JP4352082B2 - 周波数同期回路、方法、プログラム及びこれらを用いた受信装置 - Google Patents

周波数同期回路、方法、プログラム及びこれらを用いた受信装置 Download PDF

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Description

本発明は、受信ベースバンド信号の周波数オフセットをキャンセルする周波数同期回路、方法、プログラム及びこれらを用いた受信装置に関する。
一般に、無線通信では送受間の周波数同期が必要となる。非特許文献1には直交周波数分割多重(OFDM)信号を用いる無線通信システムにおける周波数同期の手法が開示されている。
より詳しくは、非特許文献1ではサイクリックプリフィックスが適用されるガードインターバルの相関性を利用して位相回転量を推定・補正する粗周波数同期と、高速フーリエ変換(FFT)処理後のサブキャリアでの位相回転量を推定・補正する精周波数同期との2段階で周波数同期を行っている。ガードインターバルにサイクリックプリフィックスが適用される無線通信システムでは、OFDMシンボル毎にシンボルの末尾がガードインターバルとして先頭にコピーされ、ガードインターバルの繰り返しによる相関性から位相回転量を推定することができる。
一方、特許文献1の段落[0002]〜[0004]及び図43には、受信信号を逓倍処理して変調成分を除去した後に、周波数同期に必要な周波数オフセットを推定する手法が記載されている。
特開平9−214293号公報 802.11高速無線LAN教科書,ISBN4−87280−490−2
非特許文献1に記載されている手法は、粗周波数同期を行うにあたってガードインターバルにサイクリックプリフィックスが適用される無線通信システムを前提している。従って、ガードインターバルにユニークワードが適用される無線通信システムや、送信信号が持続時間の短いいわゆるバースト信号である場合には、周波数オフセットが効果的にキャンセルされない。
一方、特許文献1に記載の逓倍処理を用いる手法では、逓倍比を上げすぎると逓倍信号の信号対雑音比(SNR)が劣化し、周波数オフセットの推定精度が低下する。従って逓倍比の上限が限られるため、キャンセル可能な周波数オフセットも限られてしまう。
従って、本発明は周波数オフセットをより効果的にキャンセル可能な周波数同期回路を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る周波数同期回路は、受信ベースバンド信号を第1の逓倍比で逓倍して第1逓倍信号を出力する第1の逓倍部と;前記第1逓倍信号中の雑音を抑圧してフィルタ信号を出力するフィルタと;前記フィルタ信号を第2の逓倍比で逓倍して第2逓倍信号を出力する第2の逓倍部と;前記第2逓倍信号から前記受信ベースバンド信号の周波数オフセットを推定して推定値を出力する推定部と;前記受信ベースバンド信号に前記推定値を乗じて前記周波数オフセットを除去するオフセット除去部と;を具備する。
本発明の他の態様に係る周波数同期回路は、入力信号に周波数オフセットの累積推定値を乗じて前記周波数オフセットを除去しオフセット除去信号を出力するオフセット除去部と;前記オフセット除去信号を第1の逓倍比で逓倍して第1逓倍信号を出力する第1の逓倍部と;前記第1逓倍信号中の雑音を抑圧してフィルタ信号を出力するフィルタと;前記フィルタ信号を第2の逓倍比で逓倍して第2逓倍信号を出力する第2の逓倍部と;前記第2逓倍信号から前記周波数オフセットを推定して前記累積推定値及び残留推定値を出力する推定部と;前記残留推定値が許容範囲内に収まるように前記第2逓倍比を設定する設定部と;を具備する。
本発明によれば、ガードインターバルにユニークワードが用いられたり、送信信号がバースト信号であったりしても、周波数オフセットを効果的にキャンセルすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る周波数同期回路は、逓倍部100、周波数オフセット推定部140及びミキサ150を有する。この周波数同期回路の入力であるデジタル変調されたシンボルを含む受信ベースバンド信号11は、逓倍部100及びミキサ150に入力される。
逓倍部100は、入力された受信ベースバンド信号11を予め定められた逓倍比で逓倍して、逓倍信号を周波数オフセット推定部140に渡す。逓倍部100から出力される逓倍信号は、周波数オフセット推定部140に入力される。
周波数オフセット推定部140では逓倍信号から受信ベースバンド信号11の周波数オフセットが推定される。後述するように、逓倍部100によって受信ベースバンド信号11を逓倍した後に、周波数オフセットを推定すると、推定精度を改善することができる。周波数オフセットの推定値15は、オフセット除去部150に入力される。
オフセット除去部150は、例えばミキサとフィルタを含み、ミキサにより入力の受信ベースバンド信号11に周波数オフセットの推定値15(推定オフセット周波数)を乗じる。受信ベースバンド信号11に周波数オフセットの推定値15を乗じると、受信ベースバンド信号11の周波数と推定値15との和及び差の周波数成分が得られる。そこで、オフセット除去部150ではさらにミキサの出力からフィルタにより和の周波数成分を除去して差の周波数成分のみを抽出することにより、周波数オフセットが除去された、受信ベースバンド信号11の周波数成分のみを出力する。
次に、逓倍部100について説明する。逓倍部100は、例えば図2に示すように、第1の逓倍部110、フィルタ120及び第2の逓倍部130を有し、逓倍処理を2段階にわたって行っている。
第1の逓倍部110は、逓倍部100への入力信号を予め定められる第1の逓倍比で逓倍して、第1逓倍信号12をフィルタ120に渡す。ここで、第1の逓倍比は、受信ベースバンド信号11の変調成分を除去できるような値に設定されることが望ましい。一例として、受信信号が4相位相シフトキーイング(QPSK)で変調されたシンボル列で構成される場合について考える。このとき、I−Q平面上でのシンボルの信号点配置(コンスタレーション)は次のようになる。シンボル「00」はI−Q平面上の位相π/4の点に、シンボル「01」はI−Q平面上の位相3π/4の点に、シンボル「11」はI−Q平面上の位相5π/4の点に、シンボル「10」はI−Q平面上の位相7π/4の点に夫々配置される。
第1の逓倍比を「4」とすれば、受信ベースバンド信号11に含まれる各シンボルの変調成分が除去される。即ち、受信ベースバンド信号11を逓倍比4で逓倍すると、シンボル「00」の変調成分の位相はπになり、シンボル「10」の変調成分の位相は3π(=π)になり、シンボル「11」の変調成分の位相は5π(=π)になり、シンボル「10」の変調成分の位相は7π(=π)になって、シンボルの変調成分が除去された第1逓倍信号12が得られる。
フィルタ120は、第1の逓倍部110から出力される第1逓倍信号12から第1の逓倍比で逓倍された周波数オフセットを検出する。すなわち、フィルタ120は逓倍された周波数オフセット近傍の第1帯域の信号成分を通過させ、それ以外の第2帯域に存在する雑音成分を抑圧し、第1帯域の信号成分をフィルタ信号13として第2の逓倍部130へと渡す。フィルタ120の具体的な構成は特に限定しないが、例えば第1逓倍信号12とフィルタ関数との畳み込み演算によりフィルタリング処理を実現する。
第2の逓倍部130は、フィルタ120からのフィルタ信号13を第2の逓倍比で逓倍して、第2逓倍信号14を出力する。第2の逓倍比について次に示す表を用いて説明する。
Figure 0004352082
表1に示すように、第2の逓倍比は逓倍部100による最終的な逓倍比Pから第1の逓倍比を減算した値となる。最終的な逓倍比Pは、後述する周波数オフセットの推定誤差を、本実施形態に係る周波数同期回路が用いられるシステムにおいて許容される範囲内に抑えるために必要とされる逓倍比である。尚、表1で示される変調方式と第1の逓倍比の対応はあくまで一例であり、これに限定されるものでない。従って、表1に示した第1の逓倍比を増加または減少させ、これに応じて第2の逓倍比を減少または増加させてもよい。
ここで、本実施形態に係る周波数同期回路の逓倍処理を2段階に分割して行う技術的意義について説明する。
例えば、図1に示す逓倍部100を、QPSKで変調されたシンボル列で構成される信号を単にP逓倍するだけの逓倍部に置き換えたとする。このとき、図3Aに示す逓倍信号が得られる。一般に信号をm逓倍すると、信号対雑音比(SNR)が10log10 m(dB)劣化し、雑音成分が広帯域に亘って信号成分に影響を与える。従って逓倍部100において大きな逓倍比で受信ベースバンド信号11を逓倍してSNRが劣化すると、周波数オフセット推定部140による周波数オフセットの推定が困難となる。
一方、図2に示すように逓倍処理を2段階に分け、受信ベースバンド信号11を第1の逓倍部110において第1の逓倍比「4」で逓倍し、フィルタ120で第1逓倍信号12のフィルタリング処理を行い、第2の逓倍部において第2の逓倍比「P−4」で逓倍すると、図3Bに示すようなSNRの高い第2逓倍信号14が得られる。
即ち、第1の逓倍部110では、フィルタ120にて雑音を抑圧し周波数オフセットを抽出する際に必要な程度の逓倍処理しか行わない。フィルタ120では第1逓倍信号12の周波数オフセット近傍の第1帯域を除く第2帯域に存在する雑音を抑圧しているため、SNRの劣化を最小限に抑えることができる。従って、フィルタ120の出力信号を第2の逓倍部130によって逓倍して得られる第2逓倍信号14は図3Bに示すように、図3Aに示す第1逓倍信号12に比べて周波数オフセットを推定しやすい高SNRの信号となっている。
周波数オフセット推定部140は、逓倍部100からの逓倍信号(第2逓倍信号14)から受信ベースバンド信号11の周波数オフセットを推定し、推定値15をミキサ150に渡す。具体的には、周波数オフセット推定部140は、例えばディスクリミネータ(周波数弁別器)または高速フーリエ変換を用いて逓倍信号から周波数オフセットを推定する。
まず、ディスクリミネータを用いて周波数オフセットを推定する手法について説明する。任意のサンプル番号nに対応する複素離散時間信号x(n)=I(n)+jQ(n)が入力された時、ディスクリミネータの出力f(n)は、以下のように表すことができる。
Figure 0004352082
ここで、fsはサンプリング周波数を示している。このディスクリミネータの出力f(nが周波数オフセットに相当する。このようにディスクリミネータを用いて式(1)のf(n)を検出することにより、周波数オフセットを推定することができる。
次に、高速フーリエ変換を用いて周波数オフセットを推定する手法について説明する。上記複素離散時間信号x(n)を高速フーリエ変換して得られた電力スペクトルのピークに対応する周波数が周波数オフセットに相当する。即ち、高速フーリエ変換を用いて電力スペクトルのピークを与える周波数を検出することにより、周波数オフセットを推定することができる。
ここで、上記ピーク検出に比べて精度良く周波数オフセットを推定する手法について幾つか例示する。
まず、ディスクリミネータの出力を用いて周波数オフセットを推定する手法について説明する。周波数オフセットfoは、ディスクリミネータの出力をf(k)とすると、例えばf(k)の平均値で推定され、次式で表すことができる。
Figure 0004352082
ここで、foは周波数オフセット、Kは信号のサイズを夫々示している。また、ディスクリミネータの出力f(k)の中央値を周波数オフセットとしてもよい。
次に、高速フーリエ変換を用いて、周波数オフセットを推定する手法について説明する。周波数オフセットfoは、例えば図4に示すように、電力スペクトルの最大ピークから予め定めるXdBのレベル低下が検出される周波数f1及びf2の算術平均で推定できる。また、以下に示す式に従って電力スペクトルp(k)の加重平均を周波数オフセットと推定してもよい。
Figure 0004352082
ここで、foは周波数オフセット、Kは高速フーリエ変換のサイズを夫々示す。
最後に、ゼロクロス点の間隔から周波数オフセットを推定する手法について説明する。第i番目のゼロクロス点から第i+1番目までのゼロクロス点の間隔をTdiとし、ゼロクロス点の数がL個であったとすると、周波数オフセットは次のように推定できる。
Figure 0004352082
周波数オフセット推定部140は以上のように周波数オフセットを推定するが、ディスクリミネータによる手法では、周波数オフセットが低域な場合に推定精度がSNRの影響を強く受ける。また、高速フーリエ変換による手法では、1ビン(BIN)あたりの周波数分解能Δfによる推定精度の限界が存在する。しかしながら、本実施形態では周波数オフセット推定部140は、入力信号から直接的に周波数オフセットを推定せずに、逓倍信号から間接的に周波数オフセットを推定するため、以下に説明するように上記推定精度を向上させることができる。
高速フーリエ変換によって得られた電力スペクトルのピークから周波数オフセットを推定する場合について考える。上記電力スペクトルのピークに対応するBIN番号をkとし、周波数分解能をΔfとする。このとき、入力信号の周波数オフセットfoはk*Δfと推定されるが実際には、(k−1)*Δf<fo<(k+1)*Δfの範囲に存在しうる。即ち、上記推定値k*Δfには、最大でΔfの推定誤差が含まれ得る。一方、入力信号をm逓倍した逓倍信号の周波数オフセットfmo(=m*fo)はk*m*Δfと推定され、(k*m−1)*Δf<fmo<(k*m+1)*Δfの範囲に存在しうる。この逓倍信号の周波数オフセットfmoを逓倍比mで分周すると、入力信号の周波数オフセットfoの推定値k*Δfが得られるが、このときの周波数オフセットfoは、(k−1/m)*Δf<fo<(k+1/m)*Δfの範囲に存在することとなり、推定誤差は高々Δf/mとなる。即ち、逓倍比の逆数倍にまで推定誤差を縮小することができる。尚、前述したように入力信号をm逓倍することでSNRは10log10(m)劣化するため、高速フーリエ変換のサイズをKとすれば、最終的なSNRへの影響は10log10(K/m)となる。従って、逓倍比を大きくし過ぎるとSNRの劣化を招くこととなる。
図5A、図5B及び図5Cは、8逓倍、16逓倍及び32逓倍信号を周波数オフセット推定部140に入力した場合の周波数オフセット推定誤差を夫々示している。図5A、図5B及び図5Cでは、横軸がSNR[dB]、縦軸が周波数オフセット推定誤差[Hz]を夫々表しており、フィルタ120が有る場合と無い場合の両方をプロットしている。図5A、図5B及び図5Cから、フィルタ120によって特にSNRが低い場合における、周波数オフセット推定誤差が改善されることがわかる。また、逓倍比が増大するに従って周波数オフセット推定誤差が改善されるという前述した性質も確認することができる。
ミキサ150は、受信ベースバンド信号11から周波数オフセット推定部140より与えられた上記推定値15をキャンセルして、オフセット除去信号16を出力する。
以下、図6に示すフローチャートを用いて本実施形態に係る周波数同期方式について説明する。
まず、入力信号を第1の逓倍比で逓倍する(ステップS701)。ここで、第1の逓倍比は例えば、入力信号に含まれるシンボルの変調成分を抑圧する程度の数とする。次に、ステップS701で得られた第1逓倍信号12から周波数オフセット近傍の第1帯域を除く第2帯域における雑音を抑圧するフィルタ処理を行う(ステップS702)。
次に、ステップS702で得られたフィルタ信号13を第2の逓倍比で逓倍する(ステップS703)。ここで、第2の逓倍比は例えば、周波数オフセットの推定誤差を本実施形態に係る周波数同期方式が用いられるシステムにおいて許容される範囲内に抑えるために必要な逓倍比から上記第1の逓倍比を減じた数とする。
次に、ステップS703で得られた第2逓倍信号14から周波数オフセットを推定する(ステップS704)。例えば、第2逓倍信号14を高速フーリエ変換して得られた電力スペクトルのピークに対応する周波数を逓倍比で分周することにより、周波数オフセットが推定される。
次に、ステップS705で得られた周波数オフセットを上記入力信号からキャンセルする(ステップS706)。例えば、上記入力信号と周波数オフセットを乗算し、低域成分のみを取り出すことにより、入力信号から周波数オフセットがキャンセルされる。
以上説明したように、本実施形態では逓倍処理を2段階に分割し、間にフィルタリング処理を挿入することにより、周波数オフセットの推定誤差を改善している。従って、本実施形態によれば持続時間の短いバースト信号や、中国の地上デジタル放送方式(DTMB)または3GPPのようなユニークワードを用いるシステムに対しても周波数オフセットを効果的にキャンセルすることができる。
(第2の実施形態)
図7に示すように本発明の第2の実施形態に係る周波数同期回路は、逓倍部200、周波数オフセット推定部240、ミキサ150及び逓倍比設定部260を有する。図7において図1と同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
ミキサ150は、デジタル変調されたシンボルを含む受信ベースバンド信号11から、予め周波数オフセット推定部240より与えられた周波数オフセットの累積推定値15Bをキャンセルしたオフセット除去信号16を出力する。また、このオフセット除去信号16は逓倍部200にも入力される。
逓倍部200は、基本的に上記第1の実施形態に係る逓倍部100と同様であるが、後述する逓倍比設定部260によって最終的な逓倍比が設定されると、これに伴って第2の逓倍比を変化させることが可能である。逓倍部200は、入力されたオフセット除去信号16に上記逓倍部100と同様の処理を施し、逓倍信号を周波数オフセット推定部240に渡す。
周波数オフセット推定部240は上記逓倍信号から残留する周波数オフセットを推定し、周波数オフセットの残留推定値15Aを逓倍比設定部260に渡すと共に、上記残留推定値を累積した累積推定値15Bをミキサ150に渡す。ここで、前述したように本実施形態に係る周波数同期回路を最初に動作させる際に、ミキサ150に与える周波数オフセットの累積推定値15Bの初期値が必要となるが、例えば0を用いることにする。前述したように、周波数オフセット推定部240では、ミキサ150にて周波数オフセットの累積推定値15Bをキャンセルされたオフセット除去信号16を逓倍処理後、残留する周波数オフセットを推定している。例えば、周波数オフセット推定部240が高速フーリエ変換を用いて周波数オフセットを推定しているとすれば、逓倍信号の振幅スペクトルより得られた電力スペクトルのピークに対応するBIN番号に、周波数分解能Δfを乗じた値から逓倍部200における逓倍比を除することで残留する周波数オフセットを推定する。第i回目の残留推定値をfoiとすると、第p回目の残留推定値はfopであり、ミキサ150でキャンセルされるオフセット周波数の累積推定値15Bはfo1+fo2+・・・+fopとなる。周波数オフセットの残留推定値foiの絶対値は単調に減少するから、推定が行われる毎に残留推定値は0に近づき、ミキサ150にてキャンセルされる周波数オフセットの累積推定値15Bは真の値に収束する。
逓倍比設定部260は、周波数オフセット推定部240からの周波数オフセットの残留推定値15Aに基づいて決まる逓倍比を逓倍部200に設定する。標本化定理より、逓倍部200に設定することのできる最大の逓倍比nはサンプリング周波数fs及び残留周波数オフセットfoを用いて、n=fs/|2fo|で表すことができる。前述したように周波数オフセット推定部240の出力する残留推定値15Aの絶対値は単調に減少し、0に収束するから逓倍比設定部260の設定できる逓倍比は等価的に無限大となる。従って、理想的には、逓倍比設定部260は逓倍部200に設定可能な逓倍比を際限なく増大させることができるため、本実施形態に係る周波数同期回路が用いられるシステムに応じて最適な逓倍比を設定することができる。
以上説明したように、本実施形態では周波数オフセットの残留推定値を累積し、この累積推定値をキャンセルした受信ベースバンド信号から更に残留する周波数オフセットを推定している。従って、本実施形態によれば、周波数オフセットの残留推定値は次第に0に収束するため、サンプリング周波数に関係なく所望の逓倍比を設定し、周波数オフセットを効果的にキャンセルすることができる。
(第3の実施形態)
図8に示すように本発明の第3の実施形態に係る周波数同期回路は、スイッチ370、バッファ380、ミキサ150、逓倍部200、周波数オフセット推定部240、逓倍比設定部260及び切り替え判定部390を有する。図8において図7と同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
スイッチ370は、デジタル変調されたシンボルを含む受信ベースバンド信号11またはミキサ150からのオフセット除去信号16のうち、切り替え判定部390によって指定された一方がバッファ380に入力されるように接続を切り替える。
バッファ380は、スイッチ370を介して入力された信号を一時的に蓄えると共に、ミキサ150へと出力する。バッファ380に蓄えられた信号は、入力される信号によって逐次更新される。
ミキサ150は、バッファ380の出力信号から周波数オフセット推定部240より与えられた周波数オフセットの累積推定値15Bをキャンセルし、オフセット除去信号16を逓倍部200に渡す。また、この際にスイッチ370の接続次第で、オフセット除去信号16は前述したようにスイッチ370を介してバッファ380へと入力される。
周波数オフセット推定部240は上記第2の実施形態と同様に逓倍部200からの逓倍信号に基づいて残留する周波数オフセットを推定し、残留推定値15Aを逓倍比設定部260及び切り替え判定部390に渡し、累積推定値15Bをミキサ150に渡す。
切り替え判定部390は例えば、逓倍比設定部260から与えられた周波数オフセットの残留推定値の絶対値を予め定める閾値と比較し、比較結果に応じてスイッチ370の切り替えを行う。具体的には、上記絶対値が上記閾値未満であれば受信ベースバンド信号11がバッファ380に入力されるように、上記絶対値が上記閾値以上であればミキサ150からのオフセット除去信号16がバッファ380に入力されるようにスイッチ370を切り替える。尚、切り替え判定部390による切り替えの判定条件は上記したものに限られず、例えば周波数オフセットの推定累積値15Bが予め定められた範囲内になった場合に切り替えを行っても良い。また、本実施形態に係る周波数同期回路が用いられる受信装置において、切り替え判定部390はビット誤り率(BER)が予め定められた値を下回った場合に切り替えを行っても良い。
以上説明したように、本実施形態では周波数オフセットが十分キャンセルできるまで同期処理を繰り返している。従って、本実施形態によればバースト信号のような持続時間が限られた信号であっても効果的に周波数オフセットをキャンセルできる。また、高速引き込みが必要とされるシステムにおいても本実施形態は有効である。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る周波数同期回路は、前述した第1乃至第3の実施形態のいずれかにおいて、逓倍部を図9に示す逓倍部に置き換えたものである。図9に示すように、本実施形態に係る逓倍部は第1の逓倍部410、高速フーリエ変換器(FFT)411、帯域幅推定部412、逓倍比設定部413、フィルタ420及び第2の逓倍部430を有する。
第1の逓倍部410は、基本的に上記第1の実施形態に係る第1の逓倍部110と同様であるが、後述する逓倍比設定部413によって第1の逓倍比が設定される。即ち、第1の逓倍部410は、デジタル変調されたシンボルを含む受信信号を逓倍比設定部413によって設定された第1の逓倍比で逓倍して、第1逓倍信号12をフィルタ420に渡す。また、第1逓倍信号12はFFT411にも出力される。
FFT411は、第1逓倍信号12を高速フーリエ変換して得られる電力スペクトルを帯域幅算出部412に渡す。
帯域幅推定部412は、上記電力スペクトルから第1逓倍信号12の帯域幅を推定する。帯域幅の推定方法は特に限定しないが、一例として帯域幅推定部412は以下に示す方法で帯域幅を算出する。まず、帯域幅推定部412は上記電力スペクトルの最大ピークを検出する。この最大ピークが検出された周波数から両周波数方向(即ち、高域側及び低域側)に、上記最大ピークからXdBのレベル低下が見られる点を検出し、両点の周波数幅を推定帯域幅とする。尚、この最大ピークからのレベル低下XdBは、経験的に求める性質のものであり、具体的な数値は特に限定しない。また、帯域幅算出部412は、上記電力スペクトル中の複数のピークに対してラインスペクトルを検出する。ラインスペクトルとは、1BINから数BIN程度以内に大幅なレベルの減衰が見られるスペクトルである。ラインスペクトルが存在しない場合には、前述した第1の逓倍部410による逓倍が不十分であり、変調成分の除去が不完全であると判断できる。帯域幅推定部412は、逓倍比設定部413に推定帯域幅及びラインスペクトルの検出結果を通知する。
逓倍比設定部413は、上記帯域幅推定部412から通知された推定帯域幅及びラインスペクトルの検出結果に基づいて、新たな第1の逓倍比を導出し、第1の逓倍部410に設定する。具体的には、逓倍比設定部413は、帯域幅推定部412から通知された推定帯域幅が前回通知された推定帯域幅よりも広く、かつ、ラインスペクトルが検出されていない場合には前回設定した第1の逓倍比よりも大きな第1の逓倍比を新たに設定する。一方、帯域幅推定部412から通知された推定帯域幅が前回通知された推定帯域幅以下であるか、ラインスペクトルが検出された場合には、前回設定した第1の逓倍比を維持する。尚、第1の逓倍比は1,2,4・・・のように2のべき乗で増加させてもよいし、1,2,3,4・・・のように1ずつ増加させてもよいし、これら以外の規則で増加させてもよい。
以上説明したように、本実施形態では第1逓倍信号12の帯域幅やラインスペクトルの有無に応じて第1の逓倍比を適応的に設定している。従って、本実施形態によればシンボルの変調方式が未知またはアダプティブに変更されるシステムにおいても、高精度に周波数オフセットをキャンセルすることができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る周波数同期回路は、前述した第1乃至第4の実施形態のいずれかにおいて、フィルタを図10に示すフィルタに置き換えたものである。図10に示すように、本実施形態に係るフィルタはFFT521、周波数オフセット推定部522、雑音抑圧部523及び高速逆フーリエ変換器(IFFT)524を有する。
FFT521は、第1の逓倍部からの第1逓倍信号12を高速フーリエ変換し、振幅スペクトルを周波数オフセット推定部522及び雑音抑圧部523に渡す。
周波数オフセット推定部522は、例えば上記振幅スペクトルから算出した電力スペクトルのうち、所定の帯域幅以下の鋭い電力スペクトルを検出し、これらのうち最大の電力スペクトルを示すBIN番号から周波数オフセットを推定し、雑音抑圧部523に通知する。
雑音抑圧部523は、周波数オフセット推定部522からの周波数オフセットの推定値に基づいて、上記高速フーリエ変換信号中の雑音を抑圧する。以下、雑音抑圧部523による雑音抑圧の具体例を示す。雑音抑圧部523は、例えば上記周波数オフセットの推定値を中心に数BINの第1区間を通過させ、残りの第2区間の信号値を0に置き換えてよい。また、雑音抑圧部523は、例えば帯域幅が±数BINの窓関数を上記周波数オフセットの推定値を中心に乗じてもよい。また、雑音抑圧部523は、例えば上記周波数オフセットの推定値における信号レベルから数dB低下するまでの第1区間における信号を通過させ、残りの第2区間の信号値を0に置き換えてもよい。
IFFT524は、雑音抑圧部523からの信号を高速逆フーリエ変換して、フィルタ信号13として第2の逓倍部に渡す。
以上説明したように、本実施形態では第1逓倍信号12に高速フーリエ変換を施し、周波数オフセット近傍の第1区間を除く第2区間の信号値を0に置き換えている。従って、本実施形態によれば、例えば単一のバースト信号に対しても効果的に雑音を抑圧することができる。
(第6の実施形態)
図11に示すように、本発明の第6の実施形態に係る受信装置は、アンテナ601、受信部602、アナログ−デジタル変換器(ADC)603、周波数同期回路604、位相変動抑圧部605、リサンプラ606、シンボル同期部607及び復調・復号部608を有する。
アンテナ601は、図示しない親局から送信される、デジタル変調されたシンボルを含んだ信号を受信する。受信部602は、アンテナ601が受信した信号をダウンコンバートして、受信ベースバンド信号を取り出す。ADC603は、受信部602によって取り出された受信ベースバンド信号をアナログ−デジタル変換し、周波数同期回路604へと出力する。
周波数同期回路604は、上記第1乃至第5のいずれかに係る周波数同期回路であり、ADC603から出力された受信ベースバンド信号から周波数オフセットをキャンセルしてオフセット除去信号を得る。
位相変動抑圧部605は、周波数同期回路604からの同期信号が持つ緩やかな位相変動を抑圧し、リサンプラ606へと渡す。リサンプラ606は、位相変動抑圧部605から与えられた同期信号のサンプリング速度の変動を抑圧し、シンボル同期部607へと渡す。
シンボル同期部607は、リサンプラ606から与えられた同期信号からシンボルの抽出するためのタイミング検出を行う。復調・復号部608は、シンボル同期部607で検出されたタイミングに従って、シンボルを復調及び復号する。
以上説明したように、本実施形態では受信装置中に上記第1乃至第5のいずれかに係る周波数同期回路を用いている。従って、本実施形態によればガードインターバル部分にサイクリックプリフィックスでなく、ユニークワードが適用されるシステムにおいても適切に送受間の搬送周波数を同期することができる。
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
第1の実施形態に係る周波数同期回路を示すブロック図。 図1に示す逓倍部を詳細に示すブロック図。 受信信号に対する逓倍処理を1度にまとめて行った場合の逓倍信号の電力スペクトルを示すグラフ図。 受信信号に対する逓倍処理を2段階に分割して行った場合の逓倍信号の電力スペクトルを示すグラフ図。 図1に示す周波数オフセット推定部によって推定される周波数オフセット推定値を概念的に示すグラフ図。 8逓倍信号の周波数オフセットの推定誤差を示すグラフ図。 16逓倍信号の周波数オフセットの推定誤差を示すグラフ図。 32逓倍信号の周波数オフセットの推定誤差を示すグラフ図。 図1に示す周波数同期回路の動作を示すブロック図。 第2の実施形態に係る周波数同期回路を示すブロック図。 第3の実施形態に係る周波数同期回路を示すブロック図。 第4の実施形態に係る周波数同期回路に用いられる逓倍部を具体的に示すブロック図。 第5の実施形態に係る周波数同期回路に用いられるフィルタを具体的に示すブロック図。 第6の実施形態に係る受信装置を示すブロック図。
符号の説明
11・・・・受信ベースバンド信号
12・・・・第1逓倍信号
13・・・・フィルタ信号
14・・・・第2逓倍信号
15・・・・周波数オフセットの推定値
15A・・・周波数オフセットの残留推定値
15B・・・周波数オフセットの累積推定値
16・・・・オフセット除去信号
100・・・逓倍部
110・・・第1の逓倍部
120・・・フィルタ
130・・・第2の逓倍部
140・・・周波数オフセット推定部
150・・・ミキサ
200・・・逓倍部
240・・・周波数オフセット推定部
260・・・逓倍比設定部
370・・・スイッチ
380・・・バッファ
390・・・切り替え判定部
410・・・第1の逓倍部
411・・・FFT
412・・・帯域幅推定部
413・・・逓倍比設定部
420・・・フィルタ
430・・・第2の逓倍部
521・・・FFT
522・・・周波数オフセット推定部
523・・・雑音抑圧部
524・・・IFFT
601・・・アンテナ
602・・・受信部
603・・・ADC
604・・・AFC
605・・・CPE
606・・・リサンプラ
607・・・シンボル同期部
608・・・復調・復号部

Claims (13)

  1. 受信ベースバンド信号を第1の逓倍比で逓倍して第1逓倍信号を出力する第1の逓倍部と、
    前記第1逓倍信号中の雑音を抑圧してフィルタ信号を出力するフィルタと、
    前記フィルタ信号を第2の逓倍比で逓倍して第2逓倍信号を出力する第2の逓倍部と、
    前記第2逓倍信号から前記受信ベースバンド信号の周波数オフセットを推定して推定値を出力する推定部と、
    前記受信ベースバンド信号に前記推定値を乗じて前記周波数オフセットを除去するオフセット除去部と、
    を具備することを特徴とする周波数同期回路。
  2. 前記受信ベースバンド信号はある変調方式で変調されたシンボルを含み、
    前記第1の逓倍比は、前記第1の逓倍部により前記受信ベースバンド信号の変調成分が除去されるように設定されることを特徴とする請求項1記載の周波数同期回路。
  3. 前記前記第1の逓倍比と前記第2の逓倍比との和は、前記推定値の推定誤差が許容範囲内に収まるように設定されることを特徴とする請求項1記載の周波数同期回路。
  4. 前記第1逓倍信号を高速フーリエ変換して振幅スペクトルを出力する高速フーリエ変換器と、
    前記振幅スペクトルを二乗した電力スペクトルから前記第1逓倍信号の帯域幅を推定する帯域幅推定部と、
    前記帯域幅が予め定める閾値以上であれば、前記第1の逓倍比をより大きく設定する設定部と、
    を更に具備することを特徴とする請求項1記載の周波数同期回路。
  5. 前記フィルタは、
    前記第1逓倍信号を高速フーリエ変換して第1振幅スペクトルを出力する高速フーリエ変換器と、
    前記第1振幅スペクトルを二乗した電力スペクトルから、前記第1逓倍信号の周波数オフセットを推定する逓倍周波数オフセット推定部と、
    前記第1逓倍信号の周波数オフセットに基づいて前記第1振幅スペクトルの雑音を抑圧して、第2振幅スペクトルを出力する抑圧部と、
    前記第2振幅スペクトルを高速逆フーリエ変換して前記フィルタ信号を出力する高速逆フーリエ変換器と
    を含むことを特徴とする請求項1記載の周波数同期回路。
  6. 入力信号に周波数オフセットの累積推定値を乗じて前記周波数オフセットを除去しオフセット除去信号を出力するオフセット除去部と、
    前記オフセット除去信号を第1の逓倍比で逓倍して第1逓倍信号を出力する第1の逓倍部と、
    前記第1逓倍信号中の雑音を抑圧してフィルタ信号を出力するフィルタと、
    前記フィルタ信号を第2の逓倍比で逓倍して第2逓倍信号を出力する第2の逓倍部と、
    前記第2逓倍信号から前記周波数オフセットを推定して前記累積推定値及び残留推定値を出力する推定部と、
    前記残留推定値が許容範囲内に収まるように前記第2逓倍比を設定する設定部と、
    を具備することを特徴とする周波数同期回路。
  7. 前記入力信号はある変調方式で変調されたシンボルを含み、
    前記第1の逓倍比は、前記第1の逓倍部により前記受信ベースバンド信号の変調成分が除去されるように設定されることを特徴とする請求項6記載の周波数同期回路。
  8. 変調されたシンボルを含む受信ベースバンド信号または前記オフセット除去信号のいずれか一方を一時的に記憶して前記入力信号として出力するバッファと、
    前記残留推定値の絶対値が閾値未満であれば前記受信ベースバンド信号が前記バッファに記憶され、前記推定値の絶対値が予め定める前記閾値以上であれば前記オフセット除去信号が前記バッファに記憶されるように前記バッファの入力を切り替える切り替え部と、を更に具備することを特徴とする請求項6記載の周波数同期回路。
  9. 前記第1逓倍信号を高速フーリエ変換して振幅スペクトルを出力する高速フーリエ変換器と、
    前記振幅スペクトルを二乗した電力スペクトルから前記第1逓倍信号の帯域幅を推定する帯域幅推定部と、
    前記帯域幅が予め定める閾値以上であれば、前記第1の逓倍比をより大きく設定する設定部と、
    を更に具備することを特徴とする請求項6記載の周波数同期回路。
  10. 前記フィルタは、
    前記第1逓倍信号を高速フーリエ変換して第1振幅スペクトルを出力する高速フーリエ変換器と、
    前記第1振幅スペクトルを二乗した電力スペクトルから、前記第1逓倍信号の周波数オフセットを推定する逓倍周波数オフセット推定部と、
    前記第1逓倍信号の周波数オフセットに基づいて前記第1振幅スペクトルの雑音を抑圧して、第2振幅スペクトルを出力する抑圧部と、
    前記第2振幅スペクトルを高速逆フーリエ変換して前記フィルタ信号を出力する高速逆フーリエ変換器と
    を含むことを特徴とする請求項6記載の周波数同期回路。
  11. 変調されたシンボルを含む受信信号をダウンコンバートして、受信ベースバンド信号を出力する受信部と、
    前記受信ベースバンド信号から周波数オフセットを除去して、オフセット除去信号を出力する請求項1記載の周波数同期回路と、
    前記シンボルのタイミングを同期するシンボル同期部と、
    前記タイミングに従ってシンボルを復調する復調部と
    を具備することを特徴とする受信装置。
  12. 受信ベースバンド信号を第1の逓倍比で逓倍して第1逓倍信号を出力し、
    前記第1逓倍信号中の雑音を抑圧してフィルタ信号を出力し、
    前記フィルタ信号を第2の逓倍比で逓倍して第2逓倍信号を出力する第2の逓倍部と、
    前記第2逓倍信号から前記受信ベースバンド信号の周波数オフセットを推定して推定値を出力し、
    前記受信ベースバンド信号に前記推定値を乗じて前記周波数オフセットを除去する
    ことを特徴とする周波数同期方法。
  13. コンピュータを
    受信ベースバンド信号を第1の逓倍比で逓倍して第1逓倍信号を出力する第1の逓倍手段、
    前記第1逓倍信号中の雑音を抑圧してフィルタ信号を出力するフィルタ手段、
    前記フィルタ信号を第2の逓倍比で逓倍して第2逓倍信号を出力する第2の逓倍手段、
    前記第2逓倍信号から前記受信ベースバンド信号の周波数オフセットを推定して推定値を出力する推定手段、
    前記受信ベースバンド信号に前記推定値を乗じて前記周波数オフセットを除去するオフセット除去手段
    として機能させるための周波数同期プログラム。
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