JP2014121070A - 等化装置及び等化方法並びに受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パイロットサブキャリアの周期配列に起因する非希望波成分を抑圧する等化装置を提供する。
【解決手段】等化装置(等化部)15は、伝送路特性推定部22で推定された伝送路特性に逆直交変換を施して推定遅延プロファイルを算出する逆直交変換部23と、パイロットサブキャリアのシンボル方向の挿入周期の正整数倍のサンプル数で推定遅延プロファイルをシンボル方向に平滑化する平滑化部24と、平滑化部24の出力を直交変換する直交変換部26と、直交変換部26の出力を用いて周波数領域信号の歪みを補正する等化処理部31とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、伝送路の歪みを補償する等化技術に関し、特に、フェージングにより無線信号が伝送路で受けた歪みを補正する等化技術に関する。
無線通信システム及び地上デジタル放送システムなどでは、送信機から出力された電波は、受信機に到着するまでの間に、建物などの障害物または大気の電離層で反射、回折もしくは散乱し、あるいは、移動体通信によるドップラーシフトの影響を受ける場合がある。この場合、受信機は、送信機から直接的に到来した直接波(希望波)だけでなく、当該直接波とは別の経路を伝搬した遅延波を受信し得る。このように送信機から複数経路(マルチパス)を伝搬した送信波は、互いに干渉して受信信号の振幅及び位相の一方または双方を時間的に変動させる現象を引き起こす。この種の現象は、フェージングと呼ばれている。
マルチパス妨害に耐性のある伝送方式としては、直交周波数分割多重化(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送方式が知られている。OFDM伝送方式は、互いに直交関係のある複数の副搬送波(サブキャリア)を多重化して1つのOFDMシンボルを生成する方式である。OFDM伝送方式は、たとえば、日本及び欧州の地上デジタル放送規格であるISDB−T(Integrated Digital Services Digital Broadcasting−Terrestrial)及びDVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)で採用されている。通常、OFDMシンボルには、既知の振幅及び位相を有するパイロットサブキャリアがサブキャリアの一部として周期的に挿入されている。特に、OFDMシンボルの中に分散配置されたパイロットサブキャリアは、スキャタード・パイロット(SP:Scattered Pilots)と呼ばれている。
パイロットサブキャリアは、受信機での等化処理に広く使用されている。受信機がパイロットサブキャリアを用いた等化機能を有する場合、この受信機は、受信信号からパイロットサブキャリアを抽出し、当該抽出されたパイロットサブキャリアを参照して伝送路特性の推定値をサブキャリア毎に算出する。受信機は、当該伝送路特性の推定値を用いて、伝送路から受信信号が受けた歪みをサブキャリア単位で補正することができる。この種の等化技術は、たとえば、特開2007−143106号公報(特許文献1)及び特開2008−271018号公報(特許文献2)に開示されている。
特許文献1に開示されている等化回路は、1シンボル分のSP(スキャタード・パイロット)信号から推定された周波数領域の伝送路のインパルス応答に逆離散フーリエ変換を施すことで伝送路の時間領域の第1のインパルス応答の推定(1シンボル推定)を行うとともに、4シンボル分のSP信号を用いて時間領域の第2のインパルス応答を推定する。周波数軸方向に12サブキャリア毎に1つのSP信号が配置されている場合、上記逆離散フーリエ変換の実行により、有効シンボル長Tuの1/12の整数倍の時間Tu/6,Tu/4,Tu/3にそれぞれ現れる遅延波成分がエリアジング成分となって第1のインパルス応答の0〜Tu/12の時間領域内に流入する。特許文献1に開示されている等化回路は、このようなエリアジング成分の推定量(エリアジング量)を第2のインパルス応答を用いて算出し、当該エリアジング量を用いて第1のインパルス応答中のエリアジング成分を抑圧している。
一方、特許文献2に開示されているOFDM受信装置は、受信信号から抽出されたパイロット信号に基づいて周波数領域の伝送路伝達関数を推定し、当該推定された伝送路伝達関数に逆高速フーリエ変換を施すことで時間領域の伝送路インパルス応答を算出する。このOFDM受信装置は、当該時間領域の伝送路インパルス応答に対してシンボル方向のフィルタ処理を施すLPF(ローパスフィルタ)部を備えている。外部ノイズまたはフェージングなどの外乱により受信信号が乱れた場合、前述の時間領域の伝送路インパルス応答においては、直接波及び遅延波と、外乱に起因するノイズとの間の区別が明確では無い。特許文献2に開示されているLPF部は、このようなノイズを抑圧することができる。
特開2007−143106号公報(図2,図4(a)〜(c)及び段落0063〜0071) 特開2008−271018号公報(図1及び段落0036〜0041)
上述の通り、特許文献1に開示されている等化回路は、4シンボル分のSP信号に基づいて算出された第2のインパルス応答を用いてエリアジング量を推定する。しかしながら、特許文献1に開示されている等化回路は、第2のインパルス応答の0〜Tu/3の時間領域を、第1のインパルス応答の0〜Tu/3の時間領域と対応付けて第1のインパルス応答のエリアジング成分を推定している。当該推定されたエリアジング成分(エリアジング量)の位相は、第1のインパルス応答に実際に現れるエリアジング成分の位相とは異なるため、特許文献1に開示されている等化回路では、エリアジング成分を正確に推定することができないという問題がある。
特許文献2に開示されているようなLPF部は、外乱に起因するノイズを抑圧することはできるが、LPF部のフィルタ特性がSP信号の周期配列に起因するエリアジング成分の特性に適合していないため、当該エリアジング成分を十分に抑圧することは難しい。
上記に鑑みて本発明の目的は、SPなどのパイロットサブキャリアの周期配列に起因して発生する非希望波成分を効果的に抑圧することができる等化装置及び等化方法並びに受信装置を提供することにある。
本発明の第1の態様による等化装置は、周期的に挿入されたパイロットサブキャリアを含む直交周波数分割多重化信号をシンボル単位で受信し、当該受信信号をシンボル毎に直交変換して周波数領域信号を生成する受信装置において伝送路の歪みを補償する等化装置であって、前記周波数領域信号から前記パイロットサブキャリアを抽出するパイロット抽出部と、当該抽出されたパイロットサブキャリアに基づいて周波数領域の伝送路特性を推定する伝送路特性推定部と、当該推定された伝送路特性に逆直交変換を施して推定遅延プロファイルを算出する逆直交変換部と、前記パイロットサブキャリアのシンボル方向における挿入周期の正整数倍のサンプル数で前記推定遅延プロファイルをシンボル方向に平滑化して平滑化遅延プロファイルを生成する平滑化部と、前記平滑化遅延プロファイルに直交変換を施して周波数領域の平滑化伝送路特性を算出する直交変換部と、前記平滑化伝送路特性を用いて前記周波数領域信号の歪みを補正する等化処理部とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様による受信装置は、周期的に挿入されたパイロットサブキャリアを含む直交周波数分割多重化信号をシンボル単位で受信する受信装置であって、当該受信信号をシンボル毎に直交変換して周波数領域信号を生成する主直交変換部と、前記周波数領域信号から前記パイロットサブキャリアを抽出するパイロット抽出部と、当該抽出されたパイロットサブキャリアに基づいて周波数領域の伝送路特性を推定する伝送路特性推定部と、当該推定された伝送路特性に逆直交変換を施して推定遅延プロファイルを算出する逆直交変換部と、前記パイロットサブキャリアのシンボル方向における挿入周期の正整数倍のサンプル数で前記推定遅延プロファイルをシンボル方向に平滑化して平滑化遅延プロファイルを生成する平滑化部と、前記平滑化遅延プロファイルに直交変換を施して周波数領域の平滑化伝送路特性を算出する直交変換部と、 前記平滑化伝送路特性を用いて前記周波数領域信号の歪みを補正する等化処理部とを備えることを特徴とする。
本発明の第3の態様による等化方法は、周期的に挿入されたパイロットサブキャリアを含む直交周波数分割多重化信号をシンボル単位で受信し、当該受信信号をシンボル毎に直交変換して周波数領域信号を生成する受信装置において伝送路特性の歪みを補償する等化方法であって、前記周波数領域信号から前記パイロットサブキャリアを抽出するステップと、当該抽出されたパイロットサブキャリアに基づいて周波数領域の伝送路特性を推定するステップと、当該推定された伝送路特性に逆直交変換を施して推定遅延プロファイルを算出するステップと、前記パイロットサブキャリアのシンボル方向における挿入周期の正整数倍のサンプル数で前記推定遅延プロファイルにシンボル方向の平滑化を施して平滑化遅延プロファイルを生成するステップと、前記平滑化遅延プロファイルに直交変換を施して周波数領域の平滑化伝送路特性を算出するステップと、前記平滑化伝送路特性を用いて前記周波数領域信号の歪みを補正するステップと
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、パイロットサブキャリアのシンボル方向における挿入周期の正整数倍のサンプル数で推定遅延プロファイルをシンボル方向に平滑化することで平滑化遅延プロファイルが生成される。それ故、パイロットサブキャリアのシンボル方向の周期配列に起因する非希望成分を抑圧することができ、ノイズをも効果的に抑圧することが可能となる。したがって、当該平滑化遅延プロファイルに基づいて周波数領域信号の歪みを良好に補正することができる。
本発明に係る実施の形態1の受信装置の構成例を概略的に示す図である。 伝送シンボル(OFDMシンボル)の構成を概略的に示す図である。 伝送シンボルに挿入されるスキャタード・パイロット(SP:Scattered Pilots)の配置例を概略的に示す図である。 遅延時間及びドップラー周波数に関する特性の一例を概略的に示す図である。 推定遅延プロファイルの一例を示す図である。 連続する推定遅延プロファイルの例を示す図である。 実施の形態1の平滑化部の構成例を概略的に示す図である。 平滑化遅延プロファイルの一例を示す図である。 閾値処理により得られた平滑化遅延プロファイルを概略的に示す図である。 移動平均フィルタの振幅特性の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態2の等化部の概略構成を示すブロック図である。 遅延時間及びドップラー周波数に関する特性の一例を概略的に示す図である。 推定遅延プロファイルの一例を示す図である。 複数の区間に分割された推定遅延プロファイルの一例を示す図である。 第1平滑化部を構成するフィルタの通過帯域(カットオフレートより低い帯域)PB1の一例を示す図である。 平滑化遅延プロファイルの一例を示す図である。 ドップラー検出部の構成例を概略的に示すブロック図である。 図14に示した区間Zに対応するドップラー周波数スペクトルの一例を示す図である。 図14に示した区間Zに対応するドップラー周波数スペクトルの一例を示す図である。 第2平滑化部を構成するフィルタの通過帯域PB2の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態3の演算装置の一例を示す図である。 実施の形態1に係る等化方法と同じ等化方法を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る種々の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る等化方法を実現する実施の形態1の受信装置1の構成例を概略的に示す図である。この受信装置1は、受信アンテナ素子Rx、チューナ部10、A/D変換器(ADC)11、直交復調部12、局部発振器13、離散フーリエ変換(DFT)部14、等化部15、キャリア復調部16、誤り訂正部17及びデコード部18を備えている。
チューナ部10は、受信アンテナ素子Rxで受信された無線信号に対して同調処理などのアナログ信号処理を施してアナログ受信信号を生成し、そのアナログ受信信号をA/D変換器11に出力する。A/D変換器11は、アナログ受信信号をディジタル受信信号に変換し、直交復調部12に出力する。本実施の形態では、アナログ受信信号は、複数のサブキャリア(副搬送波)を用いて生成されたマルチキャリア信号であり、特に、互いに直交関係にある複数のサブキャリアを用いて生成された直交周波数分割多重化(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号である。
直交復調部12は、局部発振器13から供給された発振周波数信号LOを用いてA/D変換器11の出力を直交復調してベースバンド(基底帯域)受信信号を生成する。このベースバンド受信信号は、同相成分と直交成分とを含む複素信号である。なお、当該複素信号で表される複素数をI+jQ(jは、虚数単位)と表すとき、同相成分は、当該複素数の実部Iを表す信号であり、直交成分は、当該複素数の虚部Qを表す信号である。
図2は、伝送シンボル(OFDMシンボル)の構成を概略的に示す図である。図2に示されるように、伝送シンボルは、周波数多重化された複数のサブキャリア(副搬送波)を含む有効シンボルと、この有効シンボルの末尾部分の信号と同一の冗長信号(サイクリック・プレフィックス)からなるガードインターバル部(GI部)とを含む。1シンボル期間(1シンボル長)Tは、有効シンボル期間Tuと、GI部の長さであるガード期間Tgとからなる。なお、本実施の形態では、GI部は、有効シンボルの直前に配置されているが、これに限定されるものではない。たとえば、GI部が有効シンボルの直後に配置されてもよい。
受信装置1は、図2に示した伝送シンボル単位で送信信号を受信する。これら伝送シンボルには、送信側で既知の振幅及び位相を有するパイロットサブキャリアが周期的に挿入されている。図3は、スキャタード・パイロット(SP:Scattered Pilots)とデータ伝送に使用されるデータ・サブキャリアとの配置例を概略的に示す図である。図3に示されるように、サブキャリアは、周波数方向に所定の間隔Δfで配列されている。SPは、時間方向(シンボル方向)にLsp個のシンボル毎に挿入され、且つ、周波数方向(サブキャリア方向)にa個のサブキャリア毎に挿入される。また、互いに隣接するシンボル間でSPの配置パターンが周波数方向にb個のサブキャリア分の周波数(=b×Δf)だけずれている。図3のSPの配置は、ISDB−T規格に従って定められたものであるため、Lsp=4、a=12、b=3、である。
図1を参照すると、DFT部14は、ベースバンド受信信号にN点の離散高速フーリエ変換(直交変換)を施して周波数領域のサブキャリア信号Fsを生成する。ここで、離散高速フーリエ変換に代えて他の種類の直交変換が使用されてもよい。
等化部15は、DFT部14から入力されたサブキャリア信号から抽出されたSP信号に基づいて周波数領域の伝送路特性の推定値を算出し、当該推定値を用いてサブキャリア信号の歪みを補正することができる。補正された周波数領域信号すなわち等化信号Esは、キャリア復調部16に供給される。この等化部15の構成及び動作については後述する。
キャリア復調部16は、等化信号Esに対してサブキャリア毎にキャリア復調(ディジタル復調)を実行して受信データ信号系列を生成する。キャリア変調方式としては、たとえば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)もしくはM値QAM(M−ary Quadrature Amplitude Modulation;Mは2以上の整数)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。誤り訂正部17は、キャリア復調部16の出力系列に対して誤り訂正を実行する。そして、デコード部18は、誤り訂正部17の出力に復号処理を施して復号データを得る。
次に、図1に示される等化部15の構成について説明する。
図1に示されるように、等化部15は、パイロット抽出部21、伝送路特性推定部22、逆離散フーリエ変換(IDFT)部23、平滑化部24、閾値処理部25、離散フーリエ変換(DFT)部26、信号遅延部30及び等化処理部31を有する。
パイロット抽出部21は、入力されたサブキャリア信号FsからSP信号を抽出する。伝送路特性推定部22は、抽出されたSP信号に基づいて、SPに作用する伝送路特性を推定する。たとえば、伝送路特性推定部22は、抽出されたSP信号を既知のSP信号で除算することで伝送路特性を算出することができる。
SPに作用する伝送路特性Hp(f,mT)は、次式(1)で表される。
Figure 2014121070
ここで、H(f,mT)は、m番目のシンボルにおける周波数特性であり、Tは、OFDMシンボルの長さ(単位は秒)である。また、Δfは、サブキャリア間隔(単位はHz)、aは、周波数方向におけるSPの挿入周期(単位はサブキャリア数)、bは、隣接するシンボル間でのSPの配置のシフト量(単位はサブキャリア数)、δ(x)は、変数xに関するディラックのデルタ関数である。
上式(1)の伝送路特性Hp(f,mT)を周波数fについて逆フーリエ変換すると、時間mT及び遅延時間τに関する特性である推定遅延プロファイルを得ることができる。具体的には、推定遅延プロファイルR(τ;m)は、次式(2)で表される。
Figure 2014121070
ここで、τは、遅延時間であり、jは、虚数単位である。また、h(τ,mT)は、m番目シンボルの遅延プロファイルであり、上式(1)の右辺の伝送路特性H(f,mT)を周波数fについて逆フーリエ変換することで得られるものである。上式(2)の右辺のk=0の項は、所望の遅延プロファイルを表し、右辺のk≠0の項は、繰り返し成分(非希望成分)を表す。ここで、上式(2)の右辺のexp[j2π(b/a)mk]の項に着目すると、繰り返し成分は、変数kが非零の項を含むため、シンボル方向に位相回転していることが分かる。具体的には、図3のSPの配置の場合には、a=12,b=3であり、位相回転量はexp(jmkπ/4)となり、シンボル番号mが1つ増加するごとに、kπ/4ずつ位相が回転する。
上式(2)の遅延プロファイルR(τ;m)に対してシンボル方向(シンボル番号m)に離散フーリエ変換を施すことにより、遅延時間τ及びドップラー周波数の特性を表すドップラー周波数スペクトルを求めることができる。ドップラー周波数スペクトルは、ドップラー広がりを表す関数D(τ,h/NT)を用いて次式(3)で表すことができる。
Figure 2014121070
ここで、DFT[R(τ;m)]は、シンボル方向(時間t=mT)について遅延プロファイルR(τ;m)にN点の離散フーリエ変換を施すことを意味する。関数D(τ,h/NT)は、シンボル方向(時間t=mT)について関数h(τ,mT)にN点の離散フーリエ変換を施すことで得られるものである。
今、2波ライス伝送路(時間変動しない直接波とレイリー波である遅延波とが存在する伝送路)の場合を想定する。図4は、2波ライス伝送路の場合に上式(3)で表される特性の一例を概略的に示す図である。図4において、横軸は、遅延時間τを表し、縦軸は、ドップラー周波数を表している。
図4に示されるように、ドップラー方向に広がっていない所望の直接波成分S00,S04と、ドップラー方向に広がる遅延波成分D10,D14とが存在する。これら希望波成分S00,S04,D10,D14は、式(3)の右辺のk=0の項に対応するものである。また、直接波成分S00に対してTu/12の整数倍の位相のズレを有する繰り返し成分s11,s22,s33,s44が現れ、遅延波成分D10に対してTu/12の整数倍の位相のズレを有する繰り返し成分d21,d32が現れている。さらに、遅延波成分D14に対してもTu/12の位相のズレを有する繰り返し成分d03が現れている。SPに作用する伝送路特性から、全サブキャリアについての伝送路特性を高精度に推定するためには、このような繰り返し成分を除去する必要がある。
IDFT部23は、伝送路特性推定部22で算出されたSPの伝送路特性に逆離散フーリエ変換を施して推定遅延プロファイルR(τ;m)を生成する。ここで、逆離散フーリエ変換に代えて他の種類の逆直交変換が使用されてもよい。
平滑化部24は、シンボル方向におけるSPの挿入周期Lspの正整数倍のサンプル数で推定遅延プロファイルR(τ;m)をシンボル方向に平滑化する。この結果得られた平滑化遅延プロファイルは、閾値処理部25に出力される。なお、周波数方向におけるSPの挿入間隔は、図3に示されるようにa×Δf=12×Δfである。IDFT部23による逆離散フーリエ変換のサンプリング間隔は3×Δfとされ、SP以外のサンプル値は零値とされる。よって、IDFT部23のサンプリング点数は、N/3である。
図5は、2波ライス伝送路の場合に、IDFT部23で生成される推定遅延プロファイルR(τ;m)の一例を示す図である。図5は、図4に示した遅延時間及びドップラー周波数の特性を遅延時間τの軸側から視た場合の図である。推定遅延プロファイルR(τ;m)の値は、複素数で表現されるところ、図5の縦軸は、推定遅延プロファイルR(τ;m)の振幅を表している。図5に示されるように、直接波成分(希望波成分)S0に対してTu/12の間隔で繰返し成分s1,s2,s3,s4,…が発生し、遅延波成分(希望波成分)D1に対してもTu/12の間隔で繰返し成分d2,d3,d4,…が発生する。これら繰返し成分s1,s2,s3,s4,d2,d3,d4は、上式(2)の右辺のk≠0の項に対応するものである。よって、繰返し成分は、希望波成分から遅延時間方向にk×Tu/12(kは整数)だけシフトした位置に現れる。また、受信信号に含まれるガウス雑音の影響により、推定遅延プロファイルR(τ;m)には雑音成分Nsが含まれている。
平滑化部24は、繰り返し成分の上記性質を利用して、推定遅延プロファイルR(τ;m)を、連続するLsp(=4)個のシンボル分の実部と虚部をそれぞれ平滑化することで繰返し成分を抑圧する。平滑化部24は、たとえば、移動平均フィルタで構成することができるが、これに限らず、ブロック平均フィルタで構成してもよい。
図6は、4シンボル分の連続する推定遅延プロファイルR(τ;m),R(τ;m+1),R(τ;m+2),R(τ;m+3)の例を示す図である。図6において、縦軸は、推定遅延プロファイルR(τ;m),R(τ;m+1),R(τ;m+2),R(τ;m+3)の実部を表している。平滑化部24は、遅延時間τに関して、時間方向すなわちシンボル方向に連続的に配列された推定遅延プロファイルのサンプル値を平滑化することで繰返し成分を抑圧することができる。なお、平滑化部24でのシンボル方向のサンプル数は、Lsp(=4)個に限らず、Lspの正整数倍であればよい。
平滑化部24としては、たとえば、公知のFIR(Finite Impulse Response)フィルタあるいはIIR(Infinite Impulse Response)フィルタなどのデジタルフィルタを使用すればよい。図7は、平滑化部24の構成例を概略的に示す図である。図7に示されるように、平滑化部24は、遅延素子242〜2424L−1と乗算器243〜2434Lと総和演算器244とを含む。ここで、Lは正整数である。平滑化部24は、フィルタ係数w,w,…,w4Lと推定遅延プロファイルR(τ;n),R(τ;n−1),…,R(τ;n−4L+1)とを積和演算することにより平滑化遅延プロファイルFR(τ;n)を算出することができる。
図8は、平滑化遅延プロファイルの一例を示す図である。図8に示されるように、図5に示した繰り返し成分d0,s1〜s4,d2〜d4は効果的に抑圧され、希望波成分FS0,FD1が明瞭に現れている。また、図5の雑音成分Nsも抑圧されたため、図8の平滑化遅延プロファイルでは、雑音成分FNsの振幅は低いレベルに抑えられる。これにより、遅延プロファイルの推定精度が向上することが分かる。
次に、図1の閾値処理部25は、平滑化部24から出力された平滑化遅延プロファイルのうち閾値Th以下の振幅を有するサンプル値を零値に置き換える閾値処理を実行する。ここで、閾値Thを超える振幅を有するサンプル値の前後所定数のサンプル値を零値に置き換えないようにしてもよい。図8の例では、雑音成分FNsの振幅は閾値Th以下にあり、希望波成分FS0,FD1の振幅は閾値Thを超えているので、閾値処理により、雑音成分FNsを除去することができる。図9は、閾値処理により得られた平滑化遅延プロファイルを概略的に示す図である。
次に、DFT部26は、閾値処理部25から出力された平滑化遅延プロファイルにN点の離散フーリエ変換を施すことで周波数領域の伝送路特性を算出する。ここで、各シンボルの平滑化遅延プロファイルは、N/3点のサンプル値しか持たないため、DFT部26は、平滑化遅延プロファイルのN/3点のサンプル値に2N/3点の零値を追加して得られるN点の値を離散フーリエ変換する。これにより、DFT部14から出力されるN点のサブキャリア信号全てに対応する伝送路特性を得ることができる。
一方、信号遅延部30は、入力されたサブキャリア信号Fsを所定のシンボル数分の遅延時間だけ遅延させた後に等化処理部31に出力する。この遅延時間を定める所定のシンボル数は、平滑化部24での群遅延に依存する。たとえば、4シンボルの移動平均の群遅延量は、2.5シンボルなので、この場合、信号遅延部30は、2シンボルから3シンボル分の遅延時間だけサブキャリア信号Fsを遅延させればよい。信号遅延部30は、伝送路特性が時間変動する環境において、DFT部14から出力される信号とDFT部26から出力される信号との互いのタイミングをシンボル単位で一致させることができる。
等化処理部31は、DFT部26から出力された伝送路特性を用いて、たとえば、公知のZF(Zero−Forcing)基準に従ってサブキャリア信号を等化(信号の歪みを補正)し、その結果得られた等化信号Esを出力する。ZF基準の場合、信号遅延部30から出力されたサブキャリア信号を、当該サブキャリア信号に対応する伝送路特性で除算することで当該サブキャリア信号の歪みを補正することができる。なお、ZF基準の等化方法に限らず、たとえば、MMSE(Minimum Mean Square Error)基準の等化方法を採用してもよい。
以上に説明したように、実施の形態1の等化部15は、パイロットサブキャリアの挿入周期Lspの正整数倍のサンプル数で推定遅延プロファイルR(τ;m)をシンボル方向に平滑化するので、推定精度の高い平滑化遅延プロファイルを得ることができる。それ故、パイロットサブキャリアのシンボル方向の周期配列に起因する非希望波成分を抑圧することができ、併せて雑音成分も効果的に抑圧することが可能となる。
図10は、4シンボル分の移動平均フィルタで構成された平滑化部24の振幅特性の一例を示す図である。図10から分かるように、カットオフレートは約1/(8T)である。よって、図10のフィルタ特性を有する移動平均フィルタは、最大ドップラー周波数が約1/(8T)以下となる環境で有効な手法であることが分かる。
よって、実施の形態1の受信装置1は、当該平滑化遅延プロファイルに基づいて周波数領域のサブキャリア信号の歪みを良好に補正することができる。したがって、マルチパス環境下での受信性能が向上するという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、N/3点のサンプル分の推定遅延プロファイルR(τ;m)が算出されているが、この代わりに、対応する遅延時間以内の推定遅延プロファイルのみが算出されてもよい。たとえば、GI部が有効シンボル長Tuの1/4程度のガード期間Tgを有し且つGI部内の遅延波だけに対応する場合、N/4点のサンプル分の推定遅延プロファイルを推定してもよい。推定される遅延プロファイルの範囲を限定することで、その範囲外の雑音成分と繰返し成分とを切捨てることができるので、遅延プロファイルの推定精度を向上させることができる。
実施の形態2.
次に、本発明に係る等化方法を実現する実施の形態2について説明する。図11は、実施の形態2の等化部15Bの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態の受信装置の構成は、図1の等化部15に代えて図11の等化部15Bを有する点を除いて、上記実施の形態1の受信装置1(図1)の構成と同じである。
図11に示されるように、実施の形態2の等化部15Bは、パイロット抽出部21、伝送路特性推定部22、IDFT部23、ドップラー検出部41、第1平滑化部42、到来波検出部43、フィルタ特性決定部44、閾値設定部45、第2平滑化部24B、閾値処理部25B、DFT部26、信号遅延部30及び等化処理部31を有する。
図11に示したパイロット抽出部21、伝送路特性推定部22、IDFT部23、DFT部26、信号遅延部30及び等化処理部31の構成は、図1に示したパイロット抽出部21、伝送路特性推定部22、IDFT部23、DFT部26、信号遅延部30及び等化処理部31の構成とそれぞれ同じである。ただし、信号遅延部30での遅延時間は、第2平滑化部24Bで生ずる群遅延量に応じた時間に設定される。
第2平滑化部24Bは、IDFT部23から出力された推定遅延プロファイルR(τ;m)の遅延時間領域をD個の区画Z,…,ZD−1に分割する。そして、第2平滑化部24Bは、区間毎に個別に、パイロットサブキャリアの挿入周期Lspの正整数倍のサンプル数で推定遅延プロファイルR(τ;m)をシンボル方向に平滑化することができる。
ここで、第2平滑化部24Bは、フィルタ特性決定部44から区画Z,…,ZD−1にそれぞれ対応するフィルタ係数群F(0),…,F(D−1)の供給を受けるので、区画毎に異なるフィルタ係数群を使用した平滑化フィルタリングを実行することができる。たとえば、第d番目の区画Z内の平滑化フィルタリングには、d番目のフィルタ係数群F(d)が使用される。このような第2平滑化部24Bは、単数または複数のFIR型またはIIR型のデジタルフィルタで構成されればよい。第2平滑化部24Bが単数のデジタルフィルタで構成される場合、このデジタルフィルタを時分割で使用すればよい。
図12は、2波ライス伝送路の場合に上式(3)で表される特性の一例を概略的に示す図である。図12において、横軸は、遅延時間τを表し、縦軸は、ドップラー周波数を表している。また、図12の例では、ドップラー周波数が約1/(5T)[単位:Hz]の場合が想定されている。図12に示されるように、ドップラー方向に広がっていない所望の直接波成分S00,S04と、ドップラー方向に広がる遅延波成分D10,D14とが存在する。また、直接波成分S00に対してTu/12の整数倍の位相のズレを有する繰り返し成分s11,s22,s33,s44が存在し、遅延波成分D10に対してTu/12の整数倍の位相のズレを有する繰り返し成分d21,d32が存在する。さらに、遅延波成分D14に対してもTu/12の位相のズレを有する繰り返し成分d03が存在する。
図13は、図12の特性を有する2波ライス伝送路の場合に、IDFT部23で生成される推定遅延プロファイルR(τ;m)の一例を示す図である。図14は、図13に示した推定遅延プロファイルR(τ;m)の遅延時間領域が複数の区間Z,…,Zに分割された様子を示している。第2平滑化部24Bは、このような区間Z,…,Zについて個別にシンボル方向の平滑化を実行することができる。
閾値処理部25Bは、第2平滑化部24Bから出力された平滑化遅延プロファイルに区間毎に個別に閾値処理を施す。ここで、閾値処理部25Bは、閾値設定部45から区間Z,…,ZD−1にそれぞれ対応する閾値Th(0),…,Th(D−1)の供給を受けるので、区画毎に異なる閾値を使用した閾値処理を実行することができる。たとえば、閾値処理部25Bは、第d番目の区画Z内のサンプル値が閾値Th(d)以下である場合には、当該サンプル値を零値に置き換える。
一方、第1平滑化部42は、上記実施の形態1の平滑化部24と同じ構成を有する。このため、第1平滑化部42は、SPの挿入周期Lspの正整数倍のサンプル数で推定遅延プロファイルR(τ;m)をシンボル方向に平滑化することができる。
図15は、この第1平滑化部42を構成するフィルタの通過帯域(カットオフレートより低い帯域)PB1の一例を示す図である。四角形の点線で囲まれた範囲が通過帯域PB1である。注意すべきことは、このフィルタのカットオフレートは約1/(8T)[単位:Hz]であり、本実施の形態で想定されている伝送路の最大ドップラー周波数約1/(5T)[単位:Hz]の方が高いことである。図15に示されるように、所望の遅延波成分D10,D14の一部が通過帯域PB1に含まれず、また、遅延波成分D10,D14に対応する繰返し成分d21,d03の一部が通過帯域PB1に含まれていることが分かる。図12は、この場合の第1平滑化部42から出力される平滑化遅延プロファイルを概略的に示す図である。図12に示される平滑化遅延プロファイルでは、所望の遅延波成分FD1がやや減衰し、繰返し成分が抑圧されずに残留している。この平滑化遅延プロファイルは、後述する到来波成分の検出には十分利用可能な信号である。
到来波検出部43は、第1平滑化部42から出力された平滑化遅延プロファイルの遅延時間領域を上記D個の区間Z,…,ZD−1に分割し、区間毎に、到来波成分を検出することができる。具体的には、たとえば、到来波検出部43は、図16に示されるように、区間Z,…,Z内のサンプル値のそれぞれを共通の判定閾値Th1と比較し、その比較結果に基づいて区間毎に到来波成分(たとえば、希望波成分または残留繰り返し成分)の存在を検出することができる。到来波検出部43は、たとえば、区間Z内のサンプル値のいずれかが判定閾値Th1以上であるときは、当該区間Zは、到来波成分が存在する有効区間であると判定し、区間Z内のサンプル値が判定閾値Th1未満のときは、当該区間Zは、到来波成分が存在しない非有効区間であると判定することが可能である。
あるいは、到来波検出部43は、区間Z,…,ZD−1にそれぞれ個別に割り当てられた判定閾値DTh(0),…,DTh(D−1)を用いて、区間Z,…,ZD−1内のサンプル値のD個の総和を判定閾値DTh(0),…,DTh(D−1)とそれぞれ比較し、その比較結果に基づいて区間毎に到来波成分の存在を検出することもできる。図16の例では、到来波検出部43は、区間Z,Zは、到来波成分FS0,FD1が存在する有効区間であると判定することができ、それ以外の区間Z,Z〜Zは、到来波成分が存在しない非有効区間であると判定することができる。区間毎の到来波成分の検出結果(到来波成分の位置情報)は、フィルタ特性決定部44と閾値設定部45とにそれぞれ与えられる。
ドップラー検出部41は、IDFT部23から出力された推定遅延プロファイルR(τ;m)のN/3点のサンプル値に基づいて、上記D個の区間Z,…,ZD−1における最大ドップラー周波数FD,…,FDD−1を検出する。これら最大ドップラー周波数FD,…,FDD−1は、フィルタ特性決定部44と閾値設定部45とに与えられる。より具体的には、ドップラー検出部41は、区間毎に推定遅延プロファイルR(τ;m)のサンプル値の総和を算出し、当該総和を時間方向に観測することで最大ドップラー周波数を検出することができる。
図17は、ドップラー検出部41の構成例を概略的に示すブロック図である。図17に示されるように、ドップラー検出部41は、スペクトル算出部411,…,411D−1と、エッジ検出部414,…,414D−1と、ドップラー周波数検出部415,…,415D−1とを有する。各スペクトル算出部411(dは、0からD−1の範囲内の任意整数)は、信号記憶部412とプロファイルDFT部413とを有している。
信号記憶部412は、推定遅延プロファイルR(τ;m)のd番目区間Z内のサンプル値の総和SUM(m)を算出し、連続するP個(Pは2以上の正整数)のシンボル分の総和SUM(m),SUM(m+1),…,SUM(m+P−1)を記憶する。プロファイルDFT部413は、これらP個の総和SUM(m),SUM(m+1),…,SUM(m+P−1)に離散フーリエ変換を施して、当該区間Zのドップラー周波数スペクトル(ドップラー広がりを示す信号)を算出する。
エッジ検出部414は、プロファイルDFT部413で算出されたドップラー周波数スペクトルに現れる周波数成分の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの組を検出することができる。ドップラー周波数検出部415は、エッジ検出部414で検出された組のうち当該周波数成分の中心周波数が最も零に近い組を選択し、当該選択された組の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのうちの一方のエッジの周波数の絶対値を最大ドップラー周波数FDとして与える。
図18は、図14に示した区間Zに対応するドップラー周波数スペクトルの一例を示す図である。図14に示されるように、区間Zには、所望の直接波成分S0と、遅延波成分に対応する繰返し成分d0とが含まれる。図18に示されるドップラー周波数スペクトルでは、ドップラー周波数が零の点に所望の直接波の周波数成分が存在し、ドップラー周波数3/(4T)の点に繰返し成分の周波数成分が存在する。図19は、図14に示した区間Zに対応するドップラー周波数スペクトルの一例を示す図である。図19に示されるように、ドップラー周波数が零の点に所望の遅延波の周波数成分が存在し、ドップラー周波数1/(4T)の点に直接波の繰返し成分の周波数成分が存在する。
エッジ検出部414,…,414D−1は、ドップラー周波数スペクトルの隣接するサンプル間の差分を算出し、当該差分を立下りエッジ検出用の正の閾値及び立上りエッジ検出用の負の閾値と比較し、当該比較結果に基づいて周波数成分の立ち下がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出することができる。たとえば、図18のドップラー周波数スペクトルについては、エッジ検出部414は、立上りエッジの位置UE,UEを検出し、立下りエッジの位置DE,DEを検出することができる。一方、図19のドップラー周波数スペクトルについては、エッジ検出部414は、立上りエッジの位置UE,UEを検出し、立下りエッジの位置DE,DEを検出することができる。
ドップラー周波数検出部415は、隣合う立上りエッジと立下りエッジの検出位置を1つのペア(組)とする。ここで、立上りエッジの位置がドップラー周波数の低い位置になるようペアを決定する。図18の場合、(UE,DE),(UE,DU)がこの条件に該当するペアである。次に、上記ペアの立上りエッジと立下りエッジの検出位置の中心値(当該周波数成分の中心周波数)を算出し、この中心値の絶対値が最も小さいペアを探索する。図18の場合、(UE,DE)がそれに該当する。最後に、立ち上がりエッジの位置の絶対値と、立下りエッジの位置の絶対値のうち、大きいほうを選択してこれを最大ドップラー周波数として出力する。図18と図19では、所望の成分はドップラー周波数が零となる軸を中心に対称に広がっているので、立上りエッジと立下りエッジのどちらの位置の絶対値を出力してもよい。
なお、図17のドップラー検出部41は、互いに並列に動作するD個の処理系統を有しているが、これに限定されるものではない。1つの処理系統を時分割で使用して複数の区間Z,…,ZD−1のドップラー周波数FD,…,FDD−1を算出してもよい。
図11のフィルタ特性決定部44は、区間毎の到来波成分の検出結果と、ドップラー検出部41で検出されたドップラー周波数FD〜FDD−1とに基づいて、第2平滑化部24Bで使用されるフィルタ係数群F(0)〜F(D−1)の値を可変に設定することができる。たとえば、到来波成分が存在すると判断された有効区間(たとえば、図16の区間Z)については、フィルタ特性決定部44は、当該有効区間に適用すべきフィルタ係数群を、当該有効区間の最大ドップラー周波数以下の周波数の低域成分を通過させ且つその最大ドップラー周波数よりも高い周波数の高域成分を減衰させる低域通過型のフィルタを定める係数群に設定することができる。一方、到来波成分が存在しないと判断された非有効区間(たとえば、図16の区間Z)については、フィルタ特性決定部44は、当該非有効区間に適用すべきフィルタ係数群を、非常に狭い通過帯域のフィルタを定める係数群に設定することができる。
図20は、第2平滑化部24Bを構成するフィルタの通過帯域PB2の一例を示す図である。図中の点線で囲まれた範囲が通過帯域PB2である。図14の推定遅延プロファイルに応じて、有効区間Zでは、ドップラー周波数FDを遮断周波数とする通過帯域のLPF(ローパスフィルタ)が使用されるため、繰返し成分d03を抑圧することができる。一方、有効区間Zでは、ドップラー周波数FDを遮断周波数とする通過帯域のLPFが使用されることで、繰返し成分s11を抑圧することができる。有効区間Z,Z以外の非有効区間Z,Z〜Zでは、有効区間Z,Zと比べて非常に狭い通過帯域のLPFが使用されるため、繰返し成分d21,d32,s11,s22,s33を抑圧することができる。このように、区間毎に所望の成分の最大ドップラー周波数を遮断周波数とする通過帯域のLPFすなわち平滑化フィルタを設定することができるため、所望の成分と繰返し成分とが互いに重なるような電波環境下でも精度よく遅延プロファイルを推定することができる。
次に、閾値設定部45は、到来波成分が存在しないと判断された非有効区間では、閾値を大きな値に設定し、到来波成分が存在すると判断された有効区間では、検出された最大ドップラー周波数が高いほど低い値の閾値を設定することができる。閾値設定部45は、各有効区間で可能な限り閾値を小さな値に設定するように動作することが望ましい。これは、受信電力の小さな到来波を切捨てないようにするためである。具体的には、第2平滑化部24Bで使用されるフィルタの通過帯域が狭い区間では、ガウス雑音の成分が十分に抑圧されることを利用して、閾値を小さな値に設定することができる。また、第2平滑化部24Bで使用されるフィルタの通過帯域が広い区間では、閾値を大きな値に設定することができる。
たとえば、或る区間のフィルタの通過帯域幅をWとした場合、当該区間に対応する閾値を、A×W+B、との式で算出される値に設定すればよい。ここで、AとBは任意の定数である。特別な場合としてA=0とすれば、閾値は、通過帯域幅Wに依存せず一意に決められる。
以上に説明したように本実施の形態の等化部15Bは、最大ドップラー周波数と到来波成分の検出結果とに応じて、第2平滑化部24Bのフィルタ特性を可変に制御することができるので、電波環境及び受信環境に応じて第2平滑化部24Bのフィルタ特性を最適化することができる。したがって、精度の高い遅延プロファイルを推定することができる。
本実施の形態では、最大ドップラー周波数と到来波成分の検出は、複数の区間Z〜ZD−1のそれぞれについて行われ、第2平滑化部24Bは、区間毎にシンボル方向の平滑化を実行するので、電波環境及び受信環境に応じて繰り返し成分を効果的に抑圧することができる。特に、最大ドップラー周波数が大きく(たとえば、1/(8T)以上であり)、所望の成分と繰返し成分とが互いに近接しあるいは重なる電波環境であっても、繰り返し成分を効果的に抑圧することができる。
なお、本実施の形態では、N/3点のサンプル分の推定遅延プロファイルR(τ;m)が算出されているが、この代わりに、対応する遅延時間以内の推定遅延プロファイルのみが算出されてもよい。たとえば、GI部が有効シンボル長Tuの1/4程度のガード期間Tgを有し且つGI部内の遅延波だけに対応する場合、N/4点のサンプル分の推定遅延プロファイルを推定してもよい。推定される遅延プロファイルの範囲を限定することで、その範囲外の雑音成分と繰返し成分とを切捨てることができるので、遅延プロファイルの推定精度を向上させることができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。上記実施の形態1,2の受信装置の機能の一部は、ハードウェア構成で実現されてもよいし、あるいは、コンピュータプログラムで実現されてもよい。当該機能の一部がコンピュータプログラムで実現される場合には、CPUを含むマイクロプロセッサが、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から当該コンピュータプログラムをロードし実行することによって当該機能の一部を実現することができる。
図21は、上記実施の形態1,2の等化装置1,1Bをコンピュータプログラムで実現する場合の演算装置50の一例を示す図である。図21に示されるように、この演算装置50は、プロセッサ51、RAM52、不揮発性メモリ53、記憶装置54、入出力インタフェース55及びバス56を有する。たとえば、プロセッサ51は、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリ53からコンピュータプログラムをロードし実行することによって等化装置1,1Bの機能を実現することができる。
図22は、上記実施の形態1に係る等化方法と同じ等化方法を示すフローチャートである。プロセッサ51は、上記パイロット抽出部21と同様に、入出力インタフェース55を介して入力された周波数領域のサブキャリア信号FsからSP信号を抽出する(ステップS11)。次に、プロセッサ51は、上記伝送路特性推定部22と同様に、抽出されたSP信号に基づいて時間領域の伝送路特性を推定し、上記IDFT部23と同様に、当該推定された時間領域の伝送路特性に逆フーリエ変換を施して推定遅延プロファイルR(τ;m)を生成する(ステップS12)。
次に、プロセッサ51は、SPの挿入周期Lspの正整数倍のサンプル数で推定遅延プロファイルR(τ;m)をシンボル方向に平滑化して平滑化遅延プロファイルFR(τ;m)を生成し(ステップS13)、上記閾値処理部25と同様の閾値処理を実行する(ステップS14)。
さらに、プロセッサ51は、上記DFT部26と同様に、平滑化遅延プロファイルFR(τ;m)にN点の離散フーリエ変換を施して周波数領域の伝送路特性を生成する(ステップS15)。その後、プロセッサ51は、RAM52に一時的に記憶されていたサブキャリア信号Fsを所定の遅延時間の後に読み出し(ステップS16)、ステップS15で算出された伝送路特性を用いて、当該サブキャリア信号Fsに等化処理を施すことができる(ステップS17)。
以上、図面を参照して本発明に係る種々の実施の形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な形態を採用することもできる。たとえば、上記実施の形態1,2の受信装置の構成の全部または一部は、LSI(Large Scale Integrated circuit)で実現することもできる。また、FPGA(Field−Programmable Gate Array)あるいはASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実施の形態1,2の受信装置の構成の全部または一部を実現することも可能である。
また、上記実施の形態1,2の受信装置は、たとえば、デジタル放送受信装置(テレビジョン放送受信機及び音声放送受信機を含む。)、あるいは、移動体通信システムの受信端末といった通信装置として構成され得る。
1,1B 受信装置、 10 チューナ部、 11 A/D変換器(ADC)、 12 直交復調部、 13 局部発振器、 14 DFT部、 15,15B 等化部、 16 キャリア復調部、 17 誤り訂正部、 18 デコード部、 21 パイロット抽出部、 22 伝送路特性推定部、 23 IDFT部、 24,24B 平滑化部、 25,25B 閾値処理部、 26 DFT部、 30 信号遅延部、 31 等化処理部、 41 ドップラー検出部、 411〜411D−1 スペクトル算出部、 412〜412D−1 信号記憶部、 413〜413D−1 プロファイルDFT部、 414〜414D−1 エッジ検出部、 415〜415D−1 ドップラー周波数検出部、 42 第1平滑化部、 43 到来波検出部、 44 フィルタ特性決定部、 45 閾値設定部、 50 演算装置、 51 プロセッサ、 52 RAM、 53 不揮発性メモリ、 54 記憶装置、 55 入出力インタフェース、 56 バス。

Claims (20)

  1. 周期的に挿入されたパイロットサブキャリアを含む直交周波数分割多重化信号をシンボル単位で受信し、当該受信信号をシンボル毎に直交変換して周波数領域信号を生成する受信装置において伝送路の歪みを補償する等化装置であって、
    前記周波数領域信号から前記パイロットサブキャリアを抽出するパイロット抽出部と、
    当該抽出されたパイロットサブキャリアに基づいて周波数領域の伝送路特性を推定する伝送路特性推定部と、
    当該推定された伝送路特性に逆直交変換を施して推定遅延プロファイルを算出する逆直交変換部と、
    前記パイロットサブキャリアのシンボル方向における挿入周期の正整数倍のサンプル数で前記推定遅延プロファイルをシンボル方向に平滑化して平滑化遅延プロファイルを生成する平滑化部と、
    前記平滑化遅延プロファイルに直交変換を施して周波数領域の平滑化伝送路特性を算出する直交変換部と、
    前記平滑化伝送路特性を用いて前記周波数領域信号の歪みを補正する等化処理部と
    を備えることを特徴とする等化装置。
  2. 請求項1に記載の等化装置であって、
    前記平滑化遅延プロファイルの閾値未満のサンプル値を零値に置き換える閾値処理を実行する閾値処理部をさらに備え、
    前記直交変換部は、前記閾値処理部の出力に直交変換を施して前記平滑化伝送路特性を算出する
    ことを特徴とする等化装置。
  3. 請求項1に記載の等化装置であって、
    前記推定遅延プロファイルに現れる到来波成分を検出する到来波検出部と、
    前記推定遅延プロファイルに基づいて前記到来波成分に対応する最大ドップラー周波数を検出するドップラー検出部と、
    前記最大ドップラー周波数に基づいて前記平滑化部のフィルタ特性を決定するフィルタ特性決定部と
    をさらに備え、
    前記平滑化部は、可変のフィルタ係数群を用いて前記推定遅延プロファイルをシンボル方向に平滑化する平滑化フィルタを有し、
    前記フィルタ特性決定部は、前記フィルタ係数群を前記最大ドップラー周波数に応じた係数群に設定する
    ことを特徴とする等化装置。
  4. 請求項3に記載の等化装置であって、前記フィルタ特性決定部は、前記フィルタ係数群を、前記最大ドップラー周波数以下の周波数の低域成分を通過させ且つ前記最大ドップラー周波数よりも高い周波数の高域成分を減衰させる低域通過型フィルタを定める係数群に設定することを特徴とする等化装置。
  5. 請求項3または4に記載の等化装置であって、
    前記平滑化遅延プロファイルの閾値未満のサンプル値を零値に置き換える閾値処理を実行する閾値処理部と、
    前記閾値を前記最大ドップラー周波数に応じた値に設定する閾値設定部と
    をさらに備え、
    前記直交変換部は、前記閾値処理部の出力に直交変換を施して前記平滑化伝送路特性を算出し、
    前記閾値設定部は、前記閾値を前記最大ドップラー周波数が高いほど低い値に設定する
    ことを特徴とすることを特徴とする等化装置。
  6. 請求項3から5のうちのいずれか1項に記載の等化装置であって、
    前記ドップラー検出部は、
    前記推定遅延プロファイルに基づいてドップラー周波数スペクトルを算出するスペクトル算出部と、
    前記ドップラー周波数スペクトルに現れる周波数成分の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの組を検出するエッジ検出部と、
    当該検出された組のうち当該周波数成分の中心周波数が最も零に近い組を選択し、当該選択された組の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのうちの一方のエッジの周波数の絶対値を前記最大ドップラー周波数として与える最大ドップラー周波数検出部と
    を含むことを特徴とする等化装置。
  7. 請求項1に記載の等化装置であって、
    前記推定遅延プロファイルの遅延時間領域を複数の区間に分割し、前記複数の区間に現れる複数の到来波成分を検出する到来波検出部と、
    前記推定遅延プロファイルに基づいて、当該検出された複数の到来波成分にそれぞれ対応する複数の最大ドップラー周波数を検出するドップラー検出部と、
    前記複数の最大ドップラー周波数に応じて前記平滑化部のフィルタ特性を決定するフィルタ特性決定部と
    をさらに備え、
    前記平滑化部は、前記複数の区間にそれぞれ対応する複数のフィルタ係数群を用いて前記推定遅延プロファイルを前記区間毎にシンボル方向に平滑化する平滑化フィルタを含み、
    前記フィルタ特性決定部は、前記区間毎に前記各フィルタ係数群を前記各最大ドップラー周波数に応じた係数群に設定する
    ことを特徴とする等化装置。
  8. 請求項7に記載の等化装置であって、前記フィルタ特性決定部は、前記各フィルタ係数群を、前記各最大ドップラー周波数以下の周波数の低域成分を通過させ且つ前記各最大ドップラー周波数よりも高い周波数の高域成分を減衰させる低域通過型のフィルタを定める係数群に設定することを特徴とする等化装置。
  9. 請求項8に記載の等化装置であって、前記フィルタ特性決定部は、前記複数の区間が前記到来波成分が存在する有効区間と前記到来波成分が存在しない非有効区間とを含むときに、前記非有効区間に対応する当該フィルタ係数群を、前記有効区間に対応する当該フィルタ係数群で定まるフィルタの通過帯域よりも狭い通過帯域を有するフィルタを定める係数群に設定することを特徴とする等化装置。
  10. 請求項7から9のうちのいずれか1項に記載の等化装置であって、
    前記複数の区間にそれぞれ対応する複数の閾値を設定する閾値設定部と、
    前記区間毎に前記平滑化遅延プロファイルの当該閾値未満のサンプル値を零値に置き換える閾値処理を実行する閾値処理部と
    をさらに備え、
    前記閾値設定部は、前記区間毎に前記各閾値を前記各最大ドップラー周波数が高いほど低い値に設定し、
    前記直交変換部は、前記閾値処理部の出力に直交変換を施して前記平滑化伝送路特性を算出する
    ことを特徴とする等化装置。
  11. 請求項10に記載の等化装置であって、
    前記閾値設定部は、前記複数の区間が前記到来波成分が存在する有効区間と前記到来波成分が存在しない非有効区間とを含むときに、前記非有効区間に対応する閾値を前記有効区間に対応する当該閾値よりも低い値に設定し、
    前記閾値処理部は、前記平滑化遅延プロファイルの前記非有効区間における当該閾値未満のサンプル値を零値に置き換える
    ことを特徴とする等化装置。
  12. 請求項7から11のうちのいずれか1項に記載の等化装置であって、
    前記ドップラー検出部は、
    前記推定遅延プロファイルに基づいて前記複数の区間にそれぞれ対応する複数のドップラー周波数スペクトルを算出するスペクトル算出部と、
    前記複数のドップラー周波数スペクトルにそれぞれ現れる周波数成分の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの組を検出するエッジ検出部と、
    前記区間毎に当該検出された組のうち当該周波数成分の中心周波数が最も零に近い組を選択し、当該選択された組の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのうちの一方のエッジの周波数の絶対値を前記最大ドップラー周波数として与える最大ドップラー周波数検出部と
    を含むことを特徴とする等化装置。
  13. 請求項7から12のうちのいずれか1項に記載の等化装置であって、前記到来波検出部は、前記推定遅延プロファイルの領域を前記複数の区間に分割し、前記推定遅延プロファイルのサンプル値の前記区間毎の総和を判定閾値と比較することで、前記複数の区間の中から前記到来波成分が存在する有効区間を検出することを特徴とする等化装置。
  14. 請求項1から13のうちのいずれか1項に記載の等化装置であって、
    前記周波数領域信号を所定のシンボル数分の時間だけ遅延させる信号遅延部をさらに備え、
    前記等化処理部は、前記平滑化伝送路特性を用いて前記信号遅延部の出力の歪みを補正する
    ことを特徴とする等化装置。
  15. 周期的に挿入されたパイロットサブキャリアを含む直交周波数分割多重化信号をシンボル単位で受信する受信装置であって、
    当該受信信号をシンボル毎に直交変換して周波数領域信号を生成する主直交変換部と、
    前記周波数領域信号から前記パイロットサブキャリアを抽出するパイロット抽出部と、
    当該抽出されたパイロットサブキャリアに基づいて周波数領域の伝送路特性を推定する伝送路特性推定部と、
    当該推定された伝送路特性に逆直交変換を施して推定遅延プロファイルを算出する逆直交変換部と、
    前記パイロットサブキャリアのシンボル方向における挿入周期の正整数倍のサンプル数で前記推定遅延プロファイルをシンボル方向に平滑化して平滑化遅延プロファイルを生成する平滑化部と、
    前記平滑化遅延プロファイルに直交変換を施して周波数領域の平滑化伝送路特性を算出する直交変換部と、
    前記平滑化伝送路特性を用いて前記周波数領域信号の歪みを補正する等化処理部と
    を備えることを特徴とする受信装置。
  16. 請求項15に記載の受信装置であって、
    前記推定遅延プロファイルにおける到来波成分を検出する到来波検出部と、
    前記推定遅延プロファイルに基づいて前記到来波成分に対応する最大ドップラー周波数を検出するドップラー検出部と、
    前記最大ドップラー周波数に基づいて前記平滑化部のフィルタ特性を決定するフィルタ特性決定部と
    をさらに備え、
    前記平滑化部は、フィルタ係数群を用いて前記推定遅延プロファイルをシンボル方向に平滑化する平滑化フィルタを含み、
    前記フィルタ特性決定部は、前記フィルタ係数群を前記最大ドップラー周波数に応じた係数群に設定する
    ことを特徴とする受信装置。
  17. 請求項15に記載の受信装置であって、
    前記推定遅延プロファイルの遅延時間領域を複数の区間に分割し、前記複数の区間に現れる複数の到来波成分を検出する到来波検出部と、
    前記推定遅延プロファイルに基づいて、当該検出された複数の到来波成分にそれぞれ対応する複数の最大ドップラー周波数を検出するドップラー検出部と、
    前記複数の最大ドップラー周波数に応じて前記平滑化部のフィルタ特性を決定するフィルタ特性決定部と
    をさらに備え、
    前記平滑化部は、前記複数の区間にそれぞれ対応する複数のフィルタ係数群を用いて前記推定遅延プロファイルを前記区間毎にシンボル方向に平滑化する平滑化フィルタを有し、
    前記フィルタ特性決定部は、前記区間毎に前記各フィルタ係数群を前記各最大ドップラー周波数に応じた係数群に設定する
    ことを特徴とする受信装置。
  18. 周期的に挿入されたパイロットサブキャリアを含む直交周波数分割多重化信号をシンボル単位で受信し、当該受信信号をシンボル毎に直交変換して周波数領域信号を生成する受信装置において伝送路特性の歪みを補償する等化方法であって、
    前記周波数領域信号から前記パイロットサブキャリアを抽出するステップと、
    当該抽出されたパイロットサブキャリアに基づいて周波数領域の伝送路特性を推定するステップと、
    当該推定された伝送路特性に逆直交変換を施して推定遅延プロファイルを算出するステップと、
    前記パイロットサブキャリアのシンボル方向における挿入周期の正整数倍のサンプル数で前記推定遅延プロファイルにシンボル方向の平滑化を施して平滑化遅延プロファイルを生成するステップと、
    前記平滑化遅延プロファイルに直交変換を施して周波数領域の平滑化伝送路特性を算出するステップと、
    前記平滑化伝送路特性を用いて前記周波数領域信号の歪みを補正するステップと
    を備えることを特徴とする等化方法。
  19. 請求項18に記載の等化方法であって、
    前記推定遅延プロファイルにおける到来波成分を検出するステップと、
    前記推定遅延プロファイルに基づいて前記到来波成分に対応する最大ドップラー周波数を検出するステップと、
    前記最大ドップラー周波数に基づいて前記シンボル方向の平滑化のフィルタ特性を決定するステップと
    をさらに備え、
    前記シンボル方向の平滑化は、フィルタ係数群を用いたフィルタリングにより実行され、
    前記フィルタ係数群は、前記最大ドップラー周波数に応じた係数群に設定される
    ことを特徴とする等化方法。
  20. 請求項18に記載の等化方法であって、
    前記推定遅延プロファイルの遅延時間領域を複数の区間に分割し、前記複数の区間に現れる複数の到来波成分を検出するステップと、
    前記推定遅延プロファイルに基づいて、当該検出された複数の到来波成分にそれぞれ対応する複数の最大ドップラー周波数を検出するステップと、
    前記複数の最大ドップラー周波数に応じて前記シンボル方向の平滑化のフィルタ特性を決定するステップと
    をさらに備え、
    前記シンボル方向の平滑化は、前記複数の区間にそれぞれ対応する複数のフィルタ係数群を用いて前記推定遅延プロファイルを前記区間毎にシンボル方向に平滑化することで実行され、
    前記各フィルタ係数群は、前記区間毎に前記各最大ドップラー周波数に応じた係数群に設定される
    ことを特徴とする等化方法。
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