JP4350279B2 - 空気清浄機能付き暖房装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、臭いセンサの検出出力から臭い成分の存在を検知する臭い検知手段を用いて室内の空気清浄を図る空気清浄機能付き暖房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
室内の空気清浄を図る空気清浄機は塵埃センサや臭いセンサを備え、これらセンサが室内の塵埃や悪臭を検出すると自動的にファンを運転させたり、或いは塵埃や悪臭を検出したことを表示により使用者に知らせ、この表示を見た使用者の手動操作によりファンの能力を切り換え、集塵フィルタや脱臭フィルタにより塵埃や悪臭を除去するようになっている。
【0003】
この種の空気清浄機に用いられる臭いセンサは主にタバコの臭い成分を検出対象(臭い成分中の水素を主に対象とする)とし、一般的には金属酸化物により形成された半導体ガスセンサが多く用いられている。
【0004】
ここで、空気清浄機における一般的な臭いセンサの臭い検知方法について説明する。臭いセンサとして使用される半導体ガスセンサは臭い成分に反応すると抵抗値が減少するという特性があること、また曝される環境(雰囲気の空気成分、温度、湿度など)により抵抗値が異なることより、抵抗値の変化度合いにより臭い成分の存在を検知し空気の汚れを判定する方法が一般的である。
【0005】
図8において、臭いセンサにおける空気の汚れ判定方法について説明する。横軸に時間、縦軸に抵抗値、抵抗変化率、汚れ判定レベルを示す。センサの抵抗値をrs、変化率の基準となる基準抵抗値をRで示す。また汚れは抵抗値の変化率(rs/R)の値で判定する。電源ON後、センサに内蔵されたヒータが安定するまでのT0経過以降でのセンサの信号を有効とする。
【0006】
基準抵抗値Rは次のように更新する。初期T0では、抵抗値rsを基準抵抗値Rとする。抵抗値rsが増加(清浄方向に変化)して基準抵抗値Rより大きくなる時は、基準抵抗値Rは抵抗値rsで更新される。また、喫煙などにより空気汚染(Tx)が生じて汚れを判定するT1迄は、時間T経過毎に基準抵抗値RはT間での抵抗値rsの最大値(最も清浄な値)で更新される。また、T1から汚れがなくなったことを判定したT2迄の間、基準抵抗値RはT1時の値に固定される。センサの感度を良化するため、空気がよりきれいな時の値を基準抵抗値Rとすること、また一日の中の温湿度変化による抵抗値rsの変化をキャンセルするため、一定時間T毎に基準値を決め直すことが基準抵抗値Rの更新の考え方となっている。
【0007】
一般的な空気清浄機においては、更新時間Tは15分〜20分程度となっている。汚れの判定は、抵抗変化率(rs/R)より判定し、変化率が閾値A−1となった時点で汚れレベル1、閾値A−2となった時点で汚れレベル2とし、閾値の数で汚れ判定レベルの度数を決めることができる。一般的な空気清浄機においては、最初に汚れを判定する閾値は、0.85〜0.8程度となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の半導体ガスセンサは、温度の変化や湿度の影響を受けてその検知感度が変化するという特性を持っている。そのため空気清浄機単独では特に問題はないが、最近提供されている空気清浄機能付き暖房装置では、暖房開始時に周囲の空気の急速な温度上昇の影響を受けて臭いセンサの検知感度が変化(空気汚染側に反応)し、空気清浄部を誤動作させるという問題があった。また石油或いはガスを燃焼させる加熱手段を用いている開放型の温風暖房部を備えた暖房装置にあっては、燃焼時に発生する水分による湿度の影響を受けて温度上昇の場合と同様に臭いセンサの検知感度が変化(空気汚染側に反応)し、空気清浄部を誤動作させるという問題があった。また石油或いはガスの燃焼排ガス成分に半導体ガスセンサが直接反応して、空気清浄部を誤動作させるという問題があった。
【0009】
上記のような空気清浄機能付き暖房装置の従来例において、図9に示す温調機能付きのガス温風暖房機で暖房運転した際の空気清浄部の臭いセンサの挙動について説明する。横軸に時間、縦軸に抵抗値、抵抗変化率、暖房機器の運転による室温変化を示す。ここで、基準抵抗値R、抵抗変化率(rs/R)、汚れ判定方法は図8の従来例に基づいて説明した内容に準ずる。
【0010】
暖房機器運転による室温変化のチャートでは、臭いセンサが汚れ判定を行う中、T1において暖房運転を開始し、T2において設定温度tsに達している。T2以降は設定温度tsを保つよう暖房量を調節しながら暖房運転を継続している。その中T3において換気のため部屋のドアや窓を開け、T4において閉め、T4以降は暖房運転を継続していく。それに伴い臭いセンサの抵抗値rsは、暖房開始のT1から設定温度tsに達する間に大きく減少(汚染方向に変化)していく。これは暖房開始により室温が短期間に大きく変化したこと、暖房機器が設定温度に達する迄は最大能力で運転するため、ガス燃焼時に排出される水分や排ガスの影響が大きいことにより生じている。暖房機器が温度調節しているT2からT3迄の間は抵抗値rsは減少するもののその度合いは小さい。これは設定温度tsがほぼ一定に保たれていること、温度調節で暖房能力を絞るためガス燃焼量が減少することによるものである。
【0011】
また、T3にて換気をすると外部の冷たい乾燥した新鮮な空気が臭いセンサに触れるためセンサ雰囲気の環境が一変して抵抗値rsが増加(清浄方向に変化)し、その後の換気を止めたT4ではセンサ雰囲気の環境が換気前の室内の状態に馴染み、抵抗値rsが換気前の値近くまで減少(汚染方向に変化)していく。この抵抗値rsの変化により、抵抗変化率(rs/R)は、暖房開始後のT1からT2迄の間、換気終了後のT4後に大きな減少方向の変化を示し、一般的な空気清浄機の汚れを判定する閾値0.8を超え、暖房をしたことや換気をしたことで空気の汚れ有りと誤判定してしまう。
【0012】
また温度調節しながら暖房運転するT2からT3迄の間でも、抵抗変化率(rs/R)は減少方向の変化があり、臭いによる空気の汚れが小さい時でも閾値との余裕度が少なくなり、わずかな臭いの検知により汚れ有りと誤判定する可能性がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、空気の汚染に応じて抵抗値rsが小さくなる半導体ガスセンサからなる臭いセンサと、この臭いセンサの検出出力から臭い成分の存在を検知する臭い検知手段と、この臭い検知手段の検知する空気汚染レベルに基づいて運転される空気清浄用のファンとを備えた空気清浄部と、室温を検知する温度センサを備えた温風暖房部とを併設した空気清浄機能付き暖房装置において、前記臭い検知手段は、温風暖房部が停止している間の第1検知感度と、温風暖房部が運転している間の第2検知感度とを有し、かつ空気汚染レベル零での前記臭いセンサの初期抵抗値を基準抵抗値Rとして、一定時間ごとに検出される前記臭いセンサの抵抗値rsの前記基準抵抗値Rに対する変化率(rs/R)を求め、その時々の変化率と予め設定した空気汚染レベルの判定閾値とを比較することで臭い成分の存在を検知し前記変化率の値で空気汚染レベルを判定するのに、予め設定した空気汚染レベルを判定する迄の間は、前記検出抵抗値rsの暖房運転開始時点からの検出回毎における最大抵抗値データで更新し、予め設定した空気汚染レベルを判定した後は現基準抵抗値Rを維持して、前記変化率を求めるようにし、前記第2検知感度を、前記第1検知感度における前記基準抵抗値Rの前記一定検出回毎の更新間隔よりも短く設定することにより、前記臭い検知手段の検知感度を低下させることを特徴とするものである。
【0014】
上記発明によれば、空気汚染レベル零での前記臭いセンサの初期抵抗値を基準抵抗値Rとして、一定時間ごとに検出される前記臭いセンサの抵抗値rsの前記基準抵抗値Rに対する変化率(rs/R)を求め、その時々の変化率と予め設定した空気汚染レベルの判定閾値とを比較することで臭い成分の存在を検知し前記変化率の値で空気汚染レベルを判定するのに、臭いセンサ感度が鋭敏化(空気汚染側に変化)する暖房運転時に生じる急激な室内温度変化、湿度変化、燃焼排ガスなどの外乱要素による影響を、臭い検知手段の検知感度を低下させることにより、本来検出すべき臭い成分以外の外乱要素に対する臭いセンサの反応に余裕をもたせることで、暖房運転時の空気清浄部の誤動作を防止することができ、特に、予め設定した空気汚染レベルを判定する迄の間は、前記検出抵抗値rsの暖房運転開始時点からの検出回毎における最大抵抗値データで更新し、予め設定した空気汚染レベルを判定した後は現基準抵抗値Rを維持して、前記変化率を求めるようにするので、例えば各該当回中の抵抗値データのうちの最大値(最もきれいな値)で更新することにより、空気汚染時に汚れの変化を大きくした清浄化に有利な条件にて検出することができるし、1日の中の温湿度変化による抵抗値変化をキャンセルすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
上記目的を達成するために請求項1の発明では、半導体ガスセンサからなる臭いセンサと、この臭いセンサの検出出力から臭い成分の存在を検知する臭い検知手段と、この臭い検知手段の検知に基づいて運転される空気清浄用のファンとを備えた空気清浄部と、室温を検知する温度センサを備えた温風暖房部とを併設した空気清浄機能付き暖房装置において、前記臭い検知手段の検知感度は、温風暖房部が停止している間の第1検知感度と、温風暖房部が運転している間の第2検知感度とを有し、前記第2検知感度は前記第1検知感度より感度を低下させていることを特徴とする。この発明によれば、温風暖房部が停止している間と温風暖房部が運転している間とでの検知感度を第1、第2検知感度と別々に設定することができ、暖房運転時は感度を低下させることで、臭いセンサの出力値が暖房運転時の急激な温度変化や湿度の影響や排ガス濃度の変化に反応し変動しても、臭い成分の存在有りと誤検知することなく、その結果空気清浄部の誤動作を防止することができる。
【0016】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、臭い検知手段の検知により空気清浄用ファンを自動運転する制御手段を備えることにより、温風暖房部と空気清浄部とを同時運転している時でも、臭いセンサの検出した臭い成分をもとに自動的に空気清浄用のファンの運転を行うことができる。
【0017】
請求項3の発明では、請求項1の発明において、臭い検知手段の第2検知感度の検知感度をゼロ(感度なし)とすることにより、石油やガスの燃焼排ガス成分と臭いセンサの反応成分とが一致した時でも、暖房運転をきっかけとして臭い成分の存在有りと誤検知するのを確実に防止することができる。
【0018】
請求項4の発明では、請求項1の発明において、温風暖房部は温度センサの検知に基づいて室温を設定温度に保つ温度調節機能を備え、臭い検知手段の検知感度は、温風暖房部が運転している間において運転開始から室温が設定温度に達する迄の第3検知感度と、温風暖房部が運転している間において設定温度に達した以降の第4検知感度とを有し、前記第3検知感度は前記第4検知感度より感度を低下させている。
【0019】
この発明によれば、暖房量(燃料消費量)が多く、温度・湿度変化が大きい暖房運転開始から設定温度に達する迄の間と、温調機能で暖房量を絞って運転し、比較的温度・湿度変化も小さい設定温度に達した以降とでの検知感度を第3、第4検知感度と別々に設定して切り換えられることができ、暖房運転初期の感度(第3検知感度)を低下させることで、急激な温度変化や湿度の影響や排ガス濃度の変化に反応して変動しても、臭い成分の存在有りと誤検知することなく、その結果空気清浄部の誤動作を防止することができる。且つ設定温度に達した以降の感度(第4検知感度)を良化させることで、温風暖房部と空気清浄部との同時運転時においても臭い成分の検出レベルを改善することができる。
【0020】
請求項5の発明では、請求項4の発明において、暖房運転初期の感度である第3検知感度の検知感度をゼロ(感度なし)とすることにより、暖房運転開始時での急激な温度変化や湿度の影響や排ガス濃度の変化などの外乱が重なる臭いセンサの反応をなくし、暖房運転をきっかけとして臭い成分の存在有りと誤検知するのを確実に防止することができる。
【0021】
請求項6の発明では、請求項1ないし5の何れかの発明において、臭い検知手段は、臭いセンサの清浄下での検出値を基準値とし、臭い成分を検出する迄の間は、前記基準値を所定時間毎に更新しながらこの基準値を基準として臭いセンサの検出値との変化率を求め、この変化率と予め設定した閾値とを比較することで臭い成分の存在を検知し変化率の値で汚れを判定するものであって、基準値の更新間隔を前記所定時間よりも短く設定することにより、前記臭い検知手段の検知感度を低下させている。
【0022】
請求項7の発明では、請求項1ないし5の何れかの発明において、臭い検知手段は、臭いセンサの清浄下での検出値を基準値とし、臭い成分を検出する迄の間は、前記基準値を所定時間毎に更新しながらこの基準値を基準として臭いセンサの検出値との変化率を求め、この変化率と予め設定した閾値とを比較することで臭い成分の存在を検知し変化率の値で汚れを判定するものであって、前記閾値の設定に余裕を設けることにより、前記臭い検知手段の検知感度を低下させている。
【0023】
請求項8の発明では、請求項1、2、4または5の発明において、臭い検知手段は、臭いセンサの清浄下での検出値を基準値とし、臭い成分を検出する迄の間は、前記基準値を所定時間毎に更新しながらこの基準値を基準として臭いセンサの検出値との変化率を求め、この変化率と予め設定した閾値とを比較することで臭い成分の存在を検知し変化率の値で汚れを判定し、前記閾値の設定に余裕を設けることにより、前記臭い検知手段の検知感度を低下させるものであって、臭い成分を検出している間に検知感度に切り換わりが生じた時に、臭いセンサの検出値と検知感度切り換わり後の閾値より基準値を求めてこの基準値の更新を行っている。
【0024】
この発明によれば、臭いセンサにより臭い成分を検出中に温風暖房部の運転状態が変化して臭い検知感度が変化し閾値が切り換わった時でも、臭いセンサの検出値と検知感度切り換わり後の閾値より基準値を算出し更新することにより、切り換わり時点で判定していた汚れのレベルを継続して判定することができ、機器の運転状態の変化による汚れ表示などの状態変化を防止することができる。
【0025】
請求項9の発明では、請求項1ないし5の何れかの発明において、臭い検知手段は、臭いセンサの清浄下での検出値を基準値とし、臭い成分を検出する迄の間は、前記基準値を所定時間毎に更新しながらこの基準値を基準として臭いセンサの検出値との変化率を求め、この変化率と予め設定した閾値とを比較することで臭い成分の存在を検知し変化率の値で汚れを判定するものであって、前記基準値よりも臭いセンサの検出値が清浄になった時は、前記基準値が時定数をもって徐々に臭いセンサの検出値となるように基準値を更新している。
【0026】
この発明によれば、基準値をより清浄な値にすることにより、汚れ(臭い成分)に対してより感度を良化する。且つ、暖房運転時の換気を行った時の臭いセンサの検出値が一旦清浄側へ変化しまた急激に元の状態に戻るような挙動に対して、基準値が時定数をもって徐々に清浄側に更新されるため、換気後に検出値がほぼ元の値近くに戻っても基準値は大きく清浄な値にまで更新されておらず、変化率は小さくなり臭い成分有りとの誤検知とそれに基づいて汚れ有りとの誤判定がなくなる。これにより暖房運転中の換気などによる空気清浄部の誤動作を防止することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施形態について実施例1から実施例4を示す図面を用いて説明する。
【0028】
(実施例1)
図1はガスを燃焼させて暖房を行う温風暖房部と空気清浄部とを併設した開放型暖房装置からなる実施例1の制御系の回路構成を示すブロック図である。また図2は実施例1の機構部の概略構成を示す構成図である。実施例1では、図2に示すように装置本体1内を上下に略2分して上側に空気清浄部2の機構要素を、下側に温風暖房部3の機構要素を配置してある。
【0029】
実施例1の温風暖房部3の機構要素は都市ガスやLPガス等の燃焼ガスを燃焼させるガスバーナ4からなる燃焼部5と、温風ファン6と、温風ファン6の駆動モータM1(図1参照)と、装置本体1の裏面に開口した吸気口7に被着された塵埃フィルタ8とで構成され、暖房時には温風ファン6を駆動モータM1により回転させて吸気口7から塵埃フィルタ8を介して燃焼部5内へ空気を吸い込んで加熱した後、温風ファン6により装置本体1の正面下部に開口した温風吹き出し口9より室内へ温風として送り出す。
【0030】
一方、空気清浄部2の機構要素は、装置本体1の正面上部に開口した空気清浄用の吸気口10の内側に設けた集塵フィルタ11及び脱臭フィルタ12からなるフィルタ部と、シロッコファンからなる空気清浄用のファン(以下空清ファンと言う)13と、空清ファン13の駆動モータM2とからなり、空気清浄時には空清ファン13を駆動モータM2により回転させて吸気口10より室内の空気を吸い込んで空気中の塵埃を集塵フィルタ11により除塵し、また空気中の臭い成分を脱臭フィルタ12で除去し、清浄化した空気を空清ファン13により装置本体1の上面に開口した空気吹き出し口14より室内に送り込む。
【0031】
上記の空気清浄部2及び温風暖房部3の回路構成は図1に示すように、温風ファン6用の駆動モータM1の駆動部20と、電磁弁や比例弁を有しジョイント部26(図2)からガスバーナ4へ燃料ガスを供給する燃料供給部24と、ガスバーナ4を点火する点火部25と、サーミスタからなり室温の雰囲気温度(室温)を検出する温度センサ15と、熱電体からなりガスバーナ4の燃焼炎の状態から着火や立ち消えを検出する炎検出センサ18と、空清ファン13用の駆動モータM2の駆動部21と、室内の塵埃を検知する光電式塵埃センサ17と、室内で発生する臭いの原因のガス(例えば煙草の煙と共に生成される水素ガス成分<以下臭い成分と言う>)を検知する半導体式ガスセンサからなる臭いセンサ16と、臭いセンサ16の出力に基づき臭い成分の存在を検知し、空気の汚れレベルを判定する臭い検知手段22と、運転スイッチや室温設定スイッチ等の各種操作スイッチ及び室温表示や運転状態を表示する表示器を表示する表示/操作部19と、商用の交流電源ACを降圧し且つ平滑して直流電圧Vccを得る直流電源部27と、マイクロコンピュータからなり装置本体1の信号処理や制御を後述するように行う制御回路部23とから構成される。ここで、臭い検知手段22も制御回路部23の一部に含まれるように構成されている。また、図2に示すように温度センサ15を例えば吸気口7近傍に室内に臨むように、臭いセンサ16や塵埃センサ17を例えば吸気口10近傍で装置本体1の前面に配置する。
【0032】
次に実施例1の全体的な動作について簡単に説明する。温風暖房部3と空気清浄部2は、表示/操作部19に各々独立に設けられた運転スイッチの操作により、温風暖房部3のみ運転、空気清浄部2のみ運転、温風暖房部3と空気清浄部2が同時に運転するという3状態の運転パターンが生じる。
【0033】
温風暖房部3は表示/操作部19の運転/停止操作に基づいて制御回路部23により、その運転と停止が制御されるようになっており、運転中にあっては温度センサ15の検出する検出温度が設定温度(目標温度)となるように燃料供給部24の比例制御弁が制御回路部23により制御されてガスバーナ4への供給燃料が制御され、燃焼能力が調節される。
【0034】
一方、空気清浄部2は表示/操作部19の運転スイッチがオンされていると、運転待機状態となり、臭いセンサ16あるいは塵埃センサ17の検出出力に基づき制御回路部23により空清ファン13の能力を自動制御すると共に、空気の汚れの状態を表示/操作部19に表示する。
【0035】
ここで、実施例1に用いる臭いセンサ16は酸化錫などを主体とする金属酸化物からなる感ガス体(図示せず)を主構成要素とする半導体ガスセンサからなる。また臭いセンサ16は感ガス体を加熱するヒータ(図示せず)を備え、このヒータの通電が制御回路部23により制御されることで感ガス体の温度を高温あるいは低温状態にすることができるようになっている。臭いセンサ16のように主に煙草の煙の除去を目的とするために、煙草が燃焼した際の水素ガスを臭い成分として検出対象とする場合には高温状態に設定して使用する。
【0036】
半導体ガスセンサからなる臭いセンサ16は、検出対象の臭い成分に曝されるとセンサのもつ抵抗値が減少する特性を持っている。また臭いセンサ16が曝される環境(雰囲気の空気成分、温度、湿度)により抵抗値が異なるため、臭い検知手段22は抵抗値の変化度合いにより空気の汚れの有無(臭い成分の存在)を検知し、汚れを判定するようになっている。
【0037】
図3、図4において実施例1の臭いセンサ16を用いた空気の汚れ判定の方法について説明する。以下に説明する信号処理や制御は臭い検知手段22により行われ、マイクロコンピュータにより実現される。
【0038】
図3は、温風暖房部3が停止し空気清浄部2のみ運転している時の汚れ判定方法を示すタイムチャート図である。横軸に時間、縦軸に抵抗値、抵抗変化率、汚れ判定レベルを示す。
【0039】
各チャートの概要を説明する。抵抗値を示すチャートには、センサの抵抗値rs、センサの抵抗値rsを基に決定した基準抵抗値Rを示す。抵抗変化率φは式(1) で表され、0から1の値を取り得る。
【0040】
φ=rs/R‥‥‥‥‥‥‥(1)
センサの抵抗値rsは汚染空気に曝されると減少するため、この抵抗変化率の値が小さい程汚れの度合いが大きいと言える。また、汚れの度合いを示す汚れ判定レベルは、抵抗変化率φと判定閾値を比較し、汚れがどのレベルにあるかを判定する。実施例1では、汚れレベル0(きれいな状態)から汚れレベル3の4段階で空気の汚れを判定するため、3水準の判定閾値を用意してある。汚れレベル0と1の判定は、0から1へは閾値Lc−1、1から0へは閾値L’c−1で判断し、閾値の大小関係を式(2) で表す。
【0041】
(Lc−1)<(L’c−1)‥‥‥‥‥‥‥(2)
抵抗変化率φが閾値近くで安定した際でも安定して汚れレベルを判定するため変化方向で異なった閾値を設定し、汚れレベルをLEDなどの表示器で表示する場合にLEDの不要なちらつきを防止する配慮がしてある。抵抗変化率で0.03〜0.05程度の差があればよい。また同様に、汚れレベル1と2の判定は、閾値Lc−2と閾値L’c−2で判断し、汚れレベル2と3の判定は、閾値Lc−3と閾値L’c−3で判断する。各レベルの閾値は0.05から0.1のレベル差を有し、その大小関係を式(3) で表す。
【0042】
(Lc−1)>(Lc−2)>(Lc−3)‥‥‥‥‥‥‥(3)
抵抗値について更に詳しく説明すると、抵抗値rsは臭いセンサ16の抵抗値を1または2秒程度の時間毎にサンプリングしてその変化を記述したものである。空気清浄部2の運転を開始した後、ヒータの温度安定時間T0経過後の抵抗値rs0から抵抗値を有効とする。喫煙や調理時に発生するアルコール等により室内の空気汚染(Tx頃)が発生し抵抗値が大きく減少した様子を示している。
【0043】
基準抵抗値Rはセンサ抵抗値の変化率を求める時の基準値であり、次のように決まる。
【0044】
まずは、空気がきれいな状態である汚れレベル0においては、初期T0では、抵抗値rs0を基準抵抗値Rとする。抵抗値rsが増加(空気がきれいになっていく方向に変化)し基準抵抗値Rより大きくなる時は、基準抵抗値Rは抵抗値rsで更新する。抵抗値rsが減少(汚染方向に変化)し基準抵抗値Rより小さくなる時は、基準抵抗値Rはそのままとする。また、時間Tc経過毎に基準抵抗値RはTc間での抵抗値rsの最大値(最もきれいな値)で更新する。Tc経過毎にこれを繰り返す。これは空気汚染時に汚れの変化を大きく検出するために基準抵抗値Rを空気がよりきれいな時の抵抗値にすること、また1日の中の温湿度変化による抵抗値変化をキャンセルするため、一定時間毎に基準値を決め直すことが基準抵抗値Rの更新の考え方となっているためである。
【0045】
次に、空気汚染が発生し汚れを検出した汚れ判定レベル1以上においては、基準抵抗値Rは汚れ判定レベル0を判定したT1においての値を保持する。また空気清浄部2の運転により空気汚染が解消し、きれいな状態の汚れレベル0を判定したT2において基準抵抗値Rの更新を再開する。T2において抵抗値rsを基準抵抗値Rとし、T2以降は初期と同様に時間Tc経過毎に更新を行う。これは空気汚染中のセンサ抵抗値は基準値にできないためである。
【0046】
図4は、温風暖房部3の運転を開始し空気清浄部2と同時運転した時の空気の汚れ判定方法を示すタイムチャート図である。横軸に時間、縦軸に抵抗値、抵抗変化率、汚れ判定レベルを示す。
【0047】
抵抗値rs、基準抵抗値R、抵抗変化率φ、判定閾値、汚れ判定レベルの判定方法の概要は、図3で説明した内容に準じる。基準抵抗値Rの更新方法での相違点は、温風暖房部3が運転中は基準抵抗値Rの更新時間がTdであること。また、温風暖房部3の運転時点でTdのカウントを開始し、その時の抵抗値rsで基準抵抗値Rを更新することである。汚れレベルの判定での相違点は、空気清浄部2のみ運転時と温風暖房部3との同時運転時とで判定閾値が異なることである。判定閾値が汚れレベル0と1の判定は、閾値Ld−1と閾値L’d−1であること、同様に汚れレベル1と2の判定は、閾値Ld−2と閾値L’d−2で判断し、汚れレベル2と3の判定は、閾値Ld−3と閾値L’d−3で判断することである。更新時間、各判定閾値の条件を式(4) 、式(5) で表す。
【0048】
Tc>Td‥‥‥‥‥‥‥(4)
(Lc−1)>(Ld−1)‥‥‥‥‥‥‥(5)
次に、温風暖房部3が運転した時の抵抗値rsの挙動について説明する。温風暖房部3が運転を開始すると、室内の温度上昇、湿度上昇、燃焼排ガスの濃度増加などの要因により、あたかも空気が汚染したかのようにセンサの抵抗値rsが減少していく。そのために、図3に示した温風暖房部3の停止時の汚れ判定の方法では、暖房を行う毎に空気清浄部2が空気汚染を検出し、複合機として整合性がない動作(いわゆる誤動作)をすることとなる。そこで図4に示す実施例1では、温風暖房部3との同時運転においては、温風暖房部3の運転開始時に抵抗値rsで基準抵抗値Rを更新すること、汚染判定レベル0時の基準更新時間を空気清浄部2のみ運転時(温風暖房部3の停止時)より短く設定し、更新までの間に抵抗値の変化を少なくすること、汚れ判定の閾値を温風暖房部3の停止時より小さく設定し、温風暖房運転による変化に対して余裕を持つことにより、誤動作を防ぐことができる。言い換えれば、更新時間と閾値の設定を切換えることで汚れに対する検知感度を低下させることができ、誤動作を防止することができる。
【0049】
図4の実施例1においては、Tcは20分、Tdは10分。またLc−1は0.8、Ld−1は0.7〜0.6の設定としている。
【0050】
また、Tc、Lc−1はそのままの定数とし、空気清浄部2のみ運転時の検知感度を保ちながら、Tdは0分、またはLd−1は0.0に設定することで、温風暖房部3の運転時の検知感度をなくすことができる。実施例1ではガス温風暖房機を説明しているが、石油を燃焼とした場合には臭いセンサ16が反応する空気の汚染成分の度合いは増すため、検知感度をなくすことは確実に誤動作を防ぐ手段となる。また臭いセンサ16の検出目標を煙草の煙(燃焼時の水素ガス)以外の生活臭にも対応するセンサを新たに搭載した時、燃焼ガスの排出成分と臭いセンサ16の検出成分が一致するような場合が生じても、温風暖房部3との同時運転時には検知感度をなくす(ゼロにする)ことにより誤動作を防止することができる。臭いセンサ16の検知感度をなくした際、実施例1にあるように塵埃センサ17を併せて搭載することで、温風暖房部3の運転時は塵埃センサ17で空気の汚れをモニタして空気清浄部2の動作を制御することができる。
【0051】
(実施例2)
実施例2では実施例1と同様に、開放型暖房装置の制御系の回路構成を示すブロック図を図1、その機構部の概略構成を示す構成図を図2、温風暖房部3が停止し空気清浄部2のみ運転している時の空気の汚れ判定方法を示すタイムチャート図を図3に示している。実施例1と異なる点は、温風暖房部3の運転を開始し空気清浄部2と同時運転した時の汚れ判定方法であり、図5にタイムチャート図を示す。
【0052】
図5は、温風暖房部3が運転し空気清浄部2と同時運転した時の空気の汚れ判定方法を示すタイムチャート図である。横軸に時間、縦軸に抵抗値、温風暖房部3の運転による室温変化、抵抗変化率、汚れ判定レベルを示す。
【0053】
温風暖房部3は、時間T1で運転を開始し、温度センサ15の検出温度が設定温度tsになるT2までは最大の燃焼能力(ガス燃焼量)で運転し、T2以降は室温を設定温度tsに保つよう燃焼能力を調節(減少)しながら運転する。
【0054】
抵抗値rs、基準抵抗値R、抵抗変化率φ、判定閾値、汚れ判定レベルの判定方法の概要は、図3で説明した内容に準じる。基準抵抗値Rの更新方法での相違点は、温風暖房部3が最大能力で燃えるT2迄は基準抵抗値Rの更新時間がTd1であるが、一旦設定温度tsに達したT2以降は基準抵抗値Rの更新時間Td2と異なることである。また、温風暖房部3がT1となった時点でTd1のカウントを開始し、その時の抵抗値rsで基準抵抗値Rを更新することである。汚れレベルの判定での相違点は、空気清浄部2のみ運転時と温風暖房部3との同時運転時のT1からT2の間(最大の燃焼能力で運転)と、T2以降(燃焼能力を調節運転)とで判定閾値が異なることである。T1からT2の間では、判定閾値が汚れレベル0と1の判定は、閾値Ld1−1と閾値L’d1−1であること。同様に汚れレベル1と2の判定は、閾値Ld1−2と閾値L’d1−2で判断し、汚れレベル2と3の判定は、閾値Ld1−3と閾値L’d1−3で判断することである。T2以降では、判定閾値が汚れレベル0と1の判定は、閾値Ld2−1と閾値L’d2−1で判断する。同様に汚れレベル1と2の判定は、閾値Ld2−2と閾値L’d2−2で判断し、汚れレベル2と3の判定は、閾値Ld2−3と閾値L’d2−3で判断することである。各更新時間、各判定閾値の条件を式(6) 、式(7) で表す。
【0055】
Tc>Td2>Td1‥‥‥‥‥‥‥(6)
(Lc−1)>(Ld2−1)>(Ld1−1)‥‥‥‥‥‥‥(7)
次に、温風暖房部3が運転した時の抵抗値rsの挙動について説明する。温風暖房部3が運転を開始すると、実施例1と同様に室内の温度上昇、湿度上昇、燃焼排ガスの濃度増加などの要因により、あたかも空気が汚染したかのようにセンサの抵抗値rsが減少していく。そのために、運転開始(T1)後から設定温度tsとなる(T2)迄は、運転開始時との温度差が大きくまた最大能力で燃焼するため水分や排出ガス濃度も高く、臭いセンサ16の抵抗値rsは汚染方向に大きく減少する。一方、一度設定温度tsに達した(T2)以降は、室温がほぼ一定となり燃焼能力も減少するため、温風暖房部3が運転していても臭いセンサ16の抵抗値の減少は比較的小さいものとなっている。
【0056】
図5に示す実施例2では、T1からT2迄の間とT2以降とで、基準抵抗値Rの更新時間と判定閾値を別々に設定することにより、温風暖房部3の運転状態により臭いセンサ16の検知感度を切り換えることができる。温風暖房部3との同時運転時、暖房運転を行い設定温度tsに達した時に抵抗値rsで基準抵抗値Rを更新すること、設定温度tsに達した以降は汚染判定レベル0時の基準更新時間を設定温度tsに達するまでの基準更新時間より長く設定すること、汚れ判定の閾値を設定温度tsに達するまでの基準更新時間より大きく設定することにより、温風暖房部3が温調燃焼する間は検知感度を鋭敏化することができ、本来検出すべき臭い成分への反応感度を良化することができる。併せて、設定温度tsに達するまでの臭いセンサ16の変動(汚染方向の変化)要因が大きいタイミングでは、実施例1のように温風暖房運転による影響に対して余裕を持って閾値を設定することにより、空気清浄部2の誤動作を防止することができる。
【0057】
図5に示す実施例2においては、Tcは20分、Td2は15分、Td1は10分。またLc−1は0.8、Ld2−1は0.75、Ld1−1は0.7〜0.6の設定としている。
【0058】
また、Tc、Lc−1及びTd2、Ld2−1はそのままの定数とし、空気清浄部2のみ運転時と暖房使用のほとんどの時間を占める温調燃焼状態での臭いセンサ16の検知感度を保ちながら、Td1は0分、またはLd1−1は0.0に設定することで、温風暖房部3の燃焼影響が大きい暖房運転初期(設定温度tsに達する迄)の検知感度をなくすことができる。温風暖房部3の最大燃焼能力の違いや機器が使用される部屋の大きさの違いなどにより、温度変化の傾きや室内の水分や燃焼排ガス濃度の変化度合いが異なり、臭いセンサ16の抵抗値変化への影響度合いも各々の状況によって異なる。いろいろな使用状況を考えた場合、検知感度をゼロとすることで、温風暖房部3の運転による空気清浄部2の誤動作を確実に防ぐことができる。
【0059】
(実施例3)
実施例3では実施例1と同様に、開放型暖房装置の制御系の回路構成を示すブロック図を図1、その機構部の概略構成を示す構成図を図2、温風暖房部3が停止し空気清浄部2のみ運転している時の汚れ判定方法を示すタイムチャート図を図3に示している。また実施例2と同様に、温風暖房部3の運転を開始し空気清浄部2と同時運転した時の汚れ判定方法については、図5にタイムチャート図を示す。この実施例3が実施例2と異なる点は、汚れ判定レベル1以上を判定している時、温風暖房部3の停止や運転状態に変化が生じ、汚れ判定レベルの判定閾値が切り換わる時の基準抵抗値Rの更新方法であり、図6にタイムチャート図を示す。
【0060】
図6は、温風暖房部3が温調運転中に空気清浄部2が汚れを検出し、汚れ検出中に温風暖房部3が停止となった時の汚れ判定方法と基準抵抗値Rの更新方法を示すタイムチャート図である。横軸に時間、縦軸に抵抗値、温風暖房部3の運転による室温変化、抵抗変化率、汚れ判定レベルを示す。
【0061】
温風暖房部3は、設定温度tsに室温を保つように運転を継続している。例えばスプレー類の噴霧により室内空気の汚染が生じ(Tx頃)、空気清浄部2の臭い検知手段22がT1において汚れを判定(汚れ判定レベル1)する。更に空気汚染が進み汚れ判定レベル2を判定している。この時、汚れ判定内容に従い空気清浄部2の空清ファン13の能力や表示/操作部19の汚れ表示に汚れ度合いを制御している。この状態において、Toff時に温風暖房部3が使用者の操作により停止した時、汚れの判定閾値が切り換わる。温風暖房部3運転時に抵抗変化率φと、汚れ判定レベル1から2の判定閾値Ld2−2と、汚れ判定レベル2から3の判定閾値Ld2−3とが式(8) の関係にあり、温風暖房部3停止後に抵抗変化率φと、汚れ判定レベル2から3の判定閾値Lc−3とが式(9) の関係にある時、実施例2の制御方法では汚れ判定レベルがレベル2からレベル3に切り換わることになる。
【0062】
(Ld2−3)>φ>(Ld2−2)‥‥‥‥‥‥‥(8)
φ>(Lc−3)‥‥‥‥‥‥‥(9)
温風暖房部3の運転状態に変化があると判定閾値を切り換えるため抵抗変化率φの値によっては、判定レベルが変化し、空清ファン13の動作状態や汚れ表示状態が変わってしまうという問題が生じる。
【0063】
本実施例3では、空気汚染検出中に判定閾値が切り換わる変化が生じた時、現状の汚れ判定レベルを継続するように、切り換わり後の判定閾値と抵抗値rsより、基準抵抗値Rを推定し更新する点が実施例2との相違点である。例えばToffにおいて、温風暖房部3運転時に汚れ判定レベル2の場合は、温風暖房部3停止後は式(10)に従い基準抵抗値Rを推定し更新する。
【0064】
R=rs/(Lc−n)‥‥‥‥‥‥‥(10)
(nは汚れ判定レベルで、1〜3)
温風暖房部3停止後は、抵抗変化率φが切り換わり後の判定閾値Lc−2と等しくなるように基準抵抗値Rを補正するため、判定レベルは閾値切り換わり前の汚れ判定レベル2を継続維持する。切り換わり後、判定レベル3となるには抵抗変化率φがLc−3以上、判定レベル1となるには抵抗変化率φがL’c−2未満となる必要があるが、基準抵抗値Rを推定し更新した時点では式(11)が成り立ち、汚れ判定レベル2が保たれる。
【0065】
(Lc−3)>{φ=(Lc−2)}>(L’c−2)‥‥‥‥‥‥‥(11)
図6においては、汚れ判定中に温風暖房部3が温調燃焼状態から停止となった時の動作を説明した。しかし、他に汚れ判定中に温風暖房部3が停止から運転状態に変わった時、暖房運転により設定温度tsになった時など、汚れ判定閾値の値が切り換わるタイミングにおいて、同様に基準抵抗値Rを補正し更新することで、温風暖房部3の動作切り換わり時に生じる汚れレベルの誤判定を防ぐことができ、空気清浄部2の誤動作を防止できる。
【0066】
また、実施例1において温風暖房部3運転時の検知感度がゼロでない場合も、同様に基準抵抗値Rを補正することで温風暖房部3の運転/停止時に生じる同様な誤動作を防ぐことができる。
【0067】
(実施例4)
本実施例4において上記実施例1〜3と異なる点は、基準抵抗値Rの更新方法である。汚れ判定レベル0(きれいな状態)にて抵抗値rsが増加(清浄方向に変化)し基準抵抗値Rより大きくなる時、基準抵抗値Rは時々刻々と変化する抵抗値rsを目標として、一定の時定数で徐々に増加させながら更新するところである。
【0068】
図7は、温風暖房部3が運転開始し空気清浄部2と同時運転した時の空気の汚れ判定方法と基準抵抗値Rの更新方法を示すタイムチャート図である。横軸に時間、縦軸に抵抗値、温風暖房部3の運転による室温変化、抵抗変化率、汚れ判定レベルを示す。
【0069】
汚れ判定レベルが0の時の基準抵抗値Rの更新は、初期T0では、抵抗値rs0を基準抵抗値Rとする。T0以降、抵抗値rsが増加(空気がきれいになっていく方向に変化)し基準抵抗値Rより大きくなる時は、基準抵抗値Rをより空気が清浄な抵抗値で更新していく。実施例1〜3では抵抗値rsそのもので直接更新するが、実施例4では、抵抗値rsとなるようその値を到達目標とし基準抵抗値Rの値を徐々に増加させながら更新する。抵抗値rsが安定または減少方向に変化し、基準抵抗値Rが抵抗値rsに到達するまで更新を続ける。図7のa部において、基準抵抗値Rがrs0からrs1に変化する様子を示す。
【0070】
図7においては、T1で温風暖房部3が運転を開始し、T2で室温が設定温度tsに達し、以降温調運転を継続している。T3において室内の換気をするために窓あるいはドアを開けると、臭いセンサ16が室外の環境が異なる新鮮な(通常では温度低下、湿度低下、燃焼排ガス濃度が低下した)空気に曝されるため、抵抗値rsは急激に増加(清浄方向に変化)する。1分程度換気した後、T4において窓あるいはドアを閉めると、臭いセンサ16の雰囲気は換気前の室内の空気の状態に馴染み、抵抗値rsは換気前のT1時点での抵抗値にほぼ近い値まで減少(汚染方向に変化)する。この時の基準抵抗値Rの変化は図7のb部にあるように、rs2からrs3への増加で留まり、T4以降抵抗値の減少が生じても抵抗値rsと基準抵抗値Rが式(12)の関係となり、抵抗変化率φは1以上となる。実施例4では、抵抗変化率φが1以上の時は1として扱い汚れレベルの判定を行っている。
【0071】
rs≧R‥‥‥‥‥‥‥(12)
これにより、換気後抵抗値rsが減少(汚染方向に変化)しても汚れを検出することはなく、温風暖房部3運転時の換気などによる空気清浄部2の誤動作を防ぐことができる。
【0072】
換気時間(T3〜T4の間)が長くなれば、基準抵抗値Rは増加していくが、室内の空気の入れ換わりの度合いが増し、換気終了後の抵抗値rsの戻りも少なくなる傾向になる。このため換気時間の長短差が生じても抵抗変化率φはさほど変化しない。
【0073】
実施例4での基準抵抗値R更新の時定数は、臭いセンサ16の抵抗値が数十(kΩ)の場合は約5〜20Ω/秒相当で更新する。清浄空気中での通常発生する抵抗値rsの増加方向の変化は、気温や湿度に影響されるが非常に緩やかなものである。また暖房中の換気による抵抗値rsの変化は自然環境の変化による影響では生じないほどの急激なものである。双方の抵抗値rsの変化速度を実験的に求め、通常の状態では基準抵抗値Rの更新が十分に追従し、暖房中の換気時は更新をキャンセルする時定数を設定している。
【0074】
尚、実施例4では、温風暖房部3と空気清浄部2とを複合した機器での説明であるが、一般の空気清浄機においても暖房器具との同時使用は行われることであるので実施例4は誤動作防止の点で有効な手段となる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、温風暖房部と空気清浄部とが一体となった空気清浄機能付き暖房装置において、空気清浄部の臭い検知手段が、温風暖房部停止時と運転時とでそれぞれ第1検知感度と第2検知感度の異なった検知感度を有し、第2検知感度を第1検知感度よりも低下するようにしている。よって、温風暖房部の運転による室内温度変化、湿度変化、燃焼排ガス濃度の増加などにより臭いセンサが汚染検出側へ反応しても、第2検知感度を低下させ前記反応に対し余裕を持つことで、温風暖房部と空気清浄部の同時運転時に臭いセンサの臭い成分有りとの誤検知による空気清浄部の誤動作を防止することができる。併せて、温風暖房部停止時(空気清浄部のみ運転時)は第1検知感度のみ設けることで温風暖房部運転の影響とは関係なく、感度良く空気の汚れ(臭い成分)を検知するという有効な効果を有する。特に、予め設定した空気汚染レベルを判定する迄の間は、前記検出抵抗値rsの暖房運転開始時点からの検出回毎における最大抵抗値データで更新し、予め設定した空気汚染レベルを判定した後は現基準抵抗値Rを維持して、前記変化率を求めるようにするので、例えば各該当回中の抵抗値データのうちの最大値(最もきれいな値)で更新することにより、空気汚染時に汚れの変化を大きくした清浄化に有利な条件にて検出することができるし、1日の中の温湿度変化による抵抗値変化をキャンセルすることができる。
【0076】
また、臭い検知手段が検知した臭い成分をもとに空気清浄部の空気清浄用ファンを制御し空気清浄能力を制御するようにしている。よって、空気清浄機能付き暖房装置においても、臭いセンサによる空気清浄部の自動運転を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の空気清浄機能付き暖房装置の回路構成を示すブロック図。
【図2】同空気清浄機能付き暖房装置の機構部の概略構成を示す側面図。
【図3】同空気清浄機能付き暖房装置の空気清浄部の臭い検知方法を示すタイムチャート図。
【図4】本発明の実施例1の空気清浄機能付き暖房装置の空気清浄部の臭い検知方法を示すタイムチャート図。
【図5】本発明の実施例2の空気清浄機能付き暖房装置の空気清浄部の臭い検知方法を示すタイムチャート図。
【図6】本発明の実施例3の空気清浄機能付き暖房装置の空気清浄部の臭い検知方法を示すタイムチャート図。
【図7】本発明の実施例4の空気清浄機能付き暖房装置の空気清浄部の臭い検知方法を示すタイムチャート図。
【図8】従来例の空気清浄機の臭い検出方法を示すタイムチャート図。
【図9】別な従来例の空気清浄機と暖房機器との同時使用時の臭いセンサの変化を示すタイムチャート図。
【符号の説明】
2 空気清浄部
3 温風暖房部
12 脱臭フィルタ
13 空気清浄用ファン
15 温度センサ
16 臭いセンサ
22 臭い検知手段
23 制御回路部

Claims (3)

  1. 空気の汚染に応じて抵抗値rsが小さくなる半導体ガスセンサからなる臭いセンサと、この臭いセンサの検出出力から臭い成分の存在を検知する臭い検知手段と、この臭い検知手段の検知する空気汚染レベルに基づいて運転される空気清浄用のファンとを備えた空気清浄部と、室温を検知する温度センサを備えた温風暖房部とを併設した空気清浄機能付き暖房装置において、
    前記臭い検知手段は、温風暖房部が停止している間の第1検知感度と、温風暖房部が運転している間の第2検知感度とを有し、かつ空気汚染レベル零での前記臭いセンサの初期抵抗値を基準抵抗値Rとして、一定時間ごとに検出される前記臭いセンサの抵抗値rsの前記基準抵抗値Rに対する変化率(rs/R)を求め、その時々の変化率と予め設定した空気汚染レベルの判定閾値とを比較することで臭い成分の存在を検知し前記変化率の値で空気汚染レベルを判定するのに、予め設定した空気汚染レベルを判定する迄の間は、前記検出抵抗値rsの暖房運転開始時点からの検出回毎における最大抵抗値データで更新し、予め設定した空気汚染レベルを判定した後は現基準抵抗値Rを維持して、前記変化率を求めるようにし、前記第2検知感度を、前記第1検知感度における前記基準抵抗値Rの前記一定検出回毎の更新間隔よりも短く設定することにより、前記臭い検知手段の検知感度を低下させることを特徴とする空気清浄機能付き暖房装置。
  2. 空気の汚染に応じて抵抗値rsが小さくなる半導体ガスセンサからなる臭いセンサと、この臭いセンサの検出出力から臭い成分の存在を検知する臭い検知手段と、この臭い検知手段の検知する空気汚染レベルに基づいて運転される空気清浄用のファンとを備えた空気清浄部と、室温を検知する温度センサを備えた温風暖房部とを併設した空気清浄機能付き暖房装置において、
    前記臭い検知手段は、温風暖房部が停止している間の第1検知感度と、温風暖房部が運転している間の第2検知感度とを有し、かつ空気汚染レベル零での前記臭いセンサの初期抵抗値を基準抵抗値Rとして、一定時間ごとに検出される前記臭いセンサの抵抗値rsの前記基準抵抗値Rに対する変化率(rs/R)を求め、その時々の変化率と予め設定した空気汚染レベルの判定閾値とを比較することで臭い成分の存在を検知し前記変化率の値で空気汚染レベルを判定するのに、予め設定した空気汚染レベルを判定する迄の間は、前記検出抵抗値rsの暖房運転開始時点からの検出回毎における最大抵抗値データで更新し、予め設定した空気汚染レベルを判定した後は現基準抵抗値Rを維持して、前記変化率を求めるようにし、前記第2検知感度を、前記第1検知感度における前記空気汚染レベルの判定閾値より小さく設定することにより、前記臭い検知手段の検知感度を低下させることを特徴とする空気清浄機能付き暖房装置。
  3. 臭い検知手段の検知により空気清浄用ファンを自動運転する制御手段を備えている請求項1または請求項2記載の空気清浄機能付き暖房装置。
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