JP4350613B2 - 易崩壊性を有する固形調味食品、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)試料約30〜60gを薬包紙に秤りとる。
(2)試料をのせた薬包紙を両手で持ち、内径40mmで100ml容量のステンレス製シリンダーに接触させ、内壁を介して徐々に落下させ、シリンダーから溢れるまで自由堆積させる。
(3)溢れた部分をすり切りとなるように薬さじで掻きとり、表面を平らにする。
(4)シリンダーにトラップされた試料の重量を測定する。
(5)前記操作を2回行い、その平均値(g)を100で除して嵩密度を算出する。
以上のように、本発明の易崩壊性固形調味食品は、粉末又は顆粒の調味料又はスープ類に加え、崩壊剤として特定の嵩密度のα澱粉を含有させて圧縮成形して得られる固形調味食品であり、流通や保存中の摩損に対して充分な強度を有しながら、喫食時の崩壊性に優れ、しかも調味料或いはスープ類としての品質を保持しているという特徴を有する。
本発明の易崩壊性を有する固形調味食品を製造するには、特定の嵩密度のα澱粉を崩壊剤として該粉粒体に添加することが不可欠である。ここでいう嵩密度は、単位体積当りのα澱粉の重量(g/ml)である。嵩密度は、重力や圧力の負荷の有無により影響を受けるので、一定の条件下で測定した測定値として特定する必要がある。例えば、嵩密度は、100mlの円筒形の容器に、振動を与えないように試料を徐々に流し込み、すり切りにしてその重量を測定して算出することができる。
(1)料約30〜60gを薬包紙に秤りとる。
(2)試料をのせた薬包紙を両手で持ち、内径40mmで100ml容量のステンレス製シリンダーに接触させ、内壁を介して徐々に落下させ、シリンダーから溢れるまで自由堆積させる。
(3)溢れた部分をすり切りとなるように薬さじで掻きとり、表面を平らにする。
(4)シリンダーにトラップされた試料の重量を測定する。
(5)前記操作を2回行い、その平均値(g)を100で除して嵩密度を算出する。
調味料以外の素材としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類などの糖類及びそれらの誘導体、香辛料、動物、植物由来の食用油脂及びその他の素材として、例えば食品添加物表示ハンドブック(日本食品添加物協会、平成9年1月6日発行)に記載の添加物あるいは乾燥野菜、乾燥肉、穀物粉などを例示することができる。
本発明の易崩壊性固形調味食品の形状については、摩損や崩壊性に影響を及ぼさない限り特に限定はないが、錠剤形が好適に用いられる。また、その構造は単層あるいは複層構造とすることができる。例えば、外層及び内層に分け、隣接する層のα澱粉の含量が相互に異なる三層構造の成型物を作製することで、単層構造に比べて崩壊性をさらに高めることが可能である。特に内層部のα澱粉含量を外層部よりも多くすることが好ましい。
本発明の易崩壊性固形調味食品は、流通に耐え得る充分な硬度及び形状を保持しながら、温水に容易に溶解するため、包装することなくそのまま即席スープや調味スープなどの固形調味食品として用いられる他、インスタントラーメン、インスタントうどん、インスタントそば、インスタント焼きそば等の、インスタント食品用スープなどの調味料として広範に利用できる。
表1に示す成分の粉末をリボンミキサーで混合して調製した和風スープ粉末に、各種澱粉を10重量%となるように混合し、その4gを内径20mmの錠剤成型器に充填し、ハンドプレスSSP−10A(島津製作所)を用いて60kN(6t/cm2)の圧力で成形した。嵩密度は、ゆるめ嵩密度測定法Aに従って測定した。
馬鈴薯澱粉のスラリーをドラムドライヤーで糊化し、薄膜状に乾燥した後、粉砕して得られるα澱粉を、表3に示す標準篩いを用いて篩い分けを行い、嵩密度の異なるα化馬鈴薯澱粉(試料1〜10)を調製し、実験例1と同様にそれぞれ10重量%となるように和風スープ粉末と混合して固形調味料を調製し、固形調味料の崩壊性に及ぼすα澱粉の嵩密度の影響を調べた。その結果を表3に示す。
嵩密度が0.137g/mlのα化馬鈴薯澱粉(実験例2の試料5)の添加量を変えて実験例1と同様に錠剤型の固形調味料を調製し、崩壊時間を測定した。その結果を表4に示す。
表1に記載の成分からなる10kgの調味料原料をリボンミキサーで混合して和風粉末スープを調製した。この和風粉末スープの一部をローラーコンパクターで乾式造粒し、粒度分布が210〜850μmの顆粒を約70%含む顆粒スープを得た。なお、ローラーコンパクターの条件は、ライナー:0.4mm、S型ロールの圧力:17.0Mpa、スクリュー:B型、整粒機のオシレーター:18メッシュとした。一方、実験例2と同様にフィルム乾燥して得られる馬鈴薯のα澱粉を篩い分けして、嵩密度が0.14g/mlのα澱粉を調製した。
中華風顆粒スープ及び実施例1で調製したα澱粉を用いて本発明の固形調味料を調製した。すなわち、表5に示す配合の調味料原料の合計200kgを流動層造粒機に投入し、混合撹拌しながら吸気温度60℃で、1%馬鈴薯澱粉を溶解した水をバインダーとして前記原料の10重量%を4回に分けて吹き込み、30分かけて造粒した。
外層におけるα澱粉の含量が内層よりも高い三層構造を有する本発明の固形調味料を以下のように調製した。実施例1で得た和風粉末スープに対し、実施例1で調製したα澱粉を5重量%となるように混合して内層部用とし、同様に20重量%となるように混合して外層部用とした。まず0.67gの外層部を圧縮容器に入れ、次いで2.66gの内層部を重層、更に、0.67gの外層部を重層して合計が4gで且つα澱粉の合計含量が0.4g(10重量%)となるようにした。これを60kNで圧縮成型して三層構造を有する本発明の固形調味料を調製した。この固形調味料の崩壊時間は160秒であった。同様に、内層におけるα澱粉の含量が外層よりも高い三層構造を有する本発明の固形調味料を調製した。すなわち、α澱粉含量が5重量%の外層部を各1.3g、α澱粉含量が20重量%の内層部を1.4gとした固形調味料を調製した。この固形調味料の崩壊時間は100秒であった。これらの固形調味料の摩損及び風味変化は認められなかった。なお、α澱粉含量が10重量%の単層構造を有する固形調味料の崩壊時間は185秒であった。
Claims (11)
- 本発明において特定するゆるめ嵩密度測定法Aにより測定した場合に、嵩密度が0.06〜0.20g/mlであるα澱粉を含有することを特徴とする易崩壊性固形調味食品。
- 易崩壊性固形調味食品が、液中で容易に分散・溶解する易崩壊性の固形の調味料又はスープ類であることを特徴とする請求項1記載の易崩壊性固形調味食品。
- α澱粉を、易崩壊性固形調味食品中3〜20重量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の易崩壊性固形調味食品。
- α澱粉が、糊化澱粉をフィルム乾燥後、粉砕、篩い分け整粒して調製されたα澱粉であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の易崩壊性固形調味食品。
- 固形調味食品が、調味成分を含有する粉粒体の圧縮成型物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の易崩壊性固形調味食品。
- 調味成分を含有する粉粒体が、粉末又は顆粒の調味料又はスープ類を含み、且つα澱粉を含むことを特徴とする請求項5記載の易崩壊性固形調味食品。
- 固形調味食品が、錠剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の易崩壊性固形調味食品。
- 錠剤が多層構造であって、隣接する層におけるα澱粉の含有量が相互に異なる多層構造であることを特徴とする請求項7記載の易崩壊性固形調味食品。
- 錠剤が三層から構成され、内層部分のα澱粉の含有量が外層部分より多いことを特徴とする請求項8記載の易崩壊性固形調味食品。
- 粉末又は顆粒の調味料又はスープ類と、本発明において特定するゆるめ嵩密度測定法Aにより測定した嵩密度が0.06〜0.20g/mlのα澱粉と、粉末又は顆粒の崩壊剤、賦形剤を混合し、該混合物中の前記α澱粉の含有量を3〜20重量%として、これを圧縮成型することを特徴とする易崩壊性固形調味食品の製造方法。
- 圧縮成型が、圧縮成型機を用いて圧縮成型し、錠剤形状とする請求項10記載の易崩壊性固形調味食品の製造方法。
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