JP2007143106A - 受信装置、受信回路、受信方法及び受信プログラム - Google Patents

受信装置、受信回路、受信方法及び受信プログラム Download PDF

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Kazuaki Suzuki
一章 鈴木
Hideki Nakahara
秀樹 中原
Kenichiro Hayashi
健一郎 林
Teiji Kageyama
定司 影山
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Abstract

【課題】伝送路特性が時間的に大きく変動する遅延時間の短いマルチパスの遅延波の他に遅延時間の長いマルチパスの遅延波が存在しても遅延時間の短いマルチパスに対しての伝送路特性を高精度に推定することを可能にする。
【解決手段】1シンボル分の参照信号を用いて伝送路のインパルス応答(第1インパルス応答)を算出するとともに、4シンボル分の参照信号を用いて伝送路のインパルス応答(第2インパルス応答)を算出する。エリアジング推定回路109は、第2インパルス応答を利用してエリアジングにより第1インパルス応答の各サンプリングポイントに現れる成分量を推定する。そして、エリアジング除去回路110は、エリアジング推定回路109により推定された成分量を用いて第1インパルス応答からエリアジング成分を除去する。
【選択図】図2

Description

本発明は、フェージング環境等で生じる伝送路特性の歪を補正する受信装置、受信回路、受信方法及び受信プログラムに関する。
日本及び欧州の地上波デジタル放送方式はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を採用している。OFDM方式は、1チャネルの帯域内に多数のサブキャリアを多重して伝送する方式である。OFDM方式は単一キャリア伝送に比べてシンボル長が長く、有効シンボルの一部分を巡回的に複写したいわゆるガードインターバルの効果により、マルチパス妨害に強い方式として知られている。
このOFDM方式を採用した欧州のDVB−T(Digital Video Broadcasting - Terrestrial)方式及び日本のISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)方式等は、サブキャリアの中に振幅・位相が受信側で既知のいわゆる分散パイロット信号(Scattered Pilot Signal:以下、SP信号と言う。)を時間軸方向(シンボル方向)及び周波数軸方向(キャリア方向)に分散して挿入している。
日本のISDB−T方式や欧州のDVB−T方式におけるSP信号の時間軸方向及び周波数軸方向の配置について図14を参照しつつ説明する。図14は日本のISDB−T方式や欧州のDVB−T方式におけるSP信号の配置を示す図である。
図14に示すように、SP信号は時間軸方向に4シンボル周期で配置され、周波数軸方向に12サブキャリア周期で配置される。そして、SP信号はOFDMシンボル毎に周波数軸方向に3サブキャリアずつシフトされて伝送される。なお、SP信号が配置された部分以外にデータキャリア等が配置される。
なお、以下において何れかのシンボルにおいてSP信号が挿入されるサブキャリアをSPキャリアと呼ぶ。また、OFDMシンボルのシンボル番号をi(i=0,1,2,3,・・・)で示し、サブキャリアのキャリア番号をk(k=0,1,2,3,・・・)で示す。
SP信号はサブキャリアの位置で決まる特定のパターンでBPSK変調されて送信側から送信される。受信側では、SP信号の位相をキャリア間で揃えた後、時間軸方向及び周波数軸方向に補間し、送信側と受信側との間の伝送路の周波数応答を推定し、データキャリアを推定した周波数応答で除算して復調処理する。
ここで、時間軸方向の補間及び周波数軸方向の補間の概略について図15及び図16を用いて説明する。図15は時間軸方向の補間を説明するための図である。図16は周波数軸方向の補間を説明するための図である。
受信側の受信装置は、OFDM信号が含む各SP信号を既知のSP信号で除算して位相を揃え、そのSP信号のシンボル番号及びキャリア番号位置での周波数応答を求める。
受信装置は、キャリア番号kのSPキャリアにおいて、キャリア番号kのSP信号の周波数応答を用いて、キャリア番号kのSP信号が挿入されていないシンボル番号位置に周波数応答を補間し(時間軸方向の補間)、その位置の周波数応答を推定する。これを全てのSPキャリアにおいて行う。
この結果、図15において示すシンボル番号及びキャリア番号位置で周波数応答が得られたことになる。つまり、OFDMシンボルの全てのSPキャリアに対する周波数応答が得られたことになる。
受信装置は、シンボル番号iのOFDMシンボルにおいて、シンボル番号iのSPキャリア上の周波数応答を利用し、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いて、シンボル番号iのSPキャリア以外のキャリア番号のサブキャリアに周波数応答を補間し(周波数軸方向の補間)、その位置の周波数応答を推定する。これを全てのOFDMシンボルにおいて行う。
この結果、図16に示す通り、OFDMシンボルの全サブキャリアに対する周波数応答が得られたことになる。
ところが、受信装置が高速移動する車に搭載されているなど受信環境が時間的に大きく変動する場合には、伝送路の周波数応答が時間的に大きく変動するため、SPキャリアのSP信号が挿入されていない信号位置の周波数応答の推定に当該OFDMシンボルと異なる時間に送受信されたOFDMシンボル内のSP信号を利用すると、時間軸方向の補間により推定した周波数応答が実際の周波数応答と大きく異なってしまう。この結果、OFDMシンボルの等化に十分な精度が得られないこととなる。
これを解決するためには、OFDMシンボルの1シンボル分のSP信号のみを利用し、時間軸方向の補間を行わずに周波数軸方向にのみ補間することによって、OFDMシンボルの全サブキャリアに対する周波数応答を算出するようにすればよい。
ところで、時間軸方向の補間を行う場合には、図15に示すように、周波数軸方向に3サブキャリア周期で一つ現れるSP信号を利用していることになる。このため、マルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間は全サブキャリアで構成する有効シンボル長の1/3であり、有効シンボル長の1/3の遅延時間までのマルチパスの遅延波があっても伝送路特性の歪を補正することができる。
これに対して、時間軸方向の補間を行わない場合、周波数軸方向に12サブキャリア周期で一つ現れるSP信号を利用していることになる。このため、マルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間は有効シンボル長の1/12であり、有効シンボル長の1/12の遅延時間を越えるマルチパスの遅延波があった場合には伝送路特性の歪を補正することができない。ここで、日本のISDB−T方式や欧州のDVB−T方式ではガードインターバルを有効シンボル長の1/4、1/8、1/16、1/32の何れも選択できる。ガードインターバルとして有効シンボル長の1/4又は1/8を設定した場合、ガードインターバルにより有効シンボル長の1/4又は1/8までの遅延波に対してシンボル間干渉を防ぐことができても、伝送路特性の歪を補正できないという不都合が生じる。
そこで、伝送路の周波数応答を次のようにして求める受信装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。これは、伝送路の周波数応答を求める際に、短い遅延時間のマルチパスに対しては1シンボル分の各SP信号が伝送されるサブキャリア位置のSP信号を利用し(時間軸方向に補間しない)、長い遅延時間のマルチパスに対しては4シンボル分の各SP信号が伝送されるサブキャリア位置のSP信号を利用する(時間軸方向に補間する)。なお、以下において、前者を1シンボル推定と呼び、後者を4シンボル推定と呼ぶ。
以下、特許文献1(特開2005−45664号公報)に記載されている受信装置の概略について図17を参照しつつ説明する。図17は従来の受信装置の構成を示すブロック図である。
図17に示すように、特許文献1の受信装置1000は、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)回路1001と、QMF(Quadrature Mirror Filter:伝送路周波数応答推定)部1002と、除算回路1003とを備える。FFT回路1001は、入力されるデジタル複素ベースバンド信号をOFDMシンボル毎に高速フーリエ変換し、OFDM信号のキャリアデータをQMF部1002及び除算回路1003へ出力する。
QMF部1002は、SP抽出回路1004と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)回路1005a、1005bと、LPF1006a、1006bと、合成回路1007と、FFT回路1008とを備えている。
SP抽出回路1004は、FFT回路1001から出力される最新の1シンボル分を含む4シンボル分のOFDMシンボルからSP信号を抽出して、抽出したSP信号をIFFT回路1005aへ出力する。また、SP抽出回路1004は最新の1シンボル分のOFDMシンボルからSP信号を抽出して、抽出したSP信号をIFFT回路1005bへ出力する。
IFFT回路1005aはSP抽出回路1004から出力される4シンボル分のSP信号を逆フーリエ変換して伝送路のインパルス応答を算出する。LPF1006aはIFFT回路1005aにより算出された伝送路のインパルス応答から予め定めた周波数以上の高域成分を除去し、除去後のインパルス応答を合成回路1007へ出力する。
IFFT回路1005bはSP抽出回路1004から出力される最新の1シンボル分のSP信号を逆フーリエ変換して伝送路のインパルス応答を算出する。LPF1006bはIFFT回路1005bにより算出された伝送路のインパルス応答から予め定めた周波数以上の高域成分を除去し、除去後のインパルス応答を合成回路1007へ出力する。
合成回路1007は、LPF1006aから出力される伝送路のインパルス応答とLPF1006bから出力されるインパルス応答とを時間領域で切り替え合成し、切り替え合成した伝送路のインパルス応答をFFT回路1008へ出力する。この処理について図18を参照しつつ説明する。図18は図17の合成回路のインパルス応答の合成処理を説明するための図である。
合成回路1007は1シンボル推定によってマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Taまでの時間領域ΔTa(0〜Ta)ではLPF1006aから出力されるインパルス応答を選択する。また、合成回路1007はその最大時間Taから4シンボル推定によってマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Tbまでの時間領域ΔTb(Ta〜Tb)ではLPF1006bから出力されたインパルス応答を選択する。そして、合成回路1007は、選択したインパルス応答を時間領域で合成する。なお、時間領域ΔTaを短遅延時間領域と呼び、時間領域ΔTbを長遅延時間領域と呼ぶ。
ただし、IFFT回路1005bが逆フーリエ変換する周波数軸上のサンプル数がIFFT回路1005aが逆フーリエ変換する周波数軸上のサンプル数の4倍であることから、最大時間Tbは最大時間Taの4倍である。
FFT回路1008は、合成回路1007から出力される伝送路のインパルス応答を高速フーリエ変換して伝送路の周波数応答を算出する。
除算回路1003は、FFT回路1001から出力されるデータキャリアの信号を、QMF部1002のFFT回路1008から出力される伝送路の周波数応答で除算し、等化されたデータを後段の回路部へ出力する。
特開2005−45664号公報
ところが、特許文献1記載の受信装置では、図19を参照して述べる下記のような問題点がある。図19は図17の受信装置の問題点を説明するための図である。ここでは、送信側から受信側に電波が到来するまでの経路が2つの2波マルチパス環境下で、かつ、希望波に対する遅延波の遅延時間が1シンボル推定によってマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Taを超える場合を例にする。
図19に示すように、1シンボル分のみのSP信号を、IFFT回路1005bにより逆高速フーリエ変換することにより算出した伝送路のインパルス応答には、実在する希望波1201の他に、最大時間Taを越えた遅延時間に実在する遅延波1202aが縮退して折り返り、遅延波1202aが遅延時間の異なる実在しない遅延波1202bとなって現れる。
このため、合成回路1007により生成されたインパルス応答は、2波マルチパスであったにもかかわらず、3波マルチパスになってしまう。この結果、FFT回路1008は、実在しない遅延波1202bも含んで高速フーリエ変換することになり、伝送路の周波数応答を正確に算出することができないという問題が生じる。
そこで、本発明は、伝送路の伝送路特性が時間的に大きく変動する遅延時間の短いマルチパスの遅延波の他に遅延時間の長いマルチパスの遅延波が存在しても遅延時間の短いマルチパスに対しての伝送路特性を高精度に推定することが可能な受信装置、受信回路、受信方法及び受信プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の受信装置は、周波数分割多重信号を受信し、当該周波数分割多重信号に含まれる参照信号を用いて伝送路の伝送路特性を推定する受信装置において、受信した周波数分割多重信号のM(Mは1以上の整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出部と、前記Mシンボル分のシンボルを含むN(NはMより大きい整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出部と、前記Mシンボル分の各参照信号を用いてマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2データ列の成分に基づいて、前記検出可能な遅延時間を越えた遅延波がエリアジングにより前記第1データ列に現れたエリアジング成分を当該第1データ列から除去するように当該第1データ列を補正する補正部と、前記補正部による補正後の第1データ列を用いた伝送路特性に基づく第3データ列を推定する伝送路特性推定部と、を備える。
本発明の受信回路は、周波数分割多重信号を受信し、当該周波数分割多重信号に含まれる参照信号を用いて伝送路の伝送路特性を推定する受信回路において、受信した周波数分割多重信号のM(Mは1以上の整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出回路と、前記Mシンボル分のシンボルを含むN(NはMより大きい整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出回路と、前記Mシンボル分の各参照信号を用いてマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2データ列の成分に基づいて、前記検出可能な遅延時間を越えた遅延波がエリアジングにより前記第1データ列に現れたエリアジング成分を当該第1データ列から除去するように当該第1データ列を補正する補正回路と、前記補正回路による補正後の第1データ列を用いた伝送路特性に基づく第3データ列を推定する伝送路特性推定回路と、を備える。
本発明の受信方法は、周波数分割多重信号を受信し、当該周波数分割多重信号に含まれる参照信号を用いて伝送路の伝送路特性を推定する受信方法において、受信した周波数分割多重信号のM(Mは1以上の整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出手順と、前記Mシンボル分のシンボルを含むN(NはMより大きい整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出手順と、前記Mシンボル分の各参照信号を用いてマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2データ列の成分に基づいて、前記検出可能な遅延時間を越えた遅延波がエリアジングにより前記第1データ列に現れたエリアジング成分を当該第1データ列から除去するように当該第1データ列を補正する補正手順と、前記補正手順による補正後の第1データ列を用いた伝送路特性に基づく第3データ列を推定する伝送路特性推定手順と、を有する。
本発明の受信プログラムは、周波数分割多重信号を受信し、当該周波数分割多重信号に含まれる参照信号を用いて伝送路の伝送路特性を推定する受信装置としてのコンピュータを、受信した周波数分割多重信号のM(Mは1以上の整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出部、前記Mシンボル分のシンボルを含むN(NはMより大きい整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出部、前記Mシンボル分の各参照信号を用いてマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2データ列の成分に基づいて、前記検出可能な遅延時間を越えた遅延波がエリアジングにより前記第1データ列に現れたエリアジング成分を当該第1データ列から除去するように当該第1データ列を補正する補正部、及び前記補正部による補正後の第1データ列を用いた伝送路特性に基づく第3データ列を推定する伝送路特性推定部、として機能させる。
上記の受信装置、受信回路、受信方法及び受信プログラムによれば、遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間が短い第1データ列と、それよりも遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間が長い第2データ列とを算出する。そして、第1データ列に対応する遅延波の検出可能な最大時間を越える第2データ列の成分に基づいて、第1データ列に対応する遅延波の検出可能な最大時間を越える遅延波がエリアジングにより第1データ列に現れたエリアジング成分を第1データ列から除去するようにしている。このように、第1データ列からエリアジング成分を除去し、除去後の第1データ列に基づいて伝送路の伝送路特性を推定している。このため、伝送路の伝送路特性が時間的に大きく変動する遅延時間の短いマルチパスの遅延波の他に遅延時間の長いマルチパスの遅延波が存在しても遅延時間の短いマルチパスに対しての伝送路特性の推定を高精度に行うことができる。
上記の受信装置において、前記第1算出部は、前記Mシンボル分の各参照信号を用いて第1周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第1周波数応答に基づくデータ列を前記第1データ列である時間領域の第1インパルス応答に基づくデータ列に変換し、前記第2算出部は、前記Nシンボル分の各参照信号を用いて第2周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第2周波数応答に基づくデータ列を前記第2データ列である時間領域の第2インパルス応答に基づくデータ列に変換し、前記補正部は、前記遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2インパルス応答に基づくデータ列を用いて、前記第1インパルス応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分を除去するようにしてよい。
上記の受信回路において、前記第1算出回路は、前記Mシンボル分の各参照信号を用いて第1周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第1周波数応答に基づくデータ列を前記第1データ列である時間領域の第1インパルス応答に基づくデータ列に変換し、前記第2算出回路は、前記Nシンボル分の各参照信号を用いて第2周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第2周波数応答に基づくデータ列を前記第2データ列である時間領域の第2インパルス応答に基づくデータ列に変換し、前記補正回路は、前記遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2インパルス応答に基づくデータ列を用いて、前記第1インパルス応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分を除去するようにしてよい。
上記の受信装置、及び受信回路によれば、第1データ列からのエリアジング成分の除去を時間領域上で行うために、第2データ列に基づく第1データ列からのエリアジング成分の除去を容易に行うことが可能になる。
上記の受信装置において、前記伝送路特性推定部は、前記遅延波の検出可能な遅延時間の時間領域では前記補正部による補正後の前記第1インパルス応答に基づくデータ列を選択し、前記遅延波の検出可能な時間を越える時間領域では前記第2算出部により得られた第2インパルス応答に基づくデータ列を選択して第3インパルス応答に基づくデータ列を作成し、当該第3インパルス応答に基づくデータ列を用いた伝送路特性に基づく第4データ列の推定を行うようにしてよい。
上記の受信回路において、前記伝送路特性推定回路は、前記遅延波の検出可能な遅延時間の時間領域では前記補正回路による補正後の前記第1インパルス応答に基づくデータ列を選択し、前記遅延波の検出可能な時間を越える時間領域では前記第2算出回路により得られた第2インパルス応答に基づくデータ列を選択して第3インパルス応答に基づくデータ列を作成し、当該第3インパルス応答に基づくデータ列を用いた伝送路特性に基づく第4データ列の推定を行うようにしてよい。
上記の受信装置、及び受信回路によれば、第1データ列からエリアジング成分を除去するために利用した第2データ列も伝送路特性推定手段による伝送路特性の推定に用いるために、マルチパスの遅延時間領域をNシンボル推定の場合のマルチパスの遅延時間領域にすることができる。
上記の受信装置において、前記補正部は、前記遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2インパルス応答に基づくデータ列の成分に値を乗算し、乗算した値により前記第1インパルス応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分の除去を行うようにしてよい。
上記の受信回路において、前記補正回路は、前記遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2インパルス応答に基づくデータ列の成分に値を乗算し、乗算した値により前記第1インパルス応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分の除去を行うようにしてよい。
上記の受信装置、及び受信回路によれば、伝送路特性の時間変動を考慮したエリアジング成分の除去を行うことができる。
上記の受信装置において、前記第2インパルス応答のサンプリング周波数を高くして当該第2インパルス応答に基づくデータ列に新たなサンプリングポイントを付加する付加部と、前記第2インパルス応答に基づくデータ列の値を利用して前記付加部により付加されたサンプリングポイントに値を内挿する内挿部と、を更に備え、前記補正部は前記内挿部による内挿後の前記第2インパルス応答に基づくデータ列を用いるようにしてよい。
上記の受信回路において、前記第2インパルス応答のサンプリング周波数を高くして当該第2インパルス応答に基づくデータ列に新たなサンプリングポイントを付加する付加回路と、前記第2インパルス応答に基づくデータ列の値を利用して前記付加回路により付加されたサンプリングポイントに値を内挿する内挿回路と、を更に備え、前記補正回路は前記内挿回路による内挿後の前記第2インパルス応答に基づくデータ列を用いるようにしてよい。
上記の受信装置、及び受信回路によれば、第1データ列上にあるエリアジングの元となる成分を、サンプリング周波数を高くした後の第2インパルス応答に基づくデータ列上に現すことができる。このため、第2データ列を利用して、第1データ列からエリアジング成分の除去を効果的に行うことができる。
上記の受信装置において、前記第2算出部は、前記第2周波数応答に基づくデータ列に対して当該第2周波数応答の高域側に対応する周波数領域に新たなサンプリングポイントを付加し、算出した第2周波数応答に基づくデータ列の代わりにサンプリングポイントの付加後の第2周波数応答に基づくデータ列を時間領域の第2インパルス応答に基づくデータ列に変換するようにしてよい。
上記の受信回路において、前記第2算出回路は、前記第2周波数応答に基づくデータ列に対して当該第2周波数応答の高域側に対応する周波数領域に新たなサンプリングポイントを付加し、算出した第2周波数応答に基づくデータ列の代わりにサンプリングポイントの付加後の第2周波数応答に基づくデータ列を時間領域の第2インパルス応答に基づくデータ列に変換するようにしてよい。
上記の受信装置、及び受信回路によれば、第1データ列上にあるエリアジングの元となる成分を、サンプリングポイントを付加した後の第2インパルス応答に基づくデータ列上に現すことができる。このため、第2データ列を利用して、第1データ列からエリアジング成分の除去を効果的に行うことができる。
上記の受信装置において、前記第1算出部は、前記Mシンボル分の各参照信号を用いて前記第1データ列である第1周波数応答に基づくデータ列を算出し、前記第2算出部は、前記Nシンボル分の各参照信号を用いて第2周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第2周波数応答に基づくデータ列を前記第2データ列である時間領域のインパルス応答に基づくデータ列に変換し、前記補正部は、前記インパルス応答に基づくデータ列の前記遅延波の検出可能な遅延時間の成分を当該インパルス応答に基づくデータ列から除去し、除去後のインパルス応答に基づくデータ列を周波数領域の第3周波数応答に基づくデータ列に変換し、当該第3周波数応答に基づくデータ列を利用して前記第1周波数応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分を除去するようにしてよい。
上記の受信回路において、前記第1算出回路は、前記Mシンボル分の各参照信号を用いて前記第1データ列である第1周波数応答に基づくデータ列を算出し、前記第2算出回路は、前記Nシンボル分の各参照信号を用いて第2周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第2周波数応答に基づくデータ列を前記第2データ列である時間領域のインパルス応答に基づくデータ列に変換し、前記補正回路は、前記インパルス応答に基づくデータ列の前記遅延波の検出可能な遅延時間の成分を当該インパルス応答に基づくデータ列から除去し、除去後のインパルス応答に基づくデータ列を周波数領域の第3周波数応答に基づくデータ列に変換し、当該第3周波数応答に基づくデータ列を利用して前記第1周波数応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分を除去するようにしてよい。
上記の受信装置、及び受信回路によれば、第1データ列からのエリアジング成分の除去を周波数領域上で行うために、第2データ列を利用した第1データ列からのエリアジング成分の除去を容易に行うことが可能になる。
上記の受信装置において、前記伝送路特性推定部は、前記補正部による補正後の第1周波数応答に基づくデータ列と前記第3周波数応答に基づくデータ列とを加算し、加算したデータ列を用いて伝送路特性の推定を行うようにしてよい。
上記の受信回路において、前記伝送路特性推定回路は、前記補正回路による補正後の第1周波数応答に基づくデータ列と前記第3周波数応答に基づくデータ列とを加算し、加算したデータ列を用いて伝送路特性の推定を行うようにしてよい。
上記の受信装置、及び受信回路によれば、第1データ列からエリアジング成分を除去するために利用した第2データ列も伝送路特性推定手段による伝送路特性の推定に用いるために、マルチパスの遅延時間領域をNシンボル推定の場合のマルチパスの遅延時間領域にすることができる。
上記の受信装置又は受信回路において、前記周波数分割多重信号はOFDM信号であってよい。
上記の受信装置又は受信回路によれば、周波数分割多重信号がOFDM信号であることから、帯域を効率的に利用することができる。
上記の受信装置又は受信回路において、前記参照信号は周波数方向に12サブキャリア周期で挿入され、シンボル毎に周波数方向に3サブキャリアずつシフトして伝送されるものであってよい。
上記の受信装置又は受信回路によれば、例えば、日本のISDB−T方式や欧州のDVB−T方式と同じ分散パイロット信号の配置と同じであるため、日本のISDB−T方式や欧州のDVB−T方式への適用が容易になる。
≪第1の実施の形態≫
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本実施の形態及び後述する実施の形態においては、日本の地上デジタル放送方式であるISDB−T方式に関する受信装置を例に説明する。
なお、地上デジタル放送の場合、OFDMシンボルは連続的に切れ目なく送信されており、204シンボル分のOFDMシンボルは一つの固まりとしてフレームを構成している。
<全体構成>
以下、本発明の第1の実施の形態における受信装置の全体構成について図1を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態における受信装置の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、受信装置1は、アンテナ11と、チューナ12と、A/D変換回路13と、同期回路14と、FFT回路15と、同期回路16と、等化回路17と、誤り訂正回路18と、バックエンド部19と、出力装置20とを備えている。ただし、本実施の形態においては、A/D変換回路13、同期回路14、FFT回路15、同期回路16、等化回路17、及び誤り訂正回路18は、同一の集積回路に集積されている。なお、それらを複数の集積回路に分けて集積するようにしてもよいことはいうまでもない。
アンテナ11は、地上波デジタル放送の放送波等、無線又は有線からなる伝送路上のOFDM信号等の信号を受信する。
チューナ12は、アンテナ11によって受信された受信信号を所望の帯域で選局した後、中間周波数(IF:Intermediate Frequency)等のRF(Radio Frequency)より低い周波数の信号(以下、IF信号という。)に変換してA/D変換回路13へ出力する。なお、IF信号に変換する代わりにベースバンド信号に変換してもよく、この場合、複素信号として実部と虚部とに分けて後段の回路に出力するようにしてもよい。また、ベースバンド伝送の場合等では、選局や変換等を行わなくてもよい。
A/D変換回路13は、チューナ12から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して同期回路14へ出力する。なお、デジタル信号を受信している場合等ではA/D変換回路13は処理を行う必要はない。また、複数の入出力を持って、各入出力に対し同処理をおこなってもよい。
同期回路14は、A/D変換回路13による変換後のOFDM信号を利用して、シンボルタイミング同期、搬送波周波数同期、標本化周波数同期等の同期処理を行う。なお、変換後のOFDM信号を複素ベースバンド信号に変換する直交検波を合わせて行ってもよい。また、各同期処理の代わりに、同期する際の基準からの誤差を検出して出力してもよい。
FFT回路15は、A/D変換回路14による変換後のガードインターバル期間及び有効シンボル期間を含むOFDM信号に対して、OFDMシンボルから有効シンボル期間長又はその前後の有効シンボルを抽出する。そして、FFT回路15は抽出した有効シンボル期間程度の有効シンボルを離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)して時間領域から周波数領域に変換し、同期回路16へ出力する。なお、いかなる期間を抽出や変換してもよい。
同期回路16は、FFT回路15による変換後の信号を利用して、フレームタイミング同期等の同期処理や伝送パラメータ情報等の検出処理を行う。
等化回路17は、FFT回路15による変換後の信号のOFDMシンボルに含まれるSP信号を利用して、伝送路(受信装置1の一部を含む)を通過した信号の伝送路特性歪等を推定し、伝送路特性の波形等化を行う。なお、等化回路17の詳細については図2から図5及び図7を参照して後述する。
誤り訂正回路18は、伝送路及び受信装置で加わった雑音等による信号誤りを検出して訂正を行う。
バックエンド部19は、誤り訂正回路18によって誤り訂正が行われた後の、送信側で例えばMPEG−2規格に基づいて符号化されたコンテンツ信号から映像、音声、データ等の信号を復元する。
出力装置20は、プラズマディスプレイ等の表示装置やスピーカ等を備え、バックエンド部19によって復元された映像、音声、データ等を表示装置やスピーカ等から出力する。
なお、上記以外の回路をいかなる所に適宜追加してもよく、上記回路又はその一部を省略してもよく、処理や停止を任意に行ってもよく、いかなる精度で処理をしてもよく、上記の各回路又はその一部に別の処理等を行わせるようにしてもよい。また、各回路又はその一部の行う処理を別の位置で行うようにしてもよい。さらに、いかなる信号を入出力してもよい。さらに、アンテナ11以外の別の機構により地上波デジタル放送の放送波等を受信してもよく、アンテナ11を設けてなくてもよい。さらに、誤り訂正回路18、バックエンド部19及び出力装置20を設けなくてもよい。
<等化回路構成>
次に、図1の等化回路17の構成について図2を参照しつつ説明する。図2は図1の等化回路の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、等化回路17は、SP抽出回路101と、SP生成回路102と、除算回路103と、IFFT回路104と、シンボル補間回路105と、IFFT回路106と、アップサンプリング回路107と、LPF(Low Pass Filter)108と、エリアジング推定回路109と、エリアジング除去回路110と、合成回路111と、FFT回路112と、キャリア補間回路113と、除算回路114とを備える。
SP抽出回路101は、FFT回路15による周波数領域変換後の各OFDMシンボルからSP信号を抽出し、除算回路103へ出力する。
SP生成回路202は、各SPキャリアにおけるSP信号の送信時の振幅及び位相と一致する信号(以下、既知SP信号という。)をメモリ等で内部保持し又は論理回路で生成し、既知SP信号を除算回路103へ出力する。
除算回路103は、受信したSP信号の極性反転及び利得調整を元に戻すように、SP抽出回路101から出力されるSP信号を、SP生成回路102から出力される同じSPキャリアの既知SP信号で除算する。なお、以降、いかなる除算の代わりに複素共役乗算や正規化を行ってもよい。これにより、当該SP信号が伝送されたOFDMシンボルのシンボル番号及びSPキャリアのキャリア番号の位置の周波数応答が得られる。これを各SP信号に対して行う。除算回路103は、SP信号が伝送されたOFDMシンボルのシンボル番号及びSPキャリアのキャリア番号の位置において算出した周波数応答をIFFT回路104及びシンボル補間回路105へ出力する。なお、IFFT回路104への周波数応答の供給に際して、各OFDMシンボルにおいて例えばサンプル数が2のべき乗となるようにその両端の外側に値が0等の周波数応答を付加して出力するようにしてもよい。
IFFT回路104は、OFDMシンボル毎に、除算回路103から出力される1シンボル分の各SP信号が伝送されるSPキャリアに対する周波数応答(この周波数応答は12サブキャリア毎に1つある)を逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform:IDFT)して、時間領域のインパルス応答を算出する。そして、IFFT回路104は逆離散フーリエ変換後のインパルス応答をエリアジング除去回路110へ出力する。
なお、SP抽出回路101、SP生成回路102、除算回路103、及びIFFT回路104が、1シンボル分の各SP信号を用いて伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出手段121を構成する。
シンボル補間回路105は、SPキャリアにおいて、そのSPキャリア上の除算回路103から出力される周波数応答を利用して、FIRフィルタ等を用いることにより、そのSPキャリア上のSP信号が伝送されていないシンボル番号位置に周波数応答を補間し(時間軸方向の補間)、そのシンボル番号位置の周波数応答を推定する。これを全SPキャリアにおいて行う。これにより、OFDMシンボルの全SPキャリアに対する周波数応答(この周波数応答は3サブキャリア毎に1つある)が得られたことになる。シンボル補間回路105は、全SPキャリアに対する周波数応答をIFFT回路106へ出力する。なお、IFFT回路106への周波数応答の供給に際して、各OFDMシンボルにおいて例えばサンプル数が2のべき乗となるようにその両端の外側に値が0等の周波数応答を付加して供給するようにしてもよい。
IFFT回路106は、OFDMシンボル毎に、シンボル補間回路105から出力される全SPキャリアに対する周波数応答(この周波数応答は3サブキャリア毎に1つある)を逆離散フーリエ変換して、時間領域のインパルス応答を算出する。そして、IFFT回路106は逆離散フーリエ変換後のインパルス応答をアップサンプリング回路107及び合成回路111へ出力する。
なお、SP抽出回路101、SP生成回路102、除算回路103、シンボル補間回路105、及びIFFT回路106が、4シンボル分の各SP信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出手段122を構成する。
アップサンプリング回路107は、IFFT回路106から出力されるインパルス応答のサンプリング周波数を3倍にアップサンプリングし、アップサンプリングにより新たに付加されたサンプリングポイントに0を挿入する。そして、アップサンプリング回路107は、処理後のインパルス応答をLPF108へ出力する。
ここで、アップサンプリング回路107によるアップサンプリングについて図3を参照しつつ説明する。図3はアップサンプリング回路107が行うアップサンプリングを説明するための図である。図3(a)はアップサンプリング前のインパルス応答のサンプリングポイントを示す図であり、図3(b)はアップサンプリング後のインパルス応答のサンプリングポイントを示す図である。
図3(a)の例では、アップサンプリング前のインパルス応答にはサンプリングポイントP101〜P105がある。アップサンプリング前のインパルス応答を3倍のサンプリング周波数にアップサンプリングすると、図3(b)に示すように、アップサンプリング後のインパルス応答のサンプリングポイントは、サンプリングポイントP101〜P105、UP101〜UP110となり、サンプル数が3倍に増加する。
アップサンプリング前のサンプリング周期を時間Tsとすると、アップサンプリング後のサンプリング周期は時間Tsの1/3になる(Ts/3)。
さらに、アップサンプリング回路107によりインパルス応答をアップサンプリングする理由について図4を参照しつつ説明する。図4はアップサンプリング回路107で、IFFT回路106により得られたインパルス応答をアップサンプリングする理由を説明するための図である。
ISDB−T方式のMode1において、有効シンボル長が252μs、サンプリング周波数が512/63MHzであることから、シンボル当りのFFTサンプル数は2048となる。また、Mode2及びMode3は、夫々、有効シンボル長がMode1の2倍及び4倍であり、サンプリング周波数は同じであることから、シンボル当りのFFTサンプル数は4096及び8192となる。このように、Mode1〜Mode3の全てにおいて、シンボル当りのFFTサンプル数は2のべき乗となる。
1シンボル推定の場合には、上述したように、12サブキャリア毎に1つ存在するSP信号を利用していることから、マルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Taは、全サブキャリアで構成される有効シンボル長の1/12である。従って、FFT回路104が出力するインパルス応答において、図4(a)に示すように、有効シンボル長をTで表した場合、時間T/12(最大時間Ta)を超える遅延波は、時間T/12及びその2以上の整数倍の時間を折り返し点とし、エリアジング成分となってインパルス応答の時間T/12内に縮退して流入する。つまり、時間T/12から時間T/6に存在する遅延波、時間T/6から時間T/4に存在する遅延波、時間T/4から時間T/3に存在する遅延波が、夫々、エリアジング成分となってインパルス応答の時間0から時間T/12内に縮退して流入する。
FFTサンプル数が2のべき乗であるMode1〜Mode3の全てにおいて、2のべき乗を12で除算した結果が整数でない。このことから、上記の折り返し点の一部、例えば時間T/12、T/6は、IFFT回路107が出力するインパルス応答(ここでは、第2インパルス応答という。)のサンプリングポイント上になく、サンプリングポイント間に存在する。このため、図4(b)に示すように、IFFT回路104が出力するインパルス応答(ここでは、第1インパルス応答という。)の時間領域(0〜Ta)のサンプリングポイントにエリアジング成分として現れた成分が存在する時間は、第2インパルス応答のサンプリングポイント上に存在しない。従って、第1インパルス応答のサンプリングポイントに現れたエリアジング成分を第1インパルス応答から第2インパルス応答を利用して除去することを可能にするため、第1インパルス応答のサンプリングポイントにエリアジング成分として現れた成分が存在する時間が、第2インパルス応答のサンプリングポイント上に存在するようにする処理が必要となる。なお、本実施の形態においては、この処理がアップサンプリング回路107及びLPF108により行われる。
例えば、Mode1の場合には、2048/12=170+2/3であることから、上記の折り返し点の時間の一部は第2インパルス応答のサンプリングポイント上の時間からサンプリング周期の1/3又は2/3ずれたところにある。このことから、第2インパルス応答のサンプリング周波数を3倍にアップサンプリングすれば上記の折り返し点の時間の全てがアップサンプリング後の第2インパルス応答のサンプリングポイント上の時間に存在することになる。従って、図4(c)に示すように、第1インパルス応答のサンプリングポイントにエリアジング成分として現れた成分が存在する時間が、アップサンプリング回路107によるアップサンプリング後のインパルス応答のサンプリングポイント上に存在することになる。これにより、第1インパルス応答のサンプリングポイントに現れたエリアジング成分を第2インパルス応答をアップサンプリングした後のインパルス応答を利用して除去することが可能になる。
図2の等化回路107の説明に戻って、LPF108は、図5に示すように、アップサンプリング回路107によりアップサンプリングされる前の周波数応答の周波数帯域を通過域とし、それ以外の周波数帯域を遷移域或いは遮断域とする周波数特性を持つローパスフィルタである。なお、図中の周波数fsはサンプリング周波数である。
LPF108は、アップサンプリング回路107から出力されるインパルス応答に対してローパスフィルタリングを行う。これにより、アップサンプリング前のインパルス応答のサンプリングポイントの値からアップサンプリングにより新たに追加されたサンプリングポイントである内挿点に値が内挿される。そして、LPF108は、ローパスフィルタリング後のインパルス応答をエリアジング推定回路109へ出力する。
エリアジング推定回路109は、1シンボル推定によりマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Ta(有効シンボル長の1/12)に基づき、折り返し点となる時間(最大時間Ta、その2倍及び3倍の時間2Ta及び3Ta)を特定する。
エリアジング推定回路109は、LPF108から出力されるインパルス応答の時間Ta〜時間2Taの時間領域における各サンプリングポイントの成分が、そのサンプリングポイントの時間から最大時間Taを差し引いた時間に、IFFT回路104により得られたインパルス応答でエリアジング成分となって現れると推定する。
エリアジング推定回路109は、LPF108から出力されるインパルス応答の時間2Ta〜時間3Taの時間領域における各サンプリングポイントの成分が、そのサンプリングポイントの時間から時間2Taを差し引いた時間に、IFFT回路104により得られたインパルス応答でエリアジング成分となって現れると推定する。
エリアジング推定回路109は、LPF108から出力されるインパルス応答の時間3Ta〜時間4Taの時間領域における各サンプリングポイントの成分が、そのサンプリングポイントの時間から時間3Taを差し引いた時間に、IFFT回路104により得られたインパルス応答でエリアジング成分となって現れると推定する。なお、時間4Taは、4シンボル推定によりマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Tbである。
エリアジング推定回路109は、時間Taから時間4Taのサンプリングポイントの値に時間毎に予め定められた値を乗算する。エリアジング推定回路109は、時間0から時間Taの時間領域の各サンプリングポイントにおいて、そのサンプリングポイントの時間にエリアジング成分となって現れると推定した時間Taから時間4Taの時間領域のサンプリングポイントの各乗算値を加算してエリアジング量を算出する。そして、エリアジング推定回路109は、時間0から時間Taの時間領域の各サンプリングポイントの時間とそのサンプリングポイントの算出したエリアジング量とをエリアジング除去回路110へ出力する。なお、上記のように予め定められた値をサンプリングポイントの値に乗算しないようにしてもよい。
上記予め定められた値を乗算するようにしたのは次の理由による。4シンボル分のSP信号によるインパルス応答を求めるためには4シンボル時間分の周波数応答が必要である。このため、フェージング等により伝送路の周波数応答が変化する場合、その変化の速度が速まる程、4シンボル時間内での周波数応答の変化も大きくなり、その変化に追従できなくなる。これに対し、1シンボル分のSP信号によるインパルス応答を求めるには1シンボル分の時間のみでよい。このため、4シンボル分のSP信号を利用する場合より速い変化への追従ができることから、変化への追従差分を考慮して、予め定められた値を乗算するようにしたものである。
エリアジング除去回路110は、IFFT回路104から出力されるインパルス応答のサンプリングポイントの値から、エリアジング推定回路109から出力されるそのサンプリングポイントの時間にエリアジングとなって現れると推定されたエリアジング量を減算する。これをIFFT回路104から出力されるインパルス応答の各サンプリングポイントにおいて行う。これにより、IFFT回路104から出力されるインパルス応答からエリアジング成分が除去される。そして、エリアジング除去回路110は、エリアジング除去後のインパルス応答を合成回路111へ出力する。
なお、エリアジング推定回路109及びエリアジング除去回路110が、第2データ列を利用して第1データ列からエリアジング成分を除去して第1データ列を補正する補正回路123を構成する。
合成回路111は1シンボル推定によりマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Taまでの短遅延時間領域ΔTa(0〜Ta)ではエリアジング除去回路110から出力されたエリアジング成分除去後のインパルス応答を選択する。また、合成回路111はその遅延時間の最大時間Taから4シンボル推定によりマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Tbまでの長遅延時間領域ΔTb(Ta〜Tb)ではIFFT回路106から出力されたインパルス応答を選択する。そして、合成回路111は、選択したインパルス応答を時間領域で合成し、合成したインパルス応答をFFT回路112へ出力する。
FFT回路112は、合成回路111から出力されたインパルス応答を、離散フーリエ変換して時間領域から周波数領域の周波数応答に変換する。そして、FFT回路112は離散フーリエ変換後の周波数応答をキャリア補間回路113へ出力する。ただし、FFT112から出力される周波数応答では、全SPキャリアの位置がサンプリングポイントとなっている。
キャリア補間回路113は、FFT回路112から出力される周波数応答を利用して、例えばFIRフィルタを用いてSPキャリア以外のサブキャリアに周波数応答を補間し(周波数軸方向の補間)、OFDMシンボルの全サブキャリアに対する周波数応答を推定する。そして、キャリア補間回路113は周波数軸方向の補間後の周波数応答を除算回路114へ出力する。
なお、合成回路111、FFT回路112及びキャリア補間回路113が、伝送路の伝送路特性を推定する伝送路特性推定回路124を構成する。
除算回路114は、FFT回路15による周波数領域変換後のOFDMシンボルに含まれるデータキャリアの信号を、キャリア補間回路113から出力されるそのデータキャリア位置の周波数応答で除算し、等化されたデータを後段の回路部へ出力する。
<全体動作>
以下、図1の受信装置の全体の動作について図6を参照しつつ説明する。図6は図1の受信装置の全体の処理動作を示す図である。
受信装置1のアンテナ11により地上デジタル放送の放送波等のOFDM信号が受信され(ステップS11)、チューナ12がアンテナ11によって受信された受信信号を所望の帯域で選局した後、所望の中間周波数に変換する(ステップS12)。
A/D変換回路13は、チューナ12から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し(ステップS13)、同期回路14はシンボル同期等の同期処理を行う(ステップS14)。FFT回路15は、ガードインターバル期間及び有効シンボル期間を含むOFDMシンボルから有効シンボル期間長またはその前後の有効シンボルを抽出し、抽出した有効シンボル期間程度の有効シンボルを離散フーリエ変換して時間領域から周波数領域に変換する(ステップS15)。同期回路16は、フレーム同期等の同期処理を行う(ステップS16)。
等化回路17は、OFDMシンボルに含まれるSP信号を利用して、伝送路を通過した信号の伝送路特性歪等を推定し、伝送路特性の波形等化を行う(ステップS17)。誤り訂正回路18は、信号誤りを検出して訂正を行う(ステップS18)。バックエンド部19は例えば信号から映像、音声、データ等の信号を復元し(ステップS19)、出力装置20は復元された映像、音声、データ等をそれが備える表示装置やスピーカ等から出力する(ステップS20)。
<等化回路動作>
以下、図2の等化回路の動作について図7を参照しつつ説明する。図7は図2の等化回路の一連の動作処理を示す図である。
SP抽出回路101は、FFT回路15による周波数領域変換後の信号の各OFDMシンボルからSP信号を抽出する(ステップS101)。除算回路103は、抽出されたSP信号を、SP生成回路102から出力されている既知SP信号で除算し、当該SP信号が伝送されたOFDMシンボルのシンボル番号及びSPキャリアのキャリア番号の位置における周波数応答H11を算出する(ステップS102)。
IFFT回路104は、OFDMシンボル毎に、1シンボル分の各SP信号が伝送されるSPキャリアに対する周波数応答H11(この周波数応答は12サブキャリア毎に1つある)を逆離散フーリエ変換して、時間領域のインパルス応答h11を算出する(ステップS103)。
シンボル補間回路105は、上述した通り、周波数応答H11を用いて時間軸方向に補間を行い、OFDMシンボルの全SPキャリアに対する周波数応答H14(この周波数応答は3サブキャリア毎に1つある)を推定する(ステップS104)。IFFT回路106は、OFDMシンボル毎に、全SPキャリアに対する周波数応答H14を逆離散フーリエ変換して、時間領域のインパルス応答h14を算出する(ステップS105)。
アップサンプリング回路107は、インパルス応答h14のサンプリング周波数を3倍にアップサンプリングし、新たに付加されたサンプリングポイントに0を挿入する(ステップS106)。LPF108は、ステップS106の処理後のインパルス応答に対してローパスフィルタリングを行ってアップサンプリングによる新たなサンプリングポイントに値を内挿する(ステップS107)。
エリアジング推定回路109は、上述した通り、ステップS107の処理後のインパルス応答h14 (3)を利用して、インパルス応答h11の各サンプリングポイントのエリアジング量を推定する(ステップS108)。そして、エリアジング除去回路110は、インパルス応答h11のサンプリングポイントの値から、そのサンプリングポイントの推定したエリアジング量を減算し、インパルス応答h11からエリアジング成分を除去する(ステップS109)。
合成回路111は、短遅延時間領域(0〜Ta)ではエリアジング成分除去後のインパルス応答h11’を選択し、長遅延時間領域(Ta〜Tb)ではインパルス応答h14を選択し、時間領域で切り替え合成する(ステップS110)。FFT回路112は、時間領域で切り替え合成されたインパルス応答hを、離散フーリエ変換して時間領域から周波数領域の周波数応答Hに変換する(ステップS111)。キャリア補間回路113は、周波数応答Hを用いて周波数軸方向に補間し、全サブキャリアに対する周波数応答H’を推定する(ステップS112)。
除算回路114は、FFT回路15による周波数領域変換後のOFDMシンボルに含まれるデータキャリアの信号を、そのデータキャリア位置の周波数応答H’で除算し、等化されたデータを後段の回路部へ出力する(ステップS113)。
≪第2の実施の形態≫
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本実施の形態は等化回路の構成及び動作を除いて第1の実施の形態の受信装置と同様であるため、本実施の形態では等化回路についてのみ説明する。
<等化回路構成>
以下、本実施の形態の等化回路の構成について図8を参照しつつ説明する。図8は本実施の形態の等化回路の構成を示すブロック図である。ただし、第1の実施の形態ではインパルス応答のサンプル数を3倍にする処理を時間領域において行うものであるのに対して、第2の実施の形態ではその処理を周波数領域において行うものである。
図8に示すように、等化回路200は、SP抽出回路201と、SP生成回路202と、除算回路203と、IFFT回路204と、シンボル補間回路205と、0付加回路206と、IFFT回路207と、ダウンサンプリング回路208と、エリアジング推定回路209と、エリアジング除去回路210と、合成回路211と、FFT回路212と、キャリア補間回路213と、除算回路214とを備える。
ただし、SP抽出回路201、SP生成回路202、除算回路203、IFFT回路204、シンボル補間回路205、FFT回路212、キャリア補間回路213及び除算回路214は、夫々、第1の実施の形態において説明したSP抽出回路101、SP生成回路102、除算回路103、IFFT回路104、シンボル補間回路105、FFT回路112、キャリア補間回路113及び除算回路114と実質的に同様の処理を行うため、その説明を省略する。
なお、SP抽出回路201、SP生成回路202、除算回路203、及びIFFT回路204が、1シンボル分の各SP信号を用いて伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出手段221を構成する。
0付加回路206は、図9を参照しつつ説明するような下記の処理を行う。図9は0付加回路206が行う0埋めを説明するための図である。ここで、サンプリング周波数をfsとする。0付加回路206は、シンボル補間回路205から出力される全キャリアに対する周波数応答の高域側の周波数領域fs/2〜5fs/2の区間に、この周波数応答のサンプリング間隔と同じサンプリング間隔で0埋めし、0埋め後の周波数応答(周波数領域が0〜3fs)をIFFT回路207へ出力する。この0付加回路206の0埋めにより、0埋め後の周波数応答のサンプル数はシンボル補間回路205から出力される元の周波数応答の3倍になる。ただし、複素信号を扱うため、周波数領域として0〜3fsで表現する代わりに、(−3fs/2)〜(−3fs/2)で表現してもよく、サンプリング定理より(3fs/2)〜3fsを(−3fs/2)〜0に折り返せばよい。なお、0付加回路206によりサンプル数を3倍にする理由は、第1の実施の形態のアップサンプリング回路107及びLPF108によりサンプリング周波数を3倍にして内挿を行うのと同様の理由による。
IFFT回路207は、各OFDMシンボル毎に、0付加回路206による0埋め後の周波数応答を逆離散フーリエ変換して時間領域のインパルス応答に変換し、逆離散フーリエ変換後のインパルス応答をダウンサンプリング回路208及びエリアジング推定回路209へ出力する。
ダウンサンプリング回路208は、IFFT回路207から出力されるインパルス応答から、シンボル補間回路205が出力する周波数応答が0付加されることなく逆フーリエ変換された場合のインパルス応答の各サンプリングポイントの時間の値を抜き出す(3サンプルに1つ)。そして、ダウンサンプリング回路208は、その抜き出した各サンプリングポイントの時間における値をサンプルとしたインパルス応答を生成し、合成回路211へ出力する。
なお、SP抽出回路201、SP生成回路202、除算回路203、シンボル補間回路205、0付加回路206、IFFT回路207、及びダウンサンプリング回路208が、4シンボル分の各SP信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出手段222を構成する。
エリアジング推定回路209は、1シンボル推定によりマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Ta(有効シンボル長の1/12)に基づき、折り返し点となる時間(最大時間Ta、その2倍及び3倍の時間2Ta及び3Ta)を特定する。
エリアジング推定回路209は、IFFT回路207から出力されるインパルス応答の時間Ta〜時間2Taの時間領域における各サンプリングポイントの成分が、そのサンプリングポイントの時間から最大時間Taを差し引いた時間に、IFFT回路204により得られたインパルス応答でエリアジング成分となって現れると推定する。
エリアジング推定回路209は、IFFT回路207から出力されるインパルス応答の時間2Ta〜時間3Taの時間領域における各サンプリングポイントの成分が、そのサンプリングポイントの時間から時間2Taを差し引いた時間に、IFFT回路204により得られたインパルス応答でエリアジング成分となって現れると推定する。
エリアジング推定回路209は、IFFT回路207から出力されるインパルス応答の時間3Ta〜時間4Taの時間領域における各サンプリングポイントの成分が、そのサンプリングポイントの時間から時間3Taを差し引いた時間に、IFFT回路204により得られたインパルス応答でエリアジング成分となって現れると推定する。なお、時間4Taは、4シンボル推定によりマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Tbである。
エリアジング推定回路209は、時間Taから時間4Taのサンプリングポイントの値に時間毎に予め定められた値を乗算する。エリアジング推定回路209は、時間0から時間Taの時間領域の各サンプリングポイントにおいて、そのサンプリングポイントの時間にエリアジング成分となって現れると推定した時間Taから時間4Taの時間領域のサンプリングポイントの各乗算値を加算してエリアジング量を算出する。そして、エリアジング推定回路209は、時間0から時間Taの時間領域の各サンプリングポイントの時間とそのサンプリングポイントの算出したエリアジング量とをエリアジング除去回路210へ出力する。なお、上記のように予め定められた値をサンプリングポイントの値に乗算しないようにしてもよい。
エリアジング除去回路210は、IFFT回路204から出力されるインパルス応答のサンプリングポイントの値から、エリアジング推定回路209から出力されるそのサンプリングポイントの時間にエリアジングとなって現れると推定されたエリアジング量を減算する。これをIFFT回路204から出力されるインパルス応答の各サンプリングポイントにおいて行う。これにより、IFFT回路204から出力されるインパルス応答からエリアジング成分が除去される。そして、エリアジング除去回路210は、エリアジング除去後のインパルス応答を合成回路211へ出力する。
なお、エリアジング推定回路209及びエリアジング除去回路210が、第2データ列を利用して第1データ列からエリアジング成分を除去して第1データ列を補正する補正回路223を構成する。
合成回路211は1シンボル推定によりマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Taまでの短遅延時間領域ΔTa(0〜Ta)ではエリアジング除去回路210から出力されたエリアジング成分除去後のインパルス応答を選択する。また、合成回路211はその遅延時間の最大時間Taから4シンボル推定によりマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間Tbまでの長遅延時間領域ΔTb(Ta〜Tb)ではダウンサンプリング回路208から出力されたインパルス応答を選択する。そして、合成回路211は、選択したインパルス応答を時間領域で合成し、合成したインパルス応答をFFT回路212へ出力する。
なお、合成回路211、FFT回路212及びキャリア補間回路213が、伝送路の伝送路特性を推定する伝送路特性推定回路224を構成する。
<等化回路動作>
以下、図8の等化回路の動作について図10を参照しつつ説明する。図10は図8の等化回路の一連の動作処理を示す図である。
SP抽出回路201は、FFT回路15による周波数領域変換後の各OFDMシンボルからSP信号を抽出する(ステップS201)。除算回路203は、抽出された各SP信号を、SP生成回路202から出力されている既知SP信号で除算し、当該SP信号が伝送されたOFDMシンボルのシンボル番号及びSPキャリアのキャリア番号の位置における周波数応答H21を算出する(ステップS202)。
IFFT回路204は、OFDMシンボル毎に、1シンボル分の各SP信号が伝送されるSPキャリアに対する周波数応答H21(この周波数応答は12サブキャリア毎に1つある)を逆離散フーリエ変換して、時間領域のインパルス応答h21を算出する(ステップS203)。
シンボル補間回路205は、周波数応答H21を用いて時間軸方向に補間を行い、OFDMシンボルの全SPキャリアに対する周波数応答H24(この周波数応答は3サブキャリア毎に1つある)を推定する(ステップS204)。0付加回路206は、周波数応答H24の高域側の周波数領域fs/2〜5fs/2の区間に対して周波数応答H24のサンプリング間隔と同じサンプリング間隔で0埋めする(ステップS205)。IFFT回路207は、OFDMシンボル毎に、ステップS205の処理後の周波数応答H24 (3)を逆離散フーリエ変換して、時間領域のインパルス応答h24 (3)を算出する(ステップS206)。
ダウンサンプリング回路208は、インパルス応答h24 (3)から3サンプルに1つを抜き出してインパルス応答h24を作成する(ステップS207)。
エリアジング推定回路209は、上述した通り、インパルスh24 (3)を用いてインパルス応答h21の各サンプリングポイントのエリアジング量を推定する(ステップS208)。そして、エリアジング除去回路210は、インパルス応答h21のサンプリングポイントの値から、そのサンプリングポイントの推定したエリアジング量を減算し、インパルス応答h21からエリアジング成分を除去する(ステップS209)。
合成回路211は、短遅延時間領域(0〜Ta)ではエリアジング成分除去後のインパルス応答h21’を選択し、長遅延時間領域(Ta〜Tb)ではインパルス応答h24を選択し、時間領域で切り替え合成する(ステップS210)。FFT回路212は、時間領域で切り替え合成されたインパルス応答hを、離散フーリエ変換して時間領域から周波数領域の周波数応答Hに変換する(ステップS211)。キャリア補間回路213は、周波数応答Hを用いて周波数軸方向に補間し、全サブキャリアに対する周波数応答H’を推定する(ステップS212)。
除算回路214は、FFT回路15による周波数領域変換後のOFDMシンボルに含まれるデータキャリアの信号を、そのデータキャリア位置の周波数応答H’で除算し、等化されたデータを後段の回路部へ出力する(ステップS213)。
≪第3の実施の形態≫
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本実施の形態は等化回路の構成及び動作を除いて第1の実施の形態の受信装置と同様であるため、本実施の形態では等化回路についてのみ説明する
なお、第1の実施の形態ではエリアジング成分の除去処理を時間領域で行うものであるのに対して、第3の実施の形態はエリアジング成分の除去処理を周波数領域で行う点において異なる。まず、本実施の形態の受信処理の考え方について説明する。
<受信処理の考え方>
図14に示すようにSP信号等が配置されているとする。
送受信間の伝送路のインパルス応答h(t)を、図18に示す、短遅延時間領域ΔTa(0〜Ta)と長遅延時間領域ΔTb(Ta〜Tb)とに分けて考える。短遅延時間領域ΔTaのインパルス応答をh(t)、長遅延時間領域ΔTbのインパルス応答をh(t)とすると、インパルス応答h(t)は下記の(式1)に示すように表される。ただし、時間Taは、1シンボル推定によりマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間である。また、時間Tbは、4シンボル推定によりマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間の最大時間である。
Figure 2007143106
同様に、送受信間の伝送路の周波数応答H(f)を短遅延時間領域ΔTaと長遅延時間領域ΔTbとに分けて考える。短遅延時間領域ΔTaの周波数応答をH(f)、長遅延時間領域ΔTbの周波数応答をH(f)とすると、周波数応答H(f)は下記の(式2)に示すように表される。
Figure 2007143106
図11のように、長遅延時間領域の周波数応答H(f)は短遅延時間領域の周波数応答H(f)に比べると、周波数方向の変化が大きい。このため、長遅延時間領域の周波数応答H(f)を推定するには、短遅延時間領域の周波数応答H(f)を推定する場合に比べてSPキャリアの間隔を狭くして推定する必要があり、上記の(式2)に示す通り、周波数H(f)は周波数応答H(f)と周波数応答をH(f)とを加算したものになる。
OFDMの送信信号をx(t)とし、受信信号をy(t)とすると、送信信号x(t)がインパルス応答h(t)の伝送路を通った場合、受信信号y(t)は下記の(式3)により表される。
Figure 2007143106
ただし、演算子*は畳み込み演算を示す。
式(3)をフーリエ変換して周波数領域で表現すると、下記の(式4)になる。
Figure 2007143106
ただし、Y(f)は1シンボルを観測して得られる周波数領域の受信信号で、X(f)は周波数領域の送信信号である。
上記の(式4)を、キャリア番号をk、サブキャリア数をNとしてサブキャリア毎に表すと、下記の(式5)のようになる。
Figure 2007143106
また、受信側で既知のSP信号については、pをSPキャリアの任意のキャリア番号として、下記の(式6)のように表す。
Figure 2007143106
受信側では、送信側から送信されるSPキャリアのうち、SP信号の送信信号X(f)の振幅・位相が既知であり、下記の(式7)に示すように、SPキャリアのうち、SP信号の受信信号Y(f)を既知のSP信号X(f)で除算することにより、SPキャリアうち、SP信号の周波数応答H(f)を求める。
Figure 2007143106
上記の(式7)の演算により得られた、時間軸方向に4OFDMシンボルに1つ現れるSP信号の周波数応答H(f)を用い、SPキャリア上をSP信号が伝送されるOFDMシンボル間を時間軸方向に補間して、SP信号が伝送されていないOFDMシンボル位置の周波数応答を推定する。さらに、上記の(式7)の演算及び時間軸方向の補間により得られた周波数軸方向に3サブキャリアに1つ現れる周波数応答を用い、周波数軸方向に補間し、SPキャリア以外のサブキャリア位置の周波数応答を推定する。これにより、1つのOFDMシンボル上の全サブキャリアに対する周波数応答を得る。
上記の時間軸方向の補間により得られた周波数応答をH[4](f)、短遅延時間領域ΔTaの周波数応答をH [4](f)、長遅延時間領域ΔTbの周波数応答をH [4](f)とし、周波数応答H[4](f)を周波数応答H [4](f)及び周波数応答H [4](f)で表すと、下記の(式8)のようになる。
Figure 2007143106
また、時間軸方向に補間を行った場合のインパルス応答をh[4](t)、短遅延時間領域ΔTaのインパルス応答をh [4](t)、長遅延時間領域ΔTbのインパルス応答をh [4](t)とし、インパルス応答h[4](t)をインパルス応答h [4](t)及びインパルス応答h [4](t)で表すと、下記の(式9)のようになる。
Figure 2007143106
ここで、対象とする伝送路において、長遅延時間領域ΔTbにおける周波数応答h(t)に変化が少ないとすれば、周波数応答h(t)は下記の(式10)と近似でき、(式1)に代入すると、下記の(式11)のようになる。
Figure 2007143106
Figure 2007143106
この場合、受信信号Y(f)は、(式4)より、下記の(式12)に示すようになる。
Figure 2007143106
上記の(式12)において周波数応答H [4](f)は次のようにして得られる。SPキャリア上、時間軸方向に4OFDMシンボルに1つ現れるSP信号の周波数応答H(f)を時間軸方向に補間して得られた周波数応答H[4](f)を逆フーリエ変換し、時間領域のインパルス応答h[4](t)を算出する。インパルス応答h[4](t)において短遅延時間領域ΔTaを零にし、短遅延時間領域ΔTaを零にした後のインパルス応答をフーリエ変換する。周波数軸方向に3サブキャリアに1つ現れるフーリエ変換後の周波数応答を周波数軸方向に補間して全サブキャリアに対する長遅延時間領域ΔTbにおける周波数応答H [4](f)を得る。
受信信号Y(f)は観測信号である受信信号y(t)をフーリエ変換したものであり、送信信号X(f)はSPキャリアの一部において既知である。従って、(式12)においてSPキャリアのみに着目した下記の(式13)を変形した下記の(式14)から周波数応答H(f)を求めることができる。
Figure 2007143106
Figure 2007143106
上記の(式14)により算出されるSP信号の周波数応答H(f)を周波数軸方向に補間し、全サブキャリアに対する短遅延時間領域ΔTaにおける周波数応答H(f)を得る。
上述したようにして算出した周波数応答H(f)と周波数応答H [4](f)とを用いて、(式12)を変形した下記の(式15)を演算することにより、送信信号X(f)を求めることができる。
Figure 2007143106
<等化回路構成>
以下、本実施の形態の等化回路の構成について図12を参照しつつ説明する。図12は本実施の形態の等化回路の構成を示すブロック図である。
図12に示すように、等化回路300は、SP抽出回路301と、SP生成回路302と、除算回路303と、シンボル補間回路304と、IFFT回路305と、零埋め回路306と、FFT回路307と、キャリア補間回路308と、PC抽出回路309と、減算回路310と、キャリア補間回路311と、加算回路312と、除算回路313とを備える。
ただし、SP抽出回路301、SP生成回路302、除算回路303、シンボル補間回路304、IFFT回路305、及び除算回路313は、夫々、第1の実施の形態において説明したSP抽出回路101、SP生成回路102、除算回路103、シンボル補間回路105、IFFT回路106、及び除算回路114と実質的に同様の処理を行うため、その説明を省略する。
なお、SP抽出回路301、SP記憶メモリ302、及び除算回路303が、1シンボル分のSP信号を用いて伝送路の伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出手段321を構成する。
零埋め回路306は、IFFT回路305から出力されるインパルス応答の短遅延時間領域ΔTa(0〜Ta)の区間のポイントの値を0にし、短遅延時間領域ΔTa(0〜Ta)を零埋めしたインパルス応答をFFT回路307へ出力する。
FFT回路307は、零埋め回路306から出力される零埋め後のインパルス応答を離散フーリエ変換して、周波数領域の周波数応答を算出し、離散フーリエ変換後の周波数応答をキャリア補間回路308へ出力する。この周波数応答は、長遅延時間領域ΔTb(Ta〜Tb)の成分のみを含むものであり、周波数軸方向に3サブキャリアに1つ現れるキャリアにおける応答を示す。
キャリア補間回路308は、FFT回路307から出力される周波数応答を用い、例えばFIRフィルタを用いてSPキャリア以外のサブキャリアの周波数応答を補間し(周波数軸方向の補間)、OFDMシンボルの全サブキャリアに対する周波数応答を推定する。そして、キャリア補間回路308は周波数軸方向の補間後の周波数応答をPC抽出回路309及び加算回路312へ出力する。
なお、SP抽出回路301、SP生成回路302、除算回路303、シンボル補間回路304、IFFT回路305、零埋め回路306、FFT回路307、及びキャリア補間回路308が、4シンボル分の各SP信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出手段322を構成する。
PC抽出回路309は、キャリア補間回路308から出力される周波数応答の中から当該周波数応答のシンボル番号位置におけるSP信号の周波数応答を抽出し、減算回路310へ出力する。
減算回路310は、除算回路303から出力される周波数応答の各ポイント(周波数軸方向に12サブキャリアに一つ現れる)の値から、PC抽出回路309から出力されるそのポイントの周波数応答の値を減算し、除算回路303から出力される周波数応答に含まれるエリアジング成分を除去する。そして、演算回路310は、減算後の周波数応答をキャリア補間回路311へ出力する。
キャリア補間回路311は、減算回路310から出力される周波数応答(周波数軸方向に12サブキャリアに一つ現れる)を用い、例えばFIRフィルタを用いて周波数応答のシンボル番号位置でSP信号が伝送されるSPキャリア以外のサブキャリアに対して周波数応答を補間し(周波数軸方向の補間)、OFDMシンボルの全サブキャリアに対する周波数応答を推定する。そして、キャリア補間回路311は周波数軸方向に補間後の周波数応答を加算回路312へ出力する。
加算回路312は、キャリア補間回路311から出力される周波数応答とキャリア補間回路308から出力される周波数応答とを加算し、加算後の周波数応答を除算回路313へ出力する。
<等化回路動作>
以下、図12の等化回路の動作について図13を参照しつつ説明する。図13は図12の等化回路の動作処理の一連を示す図である。
SP抽出回路301は、FFT回路15による周波数領域変換後の各OFDMシンボルからSP信号を抽出する(ステップS301)。除算回路303は、抽出されたSP信号を、SP生成回路302から出力される既知SP信号で除算し、当該SP信号が伝送されたOFDMシンボルのシンボル番号及びSPキャリアのキャリア番号における周波数応答H31(この周波数応答は12サブキャリア毎に1つある)を算出する(ステップS302)。なお、この周波数応答H31が上記の<受信処理の考え方>の周波数応答Hに対応する。
シンボル補間回路304は、周波数応答H31を用いて時間軸方向に補間を行い、OFDMシンボルの全SPキャリアに対する周波数応答H34(この周波数応答は3サブキャリア毎に1つある)を推定する(ステップS303)。なお、この周波数応答H34が上記の<受信処理の考え方>の周波数応答H[4]に対応する。IFFT回路305は、OFDMシンボル毎に、全SPキャリアに対する周波数応答H34をサンプルとして逆離散フーリエ変換して、時間領域のインパルス応答h34を算出する(ステップS304)。なお、このインパルス応答h34が上記の<受信処理の考え方>のインパルス応答h[4]に対応する。
零埋め回路406は、インパルス応答h34の短遅延時間領域ΔTaのポイントの値を0にし(ステップS305)、FFT回路307は、零埋め後のインパルス応答h34’を離散フーリエ変換して、周波数領域の周波数応答H34’を算出する(ステップS306)。キャリア補間回路308は、周波数応答H34’を用いて周波数軸方向に補間し、全サブキャリアに対する周波数応答H34”を推定する(ステップS307)。なお、この周波数応答H34”が上記の<受信処理の考え方>の周波数応答H [4]に対応する。
PC抽出回路309は、周波数応答H34”の中から当該周波数応答H34”のシンボル番号位置におけるSP信号の周波数応答Hspを抽出する(ステップS308)。減算回路310は、周波数応答H31の各ポイントの値から、ステップS308の処理で周波数応答H34”から抽出されたそのポイントの周波数応答Hspの値を減算する(ステップS309)。キャリア補間回路311は、減算後の周波数応答H31’を用いて周波数軸方向に補間し、全サブキャリアに対する周波数応答H31”を推定する(ステップS310)。なお、周波数応答H31”が上記の<受信処理の考え方>の周波数応答Hに対応する。
加算回路312は、周波数応答H31”と周波数応答H34”とを加算し、伝送路の周波数応答Hを算出する(ステップS311)。
除算回路313は、FFT回路15による周波数領域変換後のOFDMシンボルに含まれるデータキャリアの信号を、そのデータキャリア位置の周波数応答Hで除算し、等化されたデータを後段の回路部へ出力する(ステップS312)。
上述した実施の形態によれば、時間領域でエリアジング成分を除去した上記の第1及び第2の実施の形態の等化回路と比べて回路規模を小さくすることができる。例えば、ISDB−T方式のMode3の場合、第2の実施の形態の周波数領域に0を付加した後のIFFT回路のポイントの数が8192であるのに対して、本実施の形態における全てのFFT回路及びIFFT回路の全てのサンプリングポイント数が2148であり、回路規模が小さくなる。一般に、サンプリングポイント数がNのFFT演算はN・log(N)に比例するので、サンプリングポイント数が8192から2148に減少すると演算量がおよそ1/5になり、回路規模を大幅に縮小することができる。なお、零埋めにより応答が不連続になるため、h34の両端部にコサインロールオフフィルタなどの窓関数を乗じて信号の連続性を維持するための処理を施してもよい。
≪補足≫
(1)上記の各実施の形態において、日本のISDB−T方式に準拠して説明したが、これに限らず、例えば、欧州のDVB−T方式やDVB−H(Digital Video Broadcast - Handheld)方式などいかなる方式に準拠したものであってもよい。また、OFDM信号を例に挙げて説明したが、これに限らず、直交性を有しない周波数多重分割信号であってもよく、直交系や時間、空間、周波数、位相、符号等の任意の元により分割多重されたいかなる分割多重信号であってもよく、分割多重する元を複数用いた信号であってもよい。さらに、ガードインターバルやガードバンドがなくてもよく、いかなる精度、元やタイミングで表現された信号でも、連続信号でもよい。また、キャリアやガードインターバル等の使用している用語は、該当する方式及び信号により、別の用語であってもよい。そして、移動受信による伝送路特性歪を受けた信号だけではなく、いかなる信号を入力してもよい。例えば、回り込み等のマルチパス以外の伝送路又は受信装置の特性や、固定受信での伝送路特性歪、非線形歪特性を持つ信号であってもよい。
(2)上記の各実施の形態において、SP信号が時間軸方向に4シンボル周期で配置され、周波数軸方向に12サブキャリア周期で配置される場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、SP信号が時間軸方向に任意の周期で配置され、周波数軸方向に任意の周期で配置されているものに本発明は適用できる。
(3)上記の各実施の形態において、伝送路特性の推定に利用される参照信号を、時間軸方向に4シンボル周期で配置され、周波数軸方向に12サブキャリア周期で配置されるSP信号の場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば図20に示すような配置などいかなる配置の基準信号に対しても本発明は適用できる。なお、基準信号は、受信装置側では送信時の振幅・位相が既知の信号である。
(4)上記の各実施の形態において、各FFT回路が離散フーリエ変換を行う場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、キャリアを直交信号又は分割多重信号等のいかなる信号又は特性とした直交変換又は分割多重信号変換等のいかなる処理による信号変換を用いてもよく、複数の元で分割多重した信号の場合にはいかなる元においていかなる信号変換を行ってもよい。例えば、離散コサイン変換、離散ウェーブレット変換やいかなるフィルタ等であってもよい。
(5)上記の各実施の形態において、各IFFT回路が逆離散フーリエ変換を行う場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、キャリアを直交信号又は分割多重信号等のいかなる信号又は特性とした逆直交変換又は逆分割多重信号変換等のいかなる処理による信号変換を用いてもよく、複数の元で分割多重した信号の場合にはいかなる元においていかなる信号変換を行ってもよい。例えば、逆離散コサイン変換、逆離散ウェーブレット変換やいかなるフィルタ等であってもよい。
(6)上記の各実施の形態において、1シンボル分のSP信号を利用する場合と4シンボル分のSP信号を利用する場合とを対象としているが、これに限らず、例えば、いかなる2シンボル分のSP信号を利用する場合といかなる3シンボル分のSP信号を利用する場合など、1以上のMシンボル分のSP信号を利用する場合とMより大きいNシンボル分のSP信号を利用する場合とを対象とし、Nシンボル分のSP信号を利用して推定した伝送路特性を利用してMシンボル分のSP信号を利用して推定した伝送路特性からエリアジング成分を除去するようにするなど、それらの組み合わせは自由である。なお、例えば、2シンボル分のSP信号を利用する場合は、時間軸のシンボル番号が1増加し且つキャリア番号が3減少する方向上のSP信号を利用してFIRフィルタ等を用いてその斜め方向上のSP信号が伝送されていないシンボル番号及びキャリア番号位置に伝送路特性を補間してその位置での伝送路特性を推定するようにしてもよい。また、例えば、3シンボル分のSP信号を利用する場合は、時間軸のシンボル番号が1増加し且つキャリア番号が1減少する方向上のSP信号を利用してFIRフィルタ等を用いてその斜め方向上のSP信号が伝送されていないシンボル番号及びキャリア番号位置に伝送路特性を補間してその位置での伝送路特性を推定するようにしてもよい。また、データキャリアからも、例えば、硬判定等を利用して周波数特性やインパルス応答を求めて、上記任意の複数の組み合わせに用いてもよい。さらに、伝送路特性の逆特性を推定しても用いてもよい。
(7)上記の各実施の形態における各シンボル補間回路が行う時間軸方向の補間や各キャリア補間回路が行う周波数軸方向の補間は直線補間や伝送路特性を補間するシンボル番号及びキャリア番号が示す位置に0を挿入しその後にローパスフィルタやFIRフィルタ等を通過させる補間等どのような種類のものであってもよいばかりでなく、時間及び周波数軸からなる平面上で2次元補間する等のいかなる種類の補間を行ってもよい。
(8)上記の第1の実施の形態において、アップサンプリング回路107がサンプリング周波数を3倍にアップサンプリングしている場合を例に挙げて説明しているが、これに限らず、エリアジング先のサンプリングポイントに対応するエリアジング元のサンプリングポイントが存在するようになる任意の倍率のサンプリング周波数でアップサンプリングしてもよい。さらに、以降の処理も、いかなる倍率に対応した処理としてもよい。
(9)上記の第2の実施の形態において、0付加回路208がサンプル数が3倍になるように値が0のサンプルを付加し、ダウンサンプリング回路がサンプル数が1/3になるようにダウンサンプリングしている場合を例に挙げて説明しているが、これに限らず、エリアジング先のサンプリングポイントに対応するエリアジング元のサンプリングポイントが存在するようになる任意の倍率で値が0のサンプル数を付加するようにして、この倍率に応じてダウンサンプリング回路がダウンサンプリングするようにしてもよい。さらに、以降の処理も、いかなる倍率に対応した処理としてもよい。
(10)上記の第1及び第2の実施の形態において、エリアジング除去回路110、210はエリアジング量を減算することによってエリアジング成分を除去するようにしていた場合を例に挙げて説明しているが、これに限らず、例えば、エリアジング成分とインパルス応答成分との比率で除算等のいかなる処理をすることによってエリアジング成分を除去するようにしてもよい。
(11)上記の第1及び第2の実施の形態において、エリアジング推定回路109、209はエリアジング量の算出の際に予め定められた値をインパルス毎に乗算するようにしている場合を例に挙げて説明しているが、これに限らず、乗算を省いてよいばかりでなく、インパルス応答上のインパルスの時刻毎の変化や、算出される2つのインパルス応答の変化の差や変化の比、伝送路上の雑音や干渉、妨害の量や変化量、フェージングによるいかなる影響等を検出して、例えば、その時刻のインパルスの信頼性を判定し、乗算する値を時刻毎に適応的に変化するようにしてもよい。
(12)上記の第1及び第2の実施の形態において、エリアジング推定回路109、209はエリアジング先のサンプリングポイントに対応するエリアジング元の全てのサンプリングポイントの値を加算してエリアジング先のエリアジング量を算出するようにしている場合を例に挙げて説明しているが、これに限らず、例えば、エリアジング元のサンプリングポイントのうちその値が所定の閾値を超える又は越えないものだけを加算してエリアジング量を算出するようにしてもよい。また、エリアジング元のサンプリングポイントのうち任意の時間の所定の閾値以下又は以上のものを0等所定の値にしてからエリアジング量を算出するようにしてもよい。
(13)上記の第1及び第2の実施の形態において、合成回路111、211は短遅延時間領域では1シンボル推定のエリアジング除去後のインパルス応答を選択するようにしている場合を例に挙げて説明しているが、これに限らず、例えば、短遅延時間領域で1以上のMシンボル推定のエリアジング除去後のインパルス応答とMより大きいNシンボル推定のインパルス応答との同じ時刻のサンプル値を所定の比率で合成するようにしてもよく、この所定の比率を伝送路特性の変化に応じて時刻毎に適応的に変更するようにしてもよい。
(14)上記の各実施の形態において、高速変動する伝送路特性等によるキャリア間干渉や非線形歪の影響を抑圧できるいかなる処理を組み合わせて、受信装置の各部や等化回路の各部を構成してよい。例えば、短遅延時間領域の伝送路特性を用いて、長遅延時間領域の伝送路特性を補正してもよく、補正された長遅延時間領域の伝送路特性を合成に用いてもよい。また、シンボル間、サンプル間やキャリア間等の干渉量が表現可能な多次元伝送路特性を用いてもよい。
(15)上記の第2の実施の形態において、シンボル補間回路205が出力する周波数応答が0付加回路206、IFFT回路207、ダウンサンプリング回路208を介して合成回路211へ供給される場合を例に挙げて説明しているが、これに限らず、例えば、シンボル補間回路が出力する周波数応答を逆高速フーリエ変換するIFFT回路を設け、シンボル補間回路が出力する周波数応答をこのIFFT回路を介して合成回路へ供給するようにしてもよい。
(16)上記の第3の実施の形態において、キャリア補間回路308の出力をPC抽出回路309へ供給する場合を例に挙げて説明しているが、減算回路ではSP信号における伝送周波数応答が入力されるので、これに限らず、例えば、キャリア補間回路308の前段のFFT回路307の出力をPC抽出回路309へ供給するようにしてもよい。
(17)上記の各実施の形態において、受信装置のいかなる各部間や、等化回路内のいかなる各部間に、いかなるフィルタや算術演算や論理演算や遅延処理等を追加してもよい。そして、いかなる各部やその一部の処理が、時間領域データに対して行われている場合には、時間から周波数領域へ変換したデータに対して、対応する処理を行ってもよく、逆に周波数領域から時間領域へ変換して行ってもよい。
(18)上記の各実施の形態の受信装置の一部を複数のブランチに持ち、例えば、キャリア単位での最大比合成のように、ダイバーシティ合成やアダプティブアレイやMIMOにおける等化処理に本発明を適用することができる。
(19)上記の各実施の形態の除算回路114、214、313における除算において、合成されて等化に用いられる周波数応答のサンプル数が除算されるキャリア数に対して少ない場合には、合成された周波数応答のサンプル間を補間等の、サンプル数をキャリア数に合わせるいかなる処理を行うようにしてもよい。
(20)上記の各実施の形態において、集積回路として説明したが、これに限らず、集積回路以外であってもよく、上記の各実施の形態において説明した各回路が行う全部又は一部と等価な処理を行う受信方法であってもよい。
例えば、ステップS11からステップS20をそのステップの値の順番で処理を行う受信方法、ステップS101からステップS113をそのステップの値の順番で処理を行う受信方法、ステップS201からステップS213をそのステップの値の順番で処理を行う受信方法、ステップS301からステップS312をそのステップの値の順番で処理を行う受信方法である。なお、同じ目的が実現される範囲において、各処理の順番を変更した受信方法であってもよく、一部の処理を並列に行う受信方法であってもよい。
また、上記の各実施の形態において説明した各回路が行う全部又は一部と等価な処理手順を記述した受信プログラムをメモリに格納し、CPU等を用いて処理を行わせるようにしてもよい。例えば、受信プログラムは、ステップS11からステップS20をそのステップの値の順番で処理手順を記述したプログラム、ステップS101からステップS113をそのステップの値の順番で処理手順を記述したプログラム、ステップS201からステップS213をそのステップの値の順番で処理手順を記述したプログラム、ステップS301からステップS312をそのステップの値の順番で処理手順を記述したプログラムである。なお、同じ目的が実現される範囲において、各処理の順番を変更した受信プログラムであってもよく、並列に処理を行うように記述された受信プログラムであってもよい。
また、前記プログラムからなるデジタル信号であってもよい。
前記受信プログラムや前記デジタル信号をコンピュータ等で読み取り可能な記録媒体、例えばCD−ROM等に記録したものや、別のコンピュータ等へ伝送可能な伝送媒体に伝送したものであってもよい。
(21)上記の各実施の形態において説明した集積回路又はその一部を、IC、LSI、FPGA、DSP、リコンフィギュラブルプロセッサー等の集積回路を少なくとも1つ用いて実現することができる。また、半導体技術とは別の技術を用いて集積化を行ってもよく、例えば光信号処理集積回路でもよい。
(22)上記の各実施の形態の処理を、受信装置、受信回路、受信方法及び受信プログラムのうちの任意の組み合わせで実現するようにしてもよい。例えば、受信装置の全部又は一部が集積回路で構成され、その集積回路の全部又は一部でプログラムを使用して上記の各実施の形態の処理の一部を行うようにしてもよい。
本発明は、例えば、OFDM信号などの分割多重信号を伝送に用いる放送、通信、計測等のあらゆる方式において移動受信する際のフェージング環境等で生ずる伝送路特性歪に対する波形等化に適用することができる。
第1の実施の形態における受信装置の全体構成を示すブロック図。 図1の等化回路の構成を示すブロック図。 図2のアップサンプリング回路が行うアップサンプリングを説明するための図。 図2のアップサンプリング回路によりインパルス応答をアップサンプリングする理由を説明するための図。 図2のLPFの周波数特性を説明するための図。 図1の受信装置の全体の処理動作を示す図。 図2の等化回路の動作処理を示す図である。 第2の実施の形態における等化回路の構成を示すブロック図。 図8の0付加回路が行う0埋めを説明するための図。 図8の等化回路の動作処理を示す図。 周波数応答を説明するための図。 第3の実施の形態における等化回路の構成を示すブロック図。 図12の等化回路の動作処理を示す図。 日本のISDB−T方式や欧州のDVB−T方式におけるSP信号の配置を示す図。 時間軸方向の補間を説明するための図。 周波数軸方向の補間を説明するための図。 従来の受信装置の構成を示すブロック図。 図17の合成回路のインパルス応答の合成処理を説明するための図。 図17の受信装置の問題点を説明するための図。 他の参照信号の配置を示す図。
符号の説明
101、201、301 SP抽出回路
102、202、302 SP記憶メモリ
103、114、203、214、303、313 除算回路
104、106、204、207、305 IFFT回路
105、205、304 シンボル補間回路
107 アップサンプリング回路
108 LPF
109、209 エリアジング推定回路
110、210 エリアジング除去回路
111、211 合成回路
112、212、307 FFT回路
113、213、308、311 キャリア補間回路
206 0付加回路
208 ダウンサンプリング回路
306 零埋め回路
309 PC抽出回路
310 減算回路
312 加算回路

Claims (22)

  1. 周波数分割多重信号を受信し、当該周波数分割多重信号に含まれる参照信号を用いて伝送路の伝送路特性を推定する受信装置において、
    受信した周波数分割多重信号のM(Mは1以上の整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出部と、
    前記Mシンボル分のシンボルを含むN(NはMより大きい整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出部と、
    前記Mシンボル分の各参照信号を用いてマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2データ列の成分に基づいて、前記検出可能な遅延時間を越えた遅延波がエリアジングにより前記第1データ列に現れたエリアジング成分を当該第1データ列から除去するように当該第1データ列を補正する補正部と、
    前記補正部による補正後の第1データ列を用いた伝送路特性に基づく第3データ列を推定する伝送路特性推定部と、
    を備えた受信装置。
  2. 前記第1算出部は、前記Mシンボル分の各参照信号を用いて第1周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第1周波数応答に基づくデータ列を前記第1データ列である時間領域の第1インパルス応答に基づくデータ列に変換し、
    前記第2算出部は、前記Nシンボル分の各参照信号を用いて第2周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第2周波数応答に基づくデータ列を前記第2データ列である時間領域の第2インパルス応答に基づくデータ列に変換し、
    前記補正部は、前記遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2インパルス応答に基づくデータ列を用いて、前記第1インパルス応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分を除去する請求項1記載の受信装置。
  3. 前記伝送路特性推定部は、前記遅延波の検出可能な遅延時間の時間領域では前記補正部による補正後の前記第1インパルス応答に基づくデータ列を選択し、前記遅延波の検出可能な時間を越える時間領域では前記第2算出部により得られた第2インパルス応答に基づくデータ列を選択して第3インパルス応答に基づくデータ列を作成し、当該第3インパルス応答に基づくデータ列を用いた伝送路特性に基づく第4データ列の推定を行う請求項2記載の受信装置。
  4. 前記補正部は、前記遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2インパルス応答に基づくデータ列の成分に値を乗算し、乗算した値により前記第1インパルス応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分の除去を行う請求項2記載の受信装置。
  5. 前記第2インパルス応答のサンプリング周波数を高くして当該第2インパルス応答に基づくデータ列に新たなサンプリングポイントを付加する付加部と、
    前記第2インパルス応答に基づくデータ列の値を利用して前記付加部により付加されたサンプリングポイントに値を内挿する内挿部と、
    を更に備え、
    前記補正部は前記内挿部による内挿後の前記第2インパルス応答に基づくデータ列を用いる請求項2記載の受信装置。
  6. 前記第2算出部は、前記第2周波数応答に基づくデータ列に対して当該第2周波数応答の高域側に対応する周波数領域に新たなサンプリングポイントを付加し、算出した第2周波数応答に基づくデータ列の代わりにサンプリングポイントの付加後の第2周波数応答に基づくデータ列を時間領域の第2インパルス応答に基づくデータ列に変換する請求項2記載の受信装置。
  7. 前記第1算出部は、前記Mシンボル分の各参照信号を用いて前記第1データ列である第1周波数応答に基づくデータ列を算出し、
    前記第2算出部は、前記Nシンボル分の各参照信号を用いて第2周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第2周波数応答に基づくデータ列を前記第2データ列である時間領域のインパルス応答に基づくデータ列に変換し、
    前記補正部は、前記インパルス応答に基づくデータ列の前記遅延波の検出可能な遅延時間の成分を当該インパルス応答に基づくデータ列から除去し、除去後のインパルス応答に基づくデータ列を周波数領域の第3周波数応答に基づくデータ列に変換し、当該第3周波数応答に基づくデータ列を利用して前記第1周波数応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分を除去する請求項1記載の受信装置。
  8. 前記伝送路特性推定部は、前記補正部による補正後の第1周波数応答に基づくデータ列と前記第3周波数応答に基づくデータ列とを加算し、加算したデータ列を用いて伝送路特性の推定を行う請求項7記載の受信装置。
  9. 前記周波数分割多重信号はOFDM信号である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の受信装置。
  10. 前記参照信号は周波数方向に12サブキャリア周期で挿入され、シンボル毎に周波数方向に3サブキャリアずつシフトして伝送される請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の受信装置。
  11. 周波数分割多重信号を受信し、当該周波数分割多重信号に含まれる参照信号を用いて伝送路の伝送路特性を推定する受信回路において、
    受信した周波数分割多重信号のM(Mは1以上の整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出回路と、
    前記Mシンボル分のシンボルを含むN(NはMより大きい整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出回路と、
    前記Mシンボル分の各参照信号を用いてマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2データ列の成分に基づいて、前記検出可能な遅延時間を越えた遅延波がエリアジングにより前記第1データ列に現れたエリアジング成分を当該第1データ列から除去するように当該第1データ列を補正する補正回路と、
    前記補正回路による補正後の第1データ列を用いた伝送路特性に基づく第3データ列を推定する伝送路特性推定回路と、
    を備えた受信回路。
  12. 前記第1算出回路は、前記Mシンボル分の各参照信号を用いて第1周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第1周波数応答に基づくデータ列を前記第1データ列である時間領域の第1インパルス応答に基づくデータ列に変換し、
    前記第2算出回路は、前記Nシンボル分の各参照信号を用いて第2周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第2周波数応答に基づくデータ列を前記第2データ列である時間領域の第2インパルス応答に基づくデータ列に変換し、
    前記補正回路は、前記遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2インパルス応答に基づくデータ列を用いて、前記第1インパルス応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分を除去する請求項11記載の受信回路。
  13. 前記伝送路特性推定回路は、前記遅延波の検出可能な遅延時間の時間領域では前記補正回路による補正後の前記第1インパルス応答に基づくデータ列を選択し、前記遅延波の検出可能な時間を越える時間領域では前記第2算出回路により得られた第2インパルス応答に基づくデータ列を選択して第3インパルス応答に基づくデータ列を作成し、当該第3インパルス応答に基づくデータ列を用いた伝送路特性に基づく第4データ列の推定を行う請求項12記載の受信回路。
  14. 前記補正回路は、前記遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2インパルス応答に基づくデータ列の成分に値を乗算し、乗算した値により前記第1インパルス応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分の除去を行う請求項12記載の受信回路。
  15. 前記第2インパルス応答のサンプリング周波数を高くして当該第2インパルス応答に基づくデータ列に新たなサンプリングポイントを付加する付加回路と、
    前記第2インパルス応答に基づくデータ列の値を利用して前記付加回路により付加されたサンプリングポイントに値を内挿する内挿回路と、
    を更に備え、
    前記補正回路は前記内挿回路による内挿後の前記第2インパルス応答に基づくデータ列を用いる請求項12記載の受信回路。
  16. 前記第2算出回路は、前記第2周波数応答に基づくデータ列に対して当該第2周波数応答の高域側に対応する周波数領域に新たなサンプリングポイントを付加し、算出した第2周波数応答に基づくデータ列の代わりにサンプリングポイントの付加後の第2周波数応答に基づくデータ列を時間領域の第2インパルス応答に基づくデータ列に変換する請求項12記載の受信回路。
  17. 前記第1算出回路は、前記Mシンボル分の各参照信号を用いて前記第1データ列である第1周波数応答に基づくデータ列を算出し、
    前記第2算出回路は、前記Nシンボル分の各参照信号を用いて第2周波数応答に基づくデータ列を算出し、当該第2周波数応答に基づくデータ列を前記第2データ列である時間領域のインパルス応答に基づくデータ列に変換し、
    前記補正回路は、前記インパルス応答に基づくデータ列の前記遅延波の検出可能な遅延時間の成分を当該インパルス応答に基づくデータ列から除去し、除去後のインパルス応答に基づくデータ列を周波数領域の第3周波数応答に基づくデータ列に変換し、当該第3周波数応答に基づくデータ列を利用して前記第1周波数応答に基づくデータ列に含まれる前記エリアジング成分を除去する請求項11記載の受信回路。
  18. 前記伝送路特性推定回路は、前記補正回路による補正後の第1周波数応答に基づくデータ列と前記第3周波数応答に基づくデータ列とを加算し、加算したデータ列を用いて伝送路特性の推定を行う請求項17記載の受信回路。
  19. 前記周波数分割多重信号はOFDM信号である請求項11から請求項18のいずれか1項に記載の受信回路。
  20. 前記参照信号は周波数方向に12サブキャリア周期で挿入され、シンボル毎に周波数方向に3サブキャリアずつシフトして伝送される請求項11から請求項19のいずれか1項に記載の受信回路。
  21. 周波数分割多重信号を受信し、当該周波数分割多重信号に含まれる参照信号を用いて伝送路の伝送路特性を推定する受信方法において、
    受信した周波数分割多重信号のM(Mは1以上の整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出手順と、
    前記Mシンボル分のシンボルを含むN(NはMより大きい整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出手順と、
    前記Mシンボル分の各参照信号を用いてマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2データ列の成分に基づいて、前記検出可能な遅延時間を越えた遅延波がエリアジングにより前記第1データ列に現れたエリアジング成分を当該第1データ列から除去するように当該第1データ列を補正する補正手順と、
    前記補正手順による補正後の第1データ列を用いた伝送路特性に基づく第3データ列を推定する伝送路特性推定手順と、
    を有する受信方法。
  22. 周波数分割多重信号を受信し、当該周波数分割多重信号に含まれる参照信号を用いて伝送路の伝送路特性を推定する受信装置としてのコンピュータを、
    受信した周波数分割多重信号のM(Mは1以上の整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第1データ列を算出する第1算出部、
    前記Mシンボル分のシンボルを含むN(NはMより大きい整数)シンボル分の各参照信号を用いて伝送路特性に基づいた第2データ列を算出する第2算出部、
    前記Mシンボル分の各参照信号を用いてマルチパスの遅延波の検出可能な遅延時間を越えた前記第2データ列の成分に基づいて、前記検出可能な遅延時間を越えた遅延波がエリアジングにより前記第1データ列に現れたエリアジング成分を当該第1データ列から除去するように当該第1データ列を補正する補正部、及び
    前記補正部による補正後の第1データ列を用いた伝送路特性に基づく第3データ列を推定する伝送路特性推定部、
    として機能させる受信プログラム。
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