JP4351687B2 - 燃料電池システム用スタック - Google Patents

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Description

本発明は,燃料電池システムに用いられる燃料電池システム用スタックに関する。
周知の通り,燃料電池(Fuel Cell)は,メタノールのような炭化水素系の物質内に含まれている水素と,酸素または酸素を含む空気の化学反応エネルギーを直接電気エネルギーに変換させる発電システムである。
このような燃料電池は,メタノールまたはエタンオールなどを改質して作られた水素を燃料として使用して,自動車のような移動用電源は勿論のこと,住宅,公共建物のような分散用電源,及び電子機器用のような小型電源などその応用範囲が広いという長所を有する。
前記燃料電池は,水素と酸素の酸化/還元反応を通して電気を発生させる膜−電極アセンブリ(Membrane Electrode Assembly;MEA)と,膜−電極アセンブリの両面に密着して膜−電極アセンブリに水素と酸素を供給するセパレータ(あるいは「二極式プレート」)とからなる単位セル,および該単位セルを複数で備えたスタック(stack)を含んで形成される。
上記スタックは,最外郭に配置された単位セルと,別途で具備された加圧プレートとを密着させ,締結棒(restraint rod)とナットを用いた締結手段により,加圧プレートを締結して単位セルを固定することができる。
ところが,従来は,スタックの組み立てる際の締結棒とナットで加圧プレートを締結する過程で,ナットが接する加圧プレートの一部分にだけ応力が集中するという問題点があった。これは,ナットが締結棒に形成されたねじ山に結合(螺合)して引き締められる時,その力によって前記加圧プレートが変形し,ナットの全面が加圧プレートに均等に接することができずに一部分だけが接して,該一部分に応力集中が発生するためである。
そのために,加圧プレートに対する前記締結手段の締結力が弱くなり,これによってスタックの耐久性が弱くなるという問題点が誘発される。特に,加圧プレートが2mm以下の厚さを有するスタックの場合,前記問題点はさらに深刻化する。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,組み立て過程で生じる部品の変形を抑制することが可能な,新規かつ改良された燃料電池システム用スタックを提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,膜−電極アセンブリ及び膜−電極アセンブリの両面に配置される複数のセパレータを含む電気発生部と,電気発生部の両側に配置される複数のエンドプレートと,複数のエンドプレートに締結され,エンドプレートと電気発生部を固定する締結部とを含み,締結部は,エンドプレートに設けられる締結棒と,締結棒に螺合され,締結棒をエンドプレートに固定するナットを含み,ナットに密着し,締結棒とナットとの螺合により発生する応力がエンドプレートにおいて締結部の設置部位に集中することを防止する応力集中防止体とを含むことを特徴とする,燃料電池システム用スタックが提供される。
応力集中防止体は,ナットとエンドプレートの間に配され,ナットとの密着面が傾斜を有するように形成されるとしてもよい。
応力集中防止体は,密着面をエンドプレートの内側から外側に向かって厚さが増加するような傾斜を有するように形成されるとしてもよい。
応力集中防止体はワッシャー形態であるとしてもよい。
応力集中防止体はエンドプレートと一体形成されるとしてもよい。
応力集中防止体とナットの密着面が,締結棒の螺合時に,締結棒の長さ方向に対して垂直な状態で配置されるとしてもよい。
応力集中防止体の厚さは2mm以下であるとしてもよい。
締結棒はエンドプレートのコーナーに形成された挿入孔に装着されるとしてもよい。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,上記の燃料電池用スタックを含むことを特徴とする,燃料電池システムが提供される。
以上説明したように本発明によれば,本発明の実施形態による燃料電池システム用スタックは,アセンブリ過程で生じる部品(エンドプレート)の変形を最小化できるようになり,電気発生部に対するエンドプレートの加圧力を一定に維持することが可能となる。これによって本発明の実施形態による燃料電池システム用スタックは,その製品状態を良好に維持して消費者が所望する電力を十分に生産できる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず,本発明の実施形態による燃料電池システム用スタックを適用した燃料電池システムについて説明する。
図1は,本発明の実施形態による燃料電池システム用スタックを適用した燃料電池システムの全体的な構成を示した概略図である。図1を参照すると,燃料電池システム100は,水素を含む燃料を改質して水素を発生させ,この水素と酸化剤ガスを電気化学的に反応させて電気エネルギーを発生させる高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell;PEMFC)方式を採用している。
このような燃料電池システム100において,電気を発生させるための燃料とは,メタノール,エタンオールまたは天然ガスなどのように液状または気体状態の燃料以外に,前記燃料の改質によって発生する水素を通称する。本実施形態で説明する燃料は,便宜上,液状の電子の燃料を意味する。
燃料電池システム100は,水素と反応する酸化剤ガスとして別途の貯蔵手段に貯蔵された酸素を使用することができ,酸素を含有している空気を使用することもできる。以下,後者の例について説明する。
燃料電池システム100は,基本的に,水素と酸素の電気化学的な反応によって電気エネルギーを発生させるスタック(燃料電池システム用スタック)10と,前記燃料から水素を発生させ,この水素をスタック10に供給する燃料供給源30と,空気をスタック10に供給する酸素供給源40とを含む。
本発明による燃料電池システムは,燃料を直接スタックに供給して電気を生産できる直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell;DMFC)のような直接酸化型燃料電池(Direct Oxidation Fuel Cell)方式を採用することもできる。この直接酸化型燃料電池は,前述した高分子電解質型燃料電池とは異なって,改質装置を必要としない。
以下,高分子電解質型燃料電池方式を適用した燃料電池システム100を例に挙げて説明する。しかし,本発明が必ずこれに限定されるわけではない。
スタック10は燃料供給源30と酸素供給源40に連結して設けられ,この燃料供給源30から水素の供給を受け,酸素供給源40から空気の供給を受けて,水素と空気中の酸素を電気化学的に反応させて電気エネルギーを発生させる燃料電池を構成する。
燃料供給源30は,燃料を貯蔵する燃料タンク31と,この燃料タンク31に貯蔵された燃料を排出させる燃料ポンプ33と,燃料タンク31から燃料の供給を受けてこの燃料から水素を発生させ,前記水素をスタック10に供給する改質装置35を含む。
酸素供給源40は,所定のポンピング力で空気を吸入して,この空気をスタック10に供給する空気ポンプ41を含んでいる。
燃料供給源30において,改質装置35は,熱エネルギーによる化学触媒反応を通して前記燃料から水素を含む改質ガスを発生させ,この改質ガスに含まれている一酸化炭素の濃度を低減させる通常の改質装置の構造を有する。
より詳細には,前記改質装置35は,一例として,水蒸気改質,部分酸化または自己熱反応などの触媒反応を通して前記燃料から改質ガスを発生させる。そして,前記改質装置35は,一例として,水性ガス転換方法,選択的酸化方法などのような触媒反応,または分離膜を利用した水素の精製などのような方法によって,前記改質ガスに含まれている一酸化炭素の濃度を低減させる。
図2は本発明の実施形態によるスタックの構成を示した分解斜視図である。図3は本発明の実施形態によるスタックの一部構成を示した概略的な部分断面図である。図4は本発明の実施形態によるスタックの組み立て状態を示した概略的な部分断面図である。
図2〜図4を参照すれば,本システム100に適用されるスタック10は膜−電極アセンブリ(Membrane−Electrode assembly;MEA)(以下,「MEA」)12を中心に置いて,その両面にセパレータ(あるいは,「二極式プレート」)13,13’を配置して,電気を発生させる単位セルである電気発生部11を含む。
スタック10は,複数の前記電気発生部11を連続的に配置して構成される。
MEA12は,一面にアノード電極が位置し,他の一面にカソード電極が位置し,前記二つの電極の間に電解質膜を備える構造となっている。
アノード電極は,セパレータ13を通じて改質ガスの供給を受ける部分であって,この改質ガスを電子と水素イオンに分離させる触媒層と,電子と改質ガスの円滑な移動のための気体拡散層(Gas Diffusion Layer)で構成される。
カソード電極は,セパレータ13’を通じて空気の供給を受ける部分であって,アノード電極側から受けた電子,水素イオン及び空気中の酸素を反応させて水を生成する触媒層と,酸素の円滑な移動のための気体拡散層で構成される。
電解質膜は,その厚さが50〜200μmの固体ポリマー電解質であって,アノード電極の触媒層で生成された水素イオンをカソード電極の触媒層に移動させるイオン交換の機能を有する。
セパレータ13,13’は,MEA12を介在して互いに密着配置されて,改質装置35から供給される改質ガスと空気ポンプ41によって供給される空気をMEA12のアノード電極及びカソード電極に供給する機能と,アノード電極とカソード電極を直列に接続させる伝導体の機能を行う。
そして,セパレータ13は,MEA12を介在して互いに密着配置され,MEA12に密着する密着面に水素通路(図示せず。)と空気通路(図示せず。)を形成する。ここで,水素通路はMEA12のアノード電極側に位置し,改質装置35から供給される水素ガスをアノード電極に供給する役割を果たす。空気通路はMEA12のカソード電極側に位置し,空気ポンプ41から供給される空気中の酸素をカソード電極に供給する役割を果たす。これに加えて,前記セパレータ13はアノード電極とカソード電極を直列に接続させる伝導体の機能も有する。
一方,スタック10の最外郭には,複数の電気発生部11を固定させるためのエンドプレート15a,15bが位置する。このエンドプレート15a,15bは,電気発生部11を互いに密着させてこれらが固定されるようにする単純支持体の構造だけでなく,電気発生部11で発生する電気エネルギーを集電する集電ユニットとしても構成されることができる。
本実施形態で,前記エンドプレート15a,15bは,これらの間に位置する電気発生部11のセパレータ13,13’より大きい面積を有するように形成される。
つまり,本実施形態でエンドプレート15a,15bは,電気発生部11のセパレータ13,13’に密着した時,その周縁部がセパレータ13,13’の周縁外部に位置するような大きさを有する。
これによって,エンドプレート15a,15bは,電気発生部11のセパレータ13,13’の大きさより広い部位(図2にAで表示)を有するようになり,この部位Aに設けられる締結部19によって互いに締結されて複数の電気発生部11を固定させる構成になる。
この時,電気発生部11は,エンドプレート15a,15bから加圧される一定の圧力を受けて電池アセンブリを形成するようになる。
本実施形態で,締結部19は,前記部位A内に位置しながらエンドプレート15a,15bのコーナーに形成された締結孔15cに挿入される締結棒19aと,この締結棒19aの両先端に形成されたねじ山に締結されて,この締結棒19aをエンドプレート15a,15b上に固定させるナット19bを含む。
ナット19bは,エンドプレート15a,15bに設けられた締結棒19aにねじ結合されてエンドプレート15a,15bが電気発生部11を固定させるようにし,この時,ナット19bの引き締め力は電気発生部11に付加される圧力を調節することに基礎となる。さらに,本実施形態において,エンドプレート15a,15bの外側面における締結孔15cの周囲には,ナット19bと接する応力集中防止体17が提供される。
本実施形態でこの応力集中防止体17は,締結孔15cと連通される孔17aを有して,ナット19bと接する面が傾斜した形状である一種のワッシャー形態で構成される(図3参照)。
ここで応力集中防止体17の傾斜面が有する傾斜程度(図3に角度αで表示。)は,エンドプレート15a,15bの内側から外側に向かって順次に高くなって上向き傾斜をなせる程度であれば良い。すなわち,エンドプレート15a,15bの内側から外側に向かって厚みを増加させるとしてもよい。
つまり,前記角度は,締結棒19aにナット19bを締結してエンドプレート15a,15bを最適化した圧力で引き締めた時,ナット19bによる引き締め力によってエンドプレート15a,15bが変形して,応力集中防止体17の外側面が,図4に示したように,締結棒19aに対して垂直に配置されるような範囲内で決定されることができる。本実施形態では,この応力集中防止体17は,エンドプレート15a,15bの外面に突起形態でこのエンドプレート15a,15bと一体形成される例を説明したが,エンドプレート15a,15bと分離構成されることもできる。
この応力集中防止体17の大きさは,ナット19bの全面が接することができるようにナット19bの大きさに対応する程度であれば良く,その厚さは2mm以下と形成できる。
このような構造の応力集中防止体17は,ナット19bが締結棒19aに締結される時,ナット19bと密着してこのナット19bの引き締め力を全面で均等に受けるようになる。
ナット19bが予め設定されたトルクを有して締結棒19aに締結完了されれば,応力集中防止体17は,前述のように,その傾斜面を締結棒19aの長さ方向に対して垂直方向に置かれるように位置する。
つまり,ナット19bは応力集中防止体17に密着した状態を良好にしながら締結棒19aに設置されることができ,このような状態はナット19bがエンドプレート15a,15bに良好に密着した状態といえる。
そのために,エンドプレート15a,15bにおいて,締結棒19aとナット19bが締結される部位には応力が過度に集中することを防止できるようになり,これによってエンドプレート15a,15bの応力による過度な変形を防止できる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,前述した実施形態では応力集中防止体が別途の部品として備えられ,ナットとエンドプレートの間に介在される構造で説明したが,この応力集中防止体は別途の部品でない既存のスタックの構造を変形して実現されることもできる。
つまり,エンドプレートを既存のように平坦な状態で備えず,このエンドプレートにおいて,締結棒とナットが締結される部位を部分的にベンディング成形したり,エンドプレートが全体的に湾曲されるように成形して,前記の応力集中防止体を実現することもできる。勿論,この時,エンドプレートの部分的ベンディング程度や湾曲程度は,前述した実施形態の応力集中防止体が有する傾斜面の傾斜程度を考慮するようにする。
本発明の実施形態による燃料電池システムの全体的な構成を示した概略図である。 本発明の実施形態によるスタックの構成を示した分解斜視図である。 本発明の実施形態によるスタックの一部構成を示した概略的な部分断面図である。 本発明の実施形態によるスタックの組み立て状態を示した概略的な部分断面図である。
符号の説明
10 スタック
11 電気発生部
12 膜−電極アセンブリ(MEA)
13,13’セパレータ
13a 水素通路
13b 空気通路
15a,15b エンドプレート
17 応力集中防止体
19 締結部
19a 締結棒
19b ナット
30 燃料供給源
31 燃料タンク
33 燃料ポンプ
35 改質装置
40 酸素供給源
41 空気ポンプ41
100 燃料電池システム

Claims (6)

  1. 膜−電極アセンブリ及び前記膜−電極アセンブリの両面に配置される複数のセパレータを含む電気発生部と;
    前記電気発生部の両側に配置される複数のエンドプレートと;
    前記複数のエンドプレートに締結され,前記エンドプレートと前記電気発生部を固定する締結部と;
    を含み,
    前記締結部は,
    前記エンドプレートに設けられる締結棒と;
    前記締結棒に螺合され,前記締結棒を前記エンドプレートに固定するナット;
    を含み,
    前記ナットに密着する平面を有し,前記締結棒と前記ナットとの螺合により発生する応力が前記エンドプレートにおいて前記締結部の設置部位に集中することを防止する応力集中防止体と;
    を含み、
    前記応力集中防止体は,前記ナットと前記エンドプレートの間に配され,前記ナットとの密着面が前記エンドプレートに対して傾斜を有するように、前記エンドプレートと一体形成されることを特徴とする,燃料電池システム用スタック。
  2. 前記応力集中防止体は,前記密着面を前記エンドプレートの内側から外側に向かって厚さが増加するような傾斜を有するように形成されることを特徴とする,請求項1に記載の燃料電池システム用スタック。
  3. 前記応力集中防止体はワッシャー形態であることを特徴とする,請求項1に記載の燃料電池システム用スタック。
  4. 前記応力集中防止体と前記ナットの密着面が,前記締結棒の螺合時に,前記締結棒の長さ方向に対して垂直な状態で配置されることを特徴とする,請求項1に記載の燃料電池システム用スタック。
  5. 前記締結棒は前記エンドプレートのコーナーに形成された挿入孔に装着されることを特徴とする,請求項1に記載の燃料電池システム用スタック。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のスタックを含むことを特徴とする,燃料電池システム。
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