JP4349235B2 - 積層電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、積層電子部品およびその製造方法に関するもので、特に、積層構造を有する部品本体の外表面上に内部電極と電気的に接続されるように形成される端子電極の構造および形成方法に関するものである。
この発明にとって興味ある積層電子部品として、図7にその一部を断面図で示すようなものがある(たとえば、特許文献1参照)。図7には、積層電子部品としての貫通型積層チップコンデンサ1が図示されている。
貫通型積層チップコンデンサ1は、チップ状の部品本体2を備えている。部品本体2は、誘電体からなる複数の絶縁体層3と絶縁体層3間の特定の界面に沿って形成されかつ部品本体2の外表面上に引き出される信号入出力用内部電極4およびグラウンド用内部電極5とが積層された構造を有している。信号入出力用内部電極4とグラウンド用内部電極5とは、静電容量を形成するように絶縁体層3を介して互いに対向している。
図7には、部品本体2の外表面上に形成されかつ信号入出力用内部電極4に電気的に接続されている信号入出力用端子電極6が図示されている。この貫通型積層チップコンデンサ1は、信号入出力用端子電極6に抵抗素子としての機能をも持たせることによって、インダクタンスを増加させることなく、良好なノイズ防止作用をも発揮させ得るようにされている。そのため、信号入出力用端子電極6は、次のように構成される。
信号入出力用端子電極6は、まず、部品本体2の外表面上に形成されかつ信号入出力用内部電極4に電気的に接続される下地導体層7を備えている。次いで、下地導体層7を覆うように、下地導体層7より大きい比抵抗を有する抵抗体層8が形成され、さらに、抵抗体層8を覆うように、外部導体層9が形成される。
上述した信号入出力用端子電極6に備える下地導体層7、抵抗体層8および外部導体層9は、たとえば、次のようにして形成される。
下地導体層7は、たとえば銀、銀−パラジウムまたは銅等を含む導電性ペーストを付与し、これを焼き付けることによって形成される。抵抗体層8は、たとえば、ガラスフリットおよび酸化ルテニウム(RuO2 )を含む抵抗体ペーストまたは熱硬化性樹脂およびカーボン等を含む抵抗体ペーストを付与し、これを焼き付けまたは加熱硬化させることにより形成される。外部導体層9は、たとえば、銀、銀−パラジウム、銅等を含む導電性ペーストを付与し、これを焼き付けることによって形成され、あるいは、ニッケルおよび錫を電気めっきすることによって形成される。
しかしながら、上述した貫通型積層チップコンデンサ1には、その信号入出力用端子電極6の構造に関して、次のような課題を有している。
たとえば高容量品や部品本体2の寸法が大きい場合などのように、信号入出力用内部電極4の引出し部が占める面積が大きい場合には、下地導体層7の面積が大きくなる。そのため、信号入出力用端子電極6において比較的大きい抵抗値が求められる場合には、抵抗体層8のために用いられる抵抗体材料として、比抵抗の大きいものが要求され、その結果、材料選択の幅が狭められる。
また、下地導体層7および抵抗体層8が、それぞれ、ペーストに部品本体2の所定の面を浸漬して付与するといったディップ法を用いて形成されると、下地導体層7の面積のばらつきが大きくなったり、図7で破線の円10で示す部分のように、下地導体層7の周縁部上に位置する抵抗体層8の厚みのばらつきが大きくなったりし、そのため、信号入出力用端子電極6によって与えられる抵抗値のばらつきが大きくなってしまう。
また、外部導体層9がたとえ緻密に形成されたとしても、外部導体層9と部品本体2との界面は、水分が浸入しやすい箇所として残る。そのため、抵抗体層8にまで水分が浸入しやすく、抵抗体層8が吸湿により、その抵抗値を比較的大きく変化させてしまうことがある。
特開平10−4031号公報
そこで、この発明の目的は、上述のような課題を解決し得る、積層電子部品およびその製造方法を提供しようとすることである。
この発明は、チップ状の部品本体と部品本体の外表面上に形成される複数の端子電極とを備える、積層電子部品に向けられる。部品本体は、複数の絶縁体層と複数の絶縁体層間の特定の界面に沿って形成されかつ部品本体の外表面上に引き出されて特定の端子電極に電気的に接続される内部電極とが積層された積層構造を有している。また、端子電極の少なくとも1つは、外部導体層と、外部導体層の内側に形成されかつ外部導体層より大きい比抵抗を有する抵抗体層と、内部電極と抵抗体層との間に位置する接続部とを備えている。
そして、この発明では、前述した技術的課題を解決するため、接続部は、卑金属からな る導電部と卑金属の酸化物からなる非導電部を備え、導電部は、抵抗体層の内側であっ て部品本体の外表面上に層状に形成され、非導電部は、導電部の表面を酸化させることに よって得られる卑金属の酸化物からなるもので、抵抗体層と導電部との間の界面に沿って 形成されかつ抵抗体層と導電部とを互いに電気的導通状態とするための窓を有している。 そして、内部電極と抵抗体との間の導通経路は、上記非導電部によって制限されていることを特徴としている。
この発明において、内部電極が、静電容量を形成するように絶縁体層を介して互いに対向する少なくとも1対の第1および第2の内部電極を備え、端子電極が、第1の内部電極に電気的に接続される第1の端子電極と第2の内部電極に電気的に接続される第2の端子電極とを備えていてもよい。この場合、この発明に係る積層電子部品は、CR複合部品を構成する。
上述の場合であって、第1の端子電極がグラウンド用端子電極を備え、第2の端子電極が2つの信号入出力用端子電極を備え、それによって、3端子CR複合部品を構成するものであるとき、グラウンド用端子電極が前述したような外部導体層と抵抗体層と接続部とを備える構成を有していることが好ましい。
この発明は、また、上述のような構成を有する積層電子部品を製造する方法にも向けられる。
この発明に係る積層電子部品造方法は、卑金属からなる導電部が外表面上に形成された部品本体を作製する工程と、導電部を酸化性雰囲気中で熱処理し、それによって、導電部の表面を酸化させ、卑金属の酸化物からなる非導電部を導電部の表面に形成する工程と、非導電部の一部を除去し、それによって窓を形成する工程と、非導電部を覆いかつ窓を介して導電部に接触するように、抵抗体層を形成する工程と、抵抗体層を覆うように、外部導体層を形成する工程とを備えることを特徴としている。
さらに、絶縁体層がセラミック層であって、上述した積層電子部品の製造方法は、次のように実施されることを特徴としている
すなわち、部品本体を作製する工程は、未焼結の生の状態の部品本体を用意する工程と、生の状態の部品本体の外表面上に導電部となる導電性ペースト膜を形成する工程と、生の状態の部品本体を焼成する工程とを備え、焼成工程は、導電性ペーストを焼き付ける工程を兼ね、それによって、この焼成工程において、導電部の表面を酸化させる工程が同時に実施される。
この発明に係る積層電子部品によれば、抵抗体としての機能をも有する端子電極に関して、接続部に備える非導電部によって、内部電極と抵抗体層との間の導通経路が制限されるので、非導電部の形成状態によって、端子電極が与える抵抗値を調整することが可能になる。そのため、抵抗体層を形成するために用いられる抵抗体材料の選択の幅を広げることができる。
また、非導電部によって、内部電極と抵抗体層との導通経路を制限するようにしているので、この導通経路をより制限すれば、抵抗体層を形成するための抵抗体材料として、比較的小さい比抵抗のものを用いることができるようになる。このように、小さい比抵抗の抵抗体材料は、一般に、湿度による抵抗変化が小さいため、外部環境による抵抗変化が生じにくくされた積層電子部品を得ることができる。
また、この発明に係る積層電子部品によれば、内部導体と抵抗体層との間の導通経路が非導電部によって制限される構造を有しているので、非導電部を、たとえば抵抗体層における厚みのばらつきが生じやすい場所に位置させるようにすれば、端子電極によって与えられる抵抗値のばらつきを小さく抑えることができる。
また、上述したような非導電部の位置に関して、これを端子電極における水分が浸入しやすい周縁部に位置させるようにすれば、抵抗体層における導電経路として作用する部分を、水分の浸入しやすい箇所から十分に遠ざけることができる。その結果、吸湿による抵抗変化の小さい端子電極を得ることができる。
また、非導電部は、卑金属の酸化物から構成されるので、予め形成しておいた卑金属からなる部分を酸化させることにより、これを容易に形成することができる。
この発明に係る積層電子部品によれば、内部電極と抵抗体層との間に位置する接続部が、卑金属からなる導電部をさらに備え、この導電部は、部品本体の外表面上に形成されるので、端子電極は、導電部と内部電極との間で信頼性の高い電気的導通状態を実現することができる。
また、非導電部に形成される窓の大きさによって端子電極が与える抵抗値を調整することができるので、窓の大きさを変えることにより、抵抗値を容易に調整することができる。
また、上述の非導電部に形成される窓は、その位置を任意に選ぶことができる。そのため、窓の位置が、抵抗体層における厚みのばらつきの生じにくい場所に対応するようにすれば、抵抗値のばらつきを抑えることができ、端子電極の周縁部から十分に遠い場所すなわち端子電極の中央部に対応するようにすれば、抵抗変化の原因となる吸湿の影響を受けにくくすることができる。
また、接続部に備える導電部の面積を比較的大きくとることができるので、積層電子部品の等価直列インダクタンスを小さくすることができ、そのため、高周波領域まで安定した特性を実現することができる。
また、この発明に係る積層電子部品の製造方法によれば、卑金属からなる導電部が外表面上に形成された部品本体を作製し、次いで、導電部を酸化性雰囲気中で熱処理することによって、導電部の表面を酸化させ、卑金属の酸化物からなる非導電部を導電部の表面に形成した後、非導電部の一部を除去し、それによって窓を形成するようにしているので、非導電部の形成および窓の形成を能率的に行なうことができる。
また、生の状態の部品本体の外表面上に導電部となる導電性ペースト膜を形成しておき、これを焼成するようにしているので、焼成工程において、導電性ペースト膜の焼き付けと同時に、導電部の表面を酸化させる工程を実施することができ、一層能率的である。
この発明に係る積層電子部品がCR複合部品を構成する場合、このCR複合部品を電源ラインとグラウンドとの間に挿入されるように用いると、CR複合部品が有する容量成分による電圧変動抑制効果と抵抗成分による共振抑制効果とが発揮され、電源電圧の安定化を図ることができる。
この発明に係る積層電子部品が3端子CR複合部品を構成する場合であって、側面端子電極が前述したような外部導体層と抵抗体層と接続部とを備えていると、電流を抵抗体層の厚み方向に流すことができるので、抵抗体層によってもたらされるインダクタンス成分を低く抑えることができ、優れた高周波特性を有する3端子CR複合部品を提供することができる。
図1および図2は、この発明が適用され得る積層電子部品の一例としての3端子CR複合部品21の一般的な構造を説明するためのもので、図1は、3端子CR複合部品21の外観を示す斜視図であり、図2は、3端子CR複合部品21の内部構造を断面で示す平面図であり、(a)と(b)とでは互いに異なる断面を示している。
3端子CR複合部品21は、チップ状の部品本体22を備えている。部品本体22の外表面上には、2つの端面端子電極23および24ならびに2つの側面端子電極25および26がそれぞれ形成されている。
より詳細には、一方の端面端子電極23は、部品本体22の一方の端面27の全面にわたって延びながら、その一部が端面27に隣接する4つの側面28〜31の各一部にまで延びるように形成されている。他方の端面端子電極24は、部品本体22の他方の端面32の全面にわたって延びながら、その一部が端面32に隣接する4つの側面28〜31の各一部にまで延びるように形成されている。
また、一方の側面端子電極25は、部品本体22の1つの側面29の中央部において帯状に延びながら、その一部が側面29に隣接する2つ側面28および30の各一部にまで延びるように形成されている。他方の側面端子電極26は、部品本体22の側面29と対向する側面31の中央部において帯状に延びながら、その一部が側面31に隣接する2つ側面28および30の各一部にまで延びるように形成されている。
部品本体22は、図2に示されているように、たとえばBaTiO3 系誘電体セラミックのようなセラミックからなる複数の絶縁体層33を積層した積層構造を有している。部品本体22の内部には、複数の絶縁体層33間の特定の界面に沿って、少なくとも1対の第1および第2の内部電極34および35が設けられている。第1および第2の内部電極34および35は、交互に積層され、かつ互いに対向し、この対向によって、静電容量が形成される。内部電極34および35は、たとえばニッケルのような卑金属から構成される。
なお、図2(a)は、上述の第1の内部電極34が位置する面での断面を示し、同(b)は、上述の第2の内部電極35が位置する面での断面を示している。
第1の内部電極34は、部品本体22の端面27および32上に引き出されて前述の端面端子電極23および24に電気的に接続される。他方、第2の内部電極35は、部品本体22の側面29および31上に引き出されて前述の側面端子電極25および26に電気的に接続される。
この発明の実施形態では、以上のような3端子CR複合部品21に備える側面端子電極25および26の各々において、図3に示すような構造が採用される。図3は、この発明の実施形態を説明するためのもので、図1および図2を参照して説明した3端子CR複合部品21の主要部を断面で示す正面図である。図3において、図1および図2に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図3には、側面端子電極25が図示されている。もう一方の側面端子電極26については図示されないが、側面端子電極25と実質的に同様の構造を有しているので、以下の説明は、側面端子電極25についてのみ行なう。なお、この実施形態では、側面端子電極25および26は、グラウンド用端子電極として機能するものである。
側面端子電極25は、外部導体層41と、外部導体層41の内側に形成されかつ外部導体層41より大きい比抵抗を有する抵抗体層42と、内部電極35と抵抗体層42との間に位置する接続部43とを備えている。
接続部43は、たとえばニッケルのような卑金属からなる導電部45と卑金属の酸化物からなる非導電部44とを備えている。導電部45は、抵抗体層42の内側であって部品本体22の外表面すなわち側面29上に層状に形成され、非導電部44は、導電部45の 表面を酸化させることによって得られる卑金属の酸化物からなるもので、抵抗体層42と導電部45との間の界面に沿って形成されかつ抵抗体層42と導電部45とを互いに電気的導通状態とするための窓46を有している。
上述のような構成を有する側面端子電極25においては、内部電極35と抵抗体層42との間の導通経路は、非導電部44によって制限されている。
図4は、3端子CR複合部品21の製造方法、特に側面端子電極25の形成方法を説明するための図3に対応する図である。
図4を参照して、部品本体22が用意され、その側面29上に、たとえばニッケルのような卑金属からなる導電部45が形成される。次に、導電部45が酸化性雰囲気中で熱処理される。これによって、導電部45の表面が酸化され、図4に示すように、卑金属の酸化物からなる非導電部44が導電部45の表面に形成される。
上述したような工程は、次のように実施されることが好ましい。
部品本体22が未焼結の生の状態にある段階で、部品本体22の側面29上に導電部45となるたとえばニッケルを含む導電性ペースト膜をスクリーン印刷等によって形成する。次いで、生の状態の部品本体22を焼成する。この焼成によって、導電性ペースト膜が焼き付けられ、導電部45が形成されるとともに、導電部45の表面が酸化され、非導電部44が形成される。
次に、図3に示すように、非導電部44の一部が除去され、それによって窓46が形成される。より具体的には、非導電部44の一部のみを露出させる貫通孔が設けられたマスクが用いられ、このマスクを通してサンドブラストが適用され、それによって非導電部44の一部が除去される。
なお、非導電部44の厚みは1μm以下と非常に薄いため、サンドブラストにより非導電部44のみを除去することは困難であり、そのため、図3に示すように、導電部45にも、窓46に連通する凹部が形成される。
窓46の大きさは、部品本体22が2.0mmの長さ方向寸法、1.25mmの幅方向寸法および0.85mmの厚み方向寸法を有しているとき、2.0mm×0.85mmの寸法の側面29において、たとえば半径0.2mmの円形となるようにされる。窓46の大きさは、得ようとする抵抗値に応じて変更される。窓46の形状は、円形以外の形状であってもよい。
また、窓46は、非導電部44の中央部に位置することが好ましい。これによって、窓46の位置を、抵抗体層42における厚みのばらつきの生じにくい場所に対応させることができ、抵抗値のばらつきを抑えることができるとともに、抵抗体層42における抵抗変化の原因となる吸湿の影響を受けにくくすることができる。
次に、図3に示すように、非導電部44を覆いかつ窓46を介して導電部45に接触するように、抵抗体膜42が形成される。より具体的には、たとえば、フェノール系熱硬化性樹脂にカーボン粒子を分散させた抵抗体ペーストが用いられ、これを塗布し、260℃の温度で5分間加熱して熱硬化性樹脂を硬化させることによって、抵抗体膜42が形成される。
上述した抵抗体ペーストにおいて用いられた導電性粒子としてのカーボン粒子に代えて、またはカーボン粒子に加えて、酸化ルテニウム、窒化タンタル等の導電性粒子が用いられてもよい。また、抵抗値調整のため、抵抗体ペーストに、必要に応じて、適宜の添加物が適量添加されてもよい。たとえば、抵抗値を上げたい場合には、SiO2 、MgO、CaO、Al2 3 等の酸化物粉末が添加され、抵抗値を下げたい場合には、金、銀、ニッケル等の導電性金属粉末が添加される。また、抵抗体ペーストに含まれる樹脂としては、フェノール系樹脂のほか、たとえば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が用いられてもよく、また、熱硬化性樹脂に代えて紫外線硬化性樹脂が用いられてもよい。
次に、図3に示すように、抵抗体層42を覆うように、外部導体層41が形成される。より具体的には、たとえば、電気めっきが実施され、ニッケルめっき膜およびその上に錫めっき膜が形成される。なお、このような電気めっきを能率的に行なえるようにするため、前述した抵抗体層42を形成する工程において、抵抗体ペーストに含まれる樹脂が硬化する前に、たとえば銀粒子のような導電性金属粒子を抵抗体層42の表面に付着させておいてもよい。
このようにして、側面端子電極25および26が図3に示したような構造を有する3端子CR複合部品21が得られる。なお、3端子CR複合部品21に備える端面端子電極23および24については、たとえば、銅を含む導電性ペーストを付与し、これを焼き付けることによって形成される。
以上のような実施形態の変形例として、図3に示した構造が、端面端子電極23および24において採用されても、側面端子電極25および26と端面端子電極23および24との両方において採用されてもよい。
図5および図6は、この発明にとって興味ある参考例を説明するためのものである。 の参考例では、図1および図2に示した3端子CR複合部品21に備える端面端子電極23および24の各々において、図5に示すような構造が採用される。図5は、図1および図2を参照して説明した3端子CR複合部品21の主要部を断面で示す平面図である。図5において、図1および図2に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図5には、一方の端面端子電極23のみが図示されている。他方の端面端子電極24についても、図示した端面端子電極23と実質的に同様の構造を有しているので、以下には、一方の端面端子電極23についてのみ説明する。
端面端子電極23は、外部導体層51と、外部導体層51の内側に形成されかつ外部導体層51より大きい比抵抗を有する抵抗体層52と、内部電極34と抵抗体層52との間に位置する接続部53とを備えている。接続部53は、卑金属の酸化物からなる非導電部54から構成されている。この参考例では、非導電部54は、卑金属からなる内部電極34の、部品本体22の外表面すなわち端面27への引出し部の一部に形成されている。その結果、内部電極34と抵抗体層52との間の導通経路は、非導電部54によって制限されている。
図6は、上述の参考例に係る3端子CR複合部品21の製造方法、特に端面端子電極23の形成方法を説明するための図であり、部品本体22の端面27を示す図である。
まず、ニッケルのような卑金属からなる内部電極34を備える部品本体22が作製される。次いで、部品本体22が酸化性雰囲気中で熱処理される。これによって、内部電極34の、部品本体22の外表面すなわち端面27への引出し部が酸化される。その結果、卑金属の酸化物からなる非導電部54が内部電極34の各々の引出し部に形成される。図6には、内部電極34の引出し部が図示されているが、この引出し部に相当する部分が非導電部54とされている。
上述したような工程は、次のように実施されることが好ましい。すなわち、未焼結の生の状態の部品本体22を用意し、これを焼成するとき、同時に、内部電極34の引出し部を酸化させる。その結果、非導電部54が内部電極34の各引出し部に形成される。
次に、非導電部54の一部が除去される。より具体的には、前述の実施形態の場合と同様、マスクを介してサンドブラストが適用され、図6において破線の円55で示した領域にある非導電部54が除去される。図5には、このように非導電部54が除去された後の状態が示されている。
部品本体22が2.0mmの長さ方向寸法、1.25mmの幅方向寸法および0.8mmの厚み方向寸法を有しているとき、1.25mm×0.8mmの寸法の端面27において、たとえば、半径0.35mmの円形領域において非導電部54が除去される。除去される非導電部54の大きさは、得ようとする抵抗値に応じて変更される。非導電部54が除去される領域の形状は、円形以外の形状であってもよい。
また、非導電部54が除去される領域は、内部電極34の引出し部が分布する領域の中央部に位置することが好ましい。これによって、抵抗体層52における厚みのばらつきの生じにくい場所に、非導電部54が除去される領域を対応させることができ、抵抗値のばらつきを抑えることができる。
次に、図5に示すように、非導電部54および内部電極34の双方に接触するように、部品本体22の外表面すなわち端面27上に抵抗体層52が形成される。抵抗体層52の形成方法については、前述の実施形態の場合と同様である。
次に、抵抗体層52を覆うように、外部導体膜51が形成される。外部導体膜51の形成方法についても、前述の実施形態の場合と同様である。
このようにして、端面端子電極23および24が図5に示したような構造を有する3端子CR複合部品21が得られる。
3端子CR複合部品21に備える側面端子電極25および26については、たとえば、銅を含む導電性ペーストを塗布し、これを焼き付けることによって形成される。なお、前述した内部電極34の引出し部を酸化させる工程において、側面端子電極25および26に電気的に接続されるべき内部電極35についても、その引出し部が酸化されてしまった場合には、側面端子電極25および26を形成する工程の前に、この酸化された引出し部を除去するための研磨またはブラスト等の工程が実施されることになる。
この参考例の変形例として、図5に示すような構造は、側面端子電極25および26において採用されても、あるいは、端面端子電極23および24と側面端子電極25および26の両方に採用されてもよい
以上、この発明が、図1および図2に示すような3端子CR複合部品21に適用された場合について説明したが、この発明は、通常の2端子の積層セラミックコンデンサにも適用することができ、さらには、コンデンサ以外の機能を備える電子部品にも適用することができる。さらに、積層セラミック電子部品に限らず、セラミックを用いない積層電子部品にも適用することができる。
この発明が適用され得る積層電子部品の一例としての3端子CR複合部品21の一般的な構造を説明するためのもので、3端子CR複合部品21の外観を示す斜視図である。 図1に示した3端子CR複合部品21の一般的な構造を説明するためのもので、3端子CR複合部品21の内部構造を断面で示す平面図であり、(a)は、内部電極34が位置する面での断面を示し、(b)は、内部電極35が位置する面での断面を示している。 この発明の実施形態を説明するためのもので、図1および図2に示した3端子CR複合部品21の主要部を断面で示す正面図である。 図3に示した側面端子電極25の形成方法を説明するための図3に対応する図である。 この発明にとって興味ある参考例を説明するためのもので、図1および図2に示した3端子CR複合部品21の主要部を断面で示す平面図である。 図5に示した端面端子電極23の形成方法を説明するための部品本体22の端面28を示す図である。 この発明にとって興味ある従来の貫通型積層チップコンデンサ1の一部を断面で示す正面図である。
符号の説明
21 3端子CR複合部品(積層電子部品)
22 部品本体
23〜26 端子電極
27,32 端面
28〜31 側面
33 絶縁体層
34,35 内部電極
41,51 外部導体層
42,52 抵抗体層
43,53 接続部
44,54 非導電部
45 導電部
46 窓

Claims (4)

  1. チップ状の部品本体と前記部品本体の外表面上に形成される複数の端子電極とを備え、
    前記部品本体は、複数の絶縁体層と複数の前記絶縁体層間の特定の界面に沿って形成されかつ前記部品本体の外表面上に引き出されて特定の前記端子電極に電気的に接続される内部電極とが積層された積層構造を有し、
    前記端子電極の少なくとも1つは、外部導体層と、前記外部導体層の内側に形成されかつ前記外部導体層より大きい比抵抗を有する抵抗体層と、前記内部電極と前記抵抗体層との間に位置する接続部とを備え、
    前記接続部は、卑金属からなる導電部と卑金属の酸化物からなる非導電部を備え、 記導電部は、前記抵抗体層の内側であって前記部品本体の外表面上に層状に形成され、前 記非導電部は、前記導電部の表面を酸化させることによって得られる卑金属の酸化物から なるもので、前記抵抗体層と前記導電部との間の界面に沿って形成されかつ前記抵抗体層 と前記導電部とを互いに電気的導通状態とするための窓を有し、前記内部電極と前記抵抗体層との間の導通経路は、前記非導電部によって制限されている、積層電子部品
  2. 前記内部電極は、静電容量を形成するように前記絶縁体層を介して互いに対向する少なくとも1対の第1および第2の内部電極を備え、前記端子電極は、前記第1の内部電極に電気的に接続される第1の端子電極と前記第2の内部電極に電気的に接続される第2の端子電極とを備え、それによって、CR複合部品を構成する、請求項1に記載の積層電子部品。
  3. 前記第1の端子電極はグラウンド用端子電極を備え、前記第2の端子電極は2つの信号入出力用端子電極を備え、それによって、3端子CR複合部品を構成するものであり、前記グラウンド用端子電極が前記外部導体層と前記抵抗体層と前記接続部とを備える、請求項に記載の積層電子部品。
  4. 請求項に記載の積層電子部品を製造する方法であって、
    卑金属からなる前記導電部が外表面上に形成された前記部品本体を作製する工程と、
    前記導電部を酸化性雰囲気中で熱処理し、それによって、前記導電部の表面を酸化させ、卑金属の酸化物からなる前記非導電部を前記導電部の表面に形成する工程と、
    前記非導電部の一部を除去し、それによって前記窓を形成する工程と、
    前記非導電部を覆いかつ前記窓を介して前記導電部に接触するように、前記抵抗体層を形成する工程と、
    前記抵抗体層を覆うように、前記外部導体層を形成する工程と
    を備え
    前記絶縁体層はセラミックからなり、
    前記部品本体を作製する工程は、未焼結の生の状態の前記部品本体を用意する工程と、 前記生の状態の部品本体の外表面上に前記導電部となる導電性ペースト膜を形成する工程 と、前記生の状態の部品本体を焼成する工程とを備え、
    前記焼成工程は、前記導電性ペースト膜を焼き付ける工程を兼ね、それによって、前記 焼成工程において、前記導電部の表面を酸化させる工程が同時に実施される、
    積層電子部品の製造方法
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