〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について説明する。
図2は、本実施の形態にかかる画像形成装置である、デジタル複合機30の構成を示す説明図である。デジタル複合機30は、複写機,プリンターおよびファクシミリ装置としての機能を有するものであり、この図に示すように、スキャナ部31とレーザー記録部32とを備えている。
スキャナ部31は、原稿の画像を読み取るためものであり、透明ガラスからなる原稿載置台35に加えて、RADF36およびスキャナユニット(SU)40を有している。そして、原稿載置台35上に原稿を一枚毎に載置してゆくとともに、その画像を順次読み取ってゆくように構成されている。
RADF(Recirculating Automatic Document Feeder )36は、デジタル複合機30における原稿送り装置であり、所定の原稿トレイ(図示せず)にセットされた原稿を、一枚毎に原稿載置台35に搬送するものである。そして、SU40による原稿画像の読み取りが行われた後、所定の取り出し位置にまで搬出する機能を有している。
また、RADF36は、両面自動原稿送り装置としての機能も有している。すなわち、RADF36は、片面の読み取りに用いる片面用搬送路に加えて、両面の読み取りに使用する両面用搬送路,搬送路を切り換えるためのガイド,各搬送路における原稿の状態を確認するためのセンサー群および制御部等を有している。これにより、SU40による原稿画像の読み取り後、原稿を裏返し、再び原稿載置台35に搬送することが可能となっている。
なお、RADF36における各部材は周知であるため、本実施の形態においては説明を省略する。
SU40は、原稿載置台35に搬送された原稿の画像を、1ライン毎に読み取る原稿画像読み取りユニットである。そして、図2に示すように、第1走査ユニット40a,第2走査ユニット40b,光学レンズ43およびCCD44を有している。
第1走査ユニット40aは、原稿載置台35に沿って左から右へと一定速度Vで移動しながら原稿を露光するものである。そして、図2に示すように、光を照射するためのランプリフレクターアセンブリ41と、原稿からの反射光を第2走査ユニット40bに導く第1の反射ミラー42aとを有している。
第2走査ユニット40bは、第1走査ユニット40aに追随してV/2の速度で移動するようになっている。そして、第1の反射ミラー42aに反射される光を光学レンズ43およびCCD44の方向へ導くための、第2・第3の反射ミラー42b・42cを備えている。
光学レンズ43は、この第3の反射ミラー42cに反射される光を、CCD44上で結像させるものである。CCD(光電変換素子)44は、光学レンズ43によって結像された光を、電気信号に変換するためのものである。
このCCD44によって得られたアナログの電気信号は、CCD44を備えたCCDボードによってデジタル信号の画像データに変換される。そして、この画像データは、画像処理部において各種の画像処理が施された後にメモリーに記憶される。そして、後述するメインCPUの出力指示に応じて、レーザー記録部32に伝達されるように設定されている。なお、CCDボード,画像処理部およびメモリーについては後述する。
レーザー記録部32は、画像データに基づいてシート(記録材)に画像を形成するためのものである。そして、図2に示すように、レーザー書き込みユニット(LSU)46,電子写真プロセス部47およびシート搬送機構50を備えている。
LSU46は、スキャナ部31によって読み取られた画像データや、外部から入力された画像データに基づいて、電子写真プロセス部47における感光体ドラム48にレーザー光を照射し、静電潜像を形成するものである。そして、半導体レーザー光源,レーザー光を等角速度で偏向するポリゴンミラーおよびf−θレンズを有している。f−θレンズは、ポリゴンミラーによって偏向されたレーザー光を、感光体ドラム48の表面において等角速度で偏向されるように補正するものである。
電子写真プロセス部47は、感光体ドラム48と、その周囲に設けられた帯電器63,現像器62,転写・剥離器61,クリーニング器64および除電器(図示せず)とを備えている。そして、LSU46によって形成された感光体ドラム48上の静電潜像を現像してトナー像を生成し、これをシートに対して静電転写する機能を有している。
なお、LSU46および電子写真プロセス部47における各構成は周知であるため、本実施の形態においては説明を省略する。
シート搬送機構50は、電子写真プロセス部47にシートを供給するとともに、シートに転写された画像を定着させ、さらに、シートを外部に排出する機能を有している。そして、図2に示すように、搬送部33,カセット給紙装置51〜53,手差し給紙装置54,定着器49,再供給経路55・56,排紙ローラ57および後処理装置34を備えている。
搬送部33は、電子写真プロセス部47における所定の転写位置(転写・剥離器61が配置されている位置)にシートを搬送するためのものである。カセット給紙装置51〜53は、転写にかかるシートを蓄積しておくとともに、転写時に、シートを搬送部33に送り込むためのものである。また、手差し給紙装置54は、カセット給紙装置51〜53に蓄積されていない型のシートを、搬送部33に供給するための装置である。
定着器49は、シートに転写されたトナー像を定着させるものである。再供給経路55・56は、トナー像の定着後、シートの裏面に画像を形成するために、シートを搬送部33に再供給するための経路である。また、定着器49の下流側における排紙ローラ57の外部には、後処理装置34が設けられている。この後処理装置34は、排出されたシートに対してステープル処理等の後処理を施すためのものである。
図2に示すように、後処理装置34は、第1排出トレイ341および第2排出トレイ342を有している。
また、後処理装置34内には、用紙受け取りローラ343,第1搬送経路344,第2搬送経路345,第1切り換えゲート346,第2切り換えゲート347,第3搬送経路(反転経路)348,第1排出ローラ349,第2排出ローラ350などが配置されており、各種排出モードに対応している。
ここで、後処理装置34における排出モードについて説明する。
(第1排出モード)
用紙受け取りローラ343に排出されたシートは、第1排出ローラ349により、直接、第1搬送経路344から第1排出トレイ341に排出される。
(第2排出モード)
用紙受け取りローラ343に排出されたシートは、第1切り換えゲート346により第2搬送経路345へと導かれ、その後、第2切り換えゲート347により第2排出ローラ350側へと案内される。そして、第2排出ローラ350から第2排出トレイ342に排出される。
(第3排出モード)
用紙受け取りローラ343に排出されたシートは、第1切り換えゲート346により第2搬送経路345へと導かれ、その後、第2切り換えゲート347により第3搬送経路348へと案内される。そして、シートの後端が第2切り換えゲート347を通過すると、シートがスイッチバック搬送される。すなわち、シートは、第2切り換えゲート347から第2排出ローラ350側へと案内され、第2排出トレイ342に排出される。このスイッチバックにより、第2排出トレイ342に排出されるシートの排紙態様(フェイスダウンあるいはフェイスアップ)を切り換えられるようになっている。
次に、デジタル複合機30における制御について説明する。
図3は、デジタル複合機30の制御システムを示すブロック図である。この図に示すように、デジタル複合機30は、図2に示した各部材に加えて、制御システムを構成するボードとして、オペレーションパネル(OP)ボード100,マシンコントロールボード(MC)200,CCDボード300,メイン画像処理ボード400,サブ画像処理ボード500および拡張ボード群600を備えている。
これらのボードは、デジタル複合機30における各部材の制御を行うとともに、スキャナ部31によって読み取られた画像を処理するためのものである。
以下、各ボードについて説明する。
メイン画像処理ボード400は、後述するCCDボード300によって生成された画像データに対して画像処理を行うものであり、デジタル複合機30における画像処理部である。
すなわち、メイン画像処理ボード400は、メインCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)401,多値画像処理部402,メモリ403,レーザーコントローラ404を有している。
多値画像処理部402は、所望の階調性を有する画像をシートに形成できるように、後述するCCDボード300から伝達された画像データに対して、画像処理を施すものである。なお、この多値画像処理部402による画像処理は、シェーディング補正,濃度補正,領域分離,フィルタ処理,MTF補正,解像度変換,電子ズーム(変倍処理),ガンマ補正などの、多値の画像データに対する画像処理である。
レーザーコントローラ404は、画像処理後の画像データを、LSU46に伝達するための転送装置である。
メインCPU401は、多値画像処理部402およびメモリ403を制御して、画像データに対して画像処理を施すものである。
さらに、メインCPU401は、他の各ボード,RADF36および後処理装置34に搭載された複数のサブCPUと連携して、デジタル複合機30における各部材を制御(動作管理)する、デジタル複合機30の中枢部としての機能も有している。
メモリ403は、画像処理後の画像データを記憶させておくためのものである。また、メモリ403は、画像処理や印刷処理における手順管理データ・制御データ等、メインCPU401の実行する各処理のためのプログラムデータを格納するROM(Read Only Memory)としての機能も有している。また、メモリ403は、デジタル複合機30の固有情報(装置の名称やシリアルナンバー等)を記憶する機能も備えている。
サブ画像処理ボード500は、メイン画像処理ボード400において画像処理された画像データに対してさらなる画像処理を行うための、もう一つの画像処理部である。そして、図3に示すように、2値画像処理部501,メモリ部502,ハードディスク装置503およびインターフェイス部504を備えている。
2値画像処理部501は、メイン画像処理ボード400において画像処理された画像データを2値化して、さらなる画像処理を施すためのものである。そして、多値の画像データを2値の画像データに変換する多値2値変換部、画像を回転させる画像回転処理部、2値画像の変倍処理を行う2値ズーム処理部、および、圧縮伸長処理を行う圧縮伸長処理部を有している。
さらに、この2値画像処理部501には、ファックス通信のためのファックスインターフェイス(FAX−I/F)も備えられている。また、この2値画像処理部501は、メイン画像処理ボード400とコネクタ接続されており、メインCPU401により制御される。
メモリ部502は、2値画像処理部501によって処理された2値画像データや、画像処理における制御データなどを記憶させておくものであり、ページメモリ502aと、ページメモリ502aを制御するゲートアレイ(メモリG/A)502bとを有している。
ハードディスク装置503は、大量の画像データを記憶させておくためのものであり、ディスクメモリ(HD)503aと、このディスクメモリ503aを制御するゲートアレイ(RDH−G/A)503bとを備えている。
インターフェイス部504は、外部インターフェイスとしてのSCSI端子(SCSI−1,SCSI−2)504aと、このSCSI端子を制御するゲートアレイ504bとを有するものである。
図3の中で右上に位置するOPボード100は、デジタル複合機30の操作パネル103を管理制御するものである。すなわち、図3に示すように、デジタル複合機30の操作パネル103には、LCD表示部104、および、ユーザーの指示を入力するための操作キー群105が配置されている。そして、OPボード100は、これらLCD表示部104および操作キー群105を管理・制御するための、サブCPU101を備えている。
さらに、このOPボード100には、操作キー群105からの指示データや、LCD表示部104に表示させる情報など、操作パネル103における各種制御情報を記憶しておくメモリ102も設けられている。
そして、このサブCPU101は、メインCPU401との間で制御データの通信を行い、ユーザーの指示データをメインCPU401に伝達する機能を有している。また、メインCPU401からは、デジタル複合機30の動作状態を示す制御データがサブCPU101に伝達されるようになっている。そして、サブCPU101が、デジタル複合機30の動作状態をLCD表示部104に表示するように設定されている。
図3の中で左上に位置するMCボード200は、サブCPU201およびメモリ202を備えており、RADF36,スキャナ部31,電子写真プロセス部47,再供給経路(両面ユニット)55および後処理装置34を制御するものである。
また、サブCPU201は、これら各部材の動作履歴(カウンタ値等)およびトラブル履歴(ジャムの種類・回数等)からなる履歴データを、メモリ202に記憶させる機能も有している。
図3の中で左下に位置するCCDボード300は、図2に示したCCD44を備えており、原稿からの反射光に基づいて、電気信号からなる画像データを生成するものである。
そして、図3に示すように、このCCDボード300は、CCD44に加えて、CCD44を駆動するCCDゲートアレイ302,アナログ回路303,A/D変換器304を備えている。ここで、アナログ回路303は、CCD44から出力されるアナログ出力のゲイン調整を行うものである。また、A/D変換器304は、アナログ出力からデジタル信号の画像データを生成するものである。また、CCDボード300の各構成に対する制御管理は、メイン画像処理ボード400におけるメインCPU401により行われる。
拡張ボード群600は、インターフェイスを介してサブ画像処理ボード500に接続された、プリンターボード601,FAXボード(ファクシミリボード)603および機能拡張ボード602からなるボード群である。
機能拡張ボード602は、デジタル複合機30の編集機能を拡張して、その特徴を有効活用するためのものである。FAXボード603は、サブCPU603aおよびメモリ603bを備えている。そして、CCDボード300によって生成された画像データを外部に対してファックス送信する機能、および、レーザー記録部32を制御して、ファックス受信した画像データを出力させる機能を有している。また、サブCPU603aは、FAXの送受信に関する履歴情報を、メモリ603bに記憶する機能も有している。
プリンターボード601は、デジタル複合機30をプリンターとして機能させるものである。図3に示すように、プリンターボード601は、SCSI端子601a,第1メモリ601b,第2メモリ601c,ネットワークI/F601d,サブCPU601eを備えている。
SCSI端子601aは、プリンターボード601をサブ画像処理ボード500に接続させるためのインターフェイスである。第1メモリ601bは、外部から送信された画像データを一時的に記憶させるための記憶装置である。ネットワークI/F601dは、デジタル複合機30をネットワークNと接続させるためのインターフェイスである。第2メモリ601cは、サブCPU601eの使用する各種の制御プログラムを記憶させるためのものである。
サブCPU601eは、ネットワークI/F601dを制御して、ネットワークNを介して送信された画像データを第1メモリ601bに記憶させるものである。そして、SCSI端子601aを制御して、画像データをサブ画像処理ボード500に伝達させる機能を有している。
また、サブCPU601eは、画像データの受信に関する履歴情報を、第1メモリ601bに記憶する機能も有している。さらに、サブCPU601eは、デジタル複合機30の装置情報を含む装置情報メール(あるいは異常通知メール)を作成して、ネットワークI/F601dおよび外部のネットワークを介して本社Eのサーバー12に送信する機能を有しているが、この機能については後述する。
次に、デジタル複合機30の画像データ処理を、コピー,ファックスおよびプリンターの各モード毎に説明する。
(コピーモード)
コピーモードとは、スキャナ部31によって読み取られた原稿を、レーザー記録部32によってシートに出力するモードである。このモードでは、ユーザーは、RADF36の所定位置に原稿をセットする。セットされた原稿は、RADF36によって一枚毎に原稿載置台35上に送られる。そして、CCDボード300のCCD44およびSU40が、各原稿の画像を読み取るとともに、8ビットの画像データを生成してメイン画像処理ボード400に伝達する。
メイン画像処理ボード400における多値画像処理部402は、この8ビットの画像データに対してガンマ補正等の所定の多値画像処理を施し、レーザーコントローラ404を介して、レーザー記録部32におけるLSU46へ伝達する。これにより、スキャナ部31にて読み取られた原稿画像は、レーザー記録部32から階調性のあるコピー画像として出力される。
なお、多値画像処理が施された8ビットの画像データに対し、さらに2値化処理を行うようにしてもよい(電子RDH機能)。すなわち、この場合、画像データは、コネクタ405・505を介してサブ画像処理ボード500に送られる。そして、2値画像処理部501の多値2値変換部が、8ビットの画像データを2ビットの画像データに変換する。
なお、2値画像処理部501は、画像データに誤差拡散処理を行なうように設定されている。誤差拡散処理を行う理由は、単に多値2値変換を行っただけでは画質的に問題があるためで、画質の劣化を少なくする配慮である。また、画像データを8ビットから2ビットに変換する目的は、画像データの容量を小さくするためである。
2値画像処理部501によって生成された2ビットの画像データは、原稿1枚毎にハードディスク装置503におけるディスクメモリに記憶される。そして、RADF36にセットされた全原稿の画像データがディスクメモリ内に記憶された後、ゲートアレイ503aが、ディスクメモリ内の画像データを指定部数だけ繰り返し読み出して、コネクタ405・505を介してメイン画像処理ボード400に伝達する。
そして、これらの画像データは、ガンマ補正などの処理が施された後、レーザーコントローラ404を介してLSU46へと送られ、コピー画像として出力される。
なお、上記では、全原稿の画像データが記憶された後に画像出力が行われるように説明している。しかしながら、所定数の画像データが記憶された段階で、順次、画像を出力するようにしてもよい。
(ファックスモード)
ファックスモードには、送信モードと受信モードとの2つのモードがある。まず、送信モードについて説明する。
送信モードは、スキャナ部31によって読み取られた原稿の画像データを、外部の通信先にファックス送信するモードである。このモードでは、コピーモードと同様に、原稿が読み取られて画像データが生成され、2値化処理が施される。そして、2値化処理された画像データは、所定の形式で圧縮されてメモリ部502に記憶される。
そして、FAXボード603によって通信先との通信回線が確保された後、画像データは、メモリ部502から読み出されて、FAXボード603側へと転送される。そして、FAXボード603で圧縮形式の変更などの必要な処理が施された後、通信先に対して順次送信される。
次に、受信モードについて説明する。受信モードは、外部の通信先から送信されてきた画像データを、レーザー記録部32によって出力するモードである。このモードでは、FAXボード603が、所定形式に圧縮された画像データを通信回線を介して受信し、サブ画像処理ボード500に伝達する。サブ画像処理ボード500では、2値画像処理部501のファックスインターフェイスによってこの画像データを受けとる。そして、2値画像処理部501の圧縮伸長処理部が画像データを伸長して、ページ単位の画像データとして再現した後、メイン画像処理ボード400に伝達する。
そして、メイン画像処理ボード400においてガンマ補正が施された後、レーザーコントローラ404を介して、レーザー記録部32におけるLSU46へ伝達される。これにより、外部からファックス受信した画像データに基づいて、レーザー記録階調性のある画像を出力できる。
(プリンタモード)
プリンターモードとは、外部機器から送られてきた印刷ジョブ(画像データを含む印刷指示データ)に基づいて、レーザー記録部32による画像出力が行われるモードである。
このモードでは、印刷ジョブにおける画像データは、プリンターボード601のサブCPU601eによってページ単位の画像としてラスタイメージに展開され、第1メモリ601bに記憶される。そして、展開された画像データは、サブCPU601eの制御により、SCSI端子601aを介してサブ画像処理ボード500ヘと転送され、ハードディスク装置503に記憶される。
その後、画像データは、所定のページ順で読み出されてメイン画像処理ボード400へと送られ、ガンマ補正の施された後、レーザーコントローラ404を介して、レーザー記録部32におけるLSU46へ伝達される。これにより、パソコンから伝達された画像データを、レーザー記録部32から階調性のあるプリンター画像として出力できる。
なお、プリンターモードでは、サブ画像処理ボード500による2値画像処理は行われない。すなわち、サブ画像処理ボード500に転送された画像データは、ハードディスク装置503に一時的に記憶された後、メイン画像処理ボード400に単に転送されるだけである。
次に、デジタル複合機30に対する遠隔管理管理システムについて説明する。上記の構成を有するデジタル複合機(被管理装置)30は、商店や事務所,一般家庭等のユーザーに販売・貸与されて使用されるものである。そして、このデジタル複合機30に対するメンテナンス(故障個所の修理や消耗品の補充等)は、専門のサービス会社によって行なわれるように設定されている。
サービス会社は、装置の状況に応じて適切なメンテナンスを行なえるように、デジタル複合機30の情報(装置情報)を定期的・随時的に把握するようになっている。なお装置情報とは、デジタル複合機30の使用状況(複写枚数等)や、トラブル状況(トラブルの種類・発生履歴等)を示す情報である。
すなわち、サービス会社では、デジタル複合機30の装置情報を管理することにより、定期点検,消耗部品の交換・補充等を行い、デジタル複合機30の動作環境を整えるようになっている。
また、各デジタル複合機30およびサービス会社は、装置情報の授受を行なうために、遠隔管理システムを用いている。このシステムは、各デジタル複合機30の情報を、所定の通信回線を介してサービス会社における管理者に通知するシステムである。
図4は、本実施の形態にかかる遠隔管理システム(本システム)の構成を示す説明図である。
この図に示すように、本システムは、デジタル複合機30のユーザーであるA〜CストアおよびD事務所と、デジタル複合機30を管理するサービス会社である本社Eとが、ネットワークN(インターネット/イントラネット)を介して互いに接続されている構成である。
図4に示すように、AストアおよびBストアは、デジタル複合機30とPOS端末10とを1台ずつ保有しているとともに、これらに接続されたPC(Personal Computer )13を備えている。また、Cストアは、デジタル複合機30とPOS端末10とを2台ずつ保持しているとともに、これらに接続されたPC13を備えている。
PC13は、A〜Cストアにおいて使用されている情報処理装置であり、POS端末10は、各ストアの属しているPOS(Point Of Sales) システムの端末装置(terminal)である。なお、これらPC13およびPOS端末10は、デジタル複合機30とともにネットワークNに接続されている。
D事務所は、デジタル複合機30,PC11a〜11c,サーバー31,ファクシミリ装置(FAX)32,プリンター33等、複数のOA機器からなるローカルエリアネットワーク(LAN)を有している。このLANは、サーバー31を介してネットワークNに接続されている。また、PC11aは、この事務所内の全OA機器を管理する管理者の専用機器となっている。
本社Eは、デジタル複合機30を管理するサービス会社であり、各ユーザーのデジタル複合機30を管理するためのサーバー(管理装置)12を備えている。そして、本社Eは、このサーバー12によって、各デジタル複合機30の装置情報を収集するように設定されている。そして、装置情報に基づいて、デジタル複合機30に対する修理や消耗品の補充、および、ユーザーに対する関連書類(請求書等)の発行を行うようになっている。
表1は、サーバー12に収集されるデジタル複合機30の装置情報を示す表である。この表に示すように、サーバー12によって収集されるデジタル複合機30の装置情報には、機種名等を示す基本情報,カウンタ値等を示す使用状況,トラブルの種類・発生履歴を示す情報等のトラブル状況が含まれている。
また、装置情報は、各デジタル複合機30から本社Eのサーバー12に対して、電子メールによって送信されるようになっている。
ここで、デジタル複合機30からサーバー12に送信される、装置情報を含む電子メール(装置情報メール)について詳細に説明する。
装置情報メールは、上記したメイン画像処理ボード400のメインCPU401と、プリンターボード601のサブCPU601eとによって、サーバー12に対して定期的に送信されるようになっている。すなわち、所定の時刻(時期)となると、メインCPU401がデジタル複合機30の装置情報を収集し、サブCPU601eが、収集された装置情報に基づいて装置情報メールを作成し、本社Eのサーバー12に送信するように設定されている。
装置情報の収集では、メインCPU401が、まず、メモリ403からデジタル複合機30の固有情報を読み出すとともに、図示しないクロック(時計)から現在時刻を取得することで、装置情報における基本情報を作成する。
そして、メインCPU401は、MCボード200におけるサブCPU201を制御して、後処理装置34,RADF36,スキャナユニット(SU)40,電子写真プロセス部47,シート搬送機構50の履歴データを、メモリ202から読み出させる。
また、メインCPU401は、プリンターボード601およびFAXボード603におけるサブCPU601eおよびサブCPU603aを制御して、印刷ジョブ(画像データ)の受信およびFAXの送受信に関する履歴データを読み出させる。
そして、メインCPU401は、取得した履歴データに基づいて、装置情報における使用状況およびトラブル状況を作成するように設定されている。
その後、メインCPU401は、作成した基本情報,使用状況およびトラブル状況を表1のようにまとめて、プリンターボード601のサブCPU601eに伝達する。
サブCPU601eは、伝達された装置情報に基づいて装置情報メールを作成し、ネットワークI/F601dを制御して、本社Eのサーバー12に対して送信するように設定されている。
図1は、サブCPU601eによって作成される装置情報メールを示す説明図である。この図に示すように、装置情報メールは、宛先や件名を示すヘッダーM1,メールデータM2と、添付ファイルデータ(添付データ)M3とからなる構成である。
メールデータM2は、表1に示した基本情報から構成されている文書データであり、電子メールシステムに応じて設定されているテキスト形式のデータである。
また、添付データM3は、表1に示した使用状況およびトラブル情報を含むデータである。この添付データM3は、本システムにおける専用プログラムによって、使用状況およびトラブル情報を変換することで作成されるデータである。従って、添付データM3は、このプログラムを保持していないコンピューターでは、解読不能なものである。
すなわち、本システムでは、サブCPU601eが、装置情報の一部を、第3者に認識される可能性の少ない添付データM3に変換して装置情報メールを作成し、サーバー12に送信するように設定されている。これにより、本システムでは、ハッカー等に装置情報メールを盗まれた場合でも、情報の漏洩を抑制できるようになっている。
さらに、本システムでは、プリンターボード601が、デジタル複合機30の使用状況およびトラブル状況を示す情報を添付データに変換するように設定されている。
カウンタ値等の使用状況は、ユーザーの仕事量に応じた情報であるため、第3者には特に知られたくない秘密情報である。また、ジャム履歴等のトラブル状況もまた、他人には明かしたくない秘密情報である。そこで、本システムでは、使用状況およびトラブル状況を添付データM3に変換して送信することで、これらを適切に保護できるようになっている。
また、添付データM3は、テキストデータよりも圧縮率の高い形式のデータからなることが好ましい。これにより、装置情報の一部を添付データM3として送信することで、送信効率(情報を送信するための時間・コスト)を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、プリンターボード601におけるサブCPU601eが、本システムにおける専用プログラムによって、使用状況およびトラブル状況を添付データM3に変換するとしている。しかしながら、添付データの作成方法はこれに限らない。
例えば、市販されている一般的なソフトウエアによって、使用状況およびトラブル状況を添付データM3に変換するようにしてもよい。このようにしても、添付データM3はメールデータM2よりも認識しにくいため、使用状況を保護することは可能である。また、この構成では、添付データを容易に作成できるという利点もある。
また、添付データM3の保護力を強化してデータの内容を簡単に取得できないように、サブCPU(暗号化処理部)601eが、添付データM3を暗号化してメールデータM2に添付するようにしてもよい。また、この暗号化は、例えば、公開鍵暗号法やデジタル署名を用いることができる。
また、本実施の形態では、プリンターボード601のサブCPU601eが、デジタル複合機30の使用状況およびトラブル状況を添付データM3に変換するように設定されている。しかしながら、添付データに変換する情報としては、使用状況やトラブル状況に限らず、いずれの情報を選択してもよい。
また、サブCPU(情報選択部)601eは、メインCPU401から伝達された装置情報のなかからサーバー12に送信すべきものを選択して、選択した情報に基づいて装置情報メールを作成するようにしてもよい。また、メインCPU(情報選択部)401は、サーバー12に送信すべき情報だけをサブCPU601eに伝達するように設定されていてもよい。
また、サブCPU601eは、ネットワークI/F401dを介して入力される、本社Eにおけるサーバー12からの指示、あるいは、デジタル複合機30の操作パネル103(図3参照)に直接入力されるの指示に基づいて、添付データM3とすべき情報を選択するように設定されていてもよい。このようにすれば、本社Eの管理者あるいはユーザーの所望とする情報を、添付データM3に変換して送信できる。
また、図4に示したD事務所のように、LANにOA機器を管理するためのPC11aが設置されている場合、サブCPU601e(あるいはメインCPU401) は、本社Eだけでなく、このPC11aにも装置情報を送信するように設定されていることが好ましい。
このように設定すれば、ユーザー側の責任者が、D事務所内で使用されているデジタル複合機30の情報を、本社Eの管理者と同様に把握できる。さらに、ユーザー側の管理者は、本社Eから発行される関連書類(請求書等)を容易にチェックできる。
また、本実施の形態では、デジタル複合機30内のメインCPU401・サブCPU601eによって、デジタル複合機30の装置情報を含む装置情報メールを作成・送信するとしている。
しかしながら、これに限らず、装置情報メールを、デジタル複合機30内の他のサブCPU、あるいは、デジタル複合機30に接続されたPC13(あるいはPC11a〜11c)によって作成・送信するように設定してもよい。
また、PC13によって装置情報メールを作成・送信する場合、PC13にインストールされている市販のソフトウエアを用いて各データM1〜M3を作成するようにしてもよい。また、添付データM3を作成するための専用プログラムをインストールしておき、これを用いて、使用状況およびトラブル状況を含む添付データM3を作成することも好ましい方法である。
さらに、図4に示したCストアのように、2台以上のデジタル複合機30を保有している場合、これらの装置情報を、これらに接続されているPC13によって、まとめて送信するようにしてもよい。
図5は、この場合に送信される装置情報メールの例を示す説明図である。この例では、PC13が、デジタル複合機30における1号機および2号機の情報を、同一の装置情報メールに記載するようになっている。なお、この場合、図5に示すように、PC13は、各デジタル複合機30の設置場所を記憶しておき、これをメールデータM2に記載するように設定されている。
このようにすれば、本社Eの管理者が、Cストアに設置されている全てのデジタル複合機30の情報をまとめて把握できるので、関連書類を効率よく発行でき、サービス性を向上できる。さらに、定期点検や消耗品補充の必要性をストア毎(区域毎)に判定できるので、Cストアへの訪問回数を減少させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、デジタル複合機30からサーバー12に対し、装置情報メールが定期的に送信されるとしている。しかしながら、これに限らず、デジタル複合機30が所定の状態(異常状態)になったとき、および、サーバー12が装置情報を要求したときにも、電子メールによって装置情報が送信されるように設定することが好ましい。
また、デジタル複合機30が異常状態となった際における装置情報メールの送信については、後述する実施の形態2において説明する。
〔実施の形態2〕
本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施の形態では、実施の形態1に示した部材と同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、デジタル複合機30にエラー(異常状態,トラブル)の発生した場合における、電子メールの送信について説明する。
メインCPU(異常検知部)401は、デジタル複合機30における各部材の機能を定期的に調査することにより、エラーの有無を定期的に自主点検する機能を有している。また、メインCPU401は、デジタル複合機30の動作中に生じるエラーを随時的に検知する機能も有している。
さらに、メインCPU401は、何らかのエラーを検知したときに、デジタル複合機30の動作を停止するとともに、エラーの種類(内容)を判断して、操作パネル103におけるLCD表示部104に表示するように設定されている。そして、メインCPU401は、ユーザーによってエラーが解消されたときに、デジタル複合機30を動作可能とするようになっている。
また、メインCPU(送信処理部)401は、サブCPU601eを制御して、本社Eのサーバー12に対し、エラー発生を報告するための電子メール(異常通知メール)を作成・送信するように設定されている。
さらに、メインCPU401は、発生したエラーの種類に応じて、異常通知メールを送信するか否かを判断するようになっている。
図6は、メインCPU401の使用するエラー管理テーブルT1を示す説明図である。この図に示すように、メインCPU401は、エラー管理テーブルT1によって『通知』と設定されている種類のエラーが発生した場合に、サブCPU601eとともに異常通知メールの作成・送信を行なうようになっている。一方、メインCPU401は、『非通知』と設定されている種類のエラーを検知した場合には、異常通知メールの送信は行わないように設定されている。
なお、このエラー管理テーブルT1の内容(各エラーに対する『通知』『非通知』の設定)は、各デジタル複合機30のユーザーによって個々に設定できるものである。
ここで、エラー検知に関するメインCPU401の動作について説明する。図7は、この動作の流れを示すフローチャートである。この図に示すように、メインCPU401は、デジタル複合機30の動作中あるいは自主点検の時期になったときに、デジタル複合機30におけるエラーの検知を行なうように設定されている。
そして、デジタル複合機30の動作中にエラーが発生した場合(S1・S2)、あるいは、自主点検中にエラーを検知した場合には(S5〜S7)、後述するエラー処理を行なうように設定されている(S3)。
なお、このエラーの検知に関する動作は、デジタル複合機30の電源がOFFとなるまで継続して続けられる。また、メインCPU401は、自主点検中(S7)、LCD表示部104に自主点検中である旨の表示を行なうようになっている(S6・S8)。
次に、S3として示したエラー処理について説明する。図8は、エラー処理の流れを示すフローチャートである。この図に示すように、メインCPU401は、エラーの発生を検知すると、そのエラーの内容を判別してLCD表示部104に表示するように設定されている(S11)。
その後、LCD表示部104は、図6に示したエラー管理テーブルT1を参照して、検知したエラーが『通知』と設定されているか、あるいは、『非通知』と設定されているか否かを判断する(S12・S13)。そして、『通知』と設定されている場合、メインCPU401は、エラーの内容をプリンターボード601のサブCPU601eに伝達する。
サブCPU601eは、伝達されたエラーの内容を含む異常通知メールを作成し、ネットワークI/F601dを制御して、本社Eのサーバー12に対して送信する(S14)。
その後、メインCPU401は、ユーザーによってエラーが解消されるまで待機する。そして、エラーの解消したことを確認した後、LCD表示部104の表示をリセットして(S16)、処理を終了する。
以上のように、デジタル複合機30では、メインCPU401が、動作中あるいは自主点検中に発生したエラーを検知するようになっている。そして、メインCPU401およびサブCPU601eが、エラーの内容を含む異常通知メールを作成して、本社Eのサーバー12に送信するように設定されている。
これにより、本社Eの管理者は、各デジタル複合機30に発生しているエラーの内容を迅速に認識できるので、エラーに対して、早急かつ適切な対策を図ることが可能となる。
また、デジタル複合機30では、メインCPU401が、エラー管理テーブルT1に基づいて、発生したエラーに関する異常通知メールを送信するか否かを決定するように設定されている。
すなわち、デジタル複合機30では、トナーエンプティ(トナー切れ),搬送ジャム(紙詰まり),シート切れ(紙なし)等の、ユーザーによって容易に修正できる軽微なエラーの発生時には異常通知メールを送信しない一方、電源不良,漏電,制御系の破損等、ユーザーによっては修正困難な異常状態に陥ったときには、異常通知メールを自動的に送信するようになっている。
これにより、本社Eのサーバー12に対し、不要な異常通知メールを多量に送信してしまうことを防止することが可能となる。また、本社Eの管理者は、ユーザーによって処理することの困難なエラーのみに対応すればよいので、管理コストを低減できるとともに、迅速な対応(デジタル複合機30の復旧)を図ることが可能となる。
また、デジタル複合機30では、図6に示したエラー管理テーブルT1の内容(各エラーに対する『通知』『非通知』の設定)を、各デジタル複合機30のユーザーによって個々に設定できるようになっている。これにより、各ユーザーの技術レベルに応じて異常通知メールの送信・非送信を決定できるので、本社Eの管理者は、各ユーザーの技術レベルに応じたメンテナンスサービスを行なうことが可能となる。
なお、通常、デジタル複合機30の動作中にエラーの発生した場合、発生したエラーが軽微であれば、ユーザーによって容易に修正されるため、エラーは短時間で解消する。一方、発生したエラーが深刻なものであれば、ユーザーによっては完全に解消することは困難である。従って、エラーは、長時間に渡って解消されずに継続されるか、あるいは、いったん解消してもすぐに発生してしまう。
このとき、エラーを検知する度に異常通知メールを送信する構成では、デジタル複合機30の動作中、あるいはユーザーによる復旧作業中に、同一内容の異常通知メールが何度も送信されてしまう可能性がある。
そこで、図8に示したエラー処理を図9に示す処理に代えて、異常通知メールを送信するか否かを、先に異常通知メールを送信した時刻に応じて決定するようにしてもよい。そして、異常通知メールを送信してから所定時間内に、再び同じエラー状態(同等のエラー状態)が検知されたときには、異常通知メールの送信を取り止めるように設定されていることが好ましい。
すなわち、図9に示すエラー処理では、メインCPU401は、エラーの内容を表示した後(S21)、ユーザーによってエラーが解消されるまで待機し、エラー解消後にLCD表示部104の表示をリセットする(S24・S25)。そして、この待機の間、メインCPU401が、前回に異常通知メールを送信した時刻からの経過時間を判断し、所定時間以上の時間が経過していると判断したときに、異常通知メールを送信するようになる(S22・S23)。
このエラー処理では、継続時間の短い軽微なエラーの発生時においても、また、継続時間の長いエラーの発生時においても、所定時間内では異常通知メールを1回だけ送信することになる。従って、エラー(トラブル)の解消時にユーザーの対応ミスがあっても、同一のエラーに起因する異常通知メールが繰り返し送信されてしまうことを防止できる。これにより、管理者に対し、不要な異常通知メールを多量に送信してしまうことを回避することが可能となる。
また、このエラー処理では、継続時間の非常に長い重大なエラーの発生した場合、あるいは、ユーザーが異常に気付かない場合には、異常通知メールが複数回送信されることになる。このため、管理者は、非常に重大な異常が発生したこと、あるいは、ユーザーが異常を検知していないことを容易に確認できる。
また、図9に示すエラー処理においても、エラーが非常に重大なものである場合には、管理者の注意を喚起するために、サーバー12に対し、複数の異常通知メールを送信することも好ましいといえる。
そこで、メインCPU401が、判別したエラーの内容に応じて、上記の所定時間(異常通知メールにおける再送信の適否を設定するための時間)の長さを調整するようになっていることが好ましい。すなわち、エラーが深刻なものである場合には、メインCPU401は、所定時間を短く設定し、異常通知メールの再送信を促進することが好ましい。これにより、重大なエラーの発生時に、異常通知メールを短い時間間隔で複数送信できるので、管理者は、デジタル複合機30に重大異常の発生したことをさらに容易に確認できる。
また、上記したように、デジタル複合機30に発生したエラーが軽微であれば、ユーザーによって容易に修正されるため、エラーは短時間で解消する。従って、短時間で解消するエラーであれば、サーバー12に通知する必要はないともいえる。
そこで、図8に示したエラー処理を図10に示す処理に代えて、デジタル複合機30に発生したエラーが所定時間以上継続した場合に限り、サーバー12に対して異常通知メールを送信するように設定してもよい。
すなわち、図10に示すエラー処理では、メインCPU401は、エラーの内容を表示した後(S31)、ユーザーによってエラーが解消されるまで待機し、エラー解消後にLCD表示部104の表示をリセットする(S34・S35)。そして、この待機の間、メインCPU401が、エラー発生からの経過時間を測定し、所定時間が経過していると判断したときに、異常通知メールを送信するようになる(S32・S33)。
これにより、継続時間の長い重大なエラーだけを異常通知メールによってサーバー12に通知するように設定できるので、サーバー12に対して不要な異常通知メールを多量に送信してしまうことを防止できる。
また、このエラー処理では、継続時間の長い重大なエラーの発生した場合、あるいは、ユーザーが異常に気付かない場合に、異常通知メールが送信されることになる。このため、管理者は、重大なエラーが発生したこと、あるいは、ユーザーがエラーを検知していないことを容易に確認できる。
また、図10に示すエラー処理においても、エラーが非常に重大なものである場合には、サーバー12に対してなるべく早急に異常通知メールを通知することが好ましい。そこで、メインCPU401が、判別したエラーの内容に応じて、上記の所定時間(異常通知メールを送信するまでの時間)の長さを調整するようになっていることが好ましい。すなわち、エラーが深刻なものである場合に所定時間を短く設定し、異常通知メールの送信を早めることが好ましい。
これにより、重大なエラーの発生時に、異常通知メールをすぐに送信できる。従って、管理者は、デジタル複合機30に重大なエラーの発生したことを早急に確認できる。
また、エラーの重大さによらず、非常に頻繁に発生する異常については、管理者に通知することが好ましいといえる。そこで、図8に示したエラー処理を図11に示す処理に代えて、デジタル複合機30に所定値以上の頻度で発生した場合に限り、サーバー12に対して異常通知メールを送信するように設定してもよい。
すなわち、図11に示すエラー処理では、メインCPU401は、エラーの内容を表示した後(S41)、ユーザーによってエラーが解消されるまで待機し、エラー解消後にLCD表示部104の表示をリセットする(S44・S45)。そして、この待機の間、メインCPU401が、所定時間内に発生したエラーの回数を計測することで、エラーの発生する頻度(エラー頻度)を求め、求めた頻度が所定値以上であると判断したときに、異常通知メールを送信するようになる(S42・S43)。
従って、このエラー処理では、継続時間の短い軽微なエラーであっても、頻繁に発生するものであれば、異常通知メールによってサーバー12に通知するように設定されている。また、この処理では、エラーが頻繁に発生する場合に限り異常通知メールを送信するように設定されているので、不要な異常通知メールを多量に送信してしまうことを防止することが可能となる。
また、図11に示すエラー処理においても、エラーが非常に重大なものであるときには、発生頻度が小さい場合であっても、異常通知メールを送信することが好ましい。
そこで、メインCPU401が、判別したエラーの内容応じて、上記の所定値(異常通知メール送信の適否を設定するための、エラーにおける発生頻度の閾値)を調整するようになっていることが好ましい。すなわち、エラーが深刻なものである場合には、送信処理部は、上記の所定値を小さく設定し、異常通知メールの送信を促進することが好ましい。
これにより、重大なエラーの発生時に異常通知メールを必ず送信できる。これにより、管理者は、重大なエラーの発生を確実に確認できる。
また、図9〜図11に示したエラー処理では、メインCPU401が、異常通知メールに、各所定時間内に発生したエラーの履歴情報を含ませることが好ましい。ここで、履歴情報とは、エラーの内容や発生回数等のことである。このようにすれば、管理者に対し、エラーの発生に関するより詳細な報告を行なうことが可能となる。
また、図7に示した処理では、メインCPU401が、デジタル複合機30の動作中あるいはメインCPU401による自主点検中に、エラーの検知を行なうように設定されている。しかしながら、これに限らず、メインCPU401は、エラーの検知を、本社Eの管理者による定期点検の時期に行なうようにしてもよい。
この場合、メインCPU401は、図12に示すようなエラー検知処理を行なうこととなる。図12に示す処理では、デジタル複合機30の定期点検時期に、メインCPU401が、デジタル複合機30の動作が続行不可能であるか否か(動作できない程のエラーが発生しているか否か)を検知するように設定されている(S61)。
そして、続行できないと判断した場合、メインCPU401は、図8〜図11のいずれかに示したようなエラー処理を行なう(S62)。一方、続行できると判断した場合、メインCPU401は、サブCPU601eとともに、定期点検時期であることを示す装置情報メールを作成してサーバー12に送信し(S64)、処理を終了する。
この処理では、発生しているエラーが、デジタル複合機30の動作を続行できる程度のエラー(定期的な部品の交換,調整,清掃等)である場合に、定期点検時期の到来を示す装置情報メールをサーバー12に送信するように設定されている。これにより、管理者は、定期点検時期の到来を確実に検知することが可能となる。
また、本実施の形態では、デジタル複合機30内のメインCPU401によって異常を検知し、メインCPU401・サブCPU601eによって異常通知メールを作成・送信するとしている。
しかしながら、これに限らず、異常の検知および装置情報メールの作成・送信を、デジタル複合機30内の他のサブCPU、あるいは、デジタル複合機30に接続されたPC13(あるいはPC11a〜11c)によって実行するように設定してもよい。
また、実施の形態1では、メールデータM2を、電子メールシステムに応じて設定されているテキスト形式のデータ(文書データ)であるとしている。しかしながら、メールデータM2は、テキスト形式に限らず、電子メールシステムに応じて設定されている他の標準的な形式(例えばHTML形式)のデータであってもよい。
また、実施の形態1・2では、本発明にかかる被管理装置として、デジタル複合機30を示している。しかしながら、本発明における被管理装置は、修理や消耗品の補充等を、被管理装置のユーザーだけでなく、サービス会社や製造元等の管理者によっても行うように設定されている装置であれば、複写機に限らず、他のどのような装置であってもよい。
デジタル複合機30以外の被管理装置としては、例えば、ファクシミリ装置,プリンター,複写機,コンピューター,空気清浄機,冷暖房装置,飲料水や酒類等の自動販売機,ウォータークーラー,公衆電話,コインランドリーに設置された洗濯機・乾燥機,無人洗車場の洗車装置,各種の警報装置等を挙げることができる。
また、実施の形態1では、A〜Cストアに、POSシステムの端末装置であるPOS端末10が設置されているとしているが、これらPOS端末10と、本社Eのサーバー12との間で、ネットワークNを介したPOSシステムを構成してもよい。
ここで、POSシステムとは、システムを管理するためのホストコンピューターと、A〜Cストア等の小売店舗に設置されたPOS端末(レジスタ)とからなるシステムである。このシステムでは、商品の販売時に、その商品のバーコードをレジスタのスキャナで読み取らせることで、商品の販売記録がホストコンピューターに送信されるように設定されている。
これにより、POSシステムでは、ホストコンピューターが、各店舗における商品情報(売り上げ,在庫数等)をリアルタイムで正確に把握でき、流通を適切に処理できるようになっている。
このとき、POS端末10あるいはPC13が、POS端末10において取得された商品の販売記録を添付データM3に変換し、電子メールに含ませてホストコンピューターに送信するようにしてもよい。これにより、POSシステムにおける販売記録の秘匿性を高めることが可能となる。
また、実施の形態1・2では、デジタル複合機30における電子メール(装置情報メールあるいは異常通知メール)の作成・送信処理を、メインCPU401およびサブCPU601eにより行うとしている。しかしながら、これに限らず、電子メールの作成・送信処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置を、メインCPU401およびサブCPU601eに代えて用いるようにしてもよい。
この構成では、情報処理装置の演算装置(CPUやMPU)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出し、電子メールの作成・送信処理を実行する。従って、このプログラム自体が、電子メールの作成・送信処理を実現するといえる。
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピュータ(ワークステーションやパソコン)の他に、コンピュータに装着される機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
また、上記のプログラムとは、電子メールの作成・送信処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリ(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを適用できる。
また、ネットワーク(インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。なお、このダウンロードを行うためのプログラムは、装置内にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
また、図3に示したMCボード200は、スキャナユニット40に代えて、読み取りスキャナ部(スキャナ部31)を制御するようにしてもよい。また、CCDボード300およびSU40によって、画像の読み取りを行なうようにしてもよい。
また、表1に示したトラブル状況を、故障通知と表現してもよい。また、装置情報は、各デジタル複合機30におけるメインCPU401によって収集され、そして、プリンターボード601上で電子メール形式の文書データに編集され、ネットワークI/Fを介して、各デジタル複合機30の装置情報を、添付ファイル付きの電子メールによって送信するように設定されていてもよい。
また、図3に示したサブCPU601eは、メールデータM2で基本情報を記述する一方、使用状況を含む他の情報から添付データを作成し、この添付データをメールデータM2に添付するようにしてもよい。
また、添付データM3の作成の際、プリンターボード601のネットワークI/F601dにネットワークインターフェイスカード(NIC)を装着して、ローカルエリアネットワーク(LAN)環境の中にデジタル複合機30とともに接続されたパーソナルコンピュータにインストールされた市販されている一般的なソフトウエアによって、使用状況およびトラブル状況を添付データM3に変換するように設定してもよい。また、デジタル複合機30の情報を、デジタル複合機30内のメインCPU401によって本社Eに送信を完成させるようにしてもよい。
また、本発明の遠隔管理システムにおける前提構成のシステムは、装置の状態を遠隔地より把握して、設置先に設置されている装置の状況に合わせて適時に対応できるものであるといえる。さらに、管理する装置の情報としては、装置の利用状況(カウンタ情報など)、装置の状態情報(動作状況やトラブル情報など)を定期的に管理(監視)し、定期点検、消耗部品の交換、消耗品の補充など装置が安定した状態で動作できるような環境を確立している。
また、このシステムでは、装置の状態を監視したりする方法として、ネットワーク、電話回線などの通信回線を介して装置に関する各種情報を管理者に対して通知するシステムを利用できるようになっている。このシステムを用いることにより、リアルタイムで装置の状況を確認し、早急に対応できるサービスシステムが考えられる(装置が所定の動作を継続できない状態に陥ったとき、電子メールにて通知を行う。常時装置の状態に関する情報を電子メールにて通知するなど)。
しかし、装置の状態に変化(動作継続不可能な状態)があると即通知するシステムでは、ユーザーが装置を復旧する操作中に、完全に復旧していない状態で装置を動作させたりすると、装置側が勝手に装置の動作継続不可能状態として、再び電子メールにて即通知を行ってしまうなどの問題が発生するおそれがある。すなわち、動作継続不可能な状態になってから動作可能状態に復旧するまでに複数回の電子メールによる通知が管理者側に対して送信されてしまうことが考えられる。そこで本発明は、動作継続不可能な状態等の装置の状態に関する情報を的確に管理者側に対して通知することを目的としている。
また、実施の形態2に示した構成では、デジタル複合機30の状態が至急対応を要する状態(重故障:設置先の利用者が正常な動作可能状態に復帰することが困難な状態)になった際に、所定の通知先(サービスセンター)へ即連絡(通知)が行くようになるので、その通知を確認したサービスセンターの管理者が早急に対応する(重故障の状態を復帰させる)ことが可能となる。
これに対し、デジタル複合機30の状態が、設置先の利用者の方で正常な動作可能状態に簡単に復帰させることが可能な状態(紙詰まり、紙なし、トナー切れなど)である場合には、電子メールによるサービスセンターへの通知を禁止するなどの考慮も可能である。また、定期的な部品の交換、調整、清掃など、デジタル複合機30を即停止させるまでもなく、デジタル複合機30がメンテナンス時期にあることを電子メールによりサービスセンターへ送信するものの、記録動作は続行させる場合もある。
さらに、設置先の利用者のレベルに応じて対処できる範囲もまちまちであるので、利用者のレベル(装置の理解度)に応じて、デジタル複合機30がどのような状態になったときに、サービスセンターは通知するか、デジタル複合機30の状態毎に設定することも可能である。
また、図12は、エラー管理テーブルT1の設定内容に基づいて、デジタル複合機30における記録動作の続行が不可能な状態になった場合、あるいは、デジタル複合機30の状態が所定の状態になった場合に、電子メールによるサービスセンターへの通知を行うか、あるいは通知は行わないか確認して、それぞれの状態における処理を行うフローチャートであるともいえる。
また、実施の形態2に示した構成では、デジタル複合機30が所定の状態になっても電子メールによる通知を所定時間遅延させるように考慮することも可能である。また、所定時間内にデジタル複合機30が所定の状態に繰り返しなるようであれば、電子メールによる通知を1つにまとめて行うように考慮することも可能である。
さらに、所定時間内に再びデジタル複合機30が所定の状態になるときは、電子メールによるサービスセンターに対する通知を禁止するように考慮することも可能である。さらにまた、デジタル複合機30における所定の状態が所定の期間中に連続して発生する場合は、そのデジタル複合機30に関する情報をまとめて(回数も含めて)通知するように考慮することも可能である。
これは、デジタル複合機30の記録動作不可能状態を復帰させるにあたり、対応に不備があったとしても同じ内容のデジタル複合機30の状態に関する情報が、サービスセンターに対して繰り返し電子メールによる通知がされることもなく、また、1つの電子メールによる通知として処理されるので管理する側(サービスセンター(本社E)側)にとっても有効である。
また、本発明の遠隔管理システムは、通信装置を用いて遠隔地にある装置の状況を把握する遠隔管理システムであって、装置の状態に応じて監視装置に対して、その装置の状態を所定のタイミングで通知するものである、と表現することもできる。
また、本発明の情報通信方法は、被管理装置の装置情報を電子メールを用いて管理装置に通知する情報通信方法において、被管理装置の異常状態を検知する異常検知工程と、異常検知工程によって検知された異常状態が、管理装置に通知すべき異常状態の記載された異常管理テーブルに記載されている場合に、異常状態の内容を含む電子メールである異常通知メールを作成して管理装置に送信する送信工程とを含む方法であると表現できる。
また、本発明の情報通信方法は、被管理装置の装置情報を電子メールを用いて管理装置に通知する情報通信方法において、被管理装置の異常状態を検知する異常検知工程と、この異常検知工程によって被管理装置の異常状態を検知したときに、異常状態の内容を含む電子メールである異常通知メールを作成して管理装置に送信する送信工程とを含み、この送信工程が、異常通知メールを送信してから所定時間内に再び異常状態が検知されたときには、異常通知メールの送信を取り止めるように設定されている方法であると表現できる。
また、本発明の情報通信方法は、被管理装置の装置情報を電子メールを用いて管理装置に通知する情報通信方法において、被管理装置の異常状態を検知する異常検知工程と、被管理装置が所定時間以上継続して異常状態にある場合に、異常状態の内容を含む電子メールである異常通知メールを作成して管理装置に送信する送信工程とを含んでいる方法であると表現できる。
また、本発明の情報通信方法は、被管理装置の装置情報を電子メールを用いて管理装置に通知する情報通信方法において、被管理装置の異常状態を検知する異常検知工程と、所定時間内に発生した異常状態の回数を計測し、所定値以上の頻度で異常状態が発生している場合に、異常状態の内容を含む電子メールである異常通知メールを作成して管理装置に送信する送信工程とを含んでいる方法であると表現できる。
また、本発明は、以下の第6〜第11の情報通信装置、第1の遠隔管理システム、および、第1の情報通信方法として表現することもできる。すなわち、第6の情報通信装置は、被管理装置の情報(装置情報)を電子メールにより管理装置に通知する情報通信装置において、装置情報の一部を電子メール形式のデータ(メールデータ)で送信する一方、装置情報の他の部分を添付ファイル形式のデータ(添付データ)に変換し、メールデータに添付して送信する送信処理部を備えている構成である。
上記の構成において、被管理装置とは、修理や消耗品の補充等を、ユーザー以外の管理者(サービス会社や製造元)によって行うように設定されている装置のことである。また、管理装置とは、管理者のもとに設置された、被管理装置の情報(装置情報)を収集する装置である。そして、上記の通信装置では、送信処理部が、被管理装置における装置情報を、電子メールによって管理装置に送信するようになっている。そして、特に、この送信処理部は、装置情報の一部を、第3者に認識される可能性の少ない添付データとして送信するように設定されている。このため、第3者に知らせたくない情報(秘密情報)を添付データとして送信すれば、秘密情報の漏洩を抑制できる。
また、第7の情報通信装置は、第6の情報通信装置において、上記送信処理部が、装置の利用状況を示す情報(利用情報)を添付データに変換してメールデータに添付するように設定されている構成である。
利用情報とは、例えば複写機であれば、月間の画像出力状況(コピーボリューム)等のことである。このような利用情報は、ユーザーの仕事量に応じた情報であり、第3者に知られたくない秘密情報である。上記の構成では、添付データとして送信することで、利用情報を適切に保護できるようになっている。
また、第8の情報通信装置は、第6の情報通信装置において、上記送信処理部が、添付データを暗号化してメールデータに添付する暗号化処理部を備えている構成である。暗号化処理を施した上で添付データを送信するので、添付データを堅固に保護できる。
また、第9の情報通信装置は、第6の情報通信装置において、上記送信処理部が、管理装置(あるいは管理者)の指示により添付データとすべき情報を装置情報から選択する、情報分類部を備えている構成である。これにより、管理者の所望の情報を添付データとして送信できる。
また、第10の情報通信装置は、第6の情報通信装置において、上記送信処理部が、所定区域内に設置されている複数の被管理装置における装置情報を、まとめて送信するように設定されている構成である。
所定区域内の被管理装置とは、例えば、同一のユーザー(会社等)によって使用されている装置等、一括して管理することが好ましい装置群のことである。上記の構成では、管理者が、区域内における全装置の情報をまとめて把握できるので、関連書類(請求書等)を効率よく発行でき、サービス性を向上できる。さらに、定期点検や消耗品の補充の必要性を区域ごとに判定できるので、その区域への訪問回数を減少できる。
また、第11の情報通信装置は、第6の情報通信装置において、上記送信処理部が、装置情報を、ユーザーの所望する他の宛先にも通知するように設定されている構成である。上記の構成では、管理者だけでなく、ユーザーの所望とする宛先(例えば、ユーザー側の責任者)に対しても装置情報を通知できる。
従って、ユーザーは、自身の使用している被管理装置の情報を、管理者と同様に把握できる。さらに、管理者から発行される関連書類を、ユーザー側でチェックできる。
また、第1の遠隔管理システムは、第6〜第11のいずれかの情報通信装置と、この情報通信装置に装置情報を送信させる被管理装置と、上記情報通信装置から送信される装置情報に基づいて、上記被管理装置を管理する管理装置とを含む構成である。
また、第1の情報通信方法は、被管理装置の情報(装置情報)を電子メールにより管理装置に通知する情報通信方法において、装置情報の一部を電子メール形式のデータ(メールデータ)で送信する一方、装置情報の他の部分を添付ファイル形式のデータ(添付データ)に変換し、メールデータに添付して送信する方法である。
また、本発明は、以下の第2〜第14の遠隔管理システムとして表現することもできる。すなわち、第2の遠隔管理システムは、装置に関する情報を電子メールにより管理者に対して通知する遠隔管理システムであって、装置に関する情報を装置が所定の状態になると、その状態に関する情報を電子メールにより管理者側に対して通知する構成である。上記の構成では、装置の状態が至急対応を要する状態になった際に、所定の通知先へ即連絡(通知)が行くようになるので、その通知を確認した管理者が早急に対応することが可能となる。
また、第3の遠隔管理システムは、第1の遠隔管理システムにおいて、装置に関する情報を電子メールにより管理者に対して通知する遠隔管理システムは、装置に関する情報を所定の時期に通知する第1の通知モードと、装置に関する情報を装置が所定の状態になると通知する第2の通知モードとを備えている構成である。上記の構成によれば、装置の状態を定期的に監視することができると共に、装置の状態が至急対応を要する状態になった際に、所定の通知先へ即連絡(通知)が行くようになるので、その通知を確認した管理者が早急に対応することが可能となる。
また、第4の遠隔管理システムは、第1あるいは第2の遠隔管理システムにおいて、上記装置における所定の状態とは、装置が動作することができない状態である構成である。これにより、装置の動作が停止する状況に陥ったとしても、所定の通知先へ即連絡(通知)が行くようになるので、その通知を確認した管理者が早急に対応して装置の状態を動作可能な状態に復帰することができる。
また、第5の遠隔管理システムは、第1あるいは第2の遠隔管理システムにおいて、上記装置が所定の状態になっても電子メールによる通知を所定時間遅延させる構成である。これにより、装置の動作を復帰させるにあたり、対応に不備があったとしても同じ装置の状態に関する情報が繰り返し通知されることを防止することができる。
また、第6の遠隔管理システムは、第5の遠隔管理システムにおいて、上記所定時間内に上記装置が所定の状態に繰り返しなるようであれば、電子メールによる通知をまとめて(1回)行う構成である。これにより、装置の動作を復帰させるにあたり、対応に不備があったとしても同じ装置の状態に関する情報が繰り返し通知されることもなく1つにまとめて通知されるので管理する側にとっても有効である。
また、第7の遠隔管理システムは、第1あるいは第2の遠隔管理システムにおいて、上記所定時間内に再び上記装置が所定の状態になるときは、電子メールによる通知を禁止する構成である。これにより、装置の動作を復帰させるにあたり、対応に不備があったとしても同じ装置の状態に関する情報が繰り返し通知されることを防止することができる。
また、第8の遠隔管理システムは、第1あるいは第2の遠隔管理システムにおいて、上記装置における所定の状態が所定の期間中に連続して発生する場合は、その装置に関する情報をまとめて(回数も含めて)通知する構成である。これにより、装置の動作を復帰させるにあたり、対応に不備があったとしても同じ装置の状態に関する情報が繰り返し通知されることもなく、また連続して同じ状態に陥ることが確認できるので管理する側にとっても有効である。
また、第9の遠隔管理システムは、装置に関する情報を電子により管理者に対して通知する遠隔管理システムにおいて、管理者に対して通知される装置に関する第1の情報は電子メール形式により通知され、管理者に対して通知される装置に関する第2の情報は電子メールの添付ファイル形式により通知される構成である。これにより、装置に関する各種情報を第1と第2の情報に分離して装置管理者側に通知することとなるので、情報毎に分離して通知することができる。
また、第10の遠隔管理システムは、第9の遠隔管理システムにおいて、上記装置に関する第1の情報は、装置の状態(状況)に関する情報であり、上記装置に関する第2の情報は、装置の利用状況(カウンタ情報など)に関する情報である構成である。これにより、設置先における特に月間の画像出力状況(コピーボリューム)など知られたくない情報を保護することができる。
また、第11の遠隔管理システムは、第9の遠隔管理システムにおいて、上記電子メールの添付ファイル形式により通知される装置に関する第2の情報(カウンタ情報など)は、所定の処理(暗号化処理)が施されている構成である。これにより、特定の情報に対して暗号化処理が施された上で処理されるので、設置先における特に月間の画像出力状況(コピーボリューム)など知られたくない情報を保護することができる。
また、第12の遠隔管理システムは、第9の遠隔管理システムにおいて、上記装置に関する情報を第1の情報と第2の情報に分類する情報分類手段を備えている構成である。これにより、任意の情報に対してセキュリティーの対応が可能である。
また、第13の遠隔管理システムは、第9の遠隔管理システムにおいて、管理されている複数の装置に関する情報をまとめて電子メールにて通知する構成である。これにより、設置先(契約者)毎の情報が管理できるので、定期的な点検など複数の装置の状況をまとめて確認(把握)できることとなり、一度の訪問でまとめて対応できることとなりサービス性の向上につながる。
また、第14の遠隔管理システムは、第9の遠隔管理システムにおいて、装置に関する情報を複数の特定の送信先へ電子メールにて通知する構成である。これにより、装置の保守管理を行うサービス会社への通知のみではなく、ユーザー側(設置先)における管理者に対しても情報を通知することで、お互いに装置の状況を把握することができる。
以上のように、本発明にかかる第1の情報通信装置(第1通信装置)は、被管理装置の装置情報を電子メールを用いて管理装置に通知する情報通信装置において、装置情報を添付データに変換し、この添付データを含む電子メールを管理装置に送信する送信処理部を備えている構成である。
この第1通信装置では、送信処理部が、被管理装置における装置情報を、電子メールによって管理装置に送信するようになっている。また、特に、この送信処理部は、装置情報を添付ファイル形式の添付データに変換し、電子メールに含ませて管理装置に送信するようになっている。
すなわち、第1通信装置では、装置情報を、第3者に認識されにくい添付データとして送信するように設定されている。このため、装置情報の漏洩を抑制することが可能となっている。
また、送信処理部は、装置情報の一部を電子メール形式のメールデータに変換する一方、装置情報の他の部分を添付データに変換し、これら添付データとメールデータとを含む電子メールを管理装置に送信するように設定されていてもよい。これにより、装置情報のうち、他人に知らせたくない秘密情報だけを添付データに変換することで、秘密情報の漏洩を抑制できるとともに、添付データの作成処理を軽減できる。
また、第1通信装置は、外部からの指示により、添付データとすべき情報を装置情報から選択する情報選択部を備えていることが好ましい。そして、送信処理部は、この情報選択部によって選択された装置情報を添付データに変換するように設定されていることが好ましい。この構成では、管理者あるいはユーザーにおける所望の装置情報を添付データとできるので、より効率的に電子メールを作成できる。
また、送信処理部は、被管理装置の使用状況を示す使用情報を添付データに変換するように設定されていることが好ましい。使用情報は、ユーザーの仕事量に応じた情報であり、第3者には特に知られたくない秘密情報である。上記の構成では、添付データとして送信することで、使用情報を適切に保護できるようになっている。
また、送信処理部は、所定区域内に設置されている複数の被管理装置における装置情報を、同一の電子メールによって送信するように設定されていることが好ましい。この構成では、管理者が、所定区域内における複数の被管理装置の情報をまとめて把握できるので、関連書類(請求書等)を効率よく発行でき、サービス性を向上できる。さらに、定期点検や消耗品の補充の必要性を区域ごとに判定できるので、その区域への訪問回数を減少させ、メンテナンスに要するコストを低減することが可能となる。
また、送信処理部は、管理者に送信した電子メールを、ユーザーの所望する他の宛先にも通知するように設定されていることが好ましい。例えば、ユーザー側の責任者に対しても電子メールを送信するように設定すれば、この責任者は、使用している被管理装置の装置情報を、管理者と同様に把握できる。さらに、管理者から発行される関連書類を、ユーザー側でチェックすることが容易となる。
また、送信処理部は、添付データを暗号化する暗号化処理部を備えていることが好ましい。そして、暗号化した添付データを電子メールに含ませて管理装置に送信するように設定されていることが好ましい。このように設定すれば、添付データを暗号化して添付できるので、装置情報をより堅固に保護することが可能となる。
また、第1通信装置と、第1通信装置を用いて電子メールによって装置情報を送信させる被管理装置と、第1通信装置から送信される電子メールに含まれる装置情報に基づいて被管理装置を遠隔管理する管理装置とをネットワーク接続すれば、装置情報の漏洩を抑制できる遠隔管理システムを構築できる。
また、本発明にかかる第1の情報通信方法(第1通信方法)は、上記した第1通信装置において用いられている情報通信方法である。
すなわち、第1通信方法では、装置情報を、第3者に認識されにくい添付データに変換し、この添付データを含む電子メールを管理装置に送信するように設定されている。これにより、第1通信方法では、装置情報の漏洩を抑制することが可能となっている。
また、本発明における第2の目的は、適切なタイミングで装置情報を送信できる情報通信装置、および、この情報通信装置を含む遠隔管理システムを提供することにある。
上記した第2の目的を達成するために、本発明にかかる第2の情報通信装置(第2通信装置)は、被管理装置の装置情報を電子メールを用いて管理装置に通知する情報通信装置において、被管理装置の異常状態を検知する異常検知部と、管理装置に通知すべき異常状態の記載された異常管理テーブルと、異常検知部によって検知された異常状態が異常管理テーブルに記載されている場合に、異常状態の内容を含む電子メールである異常通知メールを作成して管理装置に送信する送信処理部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明にかかる第3の情報通信装置(第3通信装置)は、被管理装置の装置情報を電子メールを用いて管理装置に通知する情報通信装置において、被管理装置の異常状態を検知する異常検知部と、この異常検知部によって被管理装置の異常状態が検知されたときに、異常状態の内容を含む電子メールである異常通知メールを作成して管理装置に送信する送信処理部とを備え、この送信処理部が、異常通知メールを送信してから所定時間内に再び異常状態が検知されたときには、異常通知メールの送信を取り止めるように設定されていることを特徴とする構成である。
また、本発明にかかる第4の情報通信装置(第4通信装置)は、被管理装置の装置情報を電子メールを用いて管理装置に通知する情報通信装置において、被管理装置の異常状態を検知する異常検知部と、被管理装置が所定時間以上継続して異常状態にある場合に、異常状態の内容を含む電子メールである異常通知メールを作成して管理装置に送信する送信処理部とを備えていること特徴とする構成である。
また、本発明にかかる第5の情報通信装置(第5通信装置)は、被管理装置の装置情報を電子メールを用いて管理装置に通知する情報通信装置において、被管理装置の異常状態を検知する異常検知部と、所定時間内に発生した異常状態の回数を計測し、所定値以上の頻度で異常状態が発生していると判断した場合に、異常状態の内容を含む電子メールである異常通知メールを作成して管理装置に送信する送信処理部とを備えていることを特徴としている。
これら第2〜5通信装置は、第1通信装置と同様に、被管理装置における装置情報を、電子メールによって管理装置に送信するものである。
さらに、第2〜5通信装置は、被管理装置の異常(エラー)を検知するための異常検知部を備えている。そして、送信処理部が、異常検知部の検知結果に基づいて、異常状態の内容を含む電子メール(異常通知メール)を作成して管理装置に送信するように設定されている。
特に、第2通信装置は、管理装置に通知すべき異常状態の記載された、異常管理テーブルを備えている。このテーブルは、被管理装置のユーザー、あるいは管理者によって、各被管理装置毎に設定できるものである。
そして、第2通信装置では、異常検知部によって検知された異常状態が異常管理テーブルに記載されている場合に限り、異常状態の内容を含む異常通知メールを管理装置に送信するように設定されている。すなわち、第2通信装置では、管理装置に対し、異常状態の通知を、異常状態の内容に応じて選択的に行なうように設定されている。
これにより、管理装置に対して送信する異常通知メールを減少させることが可能となる。従って、管理者は、管理コストを低減できるとともに、迅速な対応(被管理装置の復旧)を図ることができる。
なお、上記した異常管理テーブルの内容は、被管理装置のユーザーによって設定されることが好ましい。これにより、各ユーザーの技術レベルに応じて、管理者に通知すべき異常状態の種類を設定できる。従って、管理者は、各ユーザーの技術レベルに応じたメンテナンスサービスを行なうことが可能となる。
また、通常、被管理装置の動作中に異常の発生した場合、発生した異常が軽微であれば、ユーザーによって容易に修正されるため、異常状態は短時間で解消する。一方、発生した異常が深刻なものであれば、ユーザーによって完全に解消することは困難である。従って、異常状態は、長時間に渡って解消されずに継続されるか、あるいは、いったん解消してもすぐに発生してしまう。
このとき、異常を検知する度に異常通知メールを送信する構成では、被管理装置の動作中、あるいは、ユーザーによる復旧作業中に、同一内容の異常通知メールが何度も送信されてしまう可能性がある。
そこで、第3通信装置では、この問題を回避するために、送信処理部が、異常通知メールを送信してから所定時間内に再び異常状態が検知されたときには、異常通知メールの送信を取り止めるように設定されている。
すなわち、第3通信装置では、継続時間の短い軽微な異常状態の発生時においても、また、継続時間の長い重大な異常状態の発生時においても、異常通知メールを所定時間内では1回だけ送信するようになっている。従って、ユーザーによる復旧作業中に対応ミスがあっても、同一のエラーに起因する異常通知メールが繰り返し送信されてしまうことを防止できる。これにより、管理者に対し、不要な異常通知メールを多量に送信してしまうことを回避できる。
また、第3通信装置では、継続時間の非常に長い重大な異常状態の発生した場合、あるいは、ユーザーが異常に気付かない場合には、異常通知メールが複数回送信されることになる。このため、管理者は、非常に重大な異常が発生したこと、あるいは、ユーザーが異常を検知していないことを容易に確認できる。
なお、第3通信装置では、送信処理部は、異常状態が複数回検知されても、所定時間内であれば、異常通知メールを1回だけ送信するように設定されている。しかしながら、異常状態が非常に重大なものである場合には、管理者の注意を喚起するために、管理装置に対し、複数の異常通知メールを送信するようにしてもよい。
そこで、第3通信装置では、送信処理部が、異常状態の内容(種類)を判別するとともに、判別した内容に応じて、上記の所定時間(異常通知メールにおける再送信の適否を設定するための時間)の長さを調整するようになっていることが好ましい。すなわち、異常状態が深刻なものである場合には、送信処理部は、所定時間を短く設定し、異常通知メールの再送信を促進することが好ましい。
これにより、重大な異常状態の発生時に、異常通知メールを短い時間間隔で複数回送信できるので、管理者は、重大異常の発生したことを確認することが容易となる。
また、上記したように、被管理装置に発生した異常状態が軽微であれば、ユーザーによって容易に修正されるため、異常状態は短時間で解消する。従って、短時間で解消する異常であれば、管理装置に通知する必要はないともいえる。
そこで、第4通信装置では、送信処理部が、被管理装置における異常状態の継続時間を測定するようになっている。そして、異常状態が所定時間以上継続した場合に、管理装置に対して異常通知メールを送信するように設定されている。これにより、継続時間の長い重大な異常だけを異常通知メールによって管理者に通知するように設定できるので、管理装置に対して不要な異常通知メールを多量に送信してしまうことを防止することが可能となる。
また、第4通信装置では、継続時間の長い重大な異常状態の発生した場合、あるいは、ユーザーが異常に気付かない場合に、異常通知メールが送信されることになる。このため、管理者は、重大異常が発生したこと、あるいは、ユーザーが異常を検知していないことを容易に確認できる。
なお、第4通信装置では、異常状態が所定時間以上継続した場合に、異常通知メールを送信するように設定されている。しかしながら、異常状態が非常に重大なものである場合には、管理装置に対してなるべく早急に異常通知メールを通知することが好ましい。
そこで、第4通信装置では、送信処理部が、異常状態の内容を判別するとともに、判別した内容に応じて、上記の所定時間(異常通知メールを送信するまでの時間)の長さを調整するようになっていることが好ましい。すなわち、異常状態が深刻なものである場合には、送信処理部は、所定時間を短く設定し、異常通知メールの送信を早めることが好ましい。
これにより、重大な異常状態の発生時に、異常通知メールをすぐに送信できるので、管理者は、重大異常の発生したことを早急に確認できる。
また、異常の重大さによらず、非常に頻繁に発生する異常については、管理者に通知しておくことが好ましいといえる。そこで、第5通信装置では、送信処理部が、所定時間内に発生した異常状態の回数を計測することで、異常状態の発生頻度を求めるようになっている。そして、求めた頻度が所定値以上となった場合に、管理装置に対して異常通知メールを送信するように設定されている。
従って、第5通信装置では、継続時間の短い軽微な異常であっても、頻繁に発生するものであれば、異常通知メールによって管理者に通知できるように設定されている。また、第5通信装置では、頻繁に異常が発生する場合に限り異常通知メールを送信するように設定されているので、不要な異常通知メールを多量に送信してしまうことを防止できる。
なお、第5通信装置では、発生頻度の高い異常に限り、管理装置に通知するようになっている。しかしながら、異常状態が非常に重大なものであるときには、異常状態の発生頻度が小さい場合であっても、異常通知メールを送信することが好ましい。
そこで、第5通信装置では、送信処理部が、異常状態の内容を判別するとともに、判別した内容に応じて、上記の所定値(異常通知メール送信の適否を設定するための、異常状態における発生頻度の閾値)を調整するようになっていることが好ましい。すなわち、異常状態が深刻なものである場合には、送信処理部は、上記の所定値を小さく設定し、異常通知メールの送信を促進することが好ましい。
これにより、重大な異常状態の発生時に異常通知メールを必ず送信できるので、管理者は、重大異常の発生したことを確実に確認できる。
また、第4・5通信装置では、送信管理部は、異常通知メールに、所定時間内に被管理装置に発生した異常状態の履歴情報を含ませることが好ましい。ここで、履歴情報とは、異常状態の内容や発生回数等のことである。このようにすれば、管理者に対し、異常状態の発生に関するより詳細な報告を行なうことが可能となる。
また、第2〜5通信装置と、第2〜5通信装置を用いて電子メールによって装置情報を送信させる被管理装置と、第2〜5通信装置から送信される電子メールに含まれる装置情報に基づいて被管理装置を遠隔管理する管理装置とをネットワークを介して接続すれば、装置情報の漏洩を抑制できる遠隔管理システムを構築できる。