印a2)。一方、自局であるリーダライタ3Aもスキャン角−40°、+20°で繰り返しスキャンし(矢印c2)、その際の受信レベルを測定する(矢印b2)。その結果、測定された受信レベルが矢印d2に示された状態、すなわち、図7に示す(1)及び(3)の受信レベルである。この場合、リーダライタ3Bがスキャン角−40°の場合はリーダライタ3Aもスキャン角−40°であり、リーダライタ3Bがスキャン角+20°の場合はリーダライタ3Aもスキャン角+20°である。
同期処理が終了すると、同期処理が終了したことを示すデータが図示しない外部装置に送信される。その後、RFIDタグ2と無線通信を行えば、タグコンフュージョンが生じることなくRFIDタグ2と良好に無線通信ができることとなる。また、このような同期処理は、1時間おき、3時間おきなど定期的に行うように予めプログラミングしておいてもよい。
この第1実施形態としては、図11に示すようなリーダライタ3A、3Bのスキャン角を共に、+35°、0°とする他の変形例も適用可能である。この場合には、リーダライタ3A及びリーダライタ3B間において、生じ得る送信する電波のビームの組み合わせは、図11の上図(A)に示す4通りであり、上記同様それぞれの受信レベルが予め記録部37に記憶されている。なお、この場合、実際に測定された受信レベルが(2)のみである場合に、同期がとれた状態であるとして予め記録部37に記憶されている。
図11の上図Aは、上記と同様の処理を行った結果、同期がとれていないと判定された場合であり、下図Bは同期が取れている状態であり、受信レベルとしては(2)のみが測定されている(矢印d4)。なお、スキャン角に0°を含む場合には、スキャン角が0°に切り替わった際には、電波のビームの出力レベルを下げるようにしておいてもよい。
また、スキャン角は上記スキャン角に限定されるものではなく、種々の2値のスキャン角の組み合わせが可能である。更に、このスキャン角は、リーダライタ3A、3Bの双方が同一である必要はない。例えば、リーダライタ3Aのスキャン角は−40°、+20°であるのに対し、リーダライタ3Bのスキャン角は−20°、+40°であってもよい。
上記ビームパターン切り替え時間も、上記待機時間も共に、上記に限定されるものではなく、使用者において適宜設定すればよい。
<第2実施形態>
この第2実施形態においては、自局であるリーダライタ3Bが対向局であるリーダライタ3Aから受信した電波の受信レベルの時間的変化から同期を取るように構成されている。以下、図12及び図13を参照して説明する。上記第1実施形態と同様、各リーダライタ3A、3Bは、自身が自局なのか対向局なのかを自己判断できるようになっている。なお、以下の説明においては、上記第1実施形態と同様の部分については、説明を省略し、異なる部分のみ詳細に説明する。
この第2実施形態においても、図12に示すように、例えば、リーダライタ3Aの電源が投入されると、受信レベルの測定が行われ(S200)、対向局の有無を検知する(S201)。対向局の存在が検知されなかった場合の処理(S202〜S205)は、上記第1実施形態の図6のS102〜S105の処理と同様である。
一方、対向局の存在が検知された場合には(S201のY)、電波の出力が行われ(S206)、その際の受信レベルの測定が行われる(S207)。但し、上記第1実施形態の場合と異なり、自局であるリーダライタ3Aのビームパターンは2値のスキャン角のうちのいずれか一方に固定した状態で電波の出力を行い、この状態で受信レベルの測定を行うとともに、受信レベルの時間的変化を測定すべく図13に示すような受信レベルのグラフ化処理を行う(S208)。
例えば、予めリーダライタ3A、3Bのスキャン角が+20°、−40°に設定されている場合、対向局であるリーダライタ3Bはスキャン角+20°、−40°で繰り返しスキャンしているが、自局であるリーダライタ3Aはスキャン角+20°に固定し、この状態で受信レベルの測定を行う。このようにしてリーダライタ3Aにより実際に測定された受信レベルの時間的変化を示したものが図13のグラフである。縦軸は受信レベルの強度を示し、横軸は時間を示す。
対向局であるリーダライタ3Bは50msec間隔でビームパターンを切り替えている。他方、自局であるリーダライタ3Aは3.8msec間隔で受信レベルの測定を実施している。図13においては、13ポイントごとに受信レベルの強度が変化しており、13ポイント×3.8msec≒50msecとなる。この場合、自局であるリーダライタ3Aのビームパターンは固定、すなわちスキャン角+20°で固定しているため、図13における受信レベルの強度の変化は、対向局であるリーダライタ3Bのスキャン角の切り替えによるものであることが分かる。このように、本実施形態においては、対向局のビームパターンの切り替えタイミングが自局であるリーダライタ3A側で把握できる。そして、リーダライタ3A側において取得した対向局であるリーダライタ3Bの切り替えタイミングから、リーダライタ3Aは自身のビームパターンの切り替えタイミングの同期を取る受信レベル最適化処理(S209)を行い、同期処理は終了する。
なお、本実施形態においても、スキャン角、受信レベルの測定時間間隔、ビームパターンの切り替えの間隔などは使用者において任意に設定すればよい点においては、上記第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
この第3実施形態においては、対向局であるリーダライタ3Aから送信されたデータから自局であるリーダライタ3Bが同期情報を取得し、この同期情報に基づいて同期を取るように構成されている。以下、図14及び図15を参照して説明する。
図14は第3実施形態の同期処理を示すフロー図、図15は対向局から送信されるデータの模式図であり、(a)はリーダライタとRFIDタグとの各通信において同期データが付加される例、(b)はリーダライタとRFIDタグとの複数回の通信後に同期データが付加される例をそれぞれ示す。
この第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様、各リーダライタ3A、3Bは、自身が自局なのか対向局なのかを自己判断できるようになっている。なお、以下の説明においては、上記第1実施形態と同様の部分については、説明を省略し、異なる部分のみ詳細に説明する。
この第3実施形態においても、図14に示すように、例えば、リーダライタ3Aの電源が投入されると、受信レベルの測定が行われ(S300)、対向局の有無を検知する(S301)。対向局の存在が検知されなかった場合の処理(S302〜S305)は、上記第1実施形態の図6のS102〜S105の処理と同様である。但し、対向局となるリーダライタ3Aから送信される送信信号には、図15(a)あるいは(b)に示す送信信号である。すなわち、通常のリーダライタ3とRFIDタグ2との通信においては、RFIDタグ2に記憶されているIDやデータを呼び出す通信コマンドがリーダライタ3からRFIDタグ2に対して送信され、RFIDタグ2は、この通信コマンドに応じてリーダライタ3に対しレスポンスを送信するが、本実施形態においては、RFIDタグ2に送信される通信コマンドには、図15に示すように同期データが付加されている。
このリーダライタ3Aから送信される通信コマンドとしては、例えば、図15(a)、(b)に示すようなものである。具体的には、(a)はリーダライタ3AとRFIDタグ2との各通信において同期データが付加される場合であり、(b)はリーダライタ3AとRFIDタグ2との複数回の通信後に同期データが付加される場合である。この同期データはRFIDタグ2にとっては意味の無い情報であり、RFIDタグ2とリーダライタ3との間の通信を阻害するコマンドではない。この同期データは、対向するリーダライタ3Bが受信することにより、スキャン角の切り替えのタイミングが分かるようなデータであればよいが、例えば、対向局であるリーダライタ3Aのスキャン角が+20°、−40°であることを示すデータを付加すれば、切り替えタイミングだけでなく、リーダライタ3B側においてリーダライタ3Aのアンテナビームパターンがどちらに向いているのか分かることとなる。
一方、図14において、対向局の存在が検知されると(S301のY)、リーダライタ3Aは自局として機能するとともに、対向局であるリーダライタ3Bから送信される通信コマンドを受信する(S306)。この通信コマンドは、上記したように、例えば、図15の(a)あるいは(b)に示すようなものであり、この通信コマンドをリーダライタ3Aが受信すると、次にこの受信した通信コマンドからアンテナビームパターンの切り替えタイミングの解析処理が行われる(S307)。この解析処理は、図15に示す通信コマンドを解析することにより行われる。このように通信コマンドには、リーダライタ3Bのアンテナビームパターンの切り替えタイミングを示す同期データが付加されているので、この同期データを受信したタイミングでリーダライタ3Aのビームパターンも切り替え、リーダライタ3Aはスキャンを開始すれば(S308)、リーダライタ3A、3B間において同期が取れた状態でRFIDタグ2と通信することが出来ることとなる。
<第4実施形態>
この第4実施形態においては、上記第1〜第3実施形態のいずれかにより自局3B及び対向局3A間で同期を取った後、RFIDタグ2の貼付された荷物5の移動状態を検知するように構成されている。以下、図16〜図22を参照して説明する。
図16はリーダライタにおける移動方向検知の手法を説明するための図であり、(a)、(b)は各リーダライタのビームパターンを示す模式図、図17はリーダライタの概略構成を示すブロック図、図18はスキャンパターンテーブルを示す図、図19は測定データテーブルを示す図、図20(a)は、スキャンアンテナにおけるスキャン処理を示すフロー図、(b)は、移動方向判断処理を示すフロー図、図21は移動方向算出テーブルを示す図、図22は移動方向判定グラフを示す図である。
本実施形態におけるタグ通信システムは、図16(a)、(b)に示す通り、リーダライタ3Aとリーダライタ3Bとが対向配置されており、このリーダライタ3A、3Bの間をRFIDタグ2を貼付した荷物が通過する。ここでは、リーダライタ3Aもリーダライタ3Bも共に、スキャン角+20°、−40°のビームパターンで繰り返しスキャンしており、このスキャン時においては、各リーダライタ3A、3B間で、既に上記同期処理により同期が取られている。
この図16(a)、(b)を参照して、移動状態検知のアルゴリズムについて簡単に説明すると、例えば、エリア1からエリア2の方向にRFIDタグ2が移動した場合、最初、エリア1でRFIDタグ2が読まれることとなる。その後、RFIDタグ2の移動に伴い、エリア2でRFIDタグ2が読まれることとなる。その時間的変化を示したのが、図22であり、この図22によりRFIDタグ2の移動状態が検知されることとなる。詳細は後述する。
次に、リーダライタの構成について、図17〜図19を参照して説明する。図17は、リーダライタ3の概略構成を示すブロック図、図18はスキャンパターンテーブルを示す図、図19は測定データテーブルを示す図である。図17に示すリーダライタ3は、図3に示すリーダライタ3の構成と略同じであるが、本実施形態におけるリーダライタ3は、上記同期気機能に加えて、移動状態検知機能を有することから、以下のような相違点を有している。以下、図3に示すリーダライタ3との相違点のみ説明し、同一の点については説明を省略する。
外部通信部31は、リーダライタ3において読み出されたRFIDタグ2のID(Identification)、移動方向推定部39により算出されたRFIDタグ2が貼付された荷物5の移動方向情報、及びRFIDタグ2への書込みが成功したか否かを示す情報などのRFIDタグ2との通信結果を、パーソナルコンピュータ等の外部装置に送信したり、RFIDタグ2に対する外部装置からの書込み情報(送信コマンド情報)や外部装置からのコマンド(命令)を受信するよう構成されている。
タグ通信制御部32には、図18に示すスキャンパターンテーブルT1が格納されている。このスキャンパターンテーブルT1には、スキャンアンテナ4の各アンテナ素子40A、40B、40Cの電力と位相を定義したデータが含まれており、各アンテナ素子40A、40B、40Cについてそれぞれ定義された電力、位相を電気的に設定することで、スキャンアンテナ4のスキャンパターンが生成される。
すなわち、このスキャンパターンテーブルT1により、スキャンアンテナ4のスキャン角が設定される。このスキャン角とは、図5に示すように、ブロードサイド方向(アンテナ素子40A、40B、・・・40Kの配列方向に垂直な方向)を基準に測定したビームMの傾斜角である。本実施形態においては、図中右周り方向(α)を+値とし、左周り方向(β)を−値としている。なお、このスキャンテーブルT1は、スキャン角α=+20°、β=−40°とテーブルNO.とを関連付けるものとして機能し、このテーブルNO.(0、1)は、後述する移動方向判定グラフGにおける縦軸となる。
また、タグ通信制御部32は、スキャンテーブルT1からスキャン角情報を読み出すとともに、このスキャン角情報をスキャンアンテナ制御部35に送信する。ここでは、スキャン角情報として、スキャン角α=+20°、β=−40°がスキャンパターンテーブルT1に設定されているので、タグ通信制御部32は、スキャン角+20°、−40°を順次繰り返しスキャンアンテナ制御部35に対し送信する。タグ通信制御部32は、スキャンアンテナ4がRFIDタグ2から取得したIDを受信するとともに、このIDを受信した際のスキャンアンテナ4のスキャン角(+20°あるいは−40°)をこのIDに関連付けした後、記録部37に送信する。なお、スキャン角+20°、−40°は、2つに限定されるものではなく、使用者において任意に設定するようにしてもよい。
記録部37は、タグ通信制御部32から送信された、上記のように関連付けされたRFIDタグ2のIDとスキャン角(+20°、−40°)を図19に示す測定データテーブルT2に記録するとともに、この記録されたRFIDタグ2のIDとスキャン角情報とを移動方向推定部39に送信する処理を行なう。測定データテーブルT2は、読取NO.、読取時刻、RFIDタグNO.、テーブルNO.から構成されており、スキャンアンテナ4においてRFIDタグ2のIDを読み取った順番に記録される。読取NO.は、RFIDタグ2のIDを読み取った順番を示し、読取時刻は、RFIDタグ2のIDを読み取った時刻情報であり、記録部が有する時計により記録される。なお、ここでは、測定データテーブルT2には、読取NO.が記録されるとしているが、読取時刻だけで読み取った順番は判断できるので、この読取NO.が測定データテーブルT2に記録されないような実施態様も適用し得る。
また、RFIDタグNO.は、RFIDタグ2のメモリ部214からスキャンアンテナ4が読み取ったIDである。テーブルNO.は、スキャンパターンテーブルT1においてスキャン角+20°、−40°に対応付けて設定されたものであり、後述する移動方向判定グラフGにおける縦軸となるものである。図19においては、複数の荷物5が運搬され複数のRFIDタグ2からIDを読み取った場合が示されている。例えば、RFIDタグNO.が「0X00011D8C」のRFIDタグ2は、スキャンアンテナ4から放射される電波のビームMの方向がスキャン角+20°のときに読み取られており、読取NO.は「1」すなわち、後述する読取り処理において最初に読み取られている。
移動方向推定部39は、測定データテーブルT2に記録された読取NO.とIDとテーブルNO.などの情報を受信するとともに、この受信した情報から後述する移動方向判断処理を行ない、その結果算出された移動方向情報とIDとを外部通信部31に送信するように構成されている。
次に、図20(a)、(b)を参照して、このように構成されたRFID通信システムの動作説明をする。図20(a)はスキャン処理と移動方向判断処理を示すフローチャートであり、(b)はこのうちの移動方向判断処理を示すフローチャートである。RFID通信システムにおける動作の概要は、まず、スキャンアンテナ4をスキャンさせるべくスキャン処理を行い、次にそのスキャンした結果に基づき移動方向判断処理を行い、RFIDタグ2の移動方向が検知される。以下詳細に説明する。
<スキャン処理>
スキャン処理は、タグ通信制御部32が、外部装置から送信された送信コマンド情報を、外部通信部31を介して受信するとスタートする。このスキャン処理がスタートすると、タグ通信制御部32がスキャンパターンテーブルT1に基づいてスキャンアンテナ4に対しスキャン角情報を送信する。本実施形態では、スキャン角は、+20°、−40°の2つとしている。
具体的には、まず、スキャン角情報として、スキャンアンテナ制御部35にタグ通信制御部32からスキャン角=+20°が送信されると(S401)、スキャンアンテナ制御部35は、スキャンアンテナ4から送信される電波のビームMがスキャン角=+20°の方向に向くようスキャンアンテナ4にスキャン制御信号を送信し、該信号を受信したスキャンアンテナ4はビームMをスキャン角=+20°に向けて放射する読取り処理を行う(S402)。この読取処理の結果、RFIDタグ2が有るか否かを調べ、すなわち、RFIDタグ2からのIDの読取があるか否かを調べ(S403)、有った場合には(S403のY)、そのIDとスキャン角情報(スキャン角+20°)を関連付けて測定データテーブルT2に読取NO.とともに記録する(S404)。そして、スキャン角=−40°に切替え、以下同様の処理を所定の間繰り返す。その後、移動方向判定処理に移行する。
他方、RFIDタグ2が無かった場合、すなわち、上記読取り処理行なった結果RFIDタグ2からの受信情報がなかった場合、もしくは、正常にRFIDタグ2からの信号を受信できなかった場合には(S403のN)、スキャン角情報を−40°に切り換えて上記(S401〜S404)と同様の処理を行なう(S405〜S408)。これらの処理を所定の間繰り返すと、荷物5の移動方向を検知すべく次に移動方向判断処理に移行する。このスキャン処理から移動方向判断処理の移行の時期は、例えば、測定データテーブルT2にIDが最初に記憶されたときから20個目のIDが記録された時点等、IDの記録個数によって決定してもよいし、また、最初のIDを記録した時点から150ms経過時点等、経過時間によって決定してもよく、この移行の時点は予め記録部37に設定しておく、あるいは、PC等の外部装置から送信されるコマンドとして受け付けても良い。
なお、スキャン処理と移動方向判断処理は並列処理であり、移動方向判断処理を行なっているときでも、スキャン処理は繰り返し行なわれている。なお、本実施形態においては、高速処理を可能とするため、上記のようにスキャン処理と移動方向判断処理は並列処理としているが、このように並列処理に限定するものではなく、スキャン処理と移動方向判断処理とが直列的に処理される構成も適用可能である。
<移動方向判断処理>
上記スキャン処理により最初のIDが測定データテーブルT2に記録されてから、所定の時間経過する若しくは所定回数処理が実行されると、この移動方向判断処理がスタートする。この処理がスタートすると、移動方向推定部39により記録部37に記録された測定データテーブルT2の読み出しが行なわれ(S410)、この読み出された測定データテーブルT2は一時的にバッファなどに記憶され、この記憶された測定データテーブルT2の情報に基づいて移動方向計算が行なわれる(S411)。
この移動方向計算は、次のようにして行なう。測定データテーブルT2から読み出した情報のうち読取NO.とテーブルNO.とから、図21(a)に示す第1の移動方向算出テーブルT3を生成する。この移動方向算出テーブルT3は、x(読取NO.)と、y(テーブルNO.)と、これらx、yの乗算値x*yと、xの2乗値のx*xとからなる。そしてこの第1の移動方向算出テーブルT3を用いて第2の移動方向算出テーブルT4を生成する。
この第2の移動方向算出テーブルT4は、xの第1項(読取NO.1)から第20項(読取NO.20)までの数値の和であるΣx、yの1行目から20行目までの数値の和であるΣy、x*yの1行目から20行目までの数値の和であるΣx*y、xの最終行の読取NO.の値である20とΣx*yとの積である20*Σx*y、x*xの1行目から20行目までの数値の和であるΣx*x、xの最終行の読取NO.の値である20とΣx*xとの積である20*Σx*xとからなる。
この第2の移動方向算出テーブルT4の各値を、下記の移動方向算出式に代入して計算すると図21(b)に示す0.0639という値が算出される。下記移動方向算出式により算出された値である傾き値Sは、後述する線形近似直線Lの傾きを求めた値となる。
〔移動方向算出式〕
Figure 0004352414
なお、上記した移動方向計算の説明においては、読取NO.を1〜20、すなわち、リーダライタ3がRFIDタグ2から20回IDを読み取った場合としているが、これに限定されるものではなく、その読取った回数に応じて、上記移動方向計算式のNをその回数として傾きを求めればよい。
ここで、この傾き値Sを求めるというのは、データ上、図22に示すような移動方向判定グラフGを生成し、このグラフから線形近似直線Lを求め、この求められた線形近似直線Lの傾きを求めることを意味する。具体的には、この移動方向判定グラフGは、テーブルNO.であるyを縦軸にし、読取NO.であるxを横軸にしたxy座標系に、移動方向算出テーブルT3の各xの値、yの値をそれぞれxy座標としてこのxy座標系にプロットして生成される。そしてこの移動方向判定グラフGから線形近似直線Lを求め、この線形近似直線Lの傾きを算出する。図22に示す線形近似直線Lの傾きが図10中右肩上がりなら傾き値Sはプラスの値になり、他方、左肩上がりなら傾き値Sはマイナスの値となり、また、水平なら傾き値S=0となる。そして、予め、この傾き値Sの値がプラスの値なら図1中→A方向に、マイナスの値なら←B方向に、それぞれ荷物5が移動していると定義づけ、更に、傾き値S=0なら停止していると定義づけておけば、この傾き値Sを算出することにより荷物5の移動状態が検知可能となる。
上記のようにして移動方向計算を行い、その移動方向が検知されると、その算出された移動方向が、移動方向推定部39から外部通信部31を介して外部装置に通知され(S412)、移動方向判断処理が終了する。
上記移動方向計算により算出された移動方向情報、すなわち、傾き値Sがマイナスの値、プラスの値あるいは0、例えば、マイナスの値の場合は01、プラスの値の場合は10、S=0の場合は00に変換され、この変換された01、10、00の情報は、移動方向推定部39に一時的に記憶された測定データテーブルT2の各RFIDタグ2のIDに関連付けられて、この関連付けられたIDが外部通信部31を介して外部装置に送信される。
従って、外部装置においては、どの荷物5がどちらの方向に移動しているかを検知することができる。なお、上記移動法判断処理は、リーダライタ3A及び3Bの双方が行えるように構成されており、外部装置には、それぞれの移動方向判断結果が送信される。このように、本発明のタグ通信システムにおいては、対向するリーダライタ3A、3Bの双方により上記移動方向判断処理が行われるので、外部装置における負荷を軽減させることができる。更に、上記したように、ドックドア1の左右一側にしかリーダライタ3を設けていない場合に生ずる読み取り不良、すなわち、荷物5の中に電波を通さない物質が入っていた場合に、RFIDタグ2がリーダライタ3の反対側に貼付されていると読み取れないと言った読み取り不良を防止することが可能となる。
本発明を適用したリーダライタ(タグ通信装置)の概略を示す模式図。 RFIDタグの概略構成を示すブッロク図。 リーダライタの概略構成を示すブロック図。 スキャンアンテナの概要を示す模式図。 スキャンアンテナのスキャンの状態を示す模式図。 第1実施形態の同期処理を示すフロー図。 スキャンの例を示す説明図。 自局及び対向局間において同期がとれていない場合の受信レベルの状態を示す説明図。 同期を取る手法を示す説明図。 自局及び対向局間において同期がとれている場合の受信レベルの状態を示す説明図。 他のスキャン例を示す説明図であり、上図Aは同期が取れていない状態、上図Bは同期が取れている状態をそれぞれ示す説明図。 第2実施形態の同期処理を示すフロー図。 対向局における受信レベルの時間的変化を示すグラフ。 第3実施形態の同期処理を示すフロー図。 対向局から送信されるデータの模式図であり、(a)はリーダライタとRFIDタグとの各通信において同期データが付加される例、(b)はリーダライタとRFIDタグとの複数回の通信後に同期データが付加される例をそれぞれ示す。 第4実施形態のリーダライタにおける移動方向検知の手法を説明するための図であり、(a)、(b)は各リーダライタのビームパターンを示す模式図。 第4実施形態のリーダライタの概略構成を示すブロック図。 スキャンパターンテーブルを示す図。 測定データテーブルを示す図。 (a)は、スキャンアンテナにおけるスキャン処理を示すフロー図、(b)は、移動方向判断処理を示すフロー図。 移動方向算出テーブルを示す図。 移動方向判定グラフを示す図。
符号の説明
1 ドックドア
2 RFIDタグ
3、3A、3B リーダライタ(タグ通信装置)
36 同期情報取得部
38 同期部
39 移動方向推定部
4 スキャンアンテナ
40A、40B、・・・40K アンテナ素子
41A、41B、・・・41K 位相器
5 荷物
6 パレット
G 移動方向判定グラフ
T1 スキャンパターンテーブル
T2 測定データテーブル
T3 第1の移動方向算出テーブル
T4 第2の移動方向算出テーブル
L 線形近似直線
P プロット
M ビーム
α、β スキャン角

Claims (5)

  1. 送信する電波のビームをスキャンするスキャンアンテナを有するとともに、スキャンを実行しながらRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信装置であって、
    前記タグ通信装置は、
    他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期情報を取得する同期情報取得手段と、
    前記同期情報取得手段によって取得した同期情報を基に前記他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期をとる同期手段と、
    を備え
    前記同期情報は、前記他のタグ通信装置から受信した電波の受信レベルから取得すること
    を特徴とするタグ通信装置。
  2. 送信する電波のビームをスキャンするスキャンアンテナを有するとともに、スキャンを実行しながらRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信装置であって、
    前記タグ通信装置は、
    他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期情報を取得する同期情報取得手段と、
    前記同期情報取得手段によって取得した同期情報を基に前記他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期をとる同期手段と、
    を備え、
    前記同期情報は、前記他のタグ通信装置から受信した電波の受信レベルの時間的変化から取得すること
    を特徴とするタグ通信装置。
  3. 送信する電波のビームを予め決まったスキャン角に順次向くようにスキャンするスキャンアンテナを有するとともに、スキャンを実行しながらRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信装置であって、
    電波ビーム送信中の他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期情報を取得する同期情報取得手段と、
    前記同期情報取得手段によって取得した同期情報を基に、電波ビーム送信しながら前記他のタグ通信装置との間で互いのスキャンアンテナのスキャン角を変えるためのスキャンタイミングの同期をとる同期手段と、
    を備えることを特徴とするタグ通信装置。
  4. 送信する電波のビームを予め決まったスキャン角に順次向くようにスキャンするスキャンアンテナを有するとともに、スキャンを実行しながらRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信装置を複数対向配置させて、移動体に付されたRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信システムであって、
    上記複数のタグ通信装置のうちの一つは、
    電波ビーム送信中の他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期情報を取得する同期情報取得手段と、
    前記同期情報取得手段によって取得した同期情報を基に、電波ビーム送信しながら前記他のタグ通信装置との間で互いのスキャンアンテナのスキャン角を変えるためのスキャンタイミングの同期をとる同期手段と、
    を備えることを特徴とするタグ通信システム。
  5. 送信する電波のビームをスキャンするスキャンアンテナを有するとともに、スキャンを実行しながらRFIDタグとの間で無線通信を行うタグ通信装置を複数対向配置させて、移動体に付されたRFIDタグと電波を介して無線通信を行うタグ通信システムであって、
    上記タグ通信装置は、
    他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期情報を取得する同期情報取得手段と、
    上記同期情報取得手段によって取得した同期情報を基に前記他のタグ通信装置との間でスキャンタイミングの同期をとる同期手段と、
    上記RFIDタグからの受信情報を経時情報に関連付けるとともに、この受信情報を受信した際の上記スキャンアンテナのスキャン角と上記経時情報の組を複数個生成するデータ生成手段と、
    上記データ生成手段の生成したデータを用いて、上記スキャン角と上記経時情報の間の関係を示す線形近似直線を求め、この線形近似直線の傾きから上記RFIDタグが付された移動体の移動方向を検知する移動方向検知手段と、
    を備えることを特徴とするタグ通信システム。
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