10・・・基準クロック生成部、12・・・制御部、14・・・テストモジュール、16・・・デバイス接触部、20・・・スイッチマトリクス、30・・・信号供給部、32・・・カウンタ部、34・・・戻り系用可変遅延回路、36・・・基準クロック用可変遅延回路、38・・・フリップフロップ、40・・・戻り系回路、42・・・複数のフリップフロップ、44・・・戻り信号選択部、46・・・集約回路、48・・・ジェネレート回路、50・・・位相調整回路、52・・・複数のフリップフロップ、54・・・クロック選択部、56・・・タイミング信号分配回路、60・・・タイミング供給部、62・・・複数のフリップフロップ、64・・・タイミング信号選択部、66・・・同期回路、70・・・クロック制御回路、72・・・フリップフロップ、74・・・選択部、76・・・カウンタ、78・・・論理回路、80・・・クロック分配回路、82・・・分配器、84・・・論理積回路、86・・・論理和回路、88・・・分配器、90・・・出力部、100・・・試験装置、110・・・ループ回路、112・・・基準クロック選択部、114・・・基準クロック選択部、116・・・論理和回路、117・・・論理積回路、118・・・分配器、119・・・フリップフロップ、120・・・バス、122・・・フリップフロップ、124・・・分配回路、126・・・フリップフロップ、130・・・演算回路、132・・・フリップフロップ、134・・・論理和回路、136・・・フリップフロップ、140・・・分配部、142・・・フリップフロップ、144・・分配器、146・・・レジスタ部、148・・・論理積回路、150・・・論理和回路、152・・・フリップフロップ、160・・・集約部、162・・・レジスタ部、164・・・論理積回路、166・・・論理和回路、168・・・シフトレジスタ部、172・・・フリップフロップ、174・・・フリップフロップ、178・・・フリップフロップ、180・・・フリップフロップ、186・・・フロップフロップ部、188・・・選択部、190・・・論理積回路、200・・・電子デバイス、202・・・セレクタ、204・・・書込部、206・・・フリップフロップ、208・・・フリップフロップ、210・・・論理積回路、212・・・要求信号格納部、214・・・ホスト選択部、216・・・論理積回路、218・・・フリップフロップ、220・・・フリップフロップ、222・・・カウンタ、224・・・セレクタ、226・・・論理積回路、230・・・第1分配点、232・・・第2分配点、234・・・基準クロック通過経路、236・・・位相調整用可変遅延回路、250・・・論理和回路、258・・・主従選択部
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る試験装置100の構成の一例を示す。試験装置100は、複数の電子デバイス(200−1〜200−n、以下200と総称する)を試験する。試験装置100は、基準クロック生成部10、制御部12、複数のテストモジュール(14−1〜14−48、以下14と総称する)、デバイス接触部16、及びスイッチマトリクス20を備える。
デバイス接触部16は、例えば複数の電子デバイス200を載置するテストヘッドであって、複数のテストモジュール14と複数の電子デバイス200とを電気的に接続する。それぞれのテストモジュール14は、1又は複数の電子デバイス200と電気的に接続される。また、それぞれの電子デバイス200は、1又は複数のテストモジュール14と電気的に接続される。例えば、テストモジュール14及び電子デバイス200は、それぞれ定められた数の入出力ピンを有し、それぞれのピン数に応じてテストモジュール14と電子デバイス200とが接続される。
また、テストモジュール14は、与えられる試験パターンを、対応する電子デバイス200に供給するモジュールであってよい。本例において、それぞれのテストモジュール14は、制御部12から予め試験パターンが与えられ、スイッチマトリクス20からそれぞれ与えられるタイミング信号に応じたタイミングで、試験パターンを電子デバイス200に供給する。また、テストモジュール14は、電子デバイス200が出力する信号に基づいて、電子デバイス200の良否を判定してもよい。この場合、テストモジュール14は、電子デバイス200のフェイルデータを格納するフェイルメモリを有していてもよく、またフェイルデータを制御部12に供給してもよい。
基準クロック生成部10は、予め定められた周波数の基準クロックを生成する。試験装置100の各構成要素は、当該基準クロックに応じて動作する。スイッチマトリクス20は、基準クロックに基づいて、位相の異なる複数のタイミング信号を生成し、それぞれのテストモジュール14に供給する。つまり、スイッチマトリクス20は、タイミング信号をテストモジュール14に供給することにより、それぞれのテストモジュール14が動作するタイミングを制御する。
制御部12は、スイッチマトリクス20がいずれの位相のタイミング信号を、それぞれのテストモジュール14に供給するかを制御する。また、制御部12は、それぞれのテストモジュール14に、試験パターンを予め供給する。制御部12は、例えばワークステーション等のホストコンピュータであってよい。また制御部12は、複数のホストコンピュータを有していてもよい。この場合、それぞれのホストコンピュータは、それぞれ試験するべき電子デバイス200が割り当てられており、割り当てられた電子デバイス200に接続されたテストモジュール14、及び当該テストモジュール14に供給されるタイミング信号の位相を制御する。
図2は、スイッチマトリクス20の構成の一例を示す。スイッチマトリクス20は、複数のテストボード(22−1、22−2、以下22と総称する)を有する。テストボード22には、基準クロック分配回路80、クロック制御回路70、複数の信号供給部(30−1〜30−16、以下30と総称する)、複数の出力部90、及びループ回路110が設けられる。ループ回路110及びクロック制御回路70の構成及び動作については、図3において後述する。
基準クロック分配回路80は、基準クロック生成部10が生成した基準クロックを受け取り、スイッチマトリクス20の各構成要素に分配する。信号供給部30は、入力信号として入力される基準クロックに基づいて、電子デバイス200を試験するための出力信号を出力する。例えば、信号供給部30は、電子デバイス200に試験パターンを印加するタイミングを示すタイミング信号、電子デバイス200の試験を開始するタイミングを示すタイミング信号、電子デバイス200の試験を停止するタイミングを示すタイミング信号、電子デバイス200のフェイルデータを取りこむタイミングを示すタイミング信号等を、出力部90を介してテストモジュール14に供給する。
本例においてそれぞれの信号供給部30は、入力される基準クロックに基づいて、位相の異なる複数のタイミング信号を、前述した出力信号として生成する。そして、制御部12は、信号供給部30が生成した複数のタイミング信号のうちいずれのタイミング信号をそれぞれのテストモジュール14に供給させるかを、それぞれの信号供給部30において切り替える。これにより、例えばそれぞれのテストモジュール14が、電子デバイス200に試験パターンを供給するタイミングを制御することができる。また、信号供給部30は、タイミング信号と同期して、タイミング信号の生成に用いた基準クロックを出力する。
また、複数の信号供給部30は、電子デバイス200に試験パターンを印加するタイミングの制御、電子デバイス200の試験を開始するタイミングの制御、電子デバイス200の試験を停止するタイミングの制御、電子デバイス200のフェイルデータを取りこむタイミングの制御等のように、予め機能が割り当てられる。また、それぞれの信号供給部30は、同一の構成を有する集積回路であって、動作モードを切り替えることにより、前述した機能の全てを実行する回路構成を有する。当該動作モードは、制御部12により制御される。このように、それぞれの信号供給部30の構成を同一とすることにより、信号供給部30の汎用性を向上させることができる。
また、信号供給部30のピン数によっては、一の信号供給部30に前述した機能の全てを実行できる回路構成を備えさせた場合、信号供給部30の入出力ピン数が不足する場合がある。このような場合、複数の信号供給部30を組み合わせることにより、入出力ピン不足を解消する。例えば、試験装置100は、図2に示すように、信号供給部30−1と信号供給部30−2を組み合わせて動作させる。本例における制御部12は、信号供給部30のそれぞれの組み合わせに、上述した機能のいずれかを割り当てて動作させる。
複数の出力部90は、複数のテストモジュール14と対応して設けられ、複数の信号供給部30のうち、いずれかからタイミング信号を受け取り、受け取ったタイミング信号を対応するテストモジュール14に供給する。それぞれの出力部90に、いずれの信号供給部30からタイミング信号を供給するかは、それぞれのテストモジュール14の機能、及びそれぞれの信号供給部30の機能に応じて制御部12が制御する。
試験装置100は、複数の信号供給部30、複数のテストモジュール14を用いて電子デバイス200の試験を行っているため、これらの間の信号の授受で同期を取ることが好ましい。本例における試験装置100は、以下の調整を行う。
(1)複数の信号供給部30が、タイミング信号を出力するタイミングの調整
(2)テストモジュール14の特性に応じた、タイミング信号の位相の調整
(3)複数の信号供給部30を組み合わせた場合における、それぞれの信号供給部30に与えられる基準クロックの位相の調整
まず、複数の信号供給部30が、タイミング信号を出力するタイミングの調整について、図3から図6を用いて説明する。
図3は、信号供給部30及びクロック制御回路70の構成の一例を示す図である。信号供給部30は、タイミング信号分配回路56、集約回路46、ジェネレート回路48、複数の戻り系回路40、複数のタイミング供給部60、位相調整回路50、基準クロック用可変遅延回路36、フリップフロップ38、カウンタ部32及び基準クロック通過経路234を有する。また、クロック制御回路70は、フリップフロップ72、選択部74、カウンタ76、及び論理回路78を有する。
基準クロック通過経路234は、基準クロック生成部10から、基準クロック分配回路80を介して基準クロックを受け取り、ループ回路110に出力する。基準クロック通過経路234は、受け取った基準クロックを信号供給部30のそれぞれのブロックに分配するための複数の分配点を有しており、信号供給部30に設けられたフリップフロップ等は、当該基準クロックに応じて動作する。
基準クロック用可変遅延回路36は、基準クロック通過経路234に設けられ、基準クロックを遅延させる。基準クロック用可変遅延回路36は、基準クロック通過経路234における複数の分配点より上流に設けられることが好ましい。基準クロック通過経路234を通過した基準クロックは、ループ回路110に入力される。
ループ回路110は、それぞれの信号供給部30が出力する基準クロックをループさせ、基準クロック分配回路80を介して、それぞれの基準クロックを出力した信号供給部30に入力信号として入力する。ループ回路110は、順次選択したそれぞれの基準クロックを、略同一の経路でループさせて信号供給部30に入力することが好ましい。試験装置100は、当該ループの周期を測定することにより、それぞれの信号供給部30がタイミング信号を出力するタイミングのバラツキを検出する。それぞれの信号供給部30がタイミング信号を出力するタイミングを調整することにより、複数の信号供給部30から複数のテストモジュール14にタイミング信号を供給しても、複数のテストモジュール14を同期させて動作させることができる。
図4は、ループ回路110の構成の一例を示す図である。ループ回路110は、複数の基準クロック選択部(112−1〜112−4、114−1〜114−2)、論理和回路116、論理積回路117、フリップフロップ119、及び分配器118を有する。ループ回路110は、複数の信号供給部30が出力する基準クロック受け取り、受け取った基準クロックを順次選択してループさせる。
本例においては、複数の基準クロック選択部(112−1〜112−4、114−1〜114−2)、及び論理和回路116が、複数の基準クロックのうちの一の基準クロックを順次選択する。論理積回路117は、選択された基準クロックと、フリップフロップ119が出力する信号との論理積を分配器118に出力する。フリップフロップ119は、基準クロックのループを行うか否かを制御する。フリップフロップ119には、制御部12から、基準クロックのループを行うか否かを制御する信号が与えられ、分配器118から与えられる基準クロックの反転信号に応じて、当該信号を出力する。分配器118は、論理積回路117が出力する基準クロックを、基準クロック分配回路80にループさせる。ループ回路110は、順次選択したそれぞれの基準クロックを、同一の経路で基準クロック分配回路80にループさせる。これにより、それぞれの信号供給部30の周期の測定誤差を低減することができる。
図5は、基準クロック分配回路80の構成の一例を示す図である。基準クロック分配回路80は、分配器82、論理積回路84、論理和回路86、及び分配器88を有する。分配器82は、基準クロック生成部10から基準クロックを受け取り、当該基準クロックに応じて動作するべき構成要素に基準クロックを分配する。論理積回路84は、分配器82から基準クロックを受け取り、後述するクロック制御回路70から与えられる信号と、基準クロックとの論理積を出力する。つまり、論理積回路84は、クロック制御回路70から与えられる信号に基づいて、基準クロックを通過させるか否かを選択する。
論理和回路86は、論理積回路84から受け取る基準クロックと、ループ回路110からループされた基準クロックとの論理和を出力する。ループの周期を測定する場合、クロック制御回路70は、論理積回路84にL論理を入力し、基準クロック生成部10から供給される基準クロックを通過させないように制御する。ループの周期を測定しない場合、クロック制御回路70は、論理積回路84にH論理を入力する。分配器88は、論理和回路86が出力した基準クロックを、複数の信号供給部30に供給する。ループの周期を測定する場合、分配器88は、受け取った基準クロックを、ループの周期の測定を行っている信号供給部30に供給する。
また、ループ回路110は、一の信号供給部30から受け取る基準クロックを連続してループさせることが好ましい。つまり、それぞれの基準クロックを所定時間内で複数回ループさせることが好ましい。カウンタ部32(図3参照)は、所定時間内に基準クロックが何回ループしたかを計数し、計数結果に基づいて、ループ回路110が順次ループさせた基準クロックに対応する信号供給部30における周期を測定する。
例えば、カウンタ部32は、分配器82から基準クロックを受け取り、当該基準クロックのパルスを所定回数計数する間に、ループ回路110が基準クロックを何回ループさせたかを計数する。この場合、カウンタ部32には、ループ回路110によってループされた基準クロックが入力される。
そして、カウンタ部32は、これらの計数結果に基づいて、それぞれの信号供給部30において、入力信号(基準クロック)が入力されてから、ループ信号(基準クロック)が入力されるまでの周期を測定する。基準クロックを複数回ループさせることにより、それぞれの信号供給部30における周期をより精度よく測定することができる。例えば、ループ回路110は、それぞれの基準クロックを4000回程度ループさせることが好ましい。
制御部12は、カウンタ部32が測定したそれぞれの信号供給部30における周期に基づいて、それぞれの信号供給部30に設けられた基準クロック用可変遅延回路36の遅延時間を制御し、それぞれの信号供給部30の周期を略同一にする。このような制御により、複数の信号供給部30間のバラツキによって生じる、タイミング信号の出力タイミングのずれを低減することができる。
また、信号供給部30のジェネレート回路48は、基準クロック通過経路234における第1分配点230から、位相調整回路50を介して基準クロックが分配され、分配された基準クロックに基づいて位相の異なる複数のタイミング信号を生成する。本例において、ジェネレート回路48は、基準クロックの周期と等しい位相分解能で、位相の異なる複数のタイミング信号を生成する。
タイミング信号分配回路56は、ジェネレート回路48が生成した複数のタイミング信号のうち、いずれかのタイミング信号をタイミング供給部60毎に選択し、それぞれのタイミング供給部60に供給する。複数のタイミング供給部60は、2つ毎に1の出力部90に対応して設けられ、対応する出力部90にタイミング信号を供給する。それぞれのタイミング供給部60は、基準クロック通過経路234において第1分配点230より下流に設けられた第2分配点232から基準クロックが分配され、分配された基準クロックに同期して、タイミング信号分配回路56が選択したタイミング信号をテストモジュールに出力する同期回路66を有する。
ループ回路110は、第2分配点232を通過した基準クロックを受け取り、受け取った基準クロックをループさせる。制御部12が基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を制御することにより、複数の信号供給部30の同期回路66に基準クロックが分配されるタイミングを略同一にすることができる。このため、複数の信号供給部30は、タイミング信号を略同一のタイミングで出力することができる。
また、基準クロック通過経路234は、第2分配点232を、複数の分配点のうち最も下流に有することが好ましい。また、それぞれの信号供給部30は、信号供給部30が形成された半導体基板において、第2分配点232の近傍から基準クロックをループ回路110に出力することが好ましい。第2分配点232から、ループ回路110に出力するまでの経路を短くして基準クロックのループの周期を測定することにより、ループ回路110が受け取る基準クロックと、信号供給部30が出力するタイミング信号との位相のずれを低減することができる。このため、それぞれの信号供給部30がタイミング信号を出力するタイミングのずれをより低減することができる。
また、試験装置100は、複数のテストモジュール14から、一の電子デバイス200に試験パターンを供給可能であり、制御部12は、一の電子デバイス200に試験パターンを供給する複数のテストモジュール14にタイミング信号を供給する信号供給部30における周期を略同一とするように、それぞれの基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を制御してもよい。
図6は、図3から図5において説明した、複数の信号供給部30がタイミング信号を出力するタイミングの調整方法の一例を示すフローチャートである。まず、S1000で、ループ回路110が、複数の信号供給部30が出力する複数の基準クロックのいずれかを選択する。次に、S1002で、ループ回路110が選択した基準クロックをループさせ、当該基準クロックを出力した信号供給部30に入力する。
そして、S1004で、カウンタ部32が、所定時間経過したかを判定し、所定時間が経過していない場合、基準クロックのループを継続する。所定時間が経過した場合、S1006で、基準クロックのループ回数に基づいて、当該信号供給部30における周期を算出する。次に、S1008で、複数の信号供給部30が出力する全ての基準クロックを選択したか否かを判定し、全ての基準クロックを選択していない場合、次の基準クロックを選択し(S1000)、S1002〜S1006の処理を繰り返す。
全ての基準クロックを選択し、全ての信号供給部30における周期を算出した場合、S1010で、それぞれの信号供給部30の基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を調整し、それぞれの信号供給部30がタイミング信号を出力するタイミングを略同一とし、調整を終了する。
次に、テストモジュール14の特性に応じた、タイミング信号の位相の調整について、図3及び図7を用いて説明する。上述したように、信号供給部30の複数のタイミング供給部60は、複数のテストモジュール14に対応して設けられる。しかし、それぞれのテストモジュール14において、タイミング信号を受け取ってから、試験パターンを出力するまでの時間は必ずしも同一とはならない。例えば、それぞれのテストモジュール14の特性によって、当該時間にはバラツキが生じる。このため、複数のテストモジュール14に同時にタイミング信号を入力しても、電子デバイス200には同時に試験パターン等が入力されない場合がある。本例における試験装置100は、当該バラツキを補償するために、それぞれの信号供給部30が出力するタイミング信号の位相を調整する。
図3に示すように、それぞれのタイミング供給部60は、縦続接続された複数のフリップフロップ62、タイミング信号選択部64、及び同期回路66を有する。また、それぞれのタイミング供給部60は、複数のテストモジュール14に対応して設けられ、タイミング信号分配回路56からタイミング信号を受け取り、対応するテストモジュール14にタイミング信号を供給する。
ジェネレート回路48は、所定時間において立ち下がり又は立ち上がりのエッジを一つのみ有するタイミング信号を生成し、タイミング信号分配回路56に供給する。当該所定時間は、基準クロックの周期より十分大きいことが好ましい。複数のフリップフロップ62は、タイミング信号分配回路56からタイミング信号を受け取り、基準クロック通過経路234から分配される基準クロックに応じて、タイミング信号を次段のフリップフロップに順次受け渡す。つまり、複数のフリップフロップ62のそれぞれのフリップフロップは、基準クロックに応じてタイミング信号の値を次段のフリップフロップに順次受け渡す。
タイミング信号選択部64は、複数のフリップフロップ62の、それぞれのフリップフロップが出力するタイミング信号を受け取り、受け取った複数のタイミング信号のうち、いずれかを選択してテストモジュールに供給することにより、テストモジュールに供給するタイミング信号の位相を調整する。
制御部12は、複数のタイミング供給部60がそれぞれのテストモジュール14に供給するタイミング信号の位相を制御する。本例においては、制御部12は、それぞれのテストモジュール14がタイミング信号に応じて試験パターンを出力するタイミングが略同一となるように、タイミング信号選択部64が複数のタイミング信号のうちいずれを選択するかを制御する。試験装置100は、テストモジュール14が試験パターンを出力するタイミングを検出する手段を備えることが好ましい。
本例においては、複数の戻り系回路40によって、テストモジュール14が試験パターンを出力したタイミングを検出する。複数の戻り系回路40は、複数のタイミング供給部60と同様に、複数のテストモジュール14と対応して設けられ、テストモジュール14は、試験パターンを出力したタイミングで値の変化する信号を、対応する戻り系回路40に入力する。戻り系回路40は、縦続接続された複数のフリップフロップ42を有する。複数のフリップフロップ42のそれぞれのフリップフロップは、テストモジュール14から入力された信号を、基準クロックに応じて次段のフリップフロップに順次受け渡す。
制御部12は、複数のフリップフロップ42が格納した値を読み出し、いずれの段のフリップフロップで値が変化するかに基づいて、テストモジュール14が試験パターンを出力するタイミングを検出する。また、制御部12には、それぞれのテストモジュール14の仕様に基づいて、それぞれのテストモジュール14に供給するべきタイミング信号の位相が予め与えられていてもよい。
また、制御部12は、基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を順次変化させ、タイミング信号の値が変化するタイミングが、複数のフリップフロップ62のいずれかのフリップフロップがタイミング信号の値を取り込むタイミングと略同一となる遅延量を検出し、検出した遅延量から基準クロックの半周期ずれた遅延量に、基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を設定してもよい。この場合、制御部12は、複数のフリップフロップ62のそれぞれのフリップフリップが格納するタイミング信号の値を検出する手段を有することが好ましい。
まず制御部12は、基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を所定の値に設定する。そして、ジェネレート回路48に、基準クロック分配回路80から受け取った基準クロックに基づいてタイミング信号を生成させ、複数のフリップフロップ62が格納したそれぞれの値を検出し、値の変化するフリップフロップの段数を検出する。次に、制御部12は、基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を所定量だけ変化させてから、同様にタイミング信号を生成させ、複数のフリップフロップ62が格納したそれぞれの値を検出し、値の変化するフリップフロップの段数を検出する。このように、基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を順次変化させる毎に、複数のフリップフロップ62が格納したそれぞれの値を検出し、値の変化するフリップフロップの段数を検出する。そして、検出したフリップフロップの段数が変化する遅延量を検出することにより、タイミング信号の値が変化するタイミングが、複数のフリップフロップ62のいずれかのフリップフロップがタイミング信号の値を取り込むタイミングと略同一となる遅延量を検出する。そして、検出した遅延量から基準クロックの半周期ずれた遅延量に、基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を設定する。このような制御により、それぞれのフリップフロップにおいて、安定してタイミング信号の値を検出することができる。
図7は、タイミング信号と基準クロックとの関係を示す図である。図7(a)は、基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を調整しない場合の一例を示し、図7(b)は、基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を調整した場合の一例を示す。
基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を調整しない場合、複数のフリップフロップ62のいずれかのフリップフロップが、基準クロックに応じてタイミング信号の値を取り込んだ場合に、図7(a)に示すように、タイミング信号の値が変化するタイミングでタイミング信号の値を取り込んでしまう場合がある。このような場合、当該フリップフロップは、タイミング信号の値を安定して取り込むことができない。
このため、本例における制御部12は、上述したように基準クロック用可変遅延回路36の遅延量を調整し、図7(b)に示すように、フリップフロップがタイミング信号の値を取り込むタイミングと、タイミング信号の値が変化するタイミングをずらしている。
また、それぞれの戻り系回路40は、対応する複数のテストモジュール14から、電子デバイス200が出力する出力パターンにフェイルが生じたタイミングを示すフェイルタイミング信号等のような、テストモジュール14からの信号を受け取り、フェイルタイミング信号を、集約回路46及びタイミング信号分配回路56を介してタイミング供給部60に供給する。このとき、それぞれのテストモジュール14の特性により、それぞれの戻り系回路40におけるフェイルタイミング信号の位相にずれが生じる場合がある。つまり、それぞれのテストモジュール14が、フェイルタイミング信号を生成してから、それぞれの戻り系回路40に供給するまでの時間が、テストモジュール14によって異なる場合がある。
試験装置100は、例えばいずれかのテストモジュール14でフェイルを検出した場合に、複数のテストモジュール14における試験パターンの印加を停止するというように、テストモジュール14から信号供給部30に供給される信号に基づいて、複数のテストモジュール14の動作を制御する場合がある。このような動作を行う場合に、それぞれのテストモジュール14が、例えばフェイルタイミング信号を生成してから、それぞれの戻り系回路40に供給するまでの時間が、テストモジュール14によって異なると、複数のテストモジュール14を同期して制御できない。制御部12は、それぞれの戻り系回路40がフェイルタイミング信号を出力するタイミングが略同一となるように複数の戻り系回路40を制御し、前述したずれを補償する。
本例においては、それぞれの戻り系回路40は、縦続接続された複数のフリップフロップ42、戻り系用可変遅延回路34、及び戻り信号選択部44を有する。複数のフリップフロップ42のそれぞれのフリップフロップは、フェイルタイミング信号を受け取り、基準クロック通過経路234から分配される基準クロックに応じて、フェイルタイミング信号を次段のフリップフロップに順次受け渡す。
戻り信号選択部44は、複数のフリップフロップ42のそれぞれのフリップフロップが出力するフェイルタイミング信号を受け取り、受け取った複数のフェイルタイミング信号のうち、いずれかを選択する。そして、選択したフェイルタイミング信号を、集約回路46及びタイミング信号分配回路56を介してタイミング供給部60に供給することにより、タイミング供給部60にフェイルタイミング信号を供給するタイミングを調整する。
制御部12は、複数の戻り系回路40がそれぞれのタイミング供給部60に供給するフェイルタイミング信号の位相を制御する。本例においては、制御部12は、戻り信号選択部44が複数のフェイルタイミング信号のうちいずれを選択するかを制御する。本例において、制御部12は、複数のフリップフロップ42が格納した値を読み出し、いずれの段のフリップフロップで値が変化するかを検出する。そして、検出したフリップフロップの段数の、それぞれの戻り系回路40における差異に応じて、戻り信号選択部44にいずれのフェイルタイミング信号を選択させるかを制御する。
また、戻り系用可変遅延回路34は、テストモジュール14と、複数のフリップフロップ42との間に設けられ、フェイルタイミング信号を遅延させて複数のフリップフロップ42に供給する。制御部12は、戻り系用可変遅延回路34の遅延量を順次変化させ、フェイルタイミング信号の値が変化するタイミングが、複数のフリップフロップ42のいずれかのフリップフロップがフェイルタイミング信号の値を取り込むタイミングと略同一となる戻り系用可変遅延回路34の遅延量を検出し、検出した遅延量から基準クロックの半周期ずれた遅延量に、戻り系用可変遅延回路34の遅延量を設定する。
また、複数のフリップフロップ(42、52、62)のそれぞれのフリップフロップが格納した値を検出する場合、基準クロック分配回路80から供給される基準クロックを停止し、複数のフリップフロップ(42、52、62)の動作を停止することが好ましい。本例においては、クロック制御回路70が、基準クロック分配回路80に、基準クロックを停止するための信号を供給する。
クロック制御回路70は、フリップフロップ72、選択部74、カウンタ76、及び論理回路78を有する。フリップフロップ72は、複数の信号供給部30が出力するタイミング信号を受け取り、選択部74に供給する。選択部74は、フリップフロップ72から受け取った複数のタイミング信号のうち、タイミング又は位相の調整を行う信号供給部30が出力したタイミング信号を選択し、カウンタ76に供給する。カウンタ76は、受け取ったタイミング信号の値が変化した場合に基準クロックの計数を開始し、所定の数となった場合に、論理回路78に基準クロックを停止する旨の信号を出力する。論理回路78は、カウンタ76から受け取った信号を基準クロック分配回路80の論理積回路84に供給し、信号供給部30に供給される基準クロックを停止する。
制御部12は、カウンタ76に所定の数を設定し、基準クロックを停止するタイミングを制御する。例えば、制御部12は、複数のフリップフロップ42のうち、略中央に設けられたフリップフロップが、フェイルタイミング信号の値の変化を検出するように、カウンタ76を制御する。
また、複数の戻り系回路40は、集約回路46、タイミング信号分配回路56、及びタイミング供給部60を介してフェイルタイミング信号をそれぞれのテストモジュール14に供給する。集約回路46は、複数の戻り系回路40が出力するフェイルタイミング信号を受け取り、複数のフェイルタイミング信号に基づいて複数種類の論理演算を行い、それぞれの演算結果をタイミング信号分配回路56に供給する。タイミング信号分配回路56は、受け取った演算結果のそれぞれを任意の1又は複数のタイミング供給部60に供給する。集約回路46及びタイミング信号分配回路56の構成については、図8及び図9において後述する。
次に、複数の信号供給部30を組み合わせた場合における、それぞれの信号供給部30に与えられる基準クロックの位相の調整について、図3及び図8を用いて説明する。複数の信号供給部30を組み合わせた場合、組み合わされた信号供給部30のいずれかが、テストモジュール14が試験パターンを電子デバイス200に供給するタイミングを制御するための第1タイミング信号を、基準クロックの位相に応じて生成し、テストモジュール14の予め定められた1又は複数のピンに供給する、主信号供給部として機能する。また、他の信号供給部30は、主信号供給部から基準クロックを受け取り、テストモジュール14が試験パターンを電子デバイス200に供給するタイミングを制御するための第2タイミング信号を、受け取った基準クロックの位相に応じて生成し、テストモジュール14のピンのうち、主信号供給部とは異なる1又は複数のピンに供給する、従信号供給部として機能する。本例においては、信号供給部30−1が主信号供給部として機能し、信号供給部30−2が従信号供給部として機能する場合について説明する。
それぞれの信号供給部30には、当該信号供給部30が従信号供給部30として機能する場合に、主信号供給部30から受け取った基準クロックを遅延させる位相調整回路50を有する。位相調整回路50は、基準クロック通過経路234の第1分配点230から基準クロックが分配される。このとき、第1分配点230と位相調整回路50との間には、基準クロックを、基準クロックより十分周期の大きいクロックに乗せ換えるクロック乗せ換え回路が設けられていることが好ましい。
また、それぞれの信号供給部30は、主信号供給部として機能する場合に、従信号供給部に基準クロックを供給するためのフリップフロップ38を有する。フリップフロップ38は、前述したクロック乗せ換え回路が乗せ換えた基準クロックを受け取り、従信号供給部に供給する。
また、信号供給部30が従信号供給部として機能する場合、位相調整回路50は、主信号供給部のフリップフロップ38から、基準クロックを受け取る。位相調整回路50は、受け取った基準クロックの位相を調整して、ジェネレート回路48に供給する。ジェネレート回路48、タイミング信号分配回路56、及びタイミング供給部60は、受け取った基準クロックの位相に基づいてタイミング生成信号を生成し、テストモジュール14に供給する。ここで、従信号供給部の位相調整回路50は、主信号供給部から受け取った基準クロックを遅延させることにより、主信号供給部が第1タイミング信号を出力するタイミングと、従信号供給部が第2タイミング信号を出力するタイミングとを略同一とする。
図8は、位相調整回路50の構成の一例を示す図である。位相調整回路50は、位相調整用可変遅延回路236、縦続接続された複数のフリップフロップ52、主従選択部258、及びクロック選択部54を有する。主従選択部258は、位相調整用可変遅延回路236が遅延させた基準クロック、又は基準クロック生成部10が生成し、基準クロック用可変遅延回路36が遅延させた基準クロックのいずれを複数のフリップフロップ52に供給するかを選択する。
制御部12は、信号供給部30が、主信号供給部又は従信号供給部のいずれとして機能するかに基づいて、主従選択部258にいずれの基準クロックを選択させるかを制御する。つまり、信号供給部30が主信号供給部として機能する場合、主従選択部258は、基準クロック用可変遅延回路36が遅延させた基準クロックを選択し、従信号供給部として機能する場合、主従選択部258は、位相調整用可変遅延回路236が遅延させた基準クロックを選択する。
複数のフリップフロップ52は、主従選択部258が選択した基準クロックを受け取り、基準クロック生成部10が生成し、基準クロック通過経路234から分配される基準クロックに応じて、受け取った基準クロックを順次受け渡す。クロック選択部54は、複数のフリップフロップ52のそれぞれのフリップフロップが出力する基準クロックを受け取り、受け取った複数の前記基準クロックのうち、いずれかを選択して、ジェネレート回路48、タイミング信号分配回路56、及びタイミング供給部60を介して第2タイミング信号として出力する。
制御部12は、クロック選択部54がいずれの基準クロックを選択するかを制御して、主信号供給部が第1タイミング信号を出力するタイミングと、従信号供給部が第2タイミング信号を出力するタイミングとを略同一とする。例えば、制御部12は、主信号供給部のクロック選択部54に、予め定められたフリップフロップが出力する基準クロックを選択させ、従信号供給部のクロック選択部54がいずれの基準クロックを選択するかを制御して、主信号供給部が第1タイミング信号を出力するタイミングと、従信号供給部が第2タイミング信号を出力するタイミングとを略同一とする。この場合、制御部12は、主信号供給部のクロック選択部54に、縦続接続された複数のフリップフロップ52のうち、略中央に設けられたフリップフロップが出力する基準クロックを選択させることが好ましい。
このような制御により、複数の信号供給部30を組み合わせた場合における、それぞれの信号供給部30に与えられる基準クロックの位相のバラツキによる、第1タイミング信号が出力されるタイミングと、第2タイミング信号が出力されるタイミングとの誤差を調整することができる。
また、位相調整用可変遅延回路236は、主信号供給部から受け取った基準クロックを遅延させて、主従選択部258に供給する。制御部12は、位相調整用可変遅延回路236の遅延量を順次変化させ、当該基準クロックの値が変化するタイミングが、複数のフリップフロップ52のいずれかのフリップフロップが基準クロックの値を取り込むタイミングと略同一となる位相調整用可変遅延回路236の遅延量を検出し、検出した遅延量から基準クロックの半周期ずれた遅延量に、位相調整用可変遅延回路236の遅延量を設定する。位相調整用可変遅延回路236の設定は、クロック選択部54が選択するフリップフロップの段数の調整より前に行うことが好ましい。
以上、図3〜図8において説明したように、本例における試験装置100によれば、複数の信号供給部30がタイミング信号を出力するタイミングの調整、テストモジュール14の特性に応じたタイミング信号の位相の調整、複数の信号供給部30を組み合わせた場合におけるそれぞれの信号供給部30に与えられる基準クロックの位相の調整を行うことができ、複数のテストモジュール14を同期して動作させ、電子デバイス200の試験を精度よく行うことができる。
図9は、ジェネレート回路48及びタイミング信号分配回路56の構成の一例を示す図である。ジェネレート回路48は、複数のバス(120−1〜120−8、以下120と総称する)、及び演算回路130を有する。
複数のバス120は、制御部12の複数のホストコンピュータと対応して設けられており、それぞれ対応するホストコンピュータによって制御される。バス120は、フリップフロップ122、分配回路124、及び複数のフリップフロップ(126−1〜126−64、以下126と総称する)を有する。
分配回路124は、64個の出力ポートを有しており、フリップフロップ122を介して制御部12から与えられるレート信号を、位相調整回路50から与えられる基準クロックに応じて、64個の出力ポートのうち1又は複数の出力ポートから出力する。また、分配回路124には、フリップフロップ122を介して制御部12から、いずれの出力ポートからレート信号を出力するかを制御する制御信号が与えられる。レート信号は、例えばH論理を示す信号であって、分配回路124がレート信号を出力する出力ポートを、基準クロックに応じて順次変化させることにより、位相の異なる複数のタイミング信号を生成して出力することができる。例えば、基準クロックに応じて、分配回路124がレート信号を出力する出力ポートを、1から64まで順次切り替えることにより、位相分解能が基準クロックの周期と等しい、位相の異なる64種類のタイミング信号を生成することができる。また、それぞれの出力ポートを所望の周期で選択することにより、任意の周期のタイミング信号を生成することができる。例えば、複数のバス120毎に、出力ポートを選択する周期を変化させることにより、複数のバス120毎に、周期の異なる複数のタイミング信号を生成することができる。出力ポートを選択する周期は、制御部12から与えられる制御信号の周期を変更することによって容易に変更することができる。
演算回路130は、複数のフリップフロップ(132−1〜132−64、以下132と総称する)、複数の論理和回路(134−1〜134−64、以下134と総称する)、及び複数のフリップフロップ(136−1〜136−64、以下136と総称する)を有する。
複数のフリップフロップ132、複数の論理和回路134、及び複数のフリップフロップ136は、分配回路124の出力ポートと対応して設けられ、対応する出力ポートが出力するタイミング信号を受け取る。論理和回路134は、複数のバス120のそれぞれの分配回路124の対応する出力ポートが出力するタイミング信号を受け取り、受け取ったそれぞれのタイミング信号の論理和を出力する。制御部12は、複数の分配回路124が、同時に同一の出力ポートからタイミング信号を出力しないように、それぞれの分配回路124を排他的に制御する。例えば、複数のホストコンピュータは、分配回路124の1〜64の出力ポートのうち、いずれの出力ポートの制御を行うかが予め割り当てられる。そして、それぞれのホストコンピュータは、対応するバス120の分配回路124において、割り当てられた出力ポートから、タイミング信号を出力する出力ポートを順次選択する。また、複数のフリップフロップ136は、それぞれのタイミング信号を同期して、タイミング信号分配回路56に供給する。
タイミング信号分配回路56は、複数の分配部(140−1〜140−64、以下140と総称する)、複数の論理和回路(150−1〜150−96、以下150と総称する)、及び複数のフリップフロップ(152−1〜152−96、以下152と総称する)を有する。
複数の分配部140は、分配回路124の複数の出力ポートに対応して設けられ、対応する出力ポートが出力するタイミング信号を受け取る。それぞれの分配部140は、フリップフロップ142、分配器144、レジスタ部146、及び複数の論理積回路(148−1〜148−96、以下148と総称する)を有する。
分配器144は、フリップフロップ142を介してタイミング信号を受け取り、複数の論理積回路148のそれぞれにタイミング信号を分配する。複数の論理積回路148は、複数のタイミング供給部60と対応して設けられ、受け取ったタイミング信号と、レジスタ部146から与えられる信号との論理積を出力する。
レジスタ部146には、当該タイミング信号を、いずれのタイミング供給部60に供給するかを示すコマンドデータを格納する。本例において、レジスタ部146は、それぞれのビットが、複数のタイミング供給部60のいずれかと対応する、複数ビットのコマンドデータを格納する。レジスタ部146には、制御部12から当該コマンドデータが与えられる。制御部12は、当該タイミング信号を供給するべきタイミング供給部60に対応するビットをH論理としたコマンドデータをレジスタ部146に格納する。
また、複数の論理和回路150は、複数の論理積回路148と対応して設けられ、複数の分配部140において、それぞれ対応する論理積回路148が出力するタイミング信号の論理和を出力する。制御部12は、それぞれの分配部140において、同一のタイミング供給部60に対応する論理積回路148が同時にタイミング信号を出力しないように、それぞれのレジスタ部146にコマンドデータを格納する。つまり、それぞれのレジスタ部146が格納するコマンドデータにおいて、同一のビットが同時にH論理を示さないように、それぞれのレジスタ部146にコマンドデータを供給する。
複数のフリップフロップ152は、複数の論理和回路150と対応して設けられ、複数の論理和回路150が出力するタイミング信号を同期させ、対応するタイミング供給部60に供給する。
上述したように本例におけるジェネレート回路48によれば、基準クロックの周期と等しい分解能で、位相及び周波数が任意に設定可能な複数のタイミング信号を生成することができる。また、タイミング信号分配回路56によれば、それぞれのタイミング供給部60に、ジェネレート回路48が生成した複数のタイミング信号のうちのいずれかを任意に選択して供給することができる。
図10は、集約回路46及びタイミング信号分配回路56の構成の一例を示す図である。本例において、タイミング信号分配回路56は、図9において説明したタイミング信号分配回路56と同一の構成を有する。
集約回路46は、複数の集約部(160−1〜160−64、以下160と総称する)を有する。複数の集約部160は、複数の分配部140と対応して設けられる。それぞれの集約部160は、レジスタ部162、複数の論理積回路(164−1〜164−96、以下164と総称する)、論理和回路166、及びシフトレジスタ部168を有し、複数の戻り系回路40が出力するフェイルタイミング信号を受け取り、複数のフェイルタイミング信号のうちの2以上のフェイルタイミング信号の論理和を出力する。また、複数の分配部140は、複数の集約部160に対応して設けられ、対応する集約部160の演算結果を複数のテストモジュール14に分配する。
複数の論理積回路164は、複数の戻り系回路40と対応して設けられ、対応する戻り系回路40が出力するフェイルタイミング信号等を受け取る。そして、受け取ったフェイルタイミング信号と、レジスタ部162から与えられる信号との論理積を出力する。そして、論理和回路166は、複数の論理積回路164が出力するフェイルタイミング信号の論理和を出力する。
レジスタ部162には、複数のフェイルタイミング信号のうち、いずれのフェイルタイミング信号の論理和を論理和回路166に出力させるかを示すコマンドデータを格納する。本例において、レジスタ部162は、それぞれのビットが、複数の戻り系回路40のいずれかと対応する、複数ビットのコマンドデータを格納する。レジスタ部162には、制御部12から当該コマンドデータが与えられる。制御部12は、論理和回路166に供給するべきフェイルタイミング信号に対応するビットをH論理としたコマンドデータをレジスタ部162に格納する。
本例においては、制御部12は、それぞれの分配部140のレジスタ部146に格納したコマンドデータと同一のコマンドデータを、それぞれの分配部140に対応する集約部160のレジスタ部162に格納する。つまり、制御部12は、レジスタ部146が格納したコマンドデータによってグループ化される複数のテストモジュール14のいずれかがフェイルタイミング信号を生成した場合に、当該フェイルタイミング信号に基づくタイミング信号を当該複数のテストモジュール14の全てに供給させる。
また、対応する分配部140と集約部160とは、共通のレジスタ部を有していてもよい。例えば、集約部160は、対応する分配部140のレジスタ部146からコマンドデータを受け取ってもよい。これにより、試験装置100のレジスタ素子の数を低減することができる。
図11は、複数の集約部160及び複数の分配部140の、半導体基板(図示しない)上における配置例を示す図である。図11(a)〜図11(c)は、それぞれ、複数の集約部160及び複数の分配部140の、半導体基板上における配置の一例を示す図である。
図11(a)に示すように、集約部160及び対応する分配部140の複数の組み合わせは、半導体基板上において並列に設けられる。また、集約回路46は、複数の集約部160に対応して設けられた複数のフリップフロップ(172−1〜172−64、以下172と総称する)を更に有する。複数のフリップフロップ172は、戻り系回路40から受け取った複数のフェイルタイミング信号を、複数の集約回路46に同期させて供給する。
また、タイミング信号分配回路56は、複数の分配部140に対応して設けられた複数のフリップフロップ(174−1〜174−64、以下174と総称する)を更に有する。複数のフリップフロップ174は、対応する分配部140から受け取った複数のフェイルタイミング信号を、論理和回路150に同期させて供給する。このような構成により、それぞれの集約部160及び分配部140の処理を、同期してパイプライン処理することができる。
また、図11(b)に示すように、集約回路46は、複数の集約部160に対応して設けられた複数のフリップフロップ(180−1〜180−64、以下180と総称する)を有していてもよい。複数のフリップフロップ180は縦続接続され、それぞれ対応する集約回路46に順次フェイルタイミング信号を供給する。すなわち、それぞれの集約回路46に異なるタイミングでフェイルタイミング信号を供給する。
また、図11(b)に示すように、論理和回路150に代えて、複数の論理和回路(250−2〜250−64、以下250と総称する)を備えてもよい。複数の論理和回路250は、複数の分配部(140−2〜140−64)に対応して設けられる。それぞれの論理和回路250は縦続接続され、論理和回路250−2は、分配部140−1及び分配部140−2が出力するフェイルタイミング信号の論理和を出力する。また、他の論理和回路250は、前段の論理和回路250が出力した論理和と、対応する分配部140が出力するフェイルタイミング信号との論理和を出力する。このような構成により、複数の集約回路46及び複数のタイミング信号分配回路56の動作の遅延を低減することができる。
また、集約部160及び対応する分配部140は、半導体基板上における第1の方向で直列に接続される。また、図10においては、レジスタ部162及びレジスタ部146はそれぞれ集約部160及び分配部140に設けられているが、本例においては、共通のレジスタ部146が外部に設けられる。
複数のレジスタ部146は、複数の集約部160及び複数の分配部140に対応して設けられ、集約部160において複数のフェイルタイミング信号のうちいずれのフェイルタイミング信号を用いて論理演算を行うか、及び分配部140において複数のテストモジュール14のうちいずれのテストモジュール14に論理演算結果を分配するかを制御する複数ビットの制御信号を、対応する集約部160及び分配部140に供給する。図11(b)に示すように、それぞれのレジスタ部146と、対応する集約部160及び分配部140とは、第1の方向で接続されることが好ましい。
また、図11(c)に示すように、半導体基板上において、集約部160とテストモジュール14とを接続する配線、即ち集約部160と戻り系回路40とを接続する配線のうちの少なくとも一部は、第1の方向と垂直な第2の方向に沿って設けられることが好ましい。また、半導体基板上において、分配部140と、テストモジュール14とを接続する配線、即ち分配部140とタイミング供給部60とを接続する配線のうちの少なくとも一部は、第1の方向と垂直な第2の方向に沿って設けられることが好ましい。
このような構成により、信号線が多数必要な配線が、半導体基板上における横方向又は縦方向に偏ることを防ぐことができる。半導体基板上において、同一方向の信号線数は一定数以上作成することができないが、本例における構成によれば、横方向及び縦方向に効率よく信号線を配分することができる。
図12は、複数のフリップフロップ部(186−1〜186−7、以下186と総称する)及び複数の選択部(188−1〜188−7、以下188と総称する)の構成の一例を示す。図3に関連して説明した複数のフリップフロップ(42、52、62)のそれぞれは、図12において説明する複数のフリップフロップ部186と同一の構成を有してよく、図3に関連して説明したクロック選択部54、戻り信号選択部44、及びタイミング信号選択部64のそれぞれは、図12において説明する複数の選択部188と同一の構成を有してよい。
複数のフリップフロップ部186は縦続接続されており、それぞれのフリップフロップ部186は、縦続接続されたフリップフロップを有する。フリップフロップ部186は、入力される基準クロック、タイミング信号、フェイルタイミング信号等を受け取り、縦続接続されたフリップフロップは、基準クロックに応じて、受け取った信号を順次次段のフリップフロップに受け渡す。
また、それぞれのフリップフロップ部186におけるフリップフロップの縦続数は異なることが好ましい。例えば、それぞれのフリップフロップ部186−mは、2m−1段縦続接続されたフリップフロップを有する。そして、複数の選択部188は、複数のフリップフロップ部186と対応して設けられ、対応するフリップフロップ部186に入力される信号、又は対応するフリップフロップ部186が出力する信号のいずれかを選択して、次段のフリップフロップ部186に供給する。それぞれの選択部188がいずれの信号を選択するかは、制御部12により制御される。このような構成により、基準クロック、タイミング信号、フェイルタイミング信号等が、所望の数のフリップフロップを通過するように、容易に制御することができる。
また、戻り系回路40、位相調整回路50、及びタイミング供給部60は、複数のフリップフロップ(42、52、62)のそれぞれのフリップフロップが格納した値を読み出す手段を更に有することが好ましい。例えば、図12に示すように、複数の論理積回路190を更に有してよい。複数の論理積回路190は、それぞれのフリップフロップが格納した値を受け取り、制御部12から与えられる制御信号に応じて、それぞれのフリップフロップが格納した値を制御部12に供給する。
図13は、制御部12に設けられる、複数のレジスタ部146を制御する書込制御回路の構成の一例を示す。書込制御回路は、複数の要求信号格納部(212−1〜212−8、以下212と総称する)、セレクタ202、フリップフロップ206、複数のフリップフロップ(208−1〜208−4、以下208と総称する)、複数の論理積回路210、カウンタ222、リセット部228、論理積回路216、及び書込部204を備える。
セレクタ202は、制御部12に設けられた複数のホストコンピュータの内部クロック(CLKA〜CLKH)を受け取り可能に設けられ、いずれかの内部クロックを選択して出力する。セレクタ202には、フリップフロップ206から選択制御信号が与えられ、選択制御信号に応じていずれかのクロックを選択する。
フリップフロップ206は、選択制御信号が与えられ、入力されるクロックに応じて選択制御信号をセレクタ202に供給する。選択制御信号は、ホストコンピュータからセレクタ202に与えられる内部クロックのうちから、いずれかを選択させる信号である。
複数の要求信号格納部212は、複数のホストコンピュータに対応して設けられ、対応するホストコンピュータからの書込要求信号を格納する。本例において、書込要求信号とは、いずれかのレジスタ部146のコマンドデータを書き換える旨を示すH論理の信号である。それぞれの要求信号格納部212は、複数のフリップフロップ208及び論理積回路210を介して書込要求信号を受け取る。複数のフリップフロップ(208−1〜208−3)は、書込要求信号のいわゆるメタステーブルを除去する。
また、フリップフロップ208−4及び論理積回路210は、与えられる書込制御信号の立ち上がりエッジから微小時間の間だけ、書込制御信号を対応する要求信号格納部212に供給するために設けられる。
ホスト選択部214は、複数の要求信号格納部212を順次選択し、選択した要求信号格納部212が格納している格納データを受け取り、出力する。カウンタ222は、複数の要求信号格納部212を示す複数のホスト特定信号を順次生成し、ホスト選択部214に供給し、ホスト選択部214は、順次受け取るホスト特定信号で特定される要求信号格納部212を順次選択する。カウンタ222は、例えば零から、複数の要求信号格納部212の数の2倍の数までの2進数を順次生成し、生成した2進数から最下位ビットを除去したデータを、ホスト特定信号として出力する。本例においては、書込制御回路は8個の要求信号格納部212を備えており、カウンタ222は、0000〜1111までの2進数を昇順に順次生成する。
また、ホスト選択部214は、それぞれのホストコンピュータから、書込要求信号に対応して書き込むべきコマンドデータ(CS_ST1〜CS_ST8)、及びコマンドデータを書き込むべきレジスタ部146を特定するレジスタ部特定データ(WDT_ST1〜WDT_ST8)を受け取り、選択した要求信号格納部212に対応するホストコンピュータから受け取ったコマンドデータ及びレジスタ部特定データを、書込部204に供給する。
書込部204は、ホスト選択部214が出力した格納データ、レジスタ部146に書き込むべきコマンドデータ、及びコマンドデータを書き込むべきレジスタ部146を特定するレジスタ部特定データを受け取り、受け取った格納データが書込要求信号である場合に、レジスタ部特定データで特定されるレジスタ部146に、コマンドデータを書き込む。書込部204は、フリップフロップ218及びフリップフロップ220を有する。フリップフロップ218は、レジスタ部特定データで特定されるレジスタ部146にコマンドデータを供給し、フリップフロップ220は、レジスタ部146への書込を許可するライトイネーブル信号を出力する。
リセット部228は、ホスト選択部214が受け取った格納データが、書込要求信号である場合に、ホスト選択部214が選択した要求信号格納部212が格納している書込要求信号をリセットする。例えば、リセット部228は、複数の要求信号格納部212が格納している複数の格納データ、及びカウンタ部が生成するホスト特定信号を受け取り、ホスト特定信号に応じた要求信号格納部212が格納している格納データが、書込要求信号である場合に、ホスト特定信号で特定される要求信号格納部212が格納している書込要求信号をリセットする。
リセット部228は、セレクタ224及び論理積回路226を有する。セレクタ224は、複数の要求信号格納部212が格納している格納データをそれぞれのビットとした8ビットの信号を受け取り、受け取った信号において、ホスト特定信号で特定されるビットがH論理である場合に、当該ビットのみをH論理としたリセット信号を論理積回路226に供給する。論理積回路226は、カウンタ222が生成した2進数の最下位ビットを受け取り、カウンタ222が生成した2進数の最下位ビットがH論理である場合に、リセット信号を要求信号格納部212に供給し、H論理を示すリセット信号のビットの位置に応じた要求信号格納部212をリセットする。
また、論理積回路216は、カウンタ222が生成した2進数の最下位ビットがH論理を示す場合に、ホスト選択部214が出力した格納データを、書込部204のフリップフロップ220に供給する。
本例における書込制御回路によれば、それぞれのレジスタ部146のコマンドデータを効率よく書き換えることができる。また、複数のホストコンピュータのいずれからもレジスタ部146のコマンドデータを書き換えることができるため、複数のホストコンピュータでレジスタ部146を共有して使用することができる。例えば、試験毎に、それぞれのレジスタ部146をいずれのホストコンピュータが使用するかを割り当てることができ、試験装置100のレジスタ素子の数を低減することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。