JP4351839B2 - 二重包装食品における容器掛合機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用および外食産業用の食器の改良、更に詳しくは、食品を内包せる簡易容器をそのまま利用するために二重包装した食品の両容器を確実に固定することができる二重包装食品における容器掛合機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食事の際にはお碗や皿などの食器に料理を盛り付けるのであるが、用いる食器の色合いや質感などの視覚的要素は大変重要であり、食器の選択次第で料理の味わいを左右すると言っても過言ではなく、正に食器は食生活における重要な視覚的要素と云える。
【0003】
ところが、現代の家庭や外食産業においては、少しでも調理負担を軽減させ、しかも長期保存が可能な食品が望まれているため、工場で調理されてプラスチックなどのパックや容器に簡易包装された食品が増加している。
【0004】
このような状況は、現代社会の合理化主義の風潮によって食文化の伝統や心遣いが犠牲になってしまっていると言わざるを得ない。そして、これらをそのままの容器で食するにはあまりにも飾り気が無くて情緒に欠け、包装された食品がいくら美味しく出来ているにしても、充分に堪能することができないという不満があった。
【0005】
そこで、本願出願人は、嘗て、こうした簡易食器を少しでも見栄え良くするために、別の食器で外装する手段を発明した(特許文献1参照)。しかし、このようにして食品を二重包装して使用する際には、両容器が簡単に外れないように確実に固定する必要があった。
【0006】
【特許文献1】
特願2002−16398号 (第5−6頁、第1−2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の不満があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、食品を内包せる簡易容器をそのまま利用するために二重包装した食品の両容器を確実に固定することができる二重包装食品における容器掛合機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0009】
即ち、本発明は、食器の外装体1と、この外装体1を着脱自在に外装可能であって、食品Fを内包せる有底の食品包装容器2とを具備して構成される二重包装食品において、
前記外装体1の上部に設けられた受口部11に、前記食品包装容器2の本体部21が差し入れ可能である一方、
前記食品包装容器2の本体部21の外周面には掛止凸部21aが形成されて、前記外装体1の内側面13に形成された掛止リブ14の下側に掛合して抜け止めされるとともに、当該食品包装容器2の開口部外延に形成されたフランジ22が前記受口部縁11aに載置可能にして、かつ、このフランジ22の下面には、当該受口部縁11aに接触可能な突条22aを設けるという技術的手段を採用した。
【0010】
【0011】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、外装体1の掛止リブ14と食品包装容器2の掛止凸部21aの掛合位置とを合致するように構成するという技術的手段を採用した。
【0012】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、前記食品包装容器2の本体部21の外周面の掛止凸部21aを、環状隆起して突成した膨出リブとして形成するという技術的手段を採用した。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、食品包装容器2の本体部21の外周面に膨出リブとして形成された掛止凸部21aを、当該外周面に部分的に形成するという技術的手段を採用した。
【0014】
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、外装体1を鉢形に作製し、かつ、受口部11に閉じ蓋15を載置可能にするという技術的手段を採用した。
【0016】
【0017】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、食品包装容器2の底部23には突起23aを成形し、自立可能にするという技術的手段を採用した。
【0018】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、食品包装容器2の開口部外延に形成されたフランジ22において、食品保護用のキャップ24を冠着可能に構成するという技術的手段を採用した。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を具体的に図示した図面に基いて更に詳細に説明すると次のとおりである。
【0020】
『第1実施形態』
本発明の第1実施形態を図1〜図7に基いて説明する。図中、符号1で指示するものは二重包装食品の外装体であり、この外装体1の上部には受口部11が設けられている(図1参照)。
【0021】
符号2で指示するものは食品包装容器であり、この食品包装容器2は食品Fを内包せる有底の容器であって、プラスチック(ポリエチレン)を射出成形して作製されている。本実施形態では、食品Fを茶碗蒸しとし、形状は図2に示すように作製する。
【0022】
しかして、本実施形態における前記外装体1と食品包装容器2とを組み合わせて使用する具体的な方法を以下に説明する。まず、前記外装体1の上部に設けられた受口部11に、前記食品包装容器2の本体部21を差し入れる(図3参照)。
【0023】
次に、前記食品包装容器2の本体部21の外周面に形成された掛止凸部21a(本実施形態では、ツメ型に突成されている)が、前記外装体1の内側面13に形成された掛止リブ14の下側に掛合して抜け止めされる。
【0024】
この際、同時に、当該食品包装容器2の開口部外延に形成されたフランジ22が前記受口部縁11aに載置される。また、本実施形態では、当該フランジ22の下面には同受口部縁11aに接触可能な突条22aが設けられている(図4参照)。
【0025】
そして、前記フランジ22の下面に設けられた突条22aが受口部縁11aに接触することによって、食品包装容器2の外周面が食品Fの温度によって発生した結露や、外装体1に付着している水滴などを、当該突条22aの表面張力によって保持することができ、水漏れを防ぐことができる(図5参照)。
【0026】
然る後、食品包装容器2を取り外す場合、この食品包装容器2を上部から押圧しながら、一方向に摺動せしめることによって、前記掛止リブ14における掛止凸部21aの掛合が解除され、取り外すことができる。
【0027】
本実施形態では、外装体1と食品包装容器2の本体部21とは完全に密着せずに近接しており、二重構造となって両容器間に空気層を作出しているので、外気に直接触れることがなく、食品Fの保温効果が向上する。
【0028】
また、本実施形態に使用する食品包装容器2が、薄手の紙やアルミ箔、プラスチックなどで作製されている場合、これらの材料は強度も些程大きくなく、素手で持った時に温度を感じ易いので、外装体1を外装したことによる大きな効果が期待できる。
【0029】
本実施形態の変形例として、図6に示すように、食品包装容器2のツメ型の掛止凸部21aを並列構造にして補強することにより、脱着の繰り返しに対する耐久性を向上させることができ、また、突成する数や位置なども変更することができる。更にまた、図示しないが、外装体1の掛止リブ14は内側面13の全周に亙って作製しなくとも良く、食品包装容器2の掛止凸部21aの掛合位置が合致するところのみに形成して構成することもできる。
【0030】
なお、図7に示すように、外装体1を鉢形に作製し、かつ、受口部11に閉じ蓋15が載置可能に構成することもできる。また、外装食器の外装体1は陶磁器やセラミックス、ガラス、エンジニアリングプラスチックなどの耐熱性材料で作製することが好ましく、例えば、外装体1と食品包装容器2とを組み合わせたままでレンジで加熱したり、蒸し器にかけたり、また、直火にかけることもでき、調理ができるので、食品Fを美味しく食することができる。
【0031】
更にまた、食品包装容器2の底部23には突起23aを成形して、自立可能に構成することができ、食品Fの品質条件や容器の作製条件などによって底部23の形状が丸形などに作製されていたとしても、食品包装容器2を取り外した際に安定的に置くことができる。
【0032】
『第2実施形態』
次に、本発明の第2実施形態を図8および図9に基いて説明する。本実施形態では、食品包装容器2の本体部21の外周面の掛止凸部21aを、環状隆起して突成した膨出リブを形成したところが、第1実施形態と異なる点である。
【0033】
このように構成することによって、金型によって食品包装容器2の本体を一体成形することができ、製造工程を簡素化することができる。また、要に応じて、本体部21の外周面に膨出リブとして形成した掛止凸部21aを、当該外周面に部分的に形成することも可能である。
【0034】
本発明は概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、外装食器の外装体1の形状は鉢形に限らず、底の浅いものや皿状のものであっても良い。
【0035】
また、図10に示すように、食品包装容器2の開口部外延に形成されたフランジ22において、食品保護用のキャップ24が冠着可能に構成することができ、この食品保護用のキャップ24を無色透明の樹脂材料(PETなど)で作製するならば、販売店では中身が見えるように商品を陳列することができる。そして、家庭の食卓にて当該食品保護用のキャップ24を外して外装体1にセットして、すぐに盛り付けることができるのである。
【0036】
【発明の効果】
以上、実施形態をもって説明したとおり、本発明における容器掛合機構にあっては、食品包装容器の本体部の外周面に突成された掛止凸部が、外装体の内側面に形成された掛止リブの下側に掛合できるように構成したので、二重包装した食品の両容器を抜け止めることができ、確実に固定することができる。
【0037】
従って、食品包装容器が没個性的なプラスチック容器であっても、本発明の外装体と組み合わせて使用することにより、外観の上で通常用いられる陶磁器やガラスなどの食器と変わらないので、高級感や情緒を醸し出すことができ、また、食品包装容器を直接取り付けることができるので、移し替える手間が省けると同時に、料理がくずれてしまう心配もない。
【0038】
また、本発明の外装体が食品包装容器をカバーリングして二重構造にしたことによって、容器間に作出される空気層による保温効果が高いと共に、食品包装容器を直接手で触らないので、熱い物や冷たい物を支障なく持つことができる。更にまた、食後は食品包装容器を取り外して廃棄するだけでよいので、食器が汚れることが少なくなり、洗浄の手間を軽減することができることから、実用的価値は頗る高いものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の外装体を表わす斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態の食品包装容器を表わす斜視図である。
【図3】 本発明の第1実施形態の二重包装食品の取付構造を表わす分解斜視図である。
【図4】 本発明の第1実施形態の二重包装食品の構造を表わす説明断面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態の二重包装食品の構造を表わす部分拡大断面図である。
【図6】 本発明の第1実施形態の食品包装容器の変形例を表わす斜視図である。
【図7】 本発明の第1実施形態の二重包装食品の使用状態を表わす斜視図である。
【図8】 本発明の第2実施形態の食品包装容器を表わす斜視図である。
【図9】 本発明の第2実施形態の二重包装食品の構造を表わす部分拡大断面図である。
【図10】 本発明の実施形態の二重包装食品の使用変形例を表わす斜視図である。
【符号の説明】
1 外装体
11 受口部
11a 受口部縁
13 内側面
14 掛止リブ
15 閉じ蓋
2 食品包装容器
21 本体部
21a 掛止凸部
22 フランジ
22a 突条
23 底部
23a 突起
24 キャップ
F 食品
Claims (7)
- 食器の外装体1と、この外装体1を着脱自在に外装可能であって、食品Fを内包せる有底の食品包装容器2とを具備して構成される二重包装食品において、
前記外装体1の上部に設けられた受口部11に、前記食品包装容器2の本体部21が差し入れ可能である一方、
前記食品包装容器2の本体部21の外周面には掛止凸部21aが形成されて、前記外装体1の内側面13に形成された掛止リブ14の下側に掛合して抜け止めされるとともに、当該食品包装容器2の開口部外延に形成されたフランジ22が前記受口部縁11aに載置可能であり、かつ、このフランジ22の下面には、当該受口部縁11aに接触可能な突条22aが設けられていることを特徴とする二重包装食品における容器掛合機構。 - 外装体1の掛止リブ14と食品包装容器2の掛止凸部21aの掛合位置とが合致するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の二重包装食品における容器掛合機構。
- 食品包装容器2の本体部21の外周面の掛止凸部21aが、環状隆起して突成されて膨出リブを形成していることを特徴とする請求項1または2記載の二重包装食品における容器掛合機構。
- 食品包装容器2の本体部21の外周面に膨出リブとして形成された掛止凸部21aが、当該外周面に部分的に形成されていることを特徴とする請求項3記載の二重包装食品における容器掛合機構。
- 外装体1は鉢形に作製され、かつ、受口部11に閉じ蓋15が載置可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の二重包装食品における容器掛合機構。
- 食品包装容器2の底部23には突起23aが成形されており、自立可能であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の二重包装食品における容器掛合機構。
- 食品包装容器2の開口部外延に形成されたフランジ22において、食品保護用のキャップ24が冠着可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の二重包装食品における容器掛合機構。
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